JP6743603B2 - 受信装置及び位相誤差補償方法 - Google Patents

受信装置及び位相誤差補償方法 Download PDF

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Description

本発明は、受信装置及び位相誤差補償方法に関する。
近年、例えば、40Gbps(bits per second)や100Gbps等の長距離通信で使用する光伝送システムでは、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の位相変調方式を用いたデジタルコヒーレントの受信装置が知られている。受信装置は、受信した受信信号に局発光を干渉させて光主信号を取得し、取得した光主信号に対してデジタル信号処理を実行する。
受信装置内のDSP(Digital Signal Processor)では、例えば、光伝送路で発生する歪みや通信デバイスの不完全性に起因する歪み等をデジタル信号処理で補償する。図24は、DSP100内の機能構成の一例を示すブロック図である。
図24に示すDSP100は、CDC(Chromatic Dispersion Compensator)101と、AEQ(Adaptive Equalizer)102と、FOC(Frequency Offset Compensator)103と、CPR(Carrier Phase Recovery)104とを有する。CDC101は、光伝送路上で発生した波長分散を補償する波長分散補償回路である。AEQ102は、例えば、偏波分離、帯域補償や線形歪み補償等の等化回路である。AEQ102は、例えば、偏波変動や偏波モード分散等の時間変動に適応的に追従する偏波分離処理、前段の波長分散補償で補償しきれなかった残留分散を補償する補償処理や、電気デバイスや光デバイス等で発生した信号帯域狭窄化を補償する補償処理を実行する。
FOC103は、送信装置側の光源の周波数と、受信装置側の局発光源の周波数との差分を推定し、その差分を補償する周波数オフセット補償回路である。CPR104は、局発光源の位相雑音やFOC103で補償しきれなかった高速の残留周波数オフセットの変動成分を補償する搬送波位相同期回路である。
DSP100で処理する受信信号は、例えば、送信装置側の光源や受信装置側の局発光源の位相誤差や、FOC103で補償しきれなかった残留周波数オフセット等に起因する位相誤差を有する。CPR104では、受信信号内の位相誤差を補償する方法として、nPSK信号をn乗することで変調成分を除去するn乗法等のビタビ・ビタビ法が知られている。
n乗法では、nPSK信号をn乗することで、位相変調成分を除去し、IQ平面上のn個の信号点を1個の信号点周辺に集約し、その集約した1箇所の信号点を複数シンボル数で平均化して位相誤差以外の雑音、例えば、ガウス雑音を低減できる。図25は、QPSK信号のn乗演算後のコンスタレーション(位相雑音あり)の一例を示す説明図である。QPSK信号の4乗演算前のコンスタレーションは、IQ平面上に4箇所の信号点がある。各信号点は、位相雑音が存在するため、位相誤差φeを有する。そして、QPSK信号の4乗演算後のコンスタレーションは、IQ平面上の4箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約した状態である。
特表2013−530619号公報 国際公開第2012/132103号
しかしながら、n乗法を採用したCPR104では、位相推定可能範囲が2π/nに限定されるため、連続するシンボル間で2π/2n以上の位相誤差を生じた場合、±2π/n以上の位相誤差、すなわち位相スリップが発生することになる。その結果、位相スリップが発生したシンボル以降の受信信号でバーストエラーが発生する。
一つの側面では、受信信号内の位相誤差を補償できる受信装置及び位相誤差補償方法を提供することを目的とする。
一つの案では、受信装置が、位相変調方式又は位相振幅変調方式で変調されたデータ信号とパイロット信号とが時間多重された受信信号を受信する。受信装置は、受信信号の位相を同期する同期回路を有する。同期回路は、抽出部と、第1の推定部と、位相回転部と、第2の推定部と、補償部とを有する。抽出部は、受信信号からパイロット信号を抽出する。第1の推定部は、抽出部にて抽出されたパイロット信号と当該パイロット信号の所定パターンとを比較して位相誤差を推定する。位相回転部は、第1の推定部にて推定された位相誤差で得た基準位相と当該受信信号に関わる変調方式の位相とに基づき、当該受信信号の複数の信号点を位相回転する。第2の推定部は、位相回転部にて位相回転された前記信号点に基づき、前記受信信号の位相推定値を推定する。補償部は、第2の推定部にて推定された位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する。
開示の態様では、受信信号内の位相誤差を補償できる。
図1は、本実施例の光伝送システムの一例を示す説明図である。 図2は、受信装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図3は、受信装置内のDSPの機能構成の一例を示すブロック図である。 図4は、実施例1のCPR内の機能構成の一例を示すブロック図である。 図5は、送信装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図6Aは、8PSK信号のコンスタレーション(位相雑音なし)の一例を示す説明図である。 図6Bは、8PSK信号のコンスタレーション(位相雑音あり)の一例を示す説明図である。 図6Cは、8PSK信号の4(=n/2)乗演算後のコンスタレーション(位相雑音あり)の一例を示す説明図である。 図7は、推定処理に関わるCPRの処理動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、位相補償処理に関わるCPRの処理動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、本実施例とビタビ・ビタビ法(n乗法)とのシミュレーション結果比較の一例を示す説明図である。 図10は、実施例2の光伝送システムの一例を示す説明図である。 図11は、最適化処理に関わる送信装置のCPUの処理動作の一例を示すフローチャートである。 図12は、実施例3のCPR内の機能構成の一例を示すブロック図である。 図13は、実施例4のQPSK方式の受信装置に関わるCPR内の機能構成の一例を示すブロック図である。 図14は、QPSK信号のn/2乗演算前後及び位相回転前後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。 図15は、実施例5の8PSK方式の受信装置に関わるCPR内の機能構成の一例を示すブロック図である。 図16は、8PSK信号のn/2乗演算前後及び位相回転前後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。 図17は、実施例6の16PSK方式の受信装置に関わるCPR内の機能構成の一例を示すブロック図である。 図18は、16PSK信号のn/2乗演算前後及び位相回転前後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。 図19Aは、16PSK信号のn/4乗演算前後のコンスタレーション推移及び基準位相の一例を示す説明図である。 図19Bは、16PSK信号のn/8乗演算前後のコンスタレーション推移及び基準位相の一例を示す説明図である。 図20は、16QAM信号のn/2乗演算に使用するコンスタレーションの一例を示す説明図である。 図21は、64QAM信号のn/2乗演算に使用するコンスタレーションの一例を示す説明図である。 図22は、実施例7のQPSK方式の受信装置に関わるCPR内の機能構成の一例を示すブロック図である。 図23は、QPSK信号のπ/4回転前後及び位相回転後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。 図24は、DSP内の機能構成の一例を示すブロック図である。 図25は、QPSK信号のn乗演算後のコンスタレーション(位相雑音あり)の一例を示す説明図である。
