JP6739734B2 - 浚渫装置 - Google Patents
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Description
また、本発明は、燃料プール内に広範囲に亘って堆積する瓦礫等の被回収物を繊細な操作によって回収することができる浚渫装置を提供することを課題とする。
本発明の好ましい形態では、被回収物を回収する浚渫部と、前記浚渫部により回収された前記被回収物を収容する収容部と、を備え、前記浚渫部及び前記収容部は、水面に浮遊するためのフロートを有していることを特徴とする。
このように、収容部のフロート内部を複数個の密閉空間に仕切ることにより、作業中に何らかの損傷を受けた場合にも、空間同士が互いに独立しているため、内部に水が浸入し浮力の低下が全体に及ぶことを抑制し、フロート全体の空気が抜けることを防止することができる。
このように、吸引部に圧縮空気を注入することで、吸引部の内側の水と空気の混合流体と周辺の水とで密度差が生じ、周辺の水が開口部から入り込み上向きの流れが発生し水面方向に吸い上げられる。この吸い上げられる力を利用することで、水中に存在する被回収物を回収することができる。
このように、蛇腹管が誘導部に接続され、直管から被回収物を吸引する構成では、蛇腹管の伸縮性を利用することにより、収容部を動かさずとも容易に吸引位置を調整することができる。
このように、誘導部と直管にそれぞれ別のフロートが設けられていることで、吸引部を自由に動かすことができる上、排水位置となる蛇腹管と誘導部の接続位置を固定しておくことができ、吸引部の吸引力に与える影響を最小限に抑えることができる。
このように、被回収物が収容される収容かごと、その収容かごの受箱を別体とし、複数の孔を有することにより、水と被回収物を分離することができるため、水を排出し、被回収物のみを取り出すことができる。さらに、収容かごの下にかご受箱があることで、収容かごは被回収物が入る最低限の大きさであれば良く、クレーン等で楊重する際にも扱いやすく、危険な作業を最小限に抑えることができる。
このように、収容部を囲うように水濁防止カーテンを設けることで、吸い上げられた被回収物と水の勢いによって収容部周辺が水濁する現象をカーテンの範囲内で抑えることができるため、吸引口周辺をクリアな状態で確認することができる。
このように、吊り金具を有することによりクレーン等を用いて遠隔操作で浚渫部と収容部を作業開始位置まで運搬し、位置の調整が可能となる。
このように、係止部が設けられていることにより、浚渫部を係止部に係止した状態で収容かごのみを取出すことが可能となり、作業位置から浚渫装置を移動させることなく作業を継続することができる。
このように、誘導部が空気排出管と空気抜きを有していることにより、吸引部により回収される被回収物及び水と空気とを分離することができ、被回収物がスムーズに排出される。
浚渫部1及び収容部2は、それぞれ別体として水面に浮遊し、水中での作業を可能とするためのフロートを有している。
フランジ付継手114下方には、吸引部11の移動と着脱及び浚渫装置Dの移動を遠隔操作で行うための吸引部吊り金具31とフロート取付部116が設けられている。
なお、操作アーム4が接続するプレート115は、吸引口117の位置を調整することが目的であるため、吸引口117の近くに設けることで、より繊細な操作が可能となる。
また、直管112の先端部(吸引口117付近)には、略台形に形成された邪魔板121が周壁に一定の間隔で配置され、対象の被回収物Cにより設定された粒径範囲の上限値よりも安全率分大きな通路122a、122bを備えている。
制限範囲は、実験や数値計算により回収可能な条件を見出して設定すると良い。なお、本発明はモックアップ試験により直管112の内径200ミリメートル、揚程7メートルの条件において粒径100ミリメートル程度の瓦礫を吸い上げることが確認されている。
第一の条件は直管112の内径であり、第二の条件は邪魔板121の配列である。直管112の内径は、粒径範囲の上限値の2倍以上の寸法にすることが好ましい。なお、この条件は直管112の内径の好ましい設計一例であって、直管の内径は粒径範囲の上限値の2倍以上の寸法に限定されるものではない。
第一の条件は直管112の中央部では、直管112の軸心方向に突出して配置されている邪魔板121の内側に粒径範囲の上限値よりも設定された安全率分、大きな直径を備えた一点鎖線で示す通路122a(図6(a)参照)が形成されるという条件である。
第二の条件は直管112の内周に、周方向に隣接して配置された邪魔板121同士の間に、前述の通路122aと同様の直径を備えた二点鎖線で示す通路122b(図6(a)参照)が形成されるという条件である。
さらに、回収物誘導管133に被回収物C及び水と共に導入されている空気を上方に抜くための空気排出管135と、空気排出管135を通って誘導部13の上方に流れる空気を図7の破線矢印に示すように誘導部13の外へ排出する補助となる空気抜き136が設けられている。
本実施形態では、収容かご21及び収容かご受箱22は、略直方体形状に形成されているが、収容かご受箱22に収容かご21が出し入れしやすい適切な隙間を確保して収まるような形状であれば、略円柱形等の任意な形状を選択することができる。
なお、メッシュプレート212及びパンチプレート222の孔のサイズとピッチは、吸引部11より吸い込まれた水が障害を受けることなく流れ出るように配置される。
吊り金具3は、浚渫装置Dの構成要素のうち、別体として独立して移動可能な部位に設けられており、吸引部吊り金具31、誘導部吊り金具32、収容かご吊り金具33、収容かご受箱吊り金具34、水濁防止カーテン吊り金具35により構成されている。吊り金具3は、図1及び図2に示す位置に設けられているが、重さのバランス等を考慮して適当な場所に設けることができる。
本実施形態に係る浚渫装置Dをクレーン装置G等で遠隔操作をする際に使用する牽引用のロープは、水中に落ちることが容易に想定できるため、浚渫装置Dの移送に耐えることが可能である耐力を有し、水に浮くポリエステルやポリエチレン、ポリプロピレン等の材質で作られているものを使用することが好ましい。
