JP6742141B2 - めっき溶接形鋼及びめっき溶接形鋼の製造方法 - Google Patents
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かかる知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
(2)前記鉄よりも卑な導電性金属片は、亜鉛、又は、アルミニウムの少なくとも何れか一方を含む、(1)に記載のめっき溶接形鋼。
(3)前記鉄よりも卑な導電性金属片の含有量は、前記樹脂層の固形分の全体質量に対して、5〜50%である、(1)又は(2)に記載のめっき溶接形鋼。
(4)前記無機系の塗膜層は、70質量%以上の亜鉛粉末を少なくとも含有するジンクリッチ塗膜である、(1)〜(3)の何れか1つに記載のめっき溶接形鋼。
(5)前記無機系の塗膜層の厚みは、5〜200μmである、(1)〜(4)の何れか1つに記載のめっき溶接形鋼。
(6)前記無機系の塗膜層と前記ビードとの間の樹脂層の厚みは、3〜30μmである、(1)〜(5)の何れか1つに記載のめっき溶接形鋼。
(7)前記亜鉛合金系めっき層の成分は、質量%で、Zn−11%Al−3%Mg−0.2%Si、Zn−6%Al−3%Mg、Zn−55%Al、又は、Zn−1〜3%Al−1〜3%Mgの何れかである、(1)〜(6)の何れか1つに記載のめっき溶接形鋼。
(8)前記めっき溶接形鋼は、前記ウェブを介して一対の前記フランジが対向するように配置されているめっき溶接H形鋼である、(1)〜(7)の何れか一つに記載のめっき溶接形鋼。
(9)鋼帯上に純亜鉛めっき層又は亜鉛合金めっき層を有するめっき鋼帯である亜鉛系めっき鋼帯を連続的に溶接してウェブ及びフランジが形成されためっき溶接形鋼の製造方法であって、前記めっき溶接形鋼における前記ウェブと前記フランジとの溶接部に存在し、前記溶接によって形成されるビード上に、厚みが2μm超であり、かつ、鉄よりも卑な導電性金属片を含有する樹脂層を形成し、当該樹脂層上に、所定量の亜鉛粉末を含有し、更に、バインダ成分としての無機化合物を含む塗膜層である無機系の塗膜層を形成する、めっき溶接形鋼の製造方法。
以下では、図1〜図3を参照しながら、本発明の実施形態に係るめっき溶接軽量形鋼(以下、単に、「めっき溶接形鋼」ともいう。)について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るめっき溶接形鋼の構造を模式的に示した説明図である。図2は、本実施形態にめっき溶接形鋼の溶接部の構造を拡大して示した説明図である。図3は、本実施形態に係るめっき溶接形鋼の端面の構造を拡大して示した説明図である。
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るめっき溶接形鋼1の全体的な構造について、詳細に説明する。
本実施形態に係るめっき溶接形鋼1に関し、以下では、めっき溶接H形鋼を例に挙げて説明を行うものとする。めっき溶接軽量形鋼1は、例えば、亜鉛系めっき鋼帯を巻き取ったコイルを巻き戻し所定幅にスリットしてフランジ用鋼帯としたものと、亜鉛系めっき鋼帯を巻き取ったコイルを巻き戻してウェブ用鋼帯としたものと、を当接させた状態で、高周波抵抗溶接や高周波誘導溶接等によって連続的に溶接することで、製造される。
フランジ3:幅75mm〜125mm、厚み3.2mm〜6.0mm
ウェブ5:高さ100mm〜300mm、厚み3.2mm〜4.5mm
程度の大きさである。
続いて、図2を参照しながら、本実施形態に係るめっき溶接形鋼1の溶接部7の構造について、具体的に説明する。
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係るめっき溶接形鋼1の端面9の構造について、具体的に説明する。
先だって説明したように、本実施形態に係るめっき溶接形鋼1では、その製造過程に起因して、端面9についても亜鉛系めっき層13が存在せず、母材鋼板11が露出していることが多い。従って、かかる端面9の耐食性は、亜鉛系めっき層13が形成されている部分と比べて低下してしまう。
