JP6741502B2 - コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法 - Google Patents

コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6741502B2
JP6741502B2 JP2016135050A JP2016135050A JP6741502B2 JP 6741502 B2 JP6741502 B2 JP 6741502B2 JP 2016135050 A JP2016135050 A JP 2016135050A JP 2016135050 A JP2016135050 A JP 2016135050A JP 6741502 B2 JP6741502 B2 JP 6741502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
concrete
adhesive
bearing wall
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016135050A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018003538A (ja
Inventor
拓 石岡
拓 石岡
智久 向井
智久 向井
雅信 坂下
雅信 坂下
恒久 松浦
恒久 松浦
祐輔 近藤
祐輔 近藤
崇彦 内田
崇彦 内田
基 金川
基 金川
伸輔 堀
伸輔 堀
昌典 谷
昌典 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nishimatsu Construction Co Ltd
Maeda Corp
Kumagai Gumi Co Ltd
Sato Kogyo Co Ltd
Toda Corp
Hazama Ando Corp
Original Assignee
Nishimatsu Construction Co Ltd
Maeda Corp
Kumagai Gumi Co Ltd
Sato Kogyo Co Ltd
Toda Corp
Hazama Ando Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nishimatsu Construction Co Ltd, Maeda Corp, Kumagai Gumi Co Ltd, Sato Kogyo Co Ltd, Toda Corp, Hazama Ando Corp filed Critical Nishimatsu Construction Co Ltd
Priority to JP2016135050A priority Critical patent/JP6741502B2/ja
Publication of JP2018003538A publication Critical patent/JP2018003538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6741502B2 publication Critical patent/JP6741502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを用いた、コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法に関する。
従来、コンクリート構造体の補強構造として、繊維含有水硬性組成物からなるパネルを用いる構造が提案されている(特許文献1参照)。より具体的には、パネルとグラウト材からなる接合部とに亘って埋設されたアンカー部材と、パネルとコンクリート壁との間に介在するグラウト材とによって、パネルとコンクリート壁とを接合する構造である。
従来のコンクリート構造体の補強構造では、多数のアンカー部材を用いるため、施工時に生じる騒音や工数を削減することが難しく、特に騒音は既存建物を施工する際、居住中の住民への配慮が必要になっている。
特許第4348331号公報
本発明は、アンカー部材で接合する必要がない、超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを用いた、コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法を提供することを目的とする。
[適用例1]
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造は、
上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有するコンクリート製の非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強構造であって、
前記一対のコンクリート梁の間に介在し、かつ前記非耐力壁の面に対して接着剤を介して接着された超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを含み、
前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在し、
前記パネルは、前記非耐力壁に対してアンカー部材で接合されておらず、
前記接着剤は、主成分が有機化合物である合成系接着剤であることを特徴とする。
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造によれば、アンカー部材で接合する必要がないので、施工時の騒音を低減し、アンカー施工の工数も削減することができる。
[適用例2]
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造は、
上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有するコンクリート製の非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強構造であって、
前記一対のコンクリート梁の間に介在し、かつ前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して接着された超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを含み、
