JP6743665B2 - カーブ推定装置 - Google Patents

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Description

本開示は、車両に備えられるカーブ推定装置に関する。
車両周辺の所定角度範囲に渡り、一定期間ごとにレーザー波やミリ波などのレーダ波を送信波として照射し反射波を受信することによって車両周囲の物標を検出する車載レーダ装置が知られている。
そして、特許文献1には、車載レーダ装置により検出された各種物標の中から防音壁やガードレール等の路側物の位置を取得し、その取得した路側物の位置関係から近似直線を算出することにより道路形状を推定する技術が開示されている。
特開2012−173152号公報
ところで、車載レーダ装置により路側物を検出する場合において、車載レーダ装置は主として先行車を検出するために設けられたものであるため、自車に対して遠方の範囲に存在する物標の検出を行う。自車に対して遠方の範囲に存在する物標の検出を行うように設定された場合、遠方の検出であるため、測定される物標の位置のばらつきが大きくなる。また、自車に対する遠方の範囲に存在する物標の検出を行うように設定された場合、レーダの出力の制限により物標の検出ができる角度範囲が狭角に限定されるため、物標を検出できる範囲が狭くなる。これらの要因から車載レーダ装置により検出される物標の位置の検出誤差が大きくなり、物標の位置に基づいて求められる道路の曲率半径が大きく変動することになり測定の信頼性が低くなるという問題があった。
本開示は、車両の進行方向に存在する道路形状の推定の信頼性を向上させることを目的とする。
車両に備えられるカーブ推定装置(30)は、第1取得部(S100)と、第2取得部(S100)と、形状推定部(S300,S600,S800)と、を備える。
第1取得部は、車両の少なくとも前方を含むあらかじめ決められた角度範囲である第1角度範囲の範囲内であって、あらかじめ決められた距離である第1距離以内の領域である第1範囲に存在する物標を検知する第1レーダセンサ(10)により検知された物標のデータである第1データを取得する。
第2取得部は、車両の少なくとも前方を含む第1角度範囲に比べて狭い角度範囲である第2角度範囲の範囲内であって、第1距離に比べて長い距離である第2距離以内の領域である第2範囲に存在する物標を検出する第2レーダセンサ(20)により検出された物標のデータである第2データを取得する。
形状推定部は、第1取得部により取得された第1データ及び第2取得部により取得された第2データのうち静止物のデータである路側物データを用いて、車両の走行する道路の道路形状を推定する。
このような構成によれば、車両の進行方向に存在する曲率半径の推定の信頼性を向上させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
車両制御システムの構成を表すブロック図である。 自車、第1範囲及び第2範囲の位置関係を表した図である。 形状推定処理のフローチャートである。 第1レーダセンサ及び第2レーダセンサによる物標の検出を表した図である。 円推定を表した図である。 傾き算出処理のフローチャートである。 車線傾きの算出を表した図である。 クロソイド推定処理のフローチャートである。 クロソイド推定を表した図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.実施形態]
[1.構成]
図1に示す車両制御システム1は、車両に搭載され、第1レーダセンサ10、第2レーダセンサ20、カーブ推定装置30及び車両制御装置40を備える。なお、以下車両制御システム1を搭載した車両を自車とする。
第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20は、あらかじめ決められた範囲内にレーダ波を照射し、その反射波を受信することで、レーダ波を反射した物標を検出する。そして、第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20は、検出された物標に関する物標データを生成する周知のものである。なお、第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20は、ビーム方向が自車の正面方向と一致するように自車に設置される。ここでいう物標データには、ビーム方向を基準として求められた物標が存在する水平方向の角度及び自車と物標との相対速度が少なくとも含まれているものとする。また、物標データは、例えば高速フーリエ変換処理、デジタルビームフォーミング処理及びドップラ処理などの周知の信号処理を受信した反射波に対して行うことにより生成される。またここでいうレーダ波は、ミリ波帯の電磁波を使用するいわゆるミリ波レーダであってもよいし、レーダ波としてレーザー光を用いるレーザレーダ、レーダ波として音波を用いるソナーであってもよい。いずれにしても、レーダ波を送受信するアンテナ部は、水平方向について反射波の到来方向を検出できるように構成されている。なおアンテナ部は、例えば送信素子及び受信素子により構成されるアレイアンテナであってもよい。
