JP6738811B2 - 植物病害防除組成物及び植物病害防除方法 - Google Patents

植物病害防除組成物及び植物病害防除方法 Download PDF

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Description

本特許出願は、日本国特許出願2015−158975号(2015年8月11日出願)および日本国特許出願2015−253224号(2015年12月25日出願)に基づくパリ条約上の優先権および利益を主張するものであり、ここに引用することによって、上記出願に記載された内容の全体が、本明細書中に組み込まれるものとする。
本発明は、植物病害防除組成物及び植物病害防除方法に関する。
従来から、植物病害防除組成物の有効成分として、多くの化合物が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
国際公開第95/27693号 国際公開第2012/169516号
本発明は、植物病害に対する優れた防除効力を有する組成物及び植物病害防除方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、植物病害に対する優れた防除効力を有する組成物及び植物病害防除方法を見出すべく検討の結果、下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示されるアゾール化合物とを含有する組成物が、植物病害に対して優れた防除効力を有することを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 下記式(1)
Figure 0006738811
で示される化合物と、
下記式(2)
Figure 0006738811
〔式中、
は、C1〜C6アルキル基を表し、
は、水素原子、C1〜C3アルキル基、C2〜C3アルケニル基またはC2〜C3アルキニル基を表し、
Aは、窒素原子またはメチン基を表し、
は、ハロゲン原子を表し、そして
nは0または1を表す。〕
で示されるアゾール化合物とを含有する植物病害防除組成物。
[2] 前記式(2)で示される化合物が、下記式(2a)
Figure 0006738811
〔式中、
は、塩素原子、フッ素原子または水素原子を表す。〕
で示される化合物である、[1]に記載の植物病害防除組成物。
[3] 前記式(2a)で示される化合物が、当該式(2a)において、Yが塩素原子である化合物である、
[2]に記載の植物病害防除組成物。
[4] 前記式(1)で示される化合物と前記式(2)で示される化合物との重量比が、1:0.0125〜1:500の範囲である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の植物病害防除組成物。
[5] 下記式(1)
Figure 0006738811
で示される化合物と、
下記式(2)
Figure 0006738811
〔式中、
は、C1〜C6アルキル基を表し、
は、水素原子、C1〜C3アルキル基、C2〜C3アルケニル基またはC2〜C3アルキニル基を表し、
Aは、窒素原子またはメチン基を表し、
は、ハロゲン原子を表し、そして
nは0または1を表す。〕
で示されるアゾール化合物との有効量を植物または植物を栽培する土壌に処理する工程を含む植物病害防除方法。
[6] 植物又は植物を栽培する土壌に処理する工程が、種子に処理する工程である、[5]記載の有害生物防除方法。
[7] 下記式(1)
Figure 0006738811
で示される化合物と、
下記式(2)
Figure 0006738811
〔式中、
は、C1〜C6アルキル基を表し、
は、水素原子、C1〜C3アルキル基、C2〜C3アルケニル基またはC2〜C3アルキニル基を表し、
Aは、窒素原子またはメチン基を表し、
は、ハロゲン原子を表し、そして
nは0または1を表す。〕
で示されるアゾール化合物との組合せの使用。
本発明により、植物病害を防除することができる。
本発明の植物病害防除組成物(以下、本発明組成物と記す。)は、前記式(1)で示される化合物(以下、本化合物1と記す。)と、前記式(2)で示されるアゾール化合物(以下、本化合物2と記す。)とを含有する。
本明細書における置換基について説明する。
本明細書において、例えば「C1〜C3」とは、炭素原子数が1乃至3であることを意味する。
本明細書において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を表す。
本明細書において、C1〜C6アルキル基とは、炭素数が1乃至6個の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、およびヘキシル基が挙げられる。また、本明細書におけるC1〜C3アルキル基とは、炭素数が1乃至3個の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基が挙げられる。
本明細書において、C2〜C3アルケニル基とは、炭素数が2乃至3個の直鎖状または分岐鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、および2−プロペニル基が挙げられる。
本明細書において、C2〜C3アルキニル基とは、炭素数が2乃至3個の直鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、および2−プロピニル基が挙げられる。
まず、本化合物1について説明する。
本化合物1は、例えば、国際公開第95/27693号に記載された化合物であり、これに記載の方法により製造することができる。
次に、本化合物2について説明する。
前記式(2)におけるRとしては、C1〜C4アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましく、メチル基がさらに一層好ましい。
前記式(2)におけるRとしては、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
nが1である場合、Yの結合位置に制限はないが、4−置換ベンジル基となる位置であることが好ましい。
本化合物2は、例えば、国際公開第2012/169516号に記載されている。本化合物2は公知の方法により製造することができる。
本化合物2としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
