以下、本発明の実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1において、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置すると共に、印刷受け部5が離間位置に位置する場合を示す側面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1において、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置すると共に、印刷受け部5が押圧位置に位置する場合を示す側面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1において、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置すると共に、印刷受け部5が押圧位置に位置する場合を示す側面図である。
図4は、ヘッドユニット24の移動を説明するための図1におけるヘッドユニット24周辺の部分拡大図であって、(a)は、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置すると共に、印刷受け部5が押圧位置に位置する場合の図であり、(b)は、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置すると共に、印刷受け部5が押圧位置に位置する場合の図である。図5(a)は、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置して、カメラ41と印刷受け部5との間に、ヘッドユニット24が配置されている場合を示す図であって、図5(b)は、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置して、カメラ41と印刷受け部5との間に、ヘッドユニット24が配置されていない場合を示す図である。図6は、本発明の一実施形態に係る印刷部検査装置1において、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置すると共に、印刷受け部5が離間位置に位置する場合を示す側面図である。
なお、図4(a)及び図4(b)においては、インクリボンR、第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323及び第4移動ガイドローラ324を実線で示し、第1サブプレート332及び第2サブプレート333を二点鎖線で示している。
なお、以下の説明及び図面において、本実施形態においては、空袋Eが移送される方向を移送方向P(図1における紙面を貫く方向)という。また、移送方向Pに直交する方向であって印刷受け部5が移動する方向を進退方向Xという。進退方向Xのうち、印刷受け部5がサーマルヘッド32に近づく方向を進行方向X1といい、印刷受け部5がサーマルヘッド32から離間する方向を退行方向X2という。また、進退方向Xに直交する方向であってヘッドユニット24が移動する方向を移動方向Yという。移動方向Yのうち、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2から印刷位置A1に向かう方向を第1移動方向Y1といい、ヘッドユニット24が印刷位置A1から印刷退避位置A2に向かう方向を第2移動方向Y2という。なお、本実施形態では、移動方向Yは、上下方向Zと一致する。
本実施形態の印刷部検査装置1は、例えば、給袋包装機10などにおける検査工程に用いられる。給袋包装機10は、予め形成された袋であって内部に物が充填されていない空の袋(以下「空袋」という)(被印刷物)を供給して、空袋Eに充填物を充填して、袋に物を包装する機器である。本実施形態においては、空袋Eは、フィルム状のシートが袋状に形成されると共に、全体としてシート状に形成されており、一方側が開口している。本実施形態においては、図1に示すように、空袋Eの形状は、移送方向P(図1における紙面を貫く方向)及び上下方向Zに所定の長さを有した形状である。
給袋包装機10においては、各工程を経て、空袋Eに充填物が充填されて包装される。給袋包装機10における各工程としては、例えば、熱転写印刷装置としてのサーマルプリンタ6により空袋Eに印刷部を印刷する印刷工程や、サーマルプリンタ6により印刷された印刷部を検査する検査工程や、空袋Eに充填物を充填する充填工程などがある。