また、第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20は、探索範囲が異なる点で相違する。具体的には、図2に示すように第1レーダセンサ10の探索範囲を第1範囲D1とし、第2レーダセンサ20の探索範囲を第2範囲D2とする。ここでいう第1範囲D1は第1レーダセンサ10のビーム方向を中心にあらかじめ決められた角度範囲である第1角度範囲内のあらかじめ決められた距離である第1距離以内の領域である。具体的には第1角度範囲は例えば150°とし、第1距離は10mとしてもよい。一方、第2範囲D2は、第1角度範囲に比べて狭い角度範囲である第2角度範囲内であって、第1距離に比べて長い距離である第2距離以内の領域である。具体的には、第2角度範囲は例えば30°とし、第2距離は50mとしてもよい。
カーブ推定装置30は、第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20から出力された物標データを取得し、取得した物標データに基づいて自車の前方の道路形状を推定する。
また、カーブ推定装置30は、CPU31と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ32)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。カーブ推定装置30の各種機能は、CPU31が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ32が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、カーブ推定装置30を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
カーブ推定装置30は、CPU31がプログラムを実行することで後述する形状推定処理を実現する。カーブ推定装置30の各種機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現してもよい。
車両制御装置40は、カーブ推定装置30により推定された道路形状を取得し、取得した道路形状に従って自車の制御を行う。ここでいう自車の制御とは、例えば、車線に沿って走行を実現するレーンキープ制御や、自車のドライバによる操舵操作をアシストするためのアシストトルクを発生させるパワーステアリング制御である。なお、レーンキープ制御やパワーステアリング制御は、周知の技術であり説明を省略する。
[2.処理]
次に、カーブ推定装置30が実行する形状推定処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、形状推定処理は、例えば第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20による出力は交互に行われ、第1データ及び第2データが揃う毎に繰り返し行われるとしてもよい。
S100で、カーブ推定装置30は、第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20から物標データを取得する。なおここで、第1レーダセンサ10から取得する物標データを第1データとし、第2レーダセンサ20から取得する物標データを第2データという。
S200で、カーブ推定装置30は、S100で取得された物標データのうち、静止物を表したものを路側物データとして抽出する。路側物データの抽出は具体的には以下のように行われる。すなわち、まず物標データに含まれる各物標と自車との相対速度から各物標の移動速度を算出する。ここで、各物標の移動速度の算出は、例えば、自車に対する各物標の相対速度と自車の移動速度との差分により求めてもよい。次に、カーブ推定装置30は、算出された物標の移動速度が速度閾値以下である場合には当該物標は路側物であると判断し、速度閾値を超える場合には移動物であると判断する。ここでいう速度閾値は、移動しているか否かを区別する基準となる値で、例えば時速10kmなどである。