以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
図1に示すように、第1実施形態のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。
前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15の上面に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。
上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、これを時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。
上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
図2はパチンコ機10の裏面図であり、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。
この構成により、遊技盤22上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。
また、機構盤26には主制御基板30及び賞球制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠12左下部には発射制御基板33が、特別図柄表示装置32の左側に外部接続端子基板40が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
次に図3を用いて遊技盤22について説明する。
図3に示すように、中央部に特別図柄表示装置32、遊技盤22の下部に設けられた特別図柄作動口としての普通電動役物36、上部にある普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられる左右の普通図柄作動ゲート38及び39、盤面最下部のアウト口41、普通電動役物36下部の大入賞口52を備えた第1特別電動役物50、遊技盤22の中央にある第2特別電動役物60、普通電動役物36の左右に一対設けられた羽根作動口61a,61b、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。第2特別電動役物60は、上部に大入賞口として機能する一対の羽根62a,62b、中央部に前述の特別図柄表示装置32、下部に回転体68、V通過口69を備え、羽根作動口61a又は61bへの入賞に起因して羽根62a及び62bが開閉作動するようになっている。前述した発射ハンドル24を回動すれば発射制御基板33により駆動される発射モータ33a(図6参照)が駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールに沿って遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれるようになっている。
普通電動役物36は、図示するように、拡大しなくとも遊技球が入賞可能に構成されている。普通図柄作動ゲート38及び39を遊技球が通過することに起因して当選すれば、普通電動役物36は拡大し入賞が容易になる。
図4(a)の通り、普通電動役物36は第2特別電動役物60の下側領域の中央部に配置され、普通電動役物36の左右の下方領域に羽根作動口61a,61bが左右対称に設けられる。遊技盤22の遊技領域上に植設された多数の遊技釘の配置であるゲージ構成は、第1種始動口である普通電動役物36に頻繁に入賞し、第2種始動口である羽根作動口61a又は61bに時々入賞するものとし、普通電動役物36に入賞し損った零れ球が羽根作動口61a又は61bに入賞することがあるものとしている。このゲージ構成を詳細に説明する。普通電動役物36の上方近辺の左右には、遊技盤22上に発射された遊技球を普通電動役物36に誘導する誘導釘群YG1〜YG4が傾斜して植設されている。普通電動役物36の真上には2本の命釘YG5が植設されている。このゲージ構成により、遊技盤22上に発射された遊技球は、誘導釘群YG1〜YG4により普通電動役物36の近辺に誘導され、命釘YG5の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、拡大しない状態の普通電動役物36への入賞率が調整される。一方、羽根作動口61aの上方に障害釘群YG6、真上に2本の命釘YG7が植設されている。同様に、羽根作動口61bの上方に障害釘群YG8、真上に2本の命釘YG9が植設されている。これにより、誘導釘群YG1〜YG4により普通電動役物36の入賞口に誘導されない遊技球、或いは普通電動役物36に入賞し損ねた零れ球は、障害釘群YG6又はYG8の間隙をぬって、且つ、命釘YG7又はYG9の規制を逃れて入賞することもある。命釘YG7又はYG9の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、羽根作動口61a又は61bへの入賞率が調整される。
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図6のブロック図を用いて説明する。パチンコ機10の電気回路は、図示するように、主として、前述した主制御基板30、賞球制御基板31、特別図柄表示装置32、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うための所謂中継基板及び電源回路等は記載していない。
主制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM、演算等を行うCPU、演算等の作業領域として働くRAM等を内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。主制御基板30の入力側には、特別図柄作動スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、カウントスイッチ54、役物連続作動スイッチ(以下、単に「Vスイッチ」と呼ぶ)55、賞球払出しスイッチ29a、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a、羽根作動スイッチ63a,63b、カウントスイッチ64、Vスイッチ65等が接続されている。また、主制御基板30の出力側には、大入賞口ソレノイド56、Vソレノイド57、普通役物ソレノイド36b、外部接続端子基板40、及び羽根ソレノイド66a,66b等が接続されている。
満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、タッチスイッチ24aは発射ハンドル24、特別図柄作動スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、Vスイッチ55は大入賞口52内の特定領域内、同じくカウントスイッチ54は大入賞口52内、賞球払出しスイッチ29aは払出し装置29内の球切りモータ29b(図6参照)の下方、羽根作動スイッチ63a,63bは羽根作動口61a,61b内、カウントスイッチ64は羽根62a,62bの取付部近傍、Vスイッチ65はV通過口69内に、各々取り付けられている。
ここで、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、タッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを、特別図柄作動スイッチ36aは普通電動役物36に入賞したことを、普通図柄作動スイッチ38a,39aは普通図柄作動ゲート38,39を遊技球が通過したことを、カウントスイッチ54は大入賞口52内に入賞する全ての遊技球を、Vスイッチ55は大入賞口52内に入賞した遊技球が特別装置作動領域(以下、「特別領域」という。)を通過したことを、賞球払出しスイッチ29aは球切りモータ29bにより上皿15に排出される遊技球を、羽根作動スイッチ63a,63bは羽根作動口61a,61bに入賞したことを、カウントスイッチ64は羽根62a,62b部分から入賞する全ての遊技球を、Vスイッチ65は羽根62a,62b部分から入賞した遊技球がV通過口69を通過したことを、各々検出するためのものである。
また、主制御基板30の出力側に接続された大入賞口ソレノイド56は大入賞口52、Vソレノイド57は大入賞口52内の特別領域、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36、羽根ソレノイド66a,66bは羽根62a,62bの各々の開閉に使用されるものである。
特別図柄表示装置32は、LCDパネルユニット32aと、これを駆動制御する図柄表示装置制御基板(以下、単に「図柄制御基板」という。)32b及びバックライト及びインバータ基板等の付属ユニット32cから構成されている。図柄制御基板32bは、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
賞球制御基板31は、主制御基板30からの指令コマンドに従って球切りモータ29bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット13及びCR精算表示基板47等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示基板47は、前述した上皿15の貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18等と接続されたものである。
賞球制御基板31は主制御基板30からの指令に従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は主制御基板30で行われる。この遊技球が払い出されているか否かの検知は、主制御基板30及び賞球制御基板31の双方で行っても良い。
発射制御基板33は、遊技者が操作する発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵された前記タッチスイッチ24aがオン状態のときタッチランプ45を点灯させるためのものである。
ランプ制御基板34は主としてトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御基板30からの指令を受けて普通図柄保留ランプ及び普通図柄用LEDを有する普通図柄表示装置37、大当りランプやエラーランプ等の各種ランプ58及び各種LED59等の各種ランプ類を点灯表示させるためのものである。
音制御基板35は音源IC及びアンプ等から構成されており、主制御基板30の指令を受けてスピーカ46を駆動制御するためのものである。
前述した特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35への送信は、主制御基板30からのみ送信することができるよう一方向通信の回路として構成されているが、双方向の通信も可能であるように構成できる。
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10の主制御基板30内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図7に示すフローチャートに従って説明することにする。
図7に示すフローチャートは、主制御基板30のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハードウェア割り込みにより定期的に実行される処理である。ステップS100〜S200までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるステップS210及びS220の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハードウェア割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(ステップS100)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。通常でない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、大抵が電源投入時である。電源投入時には、RAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(ステップS100:NO)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為される(ステップS110)。
正常割り込みとの肯定判断が為されると(ステップS100:YES)、まず初期乱数更新処理が実行される(ステップS120)。この処理は、図8(a)に示すように、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1とするが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「329」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「329」までの330個の整数を繰り返し昇順に作成する。
