JP2997771B2 - 細胞の懸濁培養方法 - Google Patents

細胞の懸濁培養方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然の凝集活性物
質を用いる灌流培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞の大量培養によって、ホルモン、サ
イトカイン、モノクローナル抗体などの有用な生理活性
物質を大量に産生する技術が従来から切望されている。
工業的大量生産を考えた場合には、スケールアップの容
易性から、細胞を培養固定化担体に付着させることな
く、液体培養液中に浮遊させた状態で増殖させる懸濁培
養が最も有利であると考えられる。
【0003】しかし、細胞培養においては、細胞から生
育阻害物質が排出されるので、該生育阻害物質を含む培
養液を除去しなければ、比較的低い細胞密度で細胞の成
長増殖が停止する。従って、細胞を大量且つ高密度で培
養するためには、生育阻害物質を含む古い培養液を槽外
に適宜排出しながら、新しい培養液に交換する灌流培養
が不可欠となる。
【0004】灌流培養を行うためには、培養液中の生細
胞を迅速に沈降せしめ、該生細胞と古い培養液の分離を
効率的に達成した上で、古い培養液を培養槽外に排出す
ることがきわめて重要である。
【0005】従来、培養液と生細胞を分離するために、
(1)フィルターを用いる方法、(2)重力による方
法、(3)遠心分離器による方法、(4)細胞を担体に
固体化する方法などが提案されてきた。
【0006】しかし、(1)の方法ではフィルターの目
詰まり、(2)の方法では動物細胞の比重が1.1程度
であることによる分離効率の低さ、(3)の方法では装
置の複雑さ、細胞に対する遠心力の悪影響、および
(4)の方法には固定化の煩雑さ・スケールアップの点
での困難性などの問題があり、細胞を大量培養するため
の方法としては、何れの方法も満足すべきものとはいえ
ない。
【0007】さらに、凝集剤としてポリアクリル酸とキ
トサンの混合物を培養液中に添加することにより細胞を
凝集せしめて、細胞と培養液の分離効率を改善する方法
が、特開平1−165374に開示されている。該方法
によれば、前記方法に伴う欠点は全て解決され得るが、
該方法においてはポリアクリル酸という非生体物質を用
いており、細胞毒性を示す可能性があるという欠点を有
する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然の凝集
活性物質であるレクチンを用いて細胞を凝集させること
により、培養液と細胞を分離せしめ、以て効率的且つ簡
易な灌流培養を可能にする方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、細胞の培養方法であって、(1)培養液
にレクチンを添加した後または添加する前に、該培養液
に細胞を懸濁して該細胞を培養するステップと、(2)
前記培養液中のレクチンの作用によって凝集した前記細
胞と前記培養液を分離し、前記培養液の一部または全部
を除去するステップと、(3)前記細胞に培養液を新た
に補充し、任意の時点で該培養液にレクチンを添加して
前記細胞を培養するステップと、(4)(2)および
(3)に記載された操作を任意の回数反復するステップ
とからなる細胞の培養方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、培養液中にレクチン
を添加して細胞を凝集させることにより、培養液と細胞
を効率的に分離する。本発明の方法は、有用な生理活性
物質を産生するハイブリドーマなどの細胞が、レクチン
によって効果的に凝集するという、本発明者の発見に基
づいてなされたものである。
