JP6736363B2 - 容器充填液状食品の製造方法 - Google Patents
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Description
[2]前記不活性ガスの吹き付けを停止した直後に、前記ボトル容器を閉栓することを特徴とする前記[1]に記載の容器充填液状食品の製造方法。
[3]前記不活性ガスに置換する工程後の前記ボトル容器のヘッドスペース内の酸素濃度が5容量%以下であることを特徴とする前記[1]又は[2]のいずれか1つに記載の容器充填液状食品の製造方法。
[4]前記液状食品は、食用油脂であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の容器充填液状食品の製造方法。
[5]前記不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び炭酸ガスから選ばれる1種以上であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の容器充填液状食品の製造方法。
本発明の実施の形態において、ボトル容器10への液状食品の充填は、特に限定されるものではないが、例えば公知の充填方法により行なうことができる。例えば、ベルトコンベアやローラーコンベア等のコンベア1により公知の液状食品充填装置の設置位置まで搬送されてきた空のボトル容器10に液状食品充填装置により液状食品を充填する。液状食品は、ボトル容器10の上部に所定容量のヘッドスペースを有するように所定量が充填される。
本発明の実施の形態に係る容器充填液状食品の製造方法における不活性ガス置換工程は、液状食品を充填したボトル容器10の容器口11の直上でノズル孔22の口径(直径、以下同様)が4.5mm以上のノズル21を介して不活性ガスを25〜100L/minの流量で容器口11に向けて吹き付け、吹き付けを停止した後に又は停止と同時にボトル容器10及び/又はノズル21の移動を開始することにより、ボトル容器10のヘッドスペース内に存在する気体を不活性ガスに置換する工程である。
本実施の形態においては、容器口11の直上における不活性ガスの吹き付けは、ノズル孔22の中心軸がこれと平行な容器口11の中心軸11Aから最短距離で容器口11の半径(L/2)の長さの50%以下(すなわち、0.5×L/2以下)の位置で行なわれることが好ましく、20%以上50%以下(すなわち、0.2×L/2以上0.5×L/2以下)離れた位置で行なわれることがより好ましく、25%以上45%以下離れた位置で行なわれることが更に好ましい。この範囲で吹き付けることで、より効率的にヘッドスペース内の気体を不活性ガスに置換できる。なお、容器口11の直径Lは、ノズル孔22の直径の2.5倍以上であることが好ましく、3〜4.5倍であることがより好ましい。
本発明の実施の形態において、ボトル容器10の容器口11の閉栓は、特に限定されるものではないが、例えば公知の閉栓方法により行なうことができる。例えば、不活性ガス置換工程後、ノズル21が移動して容器口11の直上から離れると同時に又は離れた後に、ボトル容器10がコンベア1により搬送される前に、キャップ搬送機を備えた閉栓装置によりボトル容器10の容器口11が閉栓されて密封される。あるいは、不活性ガス置換工程後、ボトル容器10がコンベア1により搬送され、容器口11の直上からノズル21が離れると同時に又は離れた後に、搬送しながら又は搬送を一時停止して、上記閉栓装置によりボトル容器10の容器口11を閉栓することとしてもよい。不活性ガスの吹き付けを停止した後、可能な限り速やかに閉栓することが好ましい。窒素ガスの吹き付け停止から閉栓までの時間が1秒以内であることが好ましく、0.5秒以内であることがより好ましく、0.3秒以内(=吹き付け停止直後)であることが更に好ましい。
本実施の形態における不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び炭酸ガスから選ばれる1種以上の不活性ガスを使用することができる。汎用性およびコストの観点から、窒素ガスを使用することが好ましい。
ボトル容器10は、キャップにより閉栓される容器口をボトル容器の上部に備え、液状食品が充填された後、不活性ガスで置換されたヘッドスペースを有する状態で密封される。この時、ボトル容器に液状食品を充填する前に、不活性ガスを吹き込み、空気と不活性ガスを置換しておくことが好ましい。
本実施の形態において使用できる液状食品の種類は特に限定されない。10〜25℃で流動性のある液状の食品であれば、特に限定されない。例えば、食用油脂、ドレッシング、飲料が挙げられるが、食用油脂が好ましい。