前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在し、
前記パネルは、複数の小パネルを含み、
前記複数の小パネルは、前記一対のコンクリート梁の間で高さ方向に並べて配置されることができる。
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造によれば、小パネルを組み合わせることでパネルの施工時に取り扱いが容易となり、施工性を向上することができる。
[適用例
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造は、
上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有するコンクリート製の非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強構造であって、
前記一対のコンクリート梁の間に介在し、かつ前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して接着された超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを含み、
前記パネルは、1以上の貫通孔を有し、
前記貫通孔は、充填剤を充填させることができる。
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造によれば、施工時には貫通孔を用いてパネルと非耐力壁とを容易に仮固定することができ、施工後は貫通孔を充填剤で塞ぐことで外観上の違和感を小さくすることができる。
[適用例4]
上記適用例に係るコンクリート構造体の補強構造において、
前記コンクリート梁と前記パネルの端部との間に少なくとも部分的に介在するグラウト材からなる接合部をさらに含むことができる。
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造によれば、コンクリート梁とパネルとの間に隙間があってもグラウト材によりコンクリート梁とパネルとを接合することができる。
[適用例5]
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造において、
前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在することができる。
本適用例に係るコンクリート構造体の補強構造によれば、パネルを斜めに延在することで非耐力壁の略全面を覆うパネルに比べてパネルを小型化・軽量化することができる。
[適用例6]
本適用例に係るコンクリート構造体の補強方法は、
上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有する非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強方法であって、
前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを貼り付ける工程と、
前記パネルと前記一対のコンクリート梁の間にグラウト材を充填する工程と、
を含み、
前記パネルは、前記非耐力壁に対してアンカー部材で接合されておらず、
前記接着剤は、主成分が有機化合物である合成系接着剤であり、
前記パネルを前記非耐力壁に貼り付ける際に、締付金具を前記パネルに形成された貫通孔に通し、前記締付金具によって前記非耐力壁に前記パネルを押し付けて接着剤を前記パネルの接着面に沿って広げた状態で前記接着剤が硬化した後、前記締結金具を前記パネルから抜き取って前記貫通孔を充填剤で埋めることを特徴とする
[適用例7]
本適用例に係るコンクリート構造体の補強方法は、
上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有する非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強方法であって、
前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを貼り付ける工程と、
前記パネルと前記一対のコンクリート梁の間にグラウト材を充填する工程と、
を含み、
前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在し、
前記パネルは、前記非耐力壁に対してアンカー部材で接合されておらず、
前記接着剤は、主成分が有機化合物である合成系接着剤であることを特徴とする
本適用例に係るコンクリート構造体の補強方法によれば、アンカー部材で接合する必要がないので、施工時の騒音を低減し、アンカー施工の工数も削減することができる。
[適用例
本適用例に係るコンクリート構造体の補強方法において、
前記パネルを前記非耐力壁に貼り付ける際に、締付金具を前記パネルに形成された貫通孔に通し、前記締付金具によって前記非耐力壁に前記パネルを押し付けて接着剤を前記パネルの接着面に沿って広げた状態で前記接着剤が硬化した後、前記締結金具を前記パネルから抜き取って前記貫通孔を充填剤で埋めることができる。
本適用例に係るコンクリート構造体の補強方法によれば、接着剤を接着面に沿って確実に広げることができる。
実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造の正面図である。 実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造の図1におけるA−A断面図である。 実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造の図1におけるB−B断面図である。 実施形態に係るコンクリート構造体の補強方法を説明するA−A断面図である。 パネルの正面図である。 他の実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造の正面図である。 実施例1に係る縮小模型実験によるせん断試験方法を説明する図である。 図7における破線枠内を拡大した写真である。 実施例1のせん断試験結果のグラフ(せん断力(kN)−部材角(%))である。 実施例2のせん断試験方法を説明する写真である。 実施例2のせん断試験結果のグラフ(せん断力(kN)−部材角(%))である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.コンクリート構造体の補強構造