給袋包装機10における各工程においては、空袋Eは、給袋包装機10の搬送機構11により、図1に示す移送方向Pに沿って、移送と停止とを繰り返して間欠的に順次移送される。空袋Eは、空袋Eの開口が上方側を向いて位置されると共にシート状の空袋Eの延在する表面が移送方向Pに略平行に配置された状態で、移送方向Pに沿って移送される。本実施形態においては、搬送機構11の一対の挟み爪部12は、空袋Eの上方側を移送方向Pにおける前端及び後端で挟み込んだ状態で移送方向Pに移動されるように構成され、空袋Eを移送方向Pに移送する。
本実施形態においては、印刷部検査装置1は、例えば上述の給袋包装機10における印刷工程及び検査工程において、サーマルプリンタ6(後述)により印刷停止位置に停止中の空袋Eに印刷部が印刷されると共に、カメラ41(後述)により印刷停止位置に停止中の空袋Eに印刷された印刷部が撮像される。本実施形態における図1〜図6においては、空袋Eは、印刷停止位置に停止中である。
本実施形態の印刷部検査装置1は、図1〜図3に示すように、プリンタ本体3及びカメラ装置4を有する検査装置本体2と、印刷受け部5と、支持台7と、を備える。
プリンタ本体3及び印刷受け部5は、熱転写印刷装置としてのサーマルプリンタ6を構成する。サーマルプリンタ6は、移送と停止とを繰り返して間欠的に移送される空袋Eが印刷停止位置に停止中において、印刷停止位置に停止中の空袋Eに印刷部(不図示)を印刷する。
カメラ装置4は、撮像部としてのカメラ41と、発光部としてのストロボ42と、を有する。
検査装置本体2は、前述のようにプリンタ本体3及びカメラ装置4を有することに加えて、更に、ケース体21と、側部カバー22と、ヘッドユニット移動機構23と、を有する。ケース体21と側部カバー22との内部には、カメラ装置4、プリンタ本体3及びヘッドユニット移動機構23が収容される。ケース体21の一方側の側部は、開口しており、ケース体21の側部には、開口の一部(カメラ41と、ストロボ42と、ヘッドユニット移動機構23)を塞ぐように、側部カバー22が取り付けられている。
ヘッドユニット移動機構23は、後述するヘッドユニット24を、印刷位置A1(図1及び図2等参照)と、印刷退避位置A2(図3等参照)と、に移動させる。詳細については後述するが、ヘッドユニット24は、プリントヘッドとしてのサーマルヘッド32と、第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323及び第4移動ガイドローラ324と、メインプレート331と、第1サブプレート332と、第2サブプレート333と、を備える。
プリンタ本体3は、図1〜図3に示すように、リボン搬送機構31と、プリントヘッドとしてのサーマルヘッド32と、を備える。リボン搬送機構31及びサーマルヘッド32は、ケース体21に保持されている。
サーマルヘッド32及びリボン搬送機構31における第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323及び第4移動ガイドローラ324は、後述するヘッドユニット24の一部を構成する。
サーマルヘッド32は、先端側がケース体21から空袋E側に突出するように、配置される。サーマルヘッド32は、その先端に複数の発熱素子を備える。サーマルプリンタ6がサーマルヘッド32に通電させることにより、所定の発熱素子が発熱する。
サーマルヘッド32は、後述するヘッドユニット24が移動方向Yに移動されることで、移動方向Y(上下方向)に移動可能に構成される。
サーマルヘッド32は、図1及び図2に示すように、後述するヘッドユニット24が印刷位置A1に位置する場合に、印刷停止位置に位置する空袋Eに対向して配置される。ヘッドユニット24の印刷位置A1は、サーマルヘッド32が空袋Eに対して印刷を開始する印刷開始位置でもある。サーマルヘッド32は、図3に示すように、後述するヘッドユニット24が移動方向Yに移動して印刷退避位置A2に位置する場合に、空袋Eに対しての印刷を終了する。ヘッドユニット24の印刷退避位置A2は、サーマルヘッド32の印刷終了位置でもある。
リボン搬送機構31は、図1〜図3に示すように、インクリボンRと、巻回された未使用のインクリボンRを回転自在に保持する原反側リボンホルダ310(原反ホルダ)と、インクリボンRを巻き取る巻取側リボンホルダ330(巻取ホルダ)と、インクリボンをガイドする複数のガイドローラ311,312,313,314,321,322,323,324と、を備える。
リボン搬送機構31は、リボン経路K(経路)において、原反側リボンホルダ310に巻回された未使用のインクリボンRをサーマルヘッド32へ向けて搬送すると共に、サーマルヘッド32に使用されたインクリボンRを巻取側リボンホルダ320へ向けて搬送する。本実施形態においては、リボン経路Kは、原反側リボンホルダ310と巻取側リボンホルダ330との間において、インクリボンRが移動する経路である。リボン経路Kは、原反側リボンホルダ310(原反ホルダ)、巻取側リボンホルダ330(巻取ホルダ)、複数のガイドローラ311,312,313,314,321,322,323,324が配置される位置関係により構成される。
