JP6737813B2 - 懸濁細胞の小スケール培養 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、懸濁細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションする小スケール細胞培養システムに関する。本発明は、特に、細胞を培養するための方法であって、培養培地の一部を置き換えるために、細胞沈降を使用して培養培地から細胞を分離する方法を提供する。この方法は、大スケール細胞培養をシミュレーションするため、ならびに大スケール細胞培養に使用するための培養条件および細胞クローンをスクリーニングするために使用することができる。
発明の背景
組換えタンパク質の産生は、現代のバイオテクノロジー産業の主要な態様である。市場で大量の高品質タンパク質が必要とされる用途の数が増えるにつれ、ますます、その重要性が高まっている。食品生産および特に薬理学は、組換えタンパク質の必要性が着実に増加する2つの主要な分野である。商業的に実行可能なプロセスを得るためには、より高い生産効率および結果的に最終製品のより低いコストが求められる。
しかしながら、同時に、高い製品品質およびヒトへの適用との適合性が不可欠である。真核細胞、特に高等真核細胞におけるタンパク質の、組換えによる産生が、ますます多くの用途において必要とされた。とりわけ、グリコシル化(糖タンパク質)のような翻訳後修飾を受けているタンパク質は、E.coliのような原核細胞システムで発現させるか、または特にヒト細胞株のような真核細胞システムで発現させるかで顕著に異なる。多くの場合、これらの相違は、産生されたタンパク質の免疫原性と同じく生物学的活性に著しい影響を及ぼす。しかしながら、高等真核細胞株を使用する多くの発現システムは、所望のタンパク質のかなり低い発現率に悩まされており、その結果、組換えタンパク質の低収率および高コストを招く。
真核細胞において産生された組換えタンパク質の収率および品質を改善するために、それらの翻訳後修飾の特徴を含めて、多数の培養条件が最適化され、多数の細胞クローンが試験される。後期の組換えタンパク質の産生に使用される大スケール細胞培養において、このスクリーニングプロセスを行うことは非常に高価であり、煩わしい。したがって、そのようなスクリーニングプロセスは、しばしば、小スケール培養において実施される。しかしながら、そのような小スケール培養は、しばしば、それらがシミュレーションするべき大スケール培養とは挙動が大きく異なっている。小スケール培養で確立された培養条件および細胞クローンは、大スケールに移行する際に、あまり最適でないことが判明する可能性がある。
信頼性の高いダウンスケールモデルは、効率的で迅速なバイオプロセス開発にとって重要である。培地またはプロセス最適化およびクローンスクリーニングなどの主要な操作は、高い操作コストまたは低い処理能力などのいくつかの理由により、プロセス条件下では、通常、実施されない。バイオプロセシングの主要な課題は、できるだけ最善な大きなスケールを代表する、適切なダウンスケールモデルを見出すことである。大スケールに対する主要パラメーターおよび高い処理能力のための満足される同等性が、適用可能なダウンスケールシステムの第一の特徴でなければならない。
高度マイクロバイオリアクター(advanced micro bioreactor;ambr)システムは、より大スケールのバイオリアクターに対する優れた再現性を有するそのようなダウンスケールツールを代表する(Hsuら(2012年)Cytotechnology 64巻:667〜678頁)。ambrシステムは、10〜15mlの作業容量を有する単回使用の容器、液体ハンドリングロボットおよび酸素飽和度(DO)ならびにpHをオンラインで測定するモニターからなる。処理能力は、デバイスの設備に応じて24個または48個の容器に制限されている。ambrシステムは、バッチ培養法および流加培養法のスケールダウンモデルとして広く適用されている。しかしながら、灌流培養はこれまで利用できなかった。1lのベンチトップバイオリアクターは、灌流培養のための最小のスケールダウン単位であると考えられている(Shimoniら(2014年)BioProcess Int 12巻:54〜61頁)。より小スケールの灌流システムを開発する上での障害は、細胞保持デバイスのスケールダウンである。典型的な細胞保持デバイスは、Voisardら(2003年)Biotechol Bioeng 82巻:751〜765頁において議論されており、濾過または遠心分離に基づく機構は、小容量のバイオリアクターで効率的に働くためには、非常に多くのデッドボリュームを必要とする。灌流細胞培養の開始時に、細胞分離法として沈降を調査し、さらなる開発により傾斜セトラー(inclined settler)のような外部デバイスが得られるに至った。頑強でほとんどせん断応力を生じず、一方、細胞はバイオリアクターの外側に存在し、より低い温度または不十分な酸素供給のような準最適条件の下に置かれている(Voisardら(2003年)Biotechol Bioeng 82巻:751〜765頁)。
Hsuら(2012年)Cytotechnology 64巻:667〜678頁 Shimoniら(2014年)BioProcess Int 12巻:54〜61頁 Voisardら(2003年)Biotechol Bioeng 82巻:751〜765頁 Voisardら(2003年)Biotechol Bioeng 82巻:751〜765頁
発明の要旨
したがって、とりわけ真核生物発現細胞株を使用する場合に、スクリーニング目的のために大スケール細胞培養を小スケールで効率的にシミュレーションするための方法を提供する必要性が当該技術分野において存在する。
本発明により実証されるように、懸濁物中の真核細胞の灌流培養は、ある特定の時間間隔の後に、培地の一部を新鮮培地と交換する撹拌細胞培養を使用して効率的に小スケールでシミュレーションすることができる。培養物中の細胞の保持は、培養培地を除去する前に細胞を沈降させることにより達成される。培養物中の細胞濃度、細胞生存率、および特に産生された糖タンパク質のグリコシル化パターンは、小スケール細胞培養とそれがシミュレーションする大スケール灌流培養との間で、非常に類似している。
したがって、本発明は、第1の態様では、本発明は、懸濁物中で細胞を培養するための方法であって、
(a)細胞培養物を提供するステップ;
(b)細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を細胞培養物に添加するステップ
を含む方法を提供する。
第2の態様では、本発明は、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションするための方法であって、
(a)大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)シミュレーションするべき大スケール灌流培養物の1つまたは複数の培養条件を使用して、小スケール細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、小スケール細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)小スケール細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含む方法を提供する。
第3の態様では、本発明は、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法であって、
(a)大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)小スケール細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、小スケール細胞培養が攪拌されるステップ;
(c)小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)小スケール細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含み、個々の小スケール細胞培養物は、スクリーニングするべき培養条件および/または細胞クローンが異なる、方法を提供する。