図1〜図3を用いて本実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造1を説明する。図1は、本実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造1の正面図であり、図2は、本実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造1の図1におけるA−A断面図であり、図3は、本実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造1の図1におけるB−B断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造1は、上下一対のコンクリート梁10,12と、該一対のコンクリート梁10,12の間に介在する、該コンクリート梁10,12よりも小さな厚みを有するコンクリート製の非耐力壁30,32,34と、を含む既設のコンクリート構造体を補強する構造である。
図1に示すように、コンクリート構造体は、一対のコンクリート梁10,12の間に柱20をさらに含み、また、図2,3に示すように、コンクリート構造体は、コンクリート梁10,12から水平方向へ延びる床スラブ14,16をさらに含む。
コンクリート梁10,12、柱20、及び床スラブ14,16は、コンクリート製であり、例えば、鉄筋コンクリート(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)等であることができる。
コンクリート製の非耐力壁30,32,34は、耐力壁以外の壁であって、鉄筋コンクリート製の建築物における構造計算上考慮されない壁である。非耐力壁30,32,34は、鉄筋コンクリート製である。非耐力壁30,32,34は、外壁であってもよい。コンクリート梁10,12と柱20によって十分な耐震性を有する既存の建築物であっても、補強工事がなされていない非耐力壁30,32,34が地震によってひび割れや変形などの損傷を受けることがある。地震後、建築物そのものの耐震性に影響がなくても、非耐力壁30,32,34の変形による建具の不具合(ドアや窓の開閉不良など)やひび割れによる使用者の敬遠などの問題がある。このようなコンクリート構造体を本実施形態に係る補強構造1で補強することにより、非耐力壁30,32,34の損傷を抑制することができる。特に、本実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造1は、非耐力壁30,32,34の耐震補強というよりはむしろ非耐力壁30,32,34の損傷を抑えることに
より、地震後においても当該建物の継続的な使用を可能とする。また、一般に、鉄筋コンクリート製の建築物ではコンクリート梁10,12の端部に損傷を集中させて地震エネルギーを吸収することが多いが、非耐力壁30,32の損傷がコンクリート柱20に達することによりコンクリート梁10,12ではなく、コンクリート柱20の端部に損傷が集中してしまうことがある。補強構造1を採用することにより、非耐力壁30,32,34の損傷がコンクリート梁10,12、柱20に達することを抑制し、確実にコンクリート梁10,12の端部に損傷を集中させて地震エネルギーを吸収することが可能となる。
図1における非耐力壁30,32は、壁面に設けられた2つの開口60,62と柱20との間に形成され、非耐力壁34は、開口60と開口64との間に形成される。
コンクリート構造体の補強構造1は、一対のコンクリート梁10,12の間に介在し、かつ非耐力壁30,32,34の被接着面(外面300(図2,図3))に対して接着剤を介して接着された超高強度繊維補強コンクリートからなるパネル40,42,44を含む。非耐力壁30,32,34とパネル40,42,44とは接着剤70(図2,図3)を介して接着されているので、アンカー部材で接合する必要がない。したがって、アンカー部材を用いる施工に比べて、施工時の騒音を低減し、アンカー施工の工数も削減することができる。
また、パネル40,42,44が接着剤によって非耐力壁30,32,34と一体化することで、非耐力壁30,32,34を補強することができる。
パネル40,42,44は、平板状であり、厚さは例えば3cm〜6cmが好ましい。パネル40,42,44にはアンカー部材を埋め込む必要がないので、パネル40,42,44の厚さを薄くすることができる。
パネル40,42,44の正面視の面積は、補強の対象となる非耐力壁30,32,34の正面視の面積と略同じであることが好ましい。パネル40,42,44が非耐力壁30,32,34の略全面を覆うことで、非耐力壁30,32,34の全体を補強して損傷を防止すると共に、外観上の違和感を防ぐことができる。パネル40,42,44の正面視の面積は、非耐力壁30,32,34のそれよりも小さく、相似形である。
図2では、パネル40と非耐力壁30との接着状態を示す。なお、他のパネル42も同様であるので、パネル40について説明する。非耐力壁30の外面300に接着剤70を挟んで外側にパネル40が配置する。非耐力壁30とパネル40との間には隙間なく接着剤70が存在することが好ましい。非耐力壁30とパネル40とを強固に接着するためである。パネル40は、コンクリート構造体の外側に向いた表面402と、表面402と対向する接着面400と、を有する。接着面400は、非耐力壁30の外面300と対向して配置され、外面300よりもわずかに小さい面積を有する。そして、パネル40及び接着剤70の上下端部と、コンクリート梁10,12との間には接合部50,50を有する。
一対のコンクリート梁10,12とパネル40,42,44の端部との間には、わずかな間隔を有する。コンクリート梁10,12が施工上の誤差を有していてもパネル40,42,44を容易にコンクリート梁10,12の間に設置できるからである。
