JP6734710B2 - 電気化学反応セルスタック - Google Patents

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Description

本明細書に開示される技術は、電気化学反応セルスタックに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の種類の1つとして、固体酸化物を含む電解質層を備える固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCは、一般に、所定の方向(以下、「配列方向」ともいう)に並べて配置された複数の燃料電池発電単位(以下、単に「発電単位」という)を備える燃料電池スタックの形態で利用される。発電単位は、SOFCの発電の最小単位であり、電解質層と電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、燃料極に対向して配置される対向部材と、燃料極と対向部材との両方に接触するように配置される集電部材と、を含んでいる。
このような燃料電池スタックの中には、いわゆる並直列型の燃料電池スタックが知られている(例えば特許文献1参照)。並直列型の燃料電池スタックでは、複数の発電単位の内の第1の発電単位に含まれる燃料極に面する燃料室と、第2の発電単位に含まれる燃料極に面する燃料室とに連通し、第1の発電単位の燃料室から排出されたガスに含まれる水素等を第2の発電単位の燃料室に導くガス流路が形成されている。並直列型の燃料電池スタックによれば、燃料極に供給された燃料ガスの量に対する発電反応に利用された燃料ガスの量の割合を示す燃料利用率を向上させることができる。
特開2014−197492号公報
並直列型の燃料電池スタックにおいて、ガスの流れ方向の下流側に位置する第2の発電単位では、ガスの流れ方向の上流側に位置する第1の発電単位に比べて、燃料室に供給される燃料ガスの水素濃度が低い。このため、第2の発電単位を複数備える並直列型の燃料電池スタックにおいて、複数の第2の発電単位間で集電部材の上記配列方向の厚さ(以下、単に「集電部材の厚さ」という)のバラツキが大きい場合、集電部材の厚さが相対的に小さい第2の発電単位の燃料室内に供給される燃料ガスの圧力損失が大きくなることによって、第2の発電単位全体に燃料ガスが十分に供給されず、その結果、出力低下が顕著に現れることがある。
なお、このような課題は、燃料極側だけでなく、空気極側にも共通の課題である。また、このような課題は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)の一形態である電解セルスタックにも共通の課題である。なお、本明細書では、燃料電池スタックと電解セルスタックとをまとめて「電気化学反応セルスタック」という。
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される電気化学反応セルスタックは、固体酸化物を含む電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記燃料極および前記空気極の一方の電極に対向して配置される対向部材と、前記一方の電極と前記対向部材との両方に接触するように配置される集電部材と、前記一方の電極と前記対向部材とに面し、前記集電部材が配置されるガス室とを含む電気化学反応単位を3つ以上備える電気化学反応セルスタックにおいて、3つ以上の前記電気化学反応単位は、第1の前記ガス室が形成された1つ以上の第1の電気化学反応単位と、第2の前記ガス室が形成された2つ以上の第2の電気化学反応単位とを含んでおり、前記電気化学反応セルスタックには、1つ以上の前記第1のガス室と、2つ以上の前記第2のガス室とに連通し、前記第1のガス室から排出されたガスを前記第2のガス室に導くガス流路が形成されており、各前記第2の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材について、前記第1の方向の厚さが最大である前記集電部材と前記第1の方向の厚さが最小である前記集電部材との前記第1の方向の厚さの差である集電部材厚さの大小差は25(μm)以下である。本電気化学反応セルスタックによれば、ガスの流れ方向の下流側に位置する2つ以上の第2の電気化学反応単位に含まれる集電部材について、集電部材厚さの大小差(第1の方向の厚さが最大である集電部材と第1の方向の厚さが最小である集電部材との第1の方向の厚さの差)は25(μm)以下である。このため、集電部材厚さの大小差が25(μm)より大きい場合に比べて、集電部材の厚さのバラツキが小さいため、集電部材の厚さのバラツキによるガスの供給不足を抑制することができる。
(2)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記第2の電気化学反応単位における前記集電部材の前記第1の方向の厚さが、各前記第2の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材の前記第1の方向の厚さの平均値から±2.5(μm)の範囲以内に含まれるという第1の条件を満たす前記第2の電気化学反応単位を含み、前記第2の電気化学反応単位の総数に対し、前記第1の条件を満たす前記第2の電気化学反応単位の数の割合は50%以上である構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、2以上の第2の電気化学反応単位の内の50%以上の第2の電気化学反応単位に含まれる集電部材の第1の方向の厚さは、全ての第2の電気化学反応単位に含まれる集電部材の第1の方向の厚さの平均値から±2.5(μm)の範囲以内に含まれるという条件を満たす。このため、集電部材の厚さのバラツキがさらに低減されることによって、ガスの供給不足を、より効果的に抑制することができる。
(3)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記第1の電気化学反応単位を2つ以上備え、各前記第1の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材について、前記第1の方向の厚さが最大である前記集電部材と前記第1の方向の厚さが最小である前記集電部材との前記第1の方向の厚さの差である前記集電部材厚さの大小差は、前記第2の電気化学反応単位についての前記集電部材厚さの大小差より大きい構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、ガスの流れ方向の上流側に位置する2以上の第1の電気化学反応単位に含まれる集電部材についての集電部材厚さの大小差が相対的に大きい。このため、集電部材の厚さのバラツキによるガスの供給不足を抑制しつつ、一方の電極や対向部材の熱による変形によって一方の電極または対向部材と集電部材との間に隙間が形成されることを抑制することができる。
