以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1の実施形態に係る電力授受システム100の利用環境の一例を示す。電力授受システム100は、蓄電池を利用して電力を売買するシステムである。より具体的に説明すると、電力授受システム100は、電気自動車Ea、b、c、・・・(以下、電気自動車Eと総称する。)にそれぞれ搭載された蓄電池Ba、b、c、・・・(以下、蓄電池Bと総称する。)の充放電により電力を売買するシステムである。電気自動車Eの利用者は、充電インフラSa、b、c、・・・(以下、充電インフラSと総称する。)にそれぞれ設けられた充電器Ca、b、c、・・・(以下、充電器Cと総称する。)から給電される電力を、蓄電池Bに充電することにより、電力を買電する。また、電気自動車Eの利用者は、蓄電池Bに蓄電された電力を放電して、コンビニエンスストアRaやレストランRb、住宅Rc等の電力の需要家Ra、b、c、・・・(以下、需要家Rと総称する。)の元に設けられた受電設備Aa、b、c、・・・(以下、受電設備Aと総称する。)に給電することにより、電力を売電する。ここで、電力授受システム100においては、複数の電力会社Pa、b、c、・・・(以下、電力会社Pと総称する。)が存在することを想定している。各充電インフラSは、複数の電力会社Pのうち、契約している電力会社Pから給電される電力を受電して、その電力を、充電器Cを介して電気自動車Eの蓄電池Bに給電するものである。また、充電インフラSには、太陽光発電システム等の自家発電設備が設けられることもある。その場合、充電インフラSの充電器Cには、自家発電設備により発電された電力も給電されることになる。なおまた、電力を売買することは、この発明における「電力を授受する」ことの一例であってよい。また、充電器Cは、この発明における「給電元」の一例であってよい。また、受電設備Aは、この発明における「給電先」の一例であってよい。
電力授受システム100は、複数の蓄電情報管理装置110a、b、c、・・・(以下、蓄電情報管理装置110と総称する。)、複数の給電情報管理装置130a、b、c、・・・(以下、給電情報管理装置130と総称する。)、複数の受電情報管理装置150a、b、c、・・・(以下、受電情報管理装置150と総称する。)、複数の発電情報管理装置170a、b、c、・・・(以下、発電情報管理装置170と総称する。)、及び通信回線Nを備える。ここで、通信回線Nは、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルネットワークを含む。なおまた、給電情報管理装置130は、この発明における「給電元の電力の属性情報を管理している装置」の一例であってよい。また、受電情報管理装置150は、この発明における「給電先の電力の属性情報を管理している装置」の一例であってよい。
蓄電情報管理装置110は、蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報を管理する装置である。例えば、蓄電情報管理装置110は、電力の属性情報として、電力の発電方式の情報や、電力を発電した電力会社Pの情報や、電力を売電した充電インフラSの情報を管理する。より具体的に説明すると、蓄電情報管理装置110は、電気自動車Eに搭載されている。そして、蓄電情報管理装置110は、図示しない電力量計、ディスプレイ、及び通信装置とそれぞれ電気的に接続されている。ここで、電力量計は、蓄電池Bの充放電量を測定するための計器である。また、ディスプレイは、蓄電情報管理装置110が管理している情報を表示する装置である。また、通信装置は、セキュリティモジュールを具備していて、蓄電情報管理装置110が給電管理装置130や受電管理装置150と近距離無線通信を安全に行うための装置である。セキュリティモジュールとは、例えば、データを暗号や防御ソフト、アクセス制限機構等を用いて技術的に保護し、機密漏洩や外部からの攻撃、侵入、盗聴、改ざん等の危険を排除するための部品である。
給電情報管理装置130は、充電器Cから給電される電力の属性情報を管理する装置である。より具体的に説明すると、給電情報管理装置130は、充電インフラSに設けられている。そして、給電情報管理装置130は、通信回線Nに通信接続されている。また、給電情報管理装置110は、充電器C、図示しない電力量計、入力装置、及び通信装置とそれぞれ電気的に接続されている。ここで、電力量計は、充電器Cからの給電量を測定するための計器である。また、入力装置は、給電情報管理装置130にデータや情報、指示等を与えるための装置である。また、通信装置は、セキュリティモジュールを具備していて、給電情報管理装置130が蓄電情報管理装置110と近距離無線通信を安全に行うための装置である。
受電情報管理装置150は、受電設備Aが受電した電力の属性情報を管理する装置である。より具体的に説明すると、受電情報管理装置150は、需要家Rに所持されている。
そして、受電情報管理装置150は、図示しない入力装置、及び通信装置と電気的に接続されている。ここで、入力装置は、給電情報管理装置130にデータや情報、指示等を与えるための装置である。また、通信装置は、セキュリティモジュールを具備していて、受電情報管理装置150が蓄電情報管理装置110と近距離無線通信を安全に行うための装置である。
発電情報管理装置170は、電力会社Pにおいて発電された電力の属性情報を管理する装置である。より具体的に説明すると、発電情報管理装置170は、電力会社Pに所持されている。そして、発電情報管理装置170は、通信回線Nに通信接続されている。
図2は、蓄電情報管理装置110aのブロック構成の一例を示す。蓄電情報管理装置110aは、属性データ受信部111a、属性評価部112a、電力量データ入力受付部113a、条件データ受信部114a、属性データ送信部115a、表示データ出力部116a、及び属性情報格納部117aを有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
なおまた、蓄電情報管理装置110a以外の蓄電情報管理装置110b、c、・・・も、蓄電情報管理装置110aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、蓄電情報管理装置110が有する構成要素がいずれの蓄電情報管理装置110の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する蓄電情報管理装置110と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、属性データ受信部111a、属性データ受信部111b、及び属性データ受信部111cは、それぞれ蓄電情報管理装置110a、蓄電情報管理装置110b、及び蓄電情報管理装置110cの構成要素であることを示す。
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、属性データ受信部111で説明された機能及び動作は、属性データ受信部111a、属性データ受信部111b、属性データ受信部111c、・・・の機能及び動作を示す。
属性データ受信部111は、充電器Cから給電された電力が蓄電池Bに充電された場合に、蓄電池Bに給電された電力の属性情報を含む属性データを、給電情報管理装置130から受信する。
属性評価部112は、蓄電池Bが充放電される度に、蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報に基づいて、蓄電池Bに蓄電されている電力の属性を評価する。より具体的に説明すると、属性評価部112は、属性データ受信部111が受信した属性データに含まれる情報と、属性情報格納部118に格納されている属性情報とに基づいて、充電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性を評価する。また、属性評価部112は、属性データ送信部111が送信した属性データに含まれる情報と、属性情報格納部118に格納されている属性情報とに基づいて、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性を評価する。