以下、図面に基づいて、本願の開示する受信装置及び位相誤差補償方法の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
図1は、本実施例の光伝送システム1の一例を示す説明図である。図1に示す光伝送システム1は、送信装置2と、受信装置3と、伝送路4とを有する。送信装置2及び受信装置3は、デジタルコヒーレント方式の光通信装置である。
図2は、受信装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示す受信装置3は、LO光源(Local Laser Diode)11と、BS(Beam Splitter)12と、PBS(Polarization Beam Splitter)13と、第1及び第2の光ハイブリッド回路14A、14Bとを有する。受信装置3は、第1〜第4のPD(Photo Diode)15A〜15Dと、第1〜第4のADC(Analog Digital Converter)16A〜16Dと、DSP(Digital Signal Processor)17とを有する。更に、受信装置3は、FPGA(Field Programmable Gate Array)18と、CPU(Central Processing Unit)19とを有する。
LO光源11は、例えば、局発光を発光するレーザである。BS12は、LO光源11からの局発光を分離して第1の光ハイブリッド回路14A及び第2の光ハイブリッド回路14Bに出力する。PBS13は、受信信号を直交する2つの偏波状態、例えば、X偏波成分及びY偏波成分に分離する。尚、X偏波成分は水平偏波成分、Y偏波成分は垂直偏波成分である。PBS13は、X偏波成分を第1の光ハイブリッド回路14Aに出力する。更に、PBS13は、Y偏波成分を第2の光ハイブリッド回路14Bに出力する。
第1の光ハイブリッド回路14Aは、受信信号のX偏波成分に局発光を干渉させてI成分及びQ成分の光信号を取得する。尚、I成分は同相軸成分、Q成分は直交軸成分である。第1の光ハイブリッド回路14Aは、X偏波成分の内、I成分の光信号を第1のPD15Aに出力する。第1の光ハイブリッド回路14Aは、X偏波成分の内、Q成分の光信号を第2のPD15Bに出力する。
第2の光ハイブリッド回路14Bは、受信信号のY偏波成分に局発光を干渉させてI成分及びQ成分の光信号を取得する。第2の光ハイブリッド回路14Bは、Y偏波成分の内、I成分の光信号を第3のPD15Cに出力する。第2の光ハイブリッド回路14Bは、Y偏波成分の内、Q成分の光信号を第4のPD15Dに出力する。
第1のPD15Aは、第1の光ハイブリッド回路14AからのX偏波成分のI成分の光信号を電気変換して利得調整し、利得調整後の電気信号を第1のADC16Aに出力する。第1のADC16Aは、X偏波成分のI成分の電気信号をデジタル変換してDSP17に出力する。第2のPD15Bは、第1の光ハイブリッド回路14AからのX偏波成分のQ成分の光信号を電気変換して利得調整し、利得調整後の電気信号を第2のADC16Bに出力する。第2のADC16Bは、X偏波成分のQ成分の電気信号をデジタル変換してDSP17に出力する。
第3のPD15Cは、第2の光ハイブリッド回路14BからのY偏波成分のI成分の光信号を電気変換して利得調整し、利得調整後の電気信号を第3のADC16Cに出力する。第3のADC16Cは、Y偏波成分のI成分の電気信号をデジタル変換してDSP17に出力する。第4のPD15Dは、第2の光ハイブリッド回路14BからのY偏波成分のQ成分の光信号を電気変換して利得調整し、利得調整後の電気信号を第4のADC16Dに出力する。第4のADC16Dは、Y偏波成分のQ成分の電気信号をデジタル変換してDSP17に出力する。
DSP17は、デジタル変換されたX偏波成分内のI成分及びQ成分と、Y偏波成分内のI成分及びQ成分に対してデジタル信号処理を施し、X偏波成分及びY偏波成分を復調信号に復調する。FPGA18は、例えば、復調信号に対してFEC(Forward Error Correction)処理を実行する、図示せぬ訂正部を有する。CPU19は、受信装置3全体を制御する。
図3は、受信装置3内のDSP17の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すDSP17は、CDC(Chromatic Dispersion Compensator)21と、AEQ(Adaptive Equalizer)22と、FOC(Frequency Offset Compensator)23と、CPR(Carrier Phase Recovery)24とを有する。
CDC21は、伝送路4上で発生した波長分散を補償する波長分散補償回路である。AEQ22は、例えば、偏波分離、帯域補償や線形歪み補償等の等化回路である。AEQ22は、例えば、偏波変動や偏波モード分散等の時間変動に適応的に追従する偏波分離処理、前段の波長分散補償で補償しきれなかった残留分散を補償する補償処理や、電気デバイスや光デバイス等で発生した信号帯域狭窄化を補償する補償処理を実行する。
FOC23は、送信装置2側のLDの周波数と、受信装置3側のLO光源11の周波数との差分を推定し、その差分を補償する周波数オフセット補償回路である。CPR24は、LO光源11の位相雑音やFOC23で補償できなかった高速な残留周波数オフセットの変動成分を補償する同期回路である。
図4は、実施例1のCPR24内の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すCPR24は、nPSK信号内の位相誤差を補償する回路である。CPR24は、抽出部31と、第1の推定部32と、補間部33と、演算部34と、累乗部35と、位相回転部36と、第2の推定部37と、補償部38とを有する。
抽出部31は、FOC23の出力信号からパイロットシンボル(PS:Pilot Symbol)を抽出する。尚、PSは、送信装置2からデータシンボル間に周期的に入力した所定パターンのシンボルである。第1の推定部32は、抽出部31で抽出されたPSのパターンと、事前に記憶済みのPSの所定パターンとを比較してPSの位相誤差φpilotを推定する。第1の推定部32は、ガウス雑音を抑圧するためにPSから推定した位相誤差φpilotと前後の位相誤差φpilotとを時間領域で平均化する。尚、平均化処理は無くても良く、適宜変更可能である。
補間部33は、PSの位相誤差φpilotに対してデータシンボルのタイムスロット分を時間領域で補間する。演算部34は、平均化した位相誤差φpilotとn/2とを乗算して基準位相(n/2)φpilotを算出し、基準位相を位相回転部36に出力する。
累乗部35は、FOC23の出力信号をn/2乗する。累乗部35は、出力信号であるnPSK信号をn/2乗した場合、n箇所の信号点を、IQ平面上で180度の関係を有する2箇所の信号点周辺に集約する。尚、累乗部35の入力段の受信信号のコンスタレーションを数式で表記した場合は(数1)の通りである。
Figure 0006743603
また、累乗部35の出力段、すなわちn/2乗演算後の受信信号のコンスタレーションを数式で表記した場合は(数2)の通りである。
Figure 0006743603
更に、n/2乗演算後の2箇所の信号点は(数3)で表記できる。
Figure 0006743603
位相回転部36は、演算部34で算出した基準位相(n/2)φpilotと、n/2乗演算後の2箇所の信号点の位相とを比較し、基準位相(n/2)φpilotと信号点の位相との間の位相差が±90度以上であるか否かを判定する。
位相回転部36は、基準位相と信号点の位相との間の位相差が±90度以上の場合、その位相差が±90度以上の信号点の位相を180度回転する。つまり、位相回転部36は、n/2乗演算後の2箇所の信号点の内、位相差が±90度以上の信号点を位相回転して位相差が±90度未満の信号点、すなわち位相変調成分が除去された、1箇所の信号点周辺に集約する。