(4)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記第1の電気化学反応単位を2つ以上備え、各前記第1の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材について、前記第1の方向の厚さが最大である前記集電部材と前記第1の方向の厚さが最小である前記集電部材厚さの大小差は25(μm)以下である構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、ガスの流れ方向の上流側に位置する第1の電気化学反応単位についても、集電部材の厚さのバラツキが低減されることによって、ガスの供給不足を効果的に抑制することができる。
(5)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記第1の電気化学反応単位における前記集電部材の前記第1の方向の厚さが、各前記第1の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材の前記第1の方向の厚さの平均値から±2.5(μm)の範囲以内に含まれるという第2の条件を満たす前記第1の電気化学反応単位を含み、前記第1の電気化学反応単位の総数に対し、前記第2の条件を満たす前記第1の電気化学反応単位の数の割合は50%以上である構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、ガスの流れ方向の上流側に位置する第1の電気化学反応単位についても、集電部材の厚さのバラツキが低減されることによって、ガスの供給不足を効果的に抑制することができる。
(6)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記集電部材は、前記一方の電極と前記対向部材との前記第1の方向の離間距離の変位に追随する構成である構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、一方の電極や前記対向部材の熱による変形によって一方の電極または対向部材と集電部材との間に隙間が形成されることを抑制することができる。
(7)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記集電部材は、前記一方の電極に対向する第1の対向部と、前記対向部材に対向する第2の対向部と、前記第1の対向部と前記第2の対向部とをつなぐ連接部とを含む導電体と、前記第1の対向部と前記第2の対向部との間に配置される絶縁性を有する弾性体と、を備える構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、弾性体の弾性力によって、一方の電極や対向部材の熱による変形によって一方の電極または対向部材と集電部材との間に隙間が形成されることを抑制することができる。
(8)上記電気化学反応セルスタックにおいて、前記電気化学反応セルスタックは、1つ以上の前記第1の電気化学反応単位と2つ以上の前記第2の電気化学反応単位とを備える構成としてもよい。本電気化学反応セルスタックによれば、並直列の単品の電気化学反応セルスタックにおいて、集電部材の厚さのバラツキによるガスの供給不足を抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、単セル、電気化学反応単位、電気化学反応単位を備える電気化学反応セルスタック、電気化学反応セルスタックを備える電気化学反応モジュール、電気化学反応モジュールを備える電気化学反応システム等の形態で実現することが可能である。
第1の実施形態における燃料電池スタック100の構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態における燃料電池スタック100の上側のXY平面構成を示す説明図である。 第1の実施形態における燃料電池スタック100の下側のXY平面構成を示す説明図である。 図1から図3のIV−IVの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1から図3のV−Vの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。 図1から図3のVI−VIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。 図5に示す断面と同一の位置における互いに隣接する下流および上流の2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図6に示す断面と同一の位置における互いに隣接する上流の2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。 図6に示す断面と同一の位置における互いに隣接する下流の2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。 図7のX−Xの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 図7のXI−XIの位置における上流の発電単位102UのXY断面構成を示す説明図である。 図7のXII−XIIの位置における下流の発電単位102DのXY断面構成を示す説明図である。 実施例の燃料電池スタック100における下流の燃料極側集電体144Dの厚さを示す説明図である。 比較例の燃料電池スタックにおける下流の燃料極側集電体144Dの厚さを示す説明図である。 実施例の燃料電池スタック100における下流の発電単位102Dの各段のセル電圧を示す説明図である。 比較例の燃料電池スタックにおける下流の発電単位102Dの各段のセル電圧を示す説明図である。 第2の実施形態の燃料電池スタック100Aにおける下流の燃料極側集電体144Dの厚さを示す説明図である。
A.第1の実施形態:
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1から図6は、本実施形態における燃料電池スタック100の構成を概略的に示す説明図である。図1には、燃料電池スタック100の外観構成が示されており、図2には、燃料電池スタック100の上側の平面構成が示されており、図3には、燃料電池スタック100の下側の平面構成が示されており、図4には、図1から図3のIV−IVの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成が示されており、図5には、図1から図3のV−Vの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成が示されており、図6には、図1から図3のVI−VIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図7以降についても同様である。