電力量データ入力受付部113は、電力量計から出力された、蓄電池Bの充放電量を示すデータの入力を受け付ける。
条件データ受信部114は、電力を授受する際の条件を示すデータを、受電情報管理装置150から受信する。
属性データ送信部115は、蓄電池Bから放電された電力が受電設備Aに給電された場合に、蓄電池Bから放電された電力の属性情報を含む属性データを、受電情報管理装置150へ送信する。
表示データ出力部116は、蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報を表示画面に表示させる表示データを、ディスプレイへ出力する。
図3から7は、属性情報格納部117に格納される情報の一例をテーブル形式で示す。属性情報格納部117には、発電元、発電方法、充電インフラ、平均単価(円/kWh)、蓄電量(kWh)、ポイント(点)、及びポイントID(identifier)の各情報が対応付けられて格納される。
発電元は、蓄電池Bに充電された電力がいずれの電力会社P、又は充電インフラSにおいて発電されたのかを示す情報である。発電方法は、蓄電池Bに充電された電力が如何なる発電方法により発電されたのかを示す情報である。充電インフラは、蓄電池Bに充電された電力がいずれの充電インフラSにおいて供給されたのかを示す情報である。平均単価(円/kWh)は、蓄電池Bに蓄電されている各属性の電力の単価の平均額を示す情報である。蓄電量(kWh)は、蓄電池Bの蓄電量を示す情報である。ポイント(点)は、電力会社Pや充電スタンドSの事業者から発行されて、電力の属性と充電量とに応じて付与されたポイントサービスのポイント数を示す情報である。ポイントIDは、いずれの電力会社P、又は充電スタンドSの事業者が、如何なる発電方法により発電した電力に対して発行したポイントであるのかを識別するための識別符号である。
図8は、給電情報管理装置130aのブロック構成の一例を示す。給電情報管理装置130aは、属性データ取得部131a、属性データ入力受付部132a、選択データ入力受付部133a、電力量データ入力受付部134a、属性データ送信部135a、及び属性情報格納部136aを有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
なおまた、給電情報管理装置130a以外の給電情報管理装置130b、c、・・・も、給電情報管理装置130aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、給電情報管理装置130が有する構成要素がいずれの給電情報管理装置130の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する給電情報管理装置130と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、属性データ取得部131a、属性データ取得部131b、及び属性データ取得部131cは、それぞれ給電情報管理装置130a、給電情報管理装置130b、及び給電情報管理装置130cの構成要素であることを示す。
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、属性データ取得部131で説明された機能及び動作は、属性データ取得部131a、属性データ取得部131b、属性データ取得部131c、・・・の機能及び動作を示す。
属性データ取得部131は、電力会社Pから給電される電力の属性情報を含む属性データを、発電情報管理装置170から取得する。
属性データ入力受付部132は、自家発電設備から給電される電力の属性情報を含む属性データの入力を、入力装置を介して受け付ける。
選択データ入力受付部133は、充電器Cから出力された、電気自動車Eの蓄電池Bに充電する電力として電気自動車Eの利用者によって選択された電力を示すデータの入力を受け付ける。
電力量データ入力受付部134は、電力量計から出力された、充電器Cから蓄電池Bへの電力の供給量を示すデータの入力を受け付ける。
属性データ送信部135は、充電器Cから給電された電力が蓄電池Bに充電された場合に、蓄電池Bに充電された電力の属性と、充電量に応じた電力の取引価値の情報とを含む属性データを、蓄電情報管理装置110へ送信する。
図9は、属性情報格納部136に格納される情報の一例をテーブル形式で示す。属性情報135には、発電元、発電方法、給電方法、単価(円/kWh)、ポイント(点/kWh)、及びポイントIDの各情報が対応付けられて格納される。
発電元は、充電器Cにより給電される電力がいずれの電力会社P、又は充電インフラSにおいて発電されたのかを示す情報である。発電方法は、充電器Cにより給電される電力が如何なる発電方法により発電されたのかを示す情報である。給電方法は、充電器Cにより給電される電力が通常給電、又は急速給電のいずれの給電方法により給電されるのかを示す情報である。単価(円/kWh)は、充電器Cにより給電される電力の単価を示す情報である。ポイント(点/kWh)は、充電器Cから蓄電池Bに給電されると共に授受されるポイントサービスのポイント数を示す情報である。ポイントIDは、いずれの電力会社P、又は充電スタンドSが、如何なる発電方法により発電した電力に対して発行したポイントであるのかを識別するための識別符号である。
図10は、受電情報管理装置150aのブロック構成の一例を示す。受電情報管理装置150aは、条件データ送信部151a、属性データ受信部152a、電力量データ入力受付部153a、買取価格算出部154a、表示データ出力部155a、属性情報格納部156a、及び条件情報格納部157aを有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
なおまた、受電情報管理装置150a以外の受電情報管理装置150b、c、・・・も、受電情報管理装置150aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、受電情報管理装置150が有する構成要素がいずれの受電情報管理装置150の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する受電情報管理装置150と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、条件データ送信部151a、条件データ送信部151b、及び条件データ送信部151cは、それぞれ受電情報管理装置150a、受電情報管理装置150b、及び受電情報管理装置150cの構成要素であることを示す。
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、条件データ送信部151で説明された機能及び動作は、条件データ送信部151a、条件データ送信部151b、条件データ送信部151c、・・・の機能及び動作を示す。
条件データ送信部151は、電力を買電する際の条件を示すデータを、蓄電情報管理装置110へ送信する。
属性データ受信部152は、蓄電池Bから放電された電力を受電設備Aが受電した場合に、蓄電池Bから放電された電力の属性情報と、放電量に応じた電力の取引価値の情報とを含むデータを、蓄電情報管理装置110から受信する。
電力量データ入力受付部153は、電力量計から出力された、受電設備Aの受電量を示すデータの入力を受け付ける。
買取価格算出部154は、受電設備Aが受電した電力の買取価格を算出する。
表示データ出力部155は、受電設備Aが受電した電力の属性情報をディスプレイに表示させるための表示データを、ディスプレイへ出力する。
図11は、属性情報格納部156に格納される情報の一例をテーブル形式で示す。属性情報格納部156には、ポイントID、及びポイント(点)の各情報が対応付けられて格納される。
ポイントIDは、いずれの電力会社P,又は充電スタンドSが、如何なる発電方法により発電した電力に対して発行したポイントであるのかを識別するための識別符号である。
