JP6739961B2 - 部品の調芯組立て方法及びロータリ圧縮機の組立て方法並びにそれに用いられる治具 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機部品等の組立てにおいて、仮組した状態で二つの部品間寸法が適正寸法となるようにする組立て方法及びロータリ圧縮機の組立て方法並びにそれに用いられる治具に関し、特にロータリ圧縮機のシリンダとフロントヘッドの組立てに好適である。
空気調和機に使用されている圧縮機としてはレシプロ、ロータリ、スクロール型のものが知られているが、いずれもシリンダ内でピストンを回転することで冷媒の吸入と圧縮を行っている。ロータリコンブレッサではモータが回転することで、シャフトが回転し、シリンダ内のピストンが偏心回転する。それに伴って、シリンダ内に形成された圧縮室の容積を変化させてその内部の冷媒を圧縮する。したがって、ロータリ圧縮機では、圧縮室が構成されるシリンダとシリンダ内でピストンを回転させる駆動軸(シャフト)との中心が高精度に一致する必要があり、性能に大きく影響する。
つまり、シリンダ内において、ピストンとシリンダとの隙間を大きくし過ぎると、この隙間を介した冷媒の漏れ量が増大し、圧縮効率が低下してしまう。しかし、逆にピストンとシリンダとの隙間を小さくし過ぎると、各部の変形(ボルト締結による変形、圧縮動作中の熱膨張、圧縮動作中の圧力変形等)によって、ピストンとシリンダとの隙間が無くなって摺動抵抗が増大し、その結果、ピストンの損傷を引き起こしてしまう。そのため、ピストンとシリンダとの隙間を適正な大きさにしなければならず、組立時に隙間の調整管理、調芯が必要とされていた。
従来、駆動軸の軸心に対してシリンダ孔の軸心を変位させ、圧縮側に相当するシリンダ孔の内壁と駆動軸のピストン部との間の間隙を狭小とするとともに、吸入側に相当するシリンダ孔とピストンの間隙を拡大するように駆動軸に対してシリンダ孔の軸心を偏移することが行われている。また、駆動軸であるクランク軸の上偏芯部、下偏芯部にそれぞれピストンを嵌入し、主軸部、副軸部の外周面に対し、それぞれの偏芯部に嵌入されたピストンの最大外円寸法をそれぞれ上偏芯部、下偏芯部共に測定し、ピストンの最大外円寸法データに基づき、主軸受と第1シリンダを調芯して固定ボルトにて締結することが知られ、特許文献1に記載されている。
さらに、特許文献1には、複数のシリンダを有するロータリ圧縮機において、シリンダが最初に取り付けられる側の軸受けの外側壁を基準にして軸中心関係の設定を行い、この基準とした軸受側のシリンダから順次軸受けに組み込むことが記載されている。
さらに、特許文献2には、単純かつ高速・高精度で組立が出来、周辺環境への影響が少ないロータリ圧縮機の軸受同軸組立方法を得るため、主軸受と副軸受で駆動軸を支持し、
主軸受をシリンダにボルトで固定し、副軸受をシリンダにボルトが緩んだ状態で仮締めし、副軸受をクランプした後、シャフトの偏芯方向とは逆方向に副軸受を揺動させて調芯することが記載されている。
特開昭61−76790号公報 特開2010−281219号公報
上記従来技術においては、いずれもワークである二つの部品を治具により各々個別に固定し、部品間寸法に基づいて片方の移動方向を決めて調芯するように移動する。そして、移動により変動する測定値を監視しながら、組み立てる他の部品寸法情報を加味して適正位置まで移動してボルトで固定している。つまり、いずれもシリンダが取り付けられる側の軸受けの外側壁を固定して基準として軸中心関係の設定を行っている。
したがって、固定する部位である外側壁と部品間寸法を測定する部位である軸受け内壁とにおいて製作公差範囲内で製品毎に寸法バラツキがあり、また両者間の幾何公差(同芯度)も同様にバラツキがあり、部品間寸法を測定する部位である軸受け内壁の位置が外側壁の固定時に一定とはならない。また、固定治具の摩耗により、部品間寸法を測定する部位の位置が経年的に変化する。