燃料電池スタック100は、3つ以上(本実施形態では20個、図1、図4から図6では6個を例示)の発電単位102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。20個の発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。以下、20個の発電単位102の内、上から8個(図1、図4から図6では上から2個)の発電単位102を下流の発電単位102Dといい、残りの12個の発電単位102、即ち、下から12個(図1、図4から図6では下から4個)の発電単位102を上流の発電単位102Uという。一対のエンドプレート104,106は、20個の発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当し、上流の発電単位102Uは、特許請求の範囲における第1の電気化学反応単位に相当し、下流の発電単位102Dは、特許請求の範囲における第2の電気化学反応単位に相当する。
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、エンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、連通孔108という。
各連通孔108には上下方向に延びるボルト22が挿入されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。なお、図4から図6に示すように、ボルト22の一方の側(上側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の上端を構成するエンドプレート104の上側表面との間、および、ボルト22の他方の側(下側)に嵌められたナット24と燃料電池スタック100の下端を構成するエンドプレート106の下側表面との間には、絶縁シート26が介在している。ただし、後述のガス通路部材27が設けられた箇所では、ナット24とエンドプレート106の表面との間に、ガス通路部材27とガス通路部材27の上側および下側のそれぞれに配置された絶縁シート26とが介在している。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
各ボルト22の軸部の外径は各連通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図2から図4に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中央付近に位置するボルト22(ボルト22A)と、そのボルト22Aが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入されるガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)と、そのボルト22Bが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。
また、図2、図3および図5に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの頂点(X軸正方向側およびY軸負方向側の頂点)付近に位置するボルト22(ボルト22C)と、そのボルト22Cが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを上流の各発電単位102Uに供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)と、そのボルト22Dが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、上流の各発電単位102Uの燃料室176から排出されたガスである燃料中間ガスFMGを、下流の各発電単位102Dに向けて運ぶガス流路である燃料ガス中継マニホールド172として機能する。燃料中間ガスFMGには、上流の各発電単位102Uの燃料室176において発電反応に利用されなかった水素等が含まれる。図2、図3および図6に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)と、そのボルト22Eが挿入された連通孔108とにより形成された空間は、下流の各発電単位102Dの燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド173として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
図4から図6に示すように、燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。また、図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161を形成するボルト22Aの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通しており、酸化剤ガス排出マニホールド162を形成するボルト22Bの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、酸化剤ガス排出マニホールド162に連通している。また、図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171を形成するボルト22Cの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス導入マニホールド171に連通しており、図6に示すように、燃料ガス排出マニホールド173を形成するボルト22Eの位置に配置されたガス通路部材27の本体部28の孔は、燃料ガス排出マニホールド173に連通している。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
(発電単位102の構成)
図7から図12は、発電単位102の詳細構成を示す説明図である。図7には、図4に示す断面と同一の位置における互いに隣接する下流の1つの発電単位102Dと上流の1つの発電単位102UとのXZ断面構成が示されており、図8には、図5に示す断面と同一の位置における互いに隣接する上流の2つの発電単位102UのYZ断面構成が示されており、図9には、図6に示す断面と同一の位置における互いに隣接する下流の2つの発電単位102DのYZ断面構成が示されており、図10には、図7のX−Xの位置における発電単位102のXY断面構成が示されており、図11には、図7のXI−XIの位置における上流の発電単位102UのXY断面構成が示されており、図12には、図7のXII−XIIの位置における下流の発電単位102DのXY断面構成が示されている。
図7から図9に示すように、発電の最小単位である発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿入される連通孔108に対応する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図4から図6参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。上流の発電単位102Uに備えられた単セル110は、特許請求の範囲における第1の単セルに相当し、下流の発電単位102Dに備えられた単セル110は、特許請求の範囲における第2の単セルに相当する。
