JP6732706B2 - プリント配線板の製造方法、プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法、及び、多層プリント配線板 - Google Patents

プリント配線板の製造方法、プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法、及び、多層プリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板の製造方法、プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法、及び、多層プリント配線板に関する。
プリント配線板は、携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器において、複雑な機構の中に回路を組み込むために多用されている。
近年、電子機器の小型化が急速に進められている。電子機器を小型化する手段の一つとして、電子機器に使用される半導体部品を高密度にプリント配線板に実装することが行われてきた。このように半導体部品を高密度に実装するために、プリント配線板においても、配線パターンを高密度に形成することが行われてきた。
また、電子機器を小型化するために、プリント配線板を薄くすることも行われてきた。
特許文献1には、上記半導体部品の高密度実装に対応するための回路基板(フレキシブルプリント配線板)の製造方法が開示されている。
すなわち、特許文献1には、基板の上に絶縁層を形成する第1の工程と、前記絶縁層の表面上に第1の導電部およびこの第1の導電部に隣接する第2の導電部を形成し、前記第1の導電部および前記第2の導電部の少なくとも側面上部を順テーパ形状に加工する第2の工程と、前記第1の導電部および前記第2の導電部を前記絶縁層内に圧入する第3の工程と、を備え、前記第3の工程では、前記第1の導電部および前記第2の導電部の側面と前記絶縁層との間に間隙を生じさせることを特徴とした回路基板の製造方法が開示されている。
特開2008−34722号公報
プリント配線板に組み込まれた電子機器(半導体部品)が機能を発揮する場合、同時に熱も発生する。
この熱を放熱するために、プリント配線板において、電子機器(半導体部品)が実装される位置の裏側に放熱材となる基材を設けることが行われていた。
プリント配線板の基体となる樹脂には配線パターンが形成されることになるが、配線パターンにおける伝送特性を良好にするため、使用できる樹脂の種類は限定される。その一方で、上記伝送特性を良好にするための樹脂は、放熱材等の基材との密着性が充分といえなかった。
すなわち、プリント配線板を製造する際に、配線パターンにおける伝送特性が良好になる樹脂をプリント配線板の基体として用いると、放熱材等の基材がプリント配線板から剥離しやすくなるという問題があった。つまり、1種類の樹脂を使用して、伝送特性と樹脂及び基材の密着性とを両立させたプリント配線板を製造することは難しかった。
また、上記のように1種類の樹脂を使用してプリント配線板を製造する場合、樹脂の表面に配線パターンを形成し、樹脂と基材とを貼り合わせてから樹脂を硬化させることになる。すなわち、樹脂の表面に配線パターンを形成してから樹脂を硬化させるまでに、他の工程を行うことになる。そのため、樹脂を硬化させる前に、配線パターンがずれてしまうという問題もあった。
さらに、1種類の樹脂を使用してプリント配線板を製造する場合、樹脂に配線パターンを形成し、樹脂を硬化させてから接着剤を用いて樹脂と基材とを接着する方法もある。しかし、この方法では、接着剤を適用する工程が別途必要になり製造効率が悪くなるという問題があった。
加えて、接着剤自身が、熱の移動を阻害する物質として作用し、その結果、充分に放熱できなくなるという問題があった。
また、配線パターンを高密度にするために、プリント配線板を積層することも従来から行われてきたが、プリント配線板同士の密着性の向上には改良の余地があった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、プリント配線板と放熱板等の基材との密着性や、プリント配線板同士の密着性を向上させることができるプリント配線板の製造方法及び多層プリント配線板の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明のプリント配線板の製造方法は、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する樹脂積層工程と、
上記第1樹脂に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
上記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第1樹脂を硬化させる第1の樹脂硬化工程と、
上記第2樹脂及び基材を貼り合わせる基材貼り合わせ工程と、
上記第2樹脂を硬化させ、上記第2樹脂と上記基材とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
上記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
上記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明のプリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第1樹脂を、半硬化状態の第2樹脂の上に積層している。
本発明のプリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には配線パターンが形成され、第2樹脂と基材とは接着されることになる。
第1樹脂として配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造されたプリント配線板において、伝送特性と、樹脂及び基材の密着性とを両立させることができる。
なお、本明細書において「半硬化状態の樹脂」とは、塑性を有する固形の樹脂のことを意味する。
本発明のプリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層している。
そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性も良好となる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させている。すなわち、本発明のプリント配線板の製造方法では、第1樹脂を、第2樹脂よりも先に硬化させている。
第1樹脂を先に硬化させることにより、第1樹脂に形成された配線パターンを充分に第1樹脂に固定することができ、配線パターンと第1樹脂との密着性を向上させることができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法では、第1樹脂の硬化後、半硬化状態の第2樹脂と基材とを貼り合わせるので、第2樹脂と基材との密着性を向上させることができる。さらに、基材を接着するために接着剤を別途使用しなくてもよいので、製造効率が向上する。また、基材が放熱部材である場合には、電子部品から発生した熱を、接着剤を介さずに放熱することができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記配線パターン形成工程では、上記第1樹脂に上記配線パターンを形成した後、上記配線パターンを上記第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記基材貼り合わせ工程では、上記第2樹脂と上記基材との間に上記第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記樹脂積層工程では、上記第1樹脂と上記第2樹脂との間に、上記第1樹脂及び/又は上記第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に光を照射することにより上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として光重合開始剤及び熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に光を照射することにより、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させ、同時に、上記第1樹脂に熱を加えることにより上記第1樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1樹脂が、光重合開始剤及び熱重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも熱が加わることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に熱を加えることにより上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として熱重合開始剤及び光重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に熱を加えることにより、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させ、同時に、上記第1樹脂に光を照射することにより上記第1樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1樹脂が、熱重合開始剤及び光重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、上記第1樹脂にも光が照射されることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合に は、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記基材は透光性を有しており、
上記第2の樹脂硬化工程では、少なくとも基材側から上記第2樹脂に光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させることが望ましい。
基材が透光性を有している場合、基材側から照射した光も第2樹脂に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂を硬化させることができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、上記第1樹脂が硬化する温度の熱を加え、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂が硬化する温度の熱を加え上記第2樹脂を硬化させてもよい。
すなわち、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらしてもよい。
この場合、第2樹脂を完全に硬化させることなく第1樹脂を硬化させることができる。これにより、第1樹脂に形成された配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。さらに、第1の樹脂硬化工程において第2樹脂が完全に硬化していないため、基材との密着性が良好となる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤の10時間半減期温度は、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低く、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、上記第1樹脂に熱を加えることにより上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、上記第2樹脂に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用し、第1の樹脂硬化工程及び第2の樹脂硬化工程における熱の温度を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記基材は、透光性を有し、上記樹脂積層工程では、上記第1樹脂と、上記第2樹脂との間に光不透過層を挟んで上記第1樹脂と、上記第2樹脂とを積層し、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂側から上記第1樹脂に光を照射することにより上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記基材側から上記第2樹脂に光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1樹脂と第2樹脂との間に光不透過層を挟むと、第1樹脂側から光を照射した場合、その光は、第2樹脂に到達しない。従って、光の照射方向を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、上記第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、上記第1波長と、上記第2波長とは異なる波長であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第1樹脂に上記第1波長の光を照射し、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このような第1重合開始剤及び第2重合開始剤を使用し、波長が異なる第1波長の光と、第2波長の光とを照射することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記基材は透光性を有しており、上記第2の樹脂硬化工程では、少なくとも基材側から上記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させることが望ましい。
基材が透光性を有している場合、基材側から照射した第2波長の光も第2樹脂に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂を硬化させることができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、上記樹脂積層工程、上記配線パターン形成工程、上記第1の樹脂硬化工程、上記基材貼り合わせ工程及び上記第2の樹脂硬化工程を、ロールプレス機において連続的に行うことが望ましい。
これら工程をロールプレス機で連続的に行うことにより、効率的にプリント配線板を製造することができる。
本発明のプリント配線板は、
一方の面に配線パターンが形成された第1硬化樹脂層と、
上記配線パターンが形成された面と反対側の上記第1硬化樹脂層の面に積層された第2硬化樹脂層と、
上記第1硬化樹脂層と接する面と反対側の上記第2硬化樹脂層の面に接着された基材とからなるプリント配線板であって、
上記第1硬化樹脂層は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第2硬化樹脂層は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第1樹脂を上記第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、上記第2樹脂を上記第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とする。
このような構成のプリント配線板は、上記本発明のプリント配線板の製造方法により製造されたプリント配線板である。
そのため、このような構成のプリント配線板では、第2硬化樹脂層と基材との密着性が充分に高くなっている。
プリント配線板では、上記配線パターンは、上記第1硬化樹脂層に埋め込まれていることが望ましい。
配線パターンが第1硬化樹脂層に埋め込まれていると、配線パターンにずれが生じにくい。
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、
上層プリント配線板と、下層プリント配線板とを積層して多層プリント配線板を製造する多層プリント配線板の製造方法であって、
半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する上層プリント配線板用樹脂積層工程と、
上記第1樹脂に第1配線パターンを形成する第1配線パターン形成工程と、
上記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板を作製する第1の樹脂硬化工程と、
第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板を準備する下層プリント配線板準備工程と、
上記上層プリント配線板の下に、上記下層プリント配線板を積層するプリント配線板積層工程と、
上記第2樹脂を硬化させ、上記上層プリント配線板と上記下層プリント配線板とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
上記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
上記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第1樹脂を、半硬化状態の第2樹脂の上に積層している。
本発明の多層プリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には第1配線パターンが形成され、第2樹脂と下層プリント配線板とは接着されることになる。
第1樹脂として第1配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として下層プリント配線板との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造された多層プリント配線板において、伝送特性と、プリント配線板同士の密着性とを両立させることができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層している。
そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性も良好となる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させている。すなわち、本発明の多層プリント配線板の製造方法では、第1樹脂を、第2樹脂よりも先に硬化させている。
第1樹脂を先に硬化させることにより、第1樹脂に形成された第1配線パターンを充分に第1樹脂に固定することができ、第1配線パターンと第1樹脂との密着性を向上させることができる。
また、本発明の多層プリント配線板の製造方法では、第1樹脂の硬化後、半硬化状態の第2樹脂と下層プリント配線板の第3樹脂とを接着させるので、第2樹脂と下層プリント配線板の第3樹脂との密着性を向上させることができる。
