以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明の実施形態例に係るスロットマシンSは、筐体1、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3を主として備えている。
上扉2には、光演出を実行するランプ4、音演出を実行する一対のスピーカ5、画像演出を実行するサブモニタ6、クレジットされたメダル(遊技媒体)の枚数を表示するクレジット表示器7、遊技者に払い出されるメダル枚数を表示する払出枚数表示器8、スロットマシンSに投入(ベット)されたメダル枚数を表示するベットランプ9a〜c、後述のストップボタン16〜18の操作順序に係る情報を表示するメインモニタ10が設けられている。
下扉3には、メダルをスロットマシンSに投入するためのメダル投入口11、クレジットされたメダルをスロットマシンSに投入するためのMAXベットボタン12および1枚ベットボタン13、スロットマシンSに投入されたメダルおよびクレジットされたメダルを精算するための精算ボタン14、後述の各リール34〜36を回転させるためのスタートレバー15、各リール34〜36の回転をそれぞれ停止させるための左ストップボタン16,中ストップボタン17,右ストップボタン18、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出口19、メダル払出口19から払出されたメダルを収容する受皿20が設けられている。
スロットマシンSは、筐体1の内部に、ホッパーユニット21(図3参照)、リールユニット30、電源ユニット(図示省略)等を備えている。
ホッパーユニット21は、スロットマシンSに投入されたメダルを貯留する貯留タンク(図示省略)、この貯留タンクに貯留されたメダルをメダル払出口19より払い出すためのホッパー駆動モータ(図示省略)を有している。
リールユニット30は、左リール34、中リール35および右リール36を有しており、各リール34〜36は、図示せぬステッピングモータの駆動によりそれぞれ回転する。図2に示すように、左リール34の外周面に左図柄列34a、中リール35の外周面に中図柄列35a、右リール36の外周面に右図柄列36aがそれぞれ付されており、各図柄列34a〜36aは均等な20の領域(20コマ)にそれぞれ区画されている。図柄列の各領域に1個の図柄が配置され、各図柄に図柄番号0〜19がそれぞれ対応付けられている。
各図柄列34a〜36aは、上扉2が閉鎖状態にあるときに、上扉2の下部中央に透明材料で形成された表示窓50を通して視認可能になる。各リール34〜36が停止した状態では、各図柄列を構成する20個の図柄のうち連続する3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示窓50に表示されて、3行3列に配置された合計9個の図柄を目視できる。
表示窓50には、各リール34〜36の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段、中段および下段の停止位置が設けられており、各リールの停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。具体的には、図1に示すように、有効ラインLは、各リール34〜36の中段(中段停止位置)の組み合わせからなる。
図2に示すように、各図柄列34a〜36aには、赤7、黒BAR(バー)、白BAR、黒丸1〜4、星、ベル、リプレイの合計10種類の図柄が配置されており、図4,5に示すように、図柄の組合せが予め対応付けられた役が設けられている。役は、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役(REP1〜REP16)、入賞によりメダルを遊技者に払い出す小役(NML1〜NML16)、後述のCB作動への移行契機となるCB役、後述のRBB作動への移行契機となるRBB役に大別される。
電源ユニットは、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ(図示省略)、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キー(図示省略)および設定変更ボタン(図示省略)を有している。本実施形態例のスロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が1〜6までの設定値にそれぞれ対応付けられている。遊技場の管理者は、設定キーや設定変更ボタン等を操作することにより設定値1〜6の間で設定値を変更可能になっている。
次に、図3を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口11から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ11a、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、精算ボタン14、スタートレバー15、各ストップボタン16〜18、その他の装置が接続されており、これら各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインCPUは、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して当該主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ4、一対のスピーカ5、サブモニタ6等の演出装置を制御する。サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入(後述の再遊技の設定を含む)によりスタートレバー15の操作(遊技開始操作とも言う。)を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー15の操作に基づいて複数種類の役の当否を内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された役のフラグ(以下、当選フラグと言う。)を成立させる当選フラグ制御手段103、各リール34〜36の回転および停止を制御するリール制御手段104、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて入賞した場合に、当該小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出すメダル払出手段105、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、主制御処理部100の作動状態である遊技状態を制御する遊技状態移行手段107、メインモニタ10の表示を制御するメインモニタ制御手段108、副制御処理部200の作動状態である演出モードを制御する演出モード制御部110が構築されている。
遊技状態は、図8に示すように、通常状態、RBB内部、CBB内部と、RBB作動およびCB作動に大別され、通常状態は、非RT、RT1〜RT3に分別される。通常状態、RBB内部は小役の当選確率が約1/7に設定されており、RBB作動は小役の当選確率が約1/1.1の高確率に設定されている。非RT、RT1およびRT2は再遊技役の当選確率が約1/7に設定され、RT3は再遊技役の当選確率が約1/2の高確率に設定されている。なお、CB作動は内部抽選の結果に拘わらず全ての小役に対応する当選フラグが成立する遊技状態である。
演出モードは、図9に示すように、非ARTモード、ARTモードおよびART終了モードに大別され、ARTモードは、ART開始ゾーン、ART特典付与ゾーンおよび本ARTゾーンに分別される。非ARTモードでは通常の遊技が行われ、ARTモードではART遊技が行われる。ART遊技とは、AT遊技とRT遊技とを兼ねた遊技であって、通常の遊技よりも遊技者に有利な遊技である。AT遊技とはストップボタンの操作順序をメインモニタ10およびサブモニタ6に表示してメダルの獲得を容易とさせる遊技であり、RT遊技とは内部抽選で再遊技役が高確率で当選する遊技である。
副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて、演出モードを複数種類の演出モードの間で移行させる演出モード移行手段201、演出装置(ランプ4、一対のスピーカ5、サブモニタ6)で演出を実行する演出実行手段202が構築されている。
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
スタートレバー有効化手段101は、通常状態およびRBB内部では、3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させ、RBB作動およびCB作動では、2枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させる。
内部抽選手段102は、有効化されたスタートレバー15の操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する。具体的には、内部抽選手段102は、主制御処理部100のメインROMに記憶された内部抽選テーブル(図示省略)を遊技状態に応じて参照し、参照したテーブルと取得された内部抽選用の乱数値とに基づいて当選エリアを決定する。なお、役および当選エリアについては後述する。