電解質層112は、略矩形の平板形状部材であり、少なくともZrを含んでおり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、CaSZ(カルシア安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。燃料極116は、略矩形の平板形状部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。なお、セパレータ120が接合された単セル110をセパレータ付き単セルともいう。
空気極側フレーム130は、図7から図10に示すように、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。空気極側フレーム130の孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。
燃料極側フレーム140は、図7から図9、図11および図12に示すように、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。図8および図11に示すように、上流の各発電単位102Uの燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142Uと、燃料室176と燃料ガス中継マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143Uとが形成されている。図9および図12に示すように、下流の各発電単位102Dの燃料極側フレーム140には、燃料ガス中継マニホールド172と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通孔142Dと、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド173とを連通する燃料ガス排出連通孔143Dとが形成されている。なお、燃料極116は、特許請求の範囲における一方の電極に相当する。また、燃料室176は、特許請求の範囲におけるガス室に相当し、上流の発電単位102Uに形成された燃料室176は、特許請求の範囲における第1のガス室に相当し、下流の発電単位102Dに形成された燃料室176は、特許請求の範囲における第2のガス室に相当する。
空気極側集電体134は、図7から図10に示すように、空気室166内に配置されている。空気極側集電体134は、所定の間隔をあけて並べられた複数の略四角柱状の導電性部材から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電体134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として形成されていてもよい。
燃料極側集電体144は、図7から図9、図11および図12に示すように、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電体144は、インターコネクタ対向部146と、複数の電極対向部145と、各電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えた導電体であり、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。各電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102におけるインターコネクタ対向部146は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電体144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。なお、電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電体144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電体144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。なお、燃料極側集電体144は、特許請求の範囲における集電部材に相当し、インターコネクタ150および下側のエンドプレート106は、特許請求の範囲における対向部材に相当する。また、電極対向部145は、特許請求の範囲における第1の対向部に相当し、インターコネクタ対向部146は、特許請求の範囲における第2の対向部に相当し、連接部147は、特許請求の範囲における連接部に相当する。また、スペーサー149は、特許請求の範囲における弾性体に相当する。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図4、図7および図10に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から下流および上流の各発電単位102D,102Uの酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。
また、図5、図8および図11に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から上流の各発電単位102Uの燃料ガス供給連通孔142Uを介して、上流の各発電単位102Uの燃料室176に供給される。なお、燃料ガス導入マニホールド171は、下流の各発電単位102Dの燃料室176には連通していないため、燃料ガス導入マニホールド171から下流の各発電単位102Dの燃料室176に燃料ガスFGが供給されることはない。上流の各発電単位102Uの燃料室176から排出された燃料中間ガスFMGは、燃料ガス排出連通孔143Uを介して燃料ガス中継マニホールド172に排出される。図6、図9および図12に示すように、下流の各発電単位102Dの燃料室176には、この上流の各発電単位102Uから排出された燃料中間ガスFMGが、燃料ガス中継マニホールド172、および、下流の各発電単位102Dの燃料ガス供給連通孔142Dを介して供給される。
上流の各発電単位102Uの空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、上流の各発電単位102Uの燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、上流の各発電単位102Uの単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。また、下流の各発電単位102Dの空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、下流の各発電単位102Dの燃料室176に燃料中間ガスFMGが供給されると、下流の各発電単位102Dの単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料中間ガスFMGの電気化学反応による発電が行われる。これらの発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