一対のコンクリート梁10,12とパネル40,42,44の端部との間に少なくとも部分的に介在するグラウト材からなる接合部50,51,54をさらに含むことができる。コンクリート梁10,12とパネル40,42,44との間に隙間があってもグラウト材によって隙間を埋めると共に、コンクリート梁10,12とパネル40,42,44と
を接合することができるからである。このようにコンクリート梁10,12とパネル40,42,44とが接合部50,51,54によって接合されることで、非耐力壁30,32,34に作用する水平方向のせん断力や鉛直方向の荷重をパネル40,42,44がより確実に負担できる。
又、同様の理由により、柱20とパネル40,42との間にも接合部50を有してもよい。
図3では、図1の右側にあるパネル44と非耐力壁34との接着状態を示す。パネル44は、複数、例えば3枚の小パネル44a,44b,44cを含む。小パネル44a〜44cの枚数は、2枚であってもよいし、4枚以上であってもよい。小パネル44a〜44cとすることでパネル44の施工時に取り扱いが容易となり、施工性を向上することができる。
3枚の小パネル44a〜44cは、一対のコンクリート梁10,12の間で高さ方向に並べて配置される。小パネル44a〜44cの配置を単純にすることで施工を容易にするためである。又、小パネル44a〜44cを下から順次施工することが可能となり、非耐力壁34の高さ方向の全体を確実に覆うことができるからである。3枚の小パネル44a〜44cによって、図1に示すように、非耐力壁34の全面を覆うことができ、1枚のパネル44を用いるのと同等の効果を得ることができる。
小パネル44aと小パネル44bとの間及び小パネル44bと小パネル44cとの間には、接合部52,53を有していてもよい。接合部52,53は、小パネル間のそれぞれにグラウト材を充填することで形成される。接合部52,53を設けることで、小パネル44a〜44cを1枚のパネル44のように機能するためである。さらに、小パネル44a〜44cを用いることで、一対のコンクリート梁10,12の間隔が設計値よりも狭い場合でも、接合部52,53を形成する隙間を狭くすることによって柔軟に対応することができる。
なお、図4,5を用いて詳細は後述するが、図1に示すように、パネル40、42は、1以上の貫通孔404(本実施形態では3個)を有している。貫通孔404は、非耐力壁30,32の全体を覆うような大判のパネル40,42を容易に施工するために利用することができ、貫通孔404に充填剤405を充填することによって表面402の美観を損なわないようにすることもできる。
次に、パネル40,42,44、接着剤70、及び接合部50の材質について順次説明する。
1−1.超高強度繊維補強コンクリート
パネル40,42,44に用いる超高強度繊維補強コンクリートは、例えば、セメント、細骨材、補強用繊維、減水剤及び水を必須成分として含み、かつ、必要に応じて配合される成分として、ポゾラン質微粉末、平均粒径が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子、その他の無機粉末、及び粗骨材を含む。
超高強度繊維補強コンクリートとしては、公知のものを採用することができる。超高強度繊維補強コンクリートの硬化体の圧縮強度が100N/mm以上であれば、施工上の適度なパネル40,42,44の厚さで強度を確保することができる。特に、超高強度繊維補強コンクリートとしては、土木学会 コンクリートライブラリー113「超高強度繊維補強コンクリートの設計・施工指針(案)」で規定される、圧縮強度が150N/mm以上、ひび割れ発生強度が4N/mm以上、引張強度が5N/mm以上を示す繊維
補強を行ったセメント質複合材を採用できる。
1−2.接着剤
接着剤は、主成分が有機化合物である合成系接着剤である。合成系とは、天然系を除くということである。接着剤は、合成系接着剤の内、樹脂系又は混合系(エラストマーと樹脂との混合)であることができる。
接着剤としては、被着剤がコンクリートである場合の接着に用いる公知の接着剤を採用することができる。接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ系接着剤、アクリル樹脂を主成分とするアクリル樹脂系接着剤、イソシアネート・ポリオールを主成分とするウレタン樹脂系接着剤などを用いることができる。
接着剤の粘度は、施工方法により適当な範囲が異なり、例えば、パネル40,42,44又は非耐力壁30,32,34の全面に接着剤を塗布した後に両者を貼り合わせる場合には、粘度が比較的高いパテ状又はペースト状のものを用いることができる。
接着剤としては、例えば、三菱樹脂社製の「エポサームパテ」(製品名)(「エポサーム」は登録商標である)を用いることができる。
1−3.グラウト材
グラウト材は、パネル40,42,44とコンクリート梁10,12及び柱20との間に充填され、硬化することで接合部50,51,54を形成する。又、パネル44にあっては、グラウト材は接合部52,53を形成する。
グラウト材としては、無収縮モルタルを用いることができる。無収縮モルタルは、セメント、砂、減水剤、膨張材、アルミニウム粉末などの発泡剤、消泡剤および分離低減材などからなる粉体と、水とを練り混ぜて得られたモルタルである。
無収縮モルタルとしては、例えば、太平洋マテリアル社製の「プレユーロックス」(「プレユーロックス」は登録商標である)を用いることができる。
無収縮モルタルの圧縮強度(JIS A 1108)は、超高強度繊維補強コンクリートの圧縮強度よりも小さくてもよい。接合部50〜54は体積が小さく、しかも周囲の部材と接しているため、超高強度繊維補強コンクリートよりも小さな圧縮強度でもよい。
1−4.充填剤
充填剤405は、パネル40,42の貫通孔404に充填され、硬化したものである。充填剤としては、接合部50に用いられたグラウト材を用いることができる。又、充填剤405として接着剤70を用いてもよい。さらに、充填剤405としては、パネル40,42における外観上の違和感を生じないコンクリートを用いてもよい。
2.コンクリート構造体の補強方法
図4及び図5を用いて、本実施形態に係るコンクリート構造体の補強方法を説明する。図4は、本実施形態に係るコンクリート構造体の補強方法を説明する図2に対応するA−A断面図であり図5は、パネル40の正面図である。
