JP6746851B2 - 地形分類システム、及び地形分類方法 - Google Patents

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本願発明は、地形モデルを用いて特徴ある地形を分類する技術に関するものであり、より具体的には、地形モデルを構成する単位区画ごとに平均傾斜量と傾斜量の標準偏差(以下、「傾斜標準偏差」という。)を求め、その平均傾斜量と傾斜標準偏差をもとに地形を分類するシステムと方法に関するものである。
我が国は、国土に占める山地の割合が多く、しかも雨が多いことから、地すべりや斜面崩壊といった斜面災害による被害を受けやすい。特に、ひとたび地すべりや深層崩壊が生ずると、甚大な被害を伴うこともある。このような斜面災害による被害を受けないように(あるいは軽減するように)、これまで原因となる斜面で対策工が施され、災害時における避難計画が策定されてきた。
ところで、斜面対策工を行うにしても、住民の避難計画を策定するにしても、災害原因となる斜面を特定する必要がある。従来、地すべりが生じそうな地形(以下、「地すべり地形」という。)や、斜面崩壊が生じそうな地形(以下、「崩壊地形」という。)は、専門技術を有する技術者によって抽出されてきた。その際、膨大な範囲の地形から直ちに地すべり地形や崩壊地形を特定することは難しく、まずは地形的な特徴を糸口として候補となる地形を挙げ、その候補地形を詳細に検討することで地すべり地形や崩壊地形を抽出するのが一般的であった。
地すべり地形や崩壊地形の候補を挙げるためには、斜面勾配が急激に変化する地形に着目するのが有効であり、このような地形としては、斜面上方から見て緩斜面から急斜面に変化する「遷急線」と、急斜面から緩斜面に変化する「遷緩線」が知られている。またある断面に着目し、その断面のうち遷急線を構成する点を「遷急点」、遷緩線を構成する点を「遷緩点」と呼ぶこともある。なおここでは、遷急線と遷緩線の総称を「地形変化線」ということとし、遷急点と遷緩点の総称を「地形変化点」ということとする。
地すべり地形や崩壊地形と同様、地形変化線や地形変化点もまた専門技術者によってこれまで抽出されてきた。専門技術者が有する知識とともに過去の経験にしたがって地形変化線等を抽出するわけであるが、そのため技術者によってその結果はそれぞれ異なることもあり、つまり技術者によって地形変化線等の適否判断が分かれていた。既述のとおり地形変化線等の抽出は、地すべり地形等の候補地形を挙げるために行うものであり、地形変化線等の抽出漏れはすなわち地すべり地形等の抽出漏れを意味する。
このような人為的なばらつきを回避するため、言い換えれば客観的な結果を得る目的で、機械的に地形の特徴を抽出する取り組みはこれまでも行われてきた。特許文献1では、地形図に地すべりブロック(平面形状)を与えることで、その地すべり方向を自動的に求める技術について提案している。
特開2005−164421号公報
ところが特許文献1を含めこれまで、遷急線や遷緩線といった地形変化線(あるいは地形変化点)を機械的(自動的)に抽出する技術が提示されることはなく、関係者の間ではこのような技術が強く要望されるところであった。
本願発明の課題は、従来が抱える問題を解決することであり、すなわち技術者によるばらつきを回避し、つまり客観的な判断によって地形変化線を抽出するため、特徴ある地形を分類することができる地形分類システム、及び地形分類方法を提供することである。
本願発明は、地形モデルを構成する単位区画ごとに求められる平均傾斜量と傾斜標準偏差に基づいて特徴ある地形を分類する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
本願発明の地形分類システムは、地形モデルを用いて地形の種別を分類するシステムであり、地形量算出手段と、サンプル領域抽出手段、注目線設定手段、散布図作成手段、地形分類条件設定手段、特徴地形分類手段を備えたものである。ここで地形モデルとは、所定領域を平面分割して得られる多数の単位区画と、これら単位区画がそれぞれ具備する標高値を含んで構成されるものである。地形量算出手段は、単位区画に対して平均傾斜量と傾斜標準偏差を求めるもので、サンプル領域抽出手段は、オペレータの操作により所定領域のうち地形の特徴に着目してサンプル領域を抽出するものである。