原反側リボンホルダ310は、インクリボンRを回転自在に保持し、インクリボンRを所定のリボン経路Kに送り出す。巻取側リボンホルダ330は、不図示の回転駆動モータにより回転駆動可能に構成されており、リボン経路Kを経由したインクリボンRを巻き取ることが可能であると共に、インクリボンRをリボン経路Kに送り戻すことが可能に回転自在に保持する。
複数のガイドローラ311,312,313,314,321,322,323,324は、原反側リボンホルダ310から巻取側リボンホルダ320に向かって搬送されるインクリボンRをガイドするローラである。本実施形態においては、複数のガイドローラとして、第1固定ガイドローラ311と、第2固定ガイドローラ312と、第3固定ガイドローラ313と、第4固定ガイドローラ314と、第1移動ガイドローラ321と、第2移動ガイドローラ322と、第3移動ガイドローラ323と、第4移動ガイドローラ324と、を有する。
インクリボンRは、サーマルヘッド32と空袋Eの印刷面との間に配置される。インクリボンRは、原反側リボンホルダ310から巻取側リボンホルダ330までの間において、原反側リボンホルダ310、第1固定ガイドローラ311、第2固定ガイドローラ312、第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323、第4移動ガイドローラ324、第3固定ガイドローラ313、第4固定ガイドローラ314、巻取側リボンホルダ330の順にガイドされて移動される。
第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323及び第4移動ガイドローラ324は、ヘッドユニット24の一部を構成する。ヘッドユニット24は、サーマルヘッド32と、第1移動ガイドローラ321〜第4移動ガイドローラ324と、メインプレート331と、第1サブプレート332と、第2サブプレート333と、を有して構成される。メインプレート331には、サーマルヘッド32と、複数のガイドローラのうちの、第1移動ガイドローラ321〜第4移動ガイドローラ324と、が配置される。
第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323及び第4移動ガイドローラ324は、図4(a)〜図5(b)に示すように、一端側において、メインプレート331に回転自在に支持されている。
第1移動ガイドローラ321及び第4移動ガイドローラ324は、図4(a)〜図5(b)に示すように、他端側において、第1サブプレート332に回転自在に支持されている。
第2移動ガイドローラ322及び第3移動ガイドローラ323は、図4(a)〜図5(b)に示すように、他端側において、第2サブプレート333に回転自在に支持されている。
サーマルヘッド32は、メインプレート331に取り付けられ、メインプレート331における印刷受け部5の退行方向X2側に配置される。
第1移動ガイドローラ321は、図4(a)及び図4(b)に示すように、メインプレート331におけるサーマルヘッド32よりも上下方向Zの下方側に配置される。第2移動ガイドローラ322は、メインプレート331におけるサーマルヘッド32よりも上下方向Zの上方側に配置されている。第3移動ガイドローラ323は、メインプレート331における第2移動ガイドローラ322よりも印刷受け部5の進行方向X1側に配置される。第4移動ガイドローラ324は、メインプレート331における第3移動ガイドローラ323よりも上下方向Zの下方側に配置される。
第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323及び第4移動ガイドローラ324は、インクリボンRのリボン経路Kに沿って、原反側リボンホルダ310側から巻取側リボンホルダ330側に向かってこの順にインクリボンRをガイドするように、メインプレート331に配置されている。
第1移動ガイドローラ321及び第2移動ガイドローラ322の間には、サーマルヘッド32が配置されており、サーマルヘッド32は、第1移動ガイドローラ321と第2移動ガイドローラ322との間において、インクリボンRを印刷受け部5側に押圧する。
このように、サーマルヘッド32、第1移動ガイドローラ321〜第4移動ガイドローラ324、メインプレート331、第1サブプレート332及び第2サブプレート333は、ヘッドユニット24として一体的に構成され、ヘッドユニット移動機構23により、移動方向Yに一体的に移動される。