ポイント(点)は、ポイントIDによって識別されるポイントについて所持しているポイントサービスのポイント数を示す情報である。
図12、13は、条件情報格納部157に格納されている情報の一例をテーブル形式で示す。条件情報格納部157には、買取単価(円/kWh)、及びポイント(点/kWh)の各情報が格納されている。
買取単価(円/kWh)は、需要家Rが電気自動車Eの利用者から電力を買電するにあたり、需要家Rから電気自動車Eの利用者に対して支払われる単位電力量あたりの買取価格を示す情報である。ポイント(点/kWh)は、需要家Rが電気自動車Eの利用者から電力を買電するにあたり、電気自動車Eの利用者から需要家Rへ譲渡されるポイントサービスのポイント数を示す情報である。
図14は、発電情報管理装置170aのブロック構成の一例を示す。発電情報管理装置170aは、属性データ入力受付部171a、属性データ配信部172a、及び属性情報格納部173aを有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
なおまた、発電情報管理装置170a以外の発電情報管理装置170b、c、・・・も、発電情報管理装置170aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、発電情報管理装置170が有する構成要素がいずれの発電情報管理装置170の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する発電情報管理装置170と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、属性データ入力受付部171a、属性データ入力受付部171b、及び属性データ入力受付部171cは、それぞれ発電情報管理装置170a、発電情報管理装置170b、及び発電情報管理装置170cの構成要素であることを示す。
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、属性データ入力受付部171で説明された機能及び動作は、属性データ入力受付部171a、属性データ入力受付部171b、属性データ入力受付部171c、・・・の機能及び動作を示す。
属性データ入力受付部171は、電力会社Pにて発電される電力の属性情報を含む属性データの入力を、入力装置を介して受け付ける。
属性データ配信部172は、電力会社Pから給電される電力の属性情報を含む属性データを配信する。
図15は、属性情報格納部173に格納される情報の一例をテーブル形式で示す。属性情報格納部173には、発電方法、ポイント(点/kWh)、及びポイントIDの各情報が対応付けられて格納される。
発電方法は、電力会社Pから給電される電力が如何なる発電方法により発電されたのかを示す情報である。ポイント(点/kWh)は、各発電方法により発電された電力が給電されると共に授受されるポイントサービスのポイント数を示す情報である。ポイントIDは、いずれの電力会社P、又は充電スタンドSが、如何なる発電方法により発電した電力に対して発行したポイントであるのかを識別するための識別符号である。
図16は、発電情報管理装置170の動作フローの一例を示す。この動作フローは、電力会社Pにおいて発電された電力の属性情報が入力された場合の動作を示すものである。
なおまた、この動作フローの説明は、図1から図15を共に参照する。
電力会社Pにおける電力授受システム100の担当者は、電力会社Pにおいて発電された電力の属性情報を、入力装置を利用して発電情報管理装置170に入力する。例えば、電力会社Pにおける電力授受システム100の担当者は、電力会社Pにおいて発電された電力の属性情報として、電力の発電方法の情報と、その発電方法によって発電された電力が給電されると共に授受されるポイントサービスのポイント数の情報と、そのポイントを識別するためのポイントIDとを対応づけて入力する。
発電情報管理装置170の属性データ入力受付部171は、入力装置を介した電力の属性情報の入力を受け付けると(S101)、その電力の属性情報を示すデータを、属性情報格納部173に格納する(S102)。このようにして、発電情報管理装置170の属性情報格納部173には、例えば、図15に示すような電力の属性情報が格納されることになる。
図17は、給電情報管理装置130、及び発電情報管理装置170の動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスは、電力会社Pの発電情報管理装置170から、その電力会社Pの契約先の充電ステーションSの給電情報管理装置130へ、電力の属性情報を含む属性データが配信される場合の動作を示すものである。なおまた、この操作シーケンスの説明は、図1から図16を共に参照する。
ここで、発電情報管理装置170の属性情報格納部173には、図15に示すような電力の属性情報が格納されているものとする。発電情報管理装置170の属性データ配信部172は、属性情報格納部173に格納されている電力の属性情報を読み出すと、その電力の属性情報を含む属性データを配信する(S201)。例えば、属性データ配信部172は、電力の属性情報を含む属性データを、WWW(World Wide Web)に公開することによって配信する。
給電情報管理装置130の属性データ取得部131は、発電情報管理装置170から配信された属性データを取得する。例えば、属性データ取得部131は、WWWに公開されている属性データを取得する。そして、属性データ取得部131は、取得した属性データに含まれている電力の属性情報を、属性情報格納部136に格納する(S202)。このようにして、給電情報管理装置130の属性情報格納部136には、図9に示すような電力の属性情報が格納されることになる。但し、この段階においては、給電方法の情報と、単価(円/kWh)の情報と、充電インフラSにおいて発電された電力の属性情報とは格納されない。
図18は、給電情報管理装置130の動作フローの一例を示す。この動作フローは、充電インフラSにおいて給電される電力の属性情報が入力された場合の動作を示すものである。なおまた、この動作シーケンスの説明は、図1から図17を共に参照する。
充電インフラSにおける電力授受システム100の担当者は、充電インフラSにおいて給電される電力の属性情報を、入力装置を利用して給電情報管理装置130に入力する。
例えば、充電インフラSにおける電力授受システム100の担当者は、充電インフラSにおいて給電される電力の属性情報として、給電方法の情報と、単価(円/kWh)の情報と、充電インフラSにおいて発電された電力の属性情報とを入力する。
給電情報管理装置130の属性データ入力受付部132は、入力装置を介した電力の属性情報の入力を受け付けると(S301)、その電力の属性情報を示すデータを、属性情報格納部136に格納する(S302)。このようにして、給電情報管理装置130の属性情報格納部136には、例えば、図9に示すような電力の属性情報が格納されることになる。
図19は、蓄電情報管理装置110、及び給電情報管理装置130の動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスは、充電ステーションSの充電器Cから給電された電力が電気自動車Eの蓄電池Bに充電されたときの動作を示すものである。なおまた、この動作シーケンスの説明は、図1から図18を共に参照する。
