JP6735029B2 - 移相器及びアンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、移相器及びアンテナ装置に関する。
従来、アンテナ素子を介して送信又は受信される信号の位相を調節することが可能な移相器が、例えば携帯電話機用の基地局アンテナに用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の移相器は、トリプレート線路内導体をコの字とし、トリプレート線路地導体と内導体間に誘電体板を可動可能に挿入している。この移相器では、誘電体板を移動させることにより、内導体と誘電体板の重複面積が変化する。そして、この重複面積が変化することによってトリプレート線路における実効誘電率が変化し、これに伴って電気線路長が変化するため、内導体を伝搬する信号の位相が変化する。
従来の移相器では、移相器全体の小型化等のため、誘電体板の比誘電率を比較的高く(具体的には、比誘電率を7〜15程度に)設定し、誘電体板の移動量に対する移相量(位相の変化量)を大きくすることが一般的であった。
特開平11−205002号公報
しかしながら、従来の移相器では、誘電体板の比誘電率が高く設定されているために、例えば振動による撓みの発生等により誘電体板と内導体との距離が変化した際に、移相量のずれが大きくなってしまうという問題があった。また、何らかの理由で誘電体板の移動量に誤差が生じた場合にも、移相量のずれが大きくなってしまうという問題もある。
さらに、従来の移相器では、誘電体板の比誘電率が高く設定されているため、例えば振動による撓みの発生等により誘電体板と内導体とが接触した際に、Inter Modulation(相互変調)不良(以下、IM不良という)が発生し、送信信号が受信信号に影響を与えたり、VSWRの劣化が生じたりするおそれもあった。
そこで、本発明は、移相量のずれやIM不良を抑制可能な移相器及びアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、アンテナ素子を介して伝送される信号の伝送線路を構成する信号導体と、前記信号導体と対向して配置されている誘電体からなる誘電体板と、前記誘電体板を移動させる移動機構と、を備え、前記誘電体板の移動により、前記信号導体と前記誘電体板との対向面積が変化し、前記信号導体を伝送される信号の位相が変化する移相器であって、前記誘電体板の比誘電率が、3.3以上4.3以下である、移相器を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、前記移相器を備えた、アンテナ装置を提供する。
本発明によれば、移相量のずれやIM不良を抑制可能な移相器及びアンテナ装置を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る移相器を示す図であり、(a)は一方の地導体を省略した平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 図1の移相器を用いたアンテナ装置の概略構成図である。 本発明の他の実施の形態に係る移相器を示す図であり、一方の地導体を省略した平面図である。 図1の移相器を用いたアンテナ装置の概略構成図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る移相器を示す図であり、(a)は一方の地導体を省略した平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図1(a),(b)に示すように、移相器1は、図略のアンテナ素子を介して伝送される信号の伝送線路を構成する信号導体2と、信号導体2と対向して配置されている誘電体からなる誘電体板3と、誘電体板3を移動させる図略の移動機構と、を備えている。
信号導体2は、電気良導体からなる板状の部材からなる。本実施の形態では、信号導体2は、信号を入出力する平行な1対の平行部2aと、平行部2aの端部同士を連結する平行部2aと直交している垂直部2bと、を有しており、全体として平面視で略コの字形状に形成されている。平行部2aと垂直部2bとの接続部は、面取りがなされた形状となっている。
なお、本実施の形態では、信号導体2として電気良導体からなる板状の部材を用いたが、これに限らず、信号導体2はガラスエポキシ等からなる誘電体基板の両面に形成された配線パターン(マイクロストリップライン)で構成されてもよく、また、フィルム状の基板の一方の面に形成された配線パターンで構成されてもよい。