図4、図7および図10に示すように、下流および上流の各発電単位102U,102Dの空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、酸化剤ガス排出連通孔133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、図6、図9および図12に示すように、下流の各発電単位102Dの燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、燃料ガス排出連通孔143Dを介して燃料ガス排出マニホールド173に排出され、さらに燃料ガス排出マニホールド173の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29の孔を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。このように、燃料電池スタック100の燃料ガスFGの流路構成は、外部から導入された燃料ガスFGが、上流の複数の発電単位102に並列に供給され、上流の各発電単位102Uから排出された燃料中間ガスFMGが、燃料ガス中継マニホールド172を介して、下流の複数の発電単位102Dに並列に供給される、いわゆる並直列型になっている。
A−3.燃料極側集電体144の厚さについて:
本実施形態の燃料電池スタック100は、燃料極側集電体144の上下方向(Z軸方向)における厚さ(以下、単に「厚さ」という)について、次の条件A,Bを満たしている。なお、燃料極側集電体144の厚さは、燃料室176を流れるガス(燃料ガスFG、燃料中間ガスFMG)の流れ方向(図8のY軸正方向、図9のY軸負方向)における燃料室176の中央部に位置する燃料極側集電体144の部位の厚さであることが好ましい。
(下流の発電単位102Dに含まれる燃料極側集電体144について)
8個の下流の発電単位102Dに含まれる燃料極側集電体144(以下、「下流の燃料極側集電体144D」という)の厚さは、次の条件Aを満たしている。
条件A:集電部材厚さの大小差(ΔDD)は、25(μm)以下である。ただし、ここでいう集電部材厚さの大小差(ΔDD)は、8個の下流の燃料極側集電体144Dの内、厚さが最大である下流の燃料極側集電体144Dと、厚さが最小である下流の燃料極側集電体144Dとの厚さの差である。条件Aは、次の式1で示すことができる。
<式1>
ΔDD=DDmax−DDmin ≦ 25(μm)
DDmax:厚さが最大である下流の燃料極側集電体144Dの厚さ
DDmin:厚さが最小である下流の燃料極側集電体144Dの厚さ
(上流の発電単位102Uに含まれる燃料極側集電体144について)
12個の上流の発電単位102Uに含まれる燃料極側集電体144(以下、「上流の燃料極側集電体144U」という)の厚さは、次の条件Bを満たしている。
条件B:集電部材厚さの大小差(ΔDU)は、25(μm)以下である。ただし、ここでいう集電部材厚さの大小差(ΔDU)は、12個の上流の燃料極側集電体144Uの内、厚さが最大である上流の燃料極側集電体144Uと、厚さが最小である上流の燃料極側集電体144Uとの厚さの差である。条件Bは、次の式2で示すことができる。
<式2>
ΔDU=DUmax−DUmin ≦ 25(μm)
DUmax:厚さが最大である上流の燃料極側集電体144Uの厚さ
DUmin:厚さが最小である上流の燃料極側集電体144Uの厚さ
(下流の燃料極側集電体144と上流の燃料極側集電体144との関係について)
上流の燃料極側集電体144の上記集電部材厚さの大小差(ΔDU)は、下流の燃料極側集電体144の上記集電部材厚さの大小差(ΔDD)より大きい。これにより、上流の発電単位102における燃料室176の膨らみ度合いは、下流の発電単位102における燃料室176の膨らみ度合いより大きくなっている。燃料室176の膨らみ度合いとは、ガスの流れ方向における燃料室176の端側(ボルト22とナット24との締結部材による締め付け位置側)の厚さと、燃料極側集電体144の厚さとの差(の平均値)である。なお、集電部材厚さの大小差(ΔDU)は、集電部材厚さの大小差(ΔDD)より1(μm)以上大きいことが好ましい。
なお、上記条件A,B等を満たすには、燃料電池スタック100の組み立て前に、上記条件A,Bを満たす適切な厚さの組み合わせの複数の燃料極側集電体144を選択しておき、選択された複数の燃料極側集電体144を用いて燃料電池スタック100を組み立てればよい。
A−4.燃料電池スタック100の性能評価:
実施例の燃料電池スタック100と比較例の燃料電池スタックとについて、以下に説明する性能評価を行った。実施例の燃料電池スタック100と比較例の燃料電池スタックとは、下流の燃料極側集電体144Dの厚さのばらつき度合いが異なるのみで、他の構成は共通する。
図13は、実施例の燃料電池スタック100における下流の燃料極側集電体144Dの厚さを示す説明図であり、図14は、比較例の燃料電池スタックにおける下流の燃料極側集電体144Dの厚さを示す説明図である。図13および図14のグラフの横軸の数字は、下流の燃料極側集電体144Dの段数を意味する。例えば数字「1」は、下から1つ目(1段目)の燃料極側集電体144Dを意味し、数位「2」は、下から2つ目(2段目)の燃料極側集電体144Dを意味する。図13および図14のグラフの縦軸の数字は、8個の下流の燃料極側集電体144Dの厚さの平均値を1とした場合における各燃料極側集電体144Dの厚さを意味する。なお、本実施形態では、燃料極側集電体144Dの厚さは、例えば、燃料電池スタック100等の組み立て前における各燃料極側集電体144Dの厚さを測定し、その測定値に圧縮率を乗算して特定してもよい。圧縮率は、例えば燃料電池スタック100等の組み立て時のボルト22とナット24との締結力や各部材の材料等から予め求めることができる。なお、燃料極側集電体144Dの厚さは、燃料電池スタック100等の組み立て後の各燃料極側集電体144Dを実際に測定して特定してもよい。
図13に示すように、実施例の燃料電池スタック100では、厚さが最大である8段目の燃料極側集電体144Dの厚さ(DDmax)が1.021(mm)であり、厚さが最小である5段目の燃料極側集電体144Dの厚さ(DDmin)が0.996(mm)であり、集電部材厚さの大小差(ΔDD)は、25(μm)である。一方、図14に示すように、比較例の燃料電池スタックでは、厚さが最大である8段目の燃料極側集電体144Dの厚さ(DDmax)が1.013(mm)であり、厚さが最小である4段目の燃料極側集電体144Dの厚さ(DDmin)が0.979(mm)であり、集電部材厚さの大小差(ΔDD)は、34(μm)である。すなわち、実施例の燃料電池スタック100では、下流の燃料極側集電体144Dの厚さのバラツキが相対的に小さく、比較例の燃料電池スタックでは、下流の燃料極側集電体144Dの厚さのバラツキが相対的に大きい。