本実施形態に係るコンクリート構造体の補強方法は、上下一対のコンクリート梁10,12と、該一対のコンクリート梁10,12の間に介在する、該コンクリート梁10,12よりも小さな厚みを有する非耐力壁30と、を含む既設のコンクリート構造体の補強方法であって、非耐力壁30の被接着面(ここでは外面300)に対して接着剤70を介し
て超高強度繊維補強コンクリートからなるパネル40を貼り付け、パネル40と一対のコンクリート梁10,12の間にグラウト材を充填することを特徴とする。
本実施形態に係るコンクリート構造体の補強方法によれば、アンカー部材で接合する必要がないので、施工時の騒音を低減し、アンカー施工の工数も削減することができる。
まず、パネル40を非耐力壁30に貼り付ける工程についてより詳細に説明する。
図4に示すように、パネル40の接着面400には全面に接着剤70が塗布されている。この状態では接着剤70は硬化していない。接着剤70は、パネル40の接着面400に限らず、非耐力壁30の外面300に塗布されていてもよいし、接着面400と外面300の両面に塗布されていてもよい。接着剤70は、作業効率を考慮して、パネル40に塗布された状態で下方に流れ落ちない程度の粘性を有していることが好ましい。
外面300は、目荒らしをしてもよい。接着剤70の接着強度を向上させるためである。
図4及び図5に示すように、非耐力壁30の外面300には雌ねじを有するねじ穴302が形成され、パネル40の縦方向に延びる中心線406に沿って貫通孔404が3箇所に設けられている。中心線406はパネル40の幅方向の中心を通る仮想線である。1枚のパネル40に設ける貫通孔404の個数はパネル40の大きさに応じて増減できる。貫通孔404は、パネル40と非耐力壁30とを固定するためのものであるので、貫通孔404を用いない他の固定方法であってもよいし、パネル40のサイズや接着剤70の種類によっては貫通孔404を設けなくてもよい。貫通孔404は、表面402から接着面400に貫通する孔であり、締付金具80の軸部を通すことができる。ここでは、締付金具80は軸部に雄ねじを有するボルトであり、貫通孔404を通して外面300のねじ穴302にねじ込むことができる。
パネル40を非耐力壁30に貼り付ける際に、締付金具80をパネル40に形成された貫通孔404に通し、締付金具80によって非耐力壁30にパネル40を押し付けて接着剤70をパネル40の接着面400に沿って広げることができる。締付金具80を用いることで、接着剤70を接着面400に沿って確実に広げることができる。締付金具80を徐々にねじ穴302にねじ込むことで、比較的粘性の高い接着剤70であっても徐々に接着面400に沿って押し広げることができる。
接着剤70が接着面400の全体に広がった状態で接着剤70が硬化する所定時間維持し、その後、締付金具80をパネル40から抜き取って貫通孔404を充填剤405で埋める。このように、施工時には貫通孔404を用いてパネル40と非耐力壁30とを容易に仮固定することができ、施工後は貫通孔404を充填剤405で塞ぐことで外観上の違和感を小さくすることができる。
貫通孔404を中心線406上に形成することで、中心線406付近からパネル40の幅方向へ接着剤70を広げることができ、接着面400の全面と外面300の全面が接着剤70によって接着できる。パネル40の接着面400の全面が非耐力壁30に接着されることにより、パネル40と非耐力壁30とが一体となって機能するため、既存の非耐力壁30を補強することができ、非耐力壁30の損傷を防止することができる。
コンクリート梁12上にはスペーサ90を配置しておき、パネル40をスペーサ90上に載せてもよい。グラウト材を充填する施工が可能な程度の間隔を設けるためである。
接着剤70が硬化した後に、スペーサ90を取り外し、パネル40とコンクリート梁10,12との間と、パネル40と柱20との間とにグラウト材を充填して接合部50を形成する。グラウト材が硬化することでパネル40とコンクリート梁10,12及び柱20とを接合し、一体化することができ、非耐力壁30に作用する圧縮荷重やせん断力をパネル40が負担することができる。なお、締付金具80を用いる場合には硬化する前に接合部50を施工してもよい。
3.他の実施形態
図6を用いて他の実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造2について説明する。図6は、他の実施形態に係るコンクリート構造体の補強構造2の正面図である。コンクリート構造体は、図1,2で説明したコンクリート構造体と同様であるので同じ符号を用いて詳細な説明を省略する。
パネル46,47は、コンクリート梁10とコンクリート梁12との間の非耐力壁30,32に接着されている。パネル46,47は、鉛直方向に対して斜めに延在する。パネル46,47を斜めに延在することで非耐力壁30,32の略全面を覆うパネル40,42に比べて小型化・軽量化することができる。パネル46,47の小型化によって、補強構造2の施工が容易になる。
パネル46,47の上下の端部は、コンクリート梁10,12との間に隙間を有しており、グラウト材を充填することで接合部55,56が形成される。
パネル46,47は、基本的に同じ構造であるので、パネル46について説明する。パネル46は、2つの小パネル46a,46bからなる。小パネル46a,46bの数は2個に限られず、3個以上であってもよいし、パネル46を単一のものとしてもよい。小パネル46a,46bを用いることによって、さらに小型化・軽量化することができる。
小パネル46a,46bの間は前記グラウト材によって接合してもよい。
また、図6の右側のパネル48は、パネル46,47と同様に鉛直方向に対して斜めに延在するが、正面視でX字状となっている。パネル48の上下の端部は、コンクリート梁10,12との間に隙間を有しており、グラウト材を充填することで接合部55,56が形成される。
パネル48は、中心部分の小パネル48eと、小パネル48eから上方へ広がるように斜めに延びる小パネル48a,48bと、小パネル48eから下方へ広がるように斜めに延びる小パネル48c,48dと、を含む。小パネル48eと小パネル48a,48bとの間の接合面と、小パネル48eと小パネル48c,48dとの間の接合面とは、それぞれ前記グラウト材よって接合してもよい。
(試験体の概要)