また、移相器1は、誘電体板3の信号導体2と反対側に配置される地導体4を備えている。地導体4は、電気良導体からなる板状の部材からなる。本実施の形態では、移相器1を、信号導体2を上下から挟み込むように2枚の地導体4を設けたトリプレート構造としている。以下、信号導体2の上方(図1(b)の上側)に配置される地導体4を第1地導体4aと呼称し、信号導体2の下方(図1(b)の下側))に配置される地導体4を第2地導体4bと呼称する。なお、図1(a)では、第1地導体4aを省略した上面図を示している。
誘電体板3は、平面視で矩形状の板状の部材からなる。本実施の形態では、誘電体板3は、信号導体2を上下から挟み込むように配置される第1誘電体板3aと第2誘電体板3bとからなる。第1誘電体板3aは、信号導体2と第1地導体4aとの間に配置され、第2誘電体板3bは、信号導体2と第2地導体4bとの間に配置される。両誘電体板3a,3bは、信号導体2と地導体4の直近に形成される電界の影響を受けないように、信号導体2および地導体4から離間して配置されている。つまり、第1誘電体板3aは、信号導体2および第1地導体4aから離間して配置され、第2誘電体板3bは、信号導体2および第2地導体4bから離間して配置されている。
両誘電体板3a,3bは、図示しない連結部材により連結されている。誘電体板3a,3bは、図略のDCモータ等の移動機構により、図1における左右方向に移動可能に構成されている。
以下、移相器1における信号導体2と誘電体板3とが重なり合う部分を重複部5、信号導体2と誘電体板3とが重なり合わない部分を非重複部6と呼称する。非重複部6は、信号導体2と地導体4とが空気層を介して対向する部分である。
移相器1では、誘電体板3を移動機構により移動させ、信号導体2と誘電体板3との対向面積(重複部5の面積)を変化させることで、信号導体2を伝送される信号の位相を変化させるように構成されている。移相器1では、重複部5の面積が大きくなるほど信号の位相が遅れ、重複部5の面積が小さくなるほど信号の位相が進むことになる。よって、図1の場合、ある基準位置から図示左側(平行部2aにおける信号の入出力側)に誘電体板3を移動させることで、信号の位相を基準位置における位相よりも遅らせ、基準位置から図示右側(垂直部2b側)に誘電体板3を移動させることで、信号の位相を基準位置における位相よりも進めることができる。誘電体板3の移動範囲は予め設定されており、移相器1では、この移動範囲内で誘電体板3を移動させることにより、重複部5の面積を変化させて信号の位相を変化させるように構成されている。
本実施の形態に係る移相器1では、誘電体板3の移動方向(図1の左右方向)における誘電体板3の両端部(つまり重複部5と非重複部6の境界部分)に設けられており、重複部5と非重複部6との間でインピーダンスを整合させるための変成器部(トランス部)7を備えている。なお、本実施の形態では、誘電体板3の一部を加工することで変成器部7を形成しているが、変成器部7は誘電体板3の一部ではなく、誘電体板3とは別部材として取り扱う。すなわち、変成器部7と信号導体2とが重なり合う部分は、重複部5に含まれない。
本実施の形態では、入力側および出力側の信号導体2(平行部2a)が同じ方向(図示左方向)に延出されているため、誘電体板3における信号導体2の延出側(図示左側)の端部に、入力側と出力側とで共通の変成器部7を形成している。なお、変成器部7は、信号の入力側と出力側とで個別に設けられていても構わない。変成器部7は、第1誘電体板3aと第2誘電体板3bの両方にそれぞれ設けられる。
また、変成器部7は、誘電体板3を設定された移動範囲内で移動させたとき、常に誘電体板3の信号の入力側および出力側の端部(重複部5と非重複部6の間)に位置するように構成されている。ここでは、誘電体板3の信号導体2の延出側の端部に変成器部7を形成しており、かつ、信号導体2の延出方向に沿って誘電体板3を移動させるように移相器1を構成しているため、変成器部7は、誘電体板3を図示左右方向に移動させた場合であっても、必ず誘電体板3の信号の入力側および出力側の端部に位置することになる。
移相器1では、変成器部7を2段構成としている。非重複部6側に形成される変成器部7を第1変成器部71、重複部5側に形成される変成器部7を第2変成器部72と呼称する。