さらに、本発明の多層プリント配線板の製造方法では、第2樹脂と第3樹脂との密着性が高い状態で、第2樹脂を硬化させるので、上層プリント配線板と下層プリント配線板とが強固に接着されることになる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記プリント配線板積層工程では、上記第1配線パターンと、上記第2配線パターンとが導電部材を介して電気的に接続するように、上層プリント配線板と下層プリント配線板とを積層することが望ましい。
このように、多層プリント配線板を製造することにより、配線パターンを高密度にすることができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に光を照射することにより上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として光重合開始剤及び熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に光を照射することにより、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させ、同時に、上記第1樹脂に熱を加えることにより上記第1樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1樹脂が、光重合開始剤及び熱重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも熱が加わることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に熱を加えることにより上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として熱重合開始剤及び光重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に熱を加えることにより、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させ、同時に、上記第1樹脂に光を照射することにより上記第1樹脂を硬化させてもよい。
このように、第1樹脂が、熱重合開始剤及び光重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、上記第1樹脂にも光が照射されることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合に は、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、上記第1樹脂が硬化する温度の熱を加え、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂が硬化する温度の熱を加え上記第2樹脂を硬化させてもよい。
すなわち、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらしてもよい。
この場合の第2樹脂を完全に硬化させることなく第1樹脂を硬化させることができる。これにより、第1樹脂に形成された配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。さらに、第1の樹脂硬化工程において第2樹脂が完全に硬化していないため、基材との密着性が良好となる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤の10時間半減期温度は、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低く、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、上記第1樹脂に熱を加えることにより上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、上記第2樹脂に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用し、第1の樹脂硬化工程及び第2の樹脂硬化工程における熱の温度を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、上記第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、上記第1波長と、上記第2波長とは異なる波長であり、上記第1の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第1樹脂に上記第1波長の光を照射し、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このような第1重合開始剤及び第2重合開始剤を使用し、波長が異なる第1波長の光と、第2波長の光とを照射することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記下層プリント配線板準備工程では、第3重合開始剤を含む半硬化状態の上記第3樹脂に上記第2配線パターンを形成し、その後、上記第3樹脂が完全に硬化しないように上記第3樹脂を硬化させて上記下層プリント配線板を作製し、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂を硬化させ、同時に、上記第3樹脂を完全に硬化させて上記上層プリント配線板と上記下層プリント配線板とを接着することが望ましい。
このように半硬化状態の第3樹脂に第2配線パターンを形成し、その後、上記第3樹脂が完全に硬化しないように上記第3樹脂を硬化させることにより、第3樹脂に形成された第2配線パターンを充分に第3樹脂に固定することができ、第2配線パターンと第3樹脂との密着性を向上させることができる。
また、このような多層プリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第2樹脂と、半硬化状態の第3樹脂とが積層されることになるので、上層プリント配線板と下層プリント配線板との密着性を向上させることができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、上記下層プリント配線板準備工程では、第3重合開始剤を含む半硬化状態の上記第3樹脂と、第4重合開始剤を含む半硬化状態の第4樹脂とを積層し、上記第3樹脂に上記第2配線パターンを形成し、その後、上記第4樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第3樹脂を硬化させ下層プリント配線板を作製し、第2の樹脂硬化工程では、上記第4樹脂も硬化させてもよい。
このように下層プリント配線板を、第3樹脂と第4樹脂とを積層することにより作製すると、第4樹脂の下に基材等を接着しやすくなる。
例えば、第3樹脂として第2配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第4樹脂として基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することができる。これにより、第3樹脂と第4樹脂が積層された多層プリント配線板において、伝送特性と、基材との密着性とを両立させることができる。
なお、上記第3重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよく、光重合開始剤であってもよい。
本発明の多層プリント配線板は、
第1配線パターンが形成された上層プリント配線板と、第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板とが積層された多層プリント配線板であって、
上記上層プリント配線板は、一方の面に上記第1配線パターンが形成された第1硬化樹脂層と、
上記第1配線パターンが形成された面と反対側の上記第1硬化樹脂層の面に積層された第2硬化樹脂層とからなり、
上記第1硬化樹脂層は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第2硬化樹脂層は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
上記第1樹脂を上記第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、上記第2樹脂を上記第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とする。
このような構成の多層プリント配線板は、上記本発明の多層プリント配線板の製造方法により製造されたプリント配線板である。
そのため、このような構成の多層プリント配線板では、上層プリント配線板と下層プリント配線板との密着性が充分に高くなっている。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図6は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。 図8は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図11は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。 図12は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。 図13は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図14は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。 図15は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図16は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。 図17は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。 図18は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図19は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。 図20は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図21は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。 図22は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。 図23は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図24は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。 図25は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。 図26(a)〜(e)は、本発明の第6実施形態に係るプリント配線板の製造方法の一例を工程順に模式的に示す模式図である。 図27は、本発明のプリント配線板の一例を模式的に示す模式図である。 図28は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における上層プリント配線板用樹脂積層工程の一例を模式的に示す工程図である。 図29は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1配線パターン形成工程の一例を模式的に示す工程図である。 図30は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。 図31は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における下層プリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。 図32は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す工程図である。 図33は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。 図34(a)及び(b)は、本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す模式図である。 図35は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板用樹脂積層工程の一例を模式的に示す工程図である。 図36は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す工程図である。 図37は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。 図38は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す工程図である。 図39は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
以下、本発明のプリント配線板の製造方法について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明のプリント配線板の製造方法は、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する(1)樹脂積層工程と、第1樹脂に配線パターンを形成する(2)配線パターン形成工程と、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させる(3)第1の樹脂硬化工程と、第2樹脂及び基材を貼り合わせる(4)基材貼り合わせ工程と、第2樹脂を硬化させ、第2樹脂と上記基材とを接着する(5)第2の樹脂硬化工程とを含む。
また、第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂は、第2重合開始剤を含有している。
本発明のプリント配線板の製造方法では、(1)樹脂積層工程において、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層している。
本発明のプリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には配線パターンが形成され、第2樹脂と基材とは接着されることになる。
第1樹脂として配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造されたプリント配線板において、伝送特性と、樹脂及び基材の密着性とを両立させることができる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第1樹脂を、半硬化状態の第2樹脂の上に積層している。
そのため、第1樹脂及び第2樹脂が直接接する場合は、第1樹脂と第2樹脂との密着性が良好となる。
また、第1樹脂と第2樹脂との間に別の層を挟む場合には、その別の層と第1樹脂及び第2樹脂との密着性が良好となる。
本発明のプリント配線板の製造方法では、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させている。すなわち、本発明のプリント配線板の製造方法では、第1樹脂を、第2樹脂よりも先に硬化させている。
第1樹脂を先に硬化させることにより、第1樹脂に形成された配線パターンを充分に第1樹脂に固定することができ、配線パターンと第1樹脂との密着性を向上させることができる。
また、本発明のプリント配線板の製造方法では、第1樹脂の硬化後、半硬化状態の第2樹脂と基材とを貼り合わせるので、第2樹脂と基材との密着性を向上させることができる。さらに、基材を接着するために接着剤を別途使用しなくてもよいので、製造効率が向上する。
本発明のプリント配線板の製造方法をより具体的に説明する実施形態を以下に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、第2重合開始剤は、熱重合開始剤である。
また、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂に光を照射することにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に熱を加えることにより第2樹脂を硬化させる。
以下、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の各工程について、図面を用いながら詳述する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図5は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
(1)樹脂積層工程
まず、図1に示すように、半硬化状態の第1樹脂10と、半硬化状態の第2樹脂20とを積層する。
第1樹脂10の材料は、特に限定されないが、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であることが望ましい。このような樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリイミド樹脂であることが望ましい。
第1樹脂10がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
Figure 0006732706
一般式(1)中、Xは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基であって、主鎖の炭素数が10〜30である炭化水素基を示し、これらの基は、ヘテロ原子、置換基又はシロキサン骨格を有していてもよい。Xは、脂肪族又は脂環式炭化水素若しくは脂環式炭化水素基により修飾された脂肪族炭化水素基であることが望ましく、炭素数10〜55の脂肪族炭化水素基であることがより望ましく、炭素数10〜40であることがさらに望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
後述するように、第1樹脂10には、配線パターンが形成されることになる。
第1樹脂10の材料が上記樹脂であると、配線パターンで伝送される信号の伝送特性が良好になる。
第1樹脂10の厚さは、特に限定されないが、5〜100μmであることが望ましく、10〜100μmであることがより望ましい。
第1樹脂10の厚さが、5μm未満であると、プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第1樹脂10の厚さが、100μmを超えると、プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