第2の推定部37は、平均化部41と、角度算出部42と、除算部43と、アンラップ部44とを有する。平均化部41は、位相回転部36で得た前後の複数シンボルの信号点を平均化し、平均化された信号点を角度算出部42に出力する。尚、平均化処理は、例えば、ガウス雑音の影響を低減できる。
角度算出部42は、平均化された信号点のI成分及びQ成分のarctan(Q/I)に基づき、信号点のn/2倍の偏角φを算出する。更に、除算部43は、n/2倍の偏角nφに1/nを乗算することで搬送波位相推定値を算出する。アンラップ部44は、1個前の入力シンボルに対する搬送波位相推定値と現在の搬送波位相推定値との差が小さくなるように搬送波位相推定値を補正する。補償部38は、搬送波位相推定値を入力シンボルに乗算することで位相雑音を除去して入力シンボルの位相誤差を補償する。
図5は、送信装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示す送信装置2は、シンボルマッピング51と、挿入部52と、信号処理部53と、DAC(Digital Analog Converter)54と、ドライバアンプ55と、LD(Laser Diode)56と、BS(Beam Splitter)57とを有する。更に、送信装置2は、第1のIQ変調部58Aと、第2のIQ変調部58Bと、PBC(Polarization Beam Combiner)59と、CPU60とを有する。
シンボルマッピング51は、送信データをシンボルにマッピングする処理部である。挿入部52は、設定周期毎にデータシンボル間にPSを挿入する。尚、PSの設定周期及び振幅比は、適宜設定変更可能である。受信装置3では、例えば、PSの設定周期及び振幅比に対応した設定パターンを記憶しておくものとする。信号処理部53は、シンボル列に信号処理を施す。DAC54は、シンボル列をアナログ信号に変換してドライバアンプ55に出力する。
ドライバアンプ55は、シンボル列のアナログ信号に応じた駆動信号を第1のIQ変調部58A及び第2のIQ変調部58Bに出力する。LD56は、光信号をBS57に出力する。BS57は、光信号を第1のIQ変調部58A及び第2のIQ変調部58Bに出力する。第1のIQ変調部58Aは、光信号を駆動信号で光変調するX偏波成分側の光変調信号を生成する。第2のIQ変調部58Bは、光信号を駆動信号で光変調するY偏波成分側の光変調信号を生成する。PBC59は、第1のIQ変調部58AからのX偏波成分側の光変調信号と、第2のIQ変調部58BからのY偏波成分側の光変調信号とを結合して光変調信号を送信シンボルとして伝送路4に出力する。CPU60は、送信装置2全体を制御する。
図6Aは、8PSK信号のコンスタレーション(位相雑音なし)の一例を示す説明図である。尚、説明の便宜上、nPSK信号として8PSK信号を例示する。図6Aに示す8PSK信号のコンスタレーションは、位相雑音なしのため、IQ平面上でπ/4間隔で合計8箇所の信号点を配置した状態である。
図6Bは、8PSK信号のコンスタレーション(位相雑音あり)の一例を示す説明図である。図6Bに示す8PSK信号のコンスタレーションは、位相雑音ありのため、IQ平面上で合計8箇所の各信号点周辺に集まるものの、若干の誤差が生じる。
図6Cは、8PSK信号の4(=n/2)乗演算後のコンスタレーション(位相雑音あり)の一例を示す説明図である。4乗演算後の8PSK信号は、累乗部35で算出した8PSKの入力シンボルをn/2(n=8)乗、すなわち4乗演算後の8PSKである。基準位相は、演算部34で算出したPSの基準位相である。閾値は、基準位相から±90度である。図6Cに示す8PSK信号のコンスタレーションは、4乗演算後の8PSKのコンスタレーションに相当し、8箇所の信号点が2箇所の信号点に集約された状態となる。位相回転部36は、2箇所の各信号点が基準位相から位相差±90度以上であるか否かを判定し、基準位相から位相差±90度以上の信号点を選択し、その信号点を180度回転する。その結果、位相差±90度以上の信号点を位相差±90度未満の信号点周辺に集約できる。
次に実施例1の光伝送システム1の動作について説明する。図7は、推定処理に関わるCPR24の処理動作の一例を示すフローチャートである。図7に示す推定処理は、受信信号内のPSに基づき、PSの位相誤差を推定し、推定された位相誤差に基づき、PSの基準位相を推定し、基準位相を位相回転部36に設定する処理である。
図7においてCPR24内の抽出部31は、受信信号からPSを抽出したか否かを判定する(ステップS11)。CPR24内の第1の推定部32は、PSを抽出した場合(ステップS11肯定)、抽出されたPSと当該PSの所定パターンとを比較する(ステップS12)。尚、所定パターンは、PSの設定パターンとして事前に記憶しておくものとする。
第1の推定部32は、PSと所定パターンとの比較結果に基づき、PSの位相誤差を推定する(ステップS13)。第1の推定部32は、PSの位相誤差を時間領域で平均化する(ステップS14)。CPR24内の補間部33は、平均化後のPSの位相誤差を時間領域で補間する(ステップS15)。CPR24内の演算部34は、補間後のPSの位相誤差にn/2を乗算することで基準位相を算出する(ステップS16)。更に、演算部34は、算出した基準位相を位相回転部36に出力し(ステップS17)、図7に示す処理動作を終了する。第1の推定部32は、受信信号からPSを抽出しなかった場合(ステップS11否定)、図7に示す処理動作を終了する。
図8は、位相補償処理に関わるCPR24の処理動作の一例を示すフローチャートである。図8に示す位相補償処理は、基準位相に基づき、n/2乗演算後の2箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約し、集約した信号点に基づき、搬送波位相推定値を算出し、搬送波位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する処理である。図8においてCPR24内の累乗部35は、受信信号をn/2乗演算してn/2乗演算後の信号点を算出する(ステップS21)。尚、n/2乗演算後の信号点は、2箇所の信号点、すなわち2通りのグループに分類されることになる。CPR24内の位相回転部36は、n/2乗演算後の2箇所の信号点の位相と基準位相とを比較する(ステップS22)。
位相回転部36は、n/2乗演算後の信号点の位相と基準位相との比較結果、すなわち位相差が±90度以上であるか否かを判定する(ステップS23)。位相回転部36は、位相差が±90度以上の場合(ステップS23肯定)、基準位相との位相差が±90度以上のn/2乗演算後の信号点を180度回転する(ステップS24)。すなわち、位相回転部36は、n/2乗演算後の2箇所の信号点の内、位相差±90度以上の信号点を基準位相付近の位相差±90度未満の1箇所の信号点周辺に集約する。
CPR24内の平均化部41は、位相回転部36の出力、すなわち集約された1箇所の信号点周辺を平均化する(ステップS25)。CPR24内の角度算出部42は、平均化後の信号点のarctan(Q/I)に基づき、信号点のn/2倍の偏角を算出する(ステップS26)。CPR24内の除算部43は、n/2倍の偏角に1/nを乗算して搬送波位相推定値を算出する(ステップS27)。
CPR24内のアンラップ部44は、搬送波位相推定値をアンラップ処理で補正する(ステップS28)。CPR24内の補償部38は、受信信号に補正後の搬送波位相推定値を乗算して受信信号内の位相誤差を補償し(ステップS29)、図8に示す処理動作を終了する。
位相回転部36は、位相差が±90度以上でない場合(ステップS23否定)、位相回転なしとし(ステップS30)、n/2乗演算後の信号点を平均化すべく、ステップS25に移行する。
図9は、本実施例とビタビ・ビタビ法(n乗法)とのシミュレーション結果比較の一例を示す説明図である。尚、図9の説明図の縦軸をBER(Bit Error Rate)換算の受信Q値、横軸を、レーザ線幅とシンボル周期との積で算出した位相雑音とする。シミュレーション条件としては、変調方式としてDual Polarization(DP)−8PSKを採用し、PSを32シンボル間隔で挿入、シンボルレートを32Gbaud、OSNRを15dBとした。ビタビ・ビタビ法のシミュレーション結果では、位相雑音が大きくなるに連れて受信Q値が低下するのに対し、本実施例のシミュレーション結果では、位相雑音が大きくなった場合でも、ビタビ・ビタビ法に比較して受信Q値が向上している。つまり、本実施例では、位相雑音耐力の向上が確認できる。