ステップS120に続く当否乱数更新処理(ステップS130)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1とするインクリメント処理であるが、図8(b)に示すように、最大値である「329」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期乱数の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1とする処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期乱数の値を初期値とし「0」〜「329」までの330個の整数値を繰り返し作成する。即ち、割り込み処理毎に+1とし、乱数を構成する要素を「0」〜「329」までの330個の整数値とすることは前記初期乱数と何等変わることはないが、今回の更新最大値(図では「157」「24」「257」)に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値(図では「158」「25」「258」「95」)を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1とし、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当否乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「329」までの330個の整数値とし、割り込み処理毎に+1とするが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期乱数により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「329」の330個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
大当り図柄乱数更新処理(ステップS140)は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。15個の各乱数値「0」〜「14」は、画面上に表示される3桁同一の「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」、「888」、「999」、[AAA」、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」、「FFF」に各々対応する。
外れ図柄乱数更新処理(ステップS150)は、左図柄用乱数、中図柄用乱数及び右図柄用乱数から構成され、大当りでないときの外れ図柄として使用される。左図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。中図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、左図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。右図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、中図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1とされ最大値を超えると「0」に戻る。
普通図柄乱数更新処理(ステップS160)は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1とされ最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
前述した各乱数更新処理(ステップS120〜S160)により、初期乱数、当否乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数及び普通図柄乱数が各々更新されるが、続く処理(ステップS170)ではパチンコ機10に設けられ主制御基板30に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。前述した満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a、特別図柄作動スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、カウントスイッチ54、Vスイッチ55、賞球払出しスイッチ29a、羽根作動スイッチ63a,63b、カウントスイッチ64、Vスイッチ65、その他の入賞口に設けられた図示しない各入賞検知スイッチ、等の各スイッチの作動状況をチェックする処理が実行される。
この入力処理(ステップS170)により特別図柄作動スイッチ36aに入力がある場合には、特別図柄作動口としての普通電動役物36に遊技球が入賞したときであり、この割り込み処理時の前記当否乱数の値が抽出され当否判定値と比較される。第1実施形態のパチンコ機10は、確率変動機として構成され、通常確率時では当否判定値は「1」であり、高確率時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」である。前述したように当否乱数を構成する「0」〜「329」の330個の各整数値の出現率は均一であり、遊技球が作動口としての普通電動役物36に入賞するタイミングで抽出される当否乱数の値は、前記ハードウェア割り込みの微小時間である約2msと比較すれば入賞タイミングを微小時間単位で調節できないことから無作為に抽出された値となり、当否乱数は完全なる乱数として機能する。従って、抽出された当否乱数の値が当否判定値と一致して大当りとなる確率は、通常確率時には1/330であり、高確率時には1/55(=6/330)となる。
この大当りを発生させる確率が低確率状態から高確率状態に移行するのは、第1実施形態では、大当り発生時の割り込み処理における前述した大当り図柄乱数の値が、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」及び「13」、即ち、大当り図柄が「111」、「333」、「555」、「777」、「999」、「BBB」及び「DDD」(以下、「高確率図柄」という。)の場合であり、大当りが発生するときの7/15の確率で高確率に移行する。そして、高確率中において、再び大当りを発生させたときの大当り図柄が高確率図柄であれば更に高確率状態が継続する。
前記高確率判定処理に係る処理を示したのが図9に示す「高確率判定ルーチン」である。このルーチンは大当りと判定されると続いて実行される処理であり、このルーチンに処理が移行すると、まず、前記大当り図柄が高確率図柄であるか否かが判断され(ステップS300)、高確率図柄との肯定判断が為されると(ステップS300:YES)、高確率フラグFgが値「1」にセットされ当否判定値を「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」の6個に増加する処理が実行され(ステップS310〜S320)、リターンに抜ける。一方、前記大当り図柄が高確率図柄でないとの否定判断が為されると(ステップS300:NO)、高確率フラグFgを値「0」にリセットし当否判定値を「1」に戻す処理が実行され(ステップS330〜S340)、リターンに抜ける。前述した図7に示す当否判定処理(ステップS180)及び図9に示す「高確率判定ルーチン」が終了すると、続いて図7に示す画像出力処理(ステップS190)が実行される。
画像出力処理(ステップS190)を、次の表1を用いて詳細に説明する。表1に示すコマンドコードは、主制御基板30から特別図柄表示装置32の図柄制御基板32bに送信されるコードである。表1に示すように、主制御基板30と図柄制御基板32bとの送信コマンドコードは、1.電源投入時、2.客待ちデモ、3.図柄変動中、4.大当り開始時、5.大当り中、6.大当り終了時、7.動作異常時、の7種類に大別できる。
1.電源投入時
電源投入時のコマンドは、パチンコ機10に電源が投入されたとき主制御基板30から図柄制御基板32bに送信されるコマンドコードであり、10Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って特別図柄表示装置32の画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
例えば、図10に示すLCDパネルユニット32a上の3つの特別図柄表示領域42a,42b及び42cに各々「7」、「7」、「7」と3桁同一の大当り図柄を表示し、4つの特別図柄保留記憶表示領域48a〜48dを所定時間(約5秒)点灯させた後に消灯し、背景画面49上にキャラクタとしてヒーロ(hero)及び悪人(bad)を表示し、ヒーロが悪人と所定時間(約1分)格闘したのち悪人を倒し「ファイヤ」という文字を表示するデモ画面を表示すると共に音制御基板35により「ファイヤ」という効果音を出力する処理を実行する。
2.客待ちデモ
客待ちデモのコマンドは、前記電源投入時のデモ画面が終了した後、又は遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル24に触れていないと判断されたときに送信されるコマンドであり、20Hの動作番号及び01Hの識別番号の2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従って特別図柄表示装置32の画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、特別図柄表示領域42a〜42c上に変動表示される特別図柄の変動パターンを全て順番に表示する。このとき、背景画面49上には各々の変動パターンに対応した背景画像及びキャラクタが表示される。この客待ちデモ画面は遊技客が発射ハンドル24を操作するまで全ての変動パターンを順番に表示して一巡した後、繰り返し表示する。尚、遊技者が発射ハンドル24に触れているか否かはタッチスイッチ24aの入力により検知することができる。第1実施形態では、タッチスイッチ24aの入力を主制御基板30に入力する構成としたので、主制御基板30と発射制御基板33との通信を主制御基板30からの一方向通信としながらも前記検知が可能なのである。もちろん、主制御基板30からタッチスイッチ24aのオンオフ情報は発射制御基板33に送信される。このタッチスイッチ24aの入力を発射制御基板33に入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22上のアウト口41にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判断する構成としても良い。
3.図柄変動中
図柄変動中コマンドは、特別図柄変動時に送信されるコマンドであり、表1に示すように(1)変動タイムコード、(2)左静止図柄指定コード、(3)中静止図柄指定コード、(4)右静止図柄指定コード、の4種類のコマンドコード(以下、この4つのコマンドコードを総称して「画像表示コマンド」ということもある。)に分類される。
(1)変動タイムコード
変動タイムコードは、動作番号として30Hの1バイト命令と識別番号として01Hから1EHの30種類の1バイト命令とからなる30種類の2バイト命令として構成されている。30種類の1バイト命令は、1秒単位の5秒〜35秒の30種類の時間を表している。
(2)左静止図柄指定コード
左静止図柄指定コードは、31Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号が01Hのときは左静止図柄として「0」、02Hのときは「1」、03Hのときは「2」、04Hのときは「3」、05Hのときは「4」、06Hのときは「5」、07Hのときは「6」、08Hのときは「7」、09Hのときは「8」、0AHのときは「9」、0BHのときは「A」、0CHのときは「B」、0DHのときは「C」、0EHのときは「D」、0FHのときは「E」の文字を特別図柄として特別図柄表示領域42aに表示させるためのものである。
(3)中静止図柄指定コード
中静止図柄指定コードは、32Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域42bに表示させるためのものである。
(4)右静止図柄指定コード
右静止図柄指定コードは、33Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域42cに表示させるためのものである。
この変動タイムコード、左、中及び右静止図柄指定コードは、遊技盤22上に発射された遊技球が特別図柄作動口としての普通電動役物36に入賞したとき2バイトずつほぼ同時に送信されるコマンドコードであり、その内容は次のようにして決定される。