ヘッドユニット移動機構23は、ヘッドユニット24を移動方向Yに移動可能に構成される。ヘッドユニット24は、ヘッドユニット移動機構23に移動方向Yに移動されることにより、ヘッドユニット24の少なくとも一部が、カメラ41と印刷受け部5との間に配置される印刷位置A1(図2参照)と、カメラ41と印刷受け部5との間から退避される印刷退避位置A2(図3参照)と、の間を移動可能である。
本実施形態においては、ヘッドユニット移動機構23により、ヘッドユニット24が印刷位置A1(図2参照)から印刷退避位置A2(図3参照)に移動する間に、サーマルヘッド32を移動させながら、インクリボンRを印刷受け部5側に向けて押圧して、サーマルヘッド32は、空袋Eに印刷部を印刷する。ヘッドユニット24の印刷位置A1は、サーマルヘッド32の印刷開始位置でもあり、ヘッドユニット24の印刷退避位置A2は、サーマルヘッド32の印刷終了位置でもある。サーマルヘッド32を移動させながらインクリボンRを押圧する間において、サーマルプリンタ6は、インクリボンRを移動させないように構成される。
ヘッドユニット移動機構23は、図4(a)〜図5(b)に示すように、一対のガイド軸231,231と、不図示の駆動部と、を備えて構成される。一対のガイド軸231,231は、上下方向Zに延び、互いが平行に配置されている。ヘッドユニット移動機構23は、図2及び図3に示すように、ヘッドユニット24を、一対のガイド軸231,231に沿って、移動方向Y(第1移動方向Y1、第2移動方向Y2)に移動させる。本実施形態においては、ヘッドユニット24の移動方向Yは、空袋Eの上下方向Zに平行な方向でもある。本実施形態においては、不図示の駆動部は、例えば、ステッピングモータなどのアクチュエータにより構成される。
第1固定ガイドローラ311及び第2固定ガイドローラ312は、インクリボンRのリボン経路Kにおいて、ヘッドユニット24よりも原反側リボンホルダ310側に配置され、検査装置本体2のケース体21に回転自在に支持されている。
第1固定ガイドローラ311の回転軸には、不図示のロータリーエンコーダが取り付けられている。ロータリーエンコーダ(不図示)は、インクリボンRが移動することにより回転して、インクリボンRの移動量を回転量として検出して、パルス信号として、不図示の制御部に出力する。これにより、制御部(不図示)は、原反側リボンホルダ310に巻回された未使用のインクリボンRの量を算出する。
第3固定ガイドローラ313及び第4固定ガイドローラ314は、インクリボンRのリボン経路Kにおいて、ヘッドユニット24よりも巻取側リボンホルダ330側に配置され、検査装置本体2のケース体21に回転自在に支持されている。
ここで、原反側リボンホルダ310から巻取側リボンホルダ330までのインクリボンRのリボン経路Kの全長は、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置する場合と印刷退避位置A2に位置する場合とにおいて、同じである。
この理由について、以下に説明する。
ヘッドユニット24において、図4(a)及び図4(b)に示すように、第1移動ガイドローラ321〜第4移動ガイドローラ324は、ヘッドユニット24が移動しても、互いの位置関係に変化がないため、ヘッドユニット24が移動方向Yに移動されても、第1移動ガイドローラ321から第4移動ガイドローラ324までのインクリボンのリボン経路Kの長さは一定であって変化しない。
また、図4(a)及び図4(b)に示すように、第2固定ガイドローラ312と第1移動ガイドローラ321との間のリボン経路Kaにおいて、第2固定ガイドローラ312における印刷受け部5の退行方向X2側の頂点312aと第1移動ガイドローラ321における印刷受け部5の進行方向X1側の頂点321aとを繋ぐリボン経路Kaの第1経路方向K1は、ヘッドユニット24の移動方向Yに平行に形成されている。
また、第3移動ガイドローラ323と第4移動ガイドローラ324との間のリボン経路Kbにおいて、第3移動ガイドローラ323における印刷受け部5の進行方向X1側の頂点323aと第1移動ガイドローラ321における印刷受け部5の退行方向X2側の頂点324aとを繋ぐリボン経路Kbの第2経路方向K2は、ヘッドユニット24の移動方向Yに平行に形成されている。
また、第4移動ガイドローラ324と第3固定ガイドローラ313との間のリボン経路Kcにおいて、第4移動ガイドローラ324における印刷受け部5の進行方向X1側の頂点324bと第3固定ガイドローラ313における印刷受け部5の退行方向X2側の頂点313aとを繋ぐリボン経路Kcの第3経路方向K3は、ヘッドユニット24の移動方向Yに平行に形成されている。