注目線設定手段は、オペレータの操作によりサンプル領域の境界と交差する注目線を設定するもので、散布図作成手段は、サンプル領域内にある単位区画の平均傾斜量と傾斜標準偏差を、平均傾斜量軸及び傾斜標準偏差軸からなる2軸平面に配置して散布図を作成するものである。また地形分類条件設定手段は、散布図に基づいて平均傾斜量と傾斜標準偏差を変数とする閾値関数を設定するもので、特徴地形分類手段は、平均傾斜量と傾斜標準偏差の組み合わせが閾値関数の上方又は下方となる単位区画を、特徴単位区画として分類するものである。なお、平均傾斜量は、単位区画とその単位区画の周辺にある複数の単位区画によってそれぞれ算出されるもので、傾斜標準偏差は、複数の周辺傾斜量に基づいて求められるものである。
本願発明の地形分類システムは、地形変化線設定手段をさらに備えたものとすることもできる。地形変化線設定手段は、特徴地形分類手段によって分類された特徴単位区画が複数集合した領域を特徴領域とし、この特徴領域の境界を遷緩線又は遷急線として設定するものである。
本願発明の地形分類方法は、地形モデルを用いて地形の種別を分類する方法であり、地形量算出工程と、サンプル領域抽出工程、注目線設定工程、散布図作成工程、地形分類条件設定工程、特徴地形分類工程を備えたものである。地形量算出工程では、単位区画に対して平均傾斜量と傾斜標準偏差を求め、サンプル領域抽出工程では、オペレータの操作により所定領域のうち地形の特徴に着目してサンプル領域を抽出する。注目線設定工程では、オペレータの操作によりサンプル領域の境界と交差する注目線を設定し、散布図作成工程では、サンプル領域内にある単位区画の平均傾斜量と傾斜標準偏差を、平均傾斜量軸及び傾斜標準偏差軸からなる2軸平面に配置して散布図を作成する。また地形分類条件設定工程では、散布図に基づいて平均傾斜量と傾斜標準偏差を変数とする閾値関数を設定し、特徴地形分類工程では、平均傾斜量と傾斜標準偏差の組み合わせが閾値関数の上方又は下方となる単位区画を、特徴単位区画として分類する。なお、平均傾斜量は、単位区画とその単位区画の周辺にある複数の単位区画によってそれぞれ算出されるもので、傾斜標準偏差は、複数の周辺傾斜量に基づいて求められるものである。
本願発明の地形分類システム、及び地形分類方法には、次のような効果がある。
(1)技術者によるばらつきを回避し、客観的な判断によって、特徴ある地形を分類することができる。その結果、客観的に地形変化線を抽出することができ、ひいては地すべり地形や崩壊地形の抽出漏れを防ぐことができる。
(2)人による作業を大幅に省略できることから、作業コストを低減することができるとともに、地すべり地形等をこれまでより迅速に抽出することができる。
本願発明の地形分類システムを示すブロック図。 地形変化点を抽出するための条件を設定するための主な処理(工程)を示すフロー図。 条件設定手段を示すブロック図。 地形モデルと単位区画を説明するモデル図。 サンプル領域に対して設定された注目線を説明するモデル図。 (a)1次傾向面解析によるX軸方向の傾斜量の算出手法を説明するモデル図、(b)は1次傾向面解析によるY軸方向の傾斜量の算出手法を説明するモデル図。 (a)は図5に示すサンプル領域に対して設定された注目線Line1における散布図、(b)は図5に示すサンプル領域に対して設定された注目線Line2における散布図、(c)は図5に示すサンプル領域に対して設定された注目線Line3における散布図、(d)は図5に示すサンプル領域に対して設定された注目線Line4における散布図、(e)は図5に示すサンプル領域に対して設定された注目線Line5における散布図。 所定領域に対して特徴単位区画を抽出するための主な処理(工程)を示すフロー図。 特徴領域抽出手段を示すブロック図。
本願発明の地形分類システム、及び地形分類方法の一例を、図を参照しながら説明する。
1.全体概要
図1は、本願発明の地形分類システム100を示すブロック図である。この図に示すように地形分類システム100は、条件設定手段110と特徴領域抽出手段120を含んで構成され、プリンタやディスプレイといった出力手段130を含むこともできる。条件設定手段110は、特徴ある地形領域(以下、「特徴領域」という。)を構成する単位区画(以下、「特徴単位区画」という。)を抽出するための条件(以下、「地形分類条件」という。)を設定するもので、この地形分類条件に基づいて特徴領域抽出手段120が特徴単位区画を抽出する。なお本願発明の地形分類システム100は、プログラムを実行するコンピュータを利用して構成するとよい。以下、条件設定手段110と特徴領域抽出手段120について詳しく説明する。