即ち、遊技球が普通電動役物36に入賞すると、そのときの当否乱数の値、大当り図柄乱数の値、外れ図柄乱数の値、普通図柄乱数の値が各々抽出される。抽出された当否乱数値は、通常確率時には当否判定値「1」と比較し、高確率時には当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」と比較し一致すれば大当りが発生、一致しなければ外れとなる。一致して大当り発生時には、抽出された大当り図柄乱数値に+1として、この値を左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。即ち、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号は同一となる。それらが一致せず外れとなったときには、抽出された外れ図柄乱数の左図柄用乱数値、中図柄用乱数値及び右図柄用乱数値の各々の値に+1とした値を各々左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。このとき、偶然に3つの識別番号が一致する場合には、右静止図柄指定コードの識別番号の値を「1」だけ異なる値とする処理が為される。前述した変動タイムコードは、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致するときには大きな値とし、全て一致しなくとも左及び中静止図柄指定コードの識別番号が一致するときには中間の値とし、全く一致しないときには小さな値に振り分けられる。
この4つのコマンドコードからなる画像表示コマンドを受信したときの図柄制御基板32bが行う処理を図11(a)に示すフローチャートに従って説明する。図11(a)に示す「通常表示ルーチン」は、送信される左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致しない場合、即ち大当りを発生させないときの画像処理に用いられる処理である。図柄制御基板32bのマイコンが前記画像表示コマンドを受信すると、受信した変動タイムと左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とから特別図柄の変動パターンを作成する処理を実行する(ステップS400)。図柄制御基板32bのROMには、次表2に示されるように、受信した画像表示コマンドの各値の組み合わせに対応したテーブルが書き込まれている。図柄制御基板32bのマイコンは、受信した画像表示コマンドからROMに書き込まれたテーブルを読み出し特別図柄の変動パターンを作成する。この変動パターンは次のようにして作成される。
マイコンは、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号から左と中との識別番号が一致するか否か(即ち、リーチであるか否か)を判断して通常変動なのか、リーチ変動なのかを判断し、更にリーチ変動でも変動タイムの値が所定値より大きいのか小さいのかによりトリック変動をするのか否かを判断し、これらの判断と変動タイムとにより特別図柄の左、中及び右図柄の変動開始から静止するまでの各々の時間を決定する。作成された特別図柄の変動パターンに従って、背景画面49上に表示される背景及びキャラクタの表示データも作成される。こうして変動パターンが作成されると、この変動パターンに従って左、中及び右の各特別図柄の変動を開始し指定された静止図柄で静止表示する変動表示処理(ステップS410)を実行すると共に、背景及びキャラクタの表示制御も実行される。
4.大当り開始時
大当り開始時コマンドコードは、特別図柄表示領域42a〜42cに表示される左、中及び右特別図柄が同一図柄を表示した後から大当り動作が開始されるまでの間に大当りが発生したということを遊技者にアピールする画像を表示するときに使用されるコマンドであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令コードを図柄制御基板32bが受信すると特別図柄表示装置32の画面上に「大当り等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ画像を表示すると共に、音制御基板35により効果音を出力する処理がなされる。
このとき、図11(b)に示す通り、図柄制御基板32bは、前記画像表示コマンドから、即ち、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が一致しているか否かにより大当りが発生したことを判断し(ステップS500)、大当りとの肯定判断をすると(ステップS500:YES)、前回記憶した大当り回数の値を+1として(ステップS510)、その回数を背景画面49上に表示する処理を実行し(ステップS520)、リターンに抜ける。これにより、パチンコホールを開店してからの営業中におけるパチンコ機10で発生した大当り回数の累計回数を遊技者に報知することができる。一方、大当りでないとの否定判断をすると(ステップS500:NO)、リターンに抜ける。
5.大当り中
大当り中コマンドは、開放前コード、開放中コード、10カウント入賞コード、V通過コード及びラウンド表示コードの5個のコマンドに分類される。
そして、羽根62a,62bの開放中に第2特別電動役物60内部に飛び込んだ遊技球がV通過口69を通過することによっても大当りが発生し、羽根62a,62bを開放する。
(1)開放前コードは、50Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口52又は羽根62a,62bを開放することを遊技者に知らせる画像を背景画面49に表示する処理を実行する。
(2)開放中コードは、50Hの動作番号及び02Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口52又は羽根62a,62bが開放中であることを遊技者に知らせる画像を背景画面49に表示する処理を実行する。
(3)10カウント入賞コードは、50Hの動作番号及び03Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口52又は羽根62a,62b部分から遊技球が入賞したことをそれぞれカウントスイッチ54又はVスイッチ55により検知する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面49上に表示する処理を行う。これにより、画面上には、大入賞口52又は羽根62a,62b部分から遊技球が入賞する毎に0から10個までの個数表示がなされる。
(4)V通過コードは、50Hの動作番号及び04Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口52内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ55により検知するか、或はV通過口69を遊技球が通過したことをVスイッチ65が検知するかにより、この命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると画面に「V」の文字を大きく表示し大入賞口52又は羽根62a,62bが閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
(5)ラウンド表示コードは、50Hの動作番号及び05Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口52又は羽根62a,62bが開放動作終了後に再び開放する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面49上に表示する処理を行う。これにより、遊技者には大入賞口52又は羽根62a,62bの開放回数が報知される。
6.大当り終了時
大当り終了時コマンドは、大当り終了デモコマンドコードと高確率移行コマンドコードとからなる。
大当り終了デモコマンドコードは、大当り動作が終了したとき、即ち大入賞口52又は羽根62a,62bが16回の開放動作を終了したとき、または16回まで継続しなくとも開放中に遊技球が特別領域を通過しなかったときに送信される命令コードであり、60Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成される。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると大当りが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示する。
高確率移行コマンドコードは、61Hの動作番号及び01H〜02Hの識別番号より構成される。識別番号が01Hのときは高確率状態が継続する場合であり、識別番号が02Hのときは高確率が継続しない場合である。この高確率移行コマンドコードは、第1実施形態において、主制御基板30から送信する構成としても良いし、前述した画像表示コマンドの値から図柄制御基板32bが判断する構成としても良い。
7.動作異常時
動作異常時コマンドは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドであり、本実施形態では、70H01HのE1エラーコード、70H02HのE2エラーコード、70H03HのE3エラーコードより構成されている。E1エラーコードは、テンカウント異常エラーであり、大入賞口52又は羽根62a,62bが開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラーコードは下皿23が満杯で満タンスイッチ43がオンしたとき出力され、E3エラーコードは補給スイッチ44がオンしたとき出力される。これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信される70H04Hのエラー解除コードにより消去される。
続く各出力処理(ステップS200)において、主制御基板30は、遊技の進行に応じて特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34、音制御基板35、普通役物ソレノイド36b、大入賞口ソレノイド56、Vソレノイド57、羽根ソレノイド66a,66b等の各種ソレノイドに対して各々出力処理を実行する。即ち、前記各入力処理(ステップS170)により遊技盤22上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく賞球制御基板31に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音制御基板35に出力する処理を、パチンコ機10に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく図柄制御基板32bにエラー信号を出力する処理を、更には、大当り発生時には大当り処理等を、各々実行する。なお、特別図柄表示装置32に表示される図柄変動中は羽根作動口61a,61b(大入賞口作動口)の機能は有効である。また大当り中は図柄の変動機能、或は羽根作動口61a,61b(大入賞口作動口)の機能は停止される。
前述した本処理に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(ステップS210)及び初期乱数更新処理(ステップS220)から構成されるが、各々前述したステップS150及びステップS120と概ね同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したステップS100〜S200までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図7に示された割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律では無くなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が当否乱数と同期する可能性は無くなる。尚、第1実施形態においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(ステップS160)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