このようにして路側物であると判断された物標のデータが路側物データとして抽出される。例えば、図4に示すように第1範囲D1の反射点G1、反射点G2及び反射点C等において物標が検出されたとする。ここでいう反射点はレーダ波が物標に当たり反射した点である。なお、図4において反射点G1、反射点G2及び反射点Cとして示したような四角や丸の図形は、以下の図5、図7及び図9においても同様に反射点を表すものとする。カーブ推定装置30は各反射点の移動速度を算出する。カーブ推定装置30は算出された各反射点の移動速度が速度閾値以下であるか否か判断し、移動速度が速度閾値以下である反射点G1及び反射点G2が路側物を検出したものであるとし、反射点G1及び反射点G2のデータが路側物データとして抽出される。すなわち、S200でカーブ推定装置30により抽出される路側物データは、例えば自車の走行する道路に設置された防音壁やガードレールなどの静止物に関するデータである。なお一方、移動物とは、例えば自車の走行する道路を走行する他の車両などの移動するものである。
S300で、カーブ推定装置30は、S200で取得された路側物データに基づいて車線傾きθの算出を行う。車線傾きθの算出の詳細については後述する。
S400で、カーブ推定装置30は、S300でカーブ推定装置30により算出された車線傾きθが、あらかじめ設定された角度であるカーブ閾値θth以下であるか否かの判定を行う。ここでいうカーブ閾値θthとは、自車の前方の道路形状が直線であるか否かを判定する基準となる角度のことである。
S400で、車線傾きθがカーブ閾値θth以下であると判定された場合、S500に処理を移行する。
S400で、車線傾きθがカーブ閾値θthより大きいと判定された場合、S600に処理を移行する。
S500で、カーブ推定装置30は、道路形状が直線であると仮定して車線傾きθを出力し、処理を終了する。なお、カーブ推定装置30は、例えば、車線傾きθの出力と共に道路形状が直線であるとのフラグを出力してもよい。
S600で、カーブ推定装置30は、クロソイド推定を行う。クロソイド推定とは、具体的には道路形状がクロソイド曲線であると仮定して道路形状の曲率半径を求めることである。ここで道路形状の曲率半径は、代表値Rtyp、最小値Rmin及び最大値Rmaxが求められる。なお以下では、クロソイド推定により求められた曲率半径の代表値Rtypをクロソイド半径Rtypとする。クロソイド推定の詳細については後述する。
S700で、カーブ推定装置30は、S600で求められたクロソイド半径Rtypが曲率半径の規定値Rth以下であるか否かの判定を行う。ここでいう規定値Rthとは、前方の道路形状がカーブであるか否かを判定する基準となる曲率半径である。
S700で、クロソイド半径Rtypが規定値Rthより大きいと判定された場合、S500に処理を移行する。
S700で、クロソイド半径Rtypが規定値Rth以下であると判定された場合、S800に処理を移行する。
S800で、カーブ推定装置30は、円推定を行う。円推定とは、具体的には道路形状が円であるとして道路形状の曲率半径を求めることである。ここで曲率半径は、例えば図5に示すように、第1範囲D1から抽出された第1データ及び第2範囲D2から抽出された第2データを用いて位置の分布に対して当てはまる円を探索し、当てはめられた円の半径を曲率半径として求めることで得られる。ここで当てはまる円の探索は、例えば路側物データに対する二乗誤差の和が最も小さい円を求めるといった周知の最小自乗法を用いた方法により求めてもよい。なお以下では、求められた円の曲率半径を円半径Rcとする。また、円半径Rcから円の中心位置Ccが求められる。
S900で、カーブ推定装置30は、S600でのクロソイド推定により求められたクロソイド半径RtypとS800での円推定により求められた円半径Rcとの差分の絶対値を半径差分値Rdとして、半径差分値Rdが差分閾値ΔRth以下であるか否かの判定を行う。これにより、推定された道路形状がクロソイド曲線と円形状とどちらにより近いかを判定する。
S900で半径差分値Rdが差分閾値ΔRthより大きいであると判定された場合、カーブ推定装置30は、処理をS1000に移行する。
S900で半径差分値Rdが差分閾値ΔRth以下であると判定された場合、カーブ推定装置30は、処理をS1100に移行する。
S1000で、カーブ推定装置30は、推定された道路形状に近い形状は円形状よりもクロソイド曲線の形状であるという選択がなされ、クロソイド半径Rtypを出力し、処理を終了する。なお、カーブ推定装置30は、例えばクロソイド半径Rtypの出力と共にS600で算出された曲率半径の最小値Rmin及び曲率半径の最大値Rmax並びに道路形状がクロソイド曲線に近似されるとのフラグを出力してもよい。