図15は、実施例の燃料電池スタック100における下流の発電単位102Dの各段のセル電圧を示す説明図であり、図16は、比較例の燃料電池スタックにおける下流の発電単位102Dの各段のセル電圧を示す説明図である。図15および図16のグラフの横軸の数字は、上記図13等と同様、下流の燃料極側集電体144Dの段数を意味する。図15および図16のグラフの縦軸の数字は、8個の下流の燃料極側集電体144Dの燃料利用率84%時のセル電圧の平均値を1(V)とした場合における各燃料極側集電体144Dのセル電圧を意味する。なお、燃料利用率は、燃料極116に供給された燃料中間ガスFMGの量に対する発電反応に利用された燃料中間ガスFMGの量の割合を示す。なお、燃料利用率およびセル電圧は公知な方法により特定することができる。
図15に示すように、実施例の燃料電池スタック100では、下流の発電単位102Dの各段のセル電圧のバラツキは相対的に小さく、全ての下流の発電単位102Dのセル電圧が平均値に近似している。すなわち、下流の発電単位102Dの各段のセル電圧はほぼ一定に保たれている。一方、図16に示すように、比較例の燃料電池スタックでは、下流の発電単位102Dの各段のセル電圧のバラツキは相対的に大きく、特に1段目および4段目の下流の発電単位102Dのセル電圧が平均値から大きく落ち込んでいる。すなわち、特に、1段目および4段目の下流の発電単位102Dにおいて、燃料中間ガスFMG(水素)の供給不足になり易くなっている。この理由は、1段目および4段目の下流の発電単位102Dでは、燃料極側集電体144Dの厚さが薄いことによって燃料極116の空間の広さが狭くなっている。このため、燃料極116内に供給される燃料中間ガスFMGの圧力損失が大きくなっているからである。そして、比較例の燃料電池スタックでは、実施例の燃料電池スタック100に比べて、1段目および4段目の下流の発電単位102Dのセル電圧が落ち込むことによって、8個の下流の発電単位102D全体のセル電圧が低下している。
A−5.本実施形態の効果:
本実施形態によれば、下流の燃料極側集電体144Dについて、集電部材厚さの大小差(ΔDD)は25(μm)以下であり、集電部材厚さのバラツキが相対的に小さい。このため、8個の下流の発電単位102Dにおいてセル電圧を均一することができ、特定の下流の発電単位102Dにおいて燃料中間ガスFMGの供給不足が生じることを抑制することができる。
また、上流の燃料極側集電体144Uについても、集電部材厚さの大小差(ΔDU)は25(μm)以下であり、集電部材厚さのバラツキが相対的に小さい。このため、12個の上流の発電単位102Uにおいてセル電圧を均一することができ、特定の上流の発電単位102Uにおいて燃料ガスFGの供給不足が生じることを抑制することができる。
ここで、燃料電池スタック100では、中央部(単セル110の配置部分)においてエンドプレート104,106の間に挟まれる各部材の厚さの合計が、周縁部(結部材による締め付け部分)においてエンドプレート104,106の間に挟まれる部材の厚さの合計より大きいことが好ましい。このような構成によれば、燃料電池スタック100の中央部に付与される圧力が、周縁部に付与される圧力より高いため、単セル110の発電反応による各部材の熱膨張によって部材間に隙間が形成されることが抑制されるからである。そして、この燃料電池スタック100の中央部と周縁部との厚さの差は、燃料極側集電体144の厚さで調整することができる。すなわち、燃料極側集電体144の厚さを厚くすることにより、中央部と周縁部との厚さの差を大きくすることができる。
これに対して、本実施形態では、上流の燃料極側集電体144の上記集電部材厚さの大小差(ΔDU)は、下流の燃料極側集電体144の上記集電部材厚さの大小差(ΔDD)より大きいことによって、上流の発電単位102における燃料室176の膨らみ度合いが、下流の発電単位102における燃料室176の膨らみ度合いより大きくなっている。すなわち、下流の発電単位102Dでは、燃料中間ガスFMGの水素濃度が低いため、下流の燃料極側集電体144Dの厚さのバラツキを抑制することによって燃料中間ガスFMGの供給不足の発生が抑制されている。その一方で、上流の発電単位102Uでは、燃料ガスFGの水素濃度が高く、燃料ガスFGの供給不足の問題が生じにくい。このため、例えば特定の上流の燃料極側集電体144Uの厚さを厚くして上流の燃料極側集電体144Uの厚さのバラツキを大きくすることによって燃料電池スタック100の中央部と周縁部との厚さの差が形成されている。これにより、下流の燃料極側集電体144Dの厚さのバラツキによるガスの供給不足を抑制しつつ、燃料極116やインターコネクタ150の熱による変形によって燃料極116またはインターコネクタ150と燃料極側集電体144との間に隙間が形成されることを抑制することができる。
また、燃料極側集電体144は、マイカにより形成されたスペーサー149の弾性力によって、燃料極116やインターコネクタ150の熱による変形によって燃料極116またはインターコネクタ150と燃料極側集電体144との間に隙間が形成されることを抑制することができる。
B.第2の実施形態:
図17は第2の実施形態の燃料電池スタック100A(図示せず)における下流の燃料極側集電体144Dの厚さを示す説明図である。第2の実施形態の燃料電池スタック100Aの構成の内、上述した第1の実施形態の燃料電池スタック100と同一の構成については、同一符号を付すことによって、その説明を省略する。
B−1.燃料極側集電体144の厚さについて:
本実施形態の燃料電池スタック100A(図示せず)は、燃料極側集電体144の厚さについて、上記条件A,Bに加えて、さらに、次の条件C,Dを満たしている。
(下流の燃料極側集電体144Dについて)
下流の燃料極側集電体144Dの厚さは、上記条件Aに加えて、次の条件Cを満たしている。
条件C:下流の発電単位102Dの総数(ND=8)に対し、平均近似条件を満たす下流の発電単位102Dの数(KD)の割合が50%以上である。ただし、ここでいう平均近似条件は、下流の燃料極側集電体144Dの厚さ(DD1、DD2、・・・、DD8)が、8個の下流の燃料極側集電体144Dの厚さの平均値(DDave)から±2.5(μm)の範囲以内に含まれることである。条件Cおよび平均近似条件は、次の式3,4で示すことができる。なお、下流の発電単位102Dについての平均近似条件は、特許請求の範囲における第1の条件に相当する。
<式3>
(KD/ND)×100 ≧ 50%
<式4>
|DD−DDave| ≦ +2.5(μm)
DDave=(DD1+DD2+・・・+DD8)/ND
(上流の燃料極側集電体144Uについて)
上流の燃料極側集電体144Uの厚さは、上記条件Bに加えて、次の条件Dを満たしている。