電力授受システム100の充電インフラSにおいては、発電方法、給電方法、単価(円/kWh)、及びポイントサービスのポイント(点/kWh)の組み合わせが異なる電力の供給を受けることができるものとする。例えば、給電情報管理装置130の属性情報格納部136に図9に示すような情報が格納されている場合、その充電インフラSにおいては、発電方法「原子力」、給電方法「通常」、単価「20(円/kWh)」、及びポイント「0(点/kWh)」の電力、発電方法「原子力」、給電方法「急速」、単価「30(円/kWh)」、及びポイント「0(点/kWh)」の電力、発電方法「太陽光」、給電方法「通常」、単価「30(円/kWh)」、及びポイント「5(点/kWh)」の電力、発電方法「太陽光」、給電方法「急速」、単価「50(円/kWh)」、及びポイント「5(点/kWh)」の電力、発電方法「火力」、給電方法「通常」、単価「20(円/kWh)」、及びポイント「0(点/kWh)」の電力、発電方法「火力」、給電方法「急速」、単価「40(円/kWh)」、及びポイント「0(点/kWh)」の電力のうち、所望の電力の供給を受けることができるものとする。そして、充電インフラSの充電器Cには、いずれの電力の供給を受けるのかを選択するための選択ボタン等が設けられているものとする。電気自動車Eの利用者は、充電器Cに設けられた選択ボタンを操作することによって、所望の電力を選択して、電気自動車Eの蓄電池Bへの充電を開始する。一方、充電器Cは、電気自動車Eの利用者によって操作された選択ボタンにより選択され得る発電方法、給電方法、単価(円/kWh)、及びポイントサービスのポイント(点/kWh)の組み合わせの電力を示す選択データを、給電情報管理装置130へ出力する。
給電情報管理装置130の選択データ入力受付部133は、充電器Cから出力された選択データの入力を受け付けると(S401)、その選択データを、属性データ送信部135へ送る。
一方、充電器Cから蓄電池Bへの給電が開始されると、充電インフラSの電力量計は、充電器Cから蓄電池Bへの給電量の測定を開始する。そして、充電器Cから蓄電池Bへの給電が終了すると、充電インフラSの電力量計は、測定した給電量を示す電力量データを、給電情報管理装置130へ出力する。
給電情報管理装置130の電力量データ入力受付部134は、電力量計から出力された電力量データの入力を受け付けると(S402)、その電力量データを、属性データ送信部135へ送る。
同様に、電気自動車Eの電力量計は、蓄電池Bへの充電が開始されると、蓄電池Bへの充電量の測定を開始する。そして、蓄電池Bへの充電が終了すると、電気自動車Eの電力量計は、測定した充電量を示す電力量データを、蓄電情報管理装置110へ出力する。
蓄電情報管理装置110の電力量データ入力受付部113は、電力量計から出力された電力量データの入力を受け付けると(S403)、その電力量データを、属性評価部112へ送る。
一方、給電情報管理装置130の属性データ送信部135は、選択データ入力受付部133から送られた選択データを受け取って、電力量データ入力受付部134から送られた電力量データを受け取ると、属性情報格納部136に格納されている属性情報を読み出す。より具体的に説明すると、属性データ送信部135は、属性情報格納部136に格納されている属性情報のうち、選択データ入力受付部133から受け取った選択データによって示される発電方法、給電方法、単価(円/kWh)、及びポイントサービスのポイント(点/kWh)の組み合わせが対応付けられている属性情報を読み出す。そして、属性データ送信部135は、属性情報格納部136から読み出したポイント(点/kWh)の値に、電力量データ入力受付部134から受け取った電力量データによって示される給電量の値を乗じた値を、電気自動車Eの蓄電池Bの充電を行った利用者に対して付与すべきポイントサービスのポイント数として算出する。そして、属性データ送信部135は、算出したポイントサービスのポイント数の情報と、属性情報格納部136から読み出した充電インフラ、発電元、発電方法、単価(円/kWh)、及びポイントIDの各情報とを含む属性データを、充電を行った電気自動車Eの蓄電情報管理装置110へ近距離無線通信により送信する(S404)。
なおまた、蓄電池Bの充電にかかる充電料金は、属性データ送信部135が属性情報格納部136から読み出した単価(円/kWh)の値に、電力量データによって示される給電量の値を乗じた料金となる。
蓄電情報管理装置110の属性データ受信部111は、給電情報管理装置130から送信された属性データを受信すると、その属性データを、属性評価部112へ送る。
蓄電情報管理装置110の属性評価部112は、電力量データ入力受付部113から送られた電力量データを受け取り、属性データ受信部111から送られた属性データを受け取ると、充電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性を評価する(S405)。より具体的に説明すると、属性評価部112は、充電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の平均単価(円/kWh)、蓄電量(kWh)、及びポイントサービスのポイント数(点)について、充電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性として評価する。
ここで、充電前の属性情報格納部117には、図3に示すような属性情報が格納されていたとする。その場合、充電前に蓄電池Bに蓄電されていた蓄電量は、10(kWh)である。そして、電力量データによって示される充電量が10(kWh)であったとすると、属性評価部112は、充電後に蓄電池Bに蓄電されている蓄電量を、10(kWh)+10(kWh)=20(kWh)と評価する。
また、図3を参照すると、充電前のポイントサービスのポイント数は、ポイントID「X2」のポイント20(点)である。そして、ポイントID「X2」、及びポイント50(点)の各情報が属性データに含まれていたとすると、属性評価部112は、充電後のポイントサービスのポイント数を、ポイントID「X2」のポイント70(点)と評価する。
また、図3を参照すると、充電前の蓄電池Bに蓄電されていた蓄電量は、10(kWh)である。また、図3を参照すると、充電前の蓄電池Bに蓄電されていた電力の平均単価は、30(円/kWh)である。そして、電力量データによって示される充電量が10(kWh)であり、単価「50(円/kWh)」の情報が属性データに含まれていたとすると、属性評価部112は、充電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の平均単価を、(10(kWh)×30(円/kWh)+10(kWh)×50(円/kWh))/(10(kWh)+10(kWh))=40(円/kWh)と評価する。
そして、属性評価部112は、このように評価した電力の属性情報を、属性情報格納部117に格納する(S406)。このようにして、属性情報格納部117には、図4に示すような情報が格納されることになる。
このようにして、属性情報格納部117に格納されている属性情報が更新されると、蓄電情報管理装置110の表示データ出力部116は、属性情報格納部117に格納されている属性情報を読み出して、蓄電池Bに蓄電されている電力の現在の属性情報をディスプレイに表示させるための表示データを、ディスプレイへ出力する(S407)。そして、ディスプレイには、蓄電池Bに蓄電されている電力の現在の属性情報として、更新された平均単価(円/kWh)、蓄電量(kWh)、及びポイントサービスのポイント数(点)の各情報が表示されることになる。このようにして、電気自動車Eの利用者は、充電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報を把握することができる。
図20は、蓄電情報管理装置110の動作フローの一例を示す。この動作フローは、電気自動車Eが走行した場合の動作を示すものである。なおまた、この動作フローの説明は、図1から図19を共に参照する。
電気自動車Eは、蓄電池Bから放電される電力によりモーターを駆動して走行する。このように、電気自動車Eの走行に伴って蓄電池Bから放電されると、電気自動車Eの電力量計は、蓄電池Bの放電量を測定する。そして、電力量計は、その放電量を示す電力量データを、蓄電情報管理装置110へ出力する。
蓄電情報管理装置110の電力量データ入力受付部113は、電力量計から出力された電力量データの入力を受け付けると(S501)、その電力量データを、属性評価部112へ送る。