第1樹脂10の比誘電率は、周波数1GHzにおいて、2〜3であることが望ましい。
また、第1樹脂10の誘電正接は、周波数1GHzにおいて、0.0001〜0.002であることが望ましい。
第1樹脂10の比誘電率及び誘電正接が、上記範囲であると、配線パターンにおける伝送特性が良好になる。
また、第1樹脂10は、光重合開始剤である第1重合開始剤を含有している。
第1重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
具体例としては、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、チオキサトン、2−クロロチオキサソン、2−メチルチオキサトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等の光重合開始剤が挙げられる。
これらの中でも、微細なパターン形成ができるという観点から、露光波長310〜436nm、より望ましくは露光波長310〜365nmにおいて効率よくラジカルを発生する光重合開始剤が望ましい。
このような光重合開始剤の例としては、オキシム構造を有する1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)が挙げられる。
第1重合開始剤は、上記光重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
第2樹脂20の材料は、特に限定されないが、例えば、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であることが望ましい。このような樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリイミド樹脂であることが望ましい。
第2樹脂がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
Figure 0006732706
一般式(1)中、Xは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基であって、主鎖の炭素数が10〜30である炭化水素基を示し、これらの基は、ヘテロ原子、置換基又はシロキサン骨格を有していてもよい。Xは、脂肪族又は脂環式炭化水素若しくは脂環式炭化水素基により修飾された脂肪族炭化水素基であることが望ましく、炭素数10〜55の脂肪族炭化水素基であることがより望ましく、炭素数10〜40であることがさらに望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
後述するように、第2樹脂20は、基材と接着されることになる。
第2樹脂20の材料が上記樹脂であると、基材との接着性が向上する。
第2樹脂20の厚さは、特に限定されないが、5〜100μmであることが望ましく、10〜100μmであることがより望ましい。
第2樹脂20の厚さが、5μm未満であると、プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第2樹脂20の厚さが、100μmを超えると、プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
また、第2樹脂20は、熱伝導性フィラーや、難燃剤等の機能性材料を含んでいてもよい。
熱伝導性フィラーとしては、銅粒子、銅被覆樹脂粒子、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコンカーバイド、ダイヤモンド、ハイドロキシアパタイト、チタン酸バリウム、アルミニウム、シリカ、マグネシア、チタニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が挙げられる。
難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられる。
臭素系難燃剤としては、例えばポリ臭素化ジフェニルオキシド、デカブロモジフェニルオキシド、トリス[3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、テトラブロモフタル酸、テトラブロモビスフェノールAのビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、臭素化エポキシ樹脂、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、オクタブロモジフェニルエーテル、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ−ビスフェノールA、エチレンビス−(ジブロモ−ノルボルナンジカルボキシミド)、トリス−(2,3−ジブロモプロピル)−イソシアヌレート、エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミド等が挙げられる。
リン系難燃剤としては、無機リン系難燃剤、有機リン系難燃剤のいずれも使用することができる。無機リン系難燃剤の化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが望ましく、表面処理方法は(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
有機リン系難燃剤としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等の環状有機リン化合物及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
またリン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられる。これらの中では、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が望ましい。
トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール系化合物と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類及びホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)上記(ii)に記載した共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)上記(ii)及び(iii)に記載した化合物等を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
シアヌル酸化合物としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等が挙げられる。
シリコーン系難燃剤としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
無機系難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、及び複合金属水酸化物等の金属水酸化物;モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の金属酸化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等の金属炭酸塩化合物;アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等の金属粉;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物等が挙げられる。
また、第2樹脂20は、熱重合開始剤である第2重合開始剤を含有している。
第2重合開始剤としては、熱重合開始剤であれば、特に限定されないが、有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤等であってもよい。
有機過酸化物系熱重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
アゾ系熱重合開始剤としては、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
第2重合開始剤は、上記熱重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
(2)配線パターン形成工程
次に、図2に示すように、第1樹脂10に配線パターン30を形成する。
配線パターン30を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、第1樹脂10を金属膜で覆い、該金属膜をエッチングすることにより配線パターン30を形成してもよく、第1樹脂10に導体ペーストを印刷することにより配線パターン30を形成してもよい。
金属膜をエッチングすることにより配線パターン30を形成する場合について説明する。
この方法では、まず、第1樹脂10を金属膜で覆うことになる。
第1樹脂10を金属膜で覆う方法は、特に限定されず、金属箔を貼付する方法や、めっきにより第1樹脂10に金属膜を形成する方法が挙げられる。
金属膜を構成する金属としては、特に限定されないが、例えば、銅や銀等が挙げられる。これらの中では銅であることが望ましい。
次に、第1樹脂10を覆う金属膜を、所定の配線パターンが形成されるようにマスクしエッチングを行う。
エッチングは、金属膜を構成する金属の種類や、金属膜の厚さに合わせ、従来の方法により行うことができる。
例えば、金属膜を構成する金属が銅である場合、硫酸・過酸化水素系のエッチング液等をエッチング液として用いてエッチングすることが望ましい。
導体ペーストを印刷することにより配線パターン30を形成する場合、配線パターン30が形成されるまでの間、第1樹脂及び第2樹脂が半硬化状態を維持できれば、どのような条件で導体ペーストを配線パターン30としてもよい。
また、導体ペーストとしては、特に限定されないが、例えば、導電性フィラーと熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂との配合物を用いることができる。導電性フィラーとしては、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等を用いることができる。
(3)第1の樹脂硬化工程
次に、図3に示すように、第1樹脂10に光50を照射し、第1樹脂10を硬化することにより、配線パターン30を第1樹脂10に固定する。第1樹脂10には、光重合開始剤である第1重合開始剤が含有されているので、光50が照射されることにより第1樹脂10は硬化する。
光50の波長や、照射時間等の条件は、第2樹脂20の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂10を硬化させることができれば、特に限定されず、第1樹脂10の種類及び第1重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第1樹脂10としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光50の波長は310〜436nmであることが望ましい。
第1樹脂10が硬化することにより、第1樹脂10に形成された配線パターン30は固定されるので、配線パターン30と第1樹脂10との密着性を向上させることができる。
(4)基材貼り合わせ工程
次に、図4に示すように、第2樹脂20及び基材40を貼り合わせる。基材40と第2樹脂20とは、接着剤を用いることなく、直接貼り合わされることが望ましい。接着剤を用いないことにより、電子部品から発生した熱が効率良く基材から排出することができる。また、製造効率も向上する。
基材40は、放熱材としての機能だけでなく、補強材としての機能を有していてもよい。
また、基材40は、特に限定されず、アルミニウム、鉄、SUS、銅、スズ、セラミックス、ガラス、グラフェン等の炭素系化合物等からなっていてもよい。また、第2樹脂20に接着される側と反対側の基材40の表面には反射材等が塗布されていてもよい。
特に、基材40がアルミニウムからなると、基材40は放熱材としても、補強材としても機能する。
基材40の厚さとしては、5〜100μmであることが望ましく、10〜50μmであることがより望ましい。
(5)第2の樹脂硬化工程
次に、図5に示すように、第2樹脂20に熱60を加える。第2樹脂20には、熱重合開始剤である第2重合開始剤が含有されているので、熱60が加えられることにより第2樹脂20は硬化する。
第2樹脂20が硬化することにより、第2樹脂20と基材40とは接着される。
熱60を加える条件は、特に限定されず、第2樹脂20の種類及び第2重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第2樹脂20としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤を使用する場合、熱60の温度は50〜200℃であることが望ましい。
以上の工程を経て、プリント配線板を製造することができる。
また、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、第1重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよい。
この場合、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂10に光を照射することにより第1樹脂10を硬化させることになり、また(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂20に熱を加えることにより第2樹脂20を硬化させ、同時に、第1樹脂10に熱を加えることにより第1樹脂10を硬化させることになる。
このように、第1樹脂10が、光重合開始剤及び熱重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂10の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂10にも熱が加わることで、第2樹脂20を硬化させると同時に、第1樹脂10に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂10の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
なお、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂10が完全に硬化しないように、第1樹脂10を硬化させてもよい。
なお、この場合の第1重合開始剤に含まれる熱重合開始剤の望ましい種類は、上記第2重合開始剤に含まれる熱重合開始剤の望ましい種類と同じである。
また、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)配線パターン形成工程において、第1樹脂に配線パターンを形成した後、必要に応じ配線パターンを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法としては、特に限定されず、例えば、プレス機を使用することにより、配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法が挙げられる。
また、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)樹脂積層工程では、第1樹脂と第2樹脂との間に、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
さらに、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(4)基材貼り合わせ工程において、第2樹脂と基材との間に第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
補強資材としては、特に限定されないが、例えば、PTFE等のフッ素系樹脂シートの多孔質体であってもよく、ガラスクロスや、セルロースファイバークロス、紙等の繊維質体であってもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は、光重合開始剤である。
また、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に光を照射することにより第2樹脂を硬化させる。
以下、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法の各工程について、図面を用いながら詳述する。
図6は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図7は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図8は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図9は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図10は、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
(1)樹脂積層工程
まず、図6に示すように、半硬化状態の第1樹脂110と、半硬化状態の第2樹脂120とを積層する。
第1樹脂110の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接等は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の説明で記載した第1樹脂10の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接と同じである。
また、第1樹脂110は、熱重合開始剤である第1重合開始剤を含有している。
第1重合開始剤としては、熱重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤等であってもよい。
第2樹脂120の望ましい材料及び厚さは、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した第2樹脂20の望ましい材料及び厚さと同じである。
また、第2樹脂120は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
また、第2樹脂120は、光重合開始剤である第2重合開始剤を含有している。
第2重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系、アシルフォスフィン系、オキシムエステル系、チオキサントン系等であってもよい。
(2)配線パターン形成工程
次に、図7に示すように、第1樹脂110に配線パターン130を形成する。
配線パターン130の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