実施例1のCPR24は、受信信号からPSを抽出し、抽出したPSの位相誤差を推定し、PSの位相誤差から基準位相を算出する。更に、CPR24は、受信信号に対するn/2乗演算で、n箇所の信号点を180度の関係を有する2箇所の信号点の位相に集約する。更に、CPR24は、2箇所の信号点の位相と基準位相とを比較して位相差が±90度以上の信号点を位相差±90度未満の1箇所の信号点周辺に集約すべく、位相差±90度以上の信号点を180度位相回転する。CPR24は、集約された1箇所の信号点周辺に基づき搬送波位相推定値を推定し、推定した搬送波位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する。その結果、nPSK方式の受信信号内の位相誤差を補償できる。
CPR24内の累乗部35は、受信信号に対してn/2乗演算を実行するため、n箇所の信号点を2箇所の信号点に集約する。その結果、位相スリップの発生を抑制できる。
CPR24内の位相回転部36は、累乗部35で集約された2箇所の信号点の内、基準位相近傍の1箇所の信号点周辺に集約するように信号点を位相回転する。その結果、n箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約できる。
尚、上記実施例1では、設定周期毎のPSを受信信号から抽出し、抽出したPSから基準位相を取得した。しかしながら、受信装置3は、受信信号の受信品質情報に基づき、PSのパラメータの設定変更を送信装置2に指示しても良く。この場合の実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。図10は、実施例2の光伝送システム1Aの一例を示す説明図である。尚、実施例1の光伝送システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図10に示す光伝送システム1A内の受信装置3は、受信信号から受信品質情報を取得し、取得した受信品質情報を送信装置2に通知する。送信装置2は、受信品質情報に基づき、PSの設定パラメータを変更する。受信品質情報は、例えば、BERや位相スリップ率等の信号品質情報である。
送信装置2内のCPU60は、受信品質情報に基づき、データシンボルとPSとの振幅比を設定する。CPU60は、受信品質情報に基づき、PSの挿入周期を挿入部52に設定する。CPU60は、振幅比及び挿入周期に基づき、PSの設定パラメータを変更する。尚、CPU60では、データシンボルの振幅比がPSの振幅比に比較して大きくなるに連れて、データシンボルのSN(Signal/Noise)比が向上するため、ガウス雑音に強くなるが、PSのSN比が低下するため、PSから得られる基準位相の精度が低くなる。しかも、最適な振幅比は、伝送路4の伝送条件によって異なる。更に、CPU60では、PSの挿入周期が短くなるに連れて位相雑音への追従性能が高くなるが、データシンボルの送信レートが低下する。従って、送信装置2は、これらの点を踏まえて、受信装置3側の受信品質情報に基づき、PSの挿入周期及び振幅比等の設定パラメータを最適化する。
CPU60は、PSの設定パラメータを受信装置3に通知する。受信装置3は、PSの設定パラメータに基づき、第1の推定部32内に保持するPSの所定パターンを設定変更する。
次に実施例2の光伝送システム1Aの動作について説明する。図11は、最適化処理に関わる送信装置2のCPU60の処理動作の一例を示すフローチャートである。図11に示す最適化処理は、受信品質情報に基づき、PSの設定パラメータを最適化し、その設定パラメータを受信装置3に通知する処理である。
図11に示す送信装置2側のCPU60は、受信装置3から受信品質情報を受信したか否かを判定する(ステップS31)。CPU60は、受信品質情報を受信した場合(ステップS31肯定)、受信品質情報が通常の通信条件を満たしたか否かを判定する(ステップS32)。
CPU60は、受信品質情報が通常の通信条件を満たした場合(ステップS32肯定)、受信品質情報に基づき、データシンボルとPSとの振幅比を挿入部52に設定する(ステップS33)。CPU60は、受信品質情報に基づき、PSの挿入周期を挿入部52に設定する(ステップS34)。
CPU60は、振幅比及び挿入周期を受信装置3に通知し(ステップS35)、図11に示す処理動作を終了する。CPU60は、受信品質情報を受信しなかった場合(ステップS31否定)又は、受信品質情報が通常の通信条件を満たさなかった場合(ステップS32否定)、図11に示す処理動作を終了する。
実施例2の送信装置2は、受信装置3からの受信品質情報に基づきPSの挿入周期及び振幅比等の設定パラメータを設定し、その設定パラメータを受信装置3に通知する。その結果、受信装置3では、最適なPSを抽出できる。
尚、上記実施例1では、PSの基準位相に基づき、n/2乗演算で算出した2箇所の信号点の位相を位相回転部36にて位相回転し、位相回転後の信号点に基づき搬送波位相推定値を推定し、この搬送波位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償した。しかしながら、本構成に限定されるものではなく、適宜変更可能であり、その実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
図12は、実施例3のCPR24A内の機能構成の一例を示すブロック図である。尚、実施例1の光伝送システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図12に示すCPR24Aは、抽出部31Aと、第1の推定部32Aと、補間部33Aと、第1の補償部39と、累乗部35Aと、位相回転部36Aと、第2の推定部37と、第2の補償部38Aとを有する。CPR24Aは、PSの位相誤差で受信信号内の位相誤差を補償する第1の補償処理と、第1の補償処理後の受信信号のn/2乗演算で得た搬送波位相推定値で受信信号内の位相誤差を補償する第2の補償処理とを段階的に実行した。第1の補償処理は、PSの位相誤差に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する。第2の補償処理は、第1の補償処理後の受信信号のn/2乗演算で得た信号点に基づき、搬送波位相推定値を推定し、その搬送波位相推定値に基づき、第1の補償処理後の受信信号内の位相誤差を補償する。抽出部31Aは、FOC23の受信信号からPSを抽出する。第1の推定部32Aは、抽出部31Aにて抽出されたPSとPSの所定パターンとを比較し、その比較結果であるPSの位相誤差を推定する。補間部33Aは、第1の推定部32Aにて推定された位相誤差に対してデータシンボルのタイムスロット分を時間領域で補間する。第1の補償部39は、FOC23の受信信号に補間部33Aの補間処理後の位相誤差を乗算することで、受信信号内の位相誤差を大まかに補償する。第1の補償部39は、その補償後の受信信号を第2の補償部38Aに出力する。
累乗部35Aは、第1の補償部39にて補償後の受信信号をn/2乗演算し、IQ平面上でn箇所の信号点を180度の関係を有する2箇所の信号点周辺に集約する。位相回転部36Aは、基準位相を0度にし、n/2乗演算で得た2箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約すべく、2箇所の信号点の内、一方の信号点を他方の信号点に180度位相回転する。そして、位相回転部36Aは、位相回転後の1箇所の信号点を第2の推定部37に出力する。尚、位相回転部36Aの基準位相を0度としたのは、第1の補償部39でPSの位相誤差で受信信号の位相誤差を既に補償しているためである。