S1100で、カーブ推定装置30は、推定された道路形状に近い形状はクロソイド曲線の形状よりも円形状であるという選択がなされ、円半径Rcを出力し、処理を終了する。なお、カーブ推定装置30は、例えば円半径Rcの出力と共に道路形状が円形状に近似されるとのフラグを出力しても良い。S800で算出された円の中心位置Ccを併せて出力してもよい。
なお、S100での処理が第1取得部及び第2取得部に、S300での処理が傾き算出部に、S600での処理がクロソイド推定部に、S800での処理が円推定部に、S300、S600及びS800での処理が形状推定部に、S900での処理が選択部に相当する。
<車線傾き算出処理>
ここでカーブ推定装置30が先のS300で実行する車線傾き算出処理の詳細を、図6のフローチャート及び図7の車線傾きの算出を表した図を用いて説明する。
S310でカーブ推定装置30は、第1角度α1及び第2角度α2の算出を行う。
ここでいう第1角度α1とはS300において検出される第1データが示す位置を直線近似することにより得られる直線である第1直線A1と、第1レーダセンサ10のビーム方向とがなす角度をいう。
また、第2角度α2も同様に、S300において検出される第2データが示す位置を直線近似することにより得られる直線である第2直線A2と、第2レーダセンサ20のビーム方向とがなす角度をいう。
具体的には、第1範囲D1及び第2範囲D2それぞれに含まれる路側物同士の距離があらかじめ決められた距離以下である範囲内を同一物標範囲T1,T2とし、同一物標範囲T1及びT2それぞれに含まれる路側物が存在する位置の分布に対して、直線近似を行う。直線近似により第1直線A1及び第2直線A2を算出する。
S320でカーブ推定装置30は、S310で求めた第1角度α1及び第2角度α2の差分の絶対値である車線傾きθの算出を行う。すなわち車線傾きθは(1)式で求められる。
Figure 0006743665
以上示した車線傾き算出処理により、車線傾きθを算出することができる。
<クロソイド推定処理>
ここでカーブ推定装置30が先のS600で実行する車線傾き算出処理の詳細を、図8のフローチャート及び図9のクロソイド推定を表した図を用いて説明する。
S610でカーブ推定装置30は、第1データに含まれる路側物の位置のうち、自車に対して最も遠くに存在する位置である第1位置Kaの取得を行う。
S620でカーブ推定装置30は、第2データに含まれる路側物の位置のうち、自車に対して最も遠くに存在する位置である第2位置Keの取得を行う。
S630でカーブ推定装置30は、第1位置Kaと第2位置Keとの間の道路形状に沿った長さである路側長さLの算出を行う。ここでいう路側長さLは、路側物データに含まれる路側物の位置のデータを用いて路側物を捕捉した点同士の距離の総和により求められる。
S640でカーブ推定装置30は、クロソイド曲線での最小曲率半径Rの算出を行う。以下、クロソイド曲線での最小曲率半径Rを、クロソイド半径Rとする。ここでクロソイド半径Rは、クロソイドパラメータA及び路側長さLに基づいて(2)式により求められる。ここで、クロソイドパラメータAは(3)式を満たす定数である。
Figure 0006743665
ここで求められる曲率半径Rの代表値をクロソイド半径Rtypとする。ここで、クロソイド半径RtypはA=R/2を代入して得られる値である。これにより、クロソイド半径Rtypは路側長さLを用いて、クロソイド半径Rtyp=4Lで表される。なお、曲率半径Rの最大値RmaxはA=R/3を(2)式に代入し、整理することにより求められ、Rmax=9Lで表される。同様にして、曲率半径Rの最小値RminはA=Rを(2)式に代入し、整理することにより求められ、Rmin=Lで表される。
以上示したクロソイド推定処理により、曲率半径の代表値Rtyp、最大値Rmax及び最小値Rminを求めることができる。
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(a1)本実施形態によれば、第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20の2種類の異なる探索範囲に存在する物標を用いることにより、単一探索範囲に存在する物標を探索するレーダセンサを用いる場合に比べ、より広範囲の物標を検出することができる。検出された広範囲の物標をもとに自車の進行方向に存在する道路形状を推定するので、自車の進行方向に存在する道路形状の推定の信頼性を向上させることができる。
