JP6732706B2 - プリント配線板の製造方法、プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法、及び、多層プリント配線板 - Google Patents
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Description
近年、電子機器の小型化が急速に進められている。電子機器を小型化する手段の一つとして、電子機器に使用される半導体部品を高密度にプリント配線板に実装することが行われてきた。このように半導体部品を高密度に実装するために、プリント配線板においても、配線パターンを高密度に形成することが行われてきた。
また、電子機器を小型化するために、プリント配線板を薄くすることも行われてきた。
すなわち、特許文献1には、基板の上に絶縁層を形成する第1の工程と、前記絶縁層の表面上に第1の導電部およびこの第1の導電部に隣接する第2の導電部を形成し、前記第1の導電部および前記第2の導電部の少なくとも側面上部を順テーパ形状に加工する第2の工程と、前記第1の導電部および前記第2の導電部を前記絶縁層内に圧入する第3の工程と、を備え、前記第3の工程では、前記第1の導電部および前記第2の導電部の側面と前記絶縁層との間に間隙を生じさせることを特徴とした回路基板の製造方法が開示されている。
この熱を放熱するために、プリント配線板において、電子機器(半導体部品)が実装される位置の裏側に放熱材となる基材を設けることが行われていた。
すなわち、プリント配線板を製造する際に、配線パターンにおける伝送特性が良好になる樹脂をプリント配線板の基体として用いると、放熱材等の基材がプリント配線板から剥離しやすくなるという問題があった。つまり、1種類の樹脂を使用して、伝送特性と樹脂及び基材の密着性とを両立させたプリント配線板を製造することは難しかった。
加えて、接着剤自身が、熱の移動を阻害する物質として作用し、その結果、充分に放熱できなくなるという問題があった。
上記第1樹脂に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
上記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第1樹脂を硬化させる第1の樹脂硬化工程と、
上記第2樹脂及び基材を貼り合わせる基材貼り合わせ工程と、
上記第2樹脂を硬化させ、上記第2樹脂と上記基材とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
上記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
上記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明のプリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には配線パターンが形成され、第2樹脂と基材とは接着されることになる。
第1樹脂として配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造されたプリント配線板において、伝送特性と、樹脂及び基材の密着性とを両立させることができる。
なお、本明細書において「半硬化状態の樹脂」とは、塑性を有する固形の樹脂のことを意味する。
そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性も良好となる。
第1樹脂を先に硬化させることにより、第1樹脂に形成された配線パターンを充分に第1樹脂に固定することができ、配線パターンと第1樹脂との密着性を向上させることができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法では、第1樹脂の硬化後、半硬化状態の第2樹脂と基材とを貼り合わせるので、第2樹脂と基材との密着性を向上させることができる。さらに、基材を接着するために接着剤を別途使用しなくてもよいので、製造効率が向上する。また、基材が放熱部材である場合には、電子部品から発生した熱を、接着剤を介さずに放熱することができる。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として光重合開始剤及び熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このように、第1樹脂が、光重合開始剤及び熱重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも熱が加わることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として熱重合開始剤及び光重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このように、第1樹脂が、熱重合開始剤及び光重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、上記第1樹脂にも光が照射されることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合に は、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
上記第2の樹脂硬化工程では、少なくとも基材側から上記第2樹脂に光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させることが望ましい。
基材が透光性を有している場合、基材側から照射した光も第2樹脂に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂を硬化させることができる。
すなわち、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらしてもよい。
この場合、第2樹脂を完全に硬化させることなく第1樹脂を硬化させることができる。これにより、第1樹脂に形成された配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。さらに、第1の樹脂硬化工程において第2樹脂が完全に硬化していないため、基材との密着性が良好となる。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用し、第1の樹脂硬化工程及び第2の樹脂硬化工程における熱の温度を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このように、第1樹脂と第2樹脂との間に光不透過層を挟むと、第1樹脂側から光を照射した場合、その光は、第2樹脂に到達しない。従って、光の照射方向を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このような第1重合開始剤及び第2重合開始剤を使用し、波長が異なる第1波長の光と、第2波長の光とを照射することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
基材が透光性を有している場合、基材側から照射した第2波長の光も第2樹脂に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂を硬化させることができる。
これら工程をロールプレス機で連続的に行うことにより、効率的にプリント配線板を製造することができる。
一方の面に配線パターンが形成された第1硬化樹脂層と、
上記配線パターンが形成された面と反対側の上記第1硬化樹脂層の面に積層された第2硬化樹脂層と、
上記第1硬化樹脂層と接する面と反対側の上記第2硬化樹脂層の面に接着された基材とからなるプリント配線板であって、
上記第1硬化樹脂層は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第2硬化樹脂層は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第1樹脂を上記第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、上記第2樹脂を上記第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とする。
このような構成のプリント配線板は、上記本発明のプリント配線板の製造方法により製造されたプリント配線板である。
そのため、このような構成のプリント配線板では、第2硬化樹脂層と基材との密着性が充分に高くなっている。
配線パターンが第1硬化樹脂層に埋め込まれていると、配線パターンにずれが生じにくい。
上層プリント配線板と、下層プリント配線板とを積層して多層プリント配線板を製造する多層プリント配線板の製造方法であって、
半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する上層プリント配線板用樹脂積層工程と、
上記第1樹脂に第1配線パターンを形成する第1配線パターン形成工程と、
上記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板を作製する第1の樹脂硬化工程と、
第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板を準備する下層プリント配線板準備工程と、
上記上層プリント配線板の下に、上記下層プリント配線板を積層するプリント配線板積層工程と、
上記第2樹脂を硬化させ、上記上層プリント配線板と上記下層プリント配線板とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
上記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
上記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明の多層プリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には第1配線パターンが形成され、第2樹脂と下層プリント配線板とは接着されることになる。