(3)第1の樹脂硬化工程
次に、図8に示すように、第1樹脂110に熱160を加える。第1樹脂110には、熱重合開始剤である第1重合開始剤が含有されているので、熱160が加えられることにより第1樹脂110は硬化する。
熱160を加える条件は、第2樹脂120の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂110を硬化させることができれば、特に限定されず、第1樹脂110の種類及び第1重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第1樹脂110としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレートを使用する場合、熱160の温度は60〜90℃であることが望ましい。
第1樹脂110が硬化することにより、第1樹脂110に形成された配線パターン130は固定されるので、配線パターン130と第1樹脂110との密着性を向上させることができる。
(4)基材貼り合わせ工程
次に、図9に示すように、第2樹脂120及び基材140を貼り合わせる。
基材140の望ましい材料等は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の説明で記載した基材40の望ましい材料等と同じであってもよい。
また、基材140は透光性を有していてもよい。基材140が透光性を有すると、後述する(5)第2の樹脂硬化工程において、基材140側からの光も第2樹脂120に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂120を硬化させることができる。
基材140が透光性を有する場合、基材140の材料としては、ガラス、水晶等の透光性無機材料や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂等の透光性有機材料が挙げられる。
なお、本明細書において透光性とは、基材側から第2樹脂を硬化させるための光を照射した際に、第2樹脂の硬化が進むように基材が光を透過させる性質のことを意味する。
(5)第2の樹脂硬化工程
次に、図10に示すように、第2樹脂120に光150を照射する。第2樹脂120には、光重合開始剤である第2重合開始剤が含有されているので、光150が照射されることにより第2樹脂120は硬化する。
第2樹脂120が硬化することにより、第2樹脂120と基材140とは接着される。
光150を照射する条件は、特に限定されず、第2樹脂120の種類及び第2重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第2樹脂120としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光150の波長は310〜436nmであることが望ましい。
なお、基材140が透光性を有する場合、光150は、基材140側からも第2樹脂120に照射することが望ましい。基材140が透光性を有する場合、基材140側から照射した光150も第2樹脂120に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂120を硬化させることができる。
以上の工程を経て、プリント配線板を製造することができる。
また、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、第1重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、上記第2重合開始剤は、光重合開始剤であってもよい。
この場合、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂110に熱を加えることにより第1樹脂110を硬化させることになり、また(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂120に光を照射することにより第2樹脂120を硬化させ、同時に、第1樹脂110に光を照射することにより第1樹脂110を硬化させることになる。
このように、第1樹脂110が、熱重合開始剤及び光重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂110の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂110にも光を照射することで、第2樹脂120を硬化させると同時に、第1樹脂110に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂110の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
なお、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂110が完全に硬化しないように、第1樹脂110を硬化させてもよい。
また、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)配線パターン形成工程において、第1樹脂に配線パターンを形成した後、必要に応じ配線パターンを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法としては、特に限定されず、例えば、プレス機を使用することにより、配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法が挙げられる。
また、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)樹脂積層工程では、第1樹脂と第2樹脂との間に、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
さらに、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(4)基材貼り合わせ工程において、第2樹脂と基材との間に第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
補強資材としては、特に限定されないが、比誘電率及び誘電正接が低い材料から構成されることが望ましい。補強資材が比誘電率及び誘電正接が低い材料から構成されると、製造されるプリント配線板における伝送特性が良好になる。
このような補強資材としては、例えば、PTFE等のフッ素系樹脂シートの多孔質体であってもよく、ガラスクロスや、セルロースファイバークロス、紙等の繊維質体であってもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は、熱重合開始剤である。
この場合、(3)第1の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、上記第1樹脂が硬化する温度の熱を加え、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂が硬化する温度の熱を加え上記第2樹脂を硬化させてもよい。
すなわち、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらしてもよい。
この場合、第2樹脂を完全に硬化させることなく第1樹脂を硬化させることができる。これにより、第1樹脂に形成された配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。さらに、第1の樹脂硬化工程において第2樹脂が完全に硬化していないため、基材との密着性が良好となる。
第1樹脂の硬化温度を、第2樹脂の硬化温度より低くする方法は特に限定されず、樹脂の種類や、熱重合開始剤の種類を選択することにより調整してもよく、添加物を加えて調整してもよい。
第1樹脂の硬化温度と、第2樹脂の硬化温度を調製する手段の一つとして、第1重合開始剤の10時間半減期温度を、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低くする方法がある。
この場合、(3)第1の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、第2樹脂に熱を加えることにより第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用し、第1の樹脂硬化工程及び第2の樹脂硬化工程における熱の温度を調節することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
以下、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法の各工程について、図面を用いながら詳述する。
図11は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図12は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図13は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図14は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図15は、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
(1)樹脂積層工程
まず、図11に示すように、半硬化状態の第1樹脂210と、半硬化状態の第2樹脂220とを積層する。
第1樹脂210の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接等は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の説明で記載した第1樹脂10の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接と同じである。
第2樹脂220の望ましい材料及び厚さは、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した第2樹脂20の望ましい材料及び厚さと同じである。
また、第2樹脂220は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
また、第1樹脂210及び第2樹脂220は、それぞれ、熱重合開始剤である第1重合開始剤及び熱重合開始剤である第2重合開始剤を含有している。
本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法において、第1重合開始剤の10時間半減期温度は、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低いことが望ましい。
第1重合開始剤の10時間半減期温度は、30〜150℃であることが望ましく、50〜90℃であることがより望ましい。
第1重合開始剤は、特に限定されず、例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等であってもよい。
また、第2重合開始剤は、特に限定されず、例えば、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート等であってもよい。
(2)配線パターン形成工程
次に、図12に示すように、第1樹脂210に配線パターン230を形成する。
配線パターン230の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
(3)第1の樹脂硬化工程
次に、図13に示すように、第1樹脂210に熱261を加える。これにより、第1樹脂210は硬化する。
熱261を加える条件は、熱261の温度が、第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、第1樹脂が硬化する温度であれば、特に限定されず、第1樹脂210及び第1重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
また、熱261の温度は、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度より10〜100℃低い温度であることが望ましく、10〜80℃低い温度であることがより望ましい。
例えば、第1樹脂210としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレートを使用する場合、熱261の温度は60〜90℃であることが望ましい。
第1樹脂210が硬化することにより、第1樹脂210に埋め込まれた配線パターン230は固定されるので、配線パターン230と第1樹脂210との密着性を向上させることができる。
(4)基材貼り合わせ工程
次に、図14に示すように、第2樹脂220及び基材240を貼り合わせる。
基材240の望ましい材料等は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の説明で記載した基材40の望ましい材料等と同じであってもよい。
(5)第2の樹脂硬化工程
次に、図15に示すように、第2樹脂220に熱262を加える。これにより、第2樹脂220は硬化する。
熱262を加える条件は、熱262の温度が、第2樹脂が硬化する温度であれば、特に限定されず、第2樹脂220及び第2重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
また、熱262の温度は、上記第2重合開始剤の10時間半減期温度より10〜100℃高い温度であることが望ましく、10〜50℃高い温度であることがより望ましい。
例えば、第2樹脂220としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを使用する場合、熱262の温度は120〜200℃であることが望ましい。
以上の工程を経て、プリント配線板を製造することができる。
また、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)配線パターン形成工程において、第1樹脂に配線パターンを形成した後、必要に応じ配線パターンを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法としては、特に限定されず、例えば、プレス機を使用することにより、配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法が挙げられる。
また、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)樹脂積層工程では、第1樹脂と第2樹脂との間に、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
さらに、本発明の第3実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(4)基材貼り合わせ工程において、第2樹脂と基材との間に第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
補強資材としては、特に限定されないが、例えば、PTFE等のフッ素系樹脂シートの多孔質体であってもよく、ガラスクロスや、セルロースファイバークロス、紙等の繊維質体であってもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでおり、第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、第2重合開始剤は、光重合開始剤である。また、基材は透光性を有している。
さらに、(1)樹脂積層工程では、第1樹脂と、第2樹脂との間に光不透過層を挟んで第1樹脂と、第2樹脂とを積層する。
そして、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂側から第1樹脂に光を照射することにより第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、基材側から第2樹脂に光を照射することにより第2樹脂を硬化させる。
以下、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法の各工程について、図面を用いながら詳述する。
図16は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図17は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図18は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図19は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図20は、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
(1)樹脂積層工程
まず、図16に示すように、半硬化状態の第1樹脂310と、半硬化状態の第2樹脂320との間に光不透過層370を挟んで第1樹脂310と、第2樹脂320とを積層する。
第1樹脂310の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接等は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の説明で記載した第1樹脂10の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接と同じである。
また、第1樹脂310は、光重合開始剤である第1重合開始剤を含有している。
第1重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
第2樹脂320の望ましい材料及び厚さは、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した第2樹脂20の望ましい材料及び厚さと同じである。
また、第2樹脂320は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
また、第2樹脂320は、光重合開始剤である第2重合開始剤を含有している。
第2重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
光不透過層370の材料は、特に限定されないが、銅やアルミ等の金属、顔料を配合した樹脂フィルム、セラミックスシート等が挙げられる。
光不透過層370の厚さは、特に限定されないが、0.1〜500μmであることが望ましく、0.5〜300μmであることがより望ましい。
(2)配線パターン形成工程
次に、図17に示すように、第1樹脂310に配線パターン330を形成する。
配線パターン330の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