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役に係る当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットし、成立させた当選フラグがRBB役に係る当選フラグである場合には、これらの役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されるまで当該当選フラグを持ち越す。
また、当選フラグ制御手段103は、遊技状態がCB作動に滞在している場合には、内部抽選の結果に拘わらず、全ての小役に係る当選フラグをONにセットし、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。
リール制御手段104は、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の操作に基づいて各リール34〜36の回転を開始させ、各リール34〜36が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リール34〜36が定常回転に到達すると、各リールの回転速度を維持する。そして、リール制御手段104は、各リールの回転速度が定常回転に到達すると、全てのストップボタン16〜18の操作を有効化させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールの回転を停止させる。
リール制御手段104は、CB作動以外の遊技状態では、各ストップボタン16〜18の停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。ここで、各リール34〜36の定速回転数は約80回/分であるため、定速回転数の下で各リール34〜36が一回転に要する時間は60s/約80回≒約750msとなり、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は750ms/20図柄=37.5msとなる。このため、リールは対応するストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる((190ms/37.5ms)−1図柄≒4図柄)。
また、リール制御手段104は、CB作動では、各リール34〜36のうち一のリールの回転を当該一のリールに対応するストップボタンの停止操作時から75ms以内に、他のリールの回転を当該他のリールに対応するストップボタンの停止操作から190ms以内に、それぞれ停止させるよう制御する。よって、前記一のリールはストップボタンの押下タイミングから最大で1図柄(1コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると2コマ分)だけ回転可能となり、他のリールはストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分だけ回転可能となる。
さらに、リール制御手段104は、複数の当選フラグが同時に成立している場合において、CB作動以外の遊技状態ではストップボタンの押下タイミングから最大滑りコマ数である4コマの範囲内で、CB作動ではストップボタンの押下タイミングから1コマまたは4コマの範囲内で、成立している複数の当選フラグに対応する各々の役のうちメダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する払出枚数優先制御と、成立している複数の当選フラグに対応する各々の役に対応する図柄組合せの個数が最も多くなるように当該役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示するようリールを制御する個数優先制御と、RBB内部において、RBB役に対応する図柄組合せよりも小役または再遊技役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する役付け優先制御とにより最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
遊技状態移行手段107は、内部抽選で決定された役および有効ラインLに表示された図柄の組合せに応じて、通常状態(非RT1〜RT3)、RBB内部、RBB作動およびCB作動の間で遊技状態の移行を制御する。ここで、役、役の対応付けられた当選エリア、遊技状態の遷移について、図4〜8を用いて以下に説明する。
図6,7に示すように、59種類の当選エリアが設けられており、当選エリア番号0番(当選エリア「不当選」)を除く各当選エリアに1または複数の役がそれぞれ対応付けられている。なお、同図中に示す「打順」とは各ストップボタン16〜18の操作順序のことであり、「打順1」は左ストップボタン16→中ストップボタン17→右ストップボタン18の順序を示し、これと同様に、「打順2」は左→右→中の順序、「打順3」は中→左→右の順序、「打順4」は中→右→左の順序、「打順5」は右→左→中の順序、「打順6」は右→中→左の順序を示している。
RBB役は、当選エリア番号58番と59番(当選エリア「RBB」,「RBB+中段黒リプ」)に対応付けられており、小役の当選確率が約1/7である通常状態(非RT、RT1〜RT3)を小役の当選確率が約1/1.1であるRBB作動へ移行させる役として機能する。RBB役は、図7に示すように、通常状態で内部抽選の対象とされ、その他の遊技状態(RBB内部、RBB作動およびCB作動)で内部抽選の対象から除外されている。
図8に示すように、通常状態(非RT,RT1〜RT3)で当選エリア「RBB」(58番)に当選すると、遊技状態が通常状態からRBB内部に移行する(同図中のF)。このRBB内部中にRBB役に対応する図柄組合せ(図4,「赤7図柄」−「赤7図柄」−「赤7図柄」の図柄組合せ)が有効ラインLに表示されると、遊技状態がRBB内部からRBB作動に移行する(同図中のG)。そして、RBB作動中にメダルの払出総数が411枚を超えるとRBB作動の終了条件が満たされて、遊技状態がRBB作動から通常状態の非RTに移行する(同図中のH)。なお、当選エリア「RBB+中段黒リプ」(59番)にはRBB役とREP9の双方がそれぞれ対応付けられており、これに当選すると、リール制御手段104は、役付け優先制御によりRBB役よりもREP9を優先させてREP9に対応する図柄組合せ(図4参照)を有効ラインLに表示するよう制御する。
CB役は、当選エリア番号57番(当選エリア「CB」)に対応付けられており、内部抽選の結果に拘わらず全ての小役に係る当選フラグが成立するCB作動へ移行させる役として機能する。CB役は、図7に示すように、通常状態で内部抽選の対象とされ、その他の遊技状態で内部抽選の対象から除外されている。
図8に示すように、通常状態(非RT,RT1〜RT3)で当選エリア「CB」(57番)に当選し、CB役に対応する図柄組合せ(図4、「リプレイ図柄」−「ベル図柄」−「ベル図柄」の図柄組合せ)が有効ラインLに表示されると、遊技状態が通常状態からCB作動に移行する(同図中のJ)。このCB作動では、内部抽選の結果に拘わらず全ての小役に係る当選フラグが成立すると共に、リール制御手段104の払出枚数優先制御によってメダル払出枚数の最も多い小役(メダル払出14枚のNML1〜3)が入賞するようにリールが制御される。このため、CB作動では規定数2枚のメダル投入に対して14枚のメダルが払い出されることになる。そして、CB作動中に1回の遊技が行われるというCB作動の終了条件が満たされて、遊技状態がCB作動から元の通常状態に移行する(同図中のK)。
再遊技役であるREP1〜REP16は、図6,7に示すように、当選エリア番号1番〜44番(当選エリア「通常リプ」〜「煽りリプ」)に対応付けられている。これらREP1〜REP16のうち、一部の再遊技役(REP4〜REP7)は、通常状態(非RT、RT1〜RT3)の間で遊技状態を移行させる役として機能し、他の再遊技役(例えばREP1〜REP3)は、現在の遊技状態を維持する役として機能する。
REP4,5は遊技状態をRT1へ移行させる役として機能し、例えば、当選エリア番号8番〜13番(以下、単に当選エリア「RT3移行リプ」と言う。)に対応付けられている。この当選エリア「RT3移行リプ」は通常状態のRT2で内部抽選の対象となっており、RT2において、例えば、当選エリア「RT3移行リプ1」(8番)に当選したとき、REP4またはREP5に対応する図柄組合せ(図4参照)が有効ラインLに表示される打順2〜打順6(以下、RT1転落打順と言う。)でストップボタンが操作されると、リール制御手段104は、REP4またはREP5に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示し、この表示に基づいて、遊技状態移行手段107は遊技状態をRT2からRT1に移行(転落)させる(図8中のD)。
