JP2580945B2 - 金属電解精製用カソードスペーサー - Google Patents

金属電解精製用カソードスペーサー

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JP2580945B2
JP2580945B2 JP5095452A JP9545293A JP2580945B2 JP 2580945 B2 JP2580945 B2 JP 2580945B2 JP 5095452 A JP5095452 A JP 5095452A JP 9545293 A JP9545293 A JP 9545293A JP 2580945 B2 JP2580945 B2 JP 2580945B2
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和幸 高石
和之 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属の水溶液電解におい
て使用されるカソードの歪によるアノードとの接触を防
止するために設けられるカソードスペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル、コバルト、銅等の金属の電解
精製においては、周知のようにSS、SUS、Ti等を
母板として作成された薄い種板をカソード板として使用
して、電解槽中に該カソード板とアノード板またはアノ
ード隔膜(以下、アノード板と称する)とを交互に配置
し、カソード板上に電解金属を電着させることによって
精製が行われているが、このような金属の電解精製にお
いて、使用されるカソード板はきわめて薄肉であるため
に、電解操業中にカソード板への電着物の応力により歪
を生ずる。
【0003】ところで一般的に電解精製においては、電
解効率を高めるために電極間の距離をできるだけ狭くす
るのが通例であるために、上記したようにカソード板に
歪が発生すると容易にアノード板と接触を起こして電解
効率の低下や電着金属の品質低下等を生ずる問題があっ
た。
【0004】このような問題を避けるために、通常電解
終了後あるいは電解操業中においてカソード板を取り外
して、ローラーまたはプレス等を用いて歪を機械的に矯
正する作業が行われるが、この作業は煩わしいものであ
る上に、十分に完全な歪矯正を行うことができないため
に、歪矯正を行ったカソード板でも再使用に当たって短
時間で再びアノード板と接触を起こしてしまう可能性が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、カソード板と
アノード板との接触を防止するために、図5(A)に示
すカソード板2の両側と底部を取り囲むような塩化ビニ
ル等電気絶縁材料による枠材よりなるスペーサー1が開
発され、このスペーサーの使用によりカソード板とアノ
ード板との歪による接触を回避することができるように
なったが、一方において、スペーサーの使用によりカソ
ード板の両側と底部に電流遮蔽部を生ずるために、この
部分における電着金属の厚みが極端に薄くなり、またこ
の電流遮蔽によってスペーサー端部付近の電流密度が局
部的に高くなって、電着金属の異常析出6が起こり、こ
の異常析出金属が成長してスペーサーを包み込んで、ス
ペーサーの破損を招いたり、成長した金属がアノード板
と接触を起こしてしまうという新らたな問題が生じた
(図5(B)参照)。
【0006】本発明は、金属電解精製におけるカソード
板において、スペーサーの使用による上記した問題点を
解決し、スペーサーによるカソード板の遮蔽部の発生に
よっても電着金属の析出が品質上問題ない程度の厚さに
なるように行われ、且つスペーサーの枠先端部における
電着金属の異常析出並びに成長が起こりにくい形状のカ
ソードスペーサーを開発することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明は、枠状スペーサーの枠断面をV字状に形成
し、且つ該スペーサーに嵌込まれたカソード板面とスペ
ーサーの枠面との角度を10〜80°になるように形成
してなる電解精製用カソードスペーサーである。
【0008】
【作用】以下に本発明の詳細およびその作用についてこ
の好ましい実施態様に基づいて説明する。図1は本発明
による電解精製用カソードスペーサーの1実施態様を示
す斜視図であり、図2は図1におけるA−A断面の模式
図である。また、図3および図4はそれぞれ本発明の他
の実施態様における、図2と同様部分の模式断面図であ
る。図において1はカソードスペーサー、2はカソード
板である。またθはカソードスペーサーの枠面と挿入さ
れたカソード板面とにより形成される角度を示す。
【0009】図においても見られるように本発明のスペ
ーサー1は、カソード板2の両側部および底部を拘束す
るように枠状に形成されており、その上面開放部よりカ
ソード板をスペーサー内に挿入して使用される。スペー
サーの枠断面は基本的にV字状に形成され、V字の枠面
と挿入されたカソード板面との角度を10〜80°、好
ましくは15〜50°になるように形成されている。枠
断面が基本的にV字状に形成されるのは、カソード板が
