JP6746115B2 - 接合方法 - Google Patents

接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6746115B2
JP6746115B2 JP2016128782A JP2016128782A JP6746115B2 JP 6746115 B2 JP6746115 B2 JP 6746115B2 JP 2016128782 A JP2016128782 A JP 2016128782A JP 2016128782 A JP2016128782 A JP 2016128782A JP 6746115 B2 JP6746115 B2 JP 6746115B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
metaboric acid
boron oxide
temperature
silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016128782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018006451A (ja
Inventor
敦 碇
敦 碇
藤井 智
智 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THINKON NEW TECHNOLOGY JAPAN CORPORATION
Original Assignee
THINKON NEW TECHNOLOGY JAPAN CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THINKON NEW TECHNOLOGY JAPAN CORPORATION filed Critical THINKON NEW TECHNOLOGY JAPAN CORPORATION
Priority to JP2016128782A priority Critical patent/JP6746115B2/ja
Publication of JP2018006451A publication Critical patent/JP2018006451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6746115B2 publication Critical patent/JP6746115B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

本発明は、接合方法に係り、特に無機固体材料からなる部材同士の接合方法に関する。
LSI等の半導体集積デバイス製造におけるエッチング装置として、プラズマを用いたドライエッチング装置が用いられている。この装置では、エッチング対象のウエハが平面電極のカソード上に配置され、装置内にエッチングガスが導入された状態で、高周波発振器により対向電極(アノード)とカソードの間に高周波電圧が印加されると、電極間にエッチングガスのプラズマが発生する。プラズマ中の活性ガスであるプラスイオンがウエハ表面に入射しエッチングが行なわれる。
ドライエッチング装置内部では、金属製部品を用いると金属汚染が起こるので、シリコン製部品が用いられる。代表的なシリコン製部品としては、エッチング対象のウエハを囲むドーナツ状の形状をしたフォーカスリング、下部電極を囲むグランドリング、上部電極板、およびエッチングチャンバー上部および下部の保護部材などがある(特許文献1)。これらのうちフォーカスリング等は、エッチング対象のウエハより大きな直径を有することが必要である。現在主流の300mmウエハ用のものは320mm以上の直径を有するシリコン結晶インゴットから作製されるため、高価である。
特開2002−190466号公報
フォーカスリング等のシリコン製部品を、一体物ではなく、複数のシリコン部材を接合することにより製造できれば、製造コストの削減等の種々のメリットが期待される。非シリコン製の部品においても、複数の部材を接合して製造できれば、同様の効果が期待される。
部材同士を接合した場合には、接合箇所に問題が生じることがあり、シリコン部材のような部材を、接合対象の部材に接合する方法に対する要求は高まっている。
そこで本発明は、部材同士をより強固に接合できる方法を提供することを目的とする。
