JP6738245B2 - 電気コネクタ - Google Patents
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Description
そこで、タイン部を整列させ、かつ位置ずれを防ぐために、例えば特許文献1に記載されるタインプレートが用いられている。タインプレートには、その表裏を貫通する位置決め孔が形成されており、この位置決め孔にタイン部を貫通させる。そうすることにより、タイン部を基板の接続孔に対して正確に位置決めし、かつ位置ずれを防ぐことができる。
タインプレートは、通常、幅方向の両端をコネクタハウジングに係止させることで、コネクタハウジングからの抜け止めされている。しかし、タインプレートの撓みが大きくなると、タインプレートとコネクタハウジングのロックが外れてしまい、タインプレートがコネクタハウジングから離脱するおそれがある。
タインプレートを複数個に分割すれば撓みが小さくなるので、コネクタハウジングからの離脱を防止できるが、分割に伴って部品点数が増加するので製品コストを押し上げる。
本発明におけるタインプレートは、幅方向に延びるプレート本体と、プレート本体の幅方向の中間位置に設けられ、プレート本体よりも高い剛性を有するとともに、コネクタハウジングへの係止を担うロック要素を有する高剛性ブロックと、を備える、ことを特徴とする。
また、本発明のコネクタハウジングは、第一ロック要素の係止が解除される向きへのタインプレートの変位を規制する第二ロック要素を含む、ことが好ましい。
しかも、本発明に係るタインプレートは、高剛性ブロックが複数のタインプレートを繋ぐ機能を有するので、高剛性ブロックを設けることにより長尺なタインプレートを一つの部品として扱うことができる。
本実施形態に係る電気コネクタ10は、図1に示すように、電気絶縁性のコネクタハウジング20と、コネクタハウジング20に保持される複数の導電性のコンタクト40と、複数のコンタクト40を整列させる部材である電気絶縁性のタインプレート50と、を備えている。電気コネクタ10は、幅方向Yの寸法が大きく、これに伴ってタインプレート50は長尺に形成されているが、部分的に剛性を高くすることにより、撓みを防止できる。
複数のコンタクト40を保持するコネクタハウジング20は、電気絶縁性の樹脂を射出成形することにより、一体に形成される。
コネクタハウジング20は、図1及び図4に示すように、図示しない相手コネクタが嵌合される嵌合部21,23を前側に備えている。フード状をなす嵌合部21,23は、それぞれに受容空間22,24が形成されている。相手コネクタは、この受容空間22,24に挿入されることにより、電気コネクタ10と嵌合される。
カバー部25には、図2(b)及び図4(b)に示すように、タインプレート50の幅方向Yの中間位置、特に中央部分に設けられる高剛性ブロック60を受容するブロック受け33が設けられている。ブロック受け33は、上壁26から下方に向けて所定の位置まで吊り下げられており、幅方向Yに間隔を空けて設けられる一対の側壁34,34と、上壁26に連なる庇35と、を備える。側壁34,34及び庇35は、上壁26よりも後方に向けて張り出している。
ブロック受け33の内部に臨むコンタクト保持壁29には、タインプレート50のロックアーム67がロックされるロック突起37が設けられている。ロック突起37とロックアーム67とで、ハウジング20とタインプレート50の係止を担う本発明のロック要素、特に第一ロック要素を構成する。
また、側壁34,34のそれぞれには、後端かつ下端にロック片38,38が設けられる。ロック片38,38は、タインプレート50の高剛性ブロック60の後端と係止されることで、タインプレート50が後方への変位、つまりロック突起37とロックアーム67の係止が解除される向きへのタインプレート50の変位を規制する。互いに係止される高剛性ブロック60の後端とロック片38,38は、本発明のロック要素、特に第二ロック要素を構成する。
コンタクト40は、図1に示すように、相手コネクタのコンタクトとの接続に供される接触部42と、基板の接続孔(図示せず)に挿入されるタイン部45を先端に有する垂下部44と、接触部42と垂下部44とを繋ぐ屈曲部46とを有している。コンタクト40は、接触部42が相手コネクタとの嵌合方向Xと略平行に延びており、垂下部44は嵌合方向Xと略直交する方向に延びている。コンタクト40は、薄い金属板を打ち抜くと共に、屈曲部46においておよそ90°に折り曲げて形成される。コンタクト40は、例えば銅合金のような高導電性の金属材料から構成される。また、タイン部45は、基板の接続孔に挿入され、はんだ付けにより基板の導電パッド(図示せず)に電気的に接続される。そのために、タイン部45は、表面に金属めっき、例えば、錫メッキが施される。
タイン部45は、接続孔においてはんだ付けにより基板に固定される。
タインプレート50は、図1に示すように、コンタクト40のタイン部45を保持し、コンタクト40を所定の位置に整列させるとともに、外力が加わってコンタクト40が位置ずれするのを防止する。
タインプレート50は、図1及び図5に示すように、所定本数のコンタクト40が挿入される端子整列孔54が形成されるプレート本体51と、プレート本体51の幅方向Yの中央から高さ方向Zに立ち上る高剛性ブロック60と、を一体に備えている。タインプレート50は、絶縁性の樹脂材料を射出成形することにより一体的に成形されている。タインプレート50は、高剛性ブロック60を備えるところに特徴を有している。
第一プレート55及び第二プレート56のそれぞれの幅方向Yの両端には、タインプレート50をコネクタハウジング20とロックするためのロック突起57,58が形成されている。ロック突起57,58は、コネクタハウジング20のロック突起31,32と互いに係止されることで、タインプレート50がコネクタハウジング20の高さ方向Z、つまりタインプレート50がコネクタハウジング20から離脱する向きに変位するのを規制する。ロック突起57,58はロック突起31,32とともに本発明のロック要素、特に第三ロック要素を構成する。