前述した各処理を実行することにより、特別図柄の変動を主とし、遊技球の挙動を従とした遊技内容を実現させるように、パチンコ機10は次のような動作を実行する。即ち、遊技者により操作される発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aにより遊技球が遊技盤22上に発射され、発射された遊技球が特別図柄作動口としての普通電動役物36に入賞すれば、これが特別図柄作動スイッチ36aにより検出され、特別図柄表示装置32の画面上に特別図柄を所定時間変動表示した後に静止表示され確定するように働く。この静止表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を表示すると大当り状態として遊技者に有利なゲーム内容を提供する。大当り状態となるか否かは、前述の通り、遊技球が特別図柄作動スイッチ36aにより検出されたとき抽出される当否決定乱数の値が所定値であるか否かにより決定される。これが第1の条件であり、この第1の条件が成立して大当り状態となると、大入賞口52が約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ54により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、このとき大入賞口52内に入賞した遊技球が特別領域を通過したことがVスイッチ55により検出されると一旦大入賞口52が閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を予め定められたラウンド回数、例えば最大16回繰り返す。通常、遊技球1個の入賞に対して15個の遊技球を賞球として払い出すよう構成しているので、1回の大当り状態が発生すると、約2400(=15×10×16)個の遊技球を賞球として獲得することができる。この賞球排出動作は、賞球制御基板31が実行する。尚、大入賞口52の特別領域を開閉するVソレノイド57は、特別領域に遊技球が1個通過すると特別領域を閉鎖するためのものである。遊技中において前述したランプ制御基板34及び音制御基板35が実行する制御は従来と同様な構成であり、その説明は割愛することにする。
また一方、普通電動役物36に入賞し損なった零れ球等が羽根作動口61a,61bに入賞すれば、これが羽根作動スイッチ63a,63bにより検出され、羽根62a,62bを所定時間(0.9秒以内)開放するよう働き、そして、この開放期間内に羽根62a,62b部分から入賞があれば、第2特別電動役物60の下部に流下し、回転体68の回転により、遊技球がランダムに回転体68に当たり、V通過口69を通過したり、しなかったりする。賞球がV通過口69を通過すると第2特別電動役物60を遊技者に有利な内容とする。従って、大当り状態となるか否かは、V通過口69を遊技球が通過するか否かにより決定される。これが第2の条件であり、この第2の条件が成立して大当り状態となると、羽根62a,62bが約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ64により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、一旦羽根62a,62bが閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。通常、遊技球1個の入賞に対して15個の遊技球が賞球として払い出すよう構成しているので、1回の大当り状態が発生すると、約2400(=15×10×16)個の遊技球を賞球として獲得することができる。この賞球排出動作は、賞球制御基板31が実行する。尚、羽根62a,62bが開放中に遊技球がV通過口69を通過すると、その時点で開放動作を終了した後に再び開放されるが、開放動作中にV通過口69を通過しないと開放動作はその回で終了する。遊技中において前述したランプ制御基板34及び音制御基板35が実行する制御は従来と同様な構成であり、その説明は割愛することにする。
以上詳細に説明した第1実施形態によると、遊技者が普通電動役物36への入賞を狙って遊技球を発射した結果、普通電動役物36へ入賞することがある上、入賞し損なった零れ球が羽根作動口61a,61bに入賞することもある。これにより普通電動役物36への入賞に伴い乱数の選択が行われ、主として、特別図柄表示が頻繁に変動することで、権利発生の可能性がある上、普通電動役物36に入賞し損なった零れ球等により第2種始動口である羽根作動口61a,61bの入賞に伴い、従として、羽根62a,62bが開閉され、時々、権利発生の可能性があり、遊技者の期待感が一層高まる。従って、確率による大当りと遊技者の技量による大当りの双方を楽しむことができ、創造性豊かな遊技内容を提供することができるという優れた効果を生じる。尚、羽根作動口61a,61bには時々しか入賞しないゲージ構成であるので、ベースが高くなることも無いという利点がある。但し、羽根62a,62bが開閉されることで、賞球は増える可能性がある。
なお、第1特別電動役物50(普通電動役物(特別図柄作動口)36)に起因する大当りに伴う画像表示を特別図柄表示装置32に表示するとともに、同様の内容の画像表示を第2特別電動役物60(羽根作動口61a,61b)に起因する大当りに伴い特別図柄表示装置32に表示したが、異なる内容の画像表示を行えば一層趣向性が高まる。
図4(b)は第1実施形態の変更形態であり、普通電動役物36と羽根作動口61a,61bの上下の位置関係を逆転したものである。このゲージ構成を詳細に説明する。羽根作動口61aの上方に障害釘群YG12、真上に2本の命釘YG13が植設されている。同様に、羽根作動口61bの上方に障害釘群YG14、真上に2本の命釘YG15が植設されている。このゲージ構成により、遊技盤22上に発射された遊技球は、障害釘群YG12又はYG14により羽根作動口61a又は61bの近辺に誘導され、命釘YG13又はYG15の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、羽根作動口61a又は61bへの入賞率が調整される。一方、普通電動役物36の上方近辺には、遊技盤22上に発射された遊技球を普通電動役物36に誘導する誘導釘群YG10が植設されている。普通電動役物36の真上には2本の命釘YG11が植設されている。これにより、障害釘群YG12又はYG14により羽根作動口61a又は61bに誘導されない遊技球、或いは羽根作動口61a又は61bに入賞し損ねた零れ球は、誘導釘群YG10の間隙をぬって、且つ、命釘YG11の規制を逃れて入賞することもある。命釘YG11の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、拡大しない状態の普通電動役物36への入賞率が調整される。
図5(a)は第1実施形態の他の変更形態であり、図4(a)の構成において、普通電動役物36を特別図柄作動通過口36’に置換したもので、遊技のベースは、第2種遊技の従来のゲージ構成と同様になる。このゲージ構成を詳細に説明する。特別図柄作動通過口36’の上方近辺の左右には、遊技盤22上に発射された遊技球を特別図柄作動通過口36’に誘導する誘導釘群YG20〜YG23が傾斜して植設されている。特別図柄作動通過口36’の真上には2本の命釘YG24が植設されている。このゲージ構成により、遊技盤22上に発射された遊技球は、誘導釘群YG20〜YG23により特別図柄作動通過口36’の近辺に誘導され、命釘YG24の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、特別図柄作動通過口36’への通過率が調整される。一方、羽根作動口61aの上方に障害釘群YG25、真上に2本の命釘YG26が植設されている。同様に、羽根作動口61bの上方に障害釘群YG27、真上に2本の命釘YG28が植設されている。このゲージ構成により、誘導釘群YG20〜YG23により特別図柄作動通過口36’の入賞口に誘導されない遊技球、或いは特別図柄作動通過口36’を通過し損ねた零れ球は、障害釘群YG25又はYG27の間隙をぬって、且つ、命釘YG26又はYG28の規制を逃れて入賞することもある。命釘YG26又はYG28の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、羽根作動口61a又は61bへの入賞率が調整される。
一方、図5(b)は第1実施形態の更に異なる他の変更形態であり、図4(a)の構成において、羽根作動口61a,61bを羽根作動通過口61a”、61b”に置換したもので、遊技のベースは、第1種遊技機の従来のゲージ構成と同様になり、いずれも従来機よりもベースが高くなることは無い。このゲージ構成を詳細に説明する。普通電動役物36”の上方近辺の左右には、遊技盤22上に発射された遊技球を普通電動役物36”に誘導する誘導釘群YG30〜YG33が傾斜して植設されている。普通電動役物36”の真上には2本の命釘YG34が植設されている。このゲージ構成により、遊技盤22上に発射された遊技球は、誘導釘群YG30〜YG33により普通電動役物36”の近辺に誘導され、命釘YG34の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、拡大しない状態の普通電動役物36”への入賞率が調整される。一方、羽根作動通過口61a”の上方に障害釘群YG35、真上に2本の命釘YG36が植設されている。同様に、羽根作動通過口61b”の上方に障害釘群YG37、真上に2本の命釘YG38が植設されている。このゲージ構成により、誘導釘群YG30〜YG33により普通電動役物36”の入賞口に誘導されない遊技球、或いは普通電動役物36”に入賞し損ねた零れ球は、障害釘群YG35又はYG37の間隙をぬって、且つ、命釘YG36又はYG38の規制を逃れて通過することもある。命釘YG36又はYG38の2本の遊技釘の間隔及び傾きを調整することにより、羽根作動通過口61a”又は61b”への通過率が調整される。
但し、図5(b)の場合、羽根62a又は62bが作動することで賞球が多くなる可能性はある。そして、図4(b)において、上記と同様に普通電動役物36又は羽根作動口61a,61bを通過口に変更することも可能である。
次に、第2実施形態のパチンコ機を図12(a),(b)〜図13を参照して説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様であるが、2つの特別電動役物50,60が1つの特別電動役物260に集約され、1つの特別電動役物260で第1実施形態で果たされた機能を兼ね備えるものである。即ち、本実施形態のパチンコ機は、第1実施形態の第1特別電動役物50とそれに付随する大入賞口52、Vスイッチ55、カウントスイッチ54、大入賞口ソレノイド56、Vソレノイド57等に対応する構成が全て削除され、それらの機能が第1実施形態の第2特別電動役物60に対応する1つの特別電動役物260に集約化されたものである。したがって、共通する構成要素の説明と図示は第1実施形態を援用し、主として、異なる構成について説明する。なお、図示の部品番号は第1実施形態の対応部品を200番台とし、適宜説明は略す。
第2実施形態のパチンコ機の主要な構成は、図12(a)に示す通り、遊技盤222の中央部に特別図柄表示装置232、下部に設けられた特別図柄作動口としての普通電動役物236、上部にある普通図柄表示装置237、普通図柄表示装置237に表示される図柄の変動開始に用いられる左右の普通図柄作動ゲート238及び239、盤面最下部のアウト口241、遊技盤222の中央にある特別電動役物260、普通電動役物236の左右に一対設けられた羽根作動口261a,261b、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。特別電動役物260は、上部に大入賞口として機能する一対の羽根262a,262b、中央部に前述の特別図柄表示装置232、下部に回転体268、V通過口269を備え、一対の羽根作動口261a,261bへの入賞に起因して羽根262a,262bが開閉作動するようになっている。
第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を図13のブロック図を用いて説明する。第2実施形態のパチンコ機の電気回路は、第1実施形態と概ね同様であるが、スイッチ類が若干変更になっている。即ち、主制御基板230の入力側には、満タンスイッチ243、補給スイッチ244、タッチスイッチ224a、特別図柄作動スイッチ236a、普通図柄作動スイッチ238a及び239a、賞球払出しスイッチ229a、羽根作動スイッチ263a,263b、カウントスイッチ264、Vスイッチ265等が接続されている。また、主制御基板230の出力側には、普通役物ソレノイド236b、外部接続端子基板240、及び羽根ソレノイド266a,266b等が接続されている。カウントスイッチ264は羽根262a,262b部分から入賞する全ての遊技球を検出し、Vスイッチ265はV通過口269を通過した遊技球を検出するものである。