(a2)本実施形態によれば、測定により得られる道路形状の曲率半径の信頼性を向上させることができる。具体的には、クロソイド推定によりクロソイド半径Rtypが求められ、円推定により円半径Rcが求められる。クロソイド曲線と円形状のうち、推定された道路形状に近い方に対応した曲率半径の結果を出力する。このため、どちらか一方の推定しか行わない場合に比べ、より近い形状の曲率半径を測定することができるため、測定により得られる道路形状の曲率半径の信頼性を向上させることができる。
(a3)本実施形態によれば、推定された道路形状が直線であると判定される場合の処理負荷を低減することができる。具体的には、算出された車線傾きθがカーブ閾値θth以下であると判定された場合、推定された道路形状が直線であるとして車線傾きθを出力し、処理を終了する。この場合において、クロソイド推定や、円推定といった処理を行うことを必要とすることない。これにより、クロソイド推定や円推定といった処理にかかる負荷を低減することができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(b1)上記実施形態では、第1レーダセンサ10及び第2レーダセンサ20の2つのレーダセンサを用いるとしたが、レーダセンサの形態はこれに限定されるものではない。例えば、1つのアレイアンテナを用いて、第1レーダセンサ10の探索範囲及び第2レーダセンサ20の探索範囲に相当する2種類の探索範囲を切り替えて探索を行うものとしてもよい。この場合においては、上記実施形態に示した場合に比べ、構成を簡便にすることができる。
(b2)上記実施形態では、形状推定処理において車線傾きの算出、クロソイド推定、円推定が行われるが、全てが同じ処理に含まれるものに限定されるものではない。すなわち、車線傾きの算出、クロソイド推定、円推定のうち、いずれか1つ以上を含む処理であってもよい。例えば、車線傾きの算出を行わず、クロソイド推定及び円推定のみを行い、推定された道路形状に応じていずれか一方の推定結果を出力するものであってもよい。また、クロソイド推定のみを行うとしてもよい。すなわち、クロソイド推定を行い、クロソイド推定の結果を出力してもよい。
(b3)上記実施形態では、クロソイド半径Rtypと円半径Rcとの差分の絶対値を半径差分値Rdとし、半径差分値Rdが差分閾値ΔRth以下であるか否かの判定を行うことにより、推定された道路形状がクロソイド曲線と円形状とどちらにより近いかを判定する。しかし、推定された道路形状がクロソイド曲線と円形状とどちらにより近いかを判定する方法はこれに限定されるものではない。例えば、当てはめる円形状と、当てはめられる各物標の位置との誤差であるデータ誤差の規定値を誤差規定値としてあらかじめ設定し、誤差規定値よりもデータ誤差が大きい場合に、クロソイド曲線により近いと判定するものであってもよい。
(b4)上記実施形態では、クロソイド推定により、クロソイド半径の代表値Rtyp、最大値Rmax及び最小値Rminが求められるが、クロソイド推定により求められる結果はこれに限定されるものではない。例えば、クロソイド推定によりクロソイド曲線の中心位置であるCtypを求めるとしてもよい。この場合において、クロソイド推定の結果として曲率半径に加え、クロソイド曲線の中心位置Ctypを併せて出力してもよい。
(b5)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(b6)上述したカーブ推定装置30の他、当該カーブ推定装置30を構成要素とするシステム、当該カーブ推定装置30としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、カーブ推定方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…車両制御システム、10…第1レーダセンサ、20…第2レーダセンサ、30…カーブ推定装置、31…CPU、32…メモリ、40…車両制御装置。

Claims (3)

  1. 車両に備えられるカーブ推定装置(30)であって、
    前記車両の少なくとも前方を含むあらかじめ決められた角度範囲である第1角度範囲の範囲内であって、あらかじめ決められた距離である第1距離以内の領域である第1範囲に存在する物標を検出する第1レーダセンサ(10)により検出された前記物標のデータである第1データを取得するように構成された第1取得部(S100)と、
    前記車両の少なくとも前方を含む前記第1角度範囲に比べて狭い角度範囲である第2角度範囲の範囲内であって、前記第1距離に比べて長い距離である第2距離以内の領域である第2範囲に存在する物標を検出する第2レーダセンサ(20)により検出された前記物標のデータである第2データを取得するように構成された第2取得部(S100)と、