図7及び図8は、実施例1に係る縮小模型実験によるせん断試験方法を説明する図であり、図8はその補強方法を説明するために図7における破線枠内を拡大した写真である。図7及び図8に示すように、コンクリート構造体の補強構造4のパネル401及び非耐力壁301(非耐力壁301はパネル401のちょうど裏側にあって現れない)は、図1及び図2のパネル40及び非耐力壁30と同じ構造を有している。すなわち、非耐力壁301は上下一対のコンクリート梁101,121の間に設けられ、非耐力壁301は開口601とコンクリート柱201によって左右から挟まれている。非耐力壁301の外面(図示しないが、図2〜図4の外面300と同様である)にはパネル401がエポキシ系接着剤
を介して接着されている。パネル401の上下の端部はグラウト材からなる接合部561,561によって上下のコンクリート梁101,121に接合されている。パネル401とコンクリート柱201との隙間にはエポキシ系接着剤が充填されている。
図7及び図8において、非耐力壁301は、厚さ60mm、高さ1400mmであって、コンクリート製であった。パネル401は、厚さ30mm、高さ1400mmであって、下記使用材料を用いて製作された。エポキシ系接着剤は、下記使用材料を用いて、厚さ2mm程度でパネル401の接着面の全面に塗布した。接合部561は、下記使用材料のグラウト材を用いて、パネル401とコンクリート梁101,121との間の隙間に充填した。
(使用材料)
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製;ブレーン比表面積:3,200cm/g)
(2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径:0.25μm、BET比表面積:11m/g)
(3)石英粉末A(ブレーン比表面積:7,500cm/g)
(4)細骨材;珪砂(最大粒径0.6mm)
(5)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ:0.3mm、長さ/直径の比:4)
(6)減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
(7)水;水道水
(8)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(9)エポキシ系接着剤;エポサームパテ(三菱樹脂社製、主剤:エポキシ樹脂、硬化剤:変性脂環式ポリアミン、主剤と硬化剤の混合比が2:1)(「エポサーム」は登録商標である)
(10)グラウト材;プレユーロックスUHS(太平洋セメント社製)(「プレユーロックス」は登録商標である)
調製した組成物をパネル401の外形を有する型枠に流し込み、蒸気養生した。
(せん断試験)
図7における下側のコンクリート梁121を固定し、上側のコンクリート柱頂部に図示しないフレームを介して一対の油圧ジャッキを取り付け、一対の油圧ジャッキを水平方向(図7の矢印方向)に伸縮させることにより、図7の試験体全体にせん断力を負荷した。
図9には、パネル401による「補強前」の非耐力壁301及びパネル401による「補強後」の非耐力壁301に作用するせん断力と部材角(正側にのみ変形)の関係を示した。なお、部材角Rは、図8の試験体の高さをH、水平方向のずれ変形の長さをxとしたとき、R(%)=x/H・100である。
「補強後」の非耐力壁301は、「補強前」の非耐力壁301に比べて、最大せん断耐力が約16パーセント上昇した。
(試験体の概要)
図10は、実施例2に係る縮小模型実験によるせん断試験方法を説明する写真である。図10に示すように、コンクリート構造体の補強構造3のパネル480及び非耐力壁340は、図6のパネル48及び非耐力壁34と同じ構造を有している。すなわち、非耐力壁340は上下一対のコンクリート梁100,120の間に設けられ、非耐力壁340は開口600,640によって左右から挟まれている。非耐力壁340の外面342にはパネ
ル480がエポキシ系接着剤を介して接着されている。パネル480は、5個の小パネル480a〜480eをグラウト材によって接合してなる。パネル480の上下の端部はグラウト材からなる接合部560によって上下のコンクリート梁100,120に接合されている。
非耐力壁340は、厚さ80mm、高さ1700mmであって、コンクリート製であった。パネル480は、厚さ30mm、高さ1700mmであって、小パネル480aの幅が150mmであって、下記使用材料を用いて製作された。エポキシ系接着剤は、下記使用材料を用いて、厚さ5mm程度で小パネル480a〜480eの接着面の全面に塗布した。接合部560は、下記使用材料のグラウト材を用いて、パネル480とコンクリート梁100,120との間の隙間に充填した。小パネル480a〜480dと小パネル480eとの接合面は下記使用材料のグラウト材を用いて、各小パネル480a〜480eを非耐力壁340へ接着する際に接合した。
(使用材料)
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製;ブレーン比表面積:3,200cm/g)
(2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径:0.25μm、BET比表面積:11m/g)
(3)石英粉末A(ブレーン比表面積:7,500cm/g)
(4)細骨材;珪砂(最大粒径0.6mm)
(5)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ:0.3mm、長さ/直径の比:4)
(6)減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
(7)水;水道水
(8)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(9)エポキシ系接着剤;エポサームパテ(三菱樹脂社製、主剤:エポキシ樹脂、硬化剤:変性脂環式ポリアミン、主剤と硬化剤の混合比が2:1)(「エポサーム」は登録商標である)
(10)グラウト材;プレユーロックスUHS(太平洋セメント社製)(「プレユーロックス」は登録商標である)
調製した組成物を各小パネル480a〜480eの外形を有する型枠に流し込み、蒸気養生した。
(せん断試験)
下側のコンクリート梁120を固定し、上側のコンクリート梁100に図示しないフレームを介して一対の油圧ジャッキを取り付け、一対の油圧ジャッキを水平方向(図10の矢印方向)に伸縮させることにより、非耐力壁340にせん断力を負荷した。