蓄電情報管理装置110の属性評価部112は、電力量データ入力受付部113から送られた電力量データを受け取ると、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性を評価する(S502)。より具体的に説明すると、属性評価部112は、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の蓄電量(kWh)について、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性として評価する。
ここで、放電前の属性情報格納部117には、図4に示すような属性情報が格納されていたとする。その場合、放電前に蓄電池Bに蓄電されていた蓄電量は、20(kWh)である。そして、電力量データによって示される放電量が5(kWh)であったとすると、属性評価部112は、充電後に蓄電池Bに蓄電されている蓄電量を、20(kWh)−5(kWh)=15(kWh)と評価する。
そして、属性評価部112は、このように評価した電力の属性情報を、属性情報格納部117に格納する(S503)。このようにして、属性情報格納部117には、図5に示すような情報が格納されることになる。
このようにして属性情報格納部117に格納されている属性情報が更新されると、蓄電情報管理装置110の表示データ出力部116は、属性情報格納部117に格納されている属性情報を読み出して、蓄電池Bに蓄電されている電力の現在の属性情報をディスプレイに表示させるための表示データを、ディスプレイへ出力する(S504)。そして、ディスプレイには、蓄電池Bに蓄電されている電力の現在の属性情報として、更新された蓄電量(kWh)の情報が表示されることになる。このようにして、電気自動車Eの利用者は、走行後の蓄電量を把握することができる。
図21は、蓄電情報管理装置110、及び受電情報管理装置150の動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスは、電気自動車Eの蓄電池Bから放電された電力が需要家Rの受電設備Aに給電された場合の動作を示すものである。なおまた、この動作シーケンスの説明は、図1から図20を共に参照する。
電力授受システム100においては、電気自動車Eの利用者は、蓄電池Bに蓄電されている電力を需要家Rに売電することによって、その対価を得ることができるものとする。
そして、蓄電池Bに蓄電されている電力は、放電されて、需要家Rの受電設備Aに給電されることによって、需要家Rに売電されるものとする。
また、電力授受システム100においては、需要家Rは、電力を買電するにあたり、所望の条件を設定することができるものとする。そして、その条件は、受電情報管理装置150の条件情報格納部157に格納されているものとする。例えば、電力を買電する際の条件として、買取単価「35(円/kWh)」、電力と共に授受されるポイントサービスのポイント「5(点)」が設定されている場合、条件情報格納部157には、図12に示すような情報が格納されていることになる。この場合、電気自動車Eの利用者は、電気自動車Eの蓄電池Bに蓄電されている電力を売電するにあたり、需要家Rによって定められた条件に応じた上で取引を行うことになる。
また、電力を買電する際の条件として、買取単価「35(円/kWh)」、「40(円/kWh)」、又は「50(円/kWh)」のうちから電気自動車Eの利用者が選択することができるように設定されて、電力と共に授受されるポイントサービスのポイント「3(点)」、「5(点)」、又は「10(点)」のうちから電気自動車Eの利用者が選択することができるように設定されている場合、条件情報格納部157には、図13に示すような情報が格納されていることになる。そして、電気自動車Eの利用者は、電気自動車Eの蓄電池Bの電力を売電するにあたり、需要家Rによって定められた条件の選択肢の中から、所望の条件を選択した上で取引を行うことになる。
需要家Rと電気自動車Eの利用者との間で電力を売買する際の条件に合意が成立すると、例えば、需要家Rは、受電情報管理装置150に接続された入力装置を操作して、合意された条件を入力する。
受電情報管理装置150の条件データ送信部151は、入力された条件に対応する情報を、条件情報格納部157から読み出して、その条件を示す条件データを、買取価格算出部154へ送ると共に、蓄電情報管理装置110へ近距離無線通信により送信する(S601)。蓄電情報管理装置110の条件データ受信部114は、受電情報管理装置150から送信された条件データを受信すると、その条件データを、属性評価部112、及び属性データ送信部115へ送る。
そして、蓄電池Bから受電設備Aへの給電が開始されると、受電設備Aと共に設けられた電力量計は、受電設備Aの受電量の測定を開始する。そして、蓄電池Bから受電設備Aへの給電が終了すると、電力量計は、測定した受電量を示す電力量データを、受電情報管理装置150へ出力する。
受電情報管理装置150の電力量データ入力受付部153は、電力量計から出力された電力量データの入力を受け付けると(S602)、その電力量データを、買取価格算出部154へ送る。
蓄電情報管理装置150の買取価格算出部154は、条件データ送信部151から送られた条件データを受け取って、電力量データ入力受付部153から送られた電力量データを受け取ると、受電設備Aが受電した電力の買取価格を算出する(S603)。より具体的に説明すると、買取価格算出部154は、条件データによって示される買取単価(円/kWh)の値に、電力量データによって示される受電量の値を乗じることによって、買取価格を算出する。そして、買取価格算出部154は、算出した買取価格を示す買取価格データを、表示データ出力部155へ送る。
同様に、蓄電池Bから受電設備Aへの給電が開始されると、電気自動車Eの電力量計は、蓄電池Bの放電量の測定を開始する。そして、蓄電池Bから受電設備Aへの給電が終了すると、電力量計は、測定した放電量を示す電力量データを、蓄電情報管理装置110へ出力する。
蓄電情報管理装置110の電力量データ入力受付部113は、電力量計から出力された電力量データの入力を受け付けると(S604)、その電力量データを、属性評価部112、及び属性データ送信部115へ送る。
蓄電情報管理装置110の属性データ送信部115は、条件データ受信部114から送られた条件データを受け取って、電力量データ入力受付部113から送られた電力量データを受け取ると、蓄電池Bから放電された電力の属性情報を含む属性データを、受電情報管理装置150へ送信する(S605)。例えば、属性データ送信部115は、条件データによって示される需要家Rへ譲渡されるべき単位電力量あたりのポイント数に、電力量データによって示される放電量を乗じて、需要家Rへ譲渡されるべきポイント数を算出する。そして、属性データ送信部115は、属性情報格納部117に格納されている情報を参照して、所持しているポイントのうち、需要家Rへ譲渡されるべきポイント数を充足し得るポイントのポイントIDを読み出す。そして、属性データ送信部115は、需要家Rへ譲渡されるべきポイント数と、属性情報格納部117から読み出したポイントIDとを示す属性データを、属性評価部112へ送ると共に、受電情報管理装置150へ送信する。
受電情報管理装置150の属性データ受信部152は、蓄電情報管理装置110から送信された属性データを受信すると、その属性データによって示されるポイントID、及びポイント(点)の各情報を、属性情報格納部156に格納する(S606)。属性情報格納部156に既に格納されている情報がある場合、属性データ受信部152は、属性データによって示されるポイント(点)の値を、そのポイントIDと同じポイントIDに対応付けられて格納されているポイント(点)値に加算して更新する。このようにして、受電情報管理装置150の属性情報格納部156には、図11に示すような情報が格納されることになる。また、属性データ受信部152は、属性データを、表示データ出力部155へ送る。