本発明に係る接合方法は、180〜280℃の第1の温度に加熱された第1部材の接合側面の少なくとも一部に、粒子状のホウ酸からなる出発原料を供給して、メタホウ酸の層を形成する工程と、前記メタホウ酸の層が形成された前記第1部材を、500〜700℃の第2の温度に加熱して、酸化ホウ素を含む溶融物を生成する工程と、前記酸化ホウ素を含む溶融物の上に接合対象の第2部材を圧着する工程と、前記酸化ホウ素を含む溶融物を固化することで、前記第1部材と前記第2部材とを酸化ホウ素の層を介して接合する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、第1部材と接合対象の第2部材とを、酸化ホウ素の層を介して接合するので、より強固に両者を接合することができる。しかも、接合に用いられているのが、ホウ酸から得られた酸化ホウ素の層であるので、金属汚染のおそれもない。
酸化ホウ素の層は、出発原料としてのホウ酸を所定の180〜280℃で加熱してメタホウ酸を得た後、メタホウ酸を500〜700℃に加熱して形成されることから、均一な薄い層とすることができる。こうした酸化ホウ素の層によって、第1部材と第2部材との密着性が向上する。
700℃以下の温度で酸化ホウ素が形成されるので、第1部材および第2部材の少なくとも一方がシリコン製の場合でも、酸化ホウ素とシリコンとの熱膨張係数の違いによって、シリコン製の部材に割れが生じることもない。
本実施形態の方法により接合された接合体を示す概略図であり、図1Aは正面図、図1Bは図1A中のX矢視図である。 本実施形態に用いる第1部材を示す斜視図である。 変形例の接合側面を説明する平面図である。 実施例で作製した環状の部材を示す概略図であり、図4Aは上面図、図4Bは横断面図である。 第1部材の切り出し前の状態を説明する概略図である。 ホットプレート上に載置された第1部材を説明する概略図である。 実施例1を説明する側面図であり、図7Aは1回目の接合により得られた接合体、図7Bは2回目の接合により得られた接合体の側面図である。 実施例2を説明する側面図であり、図8Aは1回目の接合により得られた接合体、図8Bは2回目の接合により得られた接合体の側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.全体構成
図1A、1Bに示すように、本実施形態においては、無機固体材料として半導体材料(シリコン)製の第1部材2と接合対象の第2部材4とを、酸化ホウ素(B)の層6を介して接合して接合体10を作製する。図1Bに示すように、X矢視方向においては、第1部材2と第2部材4とは、第1部材2の長さLの半分(L/2)ずれて配置されていてもよい。この場合、第1部材2の一表面(接合側面)の半分の領域が、第2部材4と接合される接合領域3aとなる。
第1部材2としては、例えば、図2に示すような円弧状板を用いることができる。図示する第1部材12は、円周の1/6に相当する円弧状の板状部材である。第1部材12の厚さt0は、例えば2〜20mm程度、第1部材12の幅w0は、例えば30〜60mm程度である。第1部材12は、端面同士を合わせて6枚を配置することによって、外径300〜600mm程度、内径280〜580mm程度の環状の部材となる寸法とすることができる。図2に示すように、第1部材12の一表面(接合側面)13の半分の領域を接合領域13aとし、この接合領域13に、図示しない第2部材の接合側の面の半分が接合される。
第2部材14は、第1部材12と同様のシリコン製の部材とすることができる。第2部材14として、第1部材12と同等の大きさの円弧状板を6枚用い、上述したように第1部材12の接合領域13aに接合することによって、第1部材12の2倍の厚さを有する環状の部材が得られる。
本実施形態の接合方法においては、まず、第1の温度(180〜280℃)に加熱された第1部材12の接合側面13の少なくとも一部に、粒子状のホウ酸(B(OH))からなる出発原料を供給する。第1部材12は、一般的な電気抵抗ヒーターを用いた加熱手段により加熱することができる。接合側面13の温度が180〜280℃であるので、この接合側面13上ではホウ酸の脱水反応が生じる。水は、10〜60秒程度でホウ酸から脱離し、その間に流動性に富むメタホウ酸(HBO)が生じる。
第1部材12の温度が低すぎる場合には、ホウ酸から水を脱離させてメタホウ酸を得ることができない。一方、第1部材12の温度が高すぎると、ホウ酸から水が急激に脱離する。それによって、第1部材12の接合側面13に供給されたホウ酸が飛び散ったり、固化したメタホウ酸が直ちに生じてしまう。第1の温度が180〜280℃であれば、不都合を伴なわずにメタホウ酸を得ることができる。第1の温度は、200〜240℃が好ましい。
粒子状のホウ酸からなる出発原料としては、直径0.1〜2mmの顆粒状の市販品を、そのまま用いることができる。直径が0.1〜2mmのホウ酸からなる出発原料を、第1の温度に加熱された第1部材12の接合側面13に供給することによって、後述するようなメタホウ酸の層を形成することができる。ホウ酸は、第1部材12の接合側面13の一部に少量ずつ供給することが好ましい。