REP6は遊技状態をRT2へ移行させる役として機能し、例えば、当選エリア「RT2移行リプ1」(2番)〜「RT2移行リプ6」(7番)(以下、単に当選エリア「RT2移行リプ」と言う。)に対応付けられている。この当選エリア「RT2移行リプ」はRT1で内部抽選の対象となっており、RT1において、例えば、当選エリア「RT1移行リプ1」(2番)に当選したとき、REP6に対応する図柄組合せ(図4参照)が有効ラインLに表示される打順1(以下、RT2昇格打順と言う。)でストップボタンが操作されると、リール制御手段104は、REP6に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示し、この表示に基づいて、遊技状態移行手段107は遊技状態をRT1からRT2に移行(昇格)させる(図8中のB)。
REP7は遊技状態をRT3へ移行させる役として機能し、例えば、遊技状態をRT1へ移行させる役として機能するREP4およびREP5が対応付けられている当選エリア「RT3移行リプ」(8番〜13番)に重複して対応付けられている。先述のように、当選エリア「RT3移行リプ」はRT2で内部抽選の対象となっており、RT2において、例えば、当選エリア「RT3移行リプ1」(8番)に当選したとき、REP7に対応する図柄組合せ(図4参照)が有効ラインLに表示される打順1(以下、RT3昇格打順と言う。)でストップボタンが操作されると、リール制御手段104は、REP7に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示し、この表示に基づいて、遊技状態移行手段107は遊技状態をRT2からRT3に移行(昇格)させる(図8中のC)。つまり、RT2で当選エリア「RT3移行リプ1」(8番)に当選したとき、RT1転落打順(打順2〜打順6)でストップボタンが操作されると遊技状態がRT2からRT1に転落し、RT3昇格打順(打順1)でストップボタンが操作されると遊技状態がRT2からRT3に昇格することになる。なお、当選エリア「RT3移行リプ1」(8番)と同様に、当選エリア「RT3移行リプ2」(9番)〜「RT3移行リプ6」(13番)のそれぞれに、遊技状態がRT2からRT1に転落するRT1転落打順と、遊技状態がRT2からRT3に昇格するRT3昇格打順とが対応付けられている。
なお、詳細な説明は後述するが、ARTモードのART開始ゾーンでは、遊技状態をRT3以外の遊技状態からRT3に移行させることを目的としたRT2昇格打順とRT3昇格打順に係る打順演出がサブモニタ6で行われる。一方、非ARTモードやART終了モードでは、遊技状態をRT3以外の遊技状態からRT3に移行させることを目的とした打順演出はサブモニタ6で行われない構成になっている。
REP8〜REP16は、ARTモードのART特典付与ゾーン(図9参照)で遊技者に特典を付与する役として機能し、当選エリア「下段黒リプ1」(14番)〜「中段黒リプ」(42番)(以下、単に当選エリア「黒柄リプレイ」と言う。)に対応付けられている。例えば、当選エリア「下段黒リプ1」(14番)にREP1〜3,REP8,11,REP14〜16が重複して対応付けられており、ART特典付与ゾーンで当選エリア「下段黒リプ1」に当選したとする。このとき、打順1(以下、特典付与可能打順と言う。)でストップボタンが操作されると、REP11に対応する図柄組合せ(図4参照)が有効ラインLに表示され、打順2等(以下、特典付与不可能打順と言う。)でストップボタンが操作されると、REP11以外の例えばREP1に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示される。REP11に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されると、表示窓50の下段に黒丸1〜4の黒丸図柄や黒BAR図柄が並列した態様(以下、黒柄揃態様と言う。)で各リール34〜36が停止し、これに基づいて、特典としてART遊技の回数が付与される場合がある。一方、特典付与不可能打順でストップボタンが操作されると、各リール34〜36が黒柄揃態様で停止することなく特典が付与されない構成になっている。なお、特典として付与されたART遊技回数は主制御処理部100のメインRAMに構築されたART遊技回数記憶領域142に加算記憶される。
小役であるNML1〜NML16は、図7に示すように、当選エリア番号45番〜56番(当選エリア「BB中3択ベル」〜「チャンス目2」)に対応付けられている。図5に示すように、規定数が3枚の遊技状態(RBB作動およびCB作動以外の遊技状態)において、NML1〜NML3はメダル払出枚数が最大(9枚)の小役であり、NML5〜NML14はメダル払出枚数が最小(1枚)の小役であり、NML15,16はメダル払出枚数が3枚の小役である。また、規定数が2枚の遊技状態(RBB作動およびCB作動)において、NML1〜NML3はメダル払出枚数が最大(14枚)の小役であり、NML4〜NML14はメダル払出枚数が最小(1枚)の小役であり、NML15,16はメダル払出枚数が3枚の小役である。
例えば、当選エリア「打順ベル1」(49番)に、NML1,4,9,11が重複して対応付けられている。規定数が3枚の遊技状態で当選エリア「打順ベル1」に当選したときに、打順1(以下、9枚獲得打順と言う。)でストップボタンが操作されると、NML1が入賞して9枚のメダルが払い出される一方、打順2(以下、1枚獲得打順と言う。)でストップボタンが操作されると、NML4,9,11の何れかの小役が入賞して1枚のメダルが払い出される。これに対し、当選エリア「打順ベル1」に当選した場合に、打順3〜6(以下、1枚獲得可能打順と言う。)でストップボタンが操作されると、ストップボタンの操作タイミングに応じてNML4,9,11の何れかの小役が入賞して1枚のメダルが払い出される場合と、NML4,9,11の何れの小役も入賞しない場合(小役を取りこぼす場合)とがある。なお、通常状態のRT3で当選エリア「打順ベル1」に当選したとき、1枚獲得可能打順(打順3〜6)でストップボタンが操作されて小役を取りこぼした場合、図4に示すBLKに対応する図柄組合せが有効ラインLに表示される(詳細な説明は省略)。そうすると、遊技状態がRT3からRT1に移行(転落)する(図8のE)
なお、詳細な説明は後述するが、ARTモードでは、最大メダル枚数を遊技者に払い出すことを目的とした9枚獲得打順に係る打順演出やBLKに対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されないことを目的とした打順演出がサブモニタ6で行われ、非ARTモードやART終了モードでは、このような打順演出がサブモニタ6で行われない構成になっている。
図3に説明を戻し、メインモニタ制御手段108は、後述の演出モード制御部110が例えばRT3昇格打順や9枚獲得打順等の操作順序の情報が含まれた打順演出コマンドを副制御処理部200に送信した場合に、当該コマンドに含まれているストップボタンの操作順序の情報に対応する打順指示情報をメインモニタ10に表示する。
次に、演出モード制御部110によって制御される演出モードの概要について図9を参照しながら説明する。
演出モードは、通常遊技が行われる非ARTモード、ART遊技が行われるARTモード、ARTモードの終了後に移行するART終了モードに大別される。非ARTモードではARTモードへの移行抽選(以下、ART抽選と言う。)が行われ、このART抽選に当選するとARTモードへの移行が決定する。そして、ARTモードへの移行が決定してから所定回数の遊技(例えば10回)が行われると演出モードが非ARTモードからARTモードに移行する(図9のA)。なお、非ARTモードでART抽選に当選した後に初めて移行するARTモードのことを「1回目(最初)のARTモード」と言うことにする。
演出モードがARTモードに移行すると、まず、ARTモードのART開始ゾーンに滞在する。本実施形態例では、ART開始ゾーンの1回目の遊技の開始時(以下、ARTモードの開始時と言う。)に、今回のARTモードの終了後に新たなARTモードを再び設定(再設定)するか否かの抽選(以下、再設定抽選と言う。)を行うと共に、新たなARTモードに関する複数のパラメータを事前に決定している(図9のB)。なお、本実施形態例では、新たなARTモードに関する複数のパラメータとして、再設定時期、再設定抽選の当選確率、特典付与抽選の当選確率、本ARTゾーンの種類を事前に決定している(詳しくは後述)。
また、ART開始ゾーンでは、内部抽選の結果に応じて、遊技状態をRT3以外の遊技状態からRT3に移行させることを目的としたRT2昇格打順とRT3昇格打順に係る打順演出や最大メダル枚数を獲得できる9枚獲得打順に係る打順演出を実行している。ART開始ゾーンにおいて、打順演出に従ってストップボタンが操作されることにより、再遊技役の当選確率が約1/2のRT3に移行(昇格)すると、演出モードがART開始ゾーンからART特典付与ゾーンに移行する(図9のC)。