受電情報管理装置150の表示データ出力部155は、買取価格算出部154から送られた買取価格データを受け取って、属性データ受信部152から送られた属性データを受け取ると、受電設備Aが受電した電力の属性情報をディスプレイに表示させるための表示データを、ディスプレイへ出力する(S607)。例えば、表示データ出力部155は、受電設備Aが受電した電力の属性情報として、買取価格データによって示される電力の買取価格や、属性データによって示される電気自動車Eの利用者から譲渡されたポイント数の情報を表示させるための表示データを出力する。このようにして、需要家Rは、買電した電力の買取価格や、獲得したポイント数等の情報を把握することができる。その際、コンビニエンスストアの需要家Rは、電気自動車Eの利用者に対して電力の買取価格に相当する現金を支払うのではなく、コンビニエンスストアにて販売されている商品のうち、電力の買取価格に相当する商品を譲渡するようにしてもよい。また、コンビニエンスストアの需要家Rは、電気自動車Eの利用者から譲渡されたポイントサービスのポイント数に応じて、コンビニエンスストアの商品を譲渡するようにしてもよい。
一方、蓄電情報管理装置110の属性評価部112は、条件データ受信部114から送られた条件データを受け取って、電力量データ入力受付部113から送られた電力量データを受け取って、属性データ送信部115から送られた属性データを受け取ると、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性を評価する(S608)。より具体的に説明すると、属性評価部112は、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の平均単価(円/kWh)、蓄電量(kWh)、及びポイントサービスのポイント数(点)について、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性として評価する。
ここで、放電前の属性情報格納部117には、図5に示すような属性情報が格納されていたとする。その場合、放電前に蓄電されていた蓄電量は、15(kWh)である。そして、電力量データによって示される放電量が5(kWh)であったとすると、属性評価部112は、放電後に蓄電池Bに蓄電されている蓄電量を、15(kWh)−5(kWh)=10(kWh)と評価する。
また、図5を参照すると、放電前のポイントサービスのポイント数は、ポイントID「X2」のポイント70(点)である。そして、ポイントID「X2」、及びポイント25(点)の各情報が属性データに含まれていたとすると、属性評価部112は、放電後のポイントサービスのポイント数を、ポイントID「X2」のポイント45(点)と評価する。また、例えば、ポイントID「X2」、及びポイント50(点)の各情報が属性データに含まれていたとすると、属性評価部112は、放電後のポイントサービスのポイント数を、ポイントID「X2」のポイント20(点)と評価する。
また、図5を参照すると、放電前の蓄電池Bに蓄電されていた蓄電量は、15(kWh)である。また、図5を参照すると、放電前の蓄電池Bに蓄電されていた電力の平均単価は、40(円/kWh)である。そして、電力量データによって示される放電量が5(kWh)であり、買取単価「35(円/kWh)」の情報が条件データに含まれていたとすると、属性評価部112は、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の平均単価を、(15(kWh)×40(円/kWh)−5(kWh)×35(円/kWh))/(15(kWh)−5(kWh))=42.5(円/kWh)と評価する。また、例えば、電力量データによって示される放電量が5(kWh)であり、買取単価(50(円/kWh))の情報が条件データに含まれていたとすると、属性評価部112は、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の平均単価を、(15(kWh)×40(円/kWh)−5(kWh)×50(円/kWh))/(15(kWh)−5(kWh))=35(円/kWh)と評価する。
そして、属性評価部112は、このようにして評価した電力の属性情報を、属性情報格納部117に格納する(S609)。このようにして、属性情報格納部117には、図6、7に示すような情報が格納されることになる。
このようにして、属性情報格納部117に格納されている属性情報が更新されると、蓄電情報管理装置110の表示データ出力部116は、属性情報格納部117に格納されている属性情報を読み出して、蓄電池Bに蓄電されている電力の現在の属性情報をディスプレイに表示させるための表示データを、ディスプレイへ出力する(S610)。そして、ディスプレイには、蓄電池Bに蓄電されている電力の現在の属性情報として、更新された平均単価(円/kWh)、蓄電量(kWh)、及びポイントサービスのポイント数(点)の各情報が表示されることになる。このようにして、電気自動車Eの利用者は、放電後に蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報を把握することができる。
図22は、第2の実施形態に係る電力授受システム200の利用環境の一例を示す。電力授受システム200は、上述した電力授受システム100と同様に、電気自動車Eの蓄電池Bを利用して電力を売買するシステムである。電力授受システム200においては、電気自動車Eの利用者は、他の電気自動車Eの蓄電池Bとの間で電力を授受するものとする。
電力授受システム200は、複数の蓄電情報管理装置210a、b、c、・・・(以下、蓄電情報管理装置210と総称する。)、及び蓄電情報管理サーバ290、及び通信回線Nを備える。
蓄電情報管理装置210は、上述した蓄電情報管理装置110と同様に、蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報を管理する装置である。より具体的に説明すると、蓄電情報管理装置210は、電気自動車Eに搭載されている。そして、蓄電情報管理装置210は、図示しない電力量計、ディスプレイ、及び通信装置とそれぞれ電気的に接続されている。ここで、電力量計は、蓄電池Bの充放電量を測定するための計器である。また、ディスプレイは、蓄電情報管理装置210が管理している情報を表示する装置である。また、通信装置は、セキュリティモジュールを具備していて、蓄電情報管理装置210が他の蓄電情報管理装置210や蓄電情報管理サーバ290と通信を安全に行うための装置である。
セキュリティモジュールとは、例えば、データを暗号や防御ソフト、アクセス制限機構等を用いて技術的に保護し、機密漏洩や外部からの攻撃、侵入、盗聴、改ざん等の危険を排除するための部品である。
蓄電情報管理サーバ290は、各電気自動車Eの蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報を管理するサーバである。より具体的に説明すると、蓄電情報管理サーバ210は、例えば、電力授受システム200を運営している事業者によって管理される。そして、蓄電情報管理サーバ290は、通信回線Nに通信接続されている。
図23は、蓄電情報管理装置210aのブロック構成の一例を示す。蓄電情報管理装置210aは、属性データ受信部211a、属性評価部212a、電力量データ入力受付部213a、条件データ受信部214a、属性データ送信部215a、表示データ出力部216a、属性情報格納部217a、条件データ入力受付部218a、及び条件データ送信部219aを有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
なおまた、蓄電情報管理装置210a以外の蓄電情報管理装置210b、c、・・・も、蓄電情報管理装置210aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、蓄電情報管理装置210が有する構成要素がいずれの蓄電情報管理装置210の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する蓄電情報管理装置210と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、属性データ受信部211a、属性データ受信部211b、及び属性データ受信部211cは、それぞれ蓄電情報管理装置210a、蓄電情報管理装置210b、及び蓄電情報管理装置210cの構成要素であることを示す。