2.条件設定手段
図2は、地形分類条件を設定するための主な処理(工程)を示すフロー図であり、図3は、条件設定手段110を示すブロック図である。なお、図2の中央の列には実施する処理(工程)を示しており、左列にはその処理(工程)に必要な入力情報を、右列にはその処理(工程)から生まれる出力情報を示している。以下、これらの図を参照しながら条件設定手段110について説明する。
(地形モデル)
図4は、地形モデルと単位区画を説明するモデル図である。この図に示すように地形モデルTMは、所定領域ARを平面分割した網目状のモデルであり、単位区画BLは平面分割された結果得られる小領域のことである。言い換えれば、地形モデルTMは多数の単位区画BLによって構成される。例えば、図4左側の破線領域は、24個の単位区画BLで構成されていることが分かる。なお、この図にも示すように、それぞれの単位区画BLには識別番号(図ではBL323〜BL824)が付与されることが多い。また地形モデルTMは、平面座標(あるいは緯度経度)が付与されており、通常は単位区画BLの格子点に平面座標等が付与されている。
このような地形モデルTMとして代表的なのが、DEM(Digital Elevation Model)やDSM(Digital Surface Model)である。地表モデルとも言われるDEMは、地形モデルTMを構成する個々の単位区画BLに標高値が付与され、一方表層モデルとも言われるDSMは、地形モデルTMを構成する個々の単位区画BLに、被覆物等の標高値が付与される。これら標高値は、単位区画BLのうち中心点や格子点に付与されるのが一般的である。なお図4では所定領域ARが略正方格子状に区切られ、単位区画BLの形状も略正方形となっているが、これに限らず、単位区画BLの形状を長方形やひし形、あるいは長円形など任意の形状とすることが可能で、さらにそれぞれの単位区画BLの形状や大きさを変えることもできる。
地形モデルTMは、図3に示す地形モデル記憶手段111に記憶され、地形モデル読出し手段112によって読み出される(Step101:図2)。
(サンプル領域)
ここでサンプル領域とは、地形(特に勾配の変化)に特徴がある領域であり、操作者(オペレータ)によって選定される。サンプル領域としては、例えば、緩傾斜地や急傾斜地が代表的に選定され、さらにこれらの特徴に加え規模(面積)に応じて細分化してもよい。なおサンプル領域は、特徴領域を抽出しようとする所定領域ARに対して1種類のみ抽出してもよいし、2種類以上を抽出してもよい。2種類以上のサンプル領域を抽出する場合、それぞれのサンプル領域に設定される注目線(後述する)の数だけ、地形分類条件が設定される。
サンプル領域は、図3に示すサンプル領域抽出手段113をオペレータが操作することで抽出される(Step102:図2)。具体的には、表示手段130に表示した地形モデルTMを確認しながら、オペレータがマウスなどポインティングデバイスを利用して所定の領域を指定するとよい。
サンプル領域が抽出されると、注目線が設定される(Step103:図2)。図5は、サンプル領域SAに対して設定された注目線を説明するモデル図であり、この図に示すように注目線は、サンプル領域SAの境界と交差するように設定される。なお図5では、1つのサンプル領域SAに対しての5つの注目線(Line1〜Line5)が示されているが、注目線の数は任意に設定でき、またサンプル領域SAの境界と注目線の交差角も任意に選択することができる。この注目線は、図3に示す注目線設定手段114をオペレータが操作することで設定され、具体的には、表示手段130に表示した地形モデルTMとサンプル領域SAを確認しながら、オペレータがマウスなどポインティングデバイスを利用して注目線を指定するとよい。
(平均傾斜量)
サンプル領域SAに対して注目線が設定されると、その注目線上にある単位区画BLに対して平均傾斜量Iを求める。通常、注目線上には複数の単位区画BLがあり、これらの単位区画BLに対してそれぞれ平均傾斜量Iを求める。また、設定した注目線全てにかかる単位区画BLに対して平均傾斜量Iを求めるとよい。なお、注目線上の単位区画BLには、その注目線の一部を含む単位区画BLのほか、注目線からの所定距離以内にある単位区画BLを含むこともできる。