本発明の他の目的、特徴、利点および態様は、以下の記載および添付の特許請求の範囲から、当業者に明らかになる。しかしながら、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および本出願の好ましい実施形態を示す具体的な例は、例示の手段としてのみ与えられていることが、理解されるべきである。以下の記載を読むことから、開示された発明の精神および範囲内の様々な変更および修正が当業者には容易に明らかとなる。
発明の詳細な説明
本発明は、小スケールの懸濁物中で細胞を培養するための方法を対象とする。これらの培養方法を使用して、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションすることができる。さらに、前記培養方法を使用して、適切な培養条件および細胞クローンの決定のためのスクリーニング方法を実施することができる。
第1の態様では、本発明は、懸濁物中で細胞を培養するための方法であって、
(a)細胞培養物を提供するステップ;
(b)細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を細胞培養物に添加するステップ
を含む方法を提供する。
ステップ(a)で提供される細胞培養物は、好ましくは、細胞培養物を撹拌するための手段を備えたバイオリアクターにおいて提供される懸濁細胞培養物である。細胞培養物を撹拌するための手段は、特に、ピッチブレードインペラー(pitched blade impeller)などのインペラーであってもよい。バイオリアクターは、さらに、細胞培養物に気体および/または液体を供給するための手段、ならびに細胞培養物の1つまたは複数の培養条件を測定するための手段を備えることができる。前記培養条件は、細胞培養物の温度、pH値、酸素濃度、栄養素濃度および二酸化炭素濃度を含むことができる。
細胞培養の自動操作のために、バイオリアクターは、酸素および/もしくは栄養素の供給、細胞培養物の温度ならびに/またはpH値を制御することができる制御ユニットをさらに備えている。制御ユニットは、細胞培養物において測定された1つまたは複数の培養条件の値に基づいたこれらのパラメーターの1つまたは複数を、自動的に制御してもよい。各培養条件の所望の値または範囲は、操作する者によって予め設定されてもよい。本発明による方法において使用するために適したバイオリアクターは、Advanced Microbioreactor(AMBR)シリーズTAB Biosystems/Sartoriusのマイクロバイオリアクター、特にAMBR24またはAMBR15である。
ある特定の実施形態では、小スケール細胞培養物が使用される。本発明によれば、小スケール細胞培養物は、特に250mlもしくはそれ未満、特に100mlもしくはそれ未満、50mlもしくはそれ未満、25mlもしくはそれ未満または12.5mlもしくはそれ未満の培養容量を有する。小スケール細胞培養物の容量は、とりわけ、1ml〜200ml、特に、2ml〜150ml、3ml〜100ml、5ml〜75ml、7ml〜50ml、8ml〜30ml、または9ml〜20mlの範囲である。具体的な実施形態では、小スケール細胞培養物は、10ml〜15ml、特に、約12mlの容量を有する。
細胞培養物中の細胞は、特に、懸濁細胞、すなわち、懸濁物中で生存および/または増殖することができる細胞である。特に、生存および/または増殖するために、細胞を任意の固体表面に付着させる必要はない。具体的な実施形態では、細胞は真核細胞である。ある特定の実施形態では、細胞は、骨髄性白血病起源の不死化ヒト細胞のような不死化ヒト血液細胞である。骨髄性白血病起源の具体的なヒト細胞は、K562細胞ならびにそれに由来した細胞、例えば、NM−F9、NM−D4、NM−H9D8、NM−H9D8−E6、NM H9D8−E6Q12、GT−2X、GT−5およびそれらに由来した細胞である。K562は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)に存在するヒト骨髄性白血病細胞株(ATCC CCL−243)である。残りの細胞株は、K562細胞に由来し、特異的なグリコシル化の特徴のために選択されている。K562に由来した細胞株は、K562に適した周知の条件下で培養し、維持することができる。K562細胞を除いたこれら全ての細胞株は、ブダペスト条約に従って寄託された。寄託に関する情報は、本明細書の最後に見出すことができる。別の実施形態では、細胞はCHO細胞である。
具体的な実施形態では、細胞培養物中の細胞は、目的の生体分子を産生する。細胞は、目的の生体分子を組換えにより産生してもよい。ある特定の実施形態では、目的の生体分子はタンパク質、特に、抗体のような糖タンパク質である。
ステップ(b)では、細胞培養物中で細胞を培養する。細胞培養物の培養条件は、一般に、培養されるべき細胞に適合するように選択される。ある特定の実施形態では、細胞は、約37℃の温度で、特に、33℃〜40℃、とりわけ、35℃〜38℃の範囲で培養される。さらに、ある特定の実施形態では、細胞は、約7.1のpH値、特に、6.5〜7.7、とりわけ、6.7〜7.5、特には、6.9〜7.3の範囲のpH値で培養される。細胞培養物中の細胞密度は、少なくとも1×10細胞/ml、特に、少なくとも5×10細胞/mlまたは少なくとも1×10細胞/mlであってもよい。細胞密度は、とりわけ、約1×10細胞/ml〜約5×10細胞/ml、特には、約2×10細胞/ml〜約3×10細胞/mlの範囲である。具体的な実施形態では、培養培地中の酸素濃度は、少なくとも10%、特に、少なくとも20%、とりわけ、10%〜80%、特には、20%〜60%の範囲である。
ある特定の実施形態では、培養培地中のpH値および/または酸素濃度は、細胞の培養中に制御される。pH値の制御は、もしpH値が所望の範囲外であるならば、二酸化炭素またはNaOHを添加することにより実施することができる。すなわち、pH値が高すぎる場合には、二酸化炭素を添加してpH値を低下させ、すなわちpH値が低すぎる場合には、NaOHを添加してpH値を上昇させる。酸素濃度の制御は、培養培地に入って行く酸素量を制御することにより実施することができる。ある特定の実施形態では、細胞培養物には、酸素が供給される。
細胞の培養中、細胞培養物が撹拌される。具体的な実施形態では、細胞培養物は、インペラーで撹拌される。細胞培養物を撹拌するために適した任意のインペラー、とりわけ、ピッチブレードインペラーを使用することができる。撹拌速度は、使用したバイオリアクターおよび培養された細胞に合わせて調整するべきである。例えば、約5ml〜50mlの容量を有する小スケール細胞培養物中では、例えば、インペラーの撹拌速度は、750rpm〜1500rpmの間のように、約500rpm〜約2000rpmの範囲である。
ステップ(c)では、細胞培養物の撹拌が停止される。ある特定の実施形態では、ステップ(c)で撹拌が停止される前、少なくとも1時間、ステップ(b)で細胞は撹拌されながら培養される。特に、少なくとも1.5時間、少なくとも2時間、少なくとも2.5時間または少なくとも3時間、細胞は撹拌されながら培養される。ある特定の実施形態では、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間または少なくとも12時間、細胞は撹拌されながら培養される。撹拌を停止した後、細胞を沈降させる。ステップ(d)で培養培地の一部を除去する前に、少なくとも30分間細胞の沈降が起きてもよい。ある特定の実施形態では、少なくとも35分間、特に、少なくとも40分間または少なくとも45分間、沈降が起きる。とりわけ、30分間〜45分間の時間、特に、約40分間、細胞を沈降させる。ある特定の実施形態では、沈降の時間は、培養された細胞の挙動に合わせて調整される。特に、沈降時間は、少なくとも75%、特に、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%の細胞培養物中の細胞を、培養コンテナの下部75%、特に、培養コンテナの下半分、とりわけ、培養コンテナの底に沈殿させるために十分に長い。具体的な実施形態では、細胞の沈降は、細胞の沈降を誘導するかまたは亢進する任意の手段または物質の添加または存在なしで起こる。