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、属性データ受信部211で説明された機能及び動作は、属性データ受信部211a、属性データ受信部211b、属性データ受信部211c、・・・の機能及び動作を示す。
属性評価部212、電力量データ入力受付部213、及び表示データ出力部216の機能及び動作は、上述した蓄電情報管理装置110の属性評価部112、電力量データ入力受付部113、及び表示データ出力部116の機能及び動作と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
属性データ受信部211は、他の電気自動車Eの蓄電池Bから給電された電力が自車両の蓄電池Bに充電された場合に、自車両の蓄電池Bに給電された電力の属性情報を含む属性データを、他の蓄電情報管理装置110から受信する。
条件データ受信部214は、電力を授受する際の条件を示すデータを、他の蓄電情報管理装置110から受信する。
属性データ送信部215は、自車両の蓄電池Bから放電された電力が他の電気自動車の蓄電池Bに給電された場合に、自車両の蓄電池Bから放電された電力の属性情報を含む属性データを、他の蓄電情報管理装置210、及び蓄電情報管理サーバ290へ送信する。
また、属性データ送信部215は、属性情報格納部217に格納されている属性情報が更新されると、属性情報格納部217に格納されている属性情報を含む属性データを、蓄電情報管理サーバ290へ送信する。
条件データ入力受付部218は、電力を売買する際の条件を示すデータの入力を、入力装置を介して受け付ける。
条件データ送信部219は、電力を売買する際の条件を示すデータを、他の蓄電情報管理装置210へ送信する。
図24から図27は、属性情報格納部217に格納される情報の一例をテーブル形式で示す。属性情報格納部217には、上述した属性情報格納部117と同様に、発電元、発電方法、充電インフラ、平均単価(円/kWh)、蓄電量(kWh)、ポイント(点)、及びポイントIDの各情報が対応付けられて格納される。
図28は、蓄電情報管理サーバ290のブロック構成の一例を示す。蓄電情報管理サーバ290は、属性データ受信部291、電子決済処理部292、決済情報格納部293、及び属性情報格納部294を有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
属性データ受信部291は、蓄電池Bから放電された電力の属性情報を含む属性データを、蓄電情報管理装置210から受信する。また、属性データ受信部291は、蓄電池Bに蓄電されている電力の属性情報を含む属性データを、蓄電情報管理装置210から受信する。
電子決済処理部292は、電気自動車Eの利用者間で授受された電力の売買代金を電子決済する。
図29は、決済情報格納部293に格納されている情報の一例をテーブル形式で示す。利用者情報格納部293には、利用者ID、氏名、及び決済情報の各情報が対応付けられて格納されている。
利用者IDは、電力授受システム200の利用者の中で、各利用者を一意に識別するための識別符号である。氏名は、利用者IDによって識別される利用者の姓名である。決済情報は、利用者IDによって識別される利用者が他の利用者との間で電力を売買した際に、電子決済を行うために必要な情報である。
図30は、属性情報格納部294に格納される情報の一例をテーブル形式で示す。属性情報格納部294には、各蓄電情報管理装置210の属性情報格納部217に格納されている属性情報と同じ情報がそれぞれ個別に格納されている。
図31は、蓄電情報管理装置210a、蓄電情報管理装置210b、及び蓄電情報管理サーバ290の動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスは、電気自動車Eの蓄電池Bから放電された電力を他の電気自動車Eの蓄電池Bに給電した場合の動作を示すものである。なおまた、この動作シーケンスの説明は、図1から図28を共に参照する。
電力授受システム200においては、電気自動車Eの利用者同士が蓄電池Bに蓄電されている電力を売買するものとする。以下の説明においては、電気自動車Ebの利用者が電気自動車Eaの利用者から電力を買電する場合の例について説明する。電力を売買するにあたり、電気自動車Ea、bの各利用者は、電力の取引単価(円/kWh)等の条件を交渉する。そして、交渉により条件が決まると、電気自動車Ebの利用者は、入力装置を利用して、決定された条件と、自身の利用者IDとを含む条件データを、蓄電情報管理装置210bへ入力する。
蓄電情報管理装置210bの条件データ入力受付部218bは、条件データの入力を受け付けると(S701)、その条件データを、属性評価部212a、及び条件データ送信部219bへ送る。
蓄電情報管理装置210bの条件データ送信部219bは、条件データ入力受付部218bから送られた条件データを受け取ると、その条件データを、蓄電情報管理装置210aへ近距離無線通信により送信する(S702)。蓄電情報管理装置210aの条件データ受信部214aは、蓄電情報管理装置210bから送信された条件データを受信すると、その条件データを、属性評価部212a、及び属性データ送信部215aへ送る。
そして、電気自動車Eaの蓄電池Baから電気自動車Ebの蓄電池Ebへの給電が開始されると、電気自動車Ebの電力量計は、蓄電池Bbの充電量の測定を開始する。そして、蓄電池Baから蓄電池Bbへの給電が終了すると、電気自動車Ebの電力量計は、測定した充電量を示す電力量データを、蓄電情報管理装置210bへ出力する。
蓄電情報管理装置210bの電力量データ入力受付部213bは、電力量計から出力された電力量データの入力を受け付けると(S703)、その電力量データを、属性評価部212bへ送る。
同様に、電気自動車Eaの蓄電池Baから電気自動車Ebの蓄電池Bbへの給電が開始されると、電気自動車Eaの電力量計は、蓄電池Baの放電量の測定を開始する。そして、蓄電池Baから蓄電池Bbへの給電が終了すると、電気自動車Eaの電力量計は、測定した放電量を示す電力量データを、蓄電情報管理装置210aへ出力する。
蓄電情報管理装置210aの電力量データ入力受付部213aは、電力量計から出力された電力量データの入力を受け付けると(S704)、その電力量データを、属性評価部212a、及び属性データ送信部215aへ送る。
蓄電情報管理装置210aの属性データ送信部215aは、条件データ受信部214aから送られた条件データを受け取って、電力量データ入力受付部213aから送られた電力量データを受け取ると、蓄電池Baから放電された電力の属性情報を含む属性データを、蓄電情報管理装置210b、及び蓄電情報管理サーバ290へ送信する(S705、S706)。例えば、属性データ送信部215aは、様々な発電元にて発電された電力、様々な発電方法により発電された電力、及び様々な充電インフラSにて給電された電力が混成された電力であることを示す属性情報を含む属性データを、蓄電情報管理装置210bへ送信する。また、属性データ送信部215aは、条件データに含まれている電力の取引単価(円/kWh)の値に、電力量データ入力受付部213によって示される放電量(kWh)の値を乗じて、電力の取引価格(円)を算出する。そして、属性データ送信部215aは、算出した電力の取引価格(円)の情報と、自身の利用者IDと、条件データに含まれている取引相手の利用者IDとを含む属性データを、蓄電情報管理サーバ290へ送信すると共に、属性評価部212aへ送る。
蓄電情報管理サーバ290の属性データ受信部291は、蓄電情報管理装置210aから送信された属性データを受信すると、その属性データを、電子決済処理部292へ送る。