平均化部41は、位相回転部36Aの位相回転後の1箇所の信号点を平均化する。角度算出部42は、平均化された1箇所の信号点のI成分及びQ成分のarctan(Q/I)に基づき、1箇所の信号点のn/2倍の偏角φを算出する。更に、除算部43は、n/2倍の偏角nφに1/n倍を乗算することで搬送波位相推定値を算出する。アンラップ部44は、1個前の入力シンボルに対する搬送波位相推定値と現在の搬送波位相推定値との差が小さくなるように搬送波位相推定値を補正する。第2の補償部38Aは、第1の補償部39にて第1の補償処理後の受信信号に搬送波位相推定値を乗算することで、受信信号内の位相誤差を補償し、補償後の受信信号を出力する。
実施例3のCPR24Aは、第1の補償部39にてPSの位相誤差で受信信号内の位相誤差を補償した後、補償後の受信信号のn/2乗演算で、n箇所の信号点を2箇所の信号点に集約する。更に、CPR24Aは、位相回転部36Aにて2箇所の信号点の内、一方の信号点を180度位相回転して1箇所の信号点周辺に集約し、位相回転後の信号点を第2の推定部37に出力する。第2の推定部37は、位相回転後の1箇所の信号点に基づき搬送波位相推定値を推定し、搬送波位相推定値を第2の補償部38Aに出力する。第2の補償部38Aは、第1の補償部39にて補償後の受信信号に搬送波位相推定値を乗算して第1の補償部39にて補償後の受信信号内の位相誤差を補償する。その結果、受信信号内の位相誤差を段階的に補償できる。
実施例3のCPR24Aは、第1の補償処理にてPSの位相誤差で受信信号内の位相誤差を補償した後、第1の補償処理後の受信信号のn/2乗演算で得た信号点で搬送波位相推定値を算出する。更に、CPR24Aは、搬送波位相推定値に基づき、第1の補償処理後の受信信号内の位相誤差を補償する。その結果、受信信号内の位相誤差を段階的に補償できる。
尚、上記実施例1の光伝送システム1では、nPSK方式の光伝送システム1を例示したが、QPSK方式を採用した場合の実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。図13は、実施例4のQPSK方式の受信装置3に関わるCPR24B内の機能構成の一例を示す説明図である。尚、実施例1の光伝送システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図13に示すCPR24Bは、QPSK方式を採用するため、抽出部31と、第1の推定部32と、補間部33と、演算部34Bと、累乗部35Bと、π/2回転部351と、位相回転部36Bと、第2の推定部37と、補償部38とを有する。
抽出部31は、QPSK方式の受信信号からPSを抽出する。第1の推定部32は、抽出されたPSと当該PSの所定パターンとを比較し、その比較結果からPSの位相誤差を推定する。尚、第1の推定部32は、ガウス雑音抑制のため、推定された位相誤差の前後の位相誤差を使用して平均化処理を実行しても良く、適宜変更可能である。第1の推定部32は、PSの位相誤差を補間部33に出力する。補間部33は、PSの位相誤差に対してデータシンボルのタイムスロット分を時間領域で補間し、その補間処理後のPSの位相誤差を演算部34Bに出力する。演算部34Bは、PSの位相誤差φpilotと2(=n/2)とを乗算して基準位相2φpilotを位相回転部36Bに出力する。
累乗部35Bは、QPSK方式、すなわち、n=4であるため、受信信号に対してn/2乗演算を実行する。つまり、累乗部35Bは、受信信号に対して2乗演算を実行することで、IQ平面上で4箇所の信号点を、180度の関係を有する2箇所の信号点周辺に集約する。尚、累乗部35Bの入力段であるQPSK信号のコンスタレーションは(数4)で表記できる。
Figure 0006743603
また、累乗部35Bの出力段である2乗演算後のQPSK信号のコンスタレーションは(数5)で表記できる。
Figure 0006743603
π/2回転部351は、2乗演算後の2箇所の信号点を90度回転し、位相回転後の2箇所の信号点を位相回転部36Bに出力する。位相回転部36Bは、位相回転後の2箇所の信号点の位相と基準位相2φpilotとを比較して位相差が±90度以上の場合に±90度以上の信号点を180度回転して1箇所の信号点周辺に集約する。
図14は、QPSK信号のn/2乗演算前後及び位相回転前後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。図14(A)のQPSK信号のコンスタレーションは、累乗部35Bの2乗演算前の状態、すなわち4箇所の信号点を有する状態である。図14(B)のQPSK信号のコンスタレーションは、累乗部35Bにて2乗演算後の状態、すなわち、2乗演算前の4箇所の信号点から2乗演算後の2箇所の信号点に集約した状態である。図14(C)のQPSK信号のコンスタレーションは、π/2回転部351にて90度回転後の2箇所の信号点を有する状態である。図14(D)のQPSK信号のコンスタレーションは、位相回転部36Bにて基準位相から位相差±90度以上の信号点を180度回転して1箇所の信号点周辺に集約した状態である。
第2の推定部37内の平均化部41は、位相回転部36Bにて位相回転後の1箇所の信号点を平均化する。第2の推定部37内の角度算出部42は、平均化された1箇所の信号点のI成分及びQ成分のarctan(Q/I)に基づき、信号点の2(=n/2)倍の偏角φを算出する。第2の推定部37内の除算部43は、2(=n/2)倍の偏角2φに1/2(=1/(n/2))を乗算することで搬送波位相推定値を算出する。第2の推定部37内のアンラップ部44は、1個前の入力シンボルに対する搬送波位相推定値と現在の搬送波位相推定値との差が小さくなるように搬送波位相推定値を補正する。補償部38は、搬送波位相推定値を受信信号に乗算することで受信信号内の位相誤差を補償する。
実施例4のCPR24Bは、受信信号からPSを抽出し、抽出したPSの位相誤差を推定し、PSの位相誤差から基準位相を算出する。更に、CPR24Bは、QPSK方式の受信信号に対する2乗演算で、4箇所の信号点を180度の関係を有する2箇所の信号点に集約する。更に、CPR24Bは、2箇所の信号点の位相と基準位相とを比較して位相差±90度以上の信号点を他方の信号点に集約すべく、位相差±90度以上の信号点を180度位相回転する。CPR24Bは、集約された信号点で搬送波位相推定値を推定し、推定した搬送波位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する。その結果、QPSK方式の受信信号内の位相誤差を補償できる。
CPR24B内の累乗部35Bは、QPSK方式の受信信号に対して2乗演算を実行するため、4箇所の信号点を2箇所の信号点に集約する。その結果、位相スリップの発生を抑制できる。
CPR24B内の位相回転部36Bは、累乗部35Bで集約された2箇所の信号点の内、基準位相近傍の1箇所の信号点に集約するように信号点を位相回転する。その結果、2箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約できる。
尚、上記実施例1の光伝送システム1では、nPSK方式の光伝送システム1を例示したが、8PSK方式を採用した場合の実施の形態につき、実施例5として以下に説明する。図15は、実施例5の8PSK方式の受信装置3に関わるCPR24C内の機能構成の一例を示すブロック図である。尚、実施例1の光伝送システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図15に示すCPR24Cは、8PSK方式を採用するため、抽出部31と、第1の推定部32と、補間部33と、演算部34Cと、累乗部35Cと、位相回転部36Cと、第2の推定部37と、補償部38とを有する。
抽出部31は、8PSK方式の受信信号からPSを抽出する。第1の推定部32は、抽出されたPSと当該PSの所定パターンとを比較し、その比較結果からPSの位相誤差を推定する。尚、第1の推定部32は、ガウス雑音抑制のため、推定された位相誤差の前後の位相誤差を使用して平均化処理を実行しても良く、適宜変更可能である。第1の推定部32は、PSの位相誤差を補間部33に出力する。補間部33は、PSの位相誤差に対してデータシンボルのタイムスロット分を時間領域で補間し、その補間処理後のPSの位相誤差を演算部34Cに出力する。演算部34Cは、PSの位相誤差φpilotと4(=n/2)とを乗算して基準位相4φpilotを位相回転部36Cに出力する。