第1変成器部71は、重複部5側(第2変成器部72側)に設けられた第1高インピーダンス部71aと、第1高インピーダンス部71aの非重複部6側に設けられた第1高インピーダンス部71aよりも特性インピーダンスが低い第1低インピーダンス部71bと、を備えている。第1高インピーダンス部71aにおける信号導体2と地導体4間の実効誘電率は、第1低インピーダンス部71bにおける信号導体2と地導体4間の実効誘電率よりも低い。
第2変成器部72は、重複部5側に設けられた第2高インピーダンス部72aと、第2高インピーダンス部72aの非重複部6側(第1変成器部71側)に設けられた第2高インピーダンス部72aよりも特性インピーダンスが低い第2低インピーダンス部72bと、を備えている。第2高インピーダンス部72aにおける信号導体2と地導体4間の実効誘電率は、第2低インピーダンス部72bにおける信号導体2と地導体4間の実効誘電率よりも低い。
移相器1では、第1変成器部71は、その両インピーダンス部71a,71bの長さLa,Lbを調整することで、非重複部6と、重複部5と非重複部6の中間の特性インピーダンス(中間特性インピーダンスと呼称する)とをインピーダンス整合させるように構成される。第2変成器部72は、その両インピーダンス部72a,72bの長さLc,Ldを調整することで、中間特性インピーダンスと重複部5とをインピーダンス整合させるように構成される。なお、ここでは変成器部7を2段構成としているが、1段構成としてもよい。
本実施の形態では、高インピーダンス部71a,72aは空気層からなり、低インピーダンス部71b,72bは、誘電体板3と同じ厚さで、かつ、誘電体板3と同じ材料の誘電体層からなる。ここでは、誘電体板3に形成した2つの貫通孔8を高インピーダンス部71a,72aとし、貫通孔8と誘電体板3の端部との間、及び両貫通孔8の間の誘電体板3を低インピーダンス部71b,72bとして変成器部7を構成した。なお、ここでは貫通孔8を矩形状に形成したが、貫通孔8の形状はこれに限定されるものではない。また、貫通孔8は、誘電体板3の側方(図1(a)における上方あるいは下方)に開口した切欠きであってもよい。
本実施の形態に係る移相器1では、誘電体板3の比誘電率を、3.3以上4.3以下としている。
つまり、移相器1では、従来誘電体板として一般に用いられてきた比誘電率の高い(7〜15程度)誘電体と比較して、より比誘電率が小さい誘電体を用いて誘電体板3を構成している。
誘電体板3の比誘電率を3.3以上4.3以下と小さくすることにより、例えば振動による撓みの発生等により誘電体板3と信号導体2との距離が変化した場合であっても、移相量のずれを小さく抑えることが可能になる。また、誘電体板3の比誘電率を小さくすることにより、誘電体板3の移動量に対する移相量の変化が小さくなるため、何らかの理由で誘電体板3の移動量に誤差が生じた場合であっても、移相量のずれを小さく抑えることが可能になる。
さらに、誘電体板3の比誘電率を3.3以上4.3以下と小さくすることにより、例えば振動による撓みの発生等により誘電体板3と信号導体2とが接触した場合であっても、IM不良が発生しにくくなる。よって、送信信号が受信信号に影響を与えることや、VSWRの劣化を抑制することが可能になる。
なお、誘電体板3の比誘電率を3.3未満とした場合、誘電体板3の移動量に対する移相量の変化が小さくなりすぎるため、誘電体板3が大型化すると共に誘電体板3の移動量が増大し、誘電体板3をアンテナ装置に収容可能なサイズ・移動量とした際に、必要な移相量を確保できなくなるおそれがある。また、誘電体板3の比誘電率を4.3よりも大きくした場合、上述の移相量のずれを抑制する効果、及びIM不良の発生を抑制する効果を十分に得ることができなくなる。
誘電体板3に用いる誘電体としては、ガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させ半硬化させた基材(Fx−II基材)や、熱硬化性樹脂/セラミックフィラー・ガラスクロスのコンポジット基材(Ro基材)を用いることができる。
次に、移相器1を用いたアンテナ装置について説明する。
図2に示すように、アンテナ装置41は、高周波信号が入力される入力端子42と、入力端子42に入力された信号を分配する第1分配線路44aと、第1分配線路44aによって分配された信号をさらに分配する第2分配線路44bと、第2分配線路44bによって分配された信号をさらに分配する第3分配線路44cと、第3分配線路44cの端末部に接続されたアンテナ素子43と、を備えている。各分配線路44a〜44cは1入力2出力の線路構成となっており、第3分配線路44cの端末部には合計8個のアンテナ素子43a〜43hがそれぞれ接続されている。