下記式(2a)
Figure 0006738811
〔式中、
は、塩素原子、フッ素原子または水素原子を表す。〕で示される化合物。
前記式(2a)において、Yが塩素原子である化合物(以下、本化合物2−1と記す)。
前記式(2a)において、Yがフッ素原子である化合物(以下、本化合物2−2と記す)。
前記式(2a)において、Yが水素原子である化合物(以下、本化合物2−3と記す)。
なお、本化合物2には、シクロペンタン環に結合している有機基の立体配置に基づくエナンチオマー及びジアステレオマーが存在する。したがって、本化合物2は、これら異性体を単独で含むもの、及び、各異性体を任意の比率で含むもの(例えば、ラセミ混合物またはジアステレオマー混合物)の何れであってもよい。中でも、シクロペンタン環に結合しているヒドロキシ基と−Rとがシス型である本化合物2が好ましく、シクロペンタン環に結合しているヒドロキシ基と、−Rと、置換または無置換のベンジル基とがシス型である本化合物2がさらに好ましい。
本化合物2に存在する光学異性体の具体例を表1〜3に示す。
Figure 0006738811
Figure 0006738811
Figure 0006738811
本発明組成物における本化合物1と本化合物2との重量比は、通常、1:0.0125〜1:500、好ましくは1:0.025〜1:100、より好ましくは1:0.1〜1:10である。
本発明組成物は、本化合物1と本化合物2との混合物そのものでもよいが、本発明組成物は、通常、本化合物1、本化合物2及び不活性担体を混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化された製剤である。かかる製剤は、そのまままたはその他の不活性成分を添加して植物病害防除剤として使用することができる。
本発明組成物には、本化合物1及び本化合物2がこれらの合計として、通常0.1〜99重量%、好ましくは0.2〜90重量%、さらに好ましくは1〜80重量%含有される。
製剤化の際に用いられる不活性担体としては、固体担体及び液体担体が挙げられ、固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物が挙げられる。また、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤、及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤及びPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル)等の安定化剤が挙げられる。
本発明組成物はまた、本化合物1と本化合物2とを各々前記した方法により製剤化した上で、必要に応じて水で希釈してそれぞれの製剤またはそれらの希釈液を混合することにより調製することもできる。
本発明組成物は、さらに他の1種以上の殺菌剤及び/または殺虫剤を含有していてもよい。
本発明組成物を、植物または植物を栽培する土壌に処理することにより植物病害を防除することができる。
本発明により防除できる植物病害としては、例えば次のような植物病原糸状菌またはそれらによって媒介されるその他病原体によって引き起こされる病害が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イネの病害:いもち病(Magnaporthe grisea)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)。
コムギの病害:うどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F. avenaceum、F. culmorum、Microdochium nivale)、さび病(例えば、黄さび病(Puccinia striiformis)、黒さび病(P. graminis)、赤さび病(P. recondita))、紅色雪腐病(Micronectriella nivale)、雪腐小粒菌核病(Typhula sp.)、裸黒穂病(Ustilago tritici)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Mycosphaerella graminicola)、ふ枯病(Stagonospora nodorum)、黄斑病(Pyrenophora tritici−repentis)。
オオムギの病害:うどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F. avenaceum、F. culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P.graminis、P.hordei)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、網斑病(Pyrenophora teres)、斑点病(Cochliobolus sativus)、斑葉病(Pyrenophora graminea)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)。
トウモロコシの病害:黒穂病(Ustilago maydis)、ごま葉枯病(Cochliobolus heterostrophus)、ひょう紋病(Gloeocercospora sorghi)、南方さび病(Puccinia polysora)、グレイリーフスポット病(Cercospora zeae−maydis)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)。
カンキツ類の病害:黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum)、フィトフトラ病(Phytophthora parasitica、Phytophthora citrophthora)。
リンゴの病害:モニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa ceratosperma)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria alternata apple pathotype)、黒星病(Venturia inaequalis)、炭そ病(Colletotrichum acutatum)、疫病(Phytophtora cactorum)。