(3)第1の樹脂硬化工程
次に、図18に示すように、第1樹脂310側から第1樹脂310に光351を照射する。第1樹脂310には、光重合開始剤である第1重合開始剤が含有されているので、光351が照射されることにより第1樹脂310は硬化する。
また、光351は、光不透過層370により遮られ第2樹脂320に到達しないので、第2樹脂の半硬化状態は維持されることになる。
光351の波長や、照射時間等の条件は、特に限定されず、第1樹脂310の種類及び第1重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第1樹脂310としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光351の波長は310〜436nmであることが望ましい。
第1樹脂310が硬化することにより、第1樹脂310に埋め込まれた配線パターン330は固定されるので、配線パターン330と第1樹脂310との密着性を向上させることができる。
(4)基材貼り合わせ工程
次に、図19に示すように、第2樹脂320及び基材340を貼り合わせる。
基材340は透光性を有すれば、どのような材料からなっていてもよく、例えば、ガラス、水晶等の透光性無機材料や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂等の透光性有機材料等からなっていてもよい。
(5)第2の樹脂硬化工程
次に、図20に示すように、基材340側から第2樹脂320に光352を照射する。
基材340は透光性を有するので、光352は基材340を透過し、第2樹脂320に到達する。また、第2樹脂320には、光重合開始剤である第2重合開始剤が含有されているので、光352により第2樹脂320は硬化する。
そして、第2樹脂320が硬化することにより、第2樹脂320と基材340とは接着される。
光352を照射する条件は、特に限定されず、第2樹脂320の種類及び第2重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第2樹脂320としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光352の波長は310〜436nmであることが望ましい。
以上の工程を経て、プリント配線板を製造することができる。
また、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)配線パターン形成工程において、第1樹脂に配線パターンを形成した後、必要に応じ配線パターンを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法としては、特に限定されず、例えば、プレス機を使用することにより、配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法が挙げられる。
また、本発明の第4実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(4)基材貼り合わせ工程において、第2樹脂と基材との間に第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
補強資材としては、特に限定されないが、例えば、PTFE等のフッ素系樹脂シートの多孔質体であってもよく、ガラスクロスや、セルロースファイバークロス、紙等の繊維質体であってもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法について説明する。本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、(1)樹脂積層工程〜(5)第2の樹脂硬化工程を含んでいる。
また、第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能する。そして、第1波長と、第2波長とは異なる波長である。
さらに、(3)第1の樹脂硬化工程では、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂に第1波長の光を照射し、第1樹脂を硬化させ、(5)第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に第2波長の光を照射することにより第2樹脂を硬化させる。
以下、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法の各工程について、図面を用いながら詳述する。
図21は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
図22は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す模式図である。
図23は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
図24は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における基材貼り合わせ工程の一例を模式的に示す模式図である。
図25は、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す模式図である。
(1)樹脂積層工程
まず、図21に示すように、半硬化状態の第1樹脂410と、半硬化状態の第2樹脂420とを積層する。
第1樹脂410の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接等は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の説明で記載した第1樹脂10の望ましい材料、厚さ、比誘電率、及び、誘電正接と同じである。
第2樹脂420の望ましい材料及び厚さは、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した第2樹脂20の望ましい材料及び厚さと同じである。
また、第2樹脂420は、第2樹脂20と同様に、機能性材料を含んでいてもよい。
第1樹脂410及び第2樹脂420は、それぞれ、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能する第1重合開始剤及び第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能する第2重合開始剤を含有している。
また、第1波長と、第2波長とは異なる波長である。第1波長と、第2波長とは、50nm以上異なる波長であることが望ましく、100nm以上異なる波長であることがより望ましい。
第1波長と第2波長とが50nm以上異なる波長であると、後述する(4)第1の樹脂硬化工程において、第1波長の光を照射することにより第1重合開始剤を含む第1樹脂を硬化する際に、第1波長の光が、第2重合開始剤を含む第2樹脂に到達したとしても、第2樹脂は半硬化状態を維持しやすくなる。
(2)配線パターン形成工程
次に、図22に示すように、第1樹脂410に配線パターン430を形成する。
配線パターン430の形成方法及び材料は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法で記載した配線パターン30の形成方法及び材料と同じである。
(3)第1の樹脂硬化工程
次に、図23に示すように、第2樹脂420の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂410に第1波長の光451を照射し、第1重合開始剤を光重合開始剤として機能させ、第1樹脂410を硬化する。
光451を照射する際の第1波長や、照射時間等の条件は、特に限定されず、第1樹脂410の種類及び第1重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第1樹脂410としてポリイミド樹脂を使用し、第1重合開始剤として
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)等の光重合開始剤を使用する場合、光451の第1波長は200〜400nmであることが望ましい。
(4)基材貼り合わせ工程
次に、図24に示すように、第2樹脂420及び基材440を貼り合わせる。
基材440の望ましい材料等は、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造方法の説明で記載した基材40の望ましい材料等と同じであってもよい。
また、基材440は透光性を有していてもよい。基材440が透光性を有すると、後述する(5)第2の樹脂硬化工程において、基材440側からも第2波長の光を第2樹脂420に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂420を硬化させることができる。
基材440が透光性を有する場合、基材440の材料としては、ガラス、水晶等の透光性無機材料や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂等の透光性有機材料等が挙げられる。
(5)第2の樹脂硬化工程
次に、図25に示すように、第2樹脂420に第2波長の光452を照射し、第2重合開始剤を光重合開始剤として機能させ、第2樹脂420を硬化する。
第2樹脂420が硬化することにより、第2樹脂420と基材440とは接着される。
光452を照射する際の第2波長や、照射時間等の条件は、特に限定されず、第2樹脂420の種類及び第2重合開始剤の種類に応じて適宜設定することが望ましい。
例えば、第2樹脂420としてポリイミド樹脂を使用し、第2重合開始剤として2,4−ジメチルチオキサントンを使用する場合、光452の第1波長は480〜600nmであることが望ましい。
なお、基材440が透光性を有する場合、第2波長の光452は、基材440側からも第2樹脂420に照射することが望ましい。基材440が透光性を有する場合、基材440側から照射した第2波長の光452も第2樹脂420に到達することができる。従って、効率よく第2樹脂420を硬化させることができる。
以上の工程を経て、プリント配線板を製造することができる。
また、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)配線パターン形成工程において、第1樹脂に配線パターンを形成した後、必要に応じ配線パターンを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込むことで、配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。
なお、配線パターンを第1樹脂に埋め込む場合、配線パターンと第1樹脂とが略一面状になるように配線パターンを埋め込んでもよく、配線パターンの一部のみを第1樹脂に埋め込んでもよい。
配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法としては、特に限定されず、例えば、プレス機を使用することにより、配線パターンを第1樹脂に埋め込む方法が挙げられる。
また、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(1)樹脂積層工程では、第1樹脂と第2樹脂との間に、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第1樹脂と第2樹脂との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第1樹脂及び/又は第2樹脂が含浸可能なので、第1樹脂と第2樹脂とは直接接触することになる。そのため、第1樹脂と第2樹脂との密着性は阻害されにくい。
さらに、本発明の第5実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、(4)基材貼り合わせ工程において、第2樹脂と基材との間に第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置することが望ましい。
補強資材を第2樹脂と基材との間に配置することにより、製造するプリント配線板の強度を強くすることができる。
また、補強資材は、第2樹脂が含浸可能なので、第2樹脂と基材とは直接接触することになる。そのため、第2樹脂と基材との密着性は阻害されにくい。
補強資材としては、特に限定されないが、例えば、PTFE等のフッ素系樹脂シートの多孔質体であってもよく、ガラスクロスや、セルロースファイバークロス、紙等の繊維質体であってもよい。
(第6実施形態)
本発明のプリント配線板の製造方法では、(1)樹脂積層工程、(2)配線パターン形成工程、(3)第1の樹脂硬化工程、(4)基材貼り合わせ工程及び(5)第2の樹脂硬化工程を、ロールプレス機において連続的に行うことが望ましい。
これら工程をロールプレス機で連続的に行うことにより、効率的にプリント配線板を製造することができる。
ロールプレス機において上記工程を連続的に行う本発明のプリント配線板の製造方法について、以下に図面を用いながら詳述する。
図26(a)〜(e)は、本発明の第6実施形態に係るプリント配線板の製造方法の一例を工程順に模式的に示す模式図である。
まず、図26(a)に示すように、第1ロールプレス機581により半硬化状態の第1樹脂510と、半硬化状態の第2樹脂520とを積層する。すなわち、(1)樹脂積層工程を行う。
なお、第1樹脂510は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂520は、第2重合開始剤を含有している。
第1樹脂510、第2樹脂520、第1重合開始剤、及び、第2重合開始剤の材料については、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明した第1樹脂、第2樹脂、第1重合開始剤、及び、第2重合開始剤の材料を使用することができる。
次に、図26(b)に示すように、第1樹脂510に配線パターン530を形成する。すなわち、(2)配線パターン形成工程を行う。
第1樹脂510に配線パターン530を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、第1樹脂510に銅箔を貼り、銅箔をエッチングレジストによりマスクし、エッチング液を使用し銅箔をエッチングすることにより任意の形状の配線パターンを形成し、エッチング液及びエッチングレジストを除去することにより配線パターン530を形成してもよい。
また、別の方法としては、配線パターン印刷機により第1樹脂510に配線パターン530を印刷する方法も挙げられる。
なお、この際、配線パターン530を第1樹脂510に埋め込んでもよい。
次に、図26(c)に示すように、第2樹脂520の半硬化状態を維持させたまま、第1硬化手段555により第1樹脂510を硬化させる。すなわち、(3)第1の樹脂硬化工程を行う。
第1樹脂510を硬化させる第1硬化手段555としては、第1樹脂510の種類及び第1重合開始剤の種類に応じて適宜選択することが望ましい。
第1硬化手段555としては、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明したように、光や熱が挙げられる。
第1手段555として熱を使用する場合、積層された第1樹脂510及び第2樹脂520を加熱炉に入れて加熱してもよい。
次に図26(d)に示すように、第2樹脂520に基材540を貼り合わせる。すなわち、(4)基材貼り合わせ工程を行う。
基材540の材料については、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明した基材の材料を使用することができる。
次に、図26(e)に示すように、第2樹脂520を第2硬化手段556により硬化させる。すなわち、(5)第2の樹脂硬化工程を行う。
これにより、第2樹脂520と基材540とを接着することができ、プリント配線板を製造することができる。
第2樹脂520を硬化させる第2硬化手段556としては、第2樹脂520の種類及び第2重合開始剤の種類に応じて適宜選択することが望ましい。
第2硬化手段556としては、上記本発明の第1実施形態〜第5実施形態で説明したように、光や熱が挙げられる。
このように、本発明のプリント配線板の製造方法では、上記各工程をロールプレス機において連続的に行うことによって、プリント配線板を製造してもよい。
なお、本発明の第6実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として熱重合開始剤を使用し、第1硬化手段555及び第2硬化手段556として熱を使用する場合、以下のようにプリント配線板を製造してもよい。なお、この場合、第1重合開始剤の10時間半減期温度は、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い。
まず、上記のように(1)樹脂積層工程及び(2)配線パターン形成工程までを行う。
次に、上記のように(3)第1の樹脂硬化工程において、第2樹脂520が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、第1樹脂510が硬化する温度の熱を加え、第1樹脂510を硬化させる。この際、配線パターン530が第1樹脂510と充分に密着できれば、第1樹脂510を完全に硬化させなくてもよい。
次に、上記のように(4)基材貼り合わせ工程を行う。
次に、上記のように(5)第2の樹脂硬化工程において、第2樹脂520が硬化する温度の熱を加え第2樹脂520を硬化させる。これにより、基材540を第2樹脂520に密着させる。この際、基材540が第2樹脂520と充分に密着できれば、第2樹脂520を完全に硬化させなくてもよい。
次に、配線パターン530、第1樹脂510、第2樹脂520及び基材540の積層体を、長尺の状態、又は、ロール状に巻いた状態で、加熱炉に入れ、第1樹脂510及び第2樹脂520が完全に硬化するように、第1樹脂510及び第2樹脂520を加熱する(7)第3の樹脂加熱工程を行う。
加熱炉により第1樹脂510及び第2樹脂520の完全な硬化を最後にまとめて行うことにより、効率よくプリント配線板を製造することができる。
なお、第1の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、第1樹脂510に熱を加えることにより第1樹脂510を硬化させることが望ましい。
また、第2の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、第2樹脂520に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させることが望ましい。
(第7実施形態)
上記本発明のプリント配線板の製造方法で製造されたプリント配線板は、本発明のプリント配線板でもある。
以下、本発明のプリント配線板を、図面を用いながら詳述する。
図27は、本発明のプリント配線板の一例を模式的に示す模式図である。