図12(b)の通り、特別電動役物260の左右の下方領域に羽根作動口261a,261bが左右対称に設けられ、普通電動役物236は特別電動役物260の下側領域の中央部、かつ、羽根作動口261a,261bの間の中央部下部領域に配置されている。ゲージ構成は、第2種始動口である羽根作動口261a又は261bに頻繁に入賞し、第1種始動口である普通電動役物236に時々入賞するものとし、羽根作動口261a又は261bに入賞し損なった零れ球が普通電動役物236に入賞することがあるものとしている。即ち、図示するように、羽根作動口261aの上方には、誘導釘群YG40及びYG41が植設され、真上には2本の命釘YG42が植設されている。同様に、羽根作動口261bの上方には、誘導釘群YG43及びYG44が植設され、真上には2本の命釘YG45が植設されている。これにより、遊技盤22上に発射された遊技球は、誘導釘群YG40及びYG41又は誘導釘群YG43及びYG44に誘導されて羽根作動口261a又は261bの近辺に至り、命釘YG42又はYG45の各々の2本の遊技釘の間隙及び傾きを調整することにより、羽根作動口261a又は261bへの入賞率が調整される。一方、普通電動役物236の上方には、障害釘群YG46が植設されている。このゲージ構成により、羽根作動口261a又は261bに入賞し損なった零れ球が障害釘群YG46の間隙をぬって普通電動役物236に入賞することもある。障害釘群YG46の間隙及び傾きを調整することにより、普通電動役物236への入賞率が調整される。尚、特別図柄作動口としての普通電動役物236を用いる構成としたが、入賞口が拡大することのない普通入賞口を用いる構成としても良い。なお、本実施形態では特別領域は設けなかったが、V通過口269が特別領域を兼ねるように構成する場合もあり、この場合には、特別領域を開閉するVソレノイドを設置する。その他の説明は第1実施形態と同様である。
第2実施形態のパチンコ機の動作を説明する。前述した各処理を実行することにより、遊技球の挙動を主とし、特別図柄の変動を従とした遊技内容を実現させるように、パチンコ機10は次のような動作を実行する。即ち、発射された遊技球のうち、羽根作動口261a,261bに入賞し損なった零れ球等が特別図柄作動口としての普通電動役物236に入賞すれば特別図柄作動スイッチ236aにより検出され、特別図柄表示装置232の画面上に特別図柄を所定時間変動表示した後に静止表示するよう働く。この静止表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を表示すると大当り状態として遊技者に有利なゲーム内容を提供する。大当り状態となるか否かは、遊技球が特別図柄作動スイッチ236aにより検出されたとき抽出される当否決定乱数の値が所定値であるか否かにより決定される。これが第1の条件である。また一方、遊技球が羽根作動口261a,261bに入賞すれば、羽根作動スイッチ263a,263bにより検出され、羽根262a,262bを所定時間(0.9秒以内)開放するよう働き、そして、開放期間内に羽根262a,262b部分から入賞があれば、特別電動役物260の下部に流下し、回転体268の回転により、遊技球がランダムに回転体268に当たり、V通過口269を通過したり、しなかったりする。遊技球がV通過口269を通過すれば特別電動役物260を遊技者に有利な内容とする。大当り状態となるか否かは、V通過口269を通過するか否かにより決定され、これが第2の条件である。第1の条件又は第2の条件のいずれかの条件が成立すると、大当り状態となり、いずれの場合にも、羽根262a,262bが約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ264により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、一旦羽根262a,262bが閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。その他は第1実施形態と重複するので、その説明は割愛することにする。
以上詳細に説明した第2実施形態によると、遊技者が羽根作動口261a,261bへの入賞を狙って遊技球を発射した結果、羽根作動口261a,261bに入賞することもあるし、その零れ球が普通電動役物236に入賞することもある。これにより羽根作動口261a,261bへの入賞に伴い、主として、羽根262a,262bが開閉され、権利発生の可能性がある上、羽根作動口261a,261bに入賞し損なった零れ球等により普通電動役物236への入賞に伴い、従として、特別図柄表示が、時々、変動することで、時々、権利発生の可能性があり、遊技者の期待感が一層高まる。従って、1つの特別電動役物260が2つの別の条件のいずれかの成立によってともに遊技者に有利な特別遊技状態となるので、少ない電動役物でも豊富な遊技状態を作り出すことができ、趣向性が高まる。尚、普通電動役物236には時々しか入賞しないゲージ構成であるが、ベースが高くなることも無いという利点がある。但し、羽根262a,262bが開閉されることで、賞球は増える可能性がある。
尚、図示は略すが、第2実施形態において、第1実施形態の図4(b)、図5(a),(b)に対応する変更形態も同様に実施が可能である。また、大当りの動作は、第1の条件と第2の条件とにより異なるよう構成しても良い。例えば、第1の条件で大当りが発生したときには、羽根262a及び262bを約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ264により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放し、V通過口269を通過する遊技球があれば、一旦、羽根262a及び262bを閉鎖した後に再び開放するよう構成し、一方、第2の条件で大当りが発生したときには、V通過口269を通過する遊技球があれば、前記期間内であっても、一旦、羽根262a及び262bを閉鎖した後に再び開放する構成としても良い。
第3実施形態のパチンコ機を図14(a),(b)〜図15を参照して説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様であるが、羽根部材の開放を利用しないもので、第1実施形態の第2特別電動役物60と、これに付随する羽根作動口61a,61b、羽根62a,62b、羽根作動スイッチ63a,63b等が全て削除され、これに代えて、特定入賞口361を備えている。特定入賞口361の真上には2本の遊技釘361aが植設され、遊技球が1個がかろうじて通過する入球口として構成されている。また、特定入賞口361の内部には、遊技球の飛び込みが可能な3つ穴を有し遊技球が円運動をしながらスピードを減衰させ、いずれかに入球する回転式入球装置(「クルーン」とも呼ばれる。)360が構成されている。この回転式入球装置360の有する3つ穴の1つがV通過口369として構成されている。また、第1実施形態では第2特別電動役物60内部に特別図柄表示装置32が存在したが、第3実施形態ではこれを分離して回転式入球装置360の下部領域に配置したものである。したがって、共通する構成要素の説明と図示は第1実施形態を援用し、主として、異なる構成について説明する。なお、図示の部品番号は第1実施形態の対応部品を300番台とし、適宜説明は略す。
第3実施形態のパチンコ機の主要な構成は、図14(a)に示す通り、遊技盤322の中央にある回転式入球装置360、回転式入球装置360の下部にある液晶画面を備えた特別図柄表示装置332、特別図柄表示装置332の下部領域にある第1種作動口である普通電動役物336、普通図柄表示装置337等を備えた特別電動役物350、普通図柄表示装置337に表示される図柄の変動開始に用いられる左右の普通図柄作動ゲート338及び339、盤面最下部のアウト口341、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
図14(a),(b)の通り、特定入賞口361が回転式入球装置360の上部に設けられ、特別図柄表示装置332の下方領域に普通電動役物336が設けられている。ゲージ構成は、特定入賞口361へ頻繁に入球し、第1種始動口である普通電動役物336に時々入球するものとし、特定入賞口361に入賞し損なった零れ球が普通電動役物336に入賞することがあるものとしている。普通電動役物336はアウト口341の真上に位置する。ゲージ構成によっては、普通電動役物336に頻繁に入球し、特定入賞口361に時々入球するとした変更形態も可能である。
第3実施形態のパチンコ機の電気的構成を図15のブロック図を用いて説明する。第3実施形態のパチンコ機の電気回路は、第1実施形態と概ね同様であるが、スイッチ類が若干変更になっている。即ち、主制御基板330の入力側には、満タンスイッチ343、補給スイッチ344、タッチスイッチ324a、特別図柄作動スイッチ336a、普通図柄作動スイッチ338a及び339a、カウントスイッチ354、Vスイッチ355、賞球払出しスイッチ329a、Vスイッチ365等が接続されている。また、主制御基板330の出力側には、大入賞口ソレノイド356、Vソレノイド357、外部接続端子基板340等が接続されている。その他の説明は第1実施形態と同様である。
第3実施形態のパチンコ機の動作を説明する。前述した各処理を実行することにより、遊技球の挙動を主とし、特別図柄の変動を従とした遊技内容を実現させるように、パチンコ機10は次のような動作を実行する。即ち、遊技球が普通電動役物336に入賞すると、特別図柄作動スイッチ336aにより検出され特別図柄表示装置332の画面上に特別図柄を所定時間変動表示した後に静止表示され、この静止表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を確定表示されるか(第1の条件)、或いは、遊技球が特定入賞口361に入賞し、回転式入球装置360の内部に入り、V通過口369を通過しVスイッチ365をオンとした場合(第2の条件)、特別図柄表示装置332へV表示を行い、特別電動役物350を遊技者に特別に有利な内容とする。
即ち、第1の条件又は第2の条件が成立すれば、大当りとなり、大入賞口352が約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ354により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、このとき大入賞口352内に入賞した遊技球が特別領域を通過したことがVスイッチ355により検出されると一旦大入賞口352が閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。尚、特別図柄が予め定められた特定図柄を表示するか否かは、特別図柄作動スイッチ336aにより遊技球の入賞が検知されたタイミングに起因して抽出される乱数値により決定される。
以上の第3実施形態によれば、特定入賞口361に入賞しないと特別電動役物350が作動しない点で、遊技の技量がある程度要求されると共に、特別図柄表示装置332の図柄の変動停止による大当りが生じるという運任せの要素も併せ持つので、より趣向性が高まる。即ち、遊技者が特定入賞口361への入賞を狙って遊技球を発射した結果、その零れ球が普通電動役物336に入賞することもある。これにより特定入賞口361への入賞に伴い、主として、V通過口369へ入賞することで権利発生の可能性がある上、特定入賞口361に入賞し損なった零れ球等による普通電動役物336への入賞に伴い、従として、特別図柄表示装置332の図柄の変動が行われ、時々、権利発生の可能性があり、遊技者の期待感が一層高まる。従って、確率による大当りと遊技者の技量による大当りの双方を楽しむことができ、創造性豊かな遊技内容を提供することができるという優れた効果を生じる。尚、普通電動役物336には時々しか入賞しないゲージ構成であるので、ベースが高くなることも無いという利点がある。但し、特定入賞口361へ入賞することで、賞球は増える可能性がある。尚、特別図柄作動口としての普通電動役物336を単なる普通入賞口として構成しても良い。
第4実施形態のパチンコ機を図16〜図18を参照して説明する。本実施形態は、第3実施形態と概ね同様であるが、特定入賞口361に代えて、7セグメントLED等から構成された図柄表示装置462を備えた普通電動役物461と、盤面中央の普通電動役物436の下側領域左右に左右対称に設けた第3種始動口(図柄作動口)461a,461bを設ける等の変更を加えたものである。第3種始動口461a又は461bに入賞すると、図柄表示装置462の図柄が変動停止を行い、確定した図柄が特定の図柄である場合、普通電動役物461が所定時間開放し、遊技球が回転式入球装置460に飛び込んで回転しつつ、3つの穴のうちのいずれかに入球するが、V通過口469を通過したときには、Vスイッチ465をオンさせ、大当りとなる。したがって、共通する構成要素の説明と図示は第3実施形態を援用し、主として、異なる構成について説明する。なお、図示の部品番号は第1実施形態の対応部品を400番台とし、適宜説明は略す。
第4実施形態のパチンコ機の主要な構成は、図16に示す通り、遊技盤422の上部左右に普通図柄表示装置437に表示される図柄の変動開始に用いられる左右の普通図柄作動ゲート438及び439、盤面最下部のアウト口441、中央にある遊技球が入球可能な3つ穴を有する回転式入球装置460、回転式入球装置460の飛び込み口に設けた図柄表示装置462付きの普通電動役物461、回転式入球装置460下部に設けた特別図柄表示装置432、特別図柄表示装置432の下部領域に設けた特別図柄作動口としての普通電動役物436、普通電動役物436下部左右に設けた第3種始動口461a,461b、大入賞口452及び普通図柄表示装置437を備えた特別電動役物450、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