また、一般に調芯のための移動において、移動量が大きい場合、移動速度を速くし、適正位置に近くなった時点で減速して適正位置に停止させる必要がある。したがって、測定をする器具と移動する器具との応答遅れが存在し、適正位置まで移動するのに行き過ぎて戻るという恐れがある。
さらに、移動する器具については、駆動、摺動系にバックラッシュがあり、行き過ぎて戻る挙動の場合、バックラッシュにより、駆動系は動いているが器具は動いていないことがある。このため、調芯に時間を要し、適正位置に停止させる調芯精度にも影響を及ぼしている。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、ワークである二つの部品を調芯前の部品固定時に部品間寸法が一定となるように、かつ部品間寸法が調芯後の適正寸法に近い位置になるようにし、両者間の幾何公差(同芯度)、固定治具の摩耗の影響を無くし、調芯時間を短く、調芯精度を向上させることにある。
また、他の目的は、ロータリ圧縮機のシリンダとフロントヘッドの位置を両者間の幾何公差(同芯度)、固定治具の摩耗の影響を無くして適正位置に合わせ、圧縮機としての性能向上及び性能の安定性を高めることにある。
上記目的を達成するため本発明は、部品1と部品2との内径面を適正位置に合わせて固定する部品の調芯組立て方法において、前記部品1の内径面の所定位置を測定面とし、前記測定面を測定治具1に押し付けて前記部品1を固定治具1で固定し、前記部品2は外径部をクランプしてクランプした方向に摺動可能とし、前記部品2の内径面を測定治具2に押し付けて固定治具2で固定し、前記測定治具1と前記測定治具2により、前記部品1の測定面から前記部品2の内径面までを測定した結果に基づいて、前記固定治具2に対して前記固定治具1の位置を調整するものである。
測定治具1と測定治具2により部品1の測定面から部品2の内径面までを測定する方法は、エアーマイクロを用いる方法が好ましいがこれに限定されるものではなく、触針を用いて機械的に測定治具1,測定治具2と測定面、内径面までの隙間を測定する方法を採用することもできるし、レーザ等の光を用いて測定する方法、その他、一般に隙間を測定するのに用いられる方法を採用することができる。
また、本発明は、シリンダとフロントヘッドとの内径面を適正位置に合わせて固定するロータリ圧縮機の組立て方法において、前記シリンダの内径面の最小クリアランス方向をエアーマイクロ1で測定面としてシリンダ固定治具に押し付けて前記シリンダを固定し、前記フロントヘッドの内径面をエアーマイクロ2に押し付けてヘッド固定治具で固定し、前記エアーマイクロ1と前記エアーマイクロ2により、前記シリンダの前記測定面と前記フロントヘッドの内径面とを測定した結果に基づいて、前記シリンダ固定治具に対して前記ヘッド固定治具の位置を調整するものである。
エアーマイクロ1とエアーマイクロ2により、測定面の隙間とフロントヘッド内径面の隙間を測定することにより、測定面とフロントヘッド内径面との距離、位置関係が分かることになる。これらの距離、位置関係は、シリンダとフロントヘッドの位置を調整しながら測定することができるので、最適な位置関係に容易に調整することができる。
また、上記のロータリ圧縮機の組立て方法において、前記シリンダ固定治具は、外径部側が前記シリンダの内径面に沿った曲率で前記最小クリアランス方向に切り開かれているクランプ受け座を有し、前記シリンダは前記クランプ受け座に押し付けられて固定されることが望ましい。
さらに、上記のロータリ圧縮機の組立て方法において、前記エアーマイクロ1は、前記シリンダ内径面の最小クリアランス方向と共に、低圧室側隙間、高圧室側隙間が測定可能となっていることが望ましい。
さらに、上記のロータリ圧縮機の組立て方法において、前記ヘッド固定治具は、前記フロントヘッドを最小クリアランス方向で外径部をV字に挟み込み、反対方向からプレートで押し付けて固定することが望ましい。
さらに、上記のロータリ圧縮機の組立て方法において、前記ヘッド固定治具は、最小クリアランス方向へ摺動可能とされ、前記フロントヘッドの内径面が前記エアーマイクロ2へ押し付けられて固定されることが望ましい。
