JP6740771B2 - 銅電解精製におけるアノードの垂直性調整具 - Google Patents

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本発明は、銅の電解精製による電気銅の製造に際して、アノードの傾きを調整して短絡の発生を抑制することが可能なアノードの垂直性調整具に関する。
銅の電解精錬においては、1列に並べられた複数の電解槽の各々に貯められた電解液中に粗銅からなる複数の陽極板(アノード)と、種板又は母板からなる複数の陰極板(カソード)とを交互に且つ平行に浸漬させて直流電流を流し、粗銅を電解精製することで高品位の電気銅を作製することが行われている。アノードは、略矩形平板状のアノード本体部と、該アノード本体部の上端部から左右に突出する1対の耳部とから構成されており、これら両耳部を電解槽の対向する槽壁の上面に懸架することで電解槽内に吊り下げられる。
一方、カソードは、略矩形平板状のカソード本体と、カソード本体の上端部に設けられたループ状の吊り手部分とから構成されており、この吊り手部分に挿通させたクロスビームを電解槽の対向する槽壁の上面に懸架することで電解槽内に吊り下げられる。これら電極板を支持する槽壁の上面には、その一方の側の電解槽内の複数のアノードに並列に電気的接続すると共に、もう一方の側の電解槽内の複数のカソードにも並列に電気的接続するブスバーとも称する細長の板状導電体が載置されている。すなわち、図1に示すように、各アノード1の紙面右側の耳部1aは同右側の槽壁2上のブスバー3の上に絶縁板4を介して載置されており、紙面左側の耳部1bは同左側の槽壁2上のブスバー3の凸状部の上に直接載置されている。
上記のアノードは、精製炉から抜き出される熔体状の粗銅を鋳型に流し込み、冷却後に鋳型から取り出すことで作製される。この鋳型は耳部の厚さがアノード本体部の厚さよりも薄くなる形状を有しているため、鋳型から取り出したアノードは粗銅熔体の湯面側の面は平坦になっているのに対して、その反対側の鋳型側の面は耳部が本体よりも湯面側に位置するように段差が形成されている。そのため、鋳造されたアノードは耳部を支点としてそのまま電解槽の槽壁上に懸架すると厚み方向の中央部に重心が位置するため、アノード面が湯面側に傾いてしまう。
上記の懸架時のアノード面の傾きを防ぐため、鋳造後のアノードは、アノード本体部の形状を必要に応じて矯正すると共に、厚み方向の中央部に重心が位置するように耳部を変形することが行われる。また、鋳造後のアノードの表面には離型剤が付着していたり、表面の粗度が粗かったりするため、ブスバーとの接点となる耳部の下面を研磨することが行われる。これにより、接触抵抗を低減させてアノード群の接触抵抗を均一化することが可能になる。
しかしながら、鋳造機が有する複数のアノードの鋳型の形状には当初から個体差がある上、使用状況や劣化状態によって次第に形状にばらつきが出てくるため、寸分の狂いなく均一な形状のアノードを鋳造するのは実質的に不可能である。したがって、アノード群に全て同様の曲りの矯正や耳部の切削を行っても、それらを電解槽の槽壁に懸架した時にアノード面の傾きはそれぞれ異なってしまう。そこで特許文献1に示すように絶縁板の上面を傾斜させたり、特許文献2に示すようにアノードの垂直性を測定する装置とプレス機とを用いて自動的に垂直性を維持したりする技術が提案されている。
特開2012−062537号公報 特開2012−041612号公報
しかしながら、上記の特許文献1の技術ではアノード面の傾きが各々異なるアノード群に対して常にその垂直性を確保するのは現実的に困難であった。一方、特許文献2の技術ではアノード面の傾きが各々異なるアノード群に対して垂直性を確保することが可能になるが、高価な測定機やプレス機を必要とするため、コスト上の問題が生じることが考えられる。本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、アノード面の傾きが各々異なるアノード群に対してそれらの垂直性を個々に調整できる簡易な垂直性調整手段を提供することを目的としている。
上記目的を解決するため、本発明のアノードの垂直性調整具は、銅電解精製の電解槽内に装入するアノードが有する1対の耳部のうちの一方と、該電解槽の槽壁上に設けられた板状導電体の上の絶縁板との間に差し込んでアノード面の垂直性を調整する調整具であって、棒状の把持部と、その先端に形成された幅広のくさび部とからなることを特徴としている。
本発明によれば、個々に異なるアノード面の傾きを簡易に調整して短絡の発生を抑制することができる。これにより、隣接するアノードとカソードとの面間距離を電解槽全体に亘って均一化することができ、高品質の電気銅を効率よく製造することができる。
電解槽の対向する両槽壁上に懸架することで吊り下げられている状態を示すアノードの正面図である。 本発明に係る垂直性調整具の一具体例の斜視図である。 図2に示す垂直性調整具の側面図及び上面図である。 本発明に係る調整具の他の具体例の側面図及び上面図である。 アノードの耳部の下に本発明の一具体例の調整具が差し込まれている状態を示す上面図である。 図5を点線A−A及び点線B−Bでそれぞれ切断したときの矢視図である。
以下、本発明に係るアノード垂直性調整具の一具体例について図2を参照しながら説明する。この発明の一具体例の調整具10は、長手方向に対して垂直な断面が略円形の棒状の把持部11と、この把持部11の先端に形成された幅広のくさび部12とからなる。この調整具10は、くさび部12の形状が、図3に示すように、側面から見た時に上側と下側とがほぼ均等に傾斜して狭くなる形状になっている。なお、調整具の形状は、図3の形状に限定されるものではなく、例えば図4に示す他の具体例の調整具20のように、側面から見た時に上側のみが傾斜しながら狭くなるくさび部22が棒状の把持部21の先端に形成される形状でもよい。