ART特典付与ゾーンでは、図示せぬ味方キャラクタAと敵キャラクタB〜Fの登場するバトル演出がサブモニタ6で行われる。この味方キャラクタAと敵キャラクタB〜Fとのバトル演出の内容は、内部抽選の結果およびリールの停止態様に対応している。具体的には、ART特典付与ゾーンで当選エリア「黒柄リプレイ」(14番〜42番)に当選したとき、REP11等に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示可能な特典付与打順でストップボタンが操作されて黒柄揃態様(黒丸1〜4図柄や黒BAR図柄が並列している態様)で各リール34〜36が停止すると、味方キャラクタAが敵キャラクタB〜Fの何れかを攻撃する演出が行われてART遊技の回数が付与される場合がある。一方、当選エリア「黒柄リプレイ」に当選したとき黒柄揃態様で各リール34〜36が停止しなかった場合には、敵キャラクタB〜Fの何れかが味方キャラクタAを攻撃する演出が行われてART遊技の回数が付与されない構成になっている。なお、本実施形態例では、ART特典付与ゾーンで所定回数(例えば20回)以上のART遊技が必ず付与される(所謂ART遊技回数の最低保障)。
そして、ART特典付与ゾーンで所定の終了条件が成立すると(例えば、REP1に対応する図柄組合せ等の所定の図柄組合せが有効ラインLに表示されたり、ART特典付与ゾーンを終了させるための転落抽選に当選したりすると)、ART特典付与ゾーンが終了して演出モードが本ARTゾーンに移行する(図9のD)。
本ARTゾーンの滞在期間は、ART特典付与ゾーンで獲得したART遊技の回数に相当する期間となる。この本ARTゾーンでは、演出モードをART特典付与ゾーンに移行させるか否かを抽選(以下、特典付与抽選と言う。)により決定しており、特典付与抽選に当選すると演出モードが本ARTゾーンからART特典付与ゾーンに移行する(図9のF)。しかる後に、ART特典付与ゾーンで先述の終了条件が成立するまでART遊技の回数を加算する機会が与えられ、この終了条件が成立すると再び本ARTゾーンに移行する(図9のD)。
本ARTゾーンでは、1回のART遊技が行われる毎にART遊技回数記憶領域142から「1」が減算され、この記憶領域に記憶されているART遊技回数が「0」になると、演出モードがARTモードの本ARTゾーンからART終了モードに移行する(図9のE)。ただし、今回のARTモードの開始時に行われた再設定抽選に当選していることに基づいて、ARTモードの終了直後に再びARTモードに移行する場合がある(図9のG)。
ART終了モードでは、RT2昇格打順やRT3昇格打順、そして9枚獲得打順に加えて、遊技状態をRT1へ移行させるBLKに対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されないような打順(以下、RT3維持打順と言う。)に係る打順演出の実行が行われることはない。これにより、内部抽選の結果およびストップボタンの操作態様に応じて、RT1への移行機能を備えている役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されると遊技状態がRT1に転落する。そうすると、演出モードがART終了モードから非ARTモードに移行(転落)する(図9のJ)。このとき、今回のARTモードの開始時に行われた再設定抽選に当選していることに基づいて、演出モードが再びARTモードに移行する場合がある(図9のH)。以下に、図3を用いて演出モードを制御する演出モード制御部110を説明する。
演出モード制御部110は、非ARTモードでART抽選を行うART抽選手段111、ARTモードの終了後に新たなARTモードを再び設定するか否かを再設定抽選で決定する再設定抽選手段112、ARTモードが設定された回数をカウントする設定回数カウント手段113、ARTモードの本ARTゾーンで遊技者に特典を付与するか否かを特典付与抽選により決定する特典付与抽選手段114、演出モードの移行に関する情報を含む演出モードコマンドやストップボタンの打順に関する情報を含む打順演出コマンドを副制御処理部200に送信する演出コマンド送信手段115、今回のARTモードの開始時に次回のARTモード(再設定される新たなARTモード)に関する複数のパラメータ(再設定時期、再設定抽選の当選確率、特典付与抽選の当選確率、本ARTゾーンの種類)を事前に決定するパラメータ決定手段120、パラメータ決定手段120により事前に決定された複数のパラメータを再設定抽選の結果がハズレとなった後に破棄するパラメータ破棄手段130を備えている。
ART抽選手段111は、非ARTモードで特定役に当選したことや、非ARTモードで例えば120回の遊技が行われる一定の周期毎、あるいは、非ARTモードで特定の連続演出が実行されること等を契機にART抽選を行う。
再設定抽選手段112は、ARTモードの開始時に所定の当選確率(16%、50%〜80%、100%)で再設定抽選を行う。なお、ARTモードの設定回数が「1」の場合、すなわち、1回目のARTモードの場合には、再設定抽選手段112は必ず16%の当選確率で再設定抽選を行うが、ARTモードの設定回数が「2」以上の場合には、再設定抽選手段112はパラメータ決定手段120により事前に決定された再設定抽選の当選確率に従って再設定抽選を行う。これについては詳しく後述する。
設定回数カウント手段113は、非ARTモードでART抽選に当選したことにより、演出モードが非ARTモードからARTモードに初めて移行してから再設定抽選の結果がハズレとなって再び非ARTモードに移行するまでの間に、ARTモードが設定される毎に主制御処理部100のメインRAMに構築された設定回数記憶領域141に「1」を加算する。
また、設定回数カウント手段113は、再設定抽選の結果がハズレとなって演出モードが非ARTモードに移行した場合に設定回数記憶領域141に記憶されているARTモードの設定回数をクリアする。
特典付与抽選手段114は、ARTモードの本ARTゾーンにおいて所定の当選確率(1/40、1/30、1/20)で特典付与抽選を行う。なお、ARTモードの設定回数が「1」の場合、すなわち、1回目のARTモードの場合には、特典付与抽選手段114は必ず1/40の当選確率で特典付与抽選を行うが、ARTモードの設定回数が「2」以上の場合には、特典付与抽選手段114はパラメータ決定手段120により事前に決定された特典付与抽選の当選確率に従って特典付与抽選を行う。なお、特典付与抽選は、本ARTゾーンで特定役に当選したこと、本ARTゾーンで例えば50回の遊技が行われる一定の周期毎、あるいは、本ARTゾーンで特定の連続演出が行われること等を契機に行われる。
演出コマンド送信手段115は、例えば、ART抽選に当選した場合には、ARTモードの情報を含む演出モードコマンドを所定のタイミングで副制御処理部200に送信し、このコマンドを副制御処理部200が受信すると、演出モード移行手段201が演出モードコマンドに含まれているARTモードの情報に従って演出モードをARTモードに移行させる。
また、演出コマンド送信手段(再設定手段)115は、ART抽選に当選した場合と同様に、ARTモードの開始時に行われる再設定抽選に当選した場合には、ARTモードの情報を含む演出モードコマンドをARTモードの終了後の所定のタイミングで副制御処理部200に送信する。副制御処理部200がARTモードの情報を含む演出モードコマンドを受信すると、当該演出モードコマンドに含まれているARTモードの情報に従って、演出モード移行手段201が演出モードをARTモードに移行させる。つまり、再設定抽選に当選した場合には、ARTモードの終了後に新たなARTモードが再び設定されることになる。そして、新たなARTモードの再設定時期は、パラメータ決定手段120により事前に決定される。
パラメータ決定手段120は、ARTモードの再設定時期(所謂引き戻し時期)を決定する再設定時期決定手段121、再設定抽選の当選確率を決定する再設定当選確率決定手段122、特典付与抽選の当選確率を決定する特典付与当選確率決定手段123、ARTモードで滞在する本ARTゾーンの種類を決定する本ARTゾーン種類決定手段124、を備えて構成されている。なお、パラメータ決定手段120は、再設定時期決定手段121、再設定当選確率決定手段122、特典付与当選確率決定手段123、本ARTゾーン種類決定手段124により事前に決定されたパラメータをパラメータ記憶領域143に記憶する。
再設定時期決定手段121は、今回のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の結果に拘わらず、今回のARTモードの開始時に次回のARTモード(新たなARTモード)の再設定時期を事前に決定する。具体的には、再設定時期決定手段121は、図10(a)に示すように、ARTモードの再設定時期をARTモードの終了直後(以下、再設定時期Aと言う。)またはARTモードの終了後に遊技状態がRT1に転落した直後(以下、再設定時期Bと言う。)の何れか一方に決定する。
再設定当選確率決定手段122は、今回のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の結果に拘わらず、今回のARTモードの開始時に、次回のARTモード(新たなARTモード)の開始時に行われる再設定抽選の当選確率を事前に決定する。なお、本実施形態例では、先述のように、1回目のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選確率は16%に予め設定(固定)されている。