ホウ酸から水が脱離して生じたメタホウ酸をヘラで延ばすことによって、メタホウ酸の層が得られる。上述したように第1部材12の接合側面13に、出発原料としてのホウ酸を少量ずつ供給し、生じたメタホウ酸をその都度延ばすことによって、均一なメタホウ酸の層を接合領域13aに形成することができる。ヘラとしては、シリコンウエハを切断して得られたものを用いることで、メタホウ酸の層への不純物の混入は避けられる。
メタホウ酸の層の厚さは、1mm以下であることが好ましく、0.1〜0.5mmがより好ましい。メタホウ酸の層の厚さが小さいほど、後の工程で加熱された際に、脱水反応による泡の発生を抑制することができる。メタホウ酸の層の厚さは、供給する出発原料としてのホウ酸の量を制御して、調整することができる。
接合領域13aにメタホウ酸の層が形成された第1部材12を加熱して、第2の温度(500〜700℃)に昇温する。その結果、メタホウ酸から水がさらに脱離して、酸化ホウ素(B)を含む溶融物が得られる。第2の温度が高すぎる場合には、後の工程で冷却した際に、酸化ホウ素とシリコンとの熱膨張係数の違いによって、第1部材12に割れが生じるおそれがある。第2の温度が500〜700℃であれば、このような問題なしに酸化ホウ素を含む溶融物を得ることができる。第2の温度は、550〜600℃が好ましい。
第1部材12の接合領域13aに生じた酸化ホウ素を含む融解物の上に、接合対象の第2部材14を圧着する。圧着の際の圧力は特に限定されず、適宜設定することができる。第1部材12の幅w0が30mm程度の場合には、断熱材を挟んで手で押し付けて、第1部材12と第2部材14とを接合することができる。
酸化ホウ素の溶融物を固化させることで、第1部材12と第2部材14とが酸化ホウ素の層によって接合される。溶融物は、例えば室温で放置することで、固化させることができる。
2.作用および効果
本実施形態の方法によれば、シリコン製の第1部材12と接合対象の第2部材14とを接合するにあたって、まず、第1の温度(180〜280℃)に加熱された第1部材12の接合側面13で、出発原料としてのホウ酸から水を脱離させてメタホウ酸としているので、メタホウ酸の層が均一に形成される。次いで、メタホウ酸の層を第2の温度(500〜700℃)に加熱することで、さらに水がメタホウ酸から脱離して酸化ホウ素を含む溶融物が生じる。
酸化ホウ素を含む溶融物の上に第2部材14を圧着し、酸化ホウ素を含む溶融物を固化させることによって、第1部材12と第2部材14とが酸化ホウ素の層を介して接合される。酸化ホウ素の層は、第1部材12の接合側面13における接合領域13aに均一に形成されているので、第1部材12と第2部材14とは高い密着性で強固に接合される。接合に用いられているのが、ホウ酸を出発原料として得られた酸化ホウ素の層であるので、金属汚染のおそれはない。
第1部材12と第2部14材とを接合する酸化ホウ素は、700℃以下の加熱により形成されるので、酸化ホウ素とシリコンとの熱膨張係数の違いによって、第1部材12に割れが生じることもない。
3.変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
第1部材12としては、円弧状板に限らず、環状の板を用いることもできる。本発明の方法を用いて製造される部品の最終用途によっては、円盤状の板や矩形状の板を、第1部材12として用いることも可能である。
接合対象の第2部材14の形状は、第1部材12の形状に応じて適宜選択することができる。第2部材14は、必ずしも第1部材12と同じ形状である必要はない。例えば第1部材12として環状の板を用いる場合、対応する円弧状の板を、第2部材14として用いることができる。
第1部材12の加熱には、第1の温度(180〜280℃)以上に加熱できる任意の手段を用いることができる。加熱箇所を容易に移動できるランプを用いて、第1部材12を加熱してもよい。ランプとしては、例えばハロゲンランプやキセノンランプなどが挙げられる。
第1部材12および第2部材14は、例えばSiC等の非シリコン製の半導体材料により形成してもよい。さらに、第1部材12および第2部材14は、ガラス材料やセラミックス材料等の無機固体材料で形成することもできる。ガラス材料としては、例えば石英ガラスが挙げられ、セラミックス材料としては、例えばアルミナが挙げられる。第1部材12の材質と第2部材14の材質とは、同一でも異なっていてもよい。