具体的な実施形態では、pH値の制御および/または酸素濃度の制御は、ステップ(c)における細胞培養物の撹拌が停止される前に、停止される。特に、pH値および酸素濃度の両方の制御が停止される。pH値の制御および/または酸素濃度の制御は、ステップ(c)における細胞培養物の撹拌を停止する前に、少なくとも5分間、とりわけ、少なくとも10分間または少なくとも15分間、停止させてもよい。
別の実施形態では、ステップ(c)における撹拌を停止した後の細胞の沈降は、35分間またはそれ未満の間起きる。より短い沈降時間を使用すると、沈降の終わりに細胞培養物中の全ての細胞が、底に沈殿することはない。ステップ(d)で培養培地の一部を除去する時に、この実施形態では、除去された培養培地はかなりの量の細胞を含有する。したがって、培養培地の一部を除去することにより、細胞ブリーディング(cell bleeding)が達成される。それによって、細胞密度が制御され、これらの細胞は増殖期に保たれる。これらの実施形態では、ステップ(d)でもまた、細胞培養物中の細胞の一部を、細胞ブリーディングをもたらすために除去されてもよい。特に、ステップ(d)で除去した培養培地については、約1%〜約25%、特に、約2%〜約20%、約5%〜約15%、および約7.5%〜約12.5%の細胞培養物中の細胞を除去するように、沈降時間を調整する。具体的な実施形態では、ステップ(c)における撹拌を停止した後の細胞の沈降は、ステップ(d)で培養培地の一部を除去する前に、30分間もしくはそれ未満、25分間もしくはそれ未満または20分間もしくはそれ未満の間起きる。特に、ステップ(c)における撹拌を停止した後の細胞の沈降は、ステップ(d)で培養培地の一部を除去する前に、約15分間〜約35分間、とりわけ、約20分間〜約30分間起きる。
ステップ(d)では、細胞培養物の培養培地の一部が除去される。ある特定の実施形態では、培養培地の約10%〜約75%が除去される。特に、培養培地の約50%〜約50%、とりわけ、約20%〜約30%、特には、約25%がステップ(d)で除去される。培養培地は、好ましくは、ステップ(d)で、細胞培養物の上部から除去される。細胞ブリーディングが意図されない実施形態では、ステップ(d)で除去される培養培地は、特に、細胞培養物中の細胞の10%未満、とりわけ、5%未満、2.5%未満、または特には、1%未満を含む。
ステップ(e)では、新鮮な培養培地が細胞培養物に添加される。具体的な実施形態では、ステップ(e)で添加される新鮮な培養培地の量は、ステップ(d)で除去される培養培地の量と、本質的に同一である。特に、ステップ(e)で添加される培養培地の量は、ステップ(d)で除去される培養培地の量の75%〜125%、とりわけ、90%〜110%または95%〜105%、特には、約100%の範囲である。
具体的な実施形態では、ステップ(b)〜(e)は、1回または複数回繰り返される。特に、ある特定の時間、細胞を培養し、具体的な時間間隔の後、撹拌を停止し、細胞を沈降させ、培養培地の一部を除去し、新鮮な培養培地を添加し、再び撹拌を開始する。その後、ステップ(b)〜(e)を含むこのサイクルが、再び始まる。ある特定の実施形態では、ステップ(e)の後、次のサイクルのステップ(c)で撹拌が停止される前に、少なくとも1時間、撹拌しながら細胞を培養する。特に、少なくとも1.5時間、少なくとも2時間、少なくとも2.5時間または少なくとも3時間、撹拌しながら細胞を培養する。ある特定の実施形態では、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間または少なくとも12時間、撹拌しながら細胞を培養する。本明細書に記載の方法は、1日当たり少なくとも1サイクル、特に、1日当たり少なくとも2サイクル、少なくとも3サイクルまたは少なくとも4サイクル、例えば1日当たり8サイクルまでを含むことができる。
第2の態様では、本発明は、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションするための方法であって、
(a)大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)シミュレーションするべき大スケール灌流培養物の1つまたは複数の培養条件を使用して、小スケール細胞培養物中で細胞を培養するステップであって、小スケール細胞培養が攪拌されるステップ;
(c)小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)小スケール細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含む方法を提供する。
小スケール細胞培養物において細胞を培養するために使用される、シミュレーションするべき大スケール灌流培養物の1つまたは複数の培養条件は、特に、培養培地または特定の培養培地成分、温度、pH値、酸素濃度、細胞密度、培養培地中の栄養素の添加時間および目標濃度を含む細胞栄養素の添加、培養時間、比動力入力(specific power input)、ガス供給速度、灌流速度ならびに培養培地の浸透圧からなる群から選択することができる。
小スケール細胞培養は、大スケール灌流培養の培養容量をシミュレーションしない。具体的な実施形態では、小細胞培養は、大スケール灌流培養で使用される、除去されるべき培養培地から細胞を分離する方法をシミュレーションしない。
小スケール細胞培養による大スケール灌流培養のシミュレーションは、特に、小スケール細胞培養物中で観察される、ある特定の特性および特徴が同様に大スケール灌流培養物中に存在することを意味する。これにより、具体的な培養条件および/または細胞クローンを、小スケール細胞培養物中で試験することができる。これらの培養条件および/または細胞クローンが有利であると判明した場合には、それらは大スケール培養物において使用することができる。ある特定の実施形態では、大スケール灌流培養は、細胞成長、細胞生存率および細胞密度からなる群から選択される、1つまたは複数の特性および/または特徴に関して、小スケール細胞培養によってシミュレーションされる。細胞が目的の生体分子、特に糖タンパク質を産生する実施形態では、小スケール細胞培養によってシミュレーションされる大スケール灌流培養の特性および/または特徴としては、目的の生体分子の収率、細胞の生産性、目的の生体分子の産生の安定性、および目的の生体分子の品質をさらに挙げることができ、特に、それが糖タンパク質である場合、生体分子の1つまたは複数のグリコシル化特徴が含まれる。グリコシル化の特色としては、とりわけ、グリコシル化の相対量、すなわち、糖タンパク質中のグリコシル化部位の何パーセントがグリカン構造によって占有されているか;グリカン構造のタイプの相対量、すなわち、糖タンパク質に付着した全てのグリカン構造の何パーセントが、複合型N−グリカンのような特定のタイプのグリカン構造であるか;様々な単糖類の相対量、すなわち、糖タンパク質に付着したグリカン構造中の全ての単糖類の何パーセントが、ガラクトース、フコース、シアル酸、N−アセチルグルコサミンおよびマンノースのような、特定の種類の単糖であるか;ならびに、特定のグリコシル化モチーフの相対量、すなわち、全てのグリカン構造の何パーセントが、コアフコース、二分岐のN−アセチルグルコサミン、少なくとも1つのガラクトース残基、少なくとも2つのガラクトース残基、少なくとも1つのシアル酸残基、少なくとも2つのシアル酸残基ならびに単鎖、二分岐鎖、三分岐鎖および四分岐鎖グリカンのような、特定のグリコシル化モチーフを示すか、が挙げられる。
ある特定の実施形態では、大スケール灌流培養をシミュレーションするための方法は、ステップ(e)の後に以下のさらなるステップ(g)を含む:
(g)ステップ(b)で使用される1つまたは複数の培養条件を使用して、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養物を提供するステップ。
ステップ(g)で提供される大スケール灌流培養物は、上記方法によってシミュレーションするべき大スケール灌流培養物であり、ステップ(b)で使用されるシミュレーションするべき大スケール灌流培養物の1つまたは複数の培養条件を使用する。