高剛性ブロック60は、図5に示すように、第一プレート55と第二プレート56を接続することにより、プレート本体51を一体化するとともに、タインプレート50の撓みに対する剛性を向上する。この撓みは、タインプレート50の厚さ方向についてのものである。また、高剛性ブロック60は、タインプレート50をコネクタハウジング20に保持させる機能を果たす。
次に、コンタクト40とタインプレート50をコネクタハウジング20に組み付ける手順について説明する。
はじめに、用意した必要な数の真っ直ぐなコンタクト40を、コネクタハウジング20の後方側に配置し、コンタクト40の接触部42をコンタクト保持壁29の保持孔30に圧入するように押し込む。全てのコンタクト40の圧入を終えたら、それぞれのコンタクト40の屈曲部46に対応する個所を折り曲げる。
この押し込みの過程で、幅方向Yの中央部において、タインプレート50のロックアーム67とコネクタハウジング20のロック突起37とが互いに係止される。また、幅方向Yの両端部において、タインプレート50のロック突起57,58とコネクタハウジング20のロック突起31,32とが互いに係止される。つまり、タインプレート50は、幅方向Yの両端部と中央の併せて3か所でコネクタハウジング20からの抜け止めロックがなされる。
この組み付けの過程を通じて、又は、組み付け後において、コンタクト40はタインプレート50により所定の整列状態が維持される。
以下、本実施形態に係る電気コネクタ10が奏する効果を説明する。
電気コネクタ10は、タインプレート50が幅方向Yの中央部分に高剛性ブロック60を備えており、タインプレート50は高さ方向zの剛性が高くなるので、タインプレート50の撓みを抑えることができる。しかも、本実施形態は、コネクタハウジング20のロック突起37と高剛性ブロック60のロックアーム67との係止により、タインプレート50がハウジング20から離脱する向きの変位が規制されている。したがって、電気コネクタ10によれば、撓みによるタインプレート50のコネクタハウジング20からの離脱を防止できる。特に、本実施形態は、タインプレート50の撓みが最も大きくなる幅方向Yの中央に高剛性ブロック60を設けているので、撓み防止の効果が大きい。
さらに、電気コネクタ10は、脱落防止のための高剛性ブロック60がタインプレート50の第一プレート55と第二プレート56を繋いでいるために、長尺なタインプレート50を一つの部品として扱うことができる。
さらに、電気コネクタ10は、タインプレート50の幅方向Yの両端でロック突起57,58がコネクタハウジング20のロック突起31,32と互いに係止されており、タインプレート50の幅方向Yの両端部及び中央の3か所においてコネクタハウジング20と係止されている。したがって、タインプレート50のコネクタハウジング20からの離脱がより確実に防止される。
例えば、高剛性ブロック60は、タインプレート50に剛性を付与しつつコネクタハウジング20と係止をする機能と、第一プレート55と第二プレート56を繋ぐ機能を有している限り、その形態は任意である。
20 ハウジング
21,23 嵌合部
22,24 受容空間
25 カバー部
26 上壁
27 側壁
28 側壁
29 コンタクト保持壁
30 保持孔
31,32 ロック突起
33 ブロック受け
34 側壁
35 庇
37 ロック突起
38 ロック片
40 コンタクト
42 接触部
44 垂下部
45 タイン部
46 屈曲部
50 タインプレート
51 プレート本体
52 おもて面
53 うら面
54 端子整列孔
55 第一プレート
56 第二プレート
57,58 ロック突起
59 溝
60 高剛性ブロック
61 枠体
62 側壁
63 前壁
64 後壁
65 仕切板
67 ロックアーム
68 ロック突起
69 リブ
Claims (5)
- 複数のコンタクトと、
複数の前記コンタクトを保持するコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに組み付けられ、複数の前記コンタクトを整列させるタインプレートと、を備え、
前記タインプレートは、
幅方向に延びるプレート本体と、
前記プレート本体の幅方向の中間位置に設けられ、前記プレート本体よりも前記プレート本体の厚さ方向の撓みに対して高い剛性を有するとともに、前記コネクタハウジングへの係止を担うロック要素を有する高剛性ブロックと、を備え、
前記高剛性ブロックは、前記プレート本体の表面から立ち上がり、内部に中空領域を有する枠体を備え、
前記枠体は、平面視した外観が矩形をなす、
ことを特徴とする電気コネクタ。 - 前記高剛性ブロックの前記ロック要素は、
前記コネクタハウジングから離脱する向きへの前記タインプレートの変位を規制する第一ロック要素を含む、
請求項1に記載の電気コネクタ。 - 前記コネクタハウジングは、
前記第一ロック要素の係止が解除される向きへの前記タインプレートの変位を規制する第二ロック要素を含む、
請求項2に記載の電気コネクタ。 - 前記プレート本体は、
前記高剛性ブロックを基準にして、前記幅方向の一方に配置される第一プレートと、前記幅方向の他方に配置される第二プレートと、を一体に備え、
前記第一プレートと前記第二プレートは、
それぞれの先端部に、前記コネクタハウジングから離脱する向きへの前記タインプレートの変位を規制する第三ロック要素を、備える、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電気コネクタ。 - 前記高剛性ブロックは、
前記第一プレートと前記第二プレートを繋ぐ、単数又は複数のリブを備える、
請求項4に記載の電気コネクタ。
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