図27に示すように、本発明のプリント配線板の一例であるプリント配線板601は、配線パターン630と、第1硬化樹脂層615と、第1硬化樹脂層615の面611と反対側の面612に積層された第2硬化樹脂層625と、第1硬化樹脂層615と接する第2硬化樹脂層625の面621と反対側の面622に接着された基材640とからなるプリント配線板である。
また、第1硬化樹脂層615は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、第2硬化樹脂層625は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂である。
さらに、第1樹脂を第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、第2樹脂を第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なる。
第1樹脂、第2樹脂、第1重合開始剤、第2重合開始剤、配線パターン630及び基材640の材料については、上記本発明の第1実施形態〜第6実施形態で説明した第1樹脂、第2樹脂、第1重合開始剤、第2重合開始剤、配線パターン、及び、基材の材料であることが望ましい。
また、第1硬化手段及び第2硬化手段は、上記本発明の第1実施形態〜第6実施形態で説明した第1樹脂及び第2樹脂を硬化させる手段であることが望ましい。
このような構成のプリント配線板601は、本発明の第1実施形態〜第6実施形態で説明したプリント配線板の製造方法により製造されたプリント配線板である。
そのため、プリント配線板601では、第2硬化樹脂層625と基材640との密着性が充分に高くなっている。さらに、配線パターン630も所定の位置からのずれが少なくなっている。
また、プリント配線板601は、フレキシブルプリント配線板としても機能することができる。
次に、本発明の多層プリント配線板の製造方法について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、上層プリント配線板と、下層プリント配線板とを積層して多層プリント配線板を製造する多層プリント配線板の製造方法であって、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する(1)上層プリント配線板用樹脂積層工程と、第1樹脂に第1配線パターンを形成する(2)第1配線パターン形成工程と、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板を作製する(3)第1の樹脂硬化工程と、第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板を準備する(4)下層プリント配線板準備工程と、上層プリント配線板の下に、下層プリント配線板を積層する(5)プリント配線板積層工程と、第2樹脂を硬化させ、上層プリント配線板と下層プリント配線板とを接着する(6)第2の樹脂硬化工程とを含む。
また、第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂は、第2重合開始剤を含有する。
以下、各工程について図面を用いて詳述する。
図28は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における上層プリント配線板用樹脂積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図29は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1配線パターン形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図30は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
図31は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における下層プリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図32は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図33は、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
(1)上層プリント配線板用樹脂積層工程
本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、まず、図28に示すように、半硬化状態の第1樹脂1010と、半硬化状態の第2樹脂1020とを積層する。
本発明の多層プリント配線板の製造方法の後の工程において、第1樹脂には第1配線パターンが形成され、第2樹脂と下層プリント配線板とは接着されることになる。
第1樹脂として第1配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第2樹脂として下層プリント配線板との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造された多層プリント配線板において、伝送特性と、プリント配線板同士の密着性とを両立させることができる。
第1樹脂1010の材料は、特に限定されないが、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であることが望ましい。このような樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリイミド樹脂であることが望ましい。
第1樹脂1010がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
Figure 0006732706
一般式(1)中、Xは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基であって、主鎖の炭素数が10〜30である炭化水素基を示し、これらの基は、ヘテロ原子、置換基又はシロキサン骨格を有していてもよい。Xは、脂肪族又は脂環式炭化水素若しくは脂環式炭化水素基により修飾された脂肪族炭化水素基であることが望ましく、炭素数10〜55の脂肪族炭化水素基であることがより望ましく、炭素数10〜40であることがさらに望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
後述するように、第1樹脂1010には、第1配線パターンが形成されることになる。
第1樹脂1010の材料が上記樹脂であると、第1配線パターンで伝送される信号の伝送特性が良好になる。
第1樹脂1010の厚さは、特に限定されないが、5〜100μmであることが望ましく、10〜100μmであることがより望ましい。
第1樹脂10の厚さが、5μm未満であると、上層プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第1樹脂1010の厚さが、100μmを超えると、製造される多層プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
第1樹脂1010の比誘電率は、周波数1GHzにおいて、2〜3であることが望ましい。
また、第1樹脂1010の誘電正接は、周波数1GHzにおいて、0.0001〜0.002であることが望ましい。
第1樹脂1010の比誘電率及び誘電正接が、上記範囲であると、第1配線パターンにおける伝送特性が良好になる。
また、第1樹脂1010は、第1重合開始剤を含有している。第1重合開始剤は、熱重合開始剤や、光重合開始剤である。
また、第1重合開始剤の種類は、第2重合開始剤の種類、(3)第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段、及び、(6)第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段に応じて選択することが望ましい。これらの望ましい例は後述する。
第2樹脂1020の材料は、特に限定されないが、例えば、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であることが望ましい。このような樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリイミド樹脂であることが望ましい。
第1樹脂がポリイミド樹脂である場合には、ポリイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される(A)ビスマレイミド化合物を含有する硬化性樹脂組成物であることが望ましい。
Figure 0006732706
一般式(1)中、Xは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基であって、主鎖の炭素数が10〜30である炭化水素基を示し、これらの基は、ヘテロ原子、置換基又はシロキサン骨格を有していてもよい。Xは、脂肪族又は脂環式炭化水素若しくは脂環式炭化水素基により修飾された脂肪族炭化水素基であることが望ましく、炭素数10〜55の脂肪族炭化水素基であることがより望ましく、炭素数10〜40であることがさらに望ましい。
一般式(1)中、Yは、脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素基を示し、これらの基はヘテロ原子、置換基、フェニルエーテル骨格、スルフォニル骨格又はシロキサン骨格を有していてもよい。Yは、芳香族炭化水素基であることが望ましい。
一般式(1)中、nは繰り返し単位数であり、1〜20の範囲の数を示す。
後述するように、第2樹脂1020は、下層プリント配線板の第3樹脂と接着されることになる。
第2樹脂1020の材料が上記樹脂であると、下層プリント配線板の第3樹脂との接着性が向上する。
第2樹脂1020の厚さは、特に限定されないが、5〜100μmであることが望ましく、10〜100μmであることがより望ましい。
第2樹脂1020の厚さが、5μm未満であると、上層プリント配線板の強度が弱くなりやすくなる。
第2樹脂1020の厚さが、100μmを超えると、製造される多層プリント配線板が厚くなり、電子機器を小型化しにくくなる。
第2樹脂1020の比誘電率は、周波数1GHzにおいて、2〜3であることが望ましい。
また、第2樹脂1020の誘電正接は、周波数1GHzにおいて、0.0001〜0.002であることが望ましい。
また、第2樹脂1020は、第2重合開始剤を含有している。第2重合開始剤は、熱重合開始剤や、光重合開始剤である。
また、第2重合開始剤の種類は、第1重合開始剤の種類、(3)第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段、及び、(6)第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段に応じて選択することが望ましい。これらの望ましい例は後述する。
(2)第1配線パターン形成工程
次に、図29に示すように、第1樹脂1010に第1配線パターン1031を形成する。
第1配線パターン1031を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、第1樹脂1010を金属膜で覆い、該金属膜をエッチングすることにより第1配線パターン1031を形成してもよく、第1樹脂1010に導体ペーストを印刷することにより第1配線パターン1031を形成してもよい。
金属膜をエッチングすることにより第1配線パターン1031を形成する場合について説明する。
この方法では、まず、第1樹脂1010を金属膜で覆うことになる。
第1樹脂1010を金属膜で覆う方法は、特に限定されず、金属箔を貼付する方法や、めっきにより第1樹脂1010に金属膜を形成する方法が挙げられる。
金属膜を構成する金属としては、特に限定されないが、例えば、銅や銀等が挙げられる。これらの中では銅であることが望ましい。
次に、第1樹脂1010を覆う金属膜を、所定の配線パターンが形成されるようにマスクしエッチングを行う。
エッチングは、金属膜を構成する金属の種類や、金属膜の厚さに合わせ、従来の方法により行うことができる。
例えば、金属膜を構成する金属が銅である場合、硫酸・過酸化水素系のエッチング液等をエッチング液として用いてエッチングすることが望ましい。
導体ペーストを印刷することにより第1配線パターン1031を形成する場合、第1配線パターン1031が形成されるまでの間、第1樹脂及び第2樹脂が半硬化状態を維持できれば、どのような条件で導体ペーストを第1配線パターン1031としてもよい。
また、導体ペーストとしては、特に限定されないが、例えば、導電性フィラーと熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂との配合物を用いることができる。導電性フィラーとしては、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等を用いることができる。
(3)第1の樹脂硬化工程
次に、図30に示すように、第2樹脂1020の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂1010を第1硬化手段1055により硬化させ上層プリント配線板1091を作製する。
すなわち、(3)第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂1010を、第2樹脂1020よりも先に硬化させている。
第1樹脂1010を先に硬化させることにより、第1樹脂1010に形成された第1配線パターン1031を充分に第1樹脂1010に固定することができ、第1配線パターン1031と第1樹脂1010との密着性を向上させることができる。
なお、第1硬化手段は、第2重合開始剤の種類、第1重合開始剤の種類、及び、(6)第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段に応じて選択することが望ましい。これらの望ましい例は後述する。
(4)下層プリント配線板準備工程
次に、図31に示すように、第3樹脂1040に第2配線パターン1032が形成された下層プリント配線板1092を準備する。
第3樹脂1040の材料や、厚さ等は、特に限定されないが、上記第1樹脂1010と同じ材料、厚さ等であってもよい。
第2配線パターン1032は、特に限定されないが、上記第1配線パターンと同様の方法で形成されていてもよい。
(5)プリント配線板積層工程
次に、図32に示すように、上層プリント配線板1091の下に、下層プリント配線板1092を積層する。
この際、半硬化状態の第2樹脂1020と下層プリント配線板1092の第3樹脂1040とを接着させるので、第2樹脂1020と下層プリント配線板1092の第3樹脂1040との密着性を向上させることができる。
(6)第2の樹脂硬化工程
次に、図33に示すように、第2樹脂1020を硬化させ、上層プリント配線板1091と下層プリント配線板1092とを接着する。
上記の通り、本発明の多層プリント配線板の製造方法では、第2樹脂1020と第3樹脂1040との密着性が充分に高い。この状態で第2樹脂を硬化させるので、上層プリント配線板1091と下層プリント配線板1092とが強固に接着されることになる。
以上の工程を経て、多層プリント配線板1001を製造することができる。
このような多層プリント配線板1001は本発明の多層プリント配線板でもある。
図33は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す模式図である。
図33に示すように、多層プリント配線板1001は、第1配線パターン1031が形成された上層プリント配線板1091と、第3樹脂1040に第2配線パターン1032が形成された下層プリント配線板1092とが積層された多層プリント配線板である。
上層プリント配線板1091は、一方の面に第1配線パターン1031が形成された第1硬化樹脂層1015と、第1配線パターン1031が形成された面と反対側の第1硬化樹脂層1015の面に積層された第2硬化樹脂層1025とからなる。
また、第1硬化樹脂層1015は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、第2硬化樹脂層1025は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂である。
そして第1樹脂を第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、第2樹脂を第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とする。
ここで、上述した第1重合開始剤、第2重合開始剤、第1硬化手段及び第2硬化手段の望ましい種類及び組み合わせを説明する。
本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、第1重合開始剤は光重合開始剤であり、第2重合開始剤は熱重合開始剤であってもよい。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は光であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は熱である。
第1重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
具体例としては、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、チオキサトン、2−クロロチオキサソン、2−メチルチオキサトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等の光重合開始剤が挙げられる。
これらの中でも、微細なパターン形成ができるという観点から、露光波長310〜436nm、より望ましくは露光波長310〜365nmにおいて効率よくラジカルを発生する光重合開始剤が望ましい。
このような光重合開始剤の例としては、オキシム構造を有する1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−01」)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン製、「IRGACURE OXE−02」)、チオキサントン構造を有する2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、「DETX−S」)が挙げられる。
第1重合開始剤は、上記光重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
第2重合開始剤としては、熱重合開始剤であれば、特に限定されないが、有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤等であってもよい。
有機過酸化物系熱重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