つまり、第2固定ガイドローラ312と第1移動ガイドローラ321との間のリボン経路Kaの第1経路方向K1と、第3移動ガイドローラ323と第4移動ガイドローラ324との間のリボン経路Kbの第2経路方向K2と、第4移動ガイドローラ324と第3固定ガイドローラ313との間のリボン経路Kcの第3経路方向K3とは、ヘッドユニット24の移動方向Yに平行に配置されており、互いが平行である。
ヘッドユニット24が移動方向Yに移動する場合には、ヘッドユニット24は、第2固定ガイドローラ312及び第3固定ガイドローラ313との位置関係を変化させながら、移動方向Yに移動する。ここで、上述のように、第2固定ガイドローラ312と第1移動ガイドローラ321との間のリボン経路Kaの第1経路方向K1と、第3移動ガイドローラ323と第4移動ガイドローラ324との間のリボン経路Kbの第2経路方向K2と、第4移動ガイドローラ324と第3固定ガイドローラ313との間のリボン経路Kcの第3経路方向K3とは、ヘッドユニット24の移動方向Yに平行に配置されている。
そのため、ヘッドユニット24が印刷位置A1から第2移動方向Y2に移動した場合に、第2固定ガイドローラ312と第1移動ガイドローラ321との間のリボン経路Kaの長さL1が減った分だけ、第4移動ガイドローラ324と第3固定ガイドローラ313との間のリボン経路Kcの経路の長さL2が増える。また、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2から第1移動方向Y1に移動した場合に、第2固定ガイドローラ312と第1移動ガイドローラ321との間のリボン経路Kaの長さL1が増えた分だけ、第4移動ガイドローラ324と第3固定ガイドローラ313との間のリボン経路Kcの経路の長さL2が減る。これにより、ヘッドユニット24が第2移動方向Y2または第1移動方向Y1に移動しても、第2固定ガイドローラ312と第1移動ガイドローラ321との間のリボン経路Kaの長さL1と、第4移動ガイドローラ324と第3固定ガイドローラ313との間のリボン経路Kcの経路の長さL2との和は一定となる(L1+L2=一定)。
これにより、ヘッドユニット24において、第1移動ガイドローラ321〜第4移動ガイドローラ324までのインクリボンのリボン経路Kの長さが一定であり、かつ、ヘッドユニット24を第2移動方向Y2に移動または第1移動方向Y1に移動した場合に第2固定ガイドローラ312と第1移動ガイドローラ321との間のリボン経路Kaの長さL1と第4移動ガイドローラ324と第3固定ガイドローラ313との間のリボン経路Kcの経路の長さL2との和が一定(L1+L2=一定)であることにより、第2固定ガイドローラ312から、第1移動ガイドローラ321、第2移動ガイドローラ322、第3移動ガイドローラ323及び第4移動ガイドローラ324を経由して、第3固定ガイドローラ313までのリボン経路Kの長さは、ヘッドユニット24が第2移動方向Y2に移動または第1移動方向Y1へ移動しても一定となる。従って、原反側リボンホルダ310から巻取側リボンホルダ330までのインクリボンRのリボン経路Kの全長は、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置する場合と印刷退避位置A2に位置する場合とにおいて、同じとなる。
印刷受け部5は、図1及び図2に示すように、ヘッドユニット24が印刷位置A1(図1及び図2参照)に位置する場合に、印刷停止位置に位置する空袋Eに対して、サーマルヘッド32と反対側に配置される。印刷受け部5は、印刷時において、インクリボンR及び空袋Eを挟んで、サーマルヘッド32と対向して配置される。印刷受け部5は、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2(図3参照)に位置する場合(ヘッドユニット24がカメラ41と空袋Eとの間に存在しない状態)で、印刷停止位置に位置する空袋Eを、カメラ41と空袋Eとの間から退避したサーマルヘッド32と印刷受け部5のプラテン板53(後述)の下部とで挟んで、カメラ41と対向して配置される。印刷受け部5は、支持台7の載置板71の上面に載置されて固定されている。
印刷受け部5は、図1〜図3に示すように、印刷受け駆動部51と、保持板52と、プラテン板53と、を備える。印刷受け駆動部51は、駆動部本体511と、ロッド部512と、を有する。駆動部本体511は、ロッド部512を進退可能に保持し、ロッド部512を進退方向X(進行方向X1、退行方向X2)に移動させる。
ロッド部512の先端には、保持板52が取り付けられている。保持板52には、プラテン板53が取り付けられている。