具体的には、再設定当選確率決定手段122は、図10(b)に示すように、設定回数記憶領域141に記憶されているARTモードの設定回数に応じて再設定抽選の当選確率を決定するよう構成され、ARTモードの設定回数が「1回」の場合には、次回の再設定抽選の当選確率を50%〜80%に決定し、ARTモードの設定回数が「2回」以上の場合には、次回の再設定抽選の当選確率を50%〜80%または100%に決定する。つまり、2回目のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選確率は50%〜80%に決定され、3回目以降のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選確率は50%〜80%または100%に決定される。なお、ARTモードの設定回数が「2回」以上の場合において、再設定抽選の当選確率が100%となる確率(例えば10%)は、再設定抽選の当選確率が50%〜80%となる確率(例えば90%)よりも低確率に設定されている。
特典付与当選確率決定手段123は、今回のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の結果に拘わらず、今回のARTモードの開始時に、次回のARTモードの本ARTゾーン中に行われる特典付与抽選の当選確率を事前に決定する。なお、本実施形態例では、先述のように、1回目のARTモードにおける本ARTゾーンで行われる特典付与抽選の当選確率は1/40に予め設定(固定)されている。
具体的には、特典付与当選確率決定手段123は、図10(c)に示すように、再設定当選確率決定手段122により決定された再設定抽選の当選確率に応じて、特典付与抽選の当選確率を決定するよう構成され、再設定抽選の当選確率が50%〜80%の場合に特典付与抽選の当選確率を1/30に決定し、再設定抽選の当選確率が100%の場合に特典付与抽選の当選確率を1/20に決定する。つまり、2回目のARTモードの滞在中に行われる特典付与抽選の当選確率は1/30に決定され、3回目以降のARTモードの滞在中に行われる特典付与抽選の当選確率は1/30または1/20に決定される。
本ARTゾーン種類決定手段124は、再設定当選確率決定手段122により決定された再設定抽選の当選確率(すなわち、特典付与当選確率決定手段123により決定された特典付与抽選の当選確率)に応じて、次回の本ARTゾーンの種類(本ART1ゾーン、本ART2ゾーン、本ART3ゾーン)を決定する。なお、本実施形態例では、1回目のARTモードにおける本ARTゾーンの種類は予め本ART1ゾーンに設定(固定)されている。
具体的には、本ARTゾーン種類決定手段124は、図10(d)に示すように、次回の再設定抽選の当選確率が「50%〜80%」、かつ、次回の特典付与抽選の当選確率が「1/30」に決定された場合に、次回のARTモードで滞在する本ARTゾーンの種類を「本ART2ゾーン」に決定し、次回の再設定抽選の当選確率が「100%」、かつ、次回の特典付与抽選の当選確率が「1/20」に決定された場合に、次回のARTモードで滞在する本ARTゾーンの種類を「本ART3ゾーン」に決定する。
このように、本実施形態例では、1回目のARTモードを除き、2回目以降のARTモードに関する複数のパラメータ(再設定時期、再設定抽選の当選確率、特典付与抽選の当選確率、本ARTゾーンの種類)は前回のARTモードの開始時に事前に決定される構成になっており、1回目のARTモードの開始時に16%の当選確率で行われる再設定抽選に当選した場合には、1回目のARTモードの終了後に2回目のARTモードが再設定され、2回目のARTモードでは、50%以上の当選確率で再設定抽選が行われると共に、1/30の当選確率で特典付与抽選が行われる構成になっている。そして、3回目以降のARTモードでは、本ART3ゾーンに滞在する可能性があり、本ART3ゾーンに滞在した場合には、100%の当選確率で再設定抽選が行われると共に、1/20の当選確率で特典付与抽選が行われるため、本ART3ゾーンの滞在は、次回のARTモードの設定(新たなARTモードの再設定)が確定的となる。さらに、本実施形態例では、本ARTゾーンの種類(本ARTゾーン1〜3)に応じて異なる映像(画像)がサブモニタ6に表示されるように構成されているため、本ARTゾーンで表示される映像は、再設定抽選と特典付与抽選の当選確率を遊技者に示唆することが可能である。なお、本ARTゾーンの種類に対応する映像の具体例については図18を用いて後述する。
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について図11のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1〜S5)
規定数のメダルがスロットマシンSに投入されると(S1)、スタートレバー15が有効化され(S2)、かかる後に、スタートレバー15の操作が行われると(S3)、内部抽選が行われる(S4)。そして、内部抽選で決定された役に対応する当選フラグがONにセットされる(S5)。
(ステップS6〜S8)
次に、前回の遊技における各リール34〜36の回転開始時点から所定時間(例えば4.1秒)の経過を条件に各リール34〜36の回転が一斉に開始され(S6)、全てのリールが定常回転に達した後に全てのストップボタンの操作が有効化される(S7)。そして、有効化された各ストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールを停止させる(S8)。
(ステップS9〜S13)
次に、ステップS4の内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されているか否かの遊技結果判定処理が行われ(S9)、この遊技結果判定処理に応じて、小役の入賞によるメダル払出処理(S10)、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことによる再遊技設定処理(S11)、RBB役やCB役あるいは遊技状態をRT1やRT3等へ移行させる役として機能する再遊技役等に係る図柄組合せが表示されたこと等による遊技状態の移行処理(S12)、遊技結果判定処理の結果に応じて当選フラグのON・OFFを制御する当選フラグ制御処理(S13)が行われる。
このように、本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の遊技開始操作に基づいて複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール34〜36の回転を開始させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作および内部抽選の結果に基づいて各リール34〜36の回転を停止させて1回の遊技を行う。そして、この1回の遊技が行われる間に、演出モードコマンドに代表される複数種類のコマンドが所定のタイミングで副制御処理部200に送信され、これら複数種類のコマンドに基づいて演出モード移行手段201が演出モードを移行し、演出実行手段202が各演出装置で様々な演出を実行する構成になっている。
次に、演出モードの制御に関する演出モード制御処理を図12〜図17を参照しながら説明する。なお、本実施形態例では、演出モード制御処理はスタートレバー15の操作(遊技開始操作)に基づいて行われる。
(ステップS101,S110)
図12に示すように、ステップS3で遊技開始操作が行われると、まず、演出モードが非ARTモードであるか否かが判断され(S101)、非ARTモードである場合には(S101でYes)ステップS110に処理を移して非ARTモード制御処理が行われ、非ARTモードでない場合には(S101でNo)ステップS102に処理を移す。
非ARTモード制御処理(S110)についての詳細な説明は省略するが、非ARTモードでART抽選が行われ、ART抽選の当選に基づいて演出モードがARTモードに移行する。
(ステップS102,S130,S190)
次に、演出モードがARTモードであるか否かが判断され(S102)、ARTモードである場合には(S102でYes)ステップS130に処理を移してARTモード制御処理が行われ、ARTモードでない場合には(S102でNo)ステップS190に処理を移してART終了モード制御処理が行われる。
次に、ARTモード制御処理(S130)について図13を参照しながら説明する。
(ステップS131,S140)
まず、演出モードがART開始ゾーンであるか否かが判断され(S131)、ART開始ゾーンである場合には(S131でYes)ステップS140に処理を移してART開始ゾーン制御処理が行われ、ART開始ゾーンでない場合には(S131でNo)ステップS132に処理を移す。
(ステップS132,S160,S170)
ステップS131でNoの場合、すなわち、演出モードがART開始ゾーンでない場合には、演出モードがART特典付与ゾーンであるか否かが判断され(S132)、ART特典付与ゾーンである場合には(S132でYes)ステップS160に処理を移してART特典付与ゾーン制御処理が行われる一方、ART特典付与ゾーンでない場合には(S132でNo)ステップS170に処理を移して本ARTゾーン制御処理が行われる。
以下に、ART開始ゾーン制御処理(S140)、ART特典付与ゾーン制御処理(S160)、本ARTゾーン制御処理(S170)について説明をするが、まず、ART開始ゾーン制御処理(S140)について図14を参照しながら説明する。
(ステップS141)