第1樹脂として第1配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として下層プリント配線板との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造された多層プリント配線板において、伝送特性と、プリント配線板同士の密着性とを両立させることができる。
そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性も良好となる。
第1樹脂を先に硬化させることにより、第1樹脂に形成された第1配線パターンを充分に第1樹脂に固定することができ、第1配線パターンと第1樹脂との密着性を向上させることができる。
このように、多層プリント配線板を製造することにより、配線パターンを高密度にすることができる。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として光重合開始剤及び熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このように、第1樹脂が、光重合開始剤及び熱重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも熱が加わることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として熱重合開始剤及び光重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このように、第1樹脂が、熱重合開始剤及び光重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、上記第1樹脂にも光が照射されることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合に は、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
すなわち、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらしてもよい。
この場合の第2樹脂を完全に硬化させることなく第1樹脂を硬化させることができる。これにより、第1樹脂に形成された配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。さらに、第1の樹脂硬化工程において第2樹脂が完全に硬化していないため、基材との密着性が良好となる。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用し、第1の樹脂硬化工程及び第2の樹脂硬化工程における熱の温度を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このような第1重合開始剤及び第2重合開始剤を使用し、波長が異なる第1波長の光と、第2波長の光とを照射することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
このように半硬化状態の第3樹脂に第2配線パターンを形成し、その後、上記第3樹脂が完全に硬化しないように上記第3樹脂を硬化させることにより、第3樹脂に形成された第2配線パターンを充分に第3樹脂に固定することができ、第2配線パターンと第3樹脂との密着性を向上させることができる。
また、このような多層プリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第2樹脂と、半硬化状態の第3樹脂とが積層されることになるので、上層プリント配線板と下層プリント配線板との密着性を向上させることができる。
このように下層プリント配線板を、第3樹脂と第4樹脂とを積層することにより作製すると、第4樹脂の下に基材等を接着しやすくなる。
例えば、第3樹脂として第2配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第4樹脂として基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することができる。これにより、第3樹脂と第4樹脂が積層された多層プリント配線板において、伝送特性と、基材との密着性とを両立させることができる。
なお、上記第3重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよく、光重合開始剤であってもよい。
第1配線パターンが形成された上層プリント配線板と、第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板とが積層された多層プリント配線板であって、
上記上層プリント配線板は、一方の面に上記第1配線パターンが形成された第1硬化樹脂層と、
上記第1配線パターンが形成された面と反対側の上記第1硬化樹脂層の面に積層された第2硬化樹脂層とからなり、
上記第1硬化樹脂層は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第2硬化樹脂層は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第1樹脂を上記第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、上記第2樹脂を上記第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とする。
このような構成の多層プリント配線板は、上記本発明の多層プリント配線板の製造方法により製造されたプリント配線板である。
そのため、このような構成の多層プリント配線板では、上層プリント配線板と下層プリント配線板との密着性が充分に高くなっている。
また、第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂は、第2重合開始剤を含有している。
本発明のプリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には配線パターンが形成され、第2樹脂と基材とは接着されることになる。
第1樹脂として配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造されたプリント配線板において、伝送特性と、樹脂及び基材の密着性とを両立させることができる。
そのため、第1樹脂及び第2樹脂が直接接する場合は、第1樹脂と第2樹脂との密着性が良好となる。
また、第1樹脂と第2樹脂との間に別の層を挟む場合には、その別の層と第1樹脂及び第2樹脂との密着性が良好となる。
第1樹脂を先に硬化させることにより、第1樹脂に形成された配線パターンを充分に第1樹脂に固定することができ、配線パターンと第1樹脂との密着性を向上させることができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法では、第1樹脂の硬化後、半硬化状態の第2樹脂と基材とを貼り合わせるので、第2樹脂と基材との密着性を向上させることができる。さらに、基材を接着するために接着剤を別途使用しなくてもよいので、製造効率が向上する。
本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、第2重合開始剤は、熱重合開始剤である。
また、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂に光を照射することにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に熱を加えることにより第2樹脂を硬化させる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図5は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
まず、図1に示すように、半硬化状態の第1樹脂10と、半硬化状態の第2樹脂20とを積層する。
第1樹脂10がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
第1樹脂10の材料が上記樹脂であると、配線パターンで伝送される信号の伝送特性が良好になる。
第1樹脂10の厚さが、5μm未満であると、プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第1樹脂10の厚さが、100μmを超えると、プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
また、第1樹脂10の誘電正接は、周波数1GHzにおいて、0.0001〜0.002であることが望ましい。
第1樹脂10の比誘電率及び誘電正接が、上記範囲であると、配線パターンにおける伝送特性が良好になる。
第1重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
具体例としては、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、チオキサトン、2−クロロチオキサソン、2−メチルチオキサトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等の光重合開始剤が挙げられる。
このような光重合開始剤の例としては、オキシム構造を有する1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)が挙げられる。
第2樹脂がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
第2樹脂20の材料が上記樹脂であると、基材との接着性が向上する。
第2樹脂20の厚さが、5μm未満であると、プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第2樹脂20の厚さが、100μmを超えると、プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