さらに、上記のロータリ圧縮機の組立て方法において、前記エアーマイクロ2は、前記フロントヘッド内径面の最小クリアランス方向と共に、低圧室側隙間、高圧室側隙間が測定可能となっていることが望ましい。
さらに、上記のロータリ圧縮機の組立て方法において、前記シリンダ固定治具は、前記ヘッド固定治具に対し位置調整が可能な機構であり、予め調芯適正位置に対し最小クリアランスが小さくなるよう固定されることが望ましい。
また、本発明は、シリンダとフロントヘッドとを個別に固定し、それぞれの内径面を適正位置に合わせて固定するロータリ圧縮機の組立て治具であって、前記シリンダの内径面を測定するエアーマイクロ1と、前記フロントヘッドの内径面を測定するエアーマイクロ2と、前記シリンダの内径面の最小クリアランス方向をエアーマイクロ1の測定面に押し付けて前記シリンダを固定するシリンダ固定治具と、前記フロントヘッドを最小クリアランス方向で外径部をV字に挟み込み、反対方向からプレートで押し付けて固定するクランプと、前記クランプをクロスローラガイド機構により最小クリアランス方向に摺動可能とし、前記フロントヘッドの内径面を前記エアーマイクロ2に押し付けて固定するヘッド固定治具と、を備えたものである。
さらに、上記のロータリ圧縮機の組立て治具において、外径部側が前記シリンダの内径面に沿った曲率で最小クリアランス方向に切り開かれ、前記エアーマイクロ1より外径部側にやや突出したクランプ受け座を備えたことが望ましい。
本発明によれば、部品1の測定面を測定治具1へ押し付けて固定治具1に固定し、部品2はクランプした方向に摺動可能として内径面を測定治具2に押し付け、測定治具1と測定治具2により、部品1の測定面から部品2の内径面までを測定して、固定治具1の位置を調整する。これにより、二つの部品は、部品間寸法である部品1の測定面から部品2の内径面までが確実に測定されかつ、部品の公差、例えば部品2の外径部と内径面の同芯度、外径部の大小に影響されず適性位置に合わせることができる。
特に、シリンダとフロントヘッドとの内径面を適正位置に合わせて固定するロータリ圧縮機の組立て方法において、シリンダの内径面の最小クリアランス方向をエアーマイクロ1の測定面としてシリンダ固定治具に押し付けて固定し、フロントヘッドの内径面をエアーマイクロ2に押し付けてヘッド固定治具で固定し、エアーマイクロ1とエアーマイクロ2により、シリンダの測定面からフロントヘッドの内径面までを測定して、ヘッド固定治具に対してシリンダ固定治具の位置を調整する。これにより、シリンダとフロントヘッドは、部品間寸法であるシリンダの測定面からフロントヘッドの内径面までが確実に測定されかつ、部品の公差、例えばフロントヘッドの外径部と内径面の同芯度、外径部の大小に影響されず適性位置に合わせることができる。
以上により、二つの部品、例えば、ロータリ圧縮機のシリンダとフロントヘッドの位置を両者間の幾何公差(同芯度)、固定治具の摩耗の影響を無くして適正位置に合わせることができる。
本発明の実施形態に係わるロータリ圧縮機の縦断面図 図1のII−II断面の一部拡大図 一実施形態における駆動軸、ピストン、シリンダ、フロントヘッドを組み立てた関係を示す縦断面図及び一部拡大断面図 一実施形態において、シリンダの内径面にエアーマイクロを設置した状態を示す縦断面図及び一部拡大断面図 一実施形態における駆動軸+ピストン本体の寸法の算出を示す説明図 一実施形態におけるシリンダの固定方法を示す一部拡大断面図 一実施形態におけるヘッド固定治具を示す平面図 一実施形態におけるシリンダ、フロントヘッドをそれぞれの固定治具で固定した後に組み合わせた状態を示す縦断面図 一実施形態におけるシリンダ固定治具の組み立てた状態を示す斜視図 シリンダ固定治具60の分解した状態を示す斜視図