図11には、パネル480による「補強前」の非耐力壁340及びパネル480による「補強後」の非耐力壁340に作用するせん断力と部材角(正側にのみ変形)の関係を示した。なお、部材角Rは、非耐力壁340の高さをH、水平方向のずれ変形の長さをxとしたとき、R(%)=x/H・100である。
「補強後」の非耐力壁340は、「補強前」の非耐力壁340に比べて、約2倍の部材角まで損壊しなかった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発
明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1,2,3,4…コンクリート構造体の補強構造、10,12…コンクリート梁、14,16…床スラブ、20…柱、30,32,34…非耐力壁、40,42,44…パネル、44a,44b,44c…小パネル、46〜48…パネル、46a,46b…小パネル、48a,48b,48c,48d,48e…小パネル、50,51,52,53,54,55,56…接合部、60,62,64…開口、70…接着剤、80…締付金具、90…スペーサ、100,101,120,121…コンクリート梁、201…柱、300…外面、301…非耐力壁、302…ねじ穴、340…非耐力壁、342…外面、400…接着面、401…パネル、402…表面、404…貫通孔、405…充填剤、406…中心線、480…パネル、480a〜480e…小パネル、560…接合部、561…接合部、600,640…開口

Claims (8)

  1. 上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有するコンクリート製の非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強構造であって、
    前記一対のコンクリート梁の間に介在し、かつ前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して接着された超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを含み、
    前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在し、
    前記パネルは、前記非耐力壁に対してアンカー部材で接合されておらず、
    前記接着剤は、主成分が有機化合物である合成系接着剤であることを特徴とする、コンクリート構造体の補強構造。
  2. 上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有するコンクリート製の非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強構造であって、
    前記一対のコンクリート梁の間に介在し、かつ前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して接着された超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを含み、
    前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在し、
    前記パネルは、複数の小パネルを含み、
    前記複数の小パネルは、前記一対のコンクリート梁の間で高さ方向に並べて配置されることを特徴とする、コンクリート構造体の補強構造。
  3. 上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有するコンクリート製の非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強構造であって、
    前記一対のコンクリート梁の間に介在し、かつ前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して接着された超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを含み、
    前記パネルは、1以上の貫通孔を有し、
    前記貫通孔には充填剤が充填されていることを特徴とする、コンクリート構造体の補強構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、
    前記コンクリート梁と前記パネルの端部との間に少なくとも部分的に介在するグラウト材からなる接合部をさらに含むことを特徴とする、コンクリート構造体の補強構造。
  5. 請求項3または4において、
    前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在することを特徴とする、コンクリート構造体の補強構造。
  6. 上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有する非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強方法であって、
    前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを貼り付ける工程と、
    前記パネルと前記一対のコンクリート梁の間にグラウト材を充填する工程と、
    を含み、
    前記パネルは、前記非耐力壁に対してアンカー部材で接合されておらず、
    前記接着剤は、主成分が有機化合物である合成系接着剤であり、
    前記パネルを前記非耐力壁に貼り付ける際に、締付金具を前記パネルに形成された貫通孔に通し、前記締付金具によって前記非耐力壁に前記パネルを押し付けて接着剤を前記パネルの接着面に沿って広げた状態で前記接着剤が硬化した後、前記締結金具を前記パネルから抜き取って前記貫通孔を充填剤で埋めることを特徴とする、コンクリート構造体の補強方法。
  7. 上下一対のコンクリート梁と、該一対のコンクリート梁の間に介在する、該コンクリート梁よりも小さな厚みを有する非耐力壁と、を含む既設のコンクリート構造体の補強方法であって、
    前記非耐力壁の被接着面に対して接着剤を介して超高強度繊維補強コンクリートからなるパネルを貼り付ける工程と、