ナシの病害:黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria alternata Japanese pear pathotype)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、疫病(Phytophthora cactorum);
モモの病害:灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)。
ブドウの病害:黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola)。
カキの病害:炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae)。
ウリ類の病害:炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病(Pythium sp.);
トマトの病害:輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)。
ナスの病害:褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)。
アブラナ科野菜の病害:黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae)、根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、べと病(Peronospora parasitica)。
ネギの病害:さび病(Puccinia allii)、べと病(Peronospora destructor)。
ダイズの病害:紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、褐紋病(Septoria glycines)、斑点病(Cercospora sojina)、さび病( Phakopsora pachyrhizi)、茎疫病(Phytophthora sojae)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)、褐色輪紋病(Corynespora casiicola)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)。
インゲンの病害:炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)。
ラッカセイの病害:黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)、白絹病(Sclerotium rolfsii)。
エンドウの病害:うどんこ病(Erysiphe pisi)。
ジャガイモの病害:夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、緋色腐敗病(Phytophthora erythroseptica)、粉状そうか病(Spongospora subterranean f. sp. subterranea)。
イチゴの病害:うどんこ病(Sphaerotheca humuli)、炭そ病(Glomerella cingulata)。
チャの病害:網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)、輪斑病(Pestalotiopsis sp.)、炭そ病(Colletotrichum theae−sinensis)。
タバコの病害:赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae)。
ナタネの病害:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)。
ワタの病害;リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)。
テンサイの病害:褐斑病(Cercospora beticola)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、黒根病(Aphanomyces cochlioides)。
バラの病害:黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)、べと病(Peronospora sparsa)。
キク及びキク科野菜の病害:べと病(Bremia lactucae)、褐斑病(Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana)。
種々の作物の病害:ピシウム属菌によって引き起こされる病害(Pythium aphanidermatum, Pythium debarianum, Pythium graminicola, Pythium irregulare, Pythium ultimum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)。
ダイコンの病害:黒斑病(Alternaria brassicicola)。
シバの病害:ダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、ブラウンパッチ病及びラージパッチ病(Rhizoctonia solani)。
バナナの病害:シガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola)。
ヒマワリの病害:べと病(Plasmopara halstedii)。
Aspergillus属、Penicillium属、Fusarium属、Gibberella属、Tricoderma属、Thielaviopsis属、Rhizopus属、Mucor属、Corticium属、Phoma属、Rhizoctonia属、及びDiplodia属菌等によって引き起こされる、各種作物の種子病害または生育初期の病害。
Polymixa属またはOlpidium属等によって媒介される各種作物のウイルス病。