図17(a)の通り、普通電動役物436は特別図柄表示装置432の下部領域に設けられ、普通電動役物436の左右下方領域に第3種始動口461a又は461bが左右対称に設けられている。ゲージ構成は、普通電動役物436へ頻繁に入球し、第3種始動口461a又は461bに時々入球するものとし、普通電動役物436に入賞し損なった零れ球が第3種始動口461a又は461bに入賞することがあるものとしている。上下逆のゲージ構成にすれば、第3種始動口461a又は461bに頻繁に入球し、普通電動役物436に時々入球するとした変更形態も可能である。尚、図17(a),(b)についてのゲージ構成の説明は、図4についての説明を概ね援用する。
第4実施形態のパチンコ機の電気的構成を図18のブロック図を用いて説明する。第4実施形態のパチンコ機の電気回路は、第1実施形態と概ね同様であるが、スイッチ類が若干変更になっている。即ち、主制御基板430の入力側には、満タンスイッチ443、補給スイッチ444、タッチスイッチ424a、特別図柄作動スイッチ436a、普通図柄作動スイッチ438a及び439a、入賞口作動スイッチ480、第3種始動スイッチ463a,463b、カウントスイッチ454、Vスイッチ455、賞球払出しスイッチ429a、Vスイッチ465等が接続されている。また、主制御基板430の出力側には、大入賞口ソレノイド456、Vソレノイド457、外部接続端子基板440、普通役物ソレノイド436b等が接続されている。
第4実施形態のパチンコ機の動作を説明する。前述した各処理を実行することにより、特別図柄の変動を主とし、遊技球の挙動を従とした遊技内容を実現させるように、パチンコ機10は次のような動作を実行する。大当りの条件は、普通電動役物436を遊技球が通過し特別図柄表示装置432の画面上に特別図柄を所定時間変動表示した後に静止表示され、この静止表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を確定表示される(第1の条件)か、或は、遊技球が第3種始動口461a又は461に入賞し、第3種始動スイッチ463a又は463bがオンし、これに起因して図柄表示装置462の図柄が変動停止し、確定図柄が所定の図柄(例えば7)であれば、普通電動役物461が開放して入球確率が高くなり、遊技球が普通電動役物461に入球して回転式入球装置460に飛び込み、V通過口469を通過する(Vスイッチ465オン)か(第2の条件)、いずれかである。
第1の条件又は第2の条件が成立すれば、大当りとなり、大入賞口452が約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ454により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、このとき大入賞口452内に入賞した遊技球が特別領域を通過したことがVスイッチ455により検出されると一旦大入賞口452が閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。大当り動作の詳細は前述の通りであり説明は割愛する。
以上の第4実施形態によれば、遊技者が普通電動役物436への入賞を狙って遊技球を発射した結果、その零れ球が第3種始動口461a又は461bに入賞することもある。これにより普通電動役物436への入賞に伴い、主として、特別図柄表示が頻繁に変動することで、権利発生の可能性がある上、普通電動役物436に入賞し損なった零れ球等により第3種始動口461a,461bに入賞に伴い、従として、普通電動役物461が開閉され、時々、V通過口469への入球に起因して権利発生の可能性があり、遊技者の期待感が一層高まる。従って、確率による大当りと遊技者の技量による大当りの双方を楽しむことができ、創造性豊かな遊技内容を提供することができるという優れた効果を生じる。尚、第3種始動口461a,461bには時々しか入賞しないゲージ構成であるので、ベースが高くなることも無いという利点がある。但し、普通電動役物461へ入賞することで、賞球は増える可能性がある。そして、第1の条件又は第2の条件を起因として、特別電動役物450が開放するので、遊技の技量がある程度要求されると共に運任せの要素も併せ持ち、より趣向性が高まる。
図17(b)は第4実施形態の変更形態であり、普通電動役物436と第3種始動口461a,461bの上下の位置関係を逆転したものである。又、図示は略すが、第4実施形態において、第1実施形態の図4(b)、図5(a),(b)に対応する変更形態も同様に実施が可能である。
第5実施形態のパチンコ機を図19(a),(b)〜図20を参照して説明する。本実施形態は、基本的には第3実施形態と同様であるが、フィーバー機能を削除、即ち、特別図柄表示装置332、普通電動役物336、特別電動役物350等が削除され、羽根部材の開放機能(第2種といわれる)を供えた特別電動役物560の上に第3種の一種である回転式入球装置550が配置される等の変更を加えたものである。したがって、共通する構成要素の説明と図示は第1実施形態を援用し、主として、異なる構成について説明する。なお、図示の部品番号は第1実施形態の対応部品を500番台とし、適宜説明は略す。
第5実施形態のパチンコ機の主要な構成は、図19(a)に示す通り、中央部上部にある特定入賞口551、特定入賞口551に入賞した遊技球が入る回転式入球装置550、回転式入球装置550の下部に設けた特別電動役物560、特別電動役物560の下部領域に3個が設けられ、かつ、三角形の頂点に配置された第2種始動口である羽根作動口561a,561b,561c、盤面最下部のアウト口541、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。特別電動役物560は、上部に大入賞口として機能する一対の羽根562a,562b、V通過口569を備え、羽根作動口561a,561b,561cへの入賞に起因して羽根562a,562bが開閉作動するようになっている。
図19(a),(b)の通り、特定入賞口551が回転式入球装置550の上部に設けられ、特別電動役物560の下方領域に羽根作動口561a,561b,561cが三角状に配置されている。ゲージ構成は、特定入賞口551へ頻繁に入球し、第2種始動口である羽根作動口561a,561b又は561cに時々入球するものとし、羽根作動口561bに入賞し損なった零れ球が羽根作動口561a又は561cに入賞することがあるものとしている。ゲージ構成によっては、羽根作動口561a,561b又は561cに頻繁に入球し、特定入賞口551に時々入球するとした変更形態の可能である。
第5実施形態のパチンコ機の電気的構成を図20のブロック図を用いて説明する。第5実施形態のパチンコ機の電気回路は、第3実施形態と概ね同様であるが、スイッチ類が若干変更になっている。即ち、主制御基板530の入力側には、満タンスイッチ543、補給スイッチ544、タッチスイッチ524a、Vスイッチ555、賞球払出しスイッチ529a、羽根作動スイッチ563a,563b、カウントスイッチ564、Vスイッチ565等が接続されている。また、主制御基板530の出力側には、普通役物ソレノイド536b、外部接続端子基板540、及び羽根ソレノイド566a,566b等が接続されている。Vスイッチ555はV通過口559を通過した遊技球を検出するものである。カウントスイッチ564は羽根562a,562b部分から入賞する全ての遊技球を検出し、Vスイッチ565はV通過口569を通過した遊技球を検出するものである。
第5実施形態のパチンコ機の動作を説明する。前述した各処理を実行することにより、2つの異なる入賞態様を併せ持つことで、遊技球の挙動を主としつつ、異なる趣向性を持たせた遊技内容を実現させるように、パチンコ機10は次のような動作を実行する。即ち、発射された遊技球が特定入賞口551から入賞し、入賞した遊技球がV通過口559に入球し、Vスイッチ555で検出されると大当り状態として遊技者に有利なゲーム内容を提供する。これが第1の条件である。また一方、遊技球が羽根作動口561a,561b,561cに入賞すれば、羽根作動スイッチ563a,563b又は563cにより検出され、羽根562a,562bを所定時間(0.9秒以内)開放するよう働き、そして、開放期間内に羽根562a,562b部分から入賞があれば、特別電動役物560の下部に流下し、回転体等の動作により、遊技球がV通過口569を通過したり、しなかったりする。大当り状態となるか否かは、V通過口569を通過するか否かにより決定される。これが第2の条件である。こうして、第1の条件又は第2の条件のいずれかの条件が成立すると、大当り状態となり、特別電動役物560を遊技者に有利な内容とする。いずれの場合にも、羽根562a,562bが約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ564により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、一旦羽根562a,562bが閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。通常、遊技球1個の入賞に対して15個の遊技球が賞球として払い出すよう構成しているので、1回の大当り状態が発生すると、約2400(=15×10×16)個の遊技球を賞球として獲得することができる。この賞球排出動作は、賞球制御基板531が実行する。その説明は割愛することにする。
以上の第5実施形態によれば、遊技者が特定入賞口551への入賞を狙って遊技球を発射した結果、その零れ球が羽根作動口561a〜561cに入賞することもある。これにより特定入賞口551への入賞に伴い、主として、V通過口559への入賞により権利発生の可能性がある上、羽根562a,562b部分からの入賞によりV通過口569への通過により、時々、権利発生の可能性があり、遊技者の期待感が一層高まる。従って、確率による大当りと遊技者の技量による大当りの双方を楽しむことができ、創造性豊かな遊技内容を提供することができるという優れた効果を生じる。ときには、直接に羽根作動口561a〜561cを狙うことでも飽きのこない遊技が楽しめる。尚、羽根作動口561a〜561cには時々しか入賞しないゲージ構成であるので、ベースが高くなることも無いという利点がある。但し、羽根562a,562b部分へ入賞することで、賞球は増える可能性がある。そして、第1の条件又は第2の条件を起因として、特別電動役物560が開放するので、遊技の技量がある程度要求されると共に運任せの要素も併せ持ち、より趣向性が高まる。尚、特定入賞口551への入賞確率を羽根作動口561a〜561cへの入球確率より高く設定したが、逆に、特定入賞口551への入賞確率を羽根作動口561a〜561cへの入球確率より低く設定し、主遊技と副遊技を置換しても良い。
尚、羽根作動口(第2種始動口)561a,561b,561cの上下の位置関係を逆転したものも実施可能である。又、図示は略すが、第5実施形態において、第1実施形態の図5(a),(b)に対応する通過口を採用した変更形態も同様に実施が可能である。
第6実施形態のパチンコ機を図21、図22を参照して説明する。本実施形態は、基本的には第5実施形態と同様であるが、フィーバー機能を追加、即ち、特別図柄表示装置632、第1種始動口としての普通電動役物636等が追加され、普通電動役物636によって羽根662a,662bを開閉させるようにしたものである。したがって、共通する構成要素の説明と図示は第5実施形態を援用し、主として、異なる構成について説明する。なお、図示の部品番号は第1実施形態の対応部品を600番台とし、適宜説明は略す。
第6実施形態のパチンコ機の主要な構成は、図21に示す通り、中央部上部にある特定入賞口651、特定入賞口651に入賞した遊技球が入る回転式入球装置650、回転式入球装置650の下部に設けた特別電動役物660、特別電動役物660の下部領域に3個が設けられ、かつ、三角状に配置された第2種始動口である羽根作動口661a,661b,661c、第1種始動口としての普通電動役物636、盤面最下部のアウト口641、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。特別電動役物660は、上部に大入賞口として機能する一対の羽根662a,662b、V通過口669を備え、羽根作動口661a,661b,661cへの入賞に起因して羽根662a,662bが開閉作動するようになっている。
図21の通り、特別電動役物660の下方領域に羽根作動口661a,661b,661cが三角状に配置され、普通電動役物636は羽根作動口661bの下側領域に配置されている。ゲージ構成は、第2種始動口である羽根作動口661a,661b又は661cに頻繁に入賞し、第1種始動口である普通電動役物636に時々入賞するものとし、羽根作動口661a,661b、661cに入賞し損なった零れ球が普通電動役物636に入賞することがあるものとしている。