プラテン板53は、空袋Eが印刷停止位置に位置する場合において、空袋E側の面が空袋Eに平行な平面を有する板状に形成される。プラテン板53は、例えば、シリコンゴム等の所定の弾性を有する部材により形成される。プラテン板53は、ロッド部512が進退方向Xに移動されることで、印刷停止位置に停止する空袋Eに対して、空袋Eに近づく進行方向X1又は空袋Eから離間する退行方向X2に移動される。
プラテン板53が印刷受け駆動部51の駆動により進退方向Xに移動することにより、印刷停止位置に位置する空袋Eに対して、プラテン板53が空袋EをインクリボンR及びサーマルヘッド32側に押圧する押圧位置(図2参照)と、プラテン板53が空袋Eから離間する離間位置(図1参照)と、に移動可能である。本実施形態においては、印刷受け駆動部51は、例えば、エアシリンダなどのアクチュエータにより構成されている。
カメラ41は、図1及び図2に示すように、印刷部検査装置1のケース体21と側部カバー22との内部に取り付けられ、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置する場合に、ヘッドユニット24がカメラ41と空袋Eとの間に存在しない状態で、空袋Eの印刷部に対向するように配置されている。カメラ41は、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置する場合に、印刷停止位置に停止中の空袋Eに印刷された印刷部を撮像する。カメラ41と印刷受け部5とは、直線上に離間して配置されている。
図5(a)に示すように、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置する場合には、カメラ41と印刷受け部5との間には、ヘッドユニット24が配置される。つまり、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置する場合には、第1移動ガイドローラ321〜第4移動ガイドローラ324によりインクリボンRがガイドされたヘッドユニット24がカメラ41と空袋Eとの間に配置されており、カメラ41の正面側は、ヘッドユニット24に覆われている。
一方、図5(b)に示すように、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置する場合には、カメラ41と印刷受け部5との間からは、ヘッドユニット24が退避する。つまり、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置する場合には、ヘッドユニット24がカメラ41と空袋Eとの間に存在しない状態で、カメラ41の正面側は、ヘッドユニット24が配置されずに、外部に露出されている。
カメラ41の上方側には、図1〜図3に示すように、ストロボ42が配置される。ストロボ42は、印刷部検査装置1のケース体21と側部カバー22との内部に取り付けられ、カメラ41による印刷部の撮像の際に発光される。本実施形態においては、ストロボ42は、ケース体21と側部カバー22との内部に取り付けられることで、ストロボ42からの光が、外部へ漏れないように覆われている。これにより、ストロボ42を覆うケース等を必要としない。
次に、印刷部検査装置1の動作について説明する。
まず、サーマルプリンタ6は、間欠して移送される空袋Eに印刷部を印刷する。具体的には、空袋Eは、移送と停止とを繰り返して間欠的に移送され、図1に示すように、印刷停止位置に停止している。また、ヘッドユニット24は、図1に示すように、印刷位置A1に位置している。ヘッドユニット24の印刷位置A1は、印刷停止位置に停止中の空袋Eに対向する位置であって、カメラ41と印刷受け部5との間の位置である。
サーマルプリンタ6は、ヘッドユニット24が印刷位置A1(図1参照)に位置する場合において、印刷停止位置に停止中の空袋Eに印刷部(不図示)の印刷を開始する。具体的には、空袋Eが印刷停止位置に停止中に、ヘッドユニット24が印刷位置A1(図1参照)に位置している状態において、図2に示すように、印刷受け部5のプラテン板53を、離間位置(図1参照)から押圧位置(図2参照)に向かうように進行方向X1に移動させる。これにより、印刷受け部5のプラテン板53は、離間位置(図1参照)から押圧位置(図2参照)に移動されて、空袋Eを、インクリボンR及びサーマルヘッド32側に押圧する。
その後、図2及び図3に示すように、ヘッドユニット24を印刷位置A1(印刷開始位置)から印刷退避位置A2(印刷終了位置)に移動させる。これにより、ヘッドユニット24の一部を構成するサーマルヘッド32は、移動方向Yにおける第2移動方向Y2(上下方向Zにおける下方)に移動する。サーマルヘッド32がインクリボンRを印刷受け部5側に向けて押圧しながら第2移動方向Y2に移動することで、印刷受け部5のプラテン板53の表面において、発熱した所定の発熱素子と接触したインクリボンRは、空袋Eに接触する。そして、サーマルプリンタ6は、インクリボンRに塗布されたインクを空袋Eに接着させ、空袋Eに、印刷部(不図示)を印刷する。