本発明組成物を使用できる植物としては、例えば次の植物が挙げられる。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、アズキ、インゲンマメ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン、スカッシュ等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等、
花卉、
観葉植物、
シバ、
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
前記した植物とは、遺伝子組換え技術により耐性を付与された植物であってもよい。
本発明組成物の態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
本化合物1と本化合物2との組合せが、以下の組合せである本発明組成物:
本化合物1と本化合物2−1との組合せ;
本化合物1と本化合物2−2との組合せ;
本化合物1と本化合物2−3との組合せ;
本化合物1と本化合物2−4との組合せ;
本化合物1と本化合物2−5との組合せ;
本化合物1と本化合物2−6との組合せ;
本化合物1と本化合物2−7との組合せ;
本化合物1と本化合物2−8との組合せ;
本化合物1と本化合物2−9との組合せ;
本化合物1と本化合物2−10との組合せ;
本化合物1と本化合物2−11との組合せ;
本化合物1と本化合物2−12との組合せ;
本化合物1と本化合物2−13との組合せ;
本化合物1と本化合物2−14との組合せ;
本化合物1と本化合物2−15との組合せ;
本化合物1と本化合物2−16との組合せ;
本化合物1と本化合物2−17との組合せ;
本化合物1と本化合物2−18との組合せ;
本化合物1と本化合物2−19との組合せ;
本化合物1と本化合物2−20との組合せ;
本化合物1と本化合物2−21との組合せ;
本化合物1と本化合物2−22との組合せ;
本化合物1と本化合物2−23との組合せ;
本化合物1と本化合物2−24との組合せ;
本化合物1と本化合物2−25との組合せ;
本化合物1と本化合物2−26との組合せ;
本化合物1と本化合物2−27との組合せ;
本化合物1と、本化合物2−1〜本化合物2−27のいずれか一つとを、1:0.0125〜1:500の重量比で含有する組成物;
本化合物1と、本化合物2−1〜本化合物2−27のいずれか一つとを、1:0.025〜1:100の重量比で含有する組成物;
本化合物1と、本化合物2−1〜本化合物2−27のいずれか一つとを、1:0.1〜1:10の重量比で含有する組成物;
本発明の植物病害防除方法(以下、本発明防除方法と記す。)は、本化合物1と本化合物2との有効量を植物または植物を栽培する土壌に処理することにより行われる。かかる植物としては、例えば、植物の茎葉、植物の種子及び植物の球根が挙げられる。なお、ここで球根とは、鱗茎、球茎、根茎、塊茎、塊根及び担根体を意味する。
本発明防除方法において、本化合物1及び本化合物2は同時期に別々に植物または植物を栽培する土壌に処理されてもよいが、通常は処理時の簡便性の観点から、本発明組成物として処理される。
本発明防除方法において、本化合物1及び本化合物2の処理方法としては、例えば、茎葉処理、土壌処理、根部処理及び種子処理が挙げられる。
かかる茎葉処理としては、例えば、茎葉散布及び樹幹散布により、栽培されている植物の表面に処理する方法が挙げられる。
かかる土壌処理としては、例えば、土壌散布、土壌混和及び土壌への薬液潅注が挙げられる。
かかる根部処理としては、例えば、本化合物1及び本化合物2とを含有する薬液に植物の全体または根部を及び浸漬する方法、及び、本化合物1と本化合物2と固体担体とを含有する固体製剤を植物の根部に付着させる方法が挙げられる。
かかる種子処理としては、例えば、植物病害から保護しようとする植物の種子または球根への本発明組成物の処理が挙げられ、詳しくは、例えば本発明組成物の懸濁液を霧状にして種子表面若しくは球根表面に吹きつける吹きつけ処理、本発明組成物の水和剤、乳剤若しくはフロアブル剤に少量の水を加えるか若しくはそのままで、種子または球根に塗布する塗沫処理、本発明組成物の溶液に一定時間種子を浸漬する浸漬処理、フィルムコート処理及びペレットコート処理が挙げられる。
本発明防除方法における、本化合物1と本化合物2との処理量は、処理する植物の種類、防除対象である植物病害の種類や発生頻度、製剤形態、処理時期、処理方法、処理場所、気象条件等によっても異なるが、植物の茎葉に処理する場合または植物を栽培する土壌に処理する場合は、本化合物1と本化合物2との合計量で、1000mあたり、通常1〜500g、好ましくは2〜200g、より好ましくは10〜100gである。また種子への処理における本化合物1と本化合物2との処理量は、本化合物1と本化合物2との合計量で、種子1kgあたり、通常0.001〜10g、好ましくは0.01〜1gである。
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本化合物1及び本化合物2の濃度は、本化合物1及び本化合物2の合計での濃度で、通常0.0005〜2重量%、好ましくは0.005〜1重量%である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
製剤例を示す。なお、製剤例において部とは重量部を表す。
製剤例1
本化合物1 5部、本化合物2−1〜本化合物2−27のいずれか一つ5部、ホワイトカーボンとポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩との混合物(重量割合 1:1)35部及び水 55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル製剤を得る。
製剤例2
本化合物1 10部、本化合物2−1〜本化合物2−27のいずれか一つ5部、ソルビタントリオレエート 1.5部、及びポリビニルアルコール2部を含む水溶液 28部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中にキサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液 45.50部を加え、さらにプロピレングリコール 10部を加えて撹拌混合し、フロアブル製剤を得る。
製剤例3
本化合物1 10部、本化合物2−1〜本化合物2−27のいずれか一つ40部、リグニンスルホン酸カルシウム 3部、ラウリル硫酸ナトリウム 2部及び合成含水酸化珪素 45部をよく粉砕混合することにより、水和剤を得る。
製剤例4