本発明の実施の形態に係る容器充填液状食品の製造方法によれば、容器のヘッドスペースを不活性ガスで置換するガス置換の効率がよく、上記不活性ガス置換工程後のボトル容器10のヘッドスペース内の酸素濃度を5容量%以下にすることができ、好ましい実施形態によれば、同酸素濃度を4.5容量%以下にすることができ、より好ましい実施形態によれば、同酸素濃度を4容量%以下にすることができ、更に好ましい実施形態によれば、同酸素濃度を3.5容量%以下にすることができる。また、容器内の液状食品の液ハネを生じさせないようにできる。また、不活性ガス雰囲気で行う場合に比べガスの使用量を減らせるためガス置換の経済性と安全性に優れた容器充填液状食品の製造方法を提供することできる。
測定対象となる上記の密封直後の容器について、蓋部上方から測定対象ガス吸引用チューブに接続された吸引針を差し込み、ここから採取したヘッドスペースガスを飯島電子工業株式会社製の残存酸素計「パックマスター (RO−103)」のセンサー部に送り込み、これを測定した。
液ハネ(油ハネ)及びヘッドスペースの酸素濃度のうち、いずれか1つ又は両方が不合格のものは×(不合格)と判定した。一方、◎、○、△は合格であり、ヘッドスペースの酸素濃度(容量%)に基づき以下の基準で判定した。
◎:酸素濃度の最大値が3.5未満、かつ平均値が3以下のもの
○:酸素濃度の最大値が3.5〜5、かつ平均値が3以下のもの
△:酸素濃度の最大値が3.5〜5、かつ平均値が3超のもの
0mm:ノズル孔22aの中心軸22Aがこれと平行な容器口11の中心軸11Aから最短距離で0mmの位置(中心軸一致)の場合
3mm:ノズル孔22bの中心軸22Bがこれと平行な容器口11の中心軸11Aから最短距離で3mm離れた位置の場合(ノズル孔22bの中心軸22Aがこれと平行な容器口11の中心軸11Bから最短距離で容器口の半径の長さの約34.9%離れた位置の場合)
5mm:ノズル孔22cの中心軸22Cがこれと平行な容器口11の中心軸11Aから最短距離で5mm離れた位置の場合(ノズル孔22cの中心軸22Cがこれと平行な容器口11の中心軸11Aから最短距離で容器口の半径の長さの約58.1%離れた位置の場合)
また、窒素ガスのブロー時間が1.0秒であり、窒素ガスの吹き付けを停止することなく、ノズル21を元の位置に戻したNo.2、4、11、13、15の比較例では、ヘッドスペースの酸素濃度が5容量%を超えており、ヘッドスペースの気体を効率良く窒素ガスに置換することができなかったことが判る。
また、窒素ガスのブロー流量が120L/minであるNo.10の比較例では、窒素ガスの吹き付けによって、容器内の油が容器外へ液ハネした。
10:ボトル容器、11:容器口、11A:容器口の中心軸
20:ガス置換装置、21:ノズル
22、22a、22b、22c:ノズル孔
22A、22B、22C:ノズル孔の中心軸
Claims (5)
- 液状食品を充填したボトル容器の容器口の直上でノズル孔の口径が4.5mm以上11mm以下のノズルを介して、前記ノズル孔の中心軸が当該中心軸と平行な前記容器口の中心軸から最短距離で前記容器口の半径の長さの20%以上50%以下離れた位置で、0.2秒以上0.7秒以下の間に、不活性ガスを25〜100L/minの流量で前記容器口に向けて吹き付け、吹き付けを停止した後に又は停止と同時に前記ボトル容器及び/又は前記ノズルの移動を開始することにより、前記ボトル容器のヘッドスペース内に存在する気体を前記不活性ガスに置換する工程を有することを特徴とする容器充填液状食品の製造方法。
- 前記不活性ガスの吹き付けを停止した直後に、前記ボトル容器を閉栓することを特徴とする請求項1に記載の容器充填液状食品の製造方法。
- 前記不活性ガスに置換する工程後の前記ボトル容器のヘッドスペース内の酸素濃度が5容量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器充填液状食品の製造方法。
- 前記液状食品は、食用油脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器充填液状食品の製造方法。
- 前記不活性ガスは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び炭酸ガスから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器充填液状食品の製造方法。
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