このようにして、ヘッドユニット24が印刷位置A1(印刷開始位置)から印刷退避位置A2(印刷終了位置)に移動する間に、サーマルヘッド32は、サーマルヘッド32を移動させながら、インクリボンRを印刷受け部5側に向けて押圧して、空袋Eに印刷部を印刷する。
この場合において、原反側リボンホルダ310から巻取側リボンホルダ330までのインクリボンRのリボン経路Kの全長は、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置する場合と印刷退避位置A2に位置する場合とにおいて同じであるため、インクリボンRが繰り出されたり巻き戻されたりせず、サーマルヘッド32を移動させながらインクリボンRを押圧する間において、サーマルプリンタ6は、インクリボンRを移動させないように構成される。
次に、カメラ41は、空袋Eに印刷されて印刷部を撮像する。ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置しており、カメラ41と空袋Eとの間には、ヘッドユニット24は存在していない。これにより、空袋Eが印刷停止位置に停止中に、ヘッドユニット24が印刷退避位置A2に位置し、カメラ41と空袋Eとの間から退避したサーマルヘッド32と印刷受け部5のプラテン板53の下部とで空袋Eを挟んでいる間に、サーマルプリンタ6により空袋Eに印刷された印刷部を安定させて撮像することができる。
カメラ41により撮像された空袋Eの印刷部の画像の情報は、不図示の検査部に送信され、パターンマッチング等の処理が行われて検査される。これにより、空袋Eに印刷された印刷部を精度よく検査することができる。
そして、印刷受け部5のプラテン板53を、駆動部本体511により押圧位置(図3参照)から離間位置(図6参照)に退行方向X2に移動させて、印刷受け部5のプラテン板53を空袋Eから離間させる。
その後、図1に示すように、ヘッドユニット24を、移動方向Yにおける第1移動方向Y1(上下方向Zにおける上方)に移動させて、印刷退避位置A2から印刷位置A1に移動させることで、印刷を待機する位置に位置させる。
ヘッドユニット24を印刷位置A1で印刷を待機させることで、カメラ41により空袋Eの印刷部の撮像を行わない場合に、カメラ41の正面側が外部に露出しないように、第1移動ガイドローラ321〜第4移動ガイドローラ324によりインクリボンRがガイドされているヘッドユニット24により、カメラ41の正面側を、覆うことができる。一方、カメラ41により空袋Eの印刷部の撮像を行う場合には、前述のように、ヘッドユニット24は、印刷退避位置A2に移動して、カメラ41の正面側を空袋E側に露出して、空袋Eの印刷部を撮像することができる。つまり、カメラ41の使用時のみに、カメラ41の正面側を露出できる。よって、ヘッドユニット24を、カメラ41を使用しないときにカメラ41の正面側を覆うためのカバー部材として使用できる。
本実施形態の印刷部検査装置1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態の印刷部検査装置1においては、印刷停止位置に停止中の空袋Eに印刷部を印刷するサーマルプリンタ6と、印刷停止位置に停止中の空袋Eに印刷された印刷部を撮像するカメラ41と、を備え、サーマルプリンタ6は、サーマルヘッド32と、インクリボンRと、1又は複数の移動ガイドローラ321,322,323,324と、印刷受け部5と、を有し、サーマルヘッド32及び1又は複数の移動ガイドローラ321,322,323,324は、一体的に移動可能なヘッドユニット24を構成し、ヘッドユニット24は、該ヘッドユニット24の少なくとも一部が、カメラ41と印刷受け部5との間に配置される印刷位置A1と、カメラ41と印刷受け部5との間から退避される退避位置A2と、の間を移動可能である。