第3の態様では、本発明は、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法であって、
(a)大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)小スケール細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、小スケール細胞培養が攪拌されるステップ;
(c)小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)小スケール細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含み、個々の小スケール細胞培養物は、スクリーニングするべき培養条件および/または細胞クローンが異なる、方法を提供する。
ステップ(a)では、2種またはそれ超の小スケール細胞培養物が提供される。特に、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも8種または少なくとも10種の小スケール細胞培養物が提供される。
具体的な実施形態では、スクリーニングされていない培養条件の1つまたは複数、特に全ては、小スケール細胞培養物間で同様または同一である。スクリーニングすることができる適切な培養条件には、特に、培養培地または特定の培養培地成分、温度、pH値、酸素濃度、細胞密度、培養培地中の栄養素の添加時間および目標濃度を含む細胞栄養素の添加、培養時間、比動力入力、ガス供給速度、灌流速度ならびに培養培地の浸透圧からなる群から選択されるものが含まれる。
方法が、大スケール灌流培養のための細胞クローンをスクリーニングするためのものである実施形態では、様々な小スケール細胞培養で使用される様々な細胞クローンは、特に、同じ親細胞に由来している。細胞が目的の生体分子を組換えにより産生する場合、様々なクローンはとりわけ同じ生体分子を産生し、特に、同じトランスフェクション実験によって得ることができる。
具体的な実施形態では、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法は、ステップ(e)の後に以下のさらなるステップ(f)を含む:
(f)大スケール灌流培養物の所望の特性および/または特徴を提供するための培養条件および/または細胞クローンについてスクリーニングされたものを選択するステップ。
大スケール灌流培養物の所望の特性および/または特徴は、特に、細胞成長、細胞生存率および細胞密度からなる群から選択することができる。細胞が目的の生体分子、特に糖タンパク質を産生する実施形態では、大スケール灌流培養物の特性および/または特徴としては、目的の生体分子の収率、細胞の生産性、目的の生体分子の産生の安定性、および目的の生体分子の品質をさらに挙げることができ、特に、それが糖タンパク質である場合、生体分子の1つまたは複数のグリコシル化特徴が含まれる。典型的なグリコシル化特徴は、上に記載されている。
ある特定の実施形態では、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法は、ステップ(f)の後に以下のさらなるステップ(g)を含む:
(g)ステップ(f)で選択された培養条件および/または細胞クローンを使用して、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養物を提供するステップ。
ある特定の実施形態では、ステップ(g)で提供される大スケール灌流培養物のさらなる培養条件は、可能な場合、スクリーニングされない小スケール細胞培養物の培養条件と同様または同一である。大スケール灌流培養物と小スケール細胞培養物との間で同様または同一であり得る適切な培養条件には、特に、培養培地または特定の培養培地成分、温度、pH値、酸素濃度、細胞密度、培養培地中の栄養素の添加時間および目標濃度を含む細胞栄養素の添加、培養時間、比動力入力、ガス供給速度、灌流速度ならびに培養培地の浸透圧からなる群から選択されるものが含まれる。
ある特定の実施形態では、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法は、以下のさらなるステップ(h)を含む:
(h)1種または複数の小スケール細胞培養物が、大スケール灌流培養に望ましい特性および/または特徴を有するか否かを決定するステップ。
ステップ(h)は、特に、ステップ(e)と(f)との間に実施してもよい。ステップ(h)で決定された特性および/または特徴は、ステップ(f)に関して上に記載した特性および/または特徴のいずれか1つまたは複数であってもよい。特性および/または特徴を決定するための手段および方法は、当業者に公知である。
ステップ(b)〜(e)が1回または複数回、繰り返される実施形態では、ステップ(h)もまた、各サイクルの間に実施されてもよい。あるいは、ステップ(h)は、ある特定の回数のサイクルが行われた後に、1回または数回行われてもよい。
ある特定の実施形態では、大スケール灌流培養物は、少なくとも1l、好ましくは少なくとも2l、少なくとも5lまたは少なくとも10lの容量を有する。具体的な実施形態では、大スケール灌流培養物は、少なくとも10lまたは少なくとも100lの容量を有する。これに関して、灌流は、特に、細胞培養物の培養培地の一部が、培養プロセス中に新鮮な培養培地に交換されることを意味する。したがって、灌流培養はバッチ培養と異なる。大スケール灌流培養における灌流は、任意の公知の手段によって実施することができ、特に濾過または遠心分離システムを使用して実施する。適切な濾過システムは中空繊維フィルターであり、とりわけ交互タンジェンシャルフロー(alternating tangential flow;ATF)システムで使用される。遠心分離システムの場合、特に連続遠心分離機を使用することができる。
具体的な実施形態では、小スケール細胞培養物は、大スケール灌流培養物の7.5%またはそれ未満の培養容量、特に、大スケール灌流培養物の5%もしくはそれ未満、2.5%もしくはそれ未満、1.5%もしくはそれ未満、またはさらに1%もしくはそれ未満の培養容量を有する。ある特定の実施形態では、小スケール細胞培養物は、大スケール灌流培養物の0.5%またはそれ未満、特に、0.25%の培養容量を有する。
本明細書に記載の懸濁物中の細胞を培養するための方法の特色および実施形態はまた、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションするための方法ならびに懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法にも、同様に適用される。
さらなる態様では、本発明は、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションするための小スケール細胞培養の使用であって、小スケール細胞培養が、
(a)大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)シミュレーションするべき大スケール灌流培養物の1つまたは複数の培養条件を使用して、小スケール細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、小スケール細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)小スケール細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含んで操作される、使用を対象とする。
別の態様では、本発明は、懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための小スケール細胞培養の使用であって、小スケール細胞培養が、