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1はロータリ圧縮機の縦断面図、図2は図1のII−II断面の一部拡大図であり、ロータリ圧縮機1は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示省略)に接続され、冷媒を圧縮するものである。図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、ケーシング10と、該ケーシング10内に収納された圧縮機構30と電動機20とを備えている。ロータリ圧縮機1は、圧縮機構30において圧縮された冷媒がケーシング10の内部空間S1に吐出され、内部空間S1が高圧となる所謂高圧ドーム型に構成されている。
ケーシング10は、上下方向に延びる円筒状の胴部11と、該胴部11の上端を閉塞する上部鏡板12と、該胴部11の下端を閉塞する下部鏡板13とを備えている。胴部11の下部には、吸入管14が設けられ、上部鏡板12には、吐出管15と電動機20へ電力を供給するターミナル16とが設けられている。また、下部鏡板13の内部には、圧縮機構30の各摺動部を潤滑するための油が貯留された油溜まり部17が形成されている。
電動機20は、ケーシング10内において、胴部11の上部に配置されている。電動機20は、胴部11内に固定されたステータ21と、そのステータ21の内側に配置されたロータ22とを備えている。圧縮機構30は、ケーシング10内において、電動機20の下方に配置されている。圧縮機構30は、駆動軸31、シリンダ32、フロントヘッド33、リアヘッド34、及びピストン35を備えている。
駆動軸31は、上下方向に延びるように配置されている。駆動軸31の上部は、電動機20のロータ22に連結されている。一方、駆動軸31の下部は、上から下に向かって順に、主軸部31aと偏心部31bと副軸部31cとを有している。偏心部31bは、駆動軸31の軸心に対して偏心しており、主軸部31a及び副軸部31cよりも大径に形成されている。
シリンダ32は、略円筒状に形成され、その軸が上下方向に延びるように配置されている。このシリンダ32には、駆動軸31の偏心部31bが挿入されている。フロントヘッド33は、シリンダ32の上端にボルト52で締結されている。フロントヘッド33には、駆動軸31の主軸部31aを回転自在に支持する円筒状の主軸受部33aが形成されている。このフロントヘッド33は、シリンダ32とピストン35との間に形成される圧縮室40の上端を閉塞する。
ピストン35は、シリンダ32内に配置され、ピストン35は、ピストン本体35aとブレード35bとを有している。ピストン本体35aは、略円筒状に形成され、内部に駆動軸31の偏心部31bが摺動可能に嵌め込まれている。このピストン本体35aは、駆動軸31が回転することによって偏心回転する。
ブレード35bは、ピストン本体35aに一体に形成され、ピストン本体35aの外周面から径方向外方へ突出している。このブレード35bは、シリンダ32の内周面から径方向外方へ延びるブッシュ溝41に設けられた一対の揺動ブッシュ42a、42bに挟み込まれており、圧縮室40を低圧室40aと高圧室40bとに区画している。
また、シリンダ32には、吸入通路43が形成されている。吸入通路43は、シリンダ32の内周面と外周面との間に貫通形成されており、その外周端(流入端)が吸入管14に接続され、その内周端(流出端)が低圧室40aに開口している。
また、シリンダ32には、吐出ポート44が形成されている。吐出ポート44は、高圧室40bに開口し、さらに、ケーシング10の内部空間S1に開口するフロントヘッド33内の吐出通路(図示省略)に連通している。フロントヘッド33には、この吐出通路を開閉するための吐出弁(図示省略)が設けられている。
調芯の概要を説明する。図3は、駆動軸31、ピストン本体35a、シリンダ32、フロントヘッド33の組み立てた関係を示す縦断面図及び一部拡大断面図であり、ピストン本体35aと駆動軸31とは偏芯しているので、まず、駆動軸31+ピストン本体35aの寸法を算出する。次に、シリンダ32とフロントヘッド33を組合せた状態でエアーマイクロ62、63(図4参照)に挿入する。そして、調芯を必要とするシリンダ32とフロントヘッド33との部品間寸法を測定する位相と固定する方向を図3のように所定の位相にする。