第1分配線路44aと第2分配線路44bとの間、及び第2分配線路44bと第3分配線路44cとの間には、それぞれ移相器1が設けられている。ここでは、第1分配線路44aと第2分配線路44bとの間の2箇所と、第2分配線路44bと第3分配線路44cとの間の4箇所に、合計6個の移相器1a〜1fが設けられている。
第1分配線路44aと第2分配線路44bとの間に設けられる移相器1a,1b、第2分配線路44bと第3配線路44cとの間に設けられる移相器1c,1dおよび移相器1e,1fは、ペアとして用いられ、ペアの一方の移相器1a,1c,1eが所定の移相量で位相を進ませるとき、ペアの他方の移相器1b,1d,1fは同じ移相量で位相を遅らせるように構成されている。ここでは、移相器1a,1b、移相器1c,1d、および移相器1e,1fの各ペアの移相器1において、ペアを構成する移相器1を誘電体板3の移動方向に互いに反転して配置すると共に、両者の誘電体板3を連結して共に移動するように構成することで、ペアを構成する移相器1の一方では位相を進めさせ、他方では位相を遅れさせる差動の移相器を構成した。
アンテナ装置41では、移相器1a〜1fによって信号の位相を変化させることにより、アンテナ素子43a〜43hから放射される電波の指向性(電気チルト角)を調節することが可能である。なお、ここでは、8個のアンテナ素子43(43a〜43h)と、6個の移相器1(1a〜1f)を用いる場合を説明したが、アンテナ素子43や移相器1の数は一例であり、図示のものに限定されない。
(他の実施の形態)
図3に示す移相器10は、複数の図1の移相器1を一体化したものである。
移相器10は、信号導体2を複数備えている。複数の信号導体2は、全ての信号導体2の平行部2aが互いに平行となるように同一平面上に2列に整列配置されており、かつ、一方の列の信号導体2と、対応する他方の列の信号導体2とは、垂直部2b同士が対向するように配置されている。一方の列の信号導体2における平行部2aの延出方向と、他方の列の信号導体2における平行部2aの延出方向とは、逆方向(図示右方向および左方向)となっている。ここでは、各列に4つずつ、合計8つの信号導体2を有する場合を説明するが、信号導体2の数はこれに限定されない。また、各列の信号導体2の数が異なっていてもよい。
誘電体板3は、全ての信号導体2と対向するように、信号導体2と地導体4との間に設けられている。誘電体板3は、移動機構により、平行部2aの長手方向に沿って(図示左右方向に)移動される。
以下、全ての信号導体2での移相量が等しくなる誘電体板3の位置を基準位置と呼称する。例えば、誘電体板3を基準位置から図示右側に移動させると、図示右側の列の信号導体2では重複部5の面積が増大して位相が遅れ、図示左側の列の信号導体2では重複部5の面積が減少して位相が進むことになる。
移相器10では、信号導体2の平行部2aが誘電体板3の左右に延出されているため、誘電体板3の左右の端部(誘電体板3の移動方向における両端部)に、それぞれ変成器部7が設けられている。ここでは、各信号導体2に個別に貫通孔8を形成して変成器部7を形成しているが、例えば各列の信号導体2で共通の貫通孔を形成してもよい。
移相器10では、上述の移相器1と同様に、誘電体板3の比誘電率が3.3以上4.3以下と小さく設定されている。そのため、従来の比誘電率が高い誘電体板を用いた場合と比較して、重複部5の面積が大きく設定されている。
具体的には、基準位置に誘電体板3を移動させた際に、任意の信号導体2における重複部5の移動方向(平行部2aの長手方向)に沿った長さXが、当該任意の信号導体2と対向している変成器部7の移動方向(平行部2aの長手方向)に沿った長さYよりも長い。また、任意の信号導体2における重複部5の面積は、当該任意の信号導体2における信号導体2と変成器部7とが重なり合う面積よりも大きい。
図4に示すように、移相器10を用いたアンテナ装置51では、入力端子42から入力された信号を分配して各列の1段目の信号導体2に出力する第1分配線路52aと、各列の1段目と2段目の信号導体の間に設けられる2つの第2分配配線52bと、各列の2段目と3段目の信号導体2の間に設けられる2つの第3分配配線52cと、各列の第2段目と第3段目の信号導体2の間に設けられる2つの第4分配配線52dと、を備えている。各分配配線52a〜52dは、1入力2出力の線路構成となっている。