本化合物1 5部、本化合物2−1〜本化合物2−27のいずれか一つ5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン70部をよく混合することにより、製剤を得る。
次に、試験例を示す。
試験例1
本化合物1、及び本化合物2−1から本化合物2−27までのいずれか一化合物を混合し、混合物それぞれをジメチルスルホキシドで、本化合物1及び本化合物2のそれぞれの濃度が10ppmになるように希釈して得られる希釈液をマイクロタイタープレート(96ウェル)に1μlずつ分注したのち、あらかじめコムギ葉枯病菌(Mycosphaerella graminicola)の分生胞子を接種したジャガイモ煎汁液体培地(PDB培地)を150μl分注する。このプレートを4日間、18℃で培養してコムギ葉枯病菌を増殖させたのち、マイクロタイタープレートの各ウェルの550nmの吸光度にて、コムギ葉枯病菌の生育度を測定する。
その生育度をもとに、下記「式1」を用い効力を算出する。その結果、高い効力を示すことが認められる。
「式1」
効力=100×(X−Y)/X
X:無処理区の菌の生育度
Y:処理区の菌の生育度
試験例2
プラスチックポットに土壌を詰め、そこにコムギ(品種;シロガネ)を播種し、温室内で10日間生育させる。本化合物1、及び本化合物2−1から本化合物2−27までのいずれか一化合物をそれぞれ上記製剤例1から製剤例4までのいずれかに準じて製剤とした後、それぞれの製剤を水で、本化合物1及び本化合物2のそれぞれの濃度が100ppmになるように希釈して得られる希釈液を、上記コムギの葉面に充分付着するように茎葉散布する。散布後植物を風乾し、1日後にコムギ赤さび病菌(Puccinia reconadita)胞子の水懸濁液を噴霧接種する。接種後植物を27℃多湿下に1日間置き、次に照明下に10日から15日間置いた後、病斑面積を調査する(これを処理区とする。)。
一方、薬液の茎葉散布を行わないこと以外は処理区と同様にコムギを栽培する(これを無処理区とする。)。処理区と同様にコムギ赤さび病の病斑面積を調査する。
処理区及び無処理区それぞれの病斑面積から、下記「式2」により処理区の効力を求める。その結果、高い効力を示すことが認められる。
「式2」
効力=〔1−(処理区の病斑面積/無処理区の病斑面積)〕×100
試験例3
本化合物1、及び本化合物2−1をそれぞれジメチルスルホキシドに溶解させ、本化合物1及び本化合物2−1のそれぞれの化合物の濃度が下記表4に記載の濃度の150倍となるように調整した薬液を、マイクロタイタープレート(96ウェル)の各ウェルに1μlずつ分注した。あらかじめコムギ葉枯病菌の分生胞子を接種したYBG培地(水1Lに対し、酵母エキス 10g、バクトベプトン 10g、グリセロール 20mlを溶解し、滅菌したもの)149μlを、薬液を分注したウェルに分注した。このプレートを6日間、18℃で培養してコムギ葉枯病菌を増殖させたのち、マイクロタイタープレートの各ウェルの550nmの吸光度にて、コムギ葉枯病菌の生育度を測定した(これを処理区とした)。一方、薬液をジメチルスルホキシドに替えて処理区と同様にコムギ葉枯病菌を生育させ、その生育度を調査した(これを無処理区とした)。それぞれの生育度をもとに、下記「式1」を用い効力を算出した。
その結果、本化合物1と本化合物2−1との混用区では、それぞれの単用区と比較して相乗効果を示すことが認められた。
「式1」
効力(%)=100×(X−Y)/X
X:無処理区の菌の生育度
Y:処理区の菌の生育度
Figure 0006738811
試験例4
本化合物1 5部、ホワイトカーボンとポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩との混合物(重量割合 1:1)35部及び水 55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、本化合物1を含有するフロアブル製剤を得た。また、本化合物1を本化合物2−1に替えて、上記と同様の操作を行い、本化合物2−1を含有するフロアブル製剤を得た。
これらと、上記製剤例3に準じて得られた本化合物1、及び本化合物2−1を含有するフロアブル製剤とをそれぞれ水で希釈し、希釈液中の各化合物の濃度が下記表5のとおりになるように希釈液を調製した。
プラスチックポットに土壌を詰め、そこにコムギ(品種;シロガネ)を播種し、温室内で10日間生育させた。上記希釈液を、上記コムギの葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、1日後にコムギ赤さび病菌(Puccinia reconadita)胞子の水懸濁液を噴霧接種した。接種後植物を23℃多湿下に1日間置き、次に照明下、23℃で10日間置いた後、病斑面積を調査した(これを処理区の病斑面積とした)。
一方、薬剤の茎葉散布を行わずに処理区と同様にコムギを栽培し、コムギ赤さび病菌の接種を行い、その病斑面積を調査した(これを無処理区の病斑面積とした)。処理区及び無処理区それぞれの病斑面積から、下記「式2」により処理区の効力を求めた。
その結果、本化合物1と本化合物2−1との混用区では、それぞれの単用区と比較して相乗効果を示すことが認められた。
「式2」
効力(%)=〔1−(処理区の病斑面積/無処理区の病斑面積)〕×100
Figure 0006738811

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 0006738811
    で示される化合物と、
    下記式(2
    Figure 0006738811
    〔式中、
    は、塩素原子を表。〕
    で示されるアゾール化合物とを含有する植物病害防除組成物。
  2. 前記式(1)で示される化合物と前記式(2)で示される化合物との重量比が、1:0.0125〜1:500の範囲である、請求項に記載の植物病害防除組成物。
  3. 下記式(1)
    Figure 0006738811
    で示される化合物と、
    下記式(2
    Figure 0006738811
    〔式中、
    は、塩素原子を表。〕
    で示されるアゾール化合物との有効量を植物または植物を栽培する土壌に処理する工程を含む植物病害防除方法。
  4. 植物又は植物を栽培する土壌に処理する工程が、種子に処理する工程である、請求項に記載の植物病害防除方法。
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