まず、今回の遊技がART開始ゾーンにおける1回目の遊技であるか否かを判断し、1回目の遊技でない場合(S141でNo)にはART開始ゾーン制御処理を終了させ、1回目の遊技である場合(S141でYes)にはステップS142に処理を移す。
(ステップS142,S143)
次に、設定回数記憶領域141に「1」を加算すると共に(S142)、今回のARTモードが1回目(最初)のARTモードであるか否か、すなわち、設定回数記憶領域141に記憶されているARTモードの設定回数が「1」であるか否かを判断する(S143)。
(ステップS144)
ステップS143でNoの場合、すなわち、今回のARTモードが1回目のARTモードでない場合には、前回のARTモードの開始時に事前に決定された複数のパラメータが記憶されているパラメータ記憶領域143から各パラメータを抽出し、これらパラメータに応じて今回のARTモードにおける再設定時期、再設定抽選の当選確率、特典付与抽選の当選確率、本ARTゾーンの種類を決定する。
(ステップS145〜S147)
ステップS143でYesの場合、すなわち、今回のARTモードが1回目のARTモードである場合には、今回のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選確率を16%に設定し(S145)、今回のARTモードの本ARTゾーン中に行われる特典付与抽選の当選確率を1/40に設定し(S146)、今回の本ARTゾーンの種類を本ART1ゾーンに決定する(S147)。
(ステップS148)
次に、次回のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選確率を50%〜80%、100%の中から事前に決定する。具体的には、今回のARTモードが1回目のARTモードである場合(設定回数記憶領域141に「1」が記憶されている場合)には、次回の再設定抽選の当選確率を50%〜80%に決定し、今回のARTモードが2回目以降のARTモードである場合(設定回数記憶領域141に「2」以上が記憶されている場合)には、次回の再設定抽選の当選確率を50%〜80%または100%に決定する。なお、今回のARTモードが2回目以降のARTモードである場合には、90%の確率で次回の再設定抽選の当選確率を50〜80%に決定し、残り10%の確率で次回の再設定抽選の当選確率を100%に決定する。
(ステップS149)
(ステップS149)
次に、次回のARTモードの本ARTゾーン中に行われる特典付与抽選の当選確率を事前に決定する。具体的には、ステップS148で次回の再設定抽選の当選確率が50%〜80%に決定された場合に特典付与抽選の当選確率を1/30に決定し、次回の再設定抽選の当選確率が100%に決定された場合に特典付与抽選の当選確率を1/20に決定する。
(ステップS150)
次に、次回のARTモードの開始時期(引き戻し時期)、すなわち、新たなARTモードの再設定時期を「ARTモードの終了直後(再設定時期A)」および「ARTモードの終了後に遊技状態がRT1に転落した直後(再設定時期B)」の何れか一方に決定する。
(ステップS151)
次に、次回のARTモードで滞在する本ARTゾーンの種類を事前に決定する。具体的には、ステップS148で決定された再設定抽選の当選確率が50%〜80%の場合に本ART2ゾーンに決定し、ステップS148で決定された再設定抽選の当選確率が100%に決定された場合に本ART3ゾーンに決定する。
(ステップS152)
次に、今回のARTモードの終了後に新たなARTモードを再設定するか否かの再設定抽選を行う。なお、今回のARTモードが1回目のARTモードである場合には当選確率(16%)で再設定抽選が行われ、今回のARTモードが2回目のARTモードである場合には当選確率(50%〜80%)で再設定抽選が行われ、今回のARTモードが3回目以降のARTモードである場合には、当選確率(50%〜80%または100%)で再設定抽選が行われる。
(ステップS153)
次に、ステップS152で再設定抽選に当選したか否かが判断され、再設定抽選に当選した場合(S153でYes)には、ステップS154に処理を移し、再設定抽選に当選しなかった場合(S153でNo)には、ステップS157に処理を移す。
(ステップS154〜S156)
次に、再設定抽選に当選したことに基づいて、再設定当選フラグをONにセットすると共に(S154)、ステップS150で決定された再設定時期に対応する再設定時期フラグをONにセットする(S154)。そして、ステップS148〜S151で決定された複数のパラメータをパラメータ記憶領域143に記憶して(S156)、ART開始ゾーン制御処理を終了させる。なお、ステップS150で決定された再設定時期が再設定時期Aの場合には再設定時期AフラグがONにセットされ、再設定時期が再設定時期Bの場合には再設定時期BフラグがONにセットされる。
(ステップS157,S158)
一方、ステップS153でNoの場合、すなわち、再設定抽選でハズレとなった場合には、ART終了モードフラグをONにセットすると共に(S157)、ステップS148〜S151で決定された各パラメータをパラメータ記憶領域143に記憶することなく破棄して(S158)、ART開始ゾーン制御処理を終了させる。
次に、ART特典付与ゾーン制御処理(S160)について説明する。図示は省略するが、ART特典付与ゾーンで当選エリア「黒柄リプレイ」(14番〜42番)に当選したとき、特典付与打順でストップボタンが操作されて黒丸図柄や黒BAR図柄が並列した黒柄揃態様で各リール34〜36が停止すると、所定の確率でART遊技の回数が付与され、各リール34〜36が黒柄揃態様で停止しなかった場合には、ART遊技の回数が付与されることはない。そして、ART特典付与ゾーンで所定の終了条件が成立すると、演出モードがART特典付与ゾーンから本ARTゾーンに移行する。
次に、本ARTゾーン制御処理(S170)について図15を用いて説明する。
(ステップS171,S172)
まず、本ARTゾーンで遊技開始操作が行われるとART遊技回数記憶領域142から「1」が減算される(S171)。そして、例えば、遊技開始操作に基づいて行われた内部抽選の結果および特典付与抽選の当選確率に基づいて特典付与抽選が行われる(S172)。
具体的には、本ARTゾーンの種類が本ART1ゾーンの場合(1回目のARTモード)ステップS146で決定された特典付与抽選の当選確率(1/40)で特典付与抽選が行われ、本ARTゾーンの種類が本ART2ゾーンの場合(再設定(2回目以降)のARTモード)ステップS144で抽出・決定された特典付与抽選の当選確率(1/30)で特典付与抽選が行われ、本ARTゾーンの種類が本ART3ゾーンの場合(再設定(3回目以降)のARTモード)ステップS144で抽出・決定された特典付与抽選の当選確率(1/20)で特典付与抽選が行われる。
(ステップS173)
次に、特典付与抽選に当選したか否かが判断され、特典付与抽選に当選しなかった場合(S173でNo)には、ART遊技回数記憶領域142に記憶されているART遊技回数が「0」であるか否かが判断される(S174)。このとき、ART遊技回数が「0」である場合(S174でYes)には、ステップS180に処理を移して本ARTゾーン終了処理が行われ、ART遊技回数が「0」でない場合(S174でNo)本ARTゾーン制御処理を終了させる。一方、特典付与抽選に当選した場合(S173でYes)には、次回の遊技で演出モードをART特典付与ゾーンに移行させて(S175)本ARTゾーン制御処理を終了させる。
次に、本ARTゾーン終了処理(S180)について図16を用いて説明する。
(ステップS181〜S186)
まず、再設定当選フラグがステップS154でONにセットされているか否かを判断し(S181)、この再設定当選フラグがONにセットされている場合には(S181でYes)、次に、ARTモードの再設定時期がARTモードの終了直後であることを示す再設定時期AフラグがONにセットされているか否かを判断する(S182)。このとき、再設定時期AフラグがONにセットされている場合(S182でYes)には、次の遊技の開始時に演出モードをART開始ゾーンに移行させる(S183)。そして、再設定時期AフラグをOFFにすると共に(S184)、再設定当選フラグをOFFにセットして(S185)、本ARTゾーン終了処理を終了させる。一方で、再設定時期AフラグがONにセットされていない場合(S182でNo)には、再設定時期BフラグがステップS154でONにセットされていることになるため、次回の遊技の開始時に演出モードをART終了モードに移行させると共に(S186)、再設定当選フラグおよび再設定時期BフラグをONで維持して本ARTゾーン終了処理を終了させる。
(ステップS186)
次に、ステップS181でNoの場合、すなわち、再設定当選フラグがONにセットされていない場合、次の遊技の開始時に演出モードをART終了モードに移行させて本ARTゾーン終了処理を終了させる。
次に、ART終了モード制御処理(S190)について図17を参照しながら説明する。
(ステップS191)
まず、遊技状態がRT1であるか否かを判断し(S191)、遊技状態がRT1でない場合(S191でNo)には、ART終了モード制御処理を終了し、遊技状態がRT1である場合(S191でYes)には、ステップS192に処理を移す。