そのため、カメラ41と印刷受け部5とは、直線上に離間して配置され、印刷時において印刷位置A1に配置されたヘッドユニット24を、印刷位置A1から印刷退避位置A2に移動させることで、サーマルプリンタ6により印刷された印刷部を、カメラ41により撮像することができる。これにより、サーマルヘッド32及び複数の移動ガイドローラ321,322,323,324を備えるヘッドユニット24を移動させるスペースを確保するだけで、空袋Eへの印刷部の印刷と、空袋Eに印刷された印刷部の撮像と、の両方を実行することができるため、印刷部検査装置1の省スペース化を実現できる。つまり、空袋Eに印刷部を印刷するためのスペースと、空袋Eに印刷された印刷部を撮像するためのスペースと、の両方を設けなくてよい。別の見方をすると、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置してサーマルヘッド32により印刷するスペースを、ヘッドユニット24を印刷退避位置A2に移動させることで、カメラ41により撮像するスペースとして共用できる。従って、省スペース化を実現することができる。
また、サーマルヘッド32及び複数の移動ガイドローラ321,322,323,324を備えるヘッドユニット24を移動させるため、カメラ41を移動させる場合よりも、カメラ41に振動が発生しにくく、また撮像中においてカメラ41と空袋Eとの間から退避したサーマルヘッド32と印刷受け部5のプラテン板53の下部とで空袋Eを挟んでいるため、カメラ41による撮像の性能の安定性を確保することができる。
また、従来、サーマルプリンタとカメラとを一体的に移動させて、サーマルプリンタで印刷した印刷部をカメラにより検査を行っていた。これに対し、本発明においては、印刷時において印刷位置A1に配置されたヘッドユニット24を、印刷位置A1から印刷退避位置A2に移動させることで、サーマルプリンタ6により印刷された印刷部を、カメラ41により撮像することができる。そのため、本発明においては、従来のようにサーマルプリンタとカメラとを一体的に移動させてサーマルプリンタで印刷した印刷部をカメラで検査するよりも、サーマルプリンタ6で印刷した印刷部をカメラ41で検査する処理能力を向上させることができる。
また、本実施形態においては、巻回されたインクリボンRを回転自在に保持し、インクリボンRを所定のリボン経路Kに送り出す原反側リボンホルダ310と、リボン経路Kを経由したインクリボンRを巻き取ることが可能であると共に、インクリボンRをリボン経路Kに送り戻すことが可能に回転自在に保持する巻取側リボンホルダ330と、を備え、リボン経路Kの長さは、ヘッドユニット24が印刷位置A1に位置する場合と印刷退避位置A2に位置する場合とにおいて、同じである。
そのため、ヘッドユニット24が印刷位置A1と印刷退避位置A2とに位置する場合において、リボン経路Kの長さに変化がない。よって、インクリボンRに弛みなどを生じさせずに、インクリボンRの搬送に影響を与えずに、複数の移動ガイドローラ321,322,323,324を移動させることができる。
また、本実施形態においては、ヘッドユニット24が印刷位置A1から印刷退避位置A2に移動する間に、サーマルヘッド32は、サーマルヘッド32を移動させながら、インクリボンRを印刷受け部5側に向けて押圧して、空袋Eに印刷部を印刷する。
これにより、ヘッドユニット24が印刷位置A1から印刷退避位置A2に移動する動作と、サーマルヘッド32による印刷動作とを同時に実行できる。これにより、サーマルヘッド32が、カメラ41と印刷受け部5との間から退避する動作と、サーマルヘッド32による印刷動作と、を同時に実行できる。
また、本実施形態においては、サーマルヘッド32を移動させながらインクリボンRを押圧する間において、サーマルプリンタ6は、インクリボンRを移動させないように構成される。そのため、複数の移動ガイドローラ321,322,323,324を移動させても、インクリボンRを移動させずに、サーマルヘッド32による印刷動作を実行できる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、被印刷物を、空袋Eとしたが、これに制限されない。被印刷物は、例えば、袋状に形成されない1枚のフィルム状のシート等であってもよい。
また、前記実施形態においては、本発明の印刷部検査装置を、給袋包装機10に設けたが、これに制限されない。
また、前記実施形態においては、空袋Eの移送方向Pを直線状にしたが、これに制限されない。例えば、給袋包装機において、各工程のステーションが環状に沿って配置される場合があり、この場合には、空袋Eの移送方向Pを円弧状にしてもよい。この場合には、空袋Eが揺らぐなどして不安定な状態になる可能性が高まる。このような場合においても、サーマルプリンタ6により印刷された印刷部をカメラ41により精度よく撮像することができる。
また、前記実施形態においては、ヘッドユニット24の移動方向を上下方向としたが、これに制限されず、ヘッドユニット24の移動方向を水平方向としてもよい。
また、前記実施形態においては、ガイドローラとして、4つの移動ガイドローラ321,322,323,324としたが、これに制限されない。ガイドローラを、1つ〜3つ、又は、5つ以上としてもよい。