平均傾斜量Iは、1次傾向面解析による傾斜量として算出され、具体的には算出対象の単位区画BLと、その周辺にある複数の単位区画BLを用いて算出される。ここでは混乱を避けるため、平均傾斜量Iを求める対象となる単位区画BLを「対象単位区画BLa」と、対象単位区画BLaの周辺にある単位区画BLを「周辺単位区画BLs」ということとする。
図6は、1次傾向面解析による傾斜量の算出手法を説明するモデル図であり、(a)はX軸方向の傾斜量、(b)はY軸方向の傾斜量を示している。この図では、X軸とY軸からなる平面上に配置された地形モデルTMの一部を示しており、中央の網掛けされたものを対象単位区画BLaとし、その周辺にあるものを周辺単位区画BLsとしている。
対象単位区画BLaの平均傾斜量Iを算出するに当たって、まず算出に用いる周辺単位区画BLsの範囲(以下、「窓領域」という。)を設定する。例えば図6では、対象単位区画BLaを中心に5(X軸方向)×5(Y軸方向)を窓領域とし、計24個の周辺単位区画BLsが設定されている。なお窓領域は、あらかじめ定められた範囲(Nx×Ny)に基づいて自動生成することもできるし、その都度範囲(Nx×Ny)を入力し、その範囲に基づいて設定することもできる。
窓領域が設定できると、対象単位区画BLaと周辺単位区画BLsを用いて「周辺傾斜量」が算出される。この周辺傾斜量の算出には、軸方向に沿った距離(以下、「軸距離」という。)が用いられる。例えば図6(a)では、対象単位区画BLa(中心)から周辺単位区画BLs(中心)までの距離のX軸成分(X軸に投影した長さ)がX軸距離であり、周辺単位区画BLs11〜BLs51と周辺単位区画BLs15〜BLs55のX軸距離はLv1であり、周辺単位区画BLs12〜BLs52と周辺単位区画BLs14〜BLs54のX軸距離はLv2である。なお、周辺単位区画BLs13〜BLs53のX軸距離は0となるため、X軸方向の周辺傾斜量の算出にはこれらの周辺単位区画BLsは用いない。
同様に図6(b)では、対象単位区画BLa(中心)から周辺単位区画BLs(中心)までの距離のY軸成分(Y軸に投影した長さ)がY軸距離であり、周辺単位区画BLs11〜BLs15と周辺単位区画BLs51〜BLs55のY軸距離はLh1であり、周辺単位区画BLs21〜BLs25と周辺単位区画BLs41〜BLs45のY軸距離はLh2である。なお、周辺単位区画BLs31〜周辺単位区画BLs35のY軸距離は0となるため、Y軸方向の周辺傾斜量の算出にはこれらの周辺単位区画BLsは用いない。
対象単位区画BLaと周辺単位区画BLsの標高値の差を、図6に示す軸距離で除したものが「成分傾斜量」として算出される。なお、同一の周辺単位区画BLsに対して、X軸距離によって算出されるX成分傾斜量と、Y軸距離によって算出されるY成分傾斜量の2つの成分傾斜量が得られる(ただし、周辺単位区画BLs13〜BLs53と周辺単位区画BLs31〜BLs35は1つの成分傾斜量のみ得られる)。そこで、X成分傾斜量とY成分傾斜量の合成値(2乗和の平方根)を周辺単位区画BLsの周辺傾斜量とするとよい。そして、対象単位区画BLaに対して求められた複数(図6では24個)の周辺傾斜量が得られると、その対象単位区画BLaの平均傾斜量Iを算出する(Step104:図2)。この平均傾斜量Iは、周辺傾斜量に基づいて求められる値であり、算術平均としたり、相加平均としたり、軸距離によって重み付けした加重平均とするなど、種々の手法で算出することができる。
(傾斜標準偏差)
周辺傾斜量が得られると、平均傾斜量Iのほかに傾斜標準偏差σも算出する(Step105:図2)。この傾斜標準偏差σは、対象単位区画BLaに対して求められた複数(図6では24個)の周辺傾斜量の標準偏差として計算された値である。
(地形量)
平均傾斜量Iと傾斜標準偏差σ(以下、これらを総称して「地形量」という。)は、図3に示す地形量算出手段115によって算出される。なお地形量は、設定された全ての注目線上にあるできるだけ多くの(全てでもよい)単位区画BLに対して繰り返し算出される(図2)。
(散布図)