図4は、シリンダ32の内径面にエアーマイクロ62、63を設置した状態を示す縦断面図及び一部拡大断面図であり、エアーマイクロ62、63は、最小クリアランスCP、低圧室側隙間BL2、高圧室側隙間BL1の各測定面に対向して測定ノズルが設けられ、定圧装置から空気流を供給して測定面との間のすきまの微少変化による抵抗を空気の圧力、流量または流速の変化としてとらえて寸法を測定する。
次に、シリンダ32の内径面にエアーマイクロ62、63設置し、部品間寸法として最小クリアランスCP、低圧室側隙間BL2、高圧室側隙間BL1を図4のように測定する。調芯テーブルとして例えば、フロントヘッド33側を移動させ、最小クリアランスCP、低圧室側隙間BL2、高圧室側隙間BL1が適正位置となるように調芯する。調芯が完了後、シリンダ32とフロントヘッド33をボルト52で締め付けて固定する。
フロントヘッド33側を移動するとき、単に、外径部でクランプすると、フロントヘッド33の内外径公差違い、同芯度違い、治具摩耗などにより、シリンダ32、フロントヘッド33の両方をクランプした時、ワークの測定部位の位置がずれる。したがって、最小クリアランスCP、低圧室側隙間BL2、高圧室側隙間BL1の各測定値にバラツキが発生し、調芯移動量もバラツキとなる。
図5は、駆動軸31+ピストン本体35aの寸法の算出を示す説明図であり、駆動軸31、ピストンブレード35bを個別に測定したのでは、個々の測定時と駆動軸31が実際に回転した状態で誤差を生じるので、シリンダ32とフロントヘッド33を組合せた状態で測定する。つまり、駆動軸31を回転させてピストンブレード35bが最左、中間、最右となるようにピストン位相を変更して駆動軸31+ピストン本体35aの寸法を測定する。
図6はシリンダ32の固定方法を示す一部拡大断面図であり、シリンダ32の内径面をシリンダ固定治具60(図10参照)に押し付けて固定する。図9はシリンダ固定治具60の組み立てた状態を示す斜視図、図10はシリンダ固定治具60の分解した状態を示す斜視図である。シリンダ固定治具60は、下台64にシリンダ32の内径面を測定するエアーマイクロ62、フロントヘッド33の内径面を測定するエアーマイクロ63(図10参照)が一体に形成されている。上台66には、エアーマイクロ62より外径側にやや突出してクランプ受け座61が設けられている。
エアーマイクロ62は、シリンダ32の内径面で最小クリアランスCP、低圧室側隙間BL2、高圧室側隙間BL1の測定面の寸法が測定できれば良く、それぞれに対応した位置にノズルが設けられ、内径面までの距離が測定される。同様に、エアーマイクロ63は、フロントヘッド33の内径面までの距離が測定できるようにノズルが設けられる。なお、エアーマイクロ62、エアーマイクロ63として説明しているが、図10のように複合化すれば良い。
図6に示すようにエアーマイクロ62は、図のように最小クリアランスCP方向に切り欠きが設けられ、切り欠きにクランプ受け座61が上台66(図10参照)に設置されている。クランプ受け座61は、外径部側がシリンダ32の内径面に沿った曲率で最小クリアランスCP方向に切り開かれている。これにより、シリンダ32の最小クリアランスCP方向の寸法変化をエアーマイクロ62によって測定可能となっている。
また、クランプ受け座61の半径方向の外周面は、エアーマイクロ62の外周面に対して最小クリアランスCPの値に近く、やや小さい値となるように突き出している。これにより、シリンダ32を適正位置に近づけることになるので、位置調整のための移動量を最小となるように設定でき、移動機構の移動誤差を少なくし精度向上を図ることができる。さらに、移動機構の移動方向も常に同一方向とすることが可能となり、移動機構のバックラッシュ等を避けて、より一層の精度向上を図ることができる。
そして、シリンダ32はシリンダークランプ(図示せず:矢印のみ)によって測定面である最小クリアランスCP方向にクランプ受け座61へ押し付けられて固定される。したがって、シリンダ32の最小クリアランスCPの測定面の位置は、シリンダ32の内径及び外径の大小に関わらず一定となる。