    前記パネルと前記一対のコンクリート梁の間にグラウト材を充填する工程と、
    を含み、
    前記パネルは、鉛直方向に対して斜めに延在し、
    前記パネルは、前記非耐力壁に対してアンカー部材で接合されておらず、
    前記接着剤は、主成分が有機化合物である合成系接着剤であることを特徴とする、コンクリート構造体の補強方法。
  8. 請求項において、
    前記パネルを前記非耐力壁に貼り付ける際に、締付金具を前記パネルに形成された貫通孔に通し、前記締付金具によって前記非耐力壁に前記パネルを押し付けて接着剤を前記パネルの接着面に沿って広げた状態で前記接着剤が硬化した後、前記締結金具を前記パネルから抜き取って前記貫通孔を充填剤で埋めることを特徴とする、コンクリート構造体の補強方法。
JP2016135050A 2016-07-07 2016-07-07 コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法 Active JP6741502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016135050A JP6741502B2 (ja) 2016-07-07 2016-07-07 コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016135050A JP6741502B2 (ja) 2016-07-07 2016-07-07 コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018003538A JP2018003538A (ja) 2018-01-11
JP6741502B2 true JP6741502B2 (ja) 2020-08-19

Family

ID=60948953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016135050A Active JP6741502B2 (ja) 2016-07-07 2016-07-07 コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6741502B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018003538A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107178163B (zh) 一种装配式剪力墙消能减震水平连接装置及其施工方法
CN104878948B (zh) 一种钢筋混凝土框架梁负弯矩区的加固方法
US20080098676A1 (en) Connectors and Methods of Construction for a Precast Special Concrete Moment Resisting Shear Wall and Precast Special Concrete Moment Resisting Frame Building Panel System
KR101547109B1 (ko) 아웃프레임과 고인성의 연결부재를 활용한 건축물의 내진보강공법
JP6338473B2 (ja) プレキャスト構造物の接合方法
JP4390494B2 (ja) 桁と床版の接合構造及び桁と床版の接合方法
JP2014077248A (ja) 耐震補強構造および工法
JP4942475B2 (ja) 既存柱の補強方法及び補強構造
KR20120004392A (ko) Src 접합 구조 및 접합 공법
JP2006037648A (ja) 柱と梁との接合構造
KR101577327B1 (ko) 혼합형 합성거더
JP6741502B2 (ja) コンクリート構造体の補強構造及びコンクリート構造体の補強方法
JP5465303B2 (ja) 補強構造
CN110284725B (zh) 一种钢筋混凝土框架节点梁负弯矩装配钢结构及其加固方法
JP5501106B2 (ja) 外付けブレース使用耐震補強構造および耐震補強方法
KR20100002013A (ko) 방진 경량 pc보 접합구조
KR20190073298A (ko) 기존 조적벽체의 합성 보강을 통해 내진성능을 확보할 수 있는 보강구조 시스템
JP2004285760A (ja) 補強パネル及び既設構造物の補強方法
JP2002285708A (ja) 架構補強構造
JP2001182171A (ja) コンクリート構造体の結合方法
US11332928B2 (en) Panel of compound sheets for the construction of light-weight one-way joist slabs
RU2423590C1 (ru) Способ проведения ремонтно-восстановительных работ на строительных объектах с кирпичной кладкой наружных и внутренних стен
JP2012001881A5 (ja)
EP3779101B1 (en) Method of anti-seismic protection of frames and filling walls in frame buildings
JP3844386B2 (ja) 耐震補強の鉄骨ブレース増設工法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20160726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160711

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20160801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160801

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6741502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250