メタホウ酸の層は、第2の温度(500〜700℃)に加熱する前に、表面の少なくとも一部を除去する処理を施してもよい。ここでの処理は、研磨により行なうことができる。例えば、メタホウ酸の層を室温(25℃)程度に冷却して固化させた後、SiC製のサンドペーパーを用いて乾式研磨を行なう。メタホウ酸の層は、必ずしも室温に冷却する必要はなく、サンドペーパーなどが焦げずに研磨が可能な程度に冷却されていればよい。
冷却したメタホウ酸の層を乾式研磨することによって、剥がれを引き起こすことなく、厚さを1mm以下に低減することができる。研磨後の層が0.05mm以上の厚さを有していれば、第1部材12と第2部材14との接合は確保される。研磨によってメタホウ酸の層の表面が平坦化されるので、第1部材12と第2部材14との密着性をよりいっそう高めることもできる。
第1部材12および第2部材14の少なくとも一方がシリコン製の場合には、メタホウ酸の層を、第1部材12の接合側面13の全域ではなく、図3に示すように接合側面13の外縁に沿って枠状に形成してもよい。図3においては、接合側面13には、枠状のメタホウ酸の層15が外縁に沿って、0.2mm程度の高さで形成されている。枠状のメタホウ酸の層15の幅w1は、5〜10mmとすることができる。枠状のメタホウ酸の層15の内側の領域には、シリコンと共晶を形成する金属の箔17を配置する。シリコンと共晶を形成する金属としては、Al,Ga,Ge,およびSnが挙げられる。
シリコンと共晶を形成する金属の箔17を内側の領域に配置する前に、枠状のメタホウ酸の層を冷却して、上述したように表面を研磨して厚さを低減してもよい。
第1部材12の接合側面13に枠状のメタホウ酸の層15を形成し、金属の箔17を配置した後、上述と同様に第2部材14を載置して、共晶温度以上700℃以下に加熱する。加熱によって金属がシリコンと共晶を形成することで、第1部材12と第2部材14とを、よりいっそう強固に接合することができる。ここで形成された共晶は、枠状の酸化ホウ素の層で囲まれることになるので、金属が拡散して汚染源となるおそれも小さい。
4.実施例
(実施例1)
第1部材12aおよび第2部材14bを6枚ずつ用いて、図4A,4Bに示すような環状の部材22を作製する。第1部材12aおよび第2部材14aは、形状および大きさの等しいシリコン製の1/6の円弧状板である。第1部材12aと第2部材14aとは、互い違いに30度ずつずらして、6枚ずつ配置することで、上下2層の環状に形成する。
第1部材12aとしての1/6の円弧状板は、図5に示すように太陽電池用シリコンインゴット20から2枚ずつ、5mmの厚さで切り出した。太陽電池用シリコンインゴット20の直径d0は、215mmである。切り出された第1部材12aの幅w0は、30mmである。同様の形状および厚さで切り出された1/6の円弧状板を、第2部材14aとしても用いる。
第1部材12aと第2部材14aとは、170mm角の天板を備えたホットプレートを用いて、以下の手法により接合した。第1部材12aは、図6に示すように、接合領域13aが中心となるようにホットプレート30の上に載置した。第1部材12aの表面の温度を接触温度計で測定して、220℃(第1の温度)になるようにホットプレートの出力を調整した。
図6に示すように、第1部材12aの一表面(接合側面)の半分が、図示しない第2部材14aに接合される接合領域13aとなる。この接合領域13aに、合計で約10gのホウ酸を供給した。用いたホウ酸は、顆粒状の市販品(関東化学(株)製、商品番号:0432−80)であり、直径は0.1〜2mm程度である。
ホウ酸は、加熱された第1部材12aの一表面の一部に約0.5gずつ落として供給し、脱水反応によりホウ酸をメタホウ酸に変化させた。生じたメタホウ酸を、その都度シリコン製のヘラで延ばした。こうした操作を20回繰り返すことによって、接合領域13a全域にメタホウ酸の層を形成した。メタホウ酸の層の厚さは、薄いところで0.3mm、厚いところで0.7mmであった。
その後、ホットプレートを昇温して、第1部材12aの温度を530℃(第2の温度)に上げると、メタホウ酸の層が溶融したが、この層をさらに延ばすことは困難であった。第1部材12aを530℃に昇温したことによって、メタホウ酸から水が脱離して酸化ホウ素に変化したものと推測される。第1部材12aの接合領域13a全域には、酸化ホウ素を含む溶融物が設けられた。
酸化ホウ素を含む溶融物の上に第2部材14aを載置し、上から断熱布を挟んで手で圧力を加え、さらに溶融物を固化させることにより、図7Aに示すような接合体10aが得られた。上面からのY矢視方向においては、接合体10aは1/4の円弧状である。接合体10aにおいては、第1部材12aと第2部材14aとが酸化ホウ素の層16で接合されている。なお、ここで加えられた圧力は、4000Pa程度と推測される。