第6実施形態のパチンコ機の電気的構成を図22のブロック図を用いて説明する。第6実施形態のパチンコ機の電気回路は、第5実施形態と概ね同様であるが、スイッチ類が若干変更になっている。即ち、主制御基板630の入力側には、満タンスイッチ643、補給スイッチ644、タッチスイッチ624a、特別図柄作動スイッチ636a、Vスイッチ655、賞球払出しスイッチ629a、羽根作動スイッチ663a,663b,663c、カウントスイッチ664、Vスイッチ665等が接続されている。また、主制御基板630の出力側には、外部接続端子基板640、及び羽根ソレノイド666a,666b等が接続されている。Vスイッチ655はV通過口659を通過した遊技球を検出するものである。カウントスイッチ664は羽根662a,662b部分から入賞する全ての遊技球を検出し、Vスイッチ665はV通過口669を通過した遊技球を検出するものである。なお、本実施形態では特別領域は設けなかったが、特定領域が特別領域を兼ねるように構成する場合もあり、この場合には、特別領域を開閉するVソレノイドを設置する。その他の説明は第5実施形態と同様である。
第6実施形態のパチンコ機の動作を説明すると、遊技球の挙動を主とし特別図柄の変動を従とした遊技内容を実現させるように、パチンコ機10は次のような動作を実行する。即ち、発射された遊技球が特定入賞口651から入賞し、入賞した遊技球がVスイッチ655で検出されると大当り状態として遊技者に有利なゲーム内容を提供する。これが第1の条件である。また一方、遊技球が羽根作動口661a,661b,661cに入賞すれば、羽根作動スイッチ663a,663b又は663cにより検出され、羽根662a,662bを所定時間(0.9秒以内)開放するよう働き、そして、開放期間内に羽根662a,662b部分から入賞があれば、特別電動役物660の下部に流下し、回転体等の動作により、遊技球がV通過口669を通過したり、しなかったりする。大当り状態となるか否かは、V通過口669を通過するか否かにより決定される。これが第2の条件である。普通電動役物636への入賞に起因して特別図柄表示装置632の画面上に特別図柄を所定時間変動表示した後に静止表示され、この静止表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を確定表示される。これが第3の条件である。こうして、第1の条件、第2の条件又は第3の条件のいずれかの条件が成立すると、大当り状態となり、特別電動役物660を遊技者に有利な内容とする。いずれの場合にも、羽根662a,662bが約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ664により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、一旦羽根662a,662bが閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。通常、遊技球1個の入賞に対して16個の遊技球が賞球として払い出すよう構成しているので、1回の大当り状態が発生すると、約2400(=15×10×16)個の遊技球を賞球として獲得することができる。この賞球排出動作は、賞球制御基板631が実行する。その説明は割愛することにする。
以上の第6実施形態によれば、遊技者が特定入賞口651への入賞を狙って遊技球を発射した結果、特定入賞口651へ入賞することもあり、その零れ球が羽根作動口661a〜661cに入賞することもあり、更に、羽根作動口661a〜661cに入賞し損なった零れ球により普通電動役物636に入賞することもある。これにより特定入賞口651への入賞に伴い、主として、V通過口659への入賞により権利発生の可能性がある上、羽根662a,662bの開放に伴う羽根662a,662b部分からの入賞によりV通過口669への通過により、或いは、普通電動役物636への入賞に伴う特別図柄のうちの特定図柄の表示確定により、時々、権利発生の可能性があり、遊技者の期待感が一層高まる。従って、確率による大当りと遊技者の技量による大当りの双方を楽しむことができ、創造性豊かな遊技内容を提供することができるという優れた効果を生じる。ときには、直接に羽根作動口661a〜661cを狙うことでも飽きのこない遊技が楽しめる。尚、羽根作動口661a〜661cには時々しか入賞しないゲージ構成であるので、ベースが高くなることも無いという利点がある。但し、羽根662a,662b部分へ入賞することで、賞球は増える可能性がある。そして、第1の条件、第2の条件又は第3の条件を起因として、特別電動役物660が開放するので、遊技の技量がある程度要求されると共に運任せの要素も併せ持ち、更に複合化された遊技により趣向性が一層高まる。
尚、普通電動役物636と、羽根作動口(第2種始動口)661a,661b,661cの上下の位置関係を逆転したものも実施可能である。又、図示は略すが、第6実施形態において、第1実施形態の図5(a),(b)に対応する通過口を採用した変更形態も同様に様々に実施が可能である。更に主遊技を第1の条件により構成し、副遊技を第2又は第3の条件により構成したが、主遊技を第2の条件により構成し、副遊技を第1又は第3の条件により構成したり、更には、主遊技を第3の条件により構成し、副遊技を第1又は第3の条件により構成することも可能である。
次に第7実施形態について説明する。第7実施形態は、段落0018〜0071に記載の第1実施形態において、図23に示す画像を特別図柄表示装置32の画面上に表示し、図24〜図27に示す処理を実行する。その他の構成は、第1実施形態と同様である。なお、特別図柄表示装置32の画面は、大型液晶を用いることができるのは言うまでもない。
図23に示す画像は、遊技者が遊技を行っていない待機状態時等に表示される。待機状態であるか否かは、遊技者が発射ハンドル24に触れていなくタッチスイッチ24aが所定時間(例えば、3分間)オンしていなことにより、アウト口41にセンサを設け所定時間アウト球が検出されないことにより、または始動口である普通電動役物36に所定時間内に入賞が一切ないことにより、判断される。但し、この構成に限定されるものではなく、遊技者が遊技を行っていないと判断できる構成であれば如何なる手段でも良い。
待機状態になったと判断されると、図23に示す画像が遊技を開始するまでの間に表示される。継続表示、断続的表示、拡大表示、縮小表示等の表示態様の相違は問わない。要は、遊技者が図23に示す内容が判る表示態様であれば良い。なお、待機状態になったとの情報は、主制御基板30から特別図柄表示装置32の図柄表示装置制御基板32bに送信される。
図23に示す画像は、遊技を開始してから始動口である普通電動役物36に入賞する遊技球の数に従って、表示モードが変更されることを示している。
本実施形態では、始動口に入賞する数が50個増加する毎に表示モードが変更される。この増加する数は適宜変更可能である。また、表示モードではなく、出現するキャラクタ、登場人物等が変更される構成であっても良い。
本実施形態では、発射ハンドル24を操作することより発射される最大発射個数は、100個/1分間である。普通電動役物36が頻繁に拡大しない通常遊技状態では、普通電動役物36に入賞する個数は、平均5個/1分間としてゲージ構成されている。また、普通電動役物36の賞球数は、5個である。
従って、50個入賞させるためには、10分×(100−5×5)×4円=3、000円必要となる。ここでは、遊技球1個を遊技者が買い取るために4円必要としている。普通電動役物36以外の他の入賞口にも入賞するので、この数字は慨算である。
遊技が開始されると、始動口である普通電動役物36に入賞する数がカウントされる(図24 ステップS600〜S610)。普通電動役物36に入賞する遊技球は、特別図柄作動SW36aにより検出される。この処理は、主制御基板30により実行され、その値を示すデータは定期的に特別図柄表示装置32の図柄表示装置制御基板32bに送信される。
カウントされたカウンタNの値が所定数に至れば、図柄表示装置制御基板32bによりモード変更処理が実行される(図25 ステップS620〜S630)。
前述したように、本実施形態では、入賞数が50個増加する毎にモード変更される。
本実施形態では、モード1では、勇者が旅を始め色々な場所を訪れる画像が、特別図柄の変動表示と共に表示される。
モード2では、悪者とのバトル画像が表示される。
モード3では、モード2に登場した悪者を退治し、さらに旅を続ける画像が表示される。
モード4では、モード2に登場した悪者より強い悪者が登場し、この悪者とのバトル画像が表示される。
モード5では、モード4に登場した悪者を退治し、更に旅と続ける画像が表示される。
モード6では、モード4で登場した悪者よりさらに強い悪者が登場し、この悪者とのバトル画像が表示される。
このモード変更処理は、入賞数が増加する毎に、遊技者が見たいと思う画像が登場させる構成である。モードが変更される毎にストーリの展開が進む構成である。
各モードでは、特別図柄の変動表示が実行されることは言うまでもない。
モード変更による画面と特別図柄を変動表示する画面とは、別体であっても良い。
前記カウンタNは、始動口である普通電動役物36に入賞し、大当たりが発生すると特別図柄表示装置32の画面上に「777」等が表示される。この大当たりが発生したとき、又は大当たり遊技が終了したときにカウンタNはクリアされる(図26 ステップS640、S660)。また、遊技者が遊技を止め待機状態と判断されたときにもカウンタNはクリアされる(S650〜S660)。
大当たり遊技の発生を起因としてカウンタNがクリアされた後、または待機状態が解消した後に、図24及び図25に示す処理が繰り返される。
大当たり遊技の発生を起因としてカウンタNがクリアされた後、大当たり遊技終了後に、図23に示す一覧が表示される。このときの一覧は、待機状態時に表示される一覧と相違させる構成であっても良い。例えば、各モードにおいて登場するキャラクタ画像、人物画像等を変更する構成である。或いは、ストーリそのものを変更し、新たなキャラクタ画像又は人物画像等を登場させる構成である。
前記図26に示す処理に代えて、図27に示す「カウンタNクリア処理2」を実行しても良い。「カウンタNクリア処理2」では、大当たりが発生してもカウンタNをクリアせず、待機状態に戻ったときにカウンタNはクリアされる(図27 ステップS670〜S680)。
「カウンタNクリア処理2」でカウンタNがクリアされた場合には、遊技者が代わっていると考えられるので、図23に示す一覧は変更する必要がないが、変更する構成でも良い。
第7実施形態では、始動口である普通電動役物36に入賞する数が所定数増加する毎に画像がモード変更され、ストーリの展開が進み、キャラクタや登場人物が変更される。
これにより、大当たり遊技の発生以外に普通電動役物36に入賞させる楽しみを遊技者に与えることができる。大当たりが発生しなくとも、普通電動役物36に入賞させる楽しみを与えることが可能である。
また、カウンタNが+1されるのは入賞個数であり、特別図柄が変動する回数ではない。このため、保留記憶が満杯になったために行う止め打ちを防止する効果も有する。
この止め打ちを防止する効果が無くなる可能性もあるが、普通電動役物36への入賞を起因とした特別図柄の変動が行われる毎にカウンタNを+1する構成でも良い。この場合には、モードの変更、キャラクタや登場人物が変動回数を示すことになるので、大当たりへの期待を高める効果も期待できる。何故ならば、変動回数が多い程に大当たりが発生し易いとの期待感を遊技者は抱くからである。
また、大当たりの発生を起因としてカウンタNをクリアする場合、図23に示す一覧の内容を変更しないときには、新たな気持ちで遊技を開始する効果が期待される。一方、一覧の内容を変更するときには、次のストーリを楽しむ、新たなキャラクタや登場人物を見る楽しむ効果を与える効果を有する。
尚、一覧の内容を変更する構成では、大当たり遊技が発生したときにストーリを完結表示する構成が望ましい。
一方、図27に示す処理を実行する場合は、大当たり遊技が発生してもカウンタNがクリアされないので、大当たり遊技が終了しても遊技を続行させることができる効果を有する。大当たり発生までに積み上げてきたカウンタNの値を有効とするので、遊技者は、続くストーリ展開、続くストーリにより表示されるキャラクタや登場人物を見る楽しみが継続するからである。
なお、第7実施形態では、段落0067に記載する効果も有するが、羽根作動口61a、61bを無くす構成でも良い。即ち、普通電動役物36に入賞することによる抽選による大当たり遊技のみが発生する構成でも良い。
また、第7実施形態の変形例として、普通電動役物36に入球することに起因して抽選を行い、当選したときには第2特別電動役物60の羽根作動口62a、62bを短時間(例えば、0.2秒〜0.8秒)開放させ、開放したと第2特別電動役物60内に遊技球が入賞し、V通過口69を通過すれば大当たりとして羽根作動口62a、62bを長時間(30秒又は遊技球が10個入賞するまで)開放する構成でも良い。この長時間開放は、V通過口69を通過すれば無条件に所定回数繰り返し開放する構成でも良く、開放したときにV通過口69を通過しなければ大当たり遊技が終了する構成でも良い。連続開放する可能性のある電動役物は、第2特別電動役物60でなく、他の電動役物である第1特別電動役物50(大入賞口5)であっても良い。
