JP6740889B2 - 燃料電池車両 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池を搭載した燃料電池車両に関する。
燃料電池車両として、乗員室の前方に設けられた収容室に燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールが収容され、乗員室の床下に設けられた水素タンク室に水素ガスが貯蔵されたタンクが収容された構造の燃料電池車両が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の燃料電池車両において、燃料電池モジュールは、サスペンションメンバに固定部材(マウント部品)を介して取り付けられている。この固定部品が衝突発生時に破壊されることにより、燃料電池モジュールは、水素タンク室もより下方の退避空間に移動してタンクとの衝突を免れる。
特開2015−231319号公報
しかし、特許文献1の燃料電池車両では、衝突に伴う外力が燃料電池モジュールおよび固定部材に加えられた際に、燃料電池モジュールと固定部材との接続部が塑性変形するに留まり、固定部材が破壊されないことが起こり得る。この場合、衝突に伴う外力によってサスペンションメンバが下方に移動すると、サスペンションメンバと共に燃料電池モジュールも下方に移動するものの、退避空間までは移動できず、タンクと衝突するおそれがある。このような問題は、サスペンションメンバに限らずサイドメンバやクロスメンバなど、車体フレームの任意の部分に燃料電池モジュールが固定部材により固定されている構成において生じ得る。このため、燃料電池車両の衝突発生時に、燃料電池モジュールとタンクとの衝突を抑制可能な技術が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]燃料電池車両であって、燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに供給されるガスを貯蔵するタンクと、前記燃料電池モジュールを収容する燃料電池収容室と、前記燃料電池車両の床下において前記燃料電池収容室に対して前記燃料電池車両の車両長さ方向における後方側に形成され、前記タンクを収容するタンク収容室と、前記燃料電池収容室に自身の一部が配置された車体フレームと、前記燃料電池モジュールに接続され、前記燃料電池モジュールを前記車体フレームに固定する固定部材と、を備え、前記燃料電池モジュールと前記固定部材との接続部の剛性は、前記固定部材の剛性に比べて高く、前記燃料電池モジュールは、前記燃料電池スタックを支持する支持フレームであって、互いに鉛直方向に離れて配置され互いに鉛直方向に対応する穴が設けられた上面壁部および下面壁部を有する支持フレームを、さらに含み、前記接続部は、前記下面壁部の前記穴を貫き、前記固定部材を前記下面壁部に押し付けて取り付けるボルトと、前記ボルトに螺合し、前記上面壁部に直接的または間接的に接続されるナットと、を有する、燃料電池車両。
本発明の一形態によれば、燃料電池車両が提供される。この燃料電池車両は、燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと;前記燃料電池スタックに供給されるガスを貯蔵するタンクと;前記燃料電池モジュールを収容する燃料電池収容室と;前記燃料電池車両の床下において前記燃料電池収容室に対して前記燃料電池車両の車両長さ方向における後方側に形成され、前記タンクを収容するタンク収容室と;前記燃料電池収容室に自身の一部が配置された車体フレームと;前記燃料電池モジュールに接続され、前記燃料電池モジュールを前記車体フレームに固定する固定部材と;を備え;前記燃料電池モジュールと前記固定部材との接続部の剛性は、前記固定部材の剛性に比べて高い。
この形態の燃料電池車両によれば、燃料電池モジュールと固定部材との接続部の剛性は、固定部材の剛性に比べて高いので、燃料電池車両の衝突が発生した場合に、接続部が塑性変形するよりも前に固定部材の破壊が生じる可能性を高めることができ、燃料電池モジュールの車体フレームへの固定を解除する可能性を高めることができる。このため、衝突に伴う外力により車体フレームが下方に移動する場合であっても、本体フレームと共に燃料電池モジュールが下方に移動することを抑制でき、燃料電池モジュールとタンクとの衝突の発生を抑制できる。
本発明は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池車両の製造方法、燃料電池車両における燃料電池モジュールと車体フレームとの固定方法、燃料電池モジュールを車体フレームに固定するための固定部材等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての燃料電池車両の概略構成を示す断面図である。 燃料電池車両に搭載されている燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 燃料電池モジュールの概略構成を示す断面図である。 ケースおよび支持フレームの構成を示す斜視図である。 図4に示す5−5断面を拡大して示す断面図である。 燃料電池車両の衝突発生時の取付機構近傍の様子を模式的に示す説明図である。 比較例における衝突発生時の取付機構近傍の様子を模式的に示す説明図である。 第2実施形態の取付機構近傍を拡大して示す断面図である。 第3実施形態の取付機構近傍を拡大して示す断面図である。
A.第1実施形態:
A1.車両全体構成:
図1は、本発明の一実施形態としての燃料電池車両500の概略構成を示す断面図である。図1では、衝突が発生していない平常時における、燃料電池車両500の車両幅方向LHの中央位置での、車両の前方方向FDおよび後方方向RDに沿った断面を表している。以降では、前方方向FDと後方方向RDとを、合せて「車両長さ方向」と呼ぶ。燃料電池車両500は、燃料電池モジュール100を電力源として搭載し、動力源であるモータMが駆動することにより、後輪RWが駆動される。なお、図1では、車両幅方向LH、前方方向FD、および後方方向RDに加えて、重力方向、すなわち、鉛直下方Gを図示している。図1における各方向を示す符号および矢印は、他の図における各方向を示す符号および矢印に対応する。
燃料電池車両500には、乗員室510と、燃料電池収容室520と、タンク収容室530が形成されている。
乗員室510は、乗員が乗る部屋であり、図1において破線で示すように、複数の座席が設けられている。乗員室510は、一対の前輪FWと一対の後輪RWとに挟まれた領域にほぼ位置している。
燃料電池収容室520は、サスペンションメンバ550と、燃料電池モジュール100を含む燃料電池システム(後述の燃料電池システム200)の少なくとも一部の構成要素とを収容する。サスペンションメンバ550は、図示しないサイドメンバに固定されている。燃料電池モジュール100は、燃料電池スタック101および支持フレーム150を備える。なお、後述するように燃料電池モジュール100は、さらにケース(後述のケース130)を備えているが、図1では省略されている。燃料電池スタック101は、積層された複数の単セル(後述の単セル11)を含む積層体である。支持フレーム150は、燃料電池スタック101を下方から支える板状の部材である。なお、燃料電池スタック101および支持フレーム150を含む燃料電池モジュール100の詳細構成は、後述する。図1に示すように、燃料電池モジュール100は、車両長さ方向において、タンク20に向かう側へと下方に傾斜して配置されている。換言すると、燃料電池モジュール100は、後方方向RDに向かうにつれて下方に位置するように、水平方向に対して傾斜して配置されている。このように燃料電池モジュール100が傾斜して配置されているのは、燃料電池スタック101内の水を、重力を利用して後方方向RDに集めて燃料電池スタック101から容易に排出するためである。
燃料電池モジュール100は、マウントブラケットおよびマウント部材により、サスペンションメンバ550に固定されている。具体的には、フロントマウント部材430およびフロントマウントブラケット410により、燃料電池モジュール100の前方方向FDの端部がサスペンションメンバ550に固定されている。また、リアマウント部材440およびリアマウントブラケット420により、燃料電池モジュール100の後方方向RDの端部がサスペンションメンバ550に固定されている。フロントマウント部材430およびリアマウント部材440は、サスペンションメンバ550に接続されている。フロントマウントブラケット410は、フロントマウント部材430と燃料電池モジュール100(より正確には支持フレーム150)とに接続されている。リアマウントブラケット420は、リアマウント部材440と燃料電池モジュール100(より正確には支持フレーム150)とに接続されている。
タンク収容室530は、水素ガスを貯蔵するタンク20を収容する。タンク収容室530は、燃料電池車両500の床下において燃料電池収容室520に対して後方方向RDに形成されている。また、タンク収容室530は、車両幅方向LHの略中央において車両長さ方向に沿って形成されている。タンク収容室530の天井部分は、乗員室510のフロアパネルにより形成されている。乗員室510の床においてタンク収容室530に対応する部分は、かかる床の他の部分に比べて鉛直上方に突出している。このように、タンク収容室530は、エンジンを搭載した車両におけるドライブシャフトが配置されたセンタートンネルと同様な構造を有している。なお、タンク収容室530には、タンク20に加えて、図示しないワイヤーハーネスなどが収容されている。
A2.燃料電池システムの構成:
図2は、燃料電池車両500に搭載されている燃料電池システム200の概略構成を示すブロック図である。燃料電池システム200は、上述の燃料電池スタック101に加えて、気液分離器29と、タンク20と、エアコンプレッサ30と、遮断弁24と、インジェクタ25と、排気排水弁26と、循環ポンプ27と、三方弁33と、圧力調整弁34と、燃料ガス供給路21と、燃料ガス循環路22と、燃料ガス排出路23と、酸化剤ガス供給路31と、酸化剤ガス排出路32と、バイパス流路35と、DC−DCコンバータ210とを備える。その他、燃料電池システム200は、燃料電池スタック101を介して冷却媒体を循環させる図示しない機構を備えている。
燃料電池スタック101は、積層された複数の単セル11を備え、また、その積層方向の両端部に一対のエンドプレート110,120を備える。各単セル11は、固体高分子型燃料電池であり、固体高分子電解質膜を挟んで設けられるアノード側触媒電極層に供給される燃料ガスと、カソード側触媒電極層に供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する。第1実施形態において、燃料ガスは水素ガスであり、酸化剤ガスは空気である。燃料電池スタック101は、エンドプレート110が前方方向FDに位置し、エンドプレート120が後方方向RDに位置するように設置されている。触媒電極層は、触媒、例えば、白金(Pt)を担持したカーボン粒子や電解質を含んで構成される。単セル11において両電極側の触媒電極層の外側には、多孔質体により形成されたガス拡散層が配置されている。多孔質体としては、例えば、カーボンペーパーおよびカーボンクロス等のカーボン多孔質体や、金属メッシュおよび発泡金属等の金属多孔質体が用いられる。燃料電池スタック101の内部には、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却媒体を流通させるためのマニホールド(図示省略)が単セル11の積層方向SDに沿って形成されている。なお、単セル11は、固体高分子型燃料電池に限らず、固体酸化物型燃料電池など任意の種類の燃料電池であってもよい。