熱伝導性フィラーとしては、銅粒子、銅被覆樹脂粒子、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコンカーバイド、ダイヤモンド、ハイドロキシアパタイト、チタン酸バリウム、アルミニウム、シリカ、マグネシア、チタニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が挙げられる。
難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられる。
第2重合開始剤としては、熱重合開始剤であれば、特に限定されないが、有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤等であってもよい。
次に、図2に示すように、第1樹脂10に配線パターン30を形成する。
配線パターン30を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、第1樹脂10を金属膜で覆い、該金属膜をエッチングすることにより配線パターン30を形成してもよく、第1樹脂10に導体ペーストを印刷することにより配線パターン30を形成してもよい。
第1樹脂10を金属膜で覆う方法は、特に限定されず、金属箔を貼付する方法や、めっきにより第1樹脂10に金属膜を形成する方法が挙げられる。
エッチングは、金属膜を構成する金属の種類や、金属膜の厚さに合わせ、従来の方法により行うことができる。
例えば、金属膜を構成する金属が銅である場合、硫酸・過酸化水素系のエッチング液等をエッチング液として用いてエッチングすることが望ましい。
また、導体ペーストとしては、特に限定されないが、例えば、導電性フィラーと熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂との配合物を用いることができる。導電性フィラーとしては、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等を用いることができる。
次に、図3に示すように、第1樹脂10に光50を照射し、第1樹脂10を硬化することにより、配線パターン30を第1樹脂10に固定する。第1樹脂10には、光重合開始剤である第1重合開始剤が含有されているので、光50が照射されることにより第1樹脂10は硬化する。
例えば、第1樹脂10としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光50の波長は310〜436nmであることが望ましい。
次に、図4に示すように、第2樹脂20及び基材40を貼り合わせる。基材40と第2樹脂20とは、接着剤を用いることなく、直接貼り合わされることが望ましい。接着剤を用いないことにより、電子部品から発生した熱が効率良く基材から排出することができる。また、製造効率も向上する。
特に、基材40がアルミニウムからなると、基材40は放熱材としても、補強材としても機能する。
次に、図5に示すように、第2樹脂20に熱60を加える。第2樹脂20には、熱重合開始剤である第2重合開始剤が含有されているので、熱60が加えられることにより第2樹脂20は硬化する。
第2樹脂20が硬化することにより、第2樹脂20と基材40とは接着される。
例えば、第2樹脂20としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤を使用する場合、熱60の温度は50〜200℃であることが望ましい。
この場合、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂10に光を照射することにより第1樹脂10を硬化させることになり、また(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂20に熱を加えることにより第2樹脂20を硬化させ、同時に、第1樹脂10に熱を加えることにより第1樹脂10を硬化させることになる。
このように、第1樹脂10が、光重合開始剤及び熱重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂10の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂10にも熱が加わることで、第2樹脂20を硬化させると同時に、第1樹脂10に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂10の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
なお、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂10が完全に硬化しないように、第1樹脂10を硬化させてもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
次に、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は、光重合開始剤である。
また、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に光を照射することにより第2樹脂を硬化させる。
図6は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図7は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図8は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図9は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図10は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
まず、図6に示すように、半硬化状態の第1樹脂110と、半硬化状態の第2樹脂120とを積層する。
第1重合開始剤としては、熱重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤等であってもよい。
また、第2樹脂120は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
第2重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系、アシルフォスフィン系、オキシムエステル系、チオキサントン系等であってもよい。
次に、図7に示すように、第1樹脂110に配線パターン130を形成する。
配線パターン130の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
次に、図8に示すように、第1樹脂110に熱160を加える。第1樹脂110には、熱重合開始剤である第1重合開始剤が含有されているので、熱160が加えられることにより第1樹脂110は硬化する。
例えば、第1樹脂110としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレートを使用する場合、熱160の温度は60〜90℃であることが望ましい。
次に、図9に示すように、第2樹脂120及び基材140を貼り合わせる。
基材140が透光性を有する場合、基材140の材料としては、ガラス、水晶等の透光性無機材料や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂等の透光性有機材料が挙げられる。
なお、本明細書において透光性とは、基材側から第2樹脂を硬化させるための光を照射した際に、第2樹脂の硬化が進むように基材が光を透過させる性質のことを意味する。
次に、図10に示すように、第2樹脂120に光150を照射する。第2樹脂120には、光重合開始剤である第2重合開始剤が含有されているので、光150が照射されることにより第2樹脂120は硬化する。
第2樹脂120が硬化することにより、第2樹脂120と基材140とは接着される。
例えば、第2樹脂120としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光150の波長は310〜436nmであることが望ましい。
この場合、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂110に熱を加えることにより第1樹脂110を硬化させることになり、また(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂120に光を照射することにより第2樹脂120を硬化させ、同時に、第1樹脂110に光を照射することにより第1樹脂110を硬化させることになる。
このように、第1樹脂110が、熱重合開始剤及び光重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂110の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂110にも光を照射することで、第2樹脂120を硬化させると同時に、第1樹脂110に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂110の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
なお、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂110が完全に硬化しないように、第1樹脂110を硬化させてもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
このような補強資材としては、例えば、PTFE等のフッ素系樹脂シートの多孔質体であってもよく、ガラスクロスや、セルロースファイバークロス、紙等の繊維質体であってもよい。
次に、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は、熱重合開始剤である。
すなわち、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらしてもよい。