アゾ系熱重合開始剤としては、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
第2重合開始剤は、上記熱重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
第1重合開始剤、第2重合開始剤、第1硬化手段及び第2硬化手段が上記組み合わせであると、第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂に光を照射することにより第1樹脂を硬化させ、第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に熱を加えることにより第2樹脂を硬化させることになる。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として光重合開始剤及び熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
また、この第1重合開始剤、第2重合開始剤、第1硬化手段及び第2硬化手段の組み合わせにおいて、第1重合開始剤は、さらに熱重合開始剤を含んでいてもよい。
すなわち、第1重合開始剤は光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は熱重合開始剤であり、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は光であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は熱である。
なお、第1重合開始剤に含まれる熱重合開始剤の望ましい種類は、上記第2重合開始剤に含まれる熱重合開始剤の望ましい種類と同じである。
この場合、第1の樹脂硬化工程では、上記第1樹脂に光を照射することにより、第1樹脂を硬化させ、第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に熱を加えることにより上記第2樹脂を硬化させ、同時に、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させることになる。
このように、第1樹脂が、光重合開始剤及び熱重合開始剤であると、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも熱が加わることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合には、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
また、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、第1重合開始剤は熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は光重合開始剤であってもよい。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は熱であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は光である。
第1重合開始剤としては、熱重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、有機過酸化物系熱重合開始剤やアゾ系熱重合開始剤等であってもよい。
第1重合開始剤は、熱重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
第2重合開始剤としては、光重合開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系、アシルフォスフィン系、オキシムエステル系、チオキサントン系等であってもよい。
第2重合開始剤は、光重合開始剤1種からなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
第1重合開始剤、第2重合開始剤、第1硬化手段及び第2硬化手段が上記組み合わせであると、第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させ、第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に光を照射することにより第2樹脂を硬化させることになる。
このように、第1重合開始剤及び第2重合開始剤として熱重合開始剤及び光重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
また、この第1重合開始剤、第2重合開始剤、第1硬化手段及び第2硬化手段の組み合わせにおいて、第1重合開始剤は、さらに光重合開始剤を含んでいてもよい。
すなわち、第1重合開始剤は熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、第2重合開始剤は光重合開始剤であり、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は熱であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は光である。
なお、第1重合開始剤に含まれる光重合開始剤の望ましい種類は、上記第2重合開始剤に含まれる光重合開始剤の望ましい種類と同じである。
この場合、第1の樹脂硬化工程では、第1樹脂に熱を加えることにより、第1樹脂を硬化させ、第2の樹脂硬化工程では、第2樹脂に光を照射することにより第2樹脂を硬化させ、同時に、第1樹脂に光を照射することにより第1樹脂を硬化させることになる。
このように、第1樹脂が、熱重合開始剤及び光重合開始剤からなる第1重合開始剤を含むと、第1の樹脂硬化工程において、第1樹脂の硬化の程度を調節しやすくなる。
また、第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂にも光が照射されることで、第2樹脂を硬化させると同時に、第1樹脂に未硬化部分が存在する場合に は、第1樹脂の未硬化部分を充分に硬化させることができる。
また、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、第2重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよい。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段、及び、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は共に熱である。
また、第1樹脂の硬化温度が、第2樹脂の硬化温度よりも低くなるように第1樹脂及び第2樹脂の組成を調整することにより、第1樹脂の硬化時期と、第2樹脂の硬化時期とをずらすことができる。
また、第1硬化手段である熱の温度を、第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、第1樹脂が硬化する温度とすると、第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第1樹脂を硬化させることができる。
第2硬化手段である熱の温度を、第2樹脂が硬化する温度とすることで、第2樹脂を硬化させることができる。
第1重合開始剤、第2重合開始剤、第1硬化手段及び第2硬化手段が上記組み合わせであると、第1の樹脂硬化工程において、第2樹脂を完全に硬化させることなく第1樹脂を硬化させることができる。これにより、第1樹脂に形成された配線パターンの位置を固定しやすくなるので、配線パターンにずれが生じることを防ぐことができる。さらに、第1の樹脂硬化工程において、第2樹脂を完全に硬化しないので、基材との密着性が良好となる。
また、第1重合開始剤の10時間半減期温度を、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低くしてもよい。
この場合、第1の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、第1樹脂に熱を加えることにより第1樹脂を硬化させ、第2の樹脂硬化工程では、第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、第2樹脂に熱を加えることにより第2樹脂を硬化させてもよい。
このように、10時間半減期温度が異なる2種類の熱重合開始剤を使用することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
また、本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、第1重合開始剤は第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、第2重合開始剤は、第1波長の光とは波長が異なる第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能してもよい。
この場合、第1の樹脂硬化工程における第1硬化手段は第1波長の光であり、第2の樹脂硬化工程における第2硬化手段は第2波長の光である。
第1重合開始剤、第2重合開始剤、第1硬化手段及び第2硬化手段が上記組み合わせであると、第1の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、上記第1樹脂に上記第1波長の光を照射し、上記第1樹脂を硬化させ、上記第2の樹脂硬化工程では、上記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより上記第2樹脂を硬化させてもよい。
このような第1重合開始剤及び第2重合開始剤を使用し、波長が異なる第1波長の光と、第2波長の光とを照射することにより、容易に、第2樹脂の硬化よりも先に第1樹脂の硬化を行うことができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、上記(5)プリント配線板積層工程において、第1配線パターンと、第2配線パターンとが導電部材を介して電気的に接続するように、上層プリント配線板と下層プリント配線板とを積層する以外は、上記本発明の第8実施形態に係るプリント配線板の製造方法と同じである。
このようなプリント配線板積層工程について以下に図面を用いて説明する。
図34(a)及び(b)は、本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す模式図である。
本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程では、図34(a)に示すように、第3樹脂1040に形成された第2配線パターン1032の上に、導電部材である導電ピン1033を形成する。
次に、図34(b)に示すように、導電ピン1033が、第2樹脂1020及び第1樹脂1010を貫き、第1配線パターン1031に接触するように上層プリント配線板1091と下層プリント配線板1092とを積層する。
このように、第1配線パターン1031と、第2配線パターン1032とが導電部材である導電ピン1033を介して電気的に接続するように、上層プリント配線板1091と下層プリント配線板1092とを積層して多層プリント配線板を製造することにより、配線パターンを高密度にすることができる。
導電ピン1033の材料としては、特に限定されないが、銅、金、銀、ニッケルおよびこれらの合金等であることが望ましい。
なお、本発明の第9実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法において、導電部材は、導電ピンの代わりに導電性フィラーを使用することができる。
また、第1配線パターンと第2配線パターンを接続する方法としては、第1樹脂及び/又は第2樹脂に設けられたビアホールに導電性ペーストを充填し、当該導電性ペーストにより第1配線パターンと第2配線パターンとを接続させてもよい
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第10実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、(4)下層プリント配線板準備工程において、第3重合開始剤を含む半硬化状態の第3樹脂に上記第2配線パターンを形成し、その後、第3樹脂が完全に硬化しないように第3樹脂を硬化させて上記下層プリント配線板を作製すること、(6)第2の樹脂硬化工程において、第2樹脂を硬化させ、同時に、上記第3樹脂を完全に硬化させて上記上層プリント配線板と上記下層プリント配線板とを接着すること以外は、上記本発明の第8実施形態に係るプリント配線板の製造方法と同じである。
このように半硬化状態の第3樹脂に第2配線パターンを形成し、その後、第3樹脂が完全に硬化しないように第3樹脂を硬化させることにより、第3樹脂に形成された第2配線パターンを充分に第3樹脂に固定することができ、第2配線パターンと第3樹脂との密着性を向上させることができる。
また、このような多層プリント配線板の製造方法では、半硬化状態の第2樹脂と、半硬化状態の第3樹脂とが積層されることになるので、上層プリント配線板と下層プリント配線板との密着性を向上させることができる。
本発明の第10実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法において、第3樹脂としては、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であることが望ましい。このような樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリイミド樹脂であることが望ましい。
さらに、第3樹脂の種類は、第2樹脂の種類と同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、第3重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよく、光重合開始剤であってもよいが、第2重合開始剤と同じ種類の重合開始剤であることが望ましい。
つまり、第3樹脂の硬化方法と、第2樹脂の硬化方法は同じであることが望ましい。
さらに、第3樹脂と第2樹脂の種類が同じであり、かつ、第3重合開始剤と第2重合開始剤の種類が同じであることがより望ましい。
第3樹脂と第2樹脂の種類が同じであり、かつ、第3重合開始剤と第2重合開始剤の種類が同じであると、第2の樹脂硬化工程において、一つの樹脂硬化手段により第3樹脂と第2樹脂とを同時に硬化させることができる。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法について説明する。
本発明の第11実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、上記本発明の第8実施形態に係るプリント配線板の製造方法において、(4)下層プリント配線板準備工程及び(6)第2の樹脂硬化工程を以下のように変形させたプリント配線板の製造方法である。
すなわち、本発明の第11実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、上記(4)下層プリント配線板準備工程において、第3重合開始剤を含む半硬化状態の第3樹脂と、第4重合開始剤を含む半硬化状態の第4樹脂とを積層し、第3樹脂に上記第2配線パターンを形成し、その後、第4樹脂の半硬化状態を維持させたまま、第3樹脂を硬化させ下層プリント配線板を作製し、上記(6)第2の樹脂硬化工程において、第4樹脂も硬化させる。
このように下層プリント配線板を、第3樹脂と第4樹脂とを積層することにより作製すると、第4樹脂の下に別の基材等を接着しやすくなる。
例えば、第3樹脂として第2配線パターンの伝送特性が良好になる種類の樹脂を使用し、第4樹脂として別の基材との密着性が良好になる種類の樹脂を使用することにより、製造された多層プリント配線板において、伝送特性と、密着性とを両立させることができる。
第3樹脂の材料は、特に限定されないが、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であることが望ましい。このような樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリイミド樹脂であることが望ましい。
また、第3重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよく、光重合開始剤であってもよい。
第4樹脂の材料は、特に限定されないが、例えば、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂であることが望ましい。このような樹脂は、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルフォン酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリイミド樹脂であることが望ましい。
また、第4重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよく、光重合開始剤であってもよい。
本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、第1樹脂と第3樹脂とが同じ種類の樹脂であり、第2樹脂と第4樹脂とが同じ種類の樹脂であることが望ましい。また、第1重合開始剤と第3重合開始剤とが同じ種類の重合開始剤であり、第2重合開始剤と第4重合開始剤とが同じ種類の重合開始剤であることが望ましい。
この場合、上層プリント配線板を構成する樹脂の種類と、下層プリント配線板を構成する樹脂の種類とが同じになるので、線膨張係数を揃えることができるので、製造される多層プリント配線板に反りが生じることを防ぐことができる。
また、第1樹脂及び第2樹脂を積層する工程と、第3樹脂及び第4樹脂を積層する工程とを同じラインで行うことができるので、製造効率が向上する。
第1樹脂と第3樹脂とが同じ種類の樹脂であり、第2樹脂と第4樹脂とが同じ種類の樹脂である場合、つまり、下層プリント配線板が第1樹脂と第2樹脂とからなる場合、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は以下のように記載することができる。
すなわち、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法は、複数のプリント配線板を積層して多層プリント配線板を製造する方法であり、半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層し、複数の積層体を作製する(A)プリント配線板用樹脂積層工程と、ある積層体の第1樹脂に第1配線パターンを形成し、別の積層体の第1樹脂に第2配線パターンを形成する(B)配線パターン形成工程と、各積層体の第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、かつ、第1樹脂が完全に硬化しないように第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板及び下層プリント配線板を作製する(C)第1の樹脂硬化工程と、上層プリント配線板と下層プリント配線板を積層する(D)プリント配線板積層工程と、各プリント配線板の第2樹脂を硬化させ、各プリント配線板同士を接着する(E)第2の樹脂硬化工程とを含んでいてもよい。