エアーマイクロ62は、測定ポイントとして、最小クリアランスCP測定面以外に、低圧室側隙間BL2の測定面、高圧室側隙間BL1の測定面に対向したノズルを有している。低圧室側隙間BL2の測定面、高圧室側隙間BL1の測定面の位置は、シリンダ32の内径の大小によって、均等に変化する。
図7は、フロントヘッド33を固定するヘッド固定治具70を示す平面図であり、図で右側の最小クリアランスCP方向は外径部をV字部で挟み込み、180度反対方向となる左側からクランプ用シリンダ74によりプレート75で押し付けてクランプ71に固定される。フロントヘッド゛33を固定する右側のV形状の治具は倣い機構を備えており、固定時は治具のV形状の2点、左側1点の3点にて両側より完全に固定される。
クランプ71全体は、クロスローラガイド72により最小クリアランスCP方向と同一であるクランプ方向に摺動可能とされ、フロントヘッド33の内径面がエアーマイクロ63に引張りバネ73によって押し付けられて固定される。したがって、フロントヘッド33の最小クリアランスCPの測定面の位置は、シリンダ32が押し付けられた位置に対して180度反対となる。また、フロントヘッド33はシリンダークランプ(図示せず:矢印のみ)によって測定面である最小クリアランスCP方向に押し付けられて固定され、フロントヘッド33の内径及び外径の大小、クランプされている外径部と測定される内径面、つまり実際に摺動する部分との同芯度の違いに関わらず一定となる。
上記により、シリンダ32、フロントヘッド33を固定する時にはそれぞれの測定する面に治具を押し付け固定しているため、従来の問題であった部品の製作公差違い、及びクランプする面と測定する面との幾何公差違い、そしてクランプする治具の摩耗により発生する部品間寸法のバラツキは生じない。
また、フロントヘッド33を固定する治具は、シリンダ32を固定する治具に対し位置調整が可能な機構にし、予め調芯適正位置に対し近い位置で且つ最小クリアランスCPが小さくなるよう位置調整を行って固定しておく。これにより、調芯前の固定時に、すでに部品間寸法が適正な位置近くに設定され、調芯のために移動させる量を小さくして移動機構の送り量の大きさによって大きくなる誤差、位置精度を向上できる。
さらに、最小クリアランスCPが小さくなるよう位置調整を行うことで、調芯する移動方向が一定となり、移動機構の移動方向の違いにより発生する移動量の差異、バックラッシュの影響を避けることができる。
図8は、シリンダ32、フロントヘッド33、それぞれの固定治具で固定した後に組み合わせた状態を示す縦断面図であり、この状態で適正位置までの移動量を算出し、移動機構を数値制御装置により適正位置に移動する。移動後、エアーマイクロ62、63にて最小クリアランスCP、低圧室側隙間BL2、高圧室側隙間BL1を確認し、シリンダ32とフロントヘッド33をボルト52で締結して固定する。
以上によれば、圧縮機としての性能向上及び性能の安定性に大きく影響するシリンダ32、フロントヘッド33との部品間寸法である最小クリアランスCP、低圧室側隙間BL2、高圧室側隙間BL1の寸法を、部品ごとの寸法バラツキ、幾何公差(同芯度)の違いなどに関わらず、最終的にシリンダ32、フロントヘッド33を固定することで一定値とすることができる。また、フロントヘッド33を固定するヘッド固定治具70の磨耗の影響も避けることができる。
クランプ受け座61を設けることにより、予めシリンダ32を適正位置に近づけることができ、位置調整のための移動量を最小とし、移動機構の精度向上を図ることができ、移動機構の移動方向も常に同一方向とし、バックラッシュ等を避けて、より一層の精度向上を図ることができる。
1…ロータリ圧縮機、10…ケーシング、11…胴部、12…上部鏡板、13…下部鏡板、14…吸入管、15…吐出管、16…ターミナル、17…油溜まり部、21…ステータ、20…電動機、22…ロータ、30…圧縮機構、31…駆動軸、31a…主軸部、31b…偏心部、31c…副軸部、32…シリンダ、33…フロントヘッド、33a…主軸受部、34…リアヘッド、35…ピストン、35a…ピストン本体、35b…ブレード、40…圧縮室、40a…低圧室、40b…高圧室、41…ブッシュ溝、42a、42b…揺動ブッシュ、43…吸入通路、44…吐出ポート、52…ボルト、CP…最小クリアランス、BL2…低圧室側隙間、BL1…高圧室側隙間、60…シリンダ固定治具、61…クランプ受け座、62、63…エアーマイクロ、64…下台、65…中台、66…上台、70…ヘッド固定治具、71…クランプ、72…クロスローラガイド、73…引張りバネ、74…クランプ用シリンダ、75…プレート