【0011】本発明において「レクチン」とは、動植物
または細菌に見出される糖結合性タンパク質であって、
(1)非免疫学的産物であり、(2)動植物細胞に対す
る凝集能を有し、(3)多糖類または複合糖質を沈降さ
せ、(4)2価以上の結合価を有し、(5)単糖または
オリゴ糖を用いた阻止試験によって、糖類に対する結合
特異性を規定し得るタンパク質を意味する。
【0012】このようなレクチンには、本明細書中に記
載されているインゲン豆レクチン(Lectin from Phaseo
lus vulgaris; 以下PHA-L )、ダイズレクチン(Lectin
from Glycine max )、アメリカヤマゴボウ由来レクチ
ン(Lectin from Pokeweed mitogen)の他、タチナタマ
メ(Canavalia ensiformis)レクチン(コンカナバリン
A )などが含まれるが、これらには限定されず、上述の
定義に合致する糖結合タンパク質は全て含まれる。
【0013】レクチンは糖鎖に対する特異性を有するの
で、培養する細胞上に存在する糖鎖の種類に応じて、使
用するレクチンの種類を決定しなければならない。糖鎖
に対する特異性が異なり、且つ特異性が明らかとなって
いるレクチンは他種類存在するので、使用に適するレク
チンのスクリーニングは容易に行い得る。
【0014】本発明の方法において、レクチンは長時間
にわたって実質的に細胞毒性を示さない。それ故、本発
明の方法を用いれば、レクチンを含有する培養液中で常
に細胞を培養することが可能となり、レクチンを交換時
に添加する操作は不要である。従って、本発明の方法に
よれば、灌流培養を工業化および自動化することがきわ
めて容易となる。
【0015】本発明の方法に用いる細胞は、有用な生理
活性物質を産生し、レクチンの作用によって凝集する任
意の細胞であり得る。前記有用な生理活性物質には、サ
イトカイン、エリスロポエチン、プロテインC 、種々の
抗体、ホルモン、酵素、受容体などのタンパク質または
ペプチド性の物質が含まれるが、これらに限定されず、
細胞から採取することが好ましい物質を全て含む。
【0016】従って、本発明の方法に使用し得る細胞に
は、リンパ球およびマクロファージを含む免疫担当細
胞、ハイブリドーマ、腎細胞、膵臓細胞などのホルモン
産生細胞が含まれる。
【0017】本発明の方法に使用する細胞は、遺伝子工
学的手法によって、前述の有用な生理活性物質をコード
する遺伝子が導入された組換え細胞であり得る。さら
に、本発明の方法に使用されるレクチンはタンパク質で
あるため、本発明の方法には、遺伝子工学的手法によっ
てレクチンのタンパク質部分をコードする遺伝子が導入
された組換え細胞を用いることも可能である。このよう
な組換え細胞を用いれば、培養液中にレクチンを添加す
る必要がなくなり、コスト面で非常に有利である。レク
チン遺伝子の配列および該配列を細胞に導入する方法は
公知であり、当業者であれば容易に該組換え細胞を作出
することができる。
【0018】遺伝子工学的手法によってレクチンのタン
パク質部分をコードする遺伝子を導入した細胞に、さら
に前述の有用な生理活性物質をコードする遺伝子を導入
することもできる。
【0019】さらに本発明の方法は、組織および臓器の
培養に適用することも可能である。本発明の方法には、
培養細胞に適した培養液であって、レクチンによる該細
胞の凝集を実質的に阻害しない任意の培養液を使用する
ことができる。このような培養液には、細胞培養に一般
的に使用されるダルベッコの改変イーグル培養液、HAT
培養液などが含まれるが、これらに限定されない。
【0020】さらに、必要であれば、このような培養液
にはレクチンによる該細胞の凝集を実質的に阻害しない