条件D:上流の発電単位102Uの総数(NU=12)に対し、平均近似条件を満たす上流の発電単位102Uの数(KU)の割合が50%以上である。ただし、ここでいう平均近似条件は、燃料極側集電体144Uの厚さ(DU1、DU2、・・・、DU12)が、12個の上流の燃料極側集電体144Uの厚さの平均値(DUave)から±2.5(μm)の範囲以内に含まれることである。条件Dおよび平均近似条件は、次の式5,6で示すことができる。なお、上流の発電単位102Uについての平均近似条件は、特許請求の範囲における第2の条件に相当する。
<式5>
(KU/NU)×100 ≧ 50%
<式6>
|DU−DUave| ≦ +2.5(μm)
DUave=(DU1+DU2+・・・+DU12)/NU
なお、下流の発電単位102Dの総数に対し、平均近似条件を満たす下流の発電単位102Dの数の割合は、上流の発電単位102Uの総数に対し、平均近似条件を満たす上流の発電単位102Uの数の割合より高いことが好ましい。
本実施形態によれば、下流の発電単位102Dの総数に対し、平均近似条件を満たす下流の発電単位102Dの数の割合は50%以上である。このため、下流の燃料極側集電体144Dの厚さのバラツキがさらに低減されることによって、ガスの供給不足を、より効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、上流の発電単位102Uの総数に対し、平均近似条件を満たす上流の発電単位102Uの数の割合も50%以上である。このため、上流の燃料極側集電体144Uの厚さのバラツキがさらに低減されることによって、ガスの供給不足を、より効果的に抑制することができる。
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記各実施形態において、上流の燃料極側集電体144Uの厚さについて、条件B(式2)を満たしていなくてもよい。また、上記各実施形態において、上流の燃料極側集電体144Uの上記集電部材厚さの大小差(ΔDU)は、下流の燃料極側集電体144Dの上記集電部材厚さの大小差(ΔDD)以下でもよい。また、上記第2の実施形態において、上流の燃料極側集電体144Uの厚さについて、条件D(式5)を満たしていなくてもよい。
上記実施形態において、燃料極側集電体144は、例えばNiにより形成されたセグメントで形成されたものでもよい。要するに、燃料極側集電体144は、燃料極116とインターコネクタ150との上記配列方向(上下方向)の離間距離の変位に追随する構成であればよい。また、上記実施形態において、スペーサー149は、ゴムにより形成されたものでもよい。
上記実施形態では、燃料極116側のガス流路(燃料ガスFGの導入口から燃料オフガスFOGの排出口までの流路)が並直列型であったが、これに限らず、空気極114側のガス流路(酸化剤ガスOGの導入口から酸化剤オフガスOOGの排出口までの流路)が並直列型であってもよい。そして、各発電単位102の空気極側集電体134の厚さについて本発明を適用してもよい。この場合、空気極114は、特許請求の範囲における一方の電極に相当する。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。また、上流の発電単位102Uの個数や下流の発電単位102Dの個数も、あくまでも一例である。ただし、下流の発電単位102Dでは、上流の発電単位102Uに比べて、燃料室176に供給されるガス(燃料ガスFG、燃料中間ガスFMG)の水素濃度が低い。従って、下流の発電単位102Dでのガスの供給不足を抑制するため、下流の発電単位102Dの個数は、上流の発電単位102Uの個数より少ないことが好ましい。また、下流の発電単位102Dの個数が5個以上になると、下流の燃料極側集電体144Dの厚さのバラツキによるガスの供給不足が生じる可能性が高くなるため、本発明を適用することが特に有効である。
上記実施形態において、燃料電池スタック100の締結に使用されるボルト22の個数は、あくまで一例であり、ボルト22の個数は燃料電池スタック100に要求される締結力等に応じて適宜決められる。
また、上記実施形態では、ボルト22の両側にナット24が嵌められているとしているが、ボルト22が頭部を有し、ナット24はボルト22の頭部の反対側にのみ嵌められているとしてもよい。
また、上記実施形態では、エンドプレート104,106が出力端子として機能するとしているが、エンドプレート104,106の代わりに、エンドプレート104,106のそれぞれと接続された別部材(例えば、エンドプレート104,106のそれぞれと発電単位102との間に配置された導電板)が出力端子として機能するとしてもよい。
また、上記実施形態では、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間の空間を各マニホールドとして利用しているが、これに代えて、各ボルト22の軸部に軸方向の孔を形成し、その孔を各マニホールドとして利用してもよい。また、各マニホールドを各ボルト22が挿入される各連通孔108とは別に設けてもよい。
また、上記実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合には、1つのインターコネクタ150が隣接する2つの発電単位102に共有されるとしているが、このような場合でも、2つの発電単位102がそれぞれのインターコネクタ150を備えてもよい。また、上記実施形態では、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102の上側のインターコネクタ150や、最も下に位置する発電単位102の下側のインターコネクタ150は省略されているが、これらのインターコネクタ150を省略せずに設けてもよい。
また、上記実施形態において、燃料極側集電体144は、空気極側集電体134と同様の構成であってもよく、燃料極側集電体144と隣接するインターコネクタ150とが一体部材であってもよい。また、空気極側フレーム130ではなく燃料極側フレーム140が絶縁体であってもよい。また、空気極側フレーム130や燃料極側フレーム140は、多層構成であってもよい。
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態において、都市ガスを改質して水素リッチな燃料ガスFGを得るとしているが、LPガスや灯油、メタノール、ガソリン等の他の原料から燃料ガスFGを得るとしてもよいし、燃料ガスFGとして純水素を利用してもよい。
本明細書において、部材(または部材のある部分、以下同様)Aを挟んで部材Bと部材Cとが互いに対向するとは、部材Aと部材Bまたは部材Cとが隣接する形態に限定されず、部材Aと部材Bまたは部材Cとの間に他の構成要素が介在する形態を含む。例えば、電解質層112と空気極114との間に他の層が設けられた構成であっても、空気極114と燃料極116とは電解質層112を挟んで互いに対向すると言える。