第2分配配線52bは、その入力が1段目の信号導体2の出力に接続され、その一方の出力が2段目の信号導体2の入力に接続され、その他方の出力が第1端子53aに接続されている。第1端子53aには第1ケーブル54aの一端が接続されており、第1ケーブル54aの他端はアンテナ側基板55を介してアンテナ素子43d,43eに接続されている。なお、ここでは、鉛直方向に8つのアンテナ素子43a〜43hが順次配置されているとする。
第3分配配線52cは、その入力が2段目の信号導体2の出力に接続され、その一方の出力が3段目の信号導体2の入力に接続され、その他方の出力が第2端子53bに接続されている。第2端子53bには第2ケーブル54bの一端が接続されており、第2ケーブル54bの他端はアンテナ側基板55を介してアンテナ素子43c,43fに接続されている。
第4分配配線52dは、その入力が3段目の信号導体2の出力に接続され、その一方の出力が4段目の信号導体2の入力に接続され、その他方の出力が第3端子53cに接続されている。第3端子53cには第3ケーブル54cの一端が接続されており、第3ケーブル54cの他端はアンテナ側基板55を介してアンテナ素子43b,43gに接続されている。
4段目の信号導体2の出力は、第4端子53dに接続されている。第3端子53dには第4ケーブル54dの一端が接続されており、第4ケーブル54dの他端はアンテナ側基板55を介してアンテナ素子43a,43hに接続されている。
なお、図4では分配配線52a〜52dが移相器10に内蔵されている場合を示しているが、分配配線52a〜52dの一部または全部が移相器10と別体に構成されていてもよい。分配配線52a〜52dを移相器10に内蔵することで、アンテナ装置51の構成をより簡略化し、アンテナ装置51の組み付け作業の作業性を向上できる。
移相器10によれば、共通の誘電体板3を用いているため、移動機構を含む移相器10の構成をより簡略化でき、移相器10の低コスト化に寄与する。また、誘電体板3の比誘電率を3.3以上4.3以下と小さくした場合であっても、各信号導体2に対応する誘電体板3を一体とすることで、各信号導体に対応する誘電体板3を別体とした場合と比較して移相器10全体のサイズを小型に抑えることが可能になる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、移相器1,10では、誘電体板3の比誘電率を3.3以上4.3以下としているため、例えば振動による撓みが発生した場合や、誘電体板3の移動量に誤差が生じた場合であっても、移相量のずれを小さく抑えることが可能になる。また、誘電体板3の比誘電率を3.3以上4.3以下とすることで、誘電体板3と信号導体2とが接触した場合であっても、IM不良が発生しにくくなり、送信信号が受信信号に影響を与えることや、VSWRの劣化を抑制することが可能になる。
また、複数の信号導体2に対応する誘電体板3を一体化することによって、移相器10全体の構成をより簡略化でき、誘電体板3の比誘電率を3.3以上4.3以下と小さくした場合であっても、移相器10の大型化を抑制することが可能になる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]アンテナ素子(43)を介して伝送される信号の伝送線路を構成する信号導体(2)と、前記信号導体(2)と対向して配置されている誘電体からなる誘電体板(3)と、前記誘電体板(3)を移動させる移動機構と、を備え、前記誘電体板(3)の移動により、前記信号導体(2)と前記誘電体板(3)との対向面積が変化し、前記信号導体(2)を伝送される信号の位相が変化する移相器(1)であって、前記誘電体板(3)の比誘電率が、3.3以上4.3以下である、移相器(1)。
[2]前記信号導体(2)を複数備え、前記複数の信号導体(2)は、信号を入出力する平行な1対の平行部(2a)と、前記平行部(2a)の端部同士を連結する前記平行部(2a)と直交している垂直部(2b)と、をそれぞれ有し、前記複数の信号導体(2)は、全ての前記信号導体(2)の前記平行部(2a)が互いに平行となるように同一平面上に2列に整列配置されており、かつ、一方の列の前記信号導体(2)と、対応する他方の列の前記信号導体(2)とは、前記垂直部同士が対向するように配置されており、前記誘電体板(3)は、全ての前記信号導体(2)と対向しており、前記移動機構は、前記誘電体板(3)を前記平行部(2a)の長手方向に沿って移動させる、[1]に記載の移相器(10)。