(ステップS192〜S196)
次に、再設定当選フラグがステップS154でONにセットされているか否かを判断し(S192)、この再設定当選フラグがONにセットされている場合には(S192でYes)、ARTモードの再設定時期がRT1転落直後であることを示す再設定時期BフラグがONにセットされていることになるため、次の遊技の開始時に演出モードをARTモードのART開始ゾーンに移行させる(S193)。そして、再設定時期BフラグをOFFにすると共に(S194)、再設定当選フラグをOFFにセットして(S195)、ART終了モード制御処理を終了させる。一方で、再設定当選フラグがONにセットされていない場合(S192でNo)には、次の遊技の開始時に演出モードを非ARTモードに移行させて(S196)、ART終了モード制御処理を終了させる。
次に、再設定抽選の当選によりARTモードが再設定される様子について図18を用いて説明する。
図18(a)に示すように、非ARTモードでART抽選に当選したことに基づいてARTモードに移行するとサブモニタ6にART突入の表示がなされてARTモードに移行したことが遊技者に報知される。
1回目のARTモードの開始時に、2回目のARTモードに関する複数のパラメータ(再設定時期、再設定抽選の当選確率、特典付与抽選の当選確率、本ARTモードの種類)が事前に決定されると共に、16%の当選確率で再設定抽選が行われる。例えば、この再設定抽選に当選すると1回目のARTモードの終了後の再設定時期Aまたは再設定時期Bの何れかに2回目のARTモードが再設定されることになる。そして、図18(b)に示すように、1回目のARTモードでは本ART1ゾーンに滞在して本ART1ゾーンに対応する映像(画像)がサブモニタ6に表示されて、この本ART1ゾーンにおいて1/40の当選確率で特典付与抽選が行われることになる。なお、1回目のARTモードの開始時に2回目のARTモードに関する再設定抽選の当選確率が80%に決定されたとする。
2回目のARTモードの開始時に3回目のARTモードに関する複数のパラメータが事前に決定されると共に、1回目(前回)のARTモードの開始時に事前に決定された80%の当選確率で再設定抽選が行われる。例えば、この再設定抽選に当選すると2回目のARTモードの終了後に3回目のARTモードが再設定されることになる。そして、図18(c)に示すように、2回目のARTモードでは本ART2ゾーンに滞在し、1/30の当選確率で特典付与抽選が行われることになる。このとき、遊技者は本ART2ゾーンに対応する図18(c)の映像(画像)を見て、2回目(今回)のARTモードの開始時に50%〜80%の間で再設定抽選が行われたこと、および、2回目のARTモードで滞在する本ART2ゾーン中に1/30の当選確率で特典付与抽選が行われることを知って、再設定抽選および特典付与抽選の当選に期待を抱くことになる。なお、2回目のARTモードの開始時に3回目のARTモードに関する再設定抽選の当選確率が100%に決定されたとする。
3回目のARTモードの開始時に4回目のARTモードに関する複数のパラメータが事前に決定されると共に、2回目(前回)のARTモードの開始時に事前に決定された100%の当選確率で再設定抽選が行われる。このため、3回目のARTモードの終了後に4回目のARTモードが必ず再設定されることになる。そして、図18(d)に示すように、3回目のARTモードでは本ART3ゾーンに滞在し、1/20の当選確率で特典付与抽選が行われることになる。このとき、遊技者は本ART3ゾーンに対応する図18(d)の映像(画像)を見て、3回目(今回)のARTモードの開始時に100%の当選確率で再設定抽選が行われたこと、および、3回目のARTモードで滞在する本ART3ゾーン中に1/20の当選確率で特典付与抽選が行われることを知って、次回、ARTモードが必ず再設定されることを確信すると共に、特典付与抽選の当選に大いに期待することになる。なお、3回目のARTモードの開始時に4回目のARTモードに関する再設定抽選の当選確率が70%に決定されたとすると、4回目のARTモードでは図18(c)に示す本ART2ゾーンに滞在することになる。そして、4回目のARTモードの開始時に行われた再設定抽選(70%)に当選したことにより、4回目のARTモードの終了後に5回目のARTモードが設定された。この4回目のARTモードの開始時に5回目のARTモードに関する再設定抽選の当選確率が50%に決定されたとする。
5回目のARTモードの開始時に6回目のARTモードに関する複数のパラメータが事前に決定されると共に、4回目(前回)のARTモードの開始時に事前に決定された50%の当選確率で再設定抽選が行われる。例えば、この再設定抽選の結果がハズレ(不当選)となったとすると、図18(e)に示すように、5回目(今回)のARTモードの終了後にART終了モードに移行する。そして、ART終了モードで遊技状態がRT1に転落すると、図18(f)に示すように、サブモニタ6にART終了の表示がなされて次回の遊技の開始時に演出モードが非ARTモードに移行することが遊技者に報知される。
一方、5回目のARTモードの開始時に行われた再設定抽選で当選したとする。そして、5回目のARTモードの開始時に事前に決定された再設定時期が、ARTモードの終了後に遊技状態がRT1に転落した直後の再設定時期Bに決定されたとする。そうすると、5回目のARTモードの開始時に行われた再設定抽選の結果がハズレとなった場合と同様に、今回のARTモードの終了後にART終了モードに移行するが(図18(e))、このART終了モードで遊技状態がRT1に転落すると、5回目(今回)のARTモードの終了後に6回目のARTモードが再設定されて、再び遊技者に有利なART遊技の行われるARTモードに移行することになる(図18(a))。これを見た遊技者は、ART終了モードの移行によりARTモードの終了に対する不安を抱くが、このART終了モードからARTモードへの引き戻しにより遊技意欲を大いに向上させて、6回目のARTモード開始時に行われる再設定抽選の当選により、更なるARTモードのループが行われることに期待を抱くことになる。
なお、図示は省略するが、前回のARTモードの開始時に事前に決定された再設定抽選の当選確率、再設定時期、特典付与抽選の当選確率にそれぞれ応じた演出が今回のARTモード中に実行されるよう制御される。例えば、2回目のARTモードの開始時に決定された再設定抽選の当選確率が100%、再設定時期が再設定時期A、特典付与抽選の当選確率が1/20に決定されたとすると、これら各パラメータに対応する演出が2回目のARTモード中に実行される。これを見た遊技者は、2回目のARTモードの開始時に決定された各パラメータを予測可能となる。
以上のように、本実施形態例に係るスロットマシンSでは、1回目のARTモードの開始時に16%の当選確率で再設定抽選が行われるが、この再設定抽選に当選すると、2回目以降の再設定抽選の当選確率が高確率(50%以上)に変動する。さらに、1回目のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選を契機として、再設定抽選の当選確率が高確率に変動するのみならず、本ARTゾーンで行われる特典付与抽選の当選確率も1/40から高確率(1/30以上)に変動する。このため、1回目のARTモードの終了後に2回目のARTモードが設定されるか否かに対して、すなわち、再設定抽選の結果に対して遊技者の関心を強く惹きつけることが可能になり、遊技性を向上させることができる。
そして、本実施形態例では、再設定抽選の当選確率に応じて特典付与抽選の当選確率が決定される構成になっているので、再設定抽選の当選確率と特典付与抽選の当選確率とを個別に決定する場合よりも、制御を簡素化することができる。
さらに、本実施形態例では、再設定抽選の当選確率16%に対して特典付与抽選の当選確率が1/40に決定され、再設定抽選の当選確率50%〜80%に対して特典付与抽選の当選確率が1/30に決定され、再設定抽選の当選確率100%に対して特典付与抽選の当選確率が1/20に決定される構成になっており、再設定抽選の当選確率が高確率に変動したことに応じて特典付与抽選の当選確率も高確率に変動する構成になっているため、再設定抽選の当選は遊技意欲を増大させることができる。
特に、本実施形態例では、ARTモードの設定された回数が3回以上となると、再設定抽選の当選確率が100%になる場合もあり、この場合、ARTモードの再設定が確定するため、遊技者にARTモードの再設定に対する安心感を与えることができると共に、再設定抽選の当選回数、すなわち、ARTモードの設定回数に遊技者の興味を惹き付けることができる。
また、本実施形態例では、次回のARTモードで滞在する本ARTゾーンの種類は、次回のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選確率と、次回の本ARTゾーン中に行われる特典付与抽選の当選確率とで決定されると共に、本ARTゾーンの種類に応じて本ARTゾーンでサブモニタ6に表示される画像が異なる構成になっているため、今回のARTモードで滞在する本ARTゾーンの種類は、今回のARTモードの開始時に行われた再設定抽選の当選確率と、今回の本ARTゾーンで行われる特典付与抽選の当選確率の双方を遊技者に示唆することができるため、本ARTゾーンにおける演出効果を高めることができる。