任意の添加物を添加し得る。本発明の方法では、当業者
に周知である任意の方法によって、細胞と培養液を分離
することができる。このような方法には、レクチンによ
り凝集した細胞を自然沈降せしめる方法、フィルターを
用いる方法などが含まれ得るが、操作が簡便であり、細
胞に物理的な刺激を与えないため自然沈降を用いる方法
が好ましい。フィルターを用いる場合には、レクチンに
よって生じた細胞の凝集塊の大きさが約100〜150
μmであるので、50μm以下の口径を有するフィルタ
ーを用いることが好ましい。フィルターは市販のものを
適用することができる。
【0021】細胞と培養液を分離した後に、培養液の一
部または全部を除去し、適切な量の培養液、好ましくは
除去した量と同量の培養液を新たに補充する。本発明の
方法は、好ましくは灌流培養に適用される。
【0022】灌流培養に使用する装置は当業者に周知で
あり、典型的には、培養液を吸入するための吸入口およ
び前記培養液を排出するための排出口を有し、吸入用の
ポンプおよび排出用のポンプをさらに具備する。通常該
装置には、気体濃度(とりわけ二酸化炭素濃度)を調節
するために、さらに気体の吸入口および排出口も併せて
配設されている。該装置には、培養液を攪拌して該培養
液の組成を均一に保つための攪拌翼を設置することが好
ましい。
【0023】前記装置は、所望の培養規模に適合する任
意の大きさであり得る。前記装置の構成は簡易なもので
あり、容易に培養規模を拡大し得ることは、当業者であ
れば自明であろう。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳述する。 [実施例1]本実施例では、半径41mm、高さ140m
m、全容積500mLのスピナーフラスコを用いた。該フ
ラスコは内部に攪拌翼を有し、培養容積は200mLであ
った。ダルベッコ変法イーグル培養液に、10%のウシ
胎児血清を添加したものを培養液として使用した。さら
に本培養液には、0.5、1または5μg/mLのPHA-L を
添加した。
【0025】以下、図1を参照しながら、培養方法およ
び結果について記す。予めオートクレーブで滅菌した2
00mLの培養槽に、濾過滅菌した培養液を入れ、次にマ
ウスミエローマSP2 とマウスB 細胞を融合して得られた
マウス×マウスハイブリドーマLOX-2 株を2×105 細
胞/mLとなるように播種した。該細胞は、IgG (抗12
リポキシゲナーゼ抗体)を産生するものである。
【0026】該培養槽を二酸化炭素−空気が充填された
37℃のインキュベーター内に設置した。前記培養槽に
は攪拌翼が取り付けられており、攪拌速度は90rpm に
設定した。培養液のpHの上昇を防ぐために、播種直後は
7%二酸化炭素−空気で培養を開始した。
【0027】培養18時間後に、5%二酸化炭素−空気
に切り替え培養を継続し、生細胞密度が9×105 細胞
/mLに達した時点で(培養41時間)、PHA-L を5μg/
mLの濃度となるように添加した。添加直後から、培養槽
外部からも凝集塊の形成が確認された。その後、経時的
にサンプリングを行い、凝集塊の大きさを顕微鏡下で確
認したところ、およそ22時間で凝集塊の大きさがほぼ
一定になった。該時点での凝集魂の顕微鏡像が図2に示
されているが、凝集塊の直径は約100〜150μm で
あった(細胞一個の直径は約15μm であるので、凝集
塊一個には数百個の細胞が含まれていると推定し得
る)。
【0028】培養液の交換を行うために、PHA-L 添加後
23時間の時点で、30分間攪拌を停止し、凝集塊を沈
降させて、培養上清100mLを培養槽外部に取り出し、
PHA-L を含まない新鮮な培養液を培養槽内に100mL供
給した。前記取り出した培養上清中の細胞密度は約1.