サンプル領域内にある単位区画BLの地形量が得られると、傾斜標準偏差σを縦軸、平均傾斜量Iを横軸(あるいは、平均傾斜量Iを縦軸、傾斜標準偏差σを横軸)とする座標軸平面の上に、個々の単位区画BLの地形量を配置した散布図を作成する(Step106:図2)。いわば、平均傾斜量Iと傾斜標準偏差σの組み合わせを座標として、2軸座標平面上にプロットしたものが散布図である。なお、この散布図は注目線ごとに作成することができる。図7は、図5に示すサンプル領域SAに対して設定された5つの注目線ごとに作成された散布図であり、(a)は注目線Line1における散布図、(b)は注目線Line2における散布図、(c)は注目線Line3における散布図、(d)は注目線Line4における散布図、(e)は注目線Line5における散布図である。散布図は、図3に示す散布図作成手段116によって作成される。
(閾値関数)
散布図が得られると、閾値関数が設定される(Step107:図2)。この閾値関数は、平均傾斜量Iと傾斜標準偏差σを変数とする関数であり、散布図上に散布された点群(つまり、地形量)に基づいて設定される。したがって、平均傾斜量Iと傾斜標準偏差σからなる座標軸平面の上に、閾値関数を描くと連続した直線又は曲線として表される。なお図7では、閾値関数が全て直線として表されている。この閾値関数は、例えば専門の技術者が散布図上の点群を概ね上下(あるいは左右)に2分するような境界線を定め、この境界線を閾値関数として設定することができる。
閾値関数は、平均傾斜量Iのばらつきを考慮したうえで、地形的に特徴あるサンプル領域とそうでない地形を分ける境界線といえることから、閾値関数より上方(あるいは下方)の地形量を示す単位区画が特徴単位区画と推定される。なお、閾値関数より上方とするか下方とするかは、サンプル領域の特徴(緩傾斜や急傾斜)に応じて決定される。したがって、この閾値関数が地形分類条件であり、図3に示す地形分類条件設定手段117によって設定され、地形分類条件記憶手段118に記憶される。
3.特徴領域抽出手段
図8は、所定領域ARに対して特徴単位区画を抽出するための主な処理(工程)を示すフロー図であり、図9は、特徴領域抽出手段120を示すブロック図である。なお、図8の中央の列には実施する処理(工程)を示しており、左列にはその処理(工程)に必要な入力情報を、右列にはその処理(工程)から生まれる出力情報を示している。以下、これらの図を参照しながら特徴領域抽出手段120について説明する。
(地形モデルの読出し)
まず、地形モデル記憶手段111に記憶された地形モデルTMを、地形モデル読出し手段112によって読み出し(Step201:図8)、地形量(平均傾斜量Iと傾斜標準偏差σ)を算出するための窓領域を設定する。なお、ここで設定する窓領域は、地形分類条件を設定する際の窓領域(図6の5×5)と同じとすることもできるし、異なる大きさの領域を設定することもできる。
(地形量の算出)
次に、対象領域AR(地形モデルTM)を構成するそれぞれの単位区画BLに対して、順に所定の処理(工程)を繰り返し行う。はじめに、単位区画BLの平均傾斜量Iが、1次傾向面解析による傾斜量として算出される(Step202:図8)。この場合も条件設定手段110と同様、算出対象となる単位区画BLを「対象単位区画BLa」と、対象単位区画BLaの窓領域内にある単位区画BLを「周辺単位区画BLs」ということとする。既述のとおり平均傾斜量Iは、対象単位区画BLaと周辺単位区画BLsに基づいて求められた周辺傾斜量から得られ、また既述のとおりこの周辺傾斜量は、軸距離を用いて算出された成分傾斜量に基づいて求められる。
平均傾斜量Iのほか、条件設定手段110と同様の手法で、すなわち周辺傾斜量に基づいて対象単位区画BLaの傾斜標準偏差σを求める(Step203:図8)。平均傾斜量Iと傾斜標準偏差σは、図9に示す地形量算出手段121によって算出される。
(特徴単位区画の選別)
対象単位区画BLaの地形量が得られると、地形分類条件記憶手段118に記憶された地形分類条件が、図9に示す地形分類条件読出し手段122によって読み出される(Step204:図8)。そして、対象単位区画BLaの地形量と、読み出した地形分類条件(すなわち、閾値関数)を照らし合わせて、その対象単位区画BLaが特徴単位区画に該当するか否か選別する(Step205:図8)。具体的には、対象単位区画BLaの平均傾斜量Iと傾斜標準偏差σの組み合わせが、閾置関数よりあらかじめ定めた一方(上方又は下方)側にあれば、この対象単位区画BLaを特徴単位区画と判定する。この特徴単位区画の選別は、図9に示す特徴地形分類手段123によって行われる。
(地形変化線の設定)