この場合、第2樹脂を完全に硬化させることなく第1樹脂を硬化させることができる。これにより、第1樹脂に形成された配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。さらに、第1の樹脂硬化工程において第2樹脂が完全に硬化していないため、基材との密着性が良好となる。
この場合、(3)第1の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、第2樹脂に熱を加えることにより第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用し、第1の樹脂硬化工程及び第2の樹脂硬化工程における熱の温度を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
図11は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図12は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図13は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図14は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図15は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
まず、図11に示すように、半硬化状態の第1樹脂210と、半硬化状態の第2樹脂220とを積層する。
また、第2樹脂220は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法において、第1重合開始剤の10時間半減期温度は、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低いことが望ましい。
第1重合開始剤の10時間半減期温度は、30〜150℃であることが望ましく、50〜90℃であることがより望ましい。
次に、図12に示すように、第1樹脂210に配線パターン230を形成する。
配線パターン230の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
次に、図13に示すように、第1樹脂210に熱261を加える。これにより、第1樹脂210は硬化する。
また、熱261の温度は、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度より10〜100℃低い温度であることが望ましく、10〜80℃低い温度であることがより望ましい。
例えば、第1樹脂210としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレートを使用する場合、熱261の温度は60〜90℃であることが望ましい。
次に、図14に示すように、第2樹脂220及び基材240を貼り合わせる。
次に、図15に示すように、第2樹脂220に熱262を加える。これにより、第2樹脂220は硬化する。
また、熱262の温度は、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度より10〜100℃高い温度であることが望ましく、10〜50℃高い温度であることがより望ましい。
例えば、第2樹脂220としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを使用する場合、熱262の温度は120〜200℃であることが望ましい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
次に、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、第2重合開始剤は、光重合開始剤である。また、基材は透光性を有している。
さらに、(1)樹脂積層工程では、第1樹脂と、第2樹脂との間に光不透過層を挟んで第1樹脂と、第2樹脂とを積層する。
そして、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂側から第1樹脂に光を照射することにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、基材側から第2樹脂に光を照射することにより第2樹脂を硬化させる。
図16は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図17は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図18は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図19は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図20は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
まず、図16に示すように、半硬化状態の第1樹脂310と、半硬化状態の第2樹脂320との間に光不透過層370を挟んで第1樹脂310と、第2樹脂320とを積層する。
第1重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
また、第2樹脂320は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
第2重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
光不透過層370の厚さは、特に限定されないが、0.1〜500μmであることが望ましく、0.5〜300μmであることがより望ましい。
次に、図17に示すように、第1樹脂310に配線パターン330を形成する。
配線パターン330の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
次に、図18に示すように、第1樹脂310側から第1樹脂310に光351を照射する。第1樹脂310には、光重合開始剤である第1重合開始剤が含有されているので、光351が照射されることにより第1樹脂310は硬化する。
また、光351は、光不透過層370により遮られ第2樹脂320に到達しないので、第2樹脂の半硬化状態は維持されることになる。
例えば、第1樹脂310としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光351の波長は310〜436nmであることが望ましい。
次に、図19に示すように、第2樹脂320及び基材340を貼り合わせる。
次に、図20に示すように、基材340側から第2樹脂320に光352を照射する。
基材340は透光性を有するので、光352は基材340を透過し、第2樹脂320に到達する。また、第2樹脂320には、光重合開始剤である第2重合開始剤が含有されているので、光352により第2樹脂320は硬化する。
そして、第2樹脂320が硬化することにより、第2樹脂320と基材340とは接着される。
例えば、第2樹脂320としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光352の波長は310〜436nmであることが望ましい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
次に、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでいる。
また、第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能する。そして、第1波長と、第2波長とは異なる波長である。
さらに、(3)第1の樹脂硬化工程では、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂に第1波長の光を照射し、第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に第2波長の光を照射することにより第2樹脂を硬化させる。
図21は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図22は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図23は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図24は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図25は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
まず、図21に示すように、半硬化状態の第1樹脂410と、半硬化状態の第2樹脂420とを積層する。
また、第2樹脂420は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
また、第1波長と、第2波長とは異なる波長である。第1波長と、第2波長とは、50nm以上異なる波長であることが望ましく、100nm以上異なる波長であることがより望ましい。
第1波長と第2波長とが50nm以上異なる波長であると、後述する(4)第1の樹脂硬化工程において、第1波長の光を照射することにより第1重合開始剤を含む第1樹脂を硬化する際に、第1波長の光が、第2重合開始剤を含む第2樹脂に到達したとしても、第2樹脂は半硬化状態を維持しやすくなる。
次に、図22に示すように、第1樹脂410に配線パターン430を形成する。
配線パターン430の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
次に、図23に示すように、第2樹脂420の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂410に第1波長の光451を照射し、第1重合開始剤を光重合開始剤として機能させ、第1樹脂410を硬化する。
例えば、第1樹脂410としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤として