累乗部35Cは、8PSK方式、すなわち、n=8であるため、受信信号に対してn/2乗演算を実行する。つまり、累乗部35Cは、受信信号に対して4乗演算を実行することで、IQ平面上で8箇所の信号点を、180度の関係を有する2箇所の信号点周辺に集約する。累乗部35Cは、4乗演算後の2箇所の信号点を位相回転部36Cに出力する。位相回転部36Cは、位相回転後の2箇所の信号点の位相と基準位相4φpilotとを比較して位相差が±90度以上の場合に±90度以上の信号点を180度回転して1箇所の信号点周辺に集約する。
図16は、8PSK信号のn/2乗演算前後及び位相回転前後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。図16(A)の8PSK信号のコンスタレーションは、累乗部35Cの4乗演算前の状態、すなわち8箇所の信号点を有する状態である。図16(B)の8PSK信号のコンスタレーションは、累乗部35Cにて4乗演算後の状態、すなわち、4乗演算前の8箇所の信号点から4乗演算後の2箇所の信号点に集約した状態である。図16(C)の8PSK信号のコンスタレーションは、位相回転部36Cにて基準位相から位相差±90度以上の信号点を180度回転して1箇所の信号点周辺に集約した状態である。
第2の推定部37内の平均化部41は、位相回転部36Cにて位相回転後の1箇所の信号点を平均化する。第2の推定部37内の角度算出部42は、平均化された1箇所の信号点のI成分及びQ成分のarctan(Q/I)に基づき、信号点の4(=n/2)倍の偏角φを算出する。第2の推定部37内の除算部43は、4(=n/2)倍の偏角4φに1/4(=1/(n/2))を乗算することで搬送波位相推定値を算出する。第2の推定部37内のアンラップ部44は、1個前の入力シンボルに対する搬送波位相推定値と現在の搬送波位相推定値との差が小さくなるように搬送波位相推定値を補正する。補償部38は、搬送波位相推定値を受信信号に乗算することで受信信号内の位相誤差を補償する。
実施例5のCPR24Cは、受信信号からPSを抽出し、抽出したPSの位相誤差を推定し、PSの位相誤差から基準位相を算出する。更に、CPR24Cは、8PSK方式の受信信号に対する4乗演算で、8箇所の信号点を180度の関係を有する2箇所の信号点に集約する。更に、CPR24Cは、2箇所の信号点の位相と基準位相とを比較して位相差±90度以上の信号点を他方の信号点に集約すべく、位相差±90度以上の信号点を180度位相回転する。CPR24Cは、集約された信号点で搬送波位相推定値を推定し、推定した搬送波位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する。その結果、8PSK方式の受信信号内の位相誤差を補償できる。
CPR24C内の累乗部35Cは、8PSK方式の受信信号に対して4乗演算を実行するため、8箇所の信号点を2箇所の信号点に集約する。その結果、位相スリップの発生を抑制できる。
CPR24C内の位相回転部36Cは、累乗部35Cで集約された2箇所の信号点の内、基準位相近傍の1箇所の信号点に集約するように信号点を位相回転する。その結果、2箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約できる。
尚、上記実施例1の光伝送システム1では、nPSK方式の光伝送システム1を例示したが、16PSK方式を採用した場合の実施の形態につき、実施例6として以下に説明する。図17は、実施例6の16PSK方式の受信装置3に関わるCPR24D内の機能構成の一例を示すブロック図である。尚、実施例1の光伝送システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図17に示すCPR24Dは、16PSK方式を採用するため、抽出部31と、第1の推定部32と、補間部33と、演算部34Dと、累乗部35Dと、位相回転部36Dと、第2の推定部37と、補償部38とを有する。
抽出部31は、16PSK方式の受信信号からPSを抽出する。第1の推定部32は、抽出されたPSと当該PSの所定パターンとを比較し、その比較結果からPSの位相誤差を推定する。尚、第1の推定部32は、ガウス雑音抑制のため、推定された位相誤差の前後の位相誤差を使用して平均化処理を実行しても良く、適宜変更可能である。第1の推定部32は、PSの位相誤差を補間部33に出力する。補間部33は、PSの位相誤差に対してデータシンボルのタイムスロット分を時間領域で補間し、その補間処理後のPSの位相誤差を演算部34Dに出力する。演算部34Dは、PSの位相誤差φpilotと8(=n/2)とを乗算して基準位相8φpilotを位相回転部36Dに出力する。
累乗部35Dは、16PSK方式、すなわち、n=16であるため、受信信号に対してn/2乗演算を実行する。つまり、累乗部35Dは、受信信号に対して8乗演算を実行することで、IQ平面上で16箇所の信号点を、180度の関係を有する2箇所の信号点周辺に集約する。累乗部35Dは、8乗演算後の2箇所の信号点を位相回転部36Dに出力する。位相回転部36Dは、位相回転後の2箇所の信号点の位相と基準位相8φpilotとを比較して位相差が±90度以上の場合に±90度以上の信号点を180度回転して1箇所の信号点周辺に集約する。
図18は、16PSK信号のn/2乗演算前後及び位相回転前後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。図18(A)の16PSK信号のコンスタレーションは、累乗部35Dの8乗演算前の状態、すなわち16箇所の信号点を有する状態である。図18(B)の16PSK信号のコンスタレーションは、累乗部35Dにて8乗演算後の状態、すなわち8乗演算前の16箇所の信号点から8乗演算後の2箇所の信号点に集約した状態である。図18(C)の16PSK信号のコンスタレーションは、位相回転部36Dにて基準位相から位相差±90度以上の信号点を180度回転して1箇所の信号点周辺に集約した状態である。
第2の推定部37内の平均化部41は、位相回転部36Dにて位相回転後の1箇所の信号点を平均化する。第2の推定部37内の角度算出部42は、平均化された1箇所の信号点のI成分及びQ成分のarctan(Q/I)に基づき、信号点の8(=n/2)倍の偏角φを算出する。第2の推定部37内の除算部43は、8(=n/2)倍の偏角8φに1/8(=1/(n/2))を乗算することで搬送波位相推定値を算出する。第2の推定部37内のアンラップ部44は、1個前の入力シンボルに対する搬送波位相推定値と現在の搬送波位相推定値との差が小さくなるように搬送波位相推定値を補正する。補償部38は、搬送波位相推定値を受信信号に乗算することで受信信号内の位相誤差を補償する。
実施例6のCPR24Dは、受信信号からPSを抽出し、抽出したPSの位相誤差を推定し、PSの位相誤差から基準位相を算出する。更に、CPR24Dは、16PSK方式の受信信号に対する8乗演算で、16箇所の信号点を180度の関係を有する2箇所の信号点に集約する。更に、CPR24Dは、2箇所の信号点の位相と基準位相とを比較して位相差±90度以上の信号点を他方の信号点に集約すべく、位相差±90度以上の信号点を180度位相回転する。CPR24Dは、集約された信号点で搬送波位相推定値を推定し、推定した搬送波位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する。その結果、16PSK方式の受信信号内の位相誤差を補償できる。
CPR24D内の累乗部35Dは、16PSK方式の受信信号に対して8乗演算を実行するため、16箇所の信号点を2箇所の信号点に集約する。その結果、位相スリップの発生を抑制できる。
CPR24D内の位相回転部36Dは、累乗部35Dで集約された2箇所の信号点の内、基準位相近傍の1箇所の信号点周辺に集約するように信号点を位相回転する。その結果、2箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約できる。