そして、本実施形態例では、ARTモードの開始時に再設定抽選が行われるが、この再設定抽選の結果に拘わらず、再設定されるARTモードの再設定時期、再設定されるARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選確率、再設定されるARTモードで滞在する本ARTゾーンの種類および当該本ARTモード中に行われる特典付与抽選の当選確率の各パラメータを再設定抽選の行われるARTモードの開始時に事前に決定するように構成されている。このため、今回のARTモードの終了後に次回のARTモードが設定されるか否かを、今回のARTモード中に演出等で遊技者に示唆することができるのみならず、次回のARTモードの内容(再設定時期や再設定抽選および特典付与抽選の当選確率)に関する情報を演出で遊技者に開示(伝達)することが可能である。これにより、ARTモードにおける演出のバリエーションを豊富なものにすることができる。
ところで、本実施形態例では、再設定抽選の結果に拘わらず、再設定されるARTモードの内容に関する複数のパラメータが事前に決定され、再設定抽選の結果がハズレであった場合には、これら事前に決定された複数のパラメータが破棄される構成になっているが、この構成に限られず、再設定抽選の当選後に各パラメータを決定する構成であっても良い。このようにすると、再設定抽選の結果に応じて、再設定されるARTモードの内容に関する複数のパラメータを決定(生成)するか否かを決めるような構成となり、本実施形態例のように、複数のパラメータを破棄する必要がなくなる。しかし、このようにすると、各パラメータの決定前の再設定抽選の当選の確認により、その後の処理が各パラメータの決定と非決定とで分岐してしまうことになりプログラムが煩雑になると共に、プログラムの容量が増大してしまう。このため、再設定抽選の当選後に各パラメータを決定するという構成よりも、再設定抽選の結果に拘わらず、再設定されるARTモードの内容に関する複数のパラメータを決定し、この後に再設定抽選の結果に応じて各パラメータを破棄する構成の方がプログラム容量の削減の観点で好適である。
なお、本実施形態例では、再設定時期、再設定抽選の当選確率、本ARTゾーンの種類および特典付与抽選の当選確率の全てのパラメータを事前に決定する構成になっているが、この構成に限られず、主制御処理部100の容量や処理能力等に応じて、これら複数のパラメータのうち一部のパラメータを前回のARTモードの開始時に事前に決定し、残りのパラメータを前回のARTモードの開始時以外で決定する構成であっても良い。
また、本実施形態例では、再設定抽選をARTモードの開始時に行うように構成されているが、この構成に限られず、今回のARTモードが終了する前までに再設定抽選を行う構成、すなわち、ARTモードの開始時に次の新たなARTモードに関するパラメータを決定し、この決定から今回のARTモードが終了する前までの間に再設定抽選を行う構成であっても良い。このように構成したとしても、今回のARTモード中に次回のARTモードの内容(再設定時期や再設定抽選および特典付与抽選の当選確率)に関する情報を演出で遊技者に開示(伝達)することが可能となりARTモードにおける演出の管理が容易となる。
また、本実施形態例では、ART終了モードでARTモードへ移行させるためのART抽選を行わない構成になっているが、ART終了モードでART抽選を行う構成であっても良い。
上記具体例として、ART終了モードを終了モードA〜Cに分け、終了モードAを所定の当選確率(例えば10%)でART抽選を行うモードとすると共に、終了モードBを所定の当選確率よりも高確率(例えば30%)の当選確率でART抽選を行うモードとする。そして、終了モードCではART抽選を行わずに、本実施形態例における再設定時期決定手段121が再設定時期を再設定時期B(ARTモードの再設定時期がART終了モードで遊技状態がRT1に転落したとき)に決定した場合に移行する専用のモードとする。また、パラメータ決定手段120は、再設定時期、再設定抽選の当選確率、本ARTゾーンの種類および特典付与抽選の当選確率の各パラメータに加えて、今回のARTモードの終了後に移行するART終了モードにおけるART抽選(以下、引き戻しART抽選と言う。)の当選確率を、今回のARTモードの開始時に予め決定するようにする。そうすると、再設定抽選の結果に拘わらず、引き戻しART抽選の当選確率が決定されることになるが、再設定抽選の結果が当選であった場合には、このパラメータ(決定された引き戻しART抽選の当選確率)を破棄し、再設定抽選の結果がハズレであった場合には、このパラメータ(決定された引き戻しART抽選の当選確率)をパラメータ記憶領域143に記憶するようにする。そして、再設定抽選の結果がハズレとなって演出モードをART終了モードに移行させるとき、パラメータ記憶領域143に記憶されている引き戻しART抽選の当選確率に従って、ART終了モードの種類を決定すると共に、この決定したART終了モードに移行させる。これにより、本実施形態例の奏する効果、すなわち、プログラム容量を削減することができると共に、ARTモードにおける演出のバリエーションを豊富なものにすることができるという効果を発揮し得る。
また、本実施形態例では、非ARTモードでART抽選が行われ、当該抽選に当選するとARTモードに移行する構成になっているが、この構成に限られず、非ARTモードがノーマルゾーンとチャンスゾーンで構成され、ノーマルゾーンで演出モードをチャンスゾーンへ移行させるか否かの抽選(以下、CZ移行抽選と言う)を行い、このCZ移行抽選に当選した場合に演出モードをノーマルゾーンからチャンスゾーンに移行させ、チャンスゾーンでART抽選を行う構成であっても良い。
また、本実施形態例では、再設定抽選の当選確率に応じて特典付与抽選の当選確率が決定される構成になっているが、再設定抽選の当選確率と特典付与抽選の当選確率とを個別に決定する構成であっても良い。このような構成の場合、本ARTゾーン種類決定手段124は、再設定抽選の当選確率が100%、特典付与抽選の当選確率が1/20となった場合に、本ARTゾーン種類を本ART3ゾーンに決定しても良い。
また、本実施形態例では、1回目のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選を契機に、2回目以降の再設定抽選および特典付与抽選の当選確率の双方が高確率に変動する構成になっているが、この構成に限られず、1回目のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選を契機に、2回目以降の再設定抽選の当選確率が高確率に変動すると共に、特典付与抽選の当選確率が低確率に変動する構成であっても良いし、2回目以降の再設定抽選の当選確率が低確率に変動すると共に、特典付与抽選の当選確率が高確率に変動する構成であっても良い。このように、再設定抽選および特典付与抽選の当選確率の一方を高確率、他方を低確率に変動させることにより、ARTモードにおけるメダルの獲得枚数を調整しつつも、再設定抽選の結果に対する遊技者の関心を高めることができる。
また、同様に、1回目のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選を契機に、2回目以降の再設定抽選および特典付与抽選の当選確率の双方を低確率に変動させる構成であっても良い。具体的には、1回目のARTモードの終了後に2回目のARTモードが設定される再設定確率を100%にすると共に、1回目のARTモード中に特典が付与されるART特典付与ゾーンへの移行率(特典付与当選確率)を高確率(例えば1/20)とし、1回目のARTモードの開始時に行われる再設定抽選の当選を契機に、再設定抽選の当選確率および特典付与抽選の当選確率を低確率に変動させる。このようにすると、非ARTモードにおけるART抽選の当選により、必ずARTモードが2回以上設定されることになるため、ARTモードにおけるメダルの獲得枚数を調整しつつも、再設定抽選の不当選に対する遊技者の不安を取り除くことが可能になり、遊技性を高めることができる。
また、本実施形態例では、再設定抽選の当選確率16%に特典付与抽選の当選確率1/40、再設定抽選の当選確率50%〜80%に特典付与抽選の当選確率1/30、再設定抽選の当選確率100%に特典付与抽選の当選確率1/20、がそれぞれ対応付けられている構成、即ち、再設定抽選の当選確率と特典付与抽選の当選確率の組合せとして、低確率と低確率、高確率と高確率の組合せが設けられている構成になっているが、この構成に限られず、再設定抽選の当選確率と特典付与抽選の当選確率の組合せが、低確率と高確率、高確率と低確率の組合せが設けられている構成であっても良い。例えば、再設定抽選の当選確率16%(低確率)に特典付与抽選の当選確率1/20(高確率)、再設定抽選の当選確率100%(高確率)に特典付与抽選の当選確率1/40(低確率)が対応付けられていても良い。
また、本実施形態例では、小役の当選確率が約1/1.1の高確率となるRBB作動への移行契機となるRBB役や、内部抽選の結果に拘わらず、全ての小役に係る当選フラグを成立した状態にするCB作動への移行契機となるCB役を通常状態で内部抽選の対象としているが、RBB役およびCB役の双方または何れか一方を通常状態で内部抽選の対象とする構成であっても良い。