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光451の第1波長は200〜400nmであることが望ましい。
次に、図24に示すように、第2樹脂420及び基材440を貼り合わせる。
基材440が透光性を有する場合、基材440の材料としては、ガラス、水晶等の透光性無機材料や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂等の透光性有機材料等が挙げられる。
次に、図25に示すように、第2樹脂420に第2波長の光452を照射し、第2重合開始剤を光重合開始剤として機能させ、第2樹脂420を硬化する。
第2樹脂420が硬化することにより、第2樹脂420と基材440とは接着される。
例えば、第2樹脂420としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として2,4−ジメチルチオキサントンを使用する場合、光452の第1波長は480〜600nmであることが望ましい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
本発明のプリント配線板の製造方法では、(1)樹脂積層工程、(2)配線パターン形成工程、(3)第1の樹脂硬化工程、(4)基材貼り合わせ工程及び(5)第2の樹脂硬化工程を、ロールプレス機において連続的に行うことが望ましい。
これら工程をロールプレス機で連続的に行うことにより、効率的にプリント配線板を製造することができる。
図26(a)〜(e)は、本発明の第6実施形態に係るプリント配線板の製造方法の一例を工程順に模式的に示す模式図である。
なお、第1樹脂510は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂520は、第2重合開始剤を含有している。
第1樹脂510、第2樹脂520、第1重合開始剤、及び、第2重合開始剤の材料については、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明した第1樹脂、第2樹脂、第1重合開始剤、及び、第2重合開始剤の材料を使用することができる。
第1樹脂510に配線パターン530を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、第1樹脂510に銅箔を貼り、銅箔をエッチングレジストによりマスクし、エッチング液を使用し銅箔をエッチングすることにより任意の形状の配線パターンを形成し、エッチング液及びエッチングレジストを除去することにより配線パターン530を形成してもよい。
また、別の方法としては、配線パターン印刷機により第1樹脂510に配線パターン530を印刷する方法も挙げられる。
なお、この際、配線パターン530を第1樹脂510に埋め込んでもよい。
第1硬化手段555としては、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明したように、光や熱が挙げられる。
基材540の材料については、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明した基材の材料を使用することができる。
これにより、第2樹脂520と基材540とを接着することができ、プリント配線板を製造することができる。
第2硬化手段556としては、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明したように、光や熱が挙げられる。
次に、上記のように(3)第1の樹脂硬化工程において、第2樹脂520が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、第1樹脂510が硬化する温度の熱を加え、第1樹脂510を硬化させる。この際、配線パターン530が第1樹脂510と充分に密着できれば、第1樹脂510を完全に硬化させなくてもよい。
次に、上記のように(4)基材貼り合わせ工程を行う。
次に、上記のように(5)第2の樹脂硬化工程において、第2樹脂520が硬化する温度の熱を加え第2樹脂520を硬化させる。これにより、基材540を第2樹脂520に密着させる。この際、基材540が第2樹脂520と充分に密着できれば、第2樹脂520を完全に硬化させなくてもよい。
次に、配線パターン530、第1樹脂510、第2樹脂520及び基材540の積層体を、長尺の状態、又は、ロール状に巻いた状態で、加熱炉に入れ、第1樹脂510及び第2樹脂520が完全に硬化するように、第1樹脂510及び第2樹脂520を加熱する(7)第3の樹脂加熱工程を行う。
加熱炉により第1樹脂510及び第2樹脂520の完全な硬化を最後にまとめて行うことにより、効率よくプリント配線板を製造することができる。
また、第2の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、第2樹脂520に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させることが望ましい。
上記本発明のプリント配線板の製造方法で製造されたプリント配線板は、本発明のプリント配線板でもある。
以下、本発明のプリント配線板を、図面を用いながら詳述する。
図27は、本発明のプリント配線板の一例を模式的に示す模式図である。
さらに、第1樹脂を第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、第2樹脂を第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なる。
そのため、プリント配線板601では、第2硬化樹脂層625と基材640との密着性が充分に高くなっている。さらに、配線パターン630も所定の位置からのずれが少なくなっている。
本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、上層プリント配線板と、下層プリント配線板とを積層して多層プリント配線板を製造する多層プリント配線板の製造方法であって、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する(1)上層プリント配線板用樹脂積層工程と、第1樹脂に第1配線パターンを形成する(2)第1配線パターン形成工程と、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板を作製する(3)第1の樹脂硬化工程と、第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板を準備する(4)下層プリント配線板準備工程と、上層プリント配線板の下に、下層プリント配線板を積層する(5)プリント配線板積層工程と、第2樹脂を硬化させ、上層プリント配線板と下層プリント配線板とを接着する(6)第2の樹脂硬化工程とを含む。
また、第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂は、第2重合開始剤を含有する。
図28は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における上層プリント配線板用樹脂積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図29は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1配線パターン形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図30は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
図31は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における下層プリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図32は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図33は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、まず、図28に示すように、半硬化状態の第1樹脂1010と、半硬化状態の第2樹脂1020とを積層する。
本発明の多層プリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には第1配線パターンが形成され、第2樹脂と下層プリント配線板とは接着されることになる。
第1樹脂として第1配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として下層プリント配線板との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造された多層プリント配線板において、伝送特性と、プリント配線板同士の密着性とを両立させることができる。
第1樹脂1010がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
第1樹脂1010の材料が上記樹脂であると、第1配線パターンで伝送される信号の伝送特性が良好になる。
第1樹脂10の厚さが、5μm未満であると、上層プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第1樹脂1010の厚さが、100μmを超えると、製造される多層プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
また、第1樹脂1010の誘電正接は、周波数1GHzにおいて、0.0001〜0.002であることが望ましい。
第1樹脂1010の比誘電率及び誘電正接が、上記範囲であると、第1配線パターンにおける伝送特性が良好になる。
また、第1重合開始剤の種類は、第2重合開始剤の種類、(3)第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段、及び、(6)第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段に応じて選択することが望ましい。これらの望ましい例は後述する。