尚、上記実施例6の累乗部35Dは、16PSK方式のため、受信信号に対するn/2、すなわち8(=16/2)乗演算を実行したので、16箇所の信号点を2箇所の信号点に集約した。しかしながら、累乗部35Dは、受信信号に対してn/2に限定されるものではなく、n/a(a=n未満の整数)でも良く、例えば、n/4乗法やn/8乗法としても良い。べき乗回数が少なくなるに連れて位相推定可能範囲が広くなって位相回転部36Dの演算処理が複雑になるものの、適宜変更可能である。
図19Aは、16PSK信号のn/4乗演算前後のコンスタレーション推移及び基準位相の一例を示す説明図である。図19Aに示す16PSK信号のコンスタレーションは、4(=n/4)乗演算前の16PSKの受信信号の16箇所の信号点を有する状態である。累乗部35Dは、受信信号に対する4(=n/4)乗演算を実行した場合、図19Aに示すように、16箇所の信号点から4箇所の信号点に集約する。位相回転部36Dは、4箇所の信号点の内、基準位相から位相差±45度以上の信号点があるか否かを判定する。位相回転部36Dは、基準位相から位相差±45度以上の信号点がある場合、位相差±45度以上の各信号点を基準位相から位相差±45度未満内の信号点に集約すべく、位相差±45度以上の各信号点を位相回転する。その結果、位相回転部36Dは、n/4乗演算後の4箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約できる。
図19Bは、16PSK信号のn/8乗演算前後のコンスタレーション推移及び基準位相の一例を示す説明図である。図19Bに示す16PSK信号のコンスタレーションは、2(=n/8)乗演算前の16PSKの受信信号の16箇所の信号点を有する状態である。累乗部35Dは、受信信号に対する2(=n/8)乗演算を実行した場合、図19Bに示すように、16箇所の信号点から8箇所の信号点に集約する。位相回転部36Dは、8箇所の信号点の内、基準位相から位相差±22.5度以上の信号点があるか否かを判定する。位相回転部36Dは、基準位相から位相差±22.5度以上の信号点がある場合、位相差±22.5度以上の各信号点を基準位相から位相差±22.5度未満内の信号点に集約すべく、位相差±22.5度以上の各信号点を位相回転する。その結果、位相回転部36Dは、n/8乗演算後の8箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約できる。
また、上記実施例1の光伝送システム1は、nPSK方式の位相変調方式を例示したが、例えば、16QAM方式の位相振幅変調方式にも適用可能である。この場合、QPSK−Partitioningビタビ・ビタビ法(4乗法)やQPSK−Partitioningの2乗法を採用しても良い。図20は、16QAM信号のn/2乗演算に使用するコンスタレーションの一例を示す説明図である。累乗部35は、16QAM方式の16箇所の信号点を夫々が90度の整数倍の関係を有する8箇所の信号点P1〜P8(×印で図示)に集約すべく、16QAM方式の受信信号を4乗演算する。尚、PSの基準位相は、1箇所の信号点X1(△印で図示)になる。その結果、位相回転部36は、基準位相X1に基づき、4箇所の信号点P1〜P4を1箇所の信号点P1周辺に集約すべく、各信号点P2〜P4を位相回転する。同時に、位相回転部36は、基準位相X1に基づき、4箇所の信号点P5〜P8を1箇所の信号点P5周辺に集約すべく、各信号点P6〜P8を位相回転する。その結果、位相回転部36は、4乗演算後の8箇所の信号点を2箇所の信号点P1及びP5に集約できる。
本実施例は、例えば、64QAM方式の位相振幅変調方式にも適用可能である。この場合、QPSK−Partitioningビタビ・ビタビ法(4乗法)やQPSK−Partitioningの2乗法を採用しても良い。図21は、64QAM信号のn/2乗演算に使用するコンスタレーションの一例を示す説明図である。累乗部35は、64QAM方式の64箇所の信号点が夫々90度の整数倍の関係を有する12箇所の信号点P1〜P12(図中×印で表現)に集約すべく、64QAM方式の受信信号を4乗演算する。尚、PSの基準位相は、1箇所の信号点X1(△印で図示)になる。その結果、位相回転部36は、基準位相X1に基づき、4箇所の信号点P1〜P4を1箇所の信号点P1周辺に集約すべく、各信号点P2〜P4を位相回転する。同時に、位相回転部36は、基準位相X1に基づき、4箇所の信号点P5〜P8を1箇所の信号点P5周辺に集約すべく、各信号点P6〜P8を位相回転する。更に、位相回転部36は、基準位相X1に基づき、4箇所の信号点P9〜P12を1箇所の信号点P9周辺に集約すべく、各信号点P10〜P12を位相回転する。その結果、位相回転部36は、4乗演算後の12箇所の信号点を3箇所の信号点P1、P5及びP9に集約できる。
尚、上記実施例4のQPSK方式の受信装置3に関わるCPR24では、累乗部35Bを配置し、位相回転部36Bは、累乗部35Bで集約された2箇所の信号点の内、基準位相近傍の1箇所の信号点周辺に集約するように信号点を位相回転した。しかしながら、位相回転部36Bは、累乗部35Bにて受信信号の2個の信号点に集約しなくても、受信信号の4個の信号点を基準位相近傍の1箇所の信号点周辺に集約できる。従いまして、QPSK方式を採用した、累乗部35BなしのCPR24の実施の形態につき、実施例7として以下に説明する。図22は、実施例7のQPSK方式の受信装置3に関わるCPR24E内の機能構成の一例を示す説明図である。尚、実施例1の光伝送システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図22に示すCPR24Eは、QPSK方式を採用するため、抽出部31と、第1の推定部32と、補間部33と、π/4回転部352と、位相回転部36Eと、平均化部41と、角度算出部42と、アンラップ部44と、補償部38とを有する。
抽出部31は、QPSK方式の受信信号からPSを抽出する。第1の推定部32は、抽出されたPSと当該PSの所定パターンとを比較し、その比較結果からPSの位相誤差を推定する。第1の推定部32は、PSの位相誤差を補間部33に出力する。補間部33は、PSの位相誤差に対してデータシンボルのタイムスロット分を時間領域で補間し、その補間処理後のPSの位相誤差φpilotを位相回転部36Eに出力する。
π/4回転部352は、受信信号の4箇所の信号点を45度回転し、位相回転後の4箇所の信号点を位相回転部36Eに出力する。位相回転部36Eは、位相回転後の4箇所の信号点の位相と基準位相φpilotとを比較する。位相回転部36Eは、その比較結果に基づき、下記位相回転条件に基づき、4箇所の各信号点を1箇所の信号点周辺に集約する。位相回転部36Eは、位相回転条件が−45°≦φdiff<45°の場合、その信号点の位相を回転なしとする。尚、φdiffは、信号点の位相−基準位相とする。位相回転部36Eは、位相回転条件が−90°≦φdiff<−45°の場合、その信号点の位相を90°回転する。位相回転部36Eは、位相回転条件が135°≦φdiff<225°の場合、その信号点の位相を180°回転する。位相回転部36Eは、位相回転条件が45°≦φdiff<135°の場合、その信号点の位相を−90°回転する。その結果、位相回転部36Eは、4箇所の信号点を1箇所の信号点周辺に集約する。
図23は、QPSK信号のπ/4回転前後及び位相回転後のコンスタレーション推移の一例を示す説明図である。図23(A)のQPSK信号のコンスタレーションは、π/4回転前の状態、すなわち4箇所の信号点を有する状態である。図23(B)のQPSK信号のコンスタレーションは、π/4回転後の状態、すなわち、π/4回転前の4箇所の信号点からπ/4回転後の4箇所の信号点に集約した状態である。図23(C)のQPSK信号のコンスタレーションは、π/4回転部352にて90度回転後の4箇所の各信号点を1箇所の信号点周辺に集約した状態である。
平均化部41は、位相回転部36Bにて位相回転後の1箇所の信号点を平均化する。角度算出部42は、平均化された1箇所の信号点のI成分及びQ成分のarctan(Q/I)に基づき、信号点の偏角φを算出する。更に、アンラップ部44は、信号点の偏角φを搬送波位相推定値として算出し、1個前の入力シンボルに対する搬送波位相推定値と現在の搬送波位相推定値との差が小さくなるように搬送波位相推定値を補正する。補償部38は、搬送波位相推定値を受信信号に乗算することで受信信号内の位相誤差を補償する。