5×105 細胞/mLであった。培養88時間後の時点で
も同様の培養液交換を行ったが、培養上清中の細胞密度
には変化は見られなかった。
【0029】その後、さらに培養113時間後の時点で
前記と同様に培養上清100mLを取り出したところ、図
1に見られるように、該上清中の細胞密度が著しく上昇
し、且つ細胞凝集塊も小さくなっていたので、培養槽中
に残存している培養液100mLに、1μg/mL のPHA-L
濃度を有する培養液100mLを加えた。
【0030】さらに培養148時間以降は、図1に示さ
れているように、適宜培養液の交換を行った。培養液交
換時には、培養槽中の残存培養液100mLに、2μg/m
L のPHA-L 濃度を有する培養液100mLを加え、該培養
液交換は、培養290時間後に実験を終了する時点ま
で、24時間毎に行った。前記培養液交換時には、凝集
塊の再凝集および培養槽外に除去された上清中の細胞密
度の減少が確認された。すなわち、培養時に培養液中の
PHA-L 濃度を1μg/mL 以上に維持した場合には、凝集
塊が直径約50〜150μmで形成され(数十〜数百個
の細胞で形成されていると推定される)、重力下での自
然沈降を用いる前記分離操作により、該凝集塊は容易に
沈降した。そして、図1にみられるように、培養上清中
の平均生細胞密度は2.0×105 細胞/mLであり(図
1黒三角点線)、培養液中の生細胞密度(図1黒丸実
線)の僅か9.3%にとどまっていた。また、その際の
モノクローナル抗体の濃度をELISA 法で確認したとこ
ろ、約10μg/mL の濃度が維持されていた(図1破線
×印)。
【0031】本実施例により、PHA-L によって凝集せし
めた状態で、ハイブリドーマLOX-2を培養することが可
能であり、且つ該凝集培養下で抗体産生能が維持されて
いることが示された。
【0032】[実施例2]0、1または5μg/mL のPH
A-L を添加した培養フラスコ内で、実施例1において用
いたハイブリドーマ細胞LOX-2 (2×105 細胞/mL)
を静置培養することにより、PHA-L の細胞増殖および抗
体産生能に対する影響をさらに調べた。結果を図3およ
び表1に示す。
【0033】図3は、培養期間中、何れのPHA-L 濃度に
おいても生細胞密度は異ならないことを示しており、PH
A-L が長期間にわたって細胞毒性を全く示さないことが
明らかである。
【0034】表1は、LOX-2 凝集性とPHA-L 濃度との関
係、およびPHA-L がLOX-2 の抗体産生能に対して及ぼす
影響を示している。表1から、1μg/mL 以上のPHA-L
を添加すればLOX-2 が顕著な凝集性を示すこと、さらに
最大5μg/mL のPHA-L を用いてもLOX-2 の抗体産生能
は全く影響を受けないことが分かる。
【0035】[実施例3]本実施例では、本発明の方法
の汎用性を検討するために、PHA-L 存在下で、ハイブリ
ドーマ作成の際に多く使われるミエローマSP-2を静置培
養して、SP-2の細胞増殖を調べた。PHA-L を0または1
μg/mL 含む培地中に、2×105 細胞/mLのSP-2を播
種して、生細胞密度の経時変化(図4)およびSP-2の凝
集性のPHA-L 濃度に対する依存性(表1)を測定した。
【0036】図4は1μg/mL までの濃度であればPHA-
L の生細胞密度は全く変化しないことを示しており、表
1は1μg/mL 以上のPHA-L により、SP-2が効果的に凝
集することを示している。
【0037】本実施例より、本発明の方法が多様な細胞
に適用することができることが明らかである。 [実施例4]本実施例では、細胞凝集を引き起こし得る
PHA-L の最小濃度を調べるために、0、0.1、0.
5、および1μg/mL の培地を作成し、2×105 細胞
/mLのLOX-2 を播種して静置培養を行った。LOX-2 の凝
集は顕微鏡下で確認した。
【0038】表1に示されているように、0および0.