次に本発明の第8実施形態について説明する。
第8実施形態は、段落0069に記載する第1実施形態の変形例において、第7実施形態の図23に示す一覧の替りに図28に示す一覧を表示し、図24に示す処理の替りに図29に示す処理を実行し、第7実施形態の図25及び図27に示す処理を実行する。
第8実施形態では、第7実施形態で説明したと同じ処理により待機状態時に図28に示す一覧が表示される。
この一覧に表示される特定入賞口は、第1実施形態の盤面の変形例である図4bに示される羽根作動口61a及び61bである。特定入賞口は、第2特別電動役物又は第2特別電動役物内のV通過口69であっても良い。羽根作動口61a及び61bに入賞する遊技球は、羽根スイッチ63a及び63bにより検出される。第2特別電動役物60に入賞する遊技球は、カウントスイッチ64により検出される。V通過口69を通過する遊技球はVSW55により検出される。
第8実施形態では、図4bに示される羽根作動口61a、61bに入賞すれば、カウンタNが+1される(図29 ステップS700、S710)。
カウンタNが所定個数増加する毎にモード変更され、ストーリが展開し、キャラクタや登場人物が変更される点は、第7実施例と同じである。
カウンタNの値は、待機状態に戻ったときにクリアされる(図27 ステップS670〜S680)。
なお、待機状態に戻ったときの他、遊技を開始してからの差球数(賞球数―アウト球数)が所定球数(例えば、2000個)に至ったときに打ち止めとして遊技を強制終了させ、そのときにもカウンタNをクリアする構成でも良い。
羽根作動口61a又は61bに入賞すると、羽根62a及び62bが所定時間(本実施例では、0.9秒以内)開放し、この開放期間内に羽根62a,62b部分から入賞があれば、第2特別電動役物60の下部に流下し、回転体68の回転により、遊技球がランダムに回転体68に当たり、V通過口69を通過したり、しなかったりする。賞球がV通過口69を通過すると第2特別電動役物60を遊技者に有利な内容とする。従って、大当り状態となるか否かは、V通過口69を遊技球が通過するか否かにより決定される。これが前述した第2の条件であり、この第2の条件が成立して大当り状態となると、羽根62a,62bが約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ64により検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、一旦羽根62a,62bが閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。
最初にV通過口69を遊技球が通過すると、その後に強制的に16回開放する。しかし、V通過口69を遊技球が通過すると最大16回開放するが、開放時に遊技球がV通過口69を遊技球が通過しないと、その回で大当たり遊技が終了する構成でも良い。
第8実施形態は、羽根作動口61a、61bを狙って遊技球を発射する遊技が主なる遊技機である。なお、図4bに示す普通電動役物を始動口とせず単なる普通電動役物として構成し、羽根作動口61a、61bを狙って遊技球を発射し羽根62a及び62bを開放させてV通過口69を通過させる遊技(第2種遊技)だけの構成でも良い。
このような遊技では、始動口である普通電動役物36に入賞することにより特別図柄を変動表示する機会が少なく、画像演出表示と遊技とを関連付けする意義に乏しい課題が考えられた。第2種遊技だけの構成では、抽選結果を表示する必要がないので、画像演出表示と遊技とを関連付けする意義に欠ける課題が考えられた。
しかし、本実施形態では、特定入賞口である羽根作動口61a、61bに入賞する遊技球の数が所定数増加する毎にモードが変更され、ストーリが展開し、キャラクタや登場人物が変更される。
この結果、乱数抽選による抽選結果を表示しない遊技と画像演出とを関連付けすることができるという優れた効果を発揮する。
第7実施形態と同様、大当たり遊技が終了した後にカウンタNをクリアする構成、クリアしない構成を採用しても良い。この場合の効果は、第7実施形態の効果と同様である。
次に本発明の第9実施形態について説明する。
第9実施形態では、第8実施形態の第2種遊技だけの構成とし、V通過口69を遊技球が通過すると最大16回開放するが、開放時に遊技球がV通過口69を遊技球が通過しないと、その回で大当たり遊技が終了する構成である。
第9実施形態では、図28に示す一覧の替りに図30に示す一覧を表示する構成である。
第9実施形態では、遊技開始時からの差球数に応じてモードが変更される。この差球数は、遊技球が入賞口に入賞することにより賞球が払い出される毎に当該賞球数が加算され、入賞口に入賞しないアウト球が検出される毎に−1される球数である。アウト球数の検出は、アウト口41にセンサを取り付けることによる構成が好適である。しかし、この構成に限定されるものではなく、遊技盤22の遊技領域に発射される球数をアウト球数としても良い。
なお、アウト口41にセンサを取り付ける構成では、入賞した遊技球は賞球ではないので、当該センサに誘導する構成、または入賞口SWにより検出された入賞数を減算する必要がある。また、遊技盤22の遊技領域に発射される球数をアウト球数とする構成では、発射されても遊技領域に至らない戻り球は、当然に省かれる。
本実施形態では、差球数が3000個になると打ち止めとして遊技を終了させる。遊技の終了は、発射ハンドル24を強制的に不能状態とする、特別図柄表示装置32の画面に打ち止めと表示しその他の表示を行わない、画面を不能状態とする、ホールの店員に知らせる報知を行う等、手段は問わない。要は、遊技者が遊技続行できなければ良い。
差球数が3000個ということは、遊技者が遊技を始めてから実際に獲得した遊技球数が3000個に至ったということになる。この球数は、適宜変更可能である。
本実施形態では、常時定期的に図31に示される「差球数カウント処理」が実行される(ステップS750)。所定時間内に羽根作動口61a、61b等の各入賞口に遊技球が入賞し、払い出される賞球数をカウンタNに加算し、この時間内のアウト球数をカウンタNから減算する処理である。払い出される賞球は、遊技者に実際に払い出しても良く、持ち球数として記憶しても良い。持ち球数として記憶する場合には、遊技者が遊技を開始するときに払った金額に応じた遊技球数がデータとして記憶され、遊技球が発射される毎に−1され、賞球が払い出される毎に賞球数が加算される。
遊技開始時の持ち球数Mは遊技者が払った金額に対応した数であり、遊技開始時の差球数Nは0である。賞球があると払い出される賞球数がN及びMに加算され、遊技球が発射される毎にN及びMは−1される。遊技者は、持ち球数Mが零になるまで遊技を行うことが可能である。持ち球数Mが零になれば、差球数Nは遊技者が払った金額に対応した数だけマイナスの数字になる。これらの数字N及びMは画面上に表示される。持ち球数M及び差球数Nを示すデータは、定期的に主制御基板30から図柄表示装置制御基板32bに送信される。
差球数Nは増加したり減算したりするが、図30に示す一覧のいずれかの差球数に該当すればモード変更される(図31 ステップS760及びS770)。モード変更されたときにストーリが変更され、対応するキャラクタや登場人物が変更されるのは、第7実施例又は第8実施例と同様である。相違する点は、本実施例では、差球数は増減するので、遊技に従って同じ画像が表示されることがある点である。
差球数が増減することから、ストーリ展開が困難な場合は、キャラクタや登場人物が持ち球数に応じて変更される構成でも良い。この場合には、図30に示す一覧の持ち球数に該当しないときには、その前後の持ち球数に応じて対応するキャラクタや登場人物が変化する画像でも良い。一覧の持ち球数に該当するキャラクタや登場人物が、一覧に示される前後の持ち球数に対応するキャラクタや登場人物に至る前に変化する構成である。
一覧に示す差球数に至ったときに次のキャラクタ等に変更しても良く、途中で変更しても良い。要は、一覧に示す差球数に該当しない状態では、それまで表示されているキャラクタ等が差球数の変化に対応して変化する構成であれば良い。
なお、本実施例においても第8実施例と同様、図4bに示す普通電動役物を始動口とせず単なる普通電動役物として構成し、羽根作動口61a、61bを狙って遊技球を発射し羽根62a及び62bを開放させてV通過口69を通過させる遊技(第2種遊技)だけの構成でも良い。
前記差球数Nが前記打ち止め数に至れば、又は遊技者が遊技を終了すればクリアされる(図32 ステップS800〜S820)。
打ち止め数に至っても、差球数Nをクリアしない構成でも良い。この場合には、遊技を強制的に終了させることなく、図30に示す一覧の内容を変更する構成が望ましい。
第9実施形態によると、遊技者の獲得利益に応じてストーリが変更され、表示されるキャラクタ又は登場人物が変更される。これにより、プラスの差球数を増加させる目的意識が高められる。
乱数による当否抽選を実行しない遊技に演出表示を対応させることができる。
表示されるキャラクタ又は登場人物が遊技者の利益である差球数Nを示すので、遊技の目的意識が高められる。
次に第10実施形態について説明する。
第10実施形態では、第7〜第8実施形態において、大当たりせずモード1からモード6に進み、モード6も終了すれば、カウンタNをクリアすると共に図23又は図28に示す一覧と相違する一覧を表示する又は一覧の組み合わせを変更する処理を行う(図33 ステップS850〜S870)。一覧の内容を変更する処理に代えて待機状態時の一覧に戻す処理でも良い。
この処理を行うときは待機状態ではないので、画面に一覧を変更する旨を表示し、一覧が表示された後にカウンタNがカウントを開始する旨を表示する。併せて音声でもその旨を報知する処理が行われる。
モード6が終了する条件としてカウンタNの値が所定数(例えば、350個)に至ることとしても良い(ステップS850)。
第10実施形態によると、始動口への入賞数又は特定入賞口への入賞数に従ってモード1からモード6までの一連の画像変化を楽しむ効果を有すると共に、モード6を終わったときには一連の画像変化が終了するので、遊技者は遊技を終える機会が与えられる効果を有する。モード6が終了するまで大当たりが無いということは、遊技者の出費が大きいと考えられるので、遊技を終了する気持ちになる良い機会になると考えられる。
一方、遊技を続行する者は、一覧の内容が変更されるので新たな気持ちで遊技を行うことができる効果も有する。
なお、始動口への入賞数に代えて始動口への入賞に起因した特別図柄の変動回数としても良いことは、言うまでもないことである。
以上、詳細に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第7実施形態から第9実施形態において、待機状態において図23、図28又は図30に示す一覧表を表示したが、遊技中においても画面上の一部に縮小して表示しても良い。この場合には、図23及び図28に示す一覧は、既に表示された項目と、現在表示されている項目と、未だ表示されていない項目との表示態様を相違させることも考えられる。また、既に表示された項目は表示させないことも可能である。例えば、第7実施形態の場合、始動口入賞数が160個である場合、現在モード3の画像が表示されているので、縮小され表示される一覧の内、モード1〜モード2を示す項目の表示色を青色又は表示しない、モード3の項目を黄色、モード4〜モード6を赤色、表示とするのである。
第9実施例では、差球数は増減するので、現在のモードを示す項目とその他のモードを示す項目との表示態様を相違させるのである。
これにより、遊技者には、現在のモード、ストーリ展開度、画像の変化段階等が容易に把握可能であり、乱数抽選を行わない遊技に演出画像を関連付けすることができる効果を一層発揮させる効果を有する。
また、始動口への入賞数を増加させること、特定入賞口への入賞数を増加させること、また差球数を増加させること、により画像が変化するので遊技の進行段階を示す効果も発揮される。
さらには、乱数の抽選結果を示す演出表示と相違し、遊技開始からモード6等の最終段階いたるまでの一連の遊技とする効果も発揮する。乱数の抽選結果を示す演出表示は、基本的に当否結果を示す単発的演出に過ぎない。保留記憶による先読み演出表示も、保留記憶による連続演出に過ぎない。本発明では、例えば、打ち止めに至るまでの一覧の遊技演出とすることも可能である。
なお、本発明は、遊技者に直接遊技球を払い出さずデータとしての持球数に基づき遊技を行う封入式の弾球遊技機に、実施形態7〜10を適用しても良いことは言うまでもない。
この場合、前述したように、遊技者の支払う金額に対応した持球数に賞球数が加算され、発射数が減算され、持球数が零になるまで遊技を行うことができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
普通電動役物(特別図柄作動口)36が特定領域の一例に相当する。
第7実施形態の図24に示される「始動口入賞数カウント処理」がカウント手段の一例に相当する。
第10実施形態の図33に示される「一覧変更処理」が初期手段の一例に相当する。