次いで、接合体10aの表裏を反転し、第2部材14aの未接合部分がホットプレート30の中心になるように移動した。上述と同様の手法によりホウ酸を供給し、加熱することにより第2部材14aに第1部材12aを接合して、図7Bに示すような接合体10bが得られた。上面からのY矢視方向においては、接合体10aは1/3の円弧状である。
同様にして、6枚の第1部材12aと6枚の第2部材14aとを、計12箇所で接合することによって、図4Aに示した環状の部材22が得られた。環状の部材22は、外径(d1)が390mm、内径(d2)が330mm、厚さ(t)が10mmであった。こうして得られた環状の部材22は、ドライエッチング装置内部に配置されるフォーカスリングとして用いることができる。
環状の部材22においては、6枚のシリコン製の第1部材12aからなる下層と6枚の第2部材14aからなる上層とが、酸化ホウ素の層16を介してより強固に接合されている。第1部材12aと第2部材14aとを接合しているのは、ナトリウム等の金属を含まない酸化ホウ素の層16であるので、環状の部材22がフォーカスリングとして用いられた場合でも、金属汚染のおそれは極めて小さい。
本実施例では、直径215mmの太陽電池用シリコンインゴットから所定の形状の部材を切り出し、これを接合することによって、外径が390mmの環状の部材22を作製することができた。
因みに、外径が390mmの環状の部材を一体物として得るには、外径が390mm以上のシリコンインゴットが必要である。そのような大型のシリコンインゴットは非常に高価であるのに対し、直径215mmの太陽電池用シリコンインゴットは価格が安く、しかも標準的に生産されている。本実施例の方法を用いることで、外径が390mmの環状の部材の製造コストを大幅に削減することが可能となる。
(実施例2)
実施例1と同様の第1部材および第2部材を用いて、同様の環状の部材を同様の方法により作製した。ただし、本実施例においては、250mm角の天板を備えたホットプレートを用い、第2の温度に加熱する前にメタホウ酸の層を乾式研磨した。
6枚の第1部材をホットプレートの上に載置し、第1部材全体を表面が220℃(第1の温度)になるように加熱した。加熱された第1部材の接合側面の全域には、20gのホウ酸を用いて、実施例1と同様の手法によりメタホウ酸の層を形成した。メタホウ酸の層が形成された第1部材をホットプレートから降ろして、室温(25℃)で自然冷却した。
冷却したメタホウ酸の層は、SiC製のサンドペーパー#500番で研磨して、厚さを0.2mmとした。
メタホウ酸の層が研磨された第1部材を2枚、端面同士を合わせて再度ホットプレート上に載置し、530℃(第2の温度)まで表面の温度を上げた。これにより、第1部材の接合側面の全域に酸化ホウ素を含む溶融物を設けた。酸化ホウ素を含む溶融物の上には、2枚の第1部材にわたるように1枚の第2部材を配置した。
実施例1の場合と同様に、第2部材の上から断熱布を挟んで手で圧力を加え、さらに溶融物を固化させることにより、図8Aに示すような接合体100aが得られた。接合体100aにおいては、2枚の第1部材12aの上に酸化ホウ素の層16を介して第2部材14aが接合されている。上面からのY矢視方向においては、接合体100aは1/3の円弧状である。
得られた1/3円弧状板を、ホットプレートの天板と同じ高さに設置した台の上にずらして、3枚目の第1部材をホットプレートの上に載置した。前述と同様に第1部材の温度を上げて2枚目の第2部材を接合することで、図8Bに示すような接合体100bが得られた。接合体100bにおいては、3枚の第1部材12aの上に、酸化ホウ素の層16を介して2枚の第2部材14bが接合されている。上面からのY矢視方向においては、接合体100bは1/2の円弧状である。
この操作を繰り返すことで、図4Aに示したものと同様の環状の部材が得られた。環状の部材は、外径(d1)が390mm、内径(d2)が330mm、厚さ(t)が10mmであった。
実施例1の場合と同様、実施例2で得られた環状の部材においても、6枚のシリコン製の第1部材からなる下層と6枚の第2部材からなる上層とが、酸化ホウ素の層を介してより強固に接合されている。金属汚染のおそれが極めて小さいことも、実施例1の場合と同様である。
実施例1で作製された環状の部材では、第1部材12aと第2部材14aとの間に約0.5mmの隙間が生じていたが、実施例2では、0.2mmまで隙間を縮小することができた。
(実施例3)
実施例2と同様の第1部材および第2部材を用いて、同様の環状の部材を同様の方法により作製した。ただし、本実施例においては、メタホウ酸の層を第1部材の接合側面の外縁に沿って枠状に形成し、その内側の領域にはSn箔を配置した。