スペーサーの枠に接しても電流を遮蔽することなくある
程度回り込ませ得る容積を設け、かつカソード板の挿
入、引上げの作業を容易にするためである。
【0010】V字の枠面と挿入されたカソード板面との
角度が10°未満では、電流が回り込み得る容積が小さ
くなり過ぎてカソード板の両側と底部における電着金属
の厚みが極端に薄くなり、また、Vの字の幅が小さくな
ってカソード板の挿入、引上げの作業の能率が悪くな
る。一方、80°を超えると、Vの字の高さが小さくな
るため、カソード板が歪によりスペーサーから外れ易く
なると共に、カソード板の挿入、引上げの作業の能率も
やはり悪くなる。3はスペーサー上端部に設けられた固
定用補強鍔であって、スペーサーの電解槽への固定と補
強とを兼ねている。スペーサー枠の底部は、図3に示さ
れるようにカソード板を挿入しやすくするための長さの
平面底部4を形成してもよく、また図4に示されるよう
にV字状枠は、カソード板2の電着応力によって先端部
が広がらないようにその外側を補強板5によって補強し
てもよい。またカソードスペーサーの構成材料には、木
製、FRP、塩化ビニル等の加工が容易な電気絶縁材料
の使用が適当である。
【0011】本発明のカソードスペーサーは、上記した
ように形成されているので、電流遮蔽部分を生ずること
がなく、従ってカソード板の両側部面にも品質上問題な
い程度の厚さになるように電着が行われるとともに、異
常析出による析出金属の部分的な成長によるアノード板
との接触を回避することができる。
【0012】
【実施例】カソード板(厚み0.9mm)の両側部およ
び底部がその端部から30mmに亘って挿入されるよう
に枠(高さ1065mm、幅830mm、厚さ55m
m)を構成した図3に示されたような本発明によるカソ
ードスペーサー(試験番号1) と、断面形円弧状、並び
に矩形状の従来のカソードスペーサー(試験番号2およ
び3、枠のカソード板挿入深さは何れも上記と同じ)の
3種類のカソードスペーサーを準備し、300tプレス
で歪矯正を行った上記のカソード板をそれぞれのカソー
ドスペーサーに挿入したもの、およびカソードスペーサ
ーを使用しないでそのままのカソード板(試験番号4)
について、ニッケル含有液を電解液として用いて、電流
密度2.3A/dmで常法によるニッケルの電解精製
を8日間行い、得られたカソード板における異常電着の
有無、電解操業中のアノード板とのショート発生率につ
いての評価試験を行った。その結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果より、スペーサーなしの場合
(試験番号4)には、カソード板に顕著な歪を発生する
ために著しくショート率が高く、またスペーサーを使用
したものであっても、従来のスペーサーを使用した場合
(試験番号2および3)は、歪の発生は防止できるとし
ても挿入部分の電流遮蔽のためにこの部分にニッケルの
異常電着を生じ、この成長部分がアノードとショートす
るためにショート率はそれほど低下しない。これに対し
て本発明のスペーサーを使用した場合(試験番号1)に
は、挿入部分におけるニッケルの異常電着は認められ
ず、勿論カソード板に歪を生ずることもないので、ショ
ートの発生は殆どないことが判る。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるときは
金属の電解精製を行うに際して、カソード板の歪発生に
よる矯正作業を行う必要がないので、電解精製の生産性
が向上するうえに、スペーサーの使用に伴う金属の異常
電着を生ずることがないために電流効率の改善、製品の
品質の向上を果たすことができる等数多くの効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカソードスペーサーの一実施態様を示
すものの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面の模式的断面図である。
【図3】本発明のカソードスペーサーの他の実施態様を
示すものの図1と同部位における模式的断面図である。
【図4】本発明のカソードスペーサーのさらに他の実施
態様を示すものの図1と同部位における模式的断面図で
ある。
【図5】従来のカソードスペーサーを示す図で、(A)
は斜視図、(B)は(A)のB部分の拡大断面図であっ
て異常電着の発生状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スペーサー枠 2 カソード板 3 固定用補強鍔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠状スペーサーの枠断面をV字状に形成
    し、且つ該スペーサーに嵌込まれたカソード板面とスペ
    ーサーの枠面との角度を10〜80°になるように形成
    してなる電解精製用カソードスペーサー。
JP5095452A 1993-03-30 1993-03-30 金属電解精製用カソードスペーサー Expired - Lifetime JP2580945B2 (ja)

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