(a)大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)小スケール細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、小スケール細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)小スケール細胞培養物中の細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含んで操作される、使用を提供する。
ある特定の実施形態では、2種以上の小スケール細胞培養物が使用され、個々の小スケール細胞培養物は、スクリーニングされる培養条件および/または細胞クローンが異なる。
本明細書に記載される方法の特色および実施形態はまた、小スケール細胞培養物の使用にも、同様に適用される。
本明細書で使用される「含む(comprise)」という表現は、その文字通りの意味の他に、「〜から本質的になる」および「〜からなる」という表現を含み、具体的に指す。したがって、「含む」という表現は、具体的に列挙された要素を「含む」主題がさらなる要素を含まない実施形態、ならびに具体的に列挙された要素を「含む」主題がさらなる要素を包含してもよい、および/または確かに包含する実施形態を指す。同様に、「有する(have)」という表現は、「含む」という表現として理解されるべきであり、「〜から本質的になる」および「〜からなる」という表現もまた含み、具体的に指していると理解されるべきである。
本明細書に記載された数値範囲は、範囲を定義する数字を含んでいる。本明細書で提供される表題は、全体として本明細書を参照して読むことができる本発明の様々な態様または実施形態の限定ではない。一実施形態によれば、方法の場合には、ある特定のステップを含むものとして、または組成物の場合には、ある特定の成分を含むものとして本明細書に記載される主題は、それぞれのステップまたは成分からなる主題のことを指す。本明細書に記載される具体的な態様および実施形態を選択し、組み合わせることが好ましく、具体的な実施形態のそれぞれの組合せから生じる具体的な主題もまた、本開示に属する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
懸濁物中の細胞を培養するための方法であって、
(a)細胞培養物を提供するステップ;
(b)細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、前記細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)前記細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)前記細胞培養物中の前記細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、前記細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を前記細胞培養物に添加するステップ
を含む方法。
(項目2)
懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションするための方法であって、
(a)前記大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)シミュレーションするべき前記大スケール灌流培養物の1つまたは複数の培養条件を使用して前記細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、前記小スケール細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)前記小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)前記小スケール細胞培養物中の前記細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、前記小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を前記小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含む方法。
(項目3)
前記小スケール細胞培養物において細胞を培養するために使用される、シミュレーションするべき前記大スケール灌流培養物の前記1つまたは複数の培養条件が、培養培地、温度、pH値、酸素濃度、細胞密度、前記培養培地中の栄養素の添加時間および目標濃度を含む細胞栄養素の添加、培養時間、比動力入力、ガス供給速度、灌流速度ならびに前記培養培地の浸透圧からなる群から選択される、項目2に記載の方法。
(項目4)
懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法であって、
(a)前記大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
(b)前記小スケール細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、前記小スケール細胞培養物が攪拌されるステップ;
(c)前記小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
(d)前記小スケール細胞培養物中の前記細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、前記小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
(e)新鮮な培養培地を前記小スケール細胞培養物に添加するステップ
を含み、個々の前記小スケール細胞培養物は、スクリーニングするべき前記培養条件および/または前記細胞クローンが異なる、方法。
(項目5)
スクリーニングするべき前記培養条件が、培養培地、温度、pH値、酸素濃度、細胞密度、前記培養培地中の栄養素の添加時間および目標濃度を含む細胞栄養素の添加、培養時間、比動力入力、ガス供給速度、灌流速度ならびに前記培養培地の浸透圧からなる群から選択される、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記培養条件および/または細胞クローンが、高い細胞生存率、高いおよび/または安定な細胞密度、前記細胞培養物中の前記細胞によって産生される目的の生体分子の高いおよび/または安定した収率、ならびに前記細胞培養物中の前記細胞によって産生される目的の生体分子の所望の特性を提供する前記スクリーニングにおいて選択される、項目4または5に記載の方法。
(項目7)
前記大スケール灌流培養物が少なくとも1lの容量を有し、および/または前記小スケール細胞培養物が50mlもしくはそれ未満の容量を有する、項目2から6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
ステップ(c)における撹拌を停止した後、ステップ(d)で前記培養培地の一部を除去する前に、前記細胞の沈降が少なくとも35分間起きる、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
ステップ(c)における撹拌を停止した後、ステップ(d)で前記培養培地の一部を除去する前に、前記細胞の沈降が30分またはそれ未満の間起き、ステップ(d)で、前記細胞培養物中の前記細胞の一部もまた、細胞ブリーディングをもたらすために除去される、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
ステップ(d)で前記培養培地の15%〜50%の間および30%が除去され;ならびに/または前記培養培地がステップ(d)で前記細胞培養物の上部から除去される、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
ステップ(e)で添加される新鮮な培養培地の量は、ステップ(d)で除去される培養培地の量と、本質的に同一である、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記培養培地中の前記pH値および/または前記酸素濃度が前記細胞の培養中に制御され、ステップ(c)における前記細胞培養物の撹拌を停止する前に、前記pH値および/または前記酸素濃度の制御が少なくとも5分間停止される、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