実施例7のCPR24Eは、受信信号からPSを抽出し、抽出したPSの位相誤差を推定し、PSの位相誤差から基準位相を算出する。更に、CPR24Eは、QPSK方式の受信信号の4箇所の各信号点を90°回転する。CPR24Eは、4箇所の信号点の位相と基準位相とを比較して4箇所の各信号点を位相回転条件に基づき1箇所の信号点周辺に集約すべく、各信号点を回転する。CPR24Eは、集約された信号点で搬送波位相推定値を推定し、推定した搬送波位相推定値に基づき、受信信号内の位相誤差を補償する。その結果、QPSK方式の受信信号内の位相誤差を補償できる。
CPR24Eは、累乗部35Bにて受信信号をn/2乗演算しなくても、QPSK方式の受信信号内の位相誤差を補償できる。
尚、実施例7では、QPSK方式を採用した受信装置4のCPR24Eを例示したが、QPSK方式に限定されるものではなく、8PSK方式、16PSK方式は勿論のこと、16QAMや64QAM方式の位相振幅変調方式にも適用可能である。更に、実施例7は、実施例3にも適用可能であり、この場合、図12に示す累乗部35Aを削除し、位相回転部36Aは、第1の補償部39Aにて補償後の受信信号の複数の各信号点を位相回転条件に基づき1箇所の信号点周辺に集約すべく、各信号点を回転することで適用可能である。
また、本実施例の光伝送システム1は、nPSK方式の位相変調方式を例示したが、4次元位相変調方式の4D−2A8PSK方式の位相変調方式にも適用可能である(K. Kojima, et al., “Constant Modulus 4D Optimized Constellation Alternative for DP-8QAM,” P.3.25, ECOC 2014.)。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
3 受信装置
24 CPR
24A CPR
31 抽出部
31A 抽出部
32 第1の推定部
32A 第1の推定部
35 累乗部
35A 累乗部
36 位相回転部
36A 位相回転部
37 第2の推定部
38 補償部
38A 第2の補償部
39 第1の補償部

Claims (8)

  1. 位相変調方式又は位相振幅変調方式で変調されたデータ信号とパイロット信号とが時間多重された受信信号を受信する受信装置であって、
    前記受信信号の位相を同期する同期回路を有し、
    前記同期回路は、
    前記受信信号から前記パイロット信号を抽出する抽出部と、
    前記抽出部にて抽出された前記パイロット信号と当該パイロット信号の所定パターンとを比較して位相誤差を推定する第1の推定部と、
    当該受信信号に関わる変調方式の多値度未満で前記受信信号を累乗して前記多値度分の信号点を前記多値度未満の複数の信号点に集約する累乗部と、
    前記第1の推定部にて推定された前記位相誤差で得た基準位相と当該受信信号に関わる変調方式の位相とに基づき、当該集約された複数の信号点を位相回転することで、複数の信号点から位相変調成分を除去する位相回転部と、
    前記位相回転部にて位相変調成分が除去された信号点に基づき、前記受信信号の位相推定値を推定する第2の推定部と、
    前記第2の推定部にて推定された前記位相推定値に基づき、前記受信信号内の位相誤差を補償する補償部と
    を有することを特徴とする受信装置。
  2. 前記累乗部は、
    当該受信信号に関わる変調方式の前記多値度/2で前記受信信号を累乗して前記多値度分の信号点を2箇所の信号点に集約することを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  3. 前記位相回転部は、
    前記累乗部にて集約された前記複数の信号点の内、前記基準位相近傍の信号点周辺に集約するように各信号点を位相回転することを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  4. 前記累乗部は、
    前記位相変調方式の前記受信信号の場合、前記多値度分の信号点を前記多値度未満の信号点に集約することを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  5. 前記累乗部は、
    前記位相振幅変調方式の前記受信信号の場合、前記多値度分の信号点を、前記多値度分の複数の信号点の内、夫々が90度の整数倍の関係を有する複数の信号点に集約することを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  6. 位相変調方式又は位相振幅変調方式で変調されたデータ信号とパイロット信号とが時間多重された受信信号を受信する受信装置であって、
    前記受信信号の位相を同期する同期回路を有し、
    前記同期回路は、
    前記受信信号から前記パイロット信号を抽出する抽出部と、
    前記抽出部にて抽出された前記パイロット信号と当該パイロット信号の所定パターンとを比較して位相誤差を推定する第1の推定部と、
    前記第1の推定部にて推定された前記位相誤差に基づき、前記受信信号の位相誤差を補償する第1の補償部と、
    当該受信信号に関わる変調方式の多値度未満で前記第1の補償部で補償後の前記受信信号を累乗して前記多値度分の信号点を前記多値度未満の複数の信号点に集約する累乗部と、
    前記累乗部に集約された複数の信号点を位相回転することで、複数の信号点から位相変調成分を除去する位相回転部と、
    前記位相回転部にて位相変調成分が除去された信号点に基づき、前記受信信号の位相推定値を推定する第2の推定部と、
    前記第2の推定部にて推定された前記位相推定値に基づき、前記第1の補償部で補償後の前記受信信号内の位相誤差を補償する第2の補償部と
    を有することを特徴とする受信装置。
  7. 位相変調方式又は位相振幅変調方式で変調されたデータ信号とパイロット信号とが時間多重された受信信号を受信する受信装置内で前記受信信号の位相を同期する同期回路が実行する位相誤差補償方法であって、
    前記同期回路は、
    前記受信信号から前記パイロット信号を抽出し、
    前記抽出された前記パイロット信号と当該パイロット信号の所定パターンとを比較して位相誤差を推定し、
    当該受信信号に関わる変調方式の多値度未満で前記受信信号を累乗して前記多値度分の信号点を前記多値度未満の複数の信号点に集約し、
    前記推定された前記位相誤差で得た基準位相と当該受信信号に関わる変調方式の位相とに基づき、当該集約された複数の信号点を位相回転することで、複数の信号点から位相変調成分を除去し、
    前記位相変調成分が除去された信号点に基づき、前記受信信号の位相推定値を推定し、
    前記推定された前記位相推定値に基づき、前記受信信号内の位相誤差を補償する
    処理を実行することを特徴とする位相誤差補償方法。
  8. 位相変調方式又は位相振幅変調方式で変調されたデータ信号とパイロット信号とが時間多重された受信信号を受信する受信装置内の前記受信信号の位相を同期する同期回路が実行する位相誤差補償方法であって、
    前記同期回路は、
    前記受信信号から前記パイロット信号を抽出し、
    前記抽出された前記パイロット信号と当該パイロット信号の所定パターンとを比較して位相誤差を推定し、
    前記推定された前記位相誤差に基づき、前記受信信号の位相誤差を補償し、
    当該受信信号に関わる変調方式の多値度未満で補償後の前記受信信号を累乗して前記多値度分の信号点を前記多値度未満の複数の信号点に集約し、
    集約された複数の信号点を位相回転することで、複数の信号点から位相変調成分を除去し、
    前記位相変調成分が除去された信号点に基づき、前記受信信号の位相推定値を推定し、
    前記推定された前記位相推定値に基づき、前記補償後の前記受信信号内の位相誤差を補償する
    処理を実行することを特徴とする位相誤差補償方法。
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