Claims (8)

  1. シリンダとフロントヘッドとの内径面を適正位置に合わせて固定するロータリ圧縮機の組立て方法において、
    前記シリンダの内径面の最小クリアランス方向をエアーマイクロ1の測定面に押し付けて前記シリンダをシリンダ固定治具固定し、
    前記シリンダ固定治具は、前記最小クリアランス方向に切り開かれているクランプ受け座を有し、前記シリンダは前記クランプ受け座に押し付けられて固定され、
    前記フロントヘッドの内径面をエアーマイクロ2に押し付けてヘッド固定治具固定し、
    前記エアーマイクロ1と前記エアーマイクロ2により、前記シリンダの前記測定面と前記フロントヘッドの内径面とを測定した結果に基づいて、前記シリンダ固定治具に対して前記ヘッド固定治具の位置を調整することにより、前記シリンダ固定治具に固定された前記シリンダと、前記ヘッド固定治具に固定された前記フロントヘッドの位置を調整することを特徴とするロータリ圧縮機の組立て方法。
  2. 前記エアーマイクロ1は、前記シリンダ内径面の最小クリアランス方向と共に、低圧室側隙間、高圧室側隙間が測定可能となっていることを特徴とする請求項に記載のロータリ圧縮機の組立て方法。
  3. 前記ヘッド固定治具は、前記フロントヘッドを最小クリアランス方向で外径部をV字に挟み込み、反対方向からプレートで押し付けて固定することを特徴とする請求項1または2に記載のロータリ圧縮機の組立て方法。
  4. 前記ヘッド固定治具は、最小クリアランス方向へ摺動可能とされ、前記フロントヘッドの内径面が前記エアーマイクロ2へ押し付けられて固定されることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のロータリ圧縮機の組立て方法。
  5. 前記エアーマイクロ2は、前記フロントヘッド内径面の最小クリアランス方向と共に、低圧室側隙間、高圧室側隙間が測定可能となっていることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のロータリ圧縮機の組立て方法。
  6. 前記ヘッド固定治具は、前記シリンダ固定治具に対し位置調整が可能な機構であり、予め調芯適正位置に対し最小クリアランスが小さくなるよう固定されることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のロータリ圧縮機の組立て方法。
  7. シリンダとフロントヘッドとを個別に固定し、それぞれの内径面を適正位置に合わせて固定するロータリ圧縮機の組立て治具であって、
    前記シリンダの内径面を測定するエアーマイクロ1と、
    前記フロントヘッドの内径面を測定するエアーマイクロ2と、
    前記シリンダの内径面の最小クリアランス方向をエアーマイクロ1の測定面に押し付けて前記シリンダを固定するシリンダ固定治具と、
    前記フロントヘッドを最小クリアランス方向で外径部をV字に挟み込み、反対方向からプレートで押し付けて固定するクランプと、
    前記クランプをクロスローラガイド機構により最小クリアランス方向に摺動可能とし、前記フロントヘッドの内径面を前記エアーマイクロ2に押し付けて固定するヘッド固定治具と、
    を備えたことを特徴とするロータリ圧縮機の組立て治具。
  8. 小クリアランス方向に切り開かれ、前記エアーマイクロ1より外径部側にやや突出したクランプ受け座を備えたことを特徴とする請求項に記載のロータリ圧縮機の組立て治具。
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