ステップ(b)〜(e)が1回または複数回、繰り返され、ステップ(e)の後、次のサイクルのステップ(c)で撹拌が停止する前に、少なくとも1時間、撹拌下で前記細胞が培養される、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
培養するべき前記細胞が、懸濁状態で成長する真核細胞、好ましくは骨髄性白血病起源の不死化ヒト細胞のような不死化ヒト血液細胞、またはCHO細胞である、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記細胞が、目的の生体分子、好ましくは糖タンパク質を組換えにより産生する、項目1から14のいずれか一項に記載の方法。
図1は、沈降中(40分まで)ならびに培養培地の交換および撹拌の再開後(41分での値)での、骨髄性白血病起源(A+B)およびCHO細胞(C+D)の不死化ヒト血液細胞の生存細胞濃度(A+C)および生存率(B+D)を示す。 図1は、沈降中(40分まで)ならびに培養培地の交換および撹拌の再開後(41分での値)での、骨髄性白血病起源(A+B)およびCHO細胞(C+D)の不死化ヒト血液細胞の生存細胞濃度(A+C)および生存率(B+D)を示す。
図2は、連続的に撹拌されたおよび不連続的に撹拌された抗体産生クローンについて、生産性(A)およびグルコース(B−C)/グルタミン(D−E)代謝に対する沈降の効果を示す。細胞は、11時間、培養された。沈降した細胞(四角)については撹拌を停止したが、対照細胞(円)については停止しなかった(エラーバーはs.d.、n=3である)。
図3は、IgG抗体を組換えにより産生するクローン3(GEX細胞株)の12mLの沈降に基づくambr培養(5試行)、1Lの灌流培養(7試行)および10Lの単回使用のバイオリアクター培養の生存細胞濃度(A)、生存率(B)および生成物グリコシル化(C)を示す。平均±SEM(A−B)および平均±SD(C)を示す。培養条件(DO、pH、温度、培地)は全てのスケールについて同等である。10mLの沈降に基づくambr培養および1L〜1000Lの標準的な培養についての、様々なIgG抗体を産生する様々なクローンの生成物グリコシル化を(D)に示す。さらに、IgG抗体を組換えにより産生するクローン4(GEX細胞株)の、12mLの沈降に基づくambr培養(2試行)、ステンレススチールバイオリアクターにおける200Lのcentritech灌流培養および1000Lの単回使用の灌流バイオリアクター培養の生存細胞濃度(E)および生存率(F)を示す。培養条件(DO、pH、温度、培地)は全てのスケールについて同等である。 図3は、IgG抗体を組換えにより産生するクローン3(GEX細胞株)の12mLの沈降に基づくambr培養(5試行)、1Lの灌流培養(7試行)および10Lの単回使用のバイオリアクター培養の生存細胞濃度(A)、生存率(B)および生成物グリコシル化(C)を示す。平均±SEM(A−B)および平均±SD(C)を示す。培養条件(DO、pH、温度、培地)は全てのスケールについて同等である。10mLの沈降に基づくambr培養および1L〜1000Lの標準的な培養についての、様々なIgG抗体を産生する様々なクローンの生成物グリコシル化を(D)に示す。さらに、IgG抗体を組換えにより産生するクローン4(GEX細胞株)の、12mLの沈降に基づくambr培養(2試行)、ステンレススチールバイオリアクターにおける200Lのcentritech灌流培養および1000Lの単回使用の灌流バイオリアクター培養の生存細胞濃度(E)および生存率(F)を示す。培養条件(DO、pH、温度、培地)は全てのスケールについて同等である。 図3は、IgG抗体を組換えにより産生するクローン3(GEX細胞株)の12mLの沈降に基づくambr培養(5試行)、1Lの灌流培養(7試行)および10Lの単回使用のバイオリアクター培養の生存細胞濃度(A)、生存率(B)および生成物グリコシル化(C)を示す。平均±SEM(A−B)および平均±SD(C)を示す。培養条件(DO、pH、温度、培地)は全てのスケールについて同等である。10mLの沈降に基づくambr培養および1L〜1000Lの標準的な培養についての、様々なIgG抗体を産生する様々なクローンの生成物グリコシル化を(D)に示す。さらに、IgG抗体を組換えにより産生するクローン4(GEX細胞株)の、12mLの沈降に基づくambr培養(2試行)、ステンレススチールバイオリアクターにおける200Lのcentritech灌流培養および1000Lの単回使用の灌流バイオリアクター培養の生存細胞濃度(E)および生存率(F)を示す。培養条件(DO、pH、温度、培地)は全てのスケールについて同等である。
図4は、バッチモードにおける12mLスケールのambr培養(白色)、灌流モードにおける小スケールambr培養(赤色)、および1Lスケールの培養(灰色、黒色)のについての、クローン1(A)およびクローン2(B)によって生産されたIgG抗体のフコシル化の程度を示す。
図5は、ambrシステムにおける沈降に基づく灌流を適用するCHO細胞培養物の細胞濃度(A)および生存率(B)を示す。
(実施例1)マイクロバイオリアクターシステムにおける培養
マイクロバイオリアクター培養は、ambr(商標)(advanced mircobioreactor)システム(TAP Biosystems/Sartorius)において実施する。ambrシステムは、24ウェイまたは48ウェイとして利用可能である。この作業においては、各々12個の容器を収容する2つの培養ステーションからなる24ウェイのみを使用する。各容器は、直径11mmのピッチブレードインペラーを備えている。pHおよびDOは、90秒ごとに各容器の底の光スポットによって測定する。各容器には、窒素(または空気)、酸素(DOを維持するため)、二酸化炭素(pHを減少させるため)、またはこれらのガスの混合物を個別に供給する。容器は事前に滅菌され、スパージャー(sparge tube)付き、またはスパージャーなしで利用可能である。ヒト骨髄性白血病由来細胞(GEX細胞)の培養においては、散布なし容器を使用する。CHO DG44細胞は、用途に応じて、スパージャー付き、またはスパージャーなしで培養する。各培養ステーション(12個の容器のセット)について、培養温度および撹拌速度を設定する。全ての細胞株は37℃で培養する。DO濃度に応じて、GEX細胞は830rpm〜1000rpmまでで、CHO細胞は830〜1300rpmの間で撹拌する。0.5MのNaOHの添加(pH 6.9より下で誘発される)およびCOの供給(pH 7.3より上で誘発される)によって、pHを維持する。培地のサンプリングおよび添加ならびにフィードは、最大容量1mLまたは5mLの単回使用チップを使用するプログラム可能な液体ハンドラーによって実施する。各容器の作業容量は12mL(最小10mL、最大15mL)である。細胞濃度および代謝物測定のための試料は、毎日(細胞密度に応じて250と〜450μLの間、)採取する。pHは、3〜4日ごとにオフライン測定によって較正した。無菌操作を確認するために、システム全体を生物学的安全キャビネット下に位置させる。GEX細胞については2×10細胞/mL、またはCHO細胞については3×10細胞/mLで、容器に播種する。生存率が65%を下回るまで落ち込んだ時に、培養を終了した。必要な際は、散布された容器に対して消泡剤を供給する。
(実施例2)マイクロバイオリアクターシステムにおける灌流