第1樹脂がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
第2樹脂1020の材料が上記樹脂であると、下層プリント配線板の第3樹脂との接着性が向上する。
第2樹脂1020の厚さが、5μm未満であると、上層プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第2樹脂1020の厚さが、100μmを超えると、製造される多層プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
また、第2樹脂1020の誘電正接は、周波数1GHzにおいて、0.0001〜0.002であることが望ましい。
また、第2重合開始剤の種類は、第1重合開始剤の種類、(3)第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段、及び、(6)第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段に応じて選択することが望ましい。これらの望ましい例は後述する。
次に、図29に示すように、第1樹脂1010に第1配線パターン1031を形成する。
第1配線パターン1031を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、第1樹脂1010を金属膜で覆い、該金属膜をエッチングすることにより第1配線パターン1031を形成してもよく、第1樹脂1010に導体ペーストを印刷することにより第1配線パターン1031を形成してもよい。
第1樹脂1010を金属膜で覆う方法は、特に限定されず、金属箔を貼付する方法や、めっきにより第1樹脂1010に金属膜を形成する方法が挙げられる。
エッチングは、金属膜を構成する金属の種類や、金属膜の厚さに合わせ、従来の方法により行うことができる。
例えば、金属膜を構成する金属が銅である場合、硫酸・過酸化水素系のエッチング液等をエッチング液として用いてエッチングすることが望ましい。
また、導体ペーストとしては、特に限定されないが、例えば、導電性フィラーと熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂との配合物を用いることができる。導電性フィラーとしては、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等を用いることができる。
次に、図30に示すように、第2樹脂1020の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂1010を第1硬化手段1055により硬化させ上層プリント配線板1091を作製する。
すなわち、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂1010を、第2樹脂1020よりも先に硬化させている。
第1樹脂1010を先に硬化させることにより、第1樹脂1010に形成された第1配線パターン1031を充分に第1樹脂1010に固定することができ、第1配線パターン1031と第1樹脂1010との密着性を向上させることができる。
次に、図31に示すように、第3樹脂1040に第2配線パターン1032が形成された下層プリント配線板1092を準備する。
第3樹脂1040の材料や、厚さ等は、特に限定されないが、上記第1樹脂1010と同じ材料、厚さ等であってもよい。
第2配線パターン1032は、特に限定されないが、上記第1配線パターンと同様の方法で形成されていてもよい。
次に、図32に示すように、上層プリント配線板1091の下に、下層プリント配線板1092を積層する。
この際、半硬化状態の第2樹脂1020と下層プリント配線板1092の第3樹脂1040とを接着させるので、第2樹脂1020と下層プリント配線板1092の第3樹脂1040との密着性を向上させることができる。
次に、図33に示すように、第2樹脂1020を硬化させ、上層プリント配線板1091と下層プリント配線板1092とを接着する。
上記の通り、本発明の多層プリント配線板の製造方法では、第2樹脂1020と第3樹脂1040との密着性が充分に高い。この状態で第2樹脂を硬化させるので、上層プリント配線板1091と下層プリント配線板1092とが強固に接着されることになる。
このような多層プリント配線板1001は本発明の多層プリント配線板でもある。
図33は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す模式図である。
上層プリント配線板1091は、一方の面に第1配線パターン1031が形成された第1硬化樹脂層1015と、第1配線パターン1031が形成された面と反対側の第1硬化樹脂層1015の面に積層された第2硬化樹脂層1025とからなる。
また、第1硬化樹脂層1015は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、第2硬化樹脂層1025は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂である。
そして第1樹脂を第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、第2樹脂を第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とする。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は光であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は熱である。
具体例としては、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、チオキサトン、2−クロロチオキサソン、2−メチルチオキサトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等の光重合開始剤が挙げられる。
このような光重合開始剤の例としては、オキシム構造を有する1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)が挙げられる。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として光重合開始剤及び熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
すなわち、第1重合開始剤は光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は熱重合開始剤であり、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は光であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は熱である。
なお、第1重合開始剤に含まれる熱重合開始剤の望ましい種類は、上記第2重合開始剤に含まれる熱重合開始剤の望ましい種類と同じである。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも熱が加わることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は熱であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は光である。
第1重合開始剤は、熱重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
第2重合開始剤は、光重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として熱重合開始剤及び光重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
すなわち、第1重合開始剤は熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、第2重合開始剤は光重合開始剤であり、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は熱であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は光である。
なお、第1重合開始剤に含まれる光重合開始剤の望ましい種類は、上記第2重合開始剤に含まれる光重合開始剤の望ましい種類と同じである。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも光が照射されることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合に は、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段、及び、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は共に熱である。
また、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらすことができる。
また、第1硬化手段である熱の温度を、第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、第1樹脂が硬化する温度とすると、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させることができる。
第2硬化手段である熱の温度を、第2樹脂が硬化する温度とすることで、第2樹脂を硬化させることができる。
この場合、第1の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させ、第2の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、第2樹脂に熱を加えることにより第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は第1波長の光であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は第2波長の光である。