蓄電情報管理サーバ290の電子決済処理部292は、属性データ受信部291から送られた属性データを受け取ると、決済情報格納部293に格納されている決済情報を参照して、属性データに含まれている各利用者IDによって識別される利用者間における電力の売買に係る電子決済を行う。このようにして、電力授受システム200においては、電気自動車Eの利用者間で電力を売買するにあたり、利用者同士で金銭を直接やり取りすることなく取引を行うことができる。
一方、蓄電情報管理装置210aの属性評価部212aは、条件データ受信部214aから送られた条件データを受け取って、電力量データ入力受付部213aから送られた電力量データを受け取って、属性データ送信部215aから送られた属性データを受け取ると、放電後に蓄電池Baに蓄電されている電力の属性を評価する(S708)。より具体的に説明すると、属性評価部212aは、放電後に蓄電池Baに蓄電されている電力の平均単価(円/kWh)、及び蓄電量(kWh)について、放電後に蓄電池Baに蓄電されている電力の属性として評価する。
ここで、放電前の属性情報格納部217aには、図24に示すような属性情報が格納されていたとする。その場合、放電前に蓄電されていた蓄電量は、15(kWh)である。
そして、電力量データによって示される放電量が5(kWh)であったとすると、属性評価部212aは、放電後に蓄電池Baに蓄電されている蓄電量を、15(kWh)−5(kWh)=10(kWh)と評価する。
また、図24を参照すると、放電前の蓄電池Baに蓄電されていた蓄電量は、15(kWh)である。また、図24を参照すると、放電前の蓄電池Baに蓄電されていた電力の平均単価は、40(円/kWh)である。そして、電力量データによって示される放電量が5(kWh)であり、取引単価35(円/kWh)の情報が条件データに含まれていたとすると、属性評価部212aは、放電後に蓄電池Baに蓄電されている電力の平均単価を、(15(kWh)×40(円/kWh)−5(kWh)×35(円/kWh))/(15(kWh)−5(kWh))=42.5(円/kWh)と評価する。
なおまた、この例においては、取引されたポイントの情報が属性データに含まれていないことから、属性評価部212aは、属性情報として、ポイントに関する評価を行っていない。しかしながら、取引されたポイントの情報が属性データに含まれている場合、属性評価部212aは、上述した属性評価部112による処理と同様に、ポイントに関する評価を行うことになる。
そして、属性評価部212aは、このようにして評価した電力の属性情報を、属性情報格納部217aに格納する(S709)。このようにして、属性情報格納部217aには、図25に示すような情報が格納されることになる。
このようにして、属性情報格納部217aに格納されている属性情報が更新されると、蓄電情報管理装置210aの属性データ送信部215aは、属性情報格納部217aに格納されている属性情報を読み出して、その属性情報を示す属性データを、蓄電情報管理サーバ290へ送信する(S710)。
蓄電情報管理サーバ290の属性データ受信部291は、蓄電情報管理装置210aから送信された属性データを受信すると、その属性データを、属性情報格納部294に格納する(S711)。このようにして、蓄電情報管理サーバ290の属性情報格納部294には、図30(a)に示すような情報が格納されることになる。このようにして、蓄電情報管理装置210aにて管理されている属性情報は、蓄電情報管理サーバ290にバックアップされる。
一方、蓄電情報管理装置210aの属性情報格納部217aに格納されている属性情報が更新されると、蓄電情報管理装置210aの表示データ出力部216aは、属性情報格納部217aに格納されている属性情報を読み出して、蓄電池Baに蓄電されている電力の現在の属性情報をディスプレイに表示させるための表示データを、ディスプレイへ出力する(S712)。そして、ディスプレイには、蓄電池Baに蓄電されている電力の属性情報として、更新された平均単価(円/kWh)、及び蓄電量(kWh)の各情報が表示されることになる。このようにして、電気自動車Eaの利用者は、放電後に蓄電池Baに蓄電されている電力の属性情報を把握することができる。
一方、蓄電情報管理装置210bの属性評価部212bは、条件データ入力受付部214bから送られた条件データを受け取って、電力量データ入力受付部213bから送られた電力量データを受け取って、属性データ受信部211bから送られた属性データを受け取ると、充電後に蓄電池Bbに蓄電されている電力の属性を評価する(S713)。より具体的に説明すると、属性評価部212bは、充電後に蓄電池Bbに蓄電されている電力の平均単価(円/kWh)、及び蓄電量(kWh)について、充電後に蓄電池Bbに蓄電されている電力の属性として評価する。
ここで、充電前の属性情報格納部217bには、図26に示すような属性情報が格納されていたとする。その場合、充電前に蓄電されていた蓄電量は、5(kWh)である。そして、電力量データによって示される充電量が5(kWh)であったとすると、属性評価部212bは、充電後に蓄電池Bbに蓄電されている蓄電量を、5(kWh)+5(kWh)=10(kWh)と評価する。
また、図26を参照すると、充電前の蓄電池Bbに蓄電されていた蓄電量は、5(kWh)である。また、図26を参照すると、充電前の蓄電池Bbに蓄電されていた電力の平均単価は、30(円/kWh)である。そして、電力量データによって示される充電量が5(kWh)であり、取引単価35(円/kWh)の情報が条件データに含まれていたとすると、属性評価部212bは、充電後に蓄電池Bbに蓄電されている電力の平均単価を、(5(kWh)×30(円/kWh)+5(kWh)×35(円/kWh))/(5(kWh)+5(kWh))=32.5(円/kWh)と評価する。
なおまた、この例においては、取引されたポイントの情報が属性データに含まれていないことから、属性評価部212bは、属性情報として、ポイントに関する評価を行っていない。しかしながら、取引されたポイントの情報が属性データに含まれている場合、属性評価部212bは、上述した属性評価部112による処理と同様に、ポイントに関する評価を行うことになる。
そして、属性評価部212bは、このようにして評価した電力の属性情報を、属性情報格納部217bに格納する(S714)。このようにして、属性情報格納部217bには、図27に示すような情報が格納されることになる。
このようにして、属性情報格納部217bに格納されている属性情報が更新されると、蓄電情報管理装置210bの属性データ送信部215bは、属性情報格納部217bに格納されている属性情報を読み出して、その属性情報を示す属性データを、蓄電情報管理サーバ290へ送信する(S715)。
蓄電情報管理サーバ290の属性データ受信部291は、蓄電情報管理装置210bから送信された属性データを受信すると、その属性データを、属性情報格納部294に格納する(S716)。このようにして、蓄電情報管理サーバ290の属性情報格納部294には、図30(b)に示すような情報が格納されることになる。このようにして、蓄電情報管理装置210bにて管理されている属性情報は、蓄電情報管理サーバ290にバックアップされる。
一方、蓄電情報管理装置210bの属性情報格納部217bに格納されている属性情報が更新されると、蓄電情報管理装置210bの表示データ出力部216bは、属性情報格納部217bに格納されている属性情報を読み出して、蓄電池Bbに蓄電されている電力の現在の属性情報をディスプレイに表示させるための表示データを、ディスプレイへ出力する(S712)。そして、ディスプレイには、蓄電池Bbに蓄電されている電力の属性情報として、更新された平均単価(円/kWh)、及び蓄電量(kWh)の各情報が表示されることになる。このようにして、電気自動車Ebの利用者は、充電後に蓄電池Bbに蓄電されている電力の属性情報を把握することができる。
以上説明したように、電力授受システム100、200においては、蓄電池Bを介して電力を授受するにあたり、蓄電池Bに充放電される電力に対して、その電力の属性の情報を紐付けることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。