灌流モードについては、上に記載のように細胞を播種する。灌流は、12mLで、グルコース濃度が2.5g/Lを下回るまで落ち込んだ時に(通常72〜120時間後)に開始する。細胞の保持は沈降によって確認される。細胞を沈殿させるために、培養ステーション全体で撹拌を停止する。撹拌停止の10分前に、NaOHでのpH制御を停止し、撹拌停止直前の塩基の添加を防止する。DO制御は、撹拌と同時に停止する。30〜45分間、好ましくは40分間、細胞を沈殿させる。この時間の後、3mLの回収物を液体の上部から液体ハンドラーにより除去し、24深のウェルプレート上に置く。ambrシステムの試料の深さは、培養液体の上部から回収物が採取されることを確認するように変更する(標準試料の深さは、容器の底の近くで試料を採取するように設定する)。回収物の除去は、各容器について複数のピペッティング操作によって行う。回収物の除去後、撹拌を続け、液体ハンドラーによって深ウェルプレートに供給された新鮮な培地を添加することにより、培養液の容量を12mLに回復させる。培地の添加後、DOおよびpH制御を続ける。全てのステップは、システムによって自律的に実行される(ユーザー相互作用なし)。全てのステップはまとめて約1時間、持続する。1ステップ当たり3mL(作業容量の25%)を交換する。1つのリアクターの容量の灌流速度(V/d)については、1日に4つのステップが必要である。ユーザー相互作用は、日々のサンプリング、単回使用チップのリロード、回収物の除去、およびフィード培地の補充に限られる。
(実施例3)沈殿時間の決定
以下の実施例は、骨髄性白血病起源の不死化ヒト血液細胞またはCHO細胞を用いて実施する。細胞の産生および生成物の品質の分析のために、細胞にトランスフェクトして、グリコシル化抗体を組換えにより産生した。
最適な沈殿時間を決定するために、撹拌を停止し、沈殿の前、撹拌停止後10、15、20、25、30、35および40分後、ならびに撹拌の継続および新鮮な培地の添加直後に、細胞数を計測する。
分離効率(SE)は、一般に、灌流培養における細胞保持の性能を表現するために使用され、以下のように計算される(cリアクターは、バイオリアクター中の培養培地における細胞の濃度であり、c回収物は、沈殿時間の後にバイオリアクターから除去された培養培地における細胞の濃度である):
両方の細胞株について、約1×10細胞/mLの初期細胞密度で40分間の沈降時間は、95%超の分離効率を達成するのに十分であり、ほぼ無細胞の回収物を意味する。90%を下回る分離効率でさえ満足であり、自動細胞ブリーディングを含むことが、時には好ましい。ブリーディングの程度は、沈殿時間(より短い沈殿時間=より高いブリーディング率)によって調整することができる。撹拌の継続の後、細胞密度は、開始時細胞密度まで回復し、灌流ステップが細胞を失うことなく作動可能であることを示す(図1Aを参照のこと)。さらに、細胞生存率も沈降ステップによって影響されない(図1Bを参照のこと)。
生産性および主要代謝物における沈降の効果をさらに調査するために、1ml当たり1×10細胞の典型的なプロセス細胞密度でambr試行を開始した。対照培養は連続的に撹拌した一方で、沈降した容器は、110分間以内に40分間の撹拌に対して4回の中断とともに不連続的に混合した。両方の細胞培養セットアップにおいて、培地は交換しなかった。
図2B、CおよびEに見られるように、グルコース、グルタミンおよびグルタミン酸レベルは、培養条件ならびに生存細胞濃度および生存率(データは示されていない)の間で差異はない。力価および乳酸レベルについては、差異を観察することができる。規則的に沈降させた細胞は、連続的に撹拌した細胞よりも高い乳酸レベルを示す。沈降を開始するために撹拌およびガス補給が停止されると、酸素移動は急速に減少し、低酸素状態に至る。この効果は、よく混合された条件下よりも局所的な細胞濃度がはるかに高い、容器の底に蓄積した細胞にとってさらに強烈である。低酸素状態下では、細胞は、がん起源の哺乳動物細胞は、グルコースの乳酸への変換を意味する嫌気性エネルギー産生に、より依存する。CHO細胞中の低酸素状態はまた、図2Aにおいて示されるIgG蓄積の減少と一致しているタンパク質生産性を低下させることが示されている。ここで、特異的mAb産生速度は、14.7±0.2μg/mL hから12.1 7±0.1μg/mL hまで減少する。
(実施例4):細胞成長と生成物品質の比較
細胞成長および生成物品質を、上の実施例1および2に記載されるようなマイクロバイオリアクターambrシステムと、灌流バイオリアクターにおける1Lの培養液との間で比較した。
1L培養液に、2.0x10細胞/mLを播種した。グルコースが2.5g/Lを下回って落ち込むと(通常は4〜5日目)、0.5V/dの灌流速度で培地をフィードすることにより連続操作が可能になった。グルコース濃度が2.5g/Lを下回ったままの時に、少なくとも1日おきに灌流を増加させた。最大灌流速度は、1日に2リアクター容量であった。0.5M NaOHの添加またはCOの吹き込みによって、pHを制御した。生存率が65%を下回って落ち込んだとき、または意図された試行時間に達したときに、培養を終了させた。実験室1Lスケールの培養は、Sartorius Biostat B−DCU 2l中で実行した。溶存酸素およびpHは、標準電極(Mettler Torledo InPro 6800およびMettler−Torledo 405−DPAS−SC−K8S、それぞれMettler Torledo、スイス)によって測定する。かき混ぜは、3枚刃セグメントのインペラーによって行う。灌流は、ATF2モジュールまたはCentritech遠心分離機のいずれかを使用して行う。ATF2モジュールは、60cmのPES膜(0.2μmの孔径および0.15mの膜面積、Spectrum、米国)を有する。ATF2モジュール内のデッドボリュームのために、100〜150mLの細胞懸濁物のブリーディングとともに膜交換を行う。断続的に動作する間欠モードでは、スタンドアロンの連続遠心機Centritech Lab IIまたはLab III(Lab IIの後継機)(Berry Wehrmiller、含気性スケール)を使用する。これは小スケール容量に推奨される。サイクル間の待機時間は、灌流速度を制御するように調整する。各ランニングサイクルの終わりに、全てのチューブを上清でフラッシュすることにより、残りの細胞をバイオリアクター内にバックフラッシュさせる。
灌流バイオリアクターにおける1Lまたは10L培養液およびambrシステムにおける小スケール培養の増殖プロファイルは、よく似ている。培養物は同じ最大細胞密度に達する。1Lの灌流培養物の生存率は、小スケールambrシステムまたは10Lの大スケール培養物における沈降に基づく灌流よりも少し低いが、同等である。生成物グリコシル化のパターンは、小スケールambr培養液と1000L(プロセス制御において非関連性の変更を施した様々な試行から得た平均値)の容量までの大スケール培養物との間で、よく似ている(図3を参照のこと)。さらなる品質性状を表2に列挙する。
図4は、灌流モードにおける小スケールambrシステムが、バッチモードにおけるambrシステムよりも、より大スケールの培養の経過中のグリコシル化パターンの変化を予測するのにはるかに良く適していることを示している。とりわけ、初期回収物(灌流4日目)と後期回収物(灌流25日目)とを比較した場合、クローンP741−E5は、時間とともにフコシル化の上昇を示している(Bの灰色のバー)。フコシル化の上昇は、ambr灌流においてもまた観察されたが、バッチモードにおいては観察されなかった。クローンP915−D3は、バッチモードにおいて高いフコシル化を示すが、ambrおよび1Lスケールの灌流においては低いフコシル化を示す。
CHO DG44細胞は、小スケールambrシステム中の沈降に基づく灌流において、ガス供給(吹き込みまたは非吹き込み)とは独立して、3.5×10細胞/mLまで良好で一貫した成長を示す。21日間の培養の全体を通して、高い生存率を維持している(90%超)(図5を参照のこと)。
CHO DG44由来の細胞を使用した、1Lおよび12mLスケールで産生されたモノクローナル抗体のグリコシル化は、よく似ている。ambrに基づく灌流のためのガラクトシル化は、10日目の回収物については、わずかに減少している。
(実施例5)実験のデザイン(Design of experiment;DoE)研究
ここで開発したシステムの利点をさらに証明するために、DoE研究を実施した。DoE因子として、0.5%〜1.5%の濃度範囲における化学シャペロンの添加(CC5)、標準濃度の0.5〜1.5倍のGlycoMixの補填、およびプロセスpH(6.8〜7,2)を使用する。4つの中心点を有するCCF(Central Composite Face;中央複合面)デザインと14のデザイン試行が選択される。1回の試行当たり、平均生存率、積分生存細胞密度(integral viable cell density;IVCD)および総生成物を応答として使用する。モデルフィットの要約を表4に示す。