6枚の第1部材をホットプレートの上に載置し、第1部材全体を表面が220℃(第1の温度)になるように加熱した。第1部材の接合側面には、2gのホウ酸を用いて、外縁に沿って幅10mmのメタホウ酸の層を枠状に形成した。枠状のメタホウ酸の層の内側には、幅10mmの溝部が形成された。
枠状のメタホウ酸の層が形成された第1部材は、実施例2の場合と同様にして冷却した後、乾式研磨して厚さを0.2mmとした。枠状のメタホウ酸の層の内側の領域には、0.2mmに圧延したSn箔を敷き詰めた。
6枚の第1部材の接合側面には、外縁に沿って幅10mm、高さ0.2mmの枠状のメタホウ酸の層が形成され、その内側の領域にはSn箔が配置されている。この6枚の第1部材を回転する台上に円形に載置し、枠状のメタホウ酸の層の上に6枚の第2部材を積層した。隣接する2枚の第2部材の境界は、隣接する2枚の第1部材の境界に対して30度ずれている。
第2部材の上方から、加熱領域を70mmφに調整した5kwのキセノンランプを照射した。この際、照射領域の中心表面温度が650℃になるようにランプの出力を調整し、台を回転させることにより全体をランプ照射でスキャンした。スキャンの速度は約10℃/分とした。
スキャン後、室温まで冷却することにより、図4Aに示したものと同様の環状の部材が得られた。環状の部材は、外径(d1)が390mm、内径(d2)が330mm、厚さ(t)が10mmであった。
実施例1,2の場合と同様、実施例3で得られた環状の部材においても、6枚のシリコン製の第1部材からなる下層と6枚の第2部材からなる上層とが、酸化ホウ素の層を介してより強固に接合されている。金属汚染のおそれが極めて小さいことも、実施例1,2の場合と同様である。
特に、本実施例においては、酸化ホウ素の層の内側の領域にシリコンとSnとの共晶が形成されているので、第1部材と第2部材とは、よりいっそう強固に接合される。
(実施例4)
第1部材として実施例3で作製した環状の部材を用い、この環状の部材に第2部材を接合して、より厚さの大きな環状部材を作製する。
第2部材としては、CVD法により得られた厚さ1mmのSiCの円弧状板を6枚用意した。このSiCの円弧状板の厚さ以外の寸法は、実施例1で太陽電池用シリコンインゴットから切り出した1/6の円弧状板と同様である。
実施例2と同様のホットプレート、およびその天板と同じ高さに設置した台を用いて、以下の手法により第1部材と第2部材とを接合した。第1部材は、接合領域がホットプレートの中心となるように載置し、接合側面が220℃(第1の温度)となるように加熱した。
第1部材の接合側面には、実施例1と同様の手法によりメタホウ酸の層を形成した。メタホウ酸の層の形成にあたっては、第1部材の接合側面にホウ酸120gを供給し、第1部材を少しずつ回転させた。その後、ホットプレートを昇温して、第1部材の温度を530℃(第2の温度)に高めて、酸化ホウ素を含む溶融物を得た。酸化ホウ素を含む溶融物の上には、実施例1と同様の手法により第2部材を圧着した。
次の接合領域がホットプレートの中央になるように第1部材を回転させた後、前述と同様にして2枚目の第2部材を接合した。同様の操作を繰り返して、残りの4枚の第2部材を第1部材に同様に接合した。
その後、ホットプレートの電源を切って室温まで自然冷却すると、図4Aに示したものと同様の環状の部材が得られた。環状の部材は、外径(d1)が390mm、内径(d2)が330mm、厚さ(t)が11mmであった。
実施例1〜3の場合と同様、実施例4で得られた環状の部材においても、シリコン製の第1部材からなる下層と6枚の第2部材からなる上層とが、酸化ホウ素の層を介してより強固に接合されている。金属汚染のおそれが極めて小さいことも、実施例1〜3の場合と同様である。
第2部材としてSiCのような非シリコン製の部材を用いた場合も、シリコン製の部材の場合と同様に、第1部材と強固に接合できることが確認された。
10 接合体
12 第1部材
14 第2部材
16 酸化ホウ素の層

Claims (6)

  1. 180〜280℃の第1の温度に加熱された第1部材の接合側面の少なくとも一部に、粒子状のホウ酸からなる出発原料を供給して、メタホウ酸の層を形成する工程と、
    前記メタホウ酸の層が形成された前記第1部材を、500〜700℃の第2の温度に加熱して、酸化ホウ素を含む溶融物を生成する工程と、
    前記酸化ホウ素を含む溶融物の上に接合対象の第2部材を圧着する工程と、
    前記酸化ホウ素を含む溶融物を固化することで、前記第1部材と前記第2部材とを酸化ホウ素の層を介して接合する工程と
    を含むことを特徴とする接合方法。