一対のエンドプレート110,120は、複数の単セル11を含む積層体を挟持する機能を有する。一対のエンドプレート110,120のうち、エンドプレート120は、燃料電池スタック101内に形成されたマニホールドに、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却媒体を供給する機能、および、これらの媒体を排出するための流路を提供する機能を有する。これに対して、エンドプレート110は、かかる機能を有しない。エンドプレート110およびエンドプレート120は、いずれも厚さ方向が、積層方向SDと一致する略板状の外観形状を有する。
タンク20は、高圧水素を貯蔵しており、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料ガス供給路21を介して燃料電池スタック101に供給する。図1に示すように、タンク20は、略円筒形の外観形状を有し、長手方向が車両長さ方向と一致するようにタンク収容室530に収容されている。循環ポンプ27は、燃料ガス循環路22に配置されており、気液分離器29から排出された燃料ガス(水が分離された後の燃料ガス)を燃料ガス供給路21に送る。遮断弁24は、タンク20における燃料ガスの排出口近傍に配置され、タンク20からの水素ガスの供給の実行と停止とを切り替える。インジェクタ25は、燃料ガス供給路21に配置され、燃料電池スタック101への水素ガスの供給量(流量)および圧力を調整する。気液分離器29は、燃料電池スタック101内の燃料ガス排出用マニホールドと接続され、かかるマニホールドから排出されるオフガスに含まれる水を分離して排出すると共に、水が分離された後のガス(燃料ガス)を排出する。排気排水弁26は、燃料ガス排出路23に配置されており、気液分離器29からの水およびオフガスの排出の実行と停止とを切り替える。エアコンプレッサ30は、燃料電池スタック101に対して酸化剤ガスとしての空気を供給する。三方弁33は、酸化剤ガス供給路31に配置されており、エアコンプレッサ30から供給される空気の全体量のうち、酸化剤ガス供給路31に供給する量と、バイパス流路35に供給する量とを調整する。圧力調整弁34は、酸化剤ガス排出路32に配置されており、燃料電池スタック101におけるカソード排出側の圧力(いわゆる背圧)を調整する。
燃料電池システム200における燃料ガスの流通について説明する。タンク20から供給される水素ガスは燃料ガス供給路21を介して燃料電池スタック101に供給される。燃料電池スタック101から排出されるオフガス(アノード側オフガス)は、気液分離器29に供給され、オフガスに含まれる水の少なくとも一部が分離される。水が分離された後のオフガス(すなわち、燃料ガス)は燃料ガス循環路22および循環ポンプ27を介して燃料ガス供給路21に戻され、再び燃料電池スタック101に供給される。なお、気液分離器29からは、オフガスから分離された水に加えて、気液分離器29に供給されるオフガスのうちの一部のオフガスが排気排水弁26を介して燃料ガス排出路23に排出される。燃料ガス排出路23は酸化剤ガス排出路32と接続されており、燃料ガス排出路23に排出された水およびアノード側オフガスは、燃料電池スタック101から排出される水およびカソード側オフガスと共に酸化剤ガス排出路32を介して大気へと排出される。燃料ガス排出路23は、大気開放されている酸化剤ガス排出路32と連通しているのに対して、気液分離器29の内部には、大気圧よりも高い背圧が加えられているため、排気排水弁26を挟んで圧力差が存在する。したがって、排気排水弁26が開けられた場合に、上述の圧力差によって、気液分離器29から燃料ガス排出路23へとオフガスが排出される。
燃料電池システム200における酸化剤ガスの流通について説明する。エアコンプレッサ30から供給される空気(圧縮空気)は、酸化剤ガス供給路31を介して燃料電池スタック101に供給される。このとき、三方弁33の開度を調整することにより燃料電池スタック101への供給量を調整できる。燃料電池スタック101から排出されるオフガス(カソード側オフガス)および水は、圧力調整弁34を介して酸化剤ガス排出路32に排出される。酸化剤ガス排出路32は、上述のように燃料ガス排出路23と接続されており、また、バイパス流路35とも接続されている。したがって、燃料電池スタック101から排出されたカソード側オフガスは、燃料ガス排出路23を通って排出されるアノード側オフガスおよび水と、バイパス流路35を通って排出される空気と共に、大気へと排出される。
ここで、上述のように、燃料電池スタック101は、後方方向RDに向かうにつれて下方に位置するように、水平方向に対して傾斜して配置されているため、燃料電池スタック101においてエンドプレート120が最も鉛直下方Gに位置することとなる。したがって、燃料電池スタック101内の水は、各種マニホールドを通って重力にしたがってエンドプレート120へと向かうこととなり、燃料電池スタック101内からの排水が促される。
燃料電池スタック101における一対の集電板103F,103Rは、DC−DCコンバータ210と電気的に接続されている。DC−DCコンバータ210は、モータMと電気的に接続されており、燃料電池スタック101の出力電圧を昇圧してモータMに供給する。
上述した排気排水弁26、エアコンプレッサ30、循環ポンプ27、およびその他の各弁の動作は、図示しない制御部により制御される。この制御部は、例えば、制御用プログラムが記憶されているROM(Read Only Member)と、かかるROMを読み出して実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUのワークエリアとして利用されるRAM(Random Access Memory)とを有する構成としてもよい。