このくさび部12が、アノードの1対の耳部のうちの一方の下面と、該一方の耳部を支持する板状導電体の上に敷かれている板状の絶縁体との間に必要に応じて差し込まれる。これにより、各アノードのアノード面の垂直性を調整することができる。その際、図5(a)、(b)に示すように、アノード1の一方の耳部1aの下面のうち、くさび部12を差し込む位置やくさび部12を差し込む長さを適宜調節することによって、図6(a)、(b)に示すように、アノード面の傾きを自在に調整できる。
本発明の一具体例の調整具10の材質は金属が好ましく、銅がより好ましく、純銅や無酸素銅が最も好ましい。その理由は、金属であれば後述するプレス加工で簡易且つ安価に作製することができるからであり、金属の中で特に銅は柔らかくて加工性に富む上、作業の際に誤って電解槽内に落下した場合でも不純物となる可能性がほとんどないからである。
上記した本発明の一具体例の調整具10は、例えば直径2mmから5mm程度の針金を、長さ20mmから50mm程度に切断し、その先端部10mm程度をハンマーやプレス機によりプレス加工することで作製できる。使用する針金の直径は、アノードの垂直性の調整に最低限必要な高さよりも太くするのが望ましく、一般的には3mm程度が好ましい。
調整具10の好適な長さは、アノードの耳部の形状のほか、アノード面に垂直な方向に隣接する陰極板のクロスバーとの距離やアノード面に平行な方向に隣接する他のアノードの耳部との距離等により異なるが、一般的にはアノードの耳部の下に差し込むのに好適な長さや、指で把持部11を把持しながらアノードの耳部の下に差し込む際に指が挟まれることのないように把持部11は長めが好ましいことを考慮すると、30mm程度が好ましい。
調整具10の作製の際、プレス加工時の潰し方を変えて形状の異なる複数種類の調整具を作製してもよいが、前述したように先端部10mm程度を徐々に薄くなるようになだらかに潰してくさび状にすることにより、アノードの耳部の下に差し込む長さを調節することによって、各々異なる角度で傾くアノードに対して、1種類の調整具で対応することができる。よって、様々な厚さのスペーサーが不要となる。アノードの耳部の下に差し込む長さは、アノードの面がカソードの面と平行になるように調節すればよい。平行かどうかは、目視によるほか、ノギス等の公知の方法を用いることができる。
すなわち、アノード面の傾きの調整具として、矩形板状や丸棒状のスペーサーを用いることが考えられるが、この場合は、アノード面の傾きが各々異なる様々なアノード群に対して厚みの違うスペーサーを複数準備することが必要になる。そのため、製作コストがかかる上、それらの管理が複雑になる。また、丸棒状の場合はクレーンでのアノードの入れ替えの際に転がって槽内に落ちやすく、槽底などにある配管の詰りの原因になるおそれがある。これに対して上記した本発明の調整具であれば、1個だけでアノード面の傾きの微調整が可能になる上、先端部が幅広のくさび形状になっているので転がりにくく、アノード面の傾きが各々異なる様々なアノード群に対して1種類の調整具で済むので管理も容易になる。
直径3mmの純銅線を長さ30mmに切断し、先端部10mmをハンマーで叩いて潰して平面視略円形状のくさび部を形成することで図2に示すような調整具を100本作製した。電解槽にアノードプレス及び耳部下面の切削を行ったアノードを1槽あたり27枚装入し、歪10mmのカソード26枚をアノードとカソードが交互になるように装入した。
そして、18槽を1組として上記の調整具を用いてアノード面の垂直調整を行った後、電解液を入れて電解精製を行った。なお、18槽あたり使用した調整具の本数は74本であった。9日間に亘り電流密度300A/mで電解精製を行い、その間の短絡の発生回数、電気銅の重量、及び不良発生枚数を調べた。ここでいう短絡とは、成長したカソードがアノードとの近接部位に架橋を生じて短絡回路となったものであり、短絡を発見した際には、架橋を取り除いて通電を継続した。比較のため、上記の調整具を使用しない以外は上記と同様にして電解精製を行い、その間の短絡発生回数、電気銅の重量、及び不良発生枚数を調べた。その結果を下記表1に示す。
Figure 0006740771
上記表1から分かるように、調整具を用いた場合に比べて、調整具を用いない場合では短絡の発生回数が2倍以上となった。特に調整具を用いない場合では9日間の電解のうち、2日目から短絡が検出されており、架橋を取り除いて短絡を解消しても翌日には同じ槽で短絡が再発することが多かった。また、その影響で電気銅重量は電解条件が同じであるにもかかわらず、調整具を用いた場合よりも2.5t少なく、不良枚数も4枚と多くなった。このことから、本発明の調整具を使用し、電解開始前にアノード面の垂直性を調整して面間距離を均一化することで、効率的かつ安定した電解操業が可能になることが分かる。
1 アノード
1a、1b 耳部
2 槽壁
3 板状導電体(ブスバー)
4 絶縁板
10、20 調整具
11、21 棒状部
12、22 くさび部

Claims (2)

  1. 銅電解精製の電解槽内に装入するアノードが有する1対の耳部のうちの一方と、該電解槽の槽壁上に設けられた板状導電体の上の絶縁板との間に差し込んでアノード面の垂直性を調整する調整具であって、棒状の把持部と、その先端に形成された幅広のくさび部とからなることを特徴とする調整具。
  2. 前記調整具は銅製であることを特徴とする、請求項1に記載の調整具。


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