[3]前記誘電体板(3)の移動方向における前記誘電体板(3)の両端部に設けられており、前記信号導体(2)と前記誘電体(3)とが対向している重複部(5)と前記信号導体(2)と前記誘電体板(3)とが対向していない非重複部(6)との間でインピーダンスを整合させるための変成器部(7)を備え、全ての前記信号導体(2)での移相量が等しくなる基準位置に前記誘電体板(3)を配置した際に、任意の前記信号導体(2)における前記重複部(5)の前記移動方向に沿った長さが、当該任意の信号導体(2)と対向している前記変成器部(7)の前記移動方向に沿った長さよりも長い、[2]に記載の移相器(10)。
[4]前記変成器部(7)は、空気層と、前記空気層の前記非重複部(6)側に設けられており、前記誘電体板(3)と同じ厚さで、かつ前記誘電体板(3)と同じ材料の誘電体層からなる、[3]に記載の移相器(10)。
[5][1]乃至[4]の何れか1つに記載の移相器(1,10)を備えた、アンテナ装置(41,51)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…移相器
2…信号導体
2a…平行部
2b…垂直部
3…誘電体板
4…地導体
5…重複部
6…非重複部
7…変成器部

Claims (5)

  1. アンテナ素子を介して伝送される信号の伝送線路を構成する信号導体と、
    前記信号導体と対向して配置されている誘電体からなる誘電体板と、
    前記誘電体板を移動させる移動機構と、を備え、
    前記誘電体板の移動により、前記信号導体と前記誘電体板との対向面積が変化し、前記信号導体を伝送される信号の位相が変化する移相器であって、
    前記誘電体板の比誘電率が、3.3以上4.3以下であり、
    前記誘電体板の移動方向に並んで前記誘電体板に設けられた、前記信号導体と前記誘電体とが対向している重複部側に形成される第2変性器部分と、前記信号導体と前記誘電体板とが対向していない非重複部側に形成される第1変性器部分とからなる変性器部を備え、
    前記第1変性器部分は、前記第2変成器部分側に設けられた第1高インピーダンス部と、前記第1高インピーダンス部の前記非重複部側に設けられた前記第1高インピーダンス部よりも特性インピーダンスが低い第1低インピーダンス部と、を備え、
    前記誘電体板の移動方向における前記第1変成器部分の前記第1高インピーダンス部及び前記第1低インピーダンス部のそれぞれの長さは、前記非重複部と、前記重複部と前記非重複部の中間の特性インピーダンスとをインピーダンス整合させる長さであり、
    前記第2変成器部分は、前記重複部側に設けられた第2高インピーダンス部と、前記第2高インピーダンス部の前記第1変成器部分側に設けられた前記第2高インピーダンス部よりも特性インピーダンスが低い第2低インピーダンス部と、を備え、
    前記誘電体板の移動方向における前記第2変成器部分の第2高インピーダンス部及び前記第2低インピーダンス部のそれぞれの長さは、前記中間の特性インピーダンスと前記重複部をインピーダンス整合させる長さである、
    移相器。
  2. 前記信号導体を複数備え、
    前記複数の信号導体は、信号を入出力する平行な1対の平行部と、前記平行部の端部同士を連結する前記平行部と直交している垂直部と、をそれぞれ有し、
    前記複数の信号導体は、全ての前記信号導体の前記平行部が互いに平行となるように同一平面上に2列に整列配置されており、かつ、一方の列の前記信号導体と、対応する他方の列の前記信号導体とは、前記垂直部同士が対向するように配置されており、
    前記誘電体板は、全ての前記信号導体と対向しており、
    前記移動機構は、前記誘電体板を前記平行部の長手方向に沿って移動させる、
    請求項1に記載の移相器。
  3. 前記変成器部は前記誘電体板の移動方向における前記誘電体板の両端部に設けられており
    ての前記信号導体での移相量が等しくなる基準位置に前記誘電体板を配置した際に、任意の前記信号導体における前記重複部の前記移動方向に沿った長さが、当該任意の信号導体と対向している前記変成器部の前記移動方向に沿った長さよりも長い、
    請求項2に記載の移相器。
  4. 前記第1及び第2高インピーダンス部は、空気層からなり、
    前記第1及び第2低インピーダンス部は、前記誘電体板と同じ厚さで、かつ前記誘電体板と同じ材料の誘電体層からなる、
    請求項1乃至3の何れか1つに記載の移相器。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の移相器を備えた、
    アンテナ装置。
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