次に、本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、上記(5)プリント配線板積層工程において、第1配線パターンと、第2配線パターンとが導電部材を介して電気的に接続するように、上層プリント配線板と下層プリント配線板とを積層する以外は、上記本発明の第8実施形態に係るプリント配線板の製造方法と同じである。
このようなプリント配線板積層工程について以下に図面を用いて説明する。
本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程では、図34(a)に示すように、第3樹脂1040に形成された第2配線パターン1032の上に、導電部材である導電ピン1033を形成する。
次に、図34(b)に示すように、導電ピン1033が、第2樹脂1020及び第1樹脂1010を貫き、第1配線パターン1031に接触するように上層プリント配線板1091と下層プリント配線板1092とを積層する。
また、第1配線パターンと第2配線パターンを接続する方法としては、第1樹脂及び/又は第2樹脂に設けられたビアホールに導電性ペーストを充填し、当該導電性ペーストにより第1配線パターンと第2配線パターンとを接続させてもよい
次に、本発明の第10実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第10実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、(4)下層プリント配線板準備工程において、第3重合開始剤を含む半硬化状態の第3樹脂に上記第2配線パターンを形成し、その後、第3樹脂が完全に硬化しないように第3樹脂を硬化させて上記下層プリント配線板を作製すること、(6)第2の樹脂硬化工程において、第2樹脂を硬化させ、同時に、上記第3樹脂を完全に硬化させて上記上層プリント配線板と上記下層プリント配線板とを接着すること以外は、上記本発明の第8実施形態に係るプリント配線板の製造方法と同じである。
また、このような多層プリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第2樹脂と、半硬化状態の第3樹脂とが積層されることになるので、上層プリント配線板と下層プリント配線板との密着性を向上させることができる。
さらに、第3樹脂の種類は、第2樹脂の種類と同じであってもよく、異なっていてもよい。
つまり、第3樹脂の硬化方法と、第2樹脂の硬化方法は同じであることが望ましい。
第3樹脂と第2樹脂の種類が同じであり、かつ、第3重合開始剤と第2重合開始剤の種類が同じであると、第2の樹脂硬化工程において、一つの樹脂硬化手段により第3樹脂と第2樹脂とを同時に硬化させることができる。
次に、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第11実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、上記本発明の第8実施形態に係るプリント配線板の製造方法において、(4)下層プリント配線板準備工程及び(6)第2の樹脂硬化工程を以下のように変形させたプリント配線板の製造方法である。
すなわち、本発明の第11実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、上記(4)下層プリント配線板準備工程において、第3重合開始剤を含む半硬化状態の第3樹脂と、第4重合開始剤を含む半硬化状態の第4樹脂とを積層し、第3樹脂に上記第2配線パターンを形成し、その後、第4樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第3樹脂を硬化させ下層プリント配線板を作製し、上記(6)第2の樹脂硬化工程において、第4樹脂も硬化させる。
例えば、第3樹脂として第2配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第4樹脂として別の基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造された多層プリント配線板において、伝送特性と、密着性とを両立させることができる。
この場合、上層プリント配線板を構成する樹脂の種類と、下層プリント配線板を構成する樹脂の種類とが同じになるので、線膨張係数を揃えることができるので、製造される多層プリント配線板に反りが生じることを防ぐことができる。
すなわち、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、複数のプリント配線板を積層して多層プリント配線板を製造する方法であり、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層し、複数の積層体を作製する(A)プリント配線板用樹脂積層工程と、ある積層体の第1樹脂に第1配線パターンを形成し、別の積層体の第1樹脂に第2配線パターンを形成する(B)配線パターン形成工程と、各積層体の第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、かつ、第1樹脂が完全に硬化しないように第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板及び下層プリント配線板を作製する(C)第1の樹脂硬化工程と、上層プリント配線板と下層プリント配線板を積層する(D)プリント配線板積層工程と、各プリント配線板の第2樹脂を硬化させ、各プリント配線板同士を接着する(E)第2の樹脂硬化工程とを含んでいてもよい。
また、第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂は、第2重合開始剤を含有する。
図35は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板用樹脂積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図36は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図37は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
図38は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図39は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、まず、図35に示すように、半硬化状態の第1樹脂1110aと、半硬化状態の第2樹脂1120aとを積層し、上層プリント配線板となる積層体1190aを作製する。
第1樹脂1110aは第1重合開始剤を含有し、第2樹脂1120aは、第2重合開始剤を含有している。
また、半硬化状態の第3樹脂1110bと、半硬化状態の第4樹脂1120bとを積層し、下層プリント配線板となる積層体1190bを作製する。
第3樹脂1110bは第3重合開始剤を含有し、第4樹脂1120bは、第4重合開始剤を含有している。
第3樹脂1110b、第4樹脂1120b、第3重合開始剤及び第4重合開始剤の望ましい種類並びに組み合わせは、上記本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1樹脂1010、第2樹脂1020、第1重合開始剤及び第2重合開始剤の望ましい種類並びに組み合わせと、それぞれ、同じである。
次に、図36に示すように、積層体1190aの第1樹脂1110aに第1配線パターン1131を形成する。また、積層体1190bの第3樹脂1110bに第2配線パターン1132を形成する。
第1配線パターン1131及び第2配線パターン1132の望ましい形成方法は、上記本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1配線パターン1031及び第2配線パターン1032を形成する望ましい方法と同じである。
次に、図37に示すように、積層体1190aの第2樹脂1120aの半硬化状態を維持させたまま、第1硬化手段1155aにより第1樹脂1110aを硬化させ上層プリント配線板1191を作製する。
また、積層体1190bの第4樹脂1120bの半硬化状態を維持させたまま、第1硬化手段1155bにより第3樹脂1110bを硬化させ下層プリント配線板1192を作製する。
本工程において、第1樹脂1110a及び第3樹脂1110bを硬化させることで、第1配線パターン1131及び第2配線パターン1132を充分に固定することができる。
次に、図38に示すように、上層プリント配線板1191及び下層プリント配線板1192を積層する。
上層プリント配線板1191の第2樹脂1120aは半硬化状態であるので、下層プリント配線板1192の第3樹脂1110b及び第2配線パターン1132に密着することになる。
次に、図39に示すように、上層プリント配線板1191の第2樹脂1120aを第2硬化手段1156aにより硬化させ、下層プリント配線板1192の第4樹脂1120bを第2硬化手段1156bにより硬化させる。
このようにして、上層プリント配線板1191及び下層プリント配線板1192を接着させることにより、多層プリント配線板1101を製造することができる。
上記通り、上層プリント配線板1191の第2樹脂1120aと下層プリント配線板1192の第3樹脂1110bとは密着しているので、多層プリント配線板1101では、上層プリント配線板1191及び下層プリント配線板1192が強固に接着する。
20、120、220、320、420、520 第2樹脂
30、130、230、330、430、530、630 配線パターン
40、140、240、340、440、540、640 基材
50、150、351、352、451、452 光
60、160、261、262 熱
370 光不透過層
555 第1硬化手段
556 第2硬化手段
581 第1ロールプレス機
601 プリント配線板
615 第1硬化樹脂層
625 第2硬化樹脂層