  2. 前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方は、シリコン製であることを特徴とする請求項1記載の接合方法。
  3. 前記メタホウ酸の層は、前記第1の温度に加熱された前記第1部材の前記接合側面の上で前記ホウ酸から水を脱離させてメタホウ酸に変化させ、前記メタホウ酸を延ばすことにより形成することを特徴とする請求項1または2記載の接合方法。
  4. 前記酸化ホウ素を含む溶融物を生成する前に、
    前記メタホウ酸の層を固化させ、固化したメタホウ酸の層の表面の少なくとも一部を除去する工程
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の接合方法。
  5. 前記メタホウ酸の層は、前記第1部材の前記接合側面の外縁に沿って枠状に形成し、
    前記枠状のメタホウ酸の層の内側に、シリコンと共晶を形成する金属の箔を配置し、
    前記第2の温度は、前記金属の共晶温度以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の接合方法。
  6. 前記シリコンと共晶を形成する金属は、Al,Ga,Ge,およびSnから選択されることを特徴とする請求項5記載の接合方法。
JP2016128782A 2016-06-29 2016-06-29 接合方法 Active JP6746115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128782A JP6746115B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128782A JP6746115B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018006451A JP2018006451A (ja) 2018-01-11
JP6746115B2 true JP6746115B2 (ja) 2020-08-26

Family

ID=60948092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016128782A Active JP6746115B2 (ja) 2016-06-29 2016-06-29 接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6746115B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS587398B2 (ja) * 1977-05-07 1983-02-09 新日本製鐵株式会社 鋼材の熱間接合法
JPS5935849B2 (ja) * 1978-03-07 1984-08-31 三菱電機株式会社 耐熱性積層体の製造方法
JPH10203806A (ja) * 1997-01-20 1998-08-04 Shin Etsu Chem Co Ltd 窒化硼素粉末の製造方法
JP2003192378A (ja) * 2001-12-25 2003-07-09 Yamato Denshi Kk 封着加工用無鉛低融点ガラス
JP2009149964A (ja) * 2007-12-22 2009-07-09 Tokyo Electron Ltd 載置台構造及び熱処理装置
JP5978105B2 (ja) * 2012-11-08 2016-08-24 株式会社東芝 炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018006451A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009087703A (ja) 誘導加熱装置用発熱体および分割発熱体用パッケージ
WO2018025780A1 (ja) 電極用リング
WO2018155337A1 (ja) 電極用リング
KR102336372B1 (ko) 링상 전극
JP6746115B2 (ja) 接合方法
JP6176620B1 (ja) 電極用リング
JP4867678B2 (ja) パワーモジュール
KR102394257B1 (ko) 전극판
JP2010129290A (ja) 加熱装置
KR102037368B1 (ko) 확산 접합 장치 및 방법
JP6270191B1 (ja) 保護材用リング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6746115

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250