特徴地形分類手段123によって特徴単位区画が選別されると、複数の特徴単位区画が集合した領域が特徴領域として生成され(Step206:図8)、その特徴領域の境界線が遷緩線又は遷急線として抽出される(Step207:図8)。なお、特徴領域は図9に示す特徴領域生成手段124によって生成され、遷緩線又は遷急線は図9に示す地形変化線設定手段125によって抽出される。
本願発明の地形分類システム、及び地形分類方法は、種々の斜面において地すべり地形や深層崩壊地形、表層・浅層崩壊地形を抽出する際に、極めて有効な手がかりを提供することができる。本願発明を利用すれば、地すべり地形等の抽出に役立つとともに、地すべり等のメカニズムの把握につながることを考えれば、自然災害を未然に防ぎ、被害を軽減させることが可能となり、産業上利用できるうえに社会的にも貢献が期待できる発明といえる。
100 本願発明の地形分類システム
110 (地形分類システムの)条件設定手段
111 (条件設定手段の)地形モデル記憶手段
112 (条件設定手段の)地形モデル読出し手段
113 (条件設定手段の)サンプル領域抽出手段
114 (条件設定手段の)注目線設定手段
115 (条件設定手段の)地形量算出手段
116 (条件設定手段の)散布図作成手段
117 (条件設定手段の)地形分類条件設定手段
118 (条件設定手段の)地形分類条件記憶手段
120 (地形分類システムの)特徴領域抽出手段
121 (特徴領域抽出手段の)地形量算出手段
122 (特徴領域抽出手段の)地形分類条件読出し手段
123 (特徴領域抽出手段の)特徴地形分類手段
124 (特徴領域抽出手段の)特徴領域生成手段
125 (特徴領域抽出手段の)地形変化線設定手段
130 (地形分類システムの)出力手段
AR 所定領域
BL 単位区画
SA サンプル領域
TM 地形データ

Claims (3)

  1. 地形モデルを用いて地形の種別を分類するシステムであって、
    前記地形モデルは、所定領域を平面分割して得られる多数の単位区画と、該単位区画が具備する標高値と、を含んで構成され、
    単位区画に対して、平均傾斜量と傾斜標準偏差を求める地形量算出手段と、
    オペレータの操作により、前記所定領域のうち地形の特徴に着目してサンプル領域を抽出するサンプル領域抽出手段と、
    オペレータの操作により、前記サンプル領域の境界と交差する注目線を設定する注目線設定手段と、
    前記注目線上にある単位区画の前記平均傾斜量及び前記傾斜標準偏差を、平均傾斜量軸及び傾斜標準偏差軸からなる2軸平面に配置して散布図を作成する散布図作成手段と、
    前記散布図に基づいて、前記平均傾斜量及び前記傾斜標準偏差を変数とする閾値関数を設定する地形分類条件設定手段と、
    前記平均傾斜量及び前記傾斜標準偏差の組み合わせが前記閾値関数の上方又は下方となる単位区画を、特徴単位区画として分類する特徴地形分類手段と、
    を備え、
    前記平均傾斜量は、単位区画と該単位区画の周辺にある複数の単位区画によってそれぞれ算出される周辺傾斜量に基づいて求められ、
    前記傾斜標準偏差は、複数の前記周辺傾斜量に基づいて求められる、
    ことを特徴とする地形分類システム。
  2. 前記特徴地形分類手段によって分類された特徴単位区画が、複数集合した領域を特徴領域とし、該特徴領域の境界を遷緩線又は遷急線として設定する地形変化線設定手段を、
    さらに備えたことを特徴とする請求項1記載の地形分類システム。
  3. 請求項1又は請求項2記載の地形分類システムを用いて地形の種別を分類する方法であって、
    前記地形量算出手段が、単位区画に対して前記平均傾斜量と前記傾斜標準偏差を求める地形量算出工程と、
    オペレータが前記サンプル領域抽出手段を操作することにより、前記サンプル領域を抽出するサンプル領域抽出工程と、
    オペレータが前記注目線設定手段を操作することにより、前記注目線を設定する注目線設定工程と、
    前記散布図作成手段が、前記散布図を作成する散布図作成工程と、
    前記地形分類条件設定手段が、前記閾値関数を設定する地形分類条件設定工程と、
    前記特徴地形分類手段が、前記平均傾斜量及び前記傾斜標準偏差の組み合わせが前記閾値関数の上方又は下方となる単位区画を、前記特徴単位区画として分類する特徴地形分類工程と、を備えた、
    ことを特徴とする地形分類方法。
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