1001、1101 多層プリント配線板
1010、1110a 第1樹脂
1015 第1硬化樹脂層
1020、1120a 第2樹脂
1025 第2硬化樹脂層
1031、1131 第1配線パターン
1032、1132 第2配線パターン
1033 導電ピン
1040、1110b 第3樹脂
1055、1155a、1155b 第1硬化手段
1156a、1156b 第2硬化手段
1091、1191 上層プリント配線板
1092、1192 下層プリント配線板
1120b 第4樹脂
1190a 上層プリント配線板となる積層体
1190b 下層プリント配線板となる積層体
Claims (27)
- 半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する樹脂積層工程と、
前記第1樹脂に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂を硬化させる第1の樹脂硬化工程と、
前記第2樹脂及び基材を貼り合わせる基材貼り合わせ工程と、
前記第2樹脂を硬化させ、前記第2樹脂と前記基材とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
前記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
前記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。 - 前記配線パターン形成工程では、前記第1樹脂に前記配線パターンを形成した後、前記配線パターンを前記第1樹脂に埋め込む請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記基材貼り合わせ工程では、前記第2樹脂と前記基材との間に前記第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置する請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記樹脂積層工程では、前記第1樹脂と前記第2樹脂との間に、前記第1樹脂及び/又は前記第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置する請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記基材は透光性を有しており、
前記第2の樹脂硬化工程では、少なくとも基材側から前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項7又は8に記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、前記第1樹脂が硬化する温度の熱を加え、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が硬化する温度の熱を加え前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤の10時間半減期温度は、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低く、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記基材は、透光性を有し、
前記樹脂積層工程では、前記第1樹脂と、前記第2樹脂との間に光不透過層を挟んで前記第1樹脂と、前記第2樹脂とを積層し、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂側から前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記基材側から前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
前記第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
前記第1波長と、前記第2波長とは異なる波長であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂に前記第1波長の光を照射し、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記基材は透光性を有しており、
前記第2の樹脂硬化工程では、少なくとも基材側から前記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項13に記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記樹脂積層工程、前記配線パターン形成工程、前記第1の樹脂硬化工程、前記基材貼り合わせ工程及び前記第2の樹脂硬化工程を、ロールプレス機において連続的に行う請求項1〜14のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
- 上層プリント配線板と、下層プリント配線板とを積層して多層プリント配線板を製造する多層プリント配線板の製造方法であって、
半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する上層プリント配線板用樹脂積層工程と、
前記第1樹脂に第1配線パターンを形成する第1配線パターン形成工程と、
前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板を作製する第1の樹脂硬化工程と、
第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板を準備する下層プリント配線板準備工程と、
前記上層プリント配線板の下に、前記下層プリント配線板を積層するプリント配線板積層工程と、
前記第2樹脂を硬化させ、前記上層プリント配線板と前記下層プリント配線板とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
前記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
前記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 前記プリント配線板積層工程では、前記第1配線パターンと、前記第2配線パターンとが導電部材を介して電気的に接続するように、上層プリント配線板と下層プリント配線板とを積層する請求項16に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、前記第1樹脂が硬化する温度の熱を加え、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が硬化する温度の熱を加え前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤の10時間半減期温度は、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低く、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項22に記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
前記第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
前記第1波長と、前記第2波長とは異なる波長であり、
前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂に前記第1波長の光を照射し、前記第1樹脂を硬化させ、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記下層プリント配線板準備工程では、第3重合開始剤を含む半硬化状態の前記第3樹脂に前記第2配線パターンを形成し、その後、前記第3樹脂が完全に硬化しないように前記第3樹脂を硬化させて前記下層プリント配線板を作製し、
前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第3樹脂を完全に硬化させて前記上層プリント配線板と前記下層プリント配線板とを接着する請求項16〜24のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 前記下層プリント配線板準備工程では、第3重合開始剤を含む半硬化状態の前記第3樹脂と、第4重合開始剤を含む半硬化状態の第4樹脂とを積層し、前記第3樹脂に前記第2配線パターンを形成し、その後、前記第4樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第3樹脂を硬化させ下層プリント配線板を作製し、
第2の樹脂硬化工程では、前記第4樹脂も硬化させる請求項16〜24のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。 - 第1配線パターンが形成された上層プリント配線板と、第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板とが積層された多層プリント配線板であって、
前記上層プリント配線板は、一方の面に前記第1配線パターンが形成された第1硬化樹脂層と、
前記第1配線パターンが形成された面と反対側の前記第1硬化樹脂層の面に積層された第2硬化樹脂層とからなり、
前記第1硬化樹脂層は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
前記第2硬化樹脂層は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
前記第1樹脂を前記第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、前記第2樹脂を前記第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とするプリント配線板。
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