    前記第1取得部により取得された前記第1データ及び前記第2取得部により取得された前記第2データのうち静止物のデータである路側物データを用いて、前記車両の走行する道路の道路形状を推定するように構成された形状推定部(S300,S600,S800)と、
    を備え
    前記形状推定部は、
    前記路側物データを用いて、前記道路の道路形状がクロソイド曲線の形状であるとして求められた前記車両が走行する道路の曲率半径であるクロソイド半径を推定するように構成されたクロソイド推定部(S600)と、
    前記路側物データを用いて、前記道路の道路形状に円の形状であるとして求められた前記車両が走行する道路の曲率半径である円半径を推定するように構成された円推定部(S800)と、
    推定された前記クロソイド半径及び前記円半径を用いて、前記クロソイド半径及び前記円半径の少なくとも一方を前記道路の形状を表すパラメータとして選択する選択部(S900)と、
    を更に備え、
    前記選択部は、前記円推定部により推定された前記円半径を持つ円と前記推定に用いた前記路側物データとの誤差をデータ誤差とし、前記データ誤差があらかじめ設定された誤差規定値より大きい場合に前記クロソイド半径を前記道路の形状を表すパラメータとして選択し、前記データ誤差が前記誤差規定値以下である場合に前記円半径を前記道路の形状を表すパラメータとして選択する、
    カーブ推定装置。
  2. 車両に備えられるカーブ推定装置(30)であって、
    前記車両の少なくとも前方を含むあらかじめ決められた角度範囲である第1角度範囲の範囲内であって、あらかじめ決められた距離である第1距離以内の領域である第1範囲に存在する物標を検出する第1レーダセンサ(10)により検出された前記物標のデータである第1データを取得するように構成された第1取得部(S100)と、
    前記車両の少なくとも前方を含む前記第1角度範囲に比べて狭い角度範囲である第2角度範囲の範囲内であって、前記第1距離に比べて長い距離である第2距離以内の領域である第2範囲に存在する物標を検出する第2レーダセンサ(20)により検出された前記物標のデータである第2データを取得するように構成された第2取得部(S100)と、
    前記第1取得部により取得された前記第1データ及び前記第2取得部により取得された前記第2データのうち静止物のデータである路側物データを用いて、前記車両の走行する道路の道路形状を推定するように構成された形状推定部(S300,S600,S800)と、
    を備え
    前記形状推定部は、
    前記路側物データを用いて、前記道路の道路形状がクロソイド曲線の形状であるとして求められた前記車両が走行する道路の曲率半径であるクロソイド半径を推定するように構成されたクロソイド推定部(S600)と、
    前記路側物データを用いて、前記道路の道路形状に円の形状であるとして求められた前記車両が走行する道路の曲率半径である円半径を推定するように構成された円推定部(S800)と、
    推定された前記クロソイド半径及び前記円半径を用いて、前記クロソイド半径及び前記円半径の少なくとも一方を前記道路の形状を表すパラメータとして選択する選択部(S900)と、
    を更に備え、
    前記選択部は、前記円半径と前記クロソイド半径との差分の絶対値を半径差分値とし、前記半径差分値があらかじめ決められた値である差分閾値より大きい場合に前記クロソイド半径を前記道路の形状を表すパラメータとして選択し、前記半径差分値が前記差分閾値、
    以下である場合に前記円半径を前記道路の形状を表すパラメータとして選択する、
    カーブ推定装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載のカーブ推定装置であって、
    前記形状推定部は、前記第1データに含まれる前記路側物データの示す前記静止物の位置を直線近似することにより求められる直線を第1直線とし、前記第2データに含まれる前記路側物データの示す前記静止物の位置を直線近似することにより求められる直線を第2直線とし、前記第1直線と前記第2直線との前記車両に対する角度の差分である車線傾きを算出する傾き算出部を更に備え、
    前記形状推定部は、前記傾き算出部により算出された前記車線傾きが、前記道路形状がカーブであるか否かを判定する基準となるカーブ閾値以上であった場合、前記道路形状の推定を行うように構成された、カーブ推定装置。
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