全ての応答についてのR値は高く、1に近く、良好なモデルフィットを示す。将来の予測精度Qもまた、3つの全ての応答について0.8付近で高い。良好なモデルは、0.5より大きいQ値を示す。妥当性(0.25を超えるべきである)および再現性(0.5を超えるべきである)は、同様に許容範囲である。
寄託された生物学的材料の同定
細胞株DSM ACC 2606およびDSM ACC 2605は、2003年8月14日に、Nemod Biotherapeutics GmbH & Co.KG、Robert−Rossle−Str.10、13125 ベルリン(ドイツ)によって、DSMZ−Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、Mascheroder Weg 1b、38124 ブラウンシュワイク(ドイツ)に寄託された。その間に、これらはNemod Biotherapeutics GmbH & Co.KGからGlycotope GmbHに譲渡されたため、Glycotopeはこれらの生物学的材料を照会する権利が与えられている。
細胞株DSM ACC 2806、DSM ACC 2807、DSM ACC 2856、DSM ACC 2858およびDSM ACC 3078は、下記の表に示される日付に、Glycotope GmbH、Robert−Rossle−Str.10、13125 ベルリン(ドイツ)によって、DSMZ − Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、Inhoffenstrasse 7B、38124 ブラウンシュワイク(ドイツ)に寄託された。

Claims (14)

  1. 懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養をシミュレーションするための方法であって、
    (a)前記大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
    (b)シミュレーションするべき前記大スケール灌流培養物の1つまたは複数の培養条件を使用して前記細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、前記小スケール細胞培養物が攪拌されるステップ;
    (c)前記小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
    (d)前記小スケール細胞培養物中の前記細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、前記小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;および
    (e)新鮮な培養培地を前記小スケール細胞培養物に添加するステップ
    を含む方法。
  2. 前記小スケール細胞培養物において細胞を培養するために使用される、シミュレーションするべき前記大スケール灌流培養物の前記1つまたは複数の培養条件が、培養培地、温度、pH値、酸素濃度、細胞密度、前記培養培地中の栄養素の添加時間および目標濃度を含む細胞栄養素の添加、培養時間、比動力入力、ガス供給速度、灌流速度ならびに前記培養培地の浸透圧からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 懸濁物中の細胞の大スケール灌流培養のための培養条件および/または細胞クローンをスクリーニングするための方法であって、
    (a)前記大スケール灌流培養物の10%またはそれ未満の培養容量を有する小スケール細胞培養物を提供するステップ;
    (b)前記小スケール細胞培養物中の細胞を培養するステップであって、前記小スケール細胞培養物が攪拌されるステップ;
    (c)前記小スケール細胞培養物の撹拌を停止するステップ;
    (d)前記小スケール細胞培養物中の前記細胞の少なくとも部分的な沈降の後に、前記小スケール細胞培養物の培養培地の一部を除去するステップ;
    (e)新鮮な培養培地を前記小スケール細胞培養物に添加するステップ;および
    (f)前記大スケール灌流培養物の所望の特性および/または特徴を提供する培養条件および/または細胞クローンについてスクリーニングされたものを選択するステップ
    を含み、個々の前記小スケール細胞培養物は、スクリーニングするべき前記培養条件および/または前記細胞クローンが異なる、方法。
  4. スクリーニングするべき前記培養条件が、培養培地、温度、pH値、酸素濃度、細胞密度、前記培養培地中の栄養素の添加時間および目標濃度を含む細胞栄養素の添加、培養時間、比動力入力、ガス供給速度、灌流速度ならびに前記培養培地の浸透圧からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記培養条件および/または細胞クローンが、高い細胞生存率、高いおよび/または安定な細胞密度、前記細胞培養物中の前記細胞によって産生される目的の生体分子の高いおよび/または安定した収率、ならびに前記細胞培養物中の前記細胞によって産生される目的の生体分子の所望の特性を提供する前記スクリーニングにおいて選択される、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記大スケール灌流培養物が少なくとも1lの容量を有し、および/または前記小スケール細胞培養物が50mlもしくはそれ未満の容量を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップ(c)における撹拌を停止した後、ステップ(d)で前記培養培地の一部を除去する前に、前記細胞の沈降が少なくとも35分間起きる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップ(c)における撹拌を停止した後、ステップ(d)で前記培養培地の一部を除去する前に、前記細胞の沈降が30分またはそれ未満の間起き、ステップ(d)で、前記細胞培養物中の前記細胞の一部もまた、細胞ブリーディングをもたらすために除去される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. ステップ(d)で前記培養培地の15%〜50%が除去され;ならびに/または前記培養培地がステップ(d)で前記細胞培養物の上部から除去される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ステップ(e)で添加される新鮮な培養培地の量は、ステップ(d)で除去される培養培地の量と、本質的に同一である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記培養培地中の前記pH値および/または前記酸素濃度が前記細胞の培養中に制御され、ステップ(c)における前記細胞培養物の撹拌を停止する前に、前記pH値および/または前記酸素濃度の制御が少なくとも5分間停止される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ステップ(b)〜(e)が1回または複数回、繰り返され、ステップ(e)の後、次のサイクルのステップ(c)で撹拌が停止する前に、少なくとも1時間、撹拌下で前記細胞が培養される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 培養するべき前記細胞が、懸濁状態で成長する真核細胞、好ましくは骨髄性白血病起源の不死化ヒト細胞のような不死化ヒト血液細胞、またはCHO細胞である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記細胞が、目的の生体分子、好ましくは糖タンパク質を組換えにより産生する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
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