1μg/mL のPHA-L では凝集はみられず、0.5μg/m
L のPHA-L での凝集も弱いものであった。以上より、LO
X-2 の凝集塊を形成させるためには、PHA-L の濃度は1
μg/mLでなければならないことが理解される。
【0039】[実施例5]本実施例では、PHA-L の代わ
りにダイズレクチンを使用して、他の種類のレクチンが
LOX-2 を凝集させ得るかについて調べた。用いたダイズ
レクチンの濃度は0、1および10μg/mL であり、2
×105 細胞/mLのLOX-2 を播種して、細胞の凝集性
(表2)および細胞増殖(図5)を調べた。表2からダ
イズレクチンも細胞の凝集能を有することが明らかであ
り、図5からは細胞増殖の経時変化がダイズレクチンの
影響を受けないことが分かる。
【0040】[実施例6]本実施例では、レクチンが認
識する細胞表面の糖鎖構造には特異性があり、細胞の有
する糖鎖構造に応じたレクチンを添加しなければ凝集塊
が形成されないことを明らかにした。
【0041】本実施例で用いたレクチンはアメリカヤマ
ゴボウ由来レクチン(PWM )であり、0、1、10μg
/mL の濃度のPWM を含む培地に、2×105 細胞/mLの
LOX-2 を播種して、細胞の凝集性(表3)および細胞増
殖(図6)を調べた。図6からPWM は細胞増殖に対して
は何ら影響を与えないことが分かるが、表3から明らか
なように、最大10μg/mL の濃度のPWM を用いてもLO
X-2 は凝集しなかった。
【0042】以上より、レクチンによる糖鎖の認識には
特異性があることが明らかであり、使用する細胞表面上
の糖鎖の種類に応じて適切なレクチンを選択しなければ
ならないことが示された。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明の懸濁培養方法では、培養液中に
レクチンを添加して細胞を速やかに凝集、沈降せしめ
て、培養液と細胞を分離することにより、古い培養液の
除去および新しい培養液の補充を容易にしている。本発
明の方法で用いるレクチンは天然の物質であるので、従
来用いられていた人工の凝集活性物質とは異なり、細胞
毒性を実質的に示さない。本発明の方法を用いれば、従
来必要とされた複雑な操作または機器が一切不要なた
め、工業的規模で灌流培養を自動化することが可能とな
り、モノクローナル抗体およびサイトカインなどの有用
な生理活性物質を安価に大量生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の培養方法によるLOX-2 細胞の連続培養
および該細胞によるモノクローナル抗体の産生量を示す
図。
【図2】本発明の培養方法において生じるLOX-2 細胞の
凝集塊の顕微鏡写真。
【図3】PHA-L 存在下でのLOX-2 細胞の静置培養の経時
変化を示す図。
【図4】PHA-L 存在下でのSP-2細胞の静置培養の経時変
化を示す図。
【図5】ダイズレクチン存在下でのLOX-2 細胞の静置培
養の経時変化を示す図。
【図6】アメリカヤマゴボウレクチン存在下でのLOX-2
細胞の静置培養の経時変化を示す図。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞の培養方法であって、 (1)培養液にレクチンを添加した後または添加する前
    に、該培養液に細胞を懸濁して該細胞を培養するステッ
    プと、 (2)前記培養液中のレクチンの作用によって凝集した
    前記細胞と前記培養液を分離し、前記培養液の一部また
    は全部を除去するステップと、 (3)前記細胞に培養液を新たに補充し、任意の時点で
    該培養液にレクチンを添加して前記細胞を培養するステ
    ップと、 (4)(2)および(3)に記載された操作を任意の回
    数反復するステップとからなる細胞の培養方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法のステップ(2)
    において、細胞と培養液の分離を行うために重力による
    自然沈降を用いる方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、前記細
    胞が動物細胞であることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記細
    胞がハイブリドーマであることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 細胞の培養方法であって、 (1)培養液に、レクチンのタンパク質部分をコードす
    る遺伝子が導入された組換え細胞を懸濁して該細胞を培
    養するステップと、 (2)前記培養液中のレクチンの作用によって凝集した
    前記細胞と前記培養液を分離して、前記培養液の一部ま
    たは全部を除去するステップと、 (3)前記細胞に培養液を新たに補充し、前記細胞を培
    養するステップと、 (4)(2)および(3)に記載された操作を任意の回
    数反復するステップとからなる細胞の培養方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法であって、前記組
    換え細胞が大腸菌であり、且つ前記レクチンがフィトヘ
    マグルチニンであることを特徴とする方法。
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