また、第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、第2樹脂は、第2重合開始剤を含有する。
以下、各工程について図面を用いて説明する。
図35は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板用樹脂積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図36は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における配線パターン形成工程の一例を模式的に示す工程図である。
図37は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
図38は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法におけるプリント配線板積層工程の一例を模式的に示す工程図である。
図39は、本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第2の樹脂硬化工程の一例を模式的に示す工程図である。
(A)プリント配線板用樹脂積層工程
本発明の第11実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法では、まず、図35に示すように、半硬化状態の第1樹脂1110aと、半硬化状態の第2樹脂1120aとを積層し、上層プリント配線板となる積層体1190aを作製する。
第1樹脂1110aは第1重合開始剤を含有し、第2樹脂1120aは、第2重合開始剤を含有している。
また、半硬化状態の第3樹脂1110bと、半硬化状態の第4樹脂1120bとを積層し、下層プリント配線板となる積層体1190bを作製する。
第3樹脂1110bは第3重合開始剤を含有し、第4樹脂1120bは、第4重合開始剤を含有している。
第1樹脂1110a、第2樹脂1120a、第1重合開始剤及び第2重合開始剤の望ましい種類並びに組み合わせは、上記本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1樹脂1010、第2樹脂1020、第1重合開始剤及び第2重合開始剤の望ましい種類並びに組み合わせと、それぞれ、同じである。
第3樹脂1110b、第4樹脂1120b、第3重合開始剤及び第4重合開始剤の望ましい種類並びに組み合わせは、上記本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1樹脂1010、第2樹脂1020、第1重合開始剤及び第2重合開始剤の望ましい種類並びに組み合わせと、それぞれ、同じである。
第1樹脂1110a、第2樹脂1120a、第1重合開始剤及び第2重合開始剤の種類並びに組み合わせは、第3樹脂1110b、第4樹脂1120b、第3重合開始剤及び第4重合開始剤の種類並びに組み合わせと同じであってもよい。
(B)配線パターン形成工程
次に、図36に示すように、積層体1190aの第1樹脂1110aに第1配線パターン1131を形成する。また、積層体1190bの第3樹脂1110bに第2配線パターン1132を形成する。
第1配線パターン1131及び第2配線パターン1132の望ましい形成方法は、上記本発明の第8実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法における第1配線パターン1031及び第2配線パターン1032を形成する望ましい方法と同じである。
(C)第1の樹脂硬化工程
次に、図37に示すように、積層体1190aの第2樹脂1120aの半硬化状態を維持させたまま、第1硬化手段1155aにより第1樹脂1110aを硬化させ上層プリント配線板1191を作製する。
また、積層体1190bの第4樹脂1120bの半硬化状態を維持させたまま、第1硬化手段1155bにより第3樹脂1110bを硬化させ下層プリント配線板1192を作製する。
本工程において、第1樹脂1110a及び第3樹脂1110bを硬化させることで、第1配線パターン1131及び第2配線パターン1132を充分に固定することができる。
第1樹脂1110a及び第3樹脂1110bを硬化させる硬化手段は、特に限定されず、第1樹脂1110a、第2樹脂1120a、第3樹脂1110b、第4樹脂1120b、第1重合開始剤、第2重合開始剤、第3重合開始剤及び第4重合開始剤の種類並びに組み合わせに応じ選択することが望ましい。
(D)プリント配線板積層工程
次に、図38に示すように、上層プリント配線板1191及び下層プリント配線板1192を積層する。
上層プリント配線板1191の第2樹脂1120aは半硬化状態であるので、下層プリント配線板1192の第3樹脂1110b及び第2配線パターン1132に密着することになる。
(E)第2の樹脂硬化工程
次に、図39に示すように、上層プリント配線板1191の第2樹脂1120aを第2硬化手段1156aにより硬化させ、下層プリント配線板1192の第4樹脂1120bを第2硬化手段1156bにより硬化させる。
このようにして、上層プリント配線板1191及び下層プリント配線板1192を接着させることにより、多層プリント配線板1101を製造することができる。
上記通り、上層プリント配線板1191の第2樹脂1120aと下層プリント配線板1192の第3樹脂1110bとは密着しているので、多層プリント配線板1101では、上層プリント配線板1191及び下層プリント配線板1192が強固に接着する。
第2の樹脂硬化工程において、第1樹脂1110a、第2樹脂1120a、第3樹脂1110b及び第4樹脂1120bを硬化する硬化手段は特に限定されず、第1樹脂1110a、第2樹脂1120a、第3樹脂1110b、第4樹脂1120b、第1重合開始剤、第2重合開始剤、第3重合開始剤及び第4重合開始剤の種類並びに組み合わせに応じ選択することが望ましい。
10、110、210、310、410、510 第1樹脂
20、120、220、320、420、520 第2樹脂
30、130、230、330、430、530、630 配線パターン
40、140、240、340、440、540、640 基材
50、150、351、352、451、452 光
60、160、261、262 熱
370 光不透過層
555 第1硬化手段
556 第2硬化手段
581 第1ロールプレス機
601 プリント配線板
615 第1硬化樹脂層
625 第2硬化樹脂層
1001、1101 多層プリント配線板
1010、1110a 第1樹脂
1015 第1硬化樹脂層
1020、1120a 第2樹脂
1025 第2硬化樹脂層
1031、1131 第1配線パターン
1032、1132 第2配線パターン
1033 導電ピン
1040、1110b 第3樹脂
1055、1155a、1155b 第1硬化手段
1156a、1156b 第2硬化手段
1091、1191 上層プリント配線板
1092、1192 下層プリント配線板
1120b 第4樹脂
1190a 上層プリント配線板となる積層体
1190b 下層プリント配線板となる積層体

Claims (27)

  1. 半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する樹脂積層工程と、
    前記第1樹脂に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
    前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂を硬化させる第1の樹脂硬化工程と、
    前記第2樹脂及び基材を貼り合わせる基材貼り合わせ工程と、
    前記第2樹脂を硬化させ、前記第2樹脂と前記基材とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
    前記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
    前記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 前記配線パターン形成工程では、前記第1樹脂に前記配線パターンを形成した後、前記配線パターンを前記第1樹脂に埋め込む請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 前記基材貼り合わせ工程では、前記第2樹脂と前記基材との間に前記第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置する請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 前記樹脂積層工程では、前記第1樹脂と前記第2樹脂との間に、前記第1樹脂及び/又は前記第2樹脂が含浸可能な補強資材を配置する請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  6. 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  7. 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  8. 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 前記基材は透光性を有しており、
    前記第2の樹脂硬化工程では、少なくとも基材側から前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項7又は8に記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、前記第1樹脂が硬化する温度の熱を加え、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が硬化する温度の熱を加え前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  11. 前記第1重合開始剤の10時間半減期温度は、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低く、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
  12. 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記基材は、透光性を有し、
    前記樹脂積層工程では、前記第1樹脂と、前記第2樹脂との間に光不透過層を挟んで前記第1樹脂と、前記第2樹脂とを積層し、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂側から前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記基材側から前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  13. 前記第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
    前記第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
    前記第1波長と、前記第2波長とは異なる波長であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂に前記第1波長の光を照射し、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  14. 前記基材は透光性を有しており、
    前記第2の樹脂硬化工程では、少なくとも基材側から前記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項13に記載のプリント配線板の製造方法。
  15. 前記樹脂積層工程、前記配線パターン形成工程、前記第1の樹脂硬化工程、前記基材貼り合わせ工程及び前記第2の樹脂硬化工程を、ロールプレス機において連続的に行う請求項1〜14のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  16. 上層プリント配線板と、下層プリント配線板とを積層して多層プリント配線板を製造する多層プリント配線板の製造方法であって、
    半硬化状態の第1樹脂と、半硬化状態の第2樹脂とを積層する上層プリント配線板用樹脂積層工程と、
    前記第1樹脂に第1配線パターンを形成する第1配線パターン形成工程と、
    前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂を硬化させ上層プリント配線板を作製する第1の樹脂硬化工程と、
    第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板を準備する下層プリント配線板準備工程と、
    前記上層プリント配線板の下に、前記下層プリント配線板を積層するプリント配線板積層工程と、
    前記第2樹脂を硬化させ、前記上層プリント配線板と前記下層プリント配線板とを接着する第2の樹脂硬化工程とを含み、
    前記第1樹脂は、第1重合開始剤を含有し、
    前記第2樹脂は、第2重合開始剤を含有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  17. 前記プリント配線板積層工程では、前記第1配線パターンと、前記第2配線パターンとが導電部材を介して電気的に接続するように、上層プリント配線板と下層プリント配線板とを積層する請求項16に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  18. 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  19. 前記第1重合開始剤は、光重合開始剤及び熱重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に光を照射することにより、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  20. 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  21. 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、光重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第1樹脂に熱を加えることにより、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第1樹脂に光を照射することにより前記第1樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  22. 前記第1重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第2重合開始剤は、熱重合開始剤であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が半硬化状態を維持したままとなる温度であり、かつ、前記第1樹脂が硬化する温度の熱を加え、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂が硬化する温度の熱を加え前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  23. 前記第1重合開始剤の10時間半減期温度は、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低く、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い温度で、前記第1樹脂に熱を加えることにより前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度で、前記第2樹脂に熱を加えることにより前記第2樹脂を硬化させる請求項22に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  24. 前記第1重合開始剤は、第1波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
    前記第2重合開始剤は、第2波長の光を照射されることにより光重合開始剤として機能し、
    前記第1波長と、前記第2波長とは異なる波長であり、
    前記第1の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第1樹脂に前記第1波長の光を照射し、前記第1樹脂を硬化させ、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂に第2波長の光を照射することにより前記第2樹脂を硬化させる請求項16又は17に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  25. 前記下層プリント配線板準備工程では、第3重合開始剤を含む半硬化状態の前記第3樹脂に前記第2配線パターンを形成し、その後、前記第3樹脂が完全に硬化しないように前記第3樹脂を硬化させて前記下層プリント配線板を作製し、
    前記第2の樹脂硬化工程では、前記第2樹脂を硬化させ、同時に、前記第3樹脂を完全に硬化させて前記上層プリント配線板と前記下層プリント配線板とを接着する請求項1624のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  26. 前記下層プリント配線板準備工程では、第3重合開始剤を含む半硬化状態の前記第3樹脂と、第4重合開始剤を含む半硬化状態の第4樹脂とを積層し、前記第3樹脂に前記第2配線パターンを形成し、その後、前記第4樹脂の半硬化状態を維持させたまま、前記第3樹脂を硬化させ下層プリント配線板を作製し、
    第2の樹脂硬化工程では、前記第4樹脂も硬化させる請求項1624のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  27. 第1配線パターンが形成された上層プリント配線板と、第3樹脂に第2配線パターンが形成された下層プリント配線板とが積層された多層プリント配線板であって、
    前記上層プリント配線板は、一方の面に前記第1配線パターンが形成された第1硬化樹脂層と、
    前記第1配線パターンが形成された面と反対側の