さらに、収容部2が水面に浮遊し、被回収物Cと水を分離可能な孔を有しているため、被回収物Cと同時に回収される水は、そのままプール内に排出することができる。
これらのフロートによる浮力を活用することにより、水面に浮遊後は、浚渫装置D全体の移動を全て吸引部吊り金具31を用いた操作により行うことができる。
このような構造にすることで、吸引部11と空気供給管12のみにより被回収物Cを吸引して回収することができる極めて簡単な構造となる。なお、ポンプ等の電力を要する機械等を採用することも考えられるが、吸引部11を採用することにより故障が少なく水中での作業に適した装置を実現することができる。
被回収物Cを収容かご21から排出する際は、収容かご21のみを移動し、中身を取り出してから元に戻すことにより続けて作業を行うことができる。収容かご21を小型にすることで、より安全に被回収物Cを別の場所に移す作業が可能となり、さらにより省力で作業が可能となるため、作業時間の短縮が期待できる。なお、収容かご21を取り出す際には、浚渫部1を先に取り外す必要があり、その際に係止部237に誘導部13を係止することにより、浚渫装置Dを移動させずに作業を継続することができる。
フロート内部を隔壁225又は仕切り板238を用いて複数個の密閉空間に仕切ることにより、作業中に何らかの損傷を受けた場合にも、空間同士が互いに独立しているため、空気の漏れが全体に及ぶことを抑制し、フロート全体の空気が抜けることを防止することができる。
さらに、水濁防止カーテン23を設けることにより、水中での吸引作業に係る収容部2下方の水濁を抑制することができる。水濁により水中の様子が不明瞭になると、危険が伴うため、水濁防止カーテン23を水濁の影響範囲である収容部2を囲むように設け、さらに独立して浮遊可能にすることにより、作業効率と安全性の向上を図ることができる。
C 被回収物
G クレーン装置
W 水面
L 吸引管接続部中心位置
1 浚渫部
2 収容部
3 吊り金具
4 操作アーム
11 吸引部
12 空気供給管
13 誘導部
21 収容かご
22 収容かご受箱
23 水濁防止カーテン
31 吸引部吊り金具
32 誘導部吊り金具
33 収容かご吊り金具
34 収容かご受箱吊り金具
35 水濁防止カーテン吊り金具
111 蛇腹管
112 直管
113 第1フロート
114 フランジ付継手
115 プレート
116 フロート取付部
117 吸引口
118 空気供給部
119 空気供給口
121 邪魔板
122a、122b 通路
131 吸引管接続部
132 第2フロート
133 回収物誘導管
134 回収物排出口
135 空気排出管
136 空気抜き
211 かご枠
212 メッシュプレート
221 かご受箱枠
222 パンチプレート
223 第3フロート
224 開口部
225 隔壁
231 カーテン
232 第4フロート
233 カーテンレール
234 カーテンリング
235 カーテン止
236 固定棒
237 係止部
238 仕切り板
Claims (8)
- 吸引口が設けられた吸引部を有し、被回収物を回収する浚渫部と、
前記浚渫部により回収された前記被回収物を収容する収容部と、を備え、
前記浚渫部の一端部が前記収容部に取り出し可能に収納されていることにより、前記浚渫部と前記収容部とが連結され、
前記浚渫部及び前記収容部のそれぞれには、これらを個々に水面に浮遊させるためのフロートが設けられ、
前記浚渫部に設けられたフロートの浮力により、前記浚渫部の前記吸引口を被回収物から所定間隔に保持する構成としたことを特徴とする、浚渫装置。 - 前記収容部のフロートは、その内部に隔壁が設けられていることで、互いに独立した複数の密閉空間が形成され、
前記浚渫部は、前記吸引部に圧縮空気を注入する空気供給管と、前記吸引部により吸引された前記被回収物を前記収容部に誘導する誘導部と、を有し、
前記吸引部は、前記吸引口を有する直管と、この直管に連結され前記誘導部に接続される伸縮可能な蛇腹管と、を有し、水面より高い位置で前記誘導部と接続され、
前記浚渫部のフロートは、前記直管に取り付けられた第1フロートと、前記誘導部に取り付けられた第2フロートと、を有していることを特徴とする、請求項1に記載の浚渫装置。 - 前記浚渫部及び前記収容部を移動させるための吊り金具と、吸引位置を操作する操作アームと、前記吸引位置周辺の状況を確認するカメラと、をさらに備え、
遠隔操作によって、前記浚渫部及び前記収容部の移動と着脱及び吸引操作が可能な構成にされていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の浚渫装置。 - 前記吸引部の内部には、前記吸引口の開口端近傍に配置される邪魔板が設けられ、
前記邪魔板は、前記吸引部の内周壁から前記吸引部の軸心に向かって突出して設けられていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の浚渫装置。 - 前記邪魔板は、前記吸引部の内部に複数設けられ、
前記複数の邪魔板は、前記吸引部の軸心を中心として放射状に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の浚渫装置。 - 前記収容部は、前記被回収物を収容する収容かごと、前記収容かごの外側に設けられた収容かご受箱と、を有し、
前記収容かご及び前記収容かご受箱には、前記被回収物と水を分離可能な複数の孔が設けられていることを特徴する、請求項1〜5の何れかに記載の浚渫装置。 - 前記収容部は、前記収容部の下方を囲う水濁防止カーテンをさらに備えていることを特徴とする、請求項6に記載の浚渫装置。
- 前記収容部の外周には、この収容部から前記浚渫部を取り出した際に、この浚渫部が係止される係止部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の浚渫装置。
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