続いて、本実施形態に係るめっき溶接形鋼1の溶接部7や端面9に形成される樹脂層101について、詳細に説明する。
続いて、本実施形態に係るめっき溶接形鋼1の溶接部7や端面9に形成される無機系塗膜層103について、詳細に説明する。
続いて、本実施形態に係るめっき溶接形鋼1の溶接部7や端面9における樹脂層101及び無機系塗膜層103に関する各種の測定方法について、簡単に言及する。
ここでは、より具体的な例として、亜鉛系めっき鋼帯を素材とするウェブ及びフランジとを接合しためっき溶接形鋼の、ブラスト処理をせずスケールを有したままの溶接部に対し、膜厚が約10μmとなるようにリーフィングタイプのアルミニウム金属片を含むエポキシ樹脂を塗装した。その後、かかるエポキシ樹脂上に、粒状の亜鉛粉末を含有した無機系ジンクリッチ塗装を施した。
図4Bから明らかなように、めっき溶接形鋼の溶接ビード部上層には、薄いスケール層が観察され、更に、スケールの上層には、樹脂層が観察されており、樹脂層の膜厚が評価可能であった。このように、ジンクリッチ塗装の前に施した樹脂層の存在が確認されたとともに、スケールの存在も確認され、ブラスト処理が行われていないことも確認された。
3 フランジ
5 ウェブ
7 溶接部
9 端面
11 母材鋼板
13 亜鉛系めっき層
15 ビード
101 樹脂層
103 無機系塗膜層(無機系ジンクリッチ塗膜層)
Claims (9)
- 鋼帯上に純亜鉛めっき層又は亜鉛合金めっき層を有するめっき鋼帯である亜鉛系めっき鋼帯を素材とするウェブ及びフランジと、前記ウェブと前記フランジとが接合された溶接部と、を有するめっき溶接形鋼であって、
前記めっき溶接形鋼における前記ウェブと前記フランジとの溶接部にはビードが存在し、当該ビード上には、所定量の亜鉛粉末とを含有し、更に、バインダ成分としての無機化合物を含む塗膜層である無機系の塗膜層を有し、
前記無機系の塗膜層と前記ビードとの間には、前記無機系の塗膜層の下地層として樹脂層を有し、
前記樹脂層は、厚みが2μm超であり、かつ、鉄よりも卑な導電性金属片を含有する樹脂からなる、めっき溶接形鋼。 - 前記鉄よりも卑な導電性金属片は、亜鉛、又は、アルミニウムの少なくとも何れか一方を含む、請求項1に記載のめっき溶接形鋼。
- 前記鉄よりも卑な導電性金属片の含有量は、前記樹脂層の固形分の全体質量に対して、5〜50%である、請求項1又は2に記載のめっき溶接形鋼。
- 前記無機系の塗膜層は、70質量%以上の亜鉛粉末を少なくとも含有するジンクリッチ塗膜である、請求項1〜3の何れか1項に記載のめっき溶接形鋼。
- 前記無機系の塗膜層の厚みは、5〜200μmである、請求項1〜4の何れか1項に記載のめっき溶接形鋼。
- 前記無機系の塗膜層と前記ビードとの間の樹脂層の厚みは、3〜30μmである、請求項1〜5の何れか1項に記載のめっき溶接形鋼。
- 前記亜鉛合金系めっき層の成分は、質量%で、Zn−11%Al−3%Mg−0.2%Si、Zn−6%Al−3%Mg、Zn−55%Al、又は、Zn−1〜3%Al−1〜3%Mgの何れかである、請求項1〜6の何れか1項に記載のめっき溶接形鋼。
- 前記めっき溶接形鋼は、前記ウェブを介して一対の前記フランジが対向するように配置されているめっき溶接H形鋼である、請求項1〜7の何れか1項に記載のめっき溶接形鋼。
- 鋼帯上に純亜鉛めっき層又は亜鉛合金めっき層を有するめっき鋼帯である亜鉛系めっき鋼帯を連続的に溶接してウェブ及びフランジが形成されためっき溶接形鋼の製造方法であって、
前記めっき溶接形鋼における前記ウェブと前記フランジとの溶接部に存在し、前記溶接によって形成されるビード上に、厚みが2μm超であり、かつ、鉄よりも卑な導電性金属片を含有する樹脂層を形成し、当該樹脂層上に、所定量の亜鉛粉末を含有し、更に、バインダ成分としての無機化合物を含む塗膜層である無機系の塗膜層を形成する、めっき溶接形鋼の製造方法。
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