また、上記実施形態では、燃料電池スタック100は複数の平板形の発電単位102が積層された構成であるが、本発明は、他の構成、例えば特開2008−59797号に記載されているように、複数の略円筒形の燃料電池単セルが直列に接続された構成にも同様に適用可能である。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の最小単位である電解セルや、複数の電解セルを備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2014−207120号に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解セルおよび電解セルスタックにおいても、燃料極116を上記実施形態と同様の構成とすれば、特定の上流の電解セル単位において原料ガスの供給不足が生じることを抑制することができる。
22:ボルト 24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 100:燃料電池スタック 102D:下流の発電単位 102U:上流の発電単位 104,106:エンドプレート 108:連通孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130:空気極側フレーム 131:孔 132:酸化剤ガス供給連通孔 133:酸化剤ガス排出連通孔 134:空気極側集電体 140:燃料極側フレーム 141:孔 142D:燃料ガス供給連通孔 142U:燃料ガス供給連通孔 143D:燃料ガス排出連通孔 143U:燃料ガス排出連通孔 144:燃料極側集電体 144D:下流の燃料極側集電体 144U:上流の燃料極側集電体 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:インターコネクタ 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス中継マニホールド 173:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 FG:燃料ガス FMG:燃料中間ガス FOG:燃料オフガス OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス

Claims (8)

  1. 固体酸化物を含む電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む単セルと、前記燃料極および前記空気極の一方の電極に対向して配置される対向部材と、前記一方の電極と前記対向部材との両方に接触するように配置される集電部材と、前記一方の電極と前記対向部材とに面し、前記集電部材が配置されるガス室とを含む電気化学反応単位を4つ以上備える電気化学反応セルスタックにおいて、
    4つ以上の前記電気化学反応単位は、第1の前記ガス室が形成された2つ以上の第1の電気化学反応単位と、第2の前記ガス室が形成された2つ以上の第2の電気化学反応単位とを含んでおり、
    前記電気化学反応セルスタックには、2つ以上の前記第1のガス室と、2つ以上の前記第2のガス室とに連通し、前記第1のガス室から排出されたガスを前記第2のガス室に導くガス流路が形成されており、
    各前記第2の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材について、前記第1の方向の厚さが最大である前記集電部材と前記第1の方向の厚さが最小である前記集電部材との前記第1の方向の厚さの差である集電部材厚さの大小差は25(μm)以下であり、
    各前記第1の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材について、前記第1の方向の厚さが最大である前記集電部材と前記第1の方向の厚さが最小である前記集電部材との前記第1の方向の厚さの差である前記集電部材厚さの大小差は、前記第2の電気化学反応単位についての前記集電部材厚さの大小差より大きいことを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  2. 請求項1に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記第2の電気化学反応単位における前記集電部材の前記第1の方向の厚さが、各前記第2の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材の前記第1の方向の厚さの平均値から±2.5(μm)の範囲以内に含まれるという第1の条件を満たす前記第2の電気化学反応単位を含み、
    前記第2の電気化学反応単位の総数に対し、前記第1の条件を満たす前記第2の電気化学反応単位の数の割合は50%以上であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記第1の電気化学反応単位を2つ以上備え、
    各前記第1の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材について、前記第1の方向の厚さが最大である前記集電部材と前記第1の方向の厚さが最小である前記集電部材厚さの大小差は25(μm)以下であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記第1の電気化学反応単位における前記集電部材の前記第1の方向の厚さが、各前記第1の電気化学反応単位に含まれる前記集電部材の前記第1の方向の厚さの平均値から±2.5(μm)の範囲以内に含まれるという第2の条件を満たす前記第1の電気化学反応単位を含み、
    前記第1の電気化学反応単位の総数に対し、前記第2の条件を満たす前記第1の電気化学反応単位の数の割合は50%以上であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記集電部材は、前記一方の電極と前記対向部材との前記第1の方向の離間距離の変位に追随する構成であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  6. 請求項5に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記集電部材は、
    前記一方の電極に対向する第1の対向部と、前記対向部材に対向する第2の対向部と、前記第1の対向部と前記第2の対向部とをつなぐ連接部とを含む導電体と、
    前記第1の対向部と前記第2の対向部との間に配置される絶縁性を有する弾性体と、を備えることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記電気化学反応セルスタックは、2つ以上の前記第1の電気化学反応単位と2つ以上の前記第2の電気化学反応単位とを備えることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記電気化学反応単位は、燃料電池発電単位であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
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