A3.燃料電池モジュールの構成:
図3は、燃料電池モジュール100の概略構成を示す断面図である。図3では、図1と同様な位置での燃料電池モジュール100の断面を示している。燃料電池モジュール100は、上述の燃料電池スタック101および支持フレーム150に加えて、ケース130を備える。
燃料電池スタック101は、上述した積層された複数の単セル11と、一対のエンドプレート110,120と、一対の集電板103F,103Rとに加えて、一対の絶縁板102F,102Rとを備える。一対の集電板103F,103Rは、総合電極として機能する。集電板103Fは、複数の単セル11のうち、最も前方に位置する単セル11の前方方向FD側において、かかる単セル11に接して配置されている。集電板103Rは、複数の単セル11のうち、最も後方に位置する単セル11の後方方向RD側において、かかる単セル11に接して配置されている。一対の絶縁板102F,102Rは、絶縁性材料により形成された板状部材である。絶縁板102Fは、エンドプレート110と集電板103Fとに挟まれており、エンドプレート110と集電板103Fとの間の電気的接続を抑制する。同様に、絶縁板102Rは、エンドプレート120と集電板103Rとに挟まれており、エンドプレート120と集電板103Rとの間の電気的接続を抑制する。
ケース130は、燃料電池スタック101のうちのエンドプレート120を除く他の部分を収容する。換言すると、ケース130は、エンドプレート120が露出した状態で燃料電池スタック101を収容する。第1実施形態において、ケース130は、アルミニウム(Al)により形成されている。なお、アルミニウムに限らず、ステンレス(SUS)や、チタン(Ti)や、これらの金属の合金により形成されてもよい。また、金属に限らず、樹脂等により形成されてもよい。
図4は、ケース130および支持フレーム150の構成を示す斜視図である。図4において、上側は燃料電池スタック101を収容した状態のケース130の外観斜視図を表し、下側は支持フレーム150の外観斜視図を表している。また、図4では、支持フレーム150に接続されているフロントマウントブラケット410およびリアマウントブラケット420も表されている。
ケース130は、後方方向RDの端が開口して、内部が空洞となった筒状の外観形状を有する。ケース130の内部の空間には、燃料電池スタック101のうちのエンドプレート120を除くその他の部分が収容される。ケース130の後方方向RDの端には、上方に折り曲げられたように形成された鍔部132が形成されている。かかる鍔部132を含むケース130の端面には、図示しない複数のネジ孔が形成されている。また、エンドプレート120において上述の複数のネジ孔と対応する位置にはそれぞれ図示しないネジ孔が形成されている。したがって、エンドプレート120とケース130とが接した状態で、上述のエンドプレート120のネジ孔とケース130のネジ孔とが連通する。この連通したネジ孔にネジ160が挿入されて螺合することにより、エンドプレート120とケース130とは、互いに締結される。
ケース130の底部の四隅には、それぞれ固定部131が形成されている。固定部131は、略水平方向に突出し、中央部分に厚さ方向に貫く貫通孔が形成されている。
支持フレーム150は、板状の外観形状を有する。支持フレーム150は、6つの壁部からなる中空の六面体の内部空間に、図示しない補強用の支柱が配置された構造を有する。支持フレーム150には、厚さ方向に貫く4つの貫通孔159が形成されている。これらの貫通孔159は、上述のケース130の固定部131の貫通孔と鉛直下方Gに対応する位置に形成されている。支持フレーム150の上面にケース130が載置され、固定部131の貫通孔と支持フレーム150の貫通孔159とに図示しないボルトが挿入され、かかるボルトが支持フレーム150の底面に配置された図示しないナットと螺合することにより、ケース130が支持フレーム150に締結される。
図4に示すように、支持フレーム150の上面には、4つの連結カラー部材450が露出している。連結カラー部材450は、支持フレーム150をフロントマウントブラケット410およびリアマウントブラケット420に取り付けるための取付機構(後述の取付機構490)の一部を構成する。
A4.取付機構の詳細構造:
図5は、図4に示す5−5断面を拡大して示す断面図である。図5では、支持フレーム150およびリアマウントブラケット420の一部を省略している。図5に示すように、支持フレーム150は、自身の上面を形成する上面壁部151と、自身の下面を形成する下面壁部152と、支柱部153とを備える。上面壁部151と下面壁部152とはいずれも薄板状の形状を有し、支持フレーム150の厚さ方向TDに沿って所定の距離だけ離れて互いに平行に配置されている。支柱部153は、細長い板状の外観形状を有し、上面壁部151と下面壁部152とで挟まれた内部空間154に配置されている。支柱部153は、上面壁部151と下面壁部152とにそれぞれ接続され、内部空間154を複数の空間に仕切る。支柱部153により支持フレーム150の強度を向上させている。
上面壁部151および下面壁部152には、互いに厚さ方向TDに対応する位置にそれぞれ4つの貫通孔が形成され、各貫通孔が形成された部分に取付機構490が配置されている。図5では、上面壁部151に形成されている貫通孔155と、下面壁部152に形成されている貫通孔156とが、厚さ方向TDにおいて対応しており、これらの貫通孔155,156が形成された部分に取付機構490が配置されている。
リアマウントブラケット420は、屈曲した薄板状の部材であり、本実施形態では、アルミニウム(Al)により形成されている。リアマウントブラケット420は、第1台座部421と、第2台座部422と、傾斜部423とを備える。第1台座部421は、支持フレーム150の下面壁部152と平行に配置され、取付機構490により支持フレーム150に接続される。第1台座部421には、貫通孔425が形成されている。リアマウントブラケット420は、貫通孔425が支持フレーム150の貫通孔156と連通するように配置された状態で、支持フレーム150と接続される。第2台座部422は、図1に示すリアマウント部材440と接続されている。なお、リアマウントブラケット420は、請求項における固定部材の下位概念に相当する。傾斜部423は、第1台座部421と第2台座部422とを接続する。図4,5に示すように、傾斜部423は、鉛直下方Gに向かうにつれて車両幅方向LHおよび鉛直下方Gに向かうように配置されている。
取付機構490は、ボルト310と、ナット320と、上述の連結カラー部材450とを備える。ボルト310は、下方から上方に向かってリアマウントブラケット420の貫通孔425および下面壁部152の貫通孔156に挿入されている。ボルト310の軸部311の先端は、内部空間154内に位置している。ナット320は、内部空間154内に配置され、ボルト310と螺合している。ナット320の下面における中央部分、すなわち、ナット320のネジ孔の近傍部分は下方に突出しており、貫通孔156に嵌め込まれている。図5に示すように、ボルト310の鍔部分とナット320における底面とで、下面壁部152と第1台座部421とが挟み込まれ、互いに接合される。本実施形態において、ボルト310およびナット320は、いずれも鉄により形成されている。
連結カラー部材450は、有底円筒状の外観形状を有する。連結カラー部材450は、円筒部452と、蓋部451とを有する。円筒部452は、円筒状の外観形状を有し、貫通孔155に上方から挿入されている。円筒部452は、ナット320の上方の端部を環状に覆う。ナット320において円筒部452により覆われた重なり部321は、円筒部452に溶接されている。円筒部452の内側の空間には、ボルト310の先端が収容されている。蓋部451は、薄い円柱状の外観形状を有し、平面視形状における直径は、貫通孔155の直径よりも大きい。蓋部451の中央部分は、円筒部452の上端に連なり、円筒部452の内側の空間を上方において閉塞している。蓋部451の周縁部分は、上面壁部151の上面における貫通孔155の周囲部分と接している。本実施形態において、連結カラー部材450は、アルミニウムにより形成されている。
このような取付機構490は、以下のようにして支持フレーム150およびリアマウントブラケット420に組み付けられる。先ず、ナット320と連結カラー部材450とを溶接して複合部材を得て、かかる複合部材を上面壁部151の上面側から貫通孔155に挿入する。その後、ボルト310を、リアマウントブラケット420の貫通孔425および下面壁部152の貫通孔156に挿入して、ナット320と螺合させる。
取付機構490によりリアマウントブラケット420が支持フレーム150に接続されることにより、リアマウントブラケット420と支持フレーム150との接続部CP1の剛性は、リアマウントブラケット420自体の剛性に比べて高められている。これは、支持フレーム150(下面壁部152)とリアマウントブラケット420(第1台座部421)とを挟み込んで固定するボルト310およびナット320が、連結カラー部材450を介して上面壁部151に接しているため、接続部CP1に外力が加えられた場合に、かかる力を下面壁部152に加えて上面壁部151にも伝えることができるからである。
図6は、燃料電池車両500の衝突発生時の取付機構490近傍の様子を模式的に示す説明図である。図6では、図5と同じ位置での断面を示している。例えば、燃料電池車両500の前方衝突が発生し、その衝撃によりサスペンションメンバ550が下方に移動した場合、図6に示すように、リアマウントブラケット420には、下向きの外力Fが加えられる。このとき、取付機構490にも下向きの力が伝わることとなる。具体的には、まず、リアマウントブラケット420に接しているボルト310に下向き力が伝わり、かかる力の一部は、ボルト310と螺合するナット320に伝わる。ナット320に伝わった力のうちの一部は、ナット320と接している下面壁部152に伝わると同時に、重なり部321を介して連結カラー部材450にも伝わることとなる。連結カラー部材450に伝えられた下向きの力は、蓋部451から上面壁部151に伝わることとなる。このように、衝突に伴って取付機構490に伝えられる下向きの力のうちの一部は、下面壁部152と上面壁部151とにそれぞれ伝わることとなる。このため、接続部CP1の塑性変形、例えば、下面壁部152においてナット320と接している部分およびその近傍部分が塑性変形することが抑制される。
これに対して、リアマウントブラケット420の剛性は、接続部CP1の剛性よりも低いので、接続部CP1の塑性変形が生じる前に、図6に示すように、リアマウントブラケット420が破断する。なお、図6では、リアマウントブラケット420において、傾斜部423が破断しているが、傾斜部423に代えて、また、傾斜部423に加えて、第1台座部421または第2台座部422が破断する場合もある。このようにリアマウントブラケット420が破断することにより、支持フレーム150は、サスペンションメンバ550への間接的な固定状態から開放される。したがって、サスペンションメンバ550の下方の移動に伴って、換言すると、サスペンションメンバ550に引きずられて、燃料電池モジュール100が下方に移動することが抑制される。このため、衝突時の衝撃によりタンク20が固定部材から外れて慣性力により前方方向FDに移動した場合であっても、燃料電池モジュール100とタンク20との衝突が抑制される。例えば、衝突時の衝撃によってサスペンションメンバ550が車両長さ方向に潰される(圧縮される)場合、平常時におけるサスペンションメンバ550の形状にしたがって、サスペンションメンバ550の前方側が上方に移動し、後方側が下方に移動することが想定される。この場合、サスペンションメンバ550の後方側において支持フレーム150とサスペンションメンバ550との固定が解かれるため、燃料電池モジュール100は、サスペンションメンバ550の前方側の移動に伴って上方に移動する。このような場合には、燃料電池モジュール100とタンク20との衝突がより確実に抑止されることとなる。
図7は、比較例における衝突発生時の取付機構近傍の様子を模式的に示す説明図である。比較例の取付機構890は、ボルト810とナット820とのみから構成されている。ボルト810およびナット820の配置位置は、第1実施形態のボルト310およびナット320の配置位置と同じである。すなわち、リアマウントブラケット420は、取付機構890により、下面壁部152に取り付けられている。比較例の取付機構890は、支持フレーム150のうち、下面壁部152のみに接しているため、外力が加えられた場合に上面壁部151には力が伝えられない。このため、接続部CP10の剛性は低く、リアマウントブラケット420の剛性よりも低い。
このような比較例の構成において、衝突が発生してリアマウントブラケット420に下向きの外力Fが加えられた場合、接続部CP10の剛性はリアマウントブラケット420の剛性よりも低いため、リアマウントブラケット420が破断するよりも前に、接続部CP10の塑性変形が発生する。具体的には、取付機構890に伝えられた下向きの力のうち、多くの部分がナット820を介して下面壁部152に伝えられる。このため、下面壁部152において、ナット320と接する部分およびその近傍部分が下方に移動するように塑性変形し、リアマウントブラケット420に加えられた力は、かかる変形により吸収される。したがって、リアマウントブラケット420の破断は生じず、サスペンションメンバ550の後方側と燃料電池モジュール100との固定状態は維持されることとなる。このため、燃料電池モジュール100の後方側は、サスペンションメンバ550の後方側の移動に伴って下方に移動し、タンク20と衝突するおそれがある。
これに対して、上述のように、第1実施形態における接続部CP1は、リアマウントブラケット420よりも高い剛性を有するため、衝突発生時に、接続部CP1の塑性変形が生じる前にリアマウントブラケット420の破断が生じる。このため、燃料電池モジュール100における少なくとも後方側は、サスペンションメンバ550への間接的な固定が解かれ、サスペンションメンバ550の後方側の移動に伴って下方に移動せず、燃料電池システム200と衝突することが抑制される。
以上説明した第1実施形態の燃料電池車両500によれば、燃料電池モジュール100とリアマウントブラケット420との接続部CP1の剛性は、リアマウントブラケット420の剛性に比べて高いので、燃料電池車両500の衝突が発生した場合に、接続部CP1が塑性変形するよりも前にリアマウントブラケット420の破壊が生じる可能性を高めることができ、燃料電池モジュール100のサスペンションメンバ550への固定を解除する可能性を高めることができる。このため、衝突に伴う外力によりサスペンションメンバ550が下方に移動する場合であっても、かかる移動に従って燃料電池モジュール100が移動することを抑制でき、燃料電池モジュール100とタンク20との衝突の発生を抑制できる。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態の取付機構490a近傍を拡大して示す断面図である。図8では、第1実施形態の図6と同じ位置での断面を示している。第2実施形態の燃料電池車両は、支持フレーム150に代えて支持フレーム150aを備える点、および取付機構490に代えて取付機構490aを備える点において、第1実施形態の燃料電池車両500と異なる。第2実施形態の燃料電池車両におけるその他の構成は、第1実施形態の燃料電池車両500と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態の支持フレーム150aは、上面壁部151および下面壁部152に代えて、上面壁部151aおよび下面壁部152aを備える点において、第1実施形態の支持フレーム150と異なる。支持フレーム150aにおけるその他の構成は、支持フレーム150と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上面壁部151aには、貫通孔155に代えて、貫通孔155aが形成されている。貫通孔155aの内周面には、ネジ山が形成されている。下面壁部152aは、貫通孔156に代えて貫通孔156aを備える点において、第1実施形態の下面壁部152と異なる。貫通孔156aは、直径が小さく、後述するボルト310aの軸部311aの直径よりも若干大きい程度である。
第2実施形態の取付機構490aは、ボルト310に代えてボルト310aを備える点と、ナット320に代えてナット320aを備える点と、連結カラー部材450が省略されている点とにおいて、第1実施形態の取付機構490と異なる。第2実施形態の取付機構490aにおけるその他の構成は、第1実施形態の取付機構490と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ボルト310aは、軸部311に代えて軸部311aを備える点において、第1実施形態のボルト310と異なり、その他の構成は、ボルト310と同じである。軸部311aは、第1実施形態の軸部311に比べて長く、その先端は、支持フレーム150aの外部(上面壁部151aよりも上方)に露出している。
ナット320aは、下面におけるネジ孔近傍が突出していない点と、上方側の端部(後端部322)の直径が下方側の端部の直径よりも大きい点と、後端部322の外周面は支持フレーム150aの外部に露出している点と、後端部322の内周面には、支持フレーム150aの貫通孔155aに形成されたネジ山と螺合するネジ山323が形成されている点とにおいて、第1実施形態のナット320と異なり、その他の構成は、ナット320と同じである。ナット320aの下面(先端面)は下面壁部152aに接している。
このような構造を有する取付機構490aにおいて、接続部CP2の剛性は、第1実施形態の接続部CP1と同様に、リアマウントブラケット420の剛性に比べて高い。これは、接続部CP2に外力が加えられた場合に、かかる力を上面壁部151aと下面壁部152aとに伝えることができるからである。具体的には、第1実施形態と同様に、リアマウントブラケット420に対して下向きの外力が加えられた場合、まず、リアマウントブラケット420に接しているボルト310aに下向きの力が伝わり、かかる力の一部は、ボルト310aと螺合するナット320aに伝わる。ナット320aに伝わった力のうちの一部は、ナット320aと接している下面壁部152aに伝わると同時に、ナット320aと螺合している上面壁部151aにも伝わることとなる。このように接続部CP2に伝えられる下向きの力が取付機構490aにより上面壁部151aおよび下面壁部152aに分散されるため、接続部CP2の塑性変形が生じるよりも前にリアマウントブラケット420の破断が生じることとなる。このため、第1実施形態と同様に、衝突時の衝撃によりタンク20が固定部材から外れて慣性力により前方に移動した場合であっても、燃料電池モジュール100とタンク20との衝突が抑制される。
以上説明した第2実施形態の燃料電池車両は、第1実施形態の燃料電池車両500と同様な効果を有する。
C.第3実施形態:
図9は、第3実施形態の取付機構490b近傍を拡大して示す断面図である。図9では、第1実施形態の図6と同じ位置での断面を示している。第3実施形態の燃料電池車両は、支持フレーム150aに代えて支持フレーム150bを備える点、および取付機構490aに代えて取付機構490bを備える点において、第2実施形態の燃料電池車両と異なる。第3実施形態の燃料電池車両におけるその他の構成は、第2実施形態の燃料電池車両と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態の支持フレーム150bは、上面壁部151aに代えて、第1実施形態の上面壁部151を備える点において、第2実施形態の支持フレーム150aと異なる。第3実施形態の支持フレーム150bにおけるその他の構成は、第2実施形態の支持フレーム150aと同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態の取付機構490bは、ナット320aに代えてナット320bを備える点と、溶接部460を追加して備える点とにおいて、第2実施形態の取付機構490aと異なる。第3実施形態の取付機構490bにおけるその他の構成は、第2実施形態の取付機構490aと同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ナット320bは、後端部322に代えて後端部322aを備える点において第2実施形態のナット320aと異なり、その他の構成は、第2実施形態のナット320aと同じである。したがって、ナット320bの下面(先端面)は、下面壁部152aに接している。後端部322aは、上面壁部151と螺合していない点と、上面壁部151と接しておらず、上面壁部151との間に所定の空隙gが形成されている点とにおいて、第2実施形態の後端部322と異なる。
溶接部460は、後端部322aの外径方向端部と接して囲むように配置され、上面壁部151の上面と接している。溶接部460は、後端部322aと上面壁部151とを、空隙gが生じた状態で接合する。溶接部460は、ナット320bおよび上面壁部151とは異なる部材を後端部322aの外径方向端部近傍に配置し、かかる部材を上面壁部151および後端部322aにそれぞれレーザー溶接することにより形成してもよい。また、例えば、後端部322aおよび上面壁部151のうちの少なくとも一方に対してレーザー光を照射して溶解させ、他方と接合させてもよい。
このような構造を有する取付機構490bでは、接続部CP3の剛性は、第1実施形態の接続部CP1と同様に、リアマウントブラケット420の剛性に比べて高い。これは、接続部CP3に外力が加えられた場合に、かかる力を上面壁部151と下面壁部152aとに伝えることができるからである。具体的には、第1実施形態および第2実施形態と同様に、リアマウントブラケット420に対して下向きの外力が加えられた場合、まず、リアマウントブラケット420に接しているボルト310aに下向きの力が伝わり、かかる力の一部は、ボルト310aと螺合するナット320bに伝わる。ナット320bに伝わった力のうちの一部は、ナット320bと接している下面壁部152aに伝わると同時に、ナット320bと接している溶接部460を介して上面壁部151にも伝わることとなる。このように接続部CP3に伝えられる下向きの力が取付機構490bにより上面壁部151および下面壁部152aに分散されるため、接続部CP3の塑性変形が生じるよりも前にリアマウントブラケット420の破断が生じることとなる。このため、第1実施形態および第2実施形態と同様に、衝突時の衝撃によりタンク20が固定部材から外れて慣性力により前方に移動した場合であっても、燃料電池モジュールとタンク20との衝突が抑制される。
以上説明した第3実施形態の燃料電池車両は、第1実施形態の燃料電池車両500および第2実施形態の燃料電池車両と同様な効果を有する。
D.変形例:
D1.変形例1:
各実施形態では、燃料電池モジュール100は、フロントマウントブラケット410、リアマウントブラケット420、フロントマウント部材430、およびリアマウント部材440を介してサスペンションメンバ550に固定されていたが、サスペンションメンバ550に限らず、車体フレームを構成する任意の部材(メンバ)に、固定されていてもよい。例えば、燃料電池モジュール100は、サイドメンバまたはクロスメンバに、間接的に固定されていてもよい。
D2.変形例2:
各実施形態においてタンク収容室530は、車両長さ方向に延びて形成されていたが、本発明はこれに限定されない。車両幅方向LHに延びて形成されていてもよい。また、タンク収容室530を車両長さ方向および車両幅方向LHのいずれの方向にも延びる空間として構成してもよい。また、収容されるタンク20は、タンク収容室530においてどのような向きで収容されてもよい。
D3.変形例3:
各実施形態では、取付機構490,490a,490bが上面壁部151,151aと、下面壁部152,152aとに接するように構成されることにより、接続部CP1,CP2,CP3の剛性を、リアマウントブラケット420の剛性よりも高くなるようにしていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、下面壁部152,152aを、上面壁部151,151aに比べて剛性の高い材料により形成する方法や、貫通孔156,156aの近傍に支柱部153を多数設ける方法等により、接続部CP1,CP2,CP3の剛性を、リアマウントブラケット420の剛性よりも高くなるようにしてもよい。
D4.変形例4:
各実施形態において、支持フレーム150,150a,150bは、厚さ方向TDに2つの壁部(上面壁部151,151aと、下面壁部152,152a)を有していたが、3つ以上の壁部を有してもよい。このような構成においても、厚さ方向TDに並んだ複数の壁部のうちの2以上の壁部に接するように取付機構490,490a,490bが配置されることにより、接続部CP1,CP2,CP3の剛性を、リアマウントブラケット420の剛性よりも高くすることができる。
D5.変形例5:
各実施形態における燃料電池車両500の構成は、あくまでも一例であり、種々変更可能である。例えば、取付機構490,490a,490bの数は4つに限らず任意の数としてもよい。燃料電池モジュール100からケース130を省略してもよい。モータMに加えて、ガソリンエンジン等の内燃機関を動力源として備えてもよい。燃料電池モジュール100は、車両長さ方向において、タンク20に向かう側へと下方に傾斜して配置されていなくてもよく、例えば、水平に配置されていてもよい。
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
11…単セル
20…タンク
21…燃料ガス供給路
22…燃料ガス循環路
23…燃料ガス排出路
24…遮断弁
25…インジェクタ
26…排気排水弁
27…循環ポンプ
29…気液分離器
30…エアコンプレッサ
31…酸化剤ガス供給路
32…酸化剤ガス排出路
33…三方弁
34…圧力調整弁
35…バイパス流路
100…燃料電池モジュール
101…燃料電池スタック
102F,102R…絶縁板
103F,103R…集電板
110,120…エンドプレート
130…ケース
131…固定部
132…鍔部
150,150a,150b…支持フレーム
151,151a…上面壁部
152,152a…下面壁部
153…支柱部
154…内部空間
155,155a…貫通孔
156,156a…貫通孔
159…貫通孔
160…ネジ
200…燃料電池システム
210…DC−DCコンバータ
310,310a…ボルト
311,311a…軸部
320,320a,320b…ナット
321…重なり部
322,322a…後端部
323…ネジ山
410…フロントマウントブラケット
420…リアマウントブラケット
421…第1台座部
422…第2台座部
423…傾斜部
425…貫通孔
430…フロントマウント部材
440…リアマウント部材
450…連結カラー部材
451…蓋部
452…円筒部
460…溶接部
490,490a,490b…取付機構
500…燃料電池車両
510…乗員室
520…燃料電池収容室
530…タンク収容室
550…サスペンションメンバ
810…ボルト
820…ナット
890…取付機構
CP1,CP2,CP3,CP10…接続部
F…外力
FD…前方方向
FW…前輪
G…鉛直下方
LH…車両幅方向
M…モータ
RD…後方方向
RW…後輪
SD…積層方向
TD…方向
g…空隙

Claims (1)

  1. 燃料電池車両であって、
    燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、
    前記燃料電池スタックに供給されるガスを貯蔵するタンクと、
    前記燃料電池モジュールを収容する燃料電池収容室と、
    前記燃料電池車両の床下において前記燃料電池収容室に対して前記燃料電池車両の車両長さ方向における後方側に形成され、前記タンクを収容するタンク収容室と、
    前記燃料電池収容室に自身の一部が配置された車体フレームと、
    前記燃料電池モジュールに接続され、前記燃料電池モジュールを前記車体フレームに固定する固定部材と、
    を備え、
    前記燃料電池モジュールと前記固定部材との接続部の剛性は、前記固定部材の剛性に比べて高く、
    前記燃料電池モジュールは、前記燃料電池スタックを支持する支持フレームであって、互いに鉛直方向に離れて配置され互いに鉛直方向に対応する穴が設けられた上面壁部および下面壁部を有する支持フレームを、さらに含み、
    前記接続部は、
    前記下面壁部の前記穴を貫き、前記固定部材を前記下面壁部に押し付けて取り付けるボルトと、
    前記ボルトに螺合し、前記上面壁部に直接的または間接的に接続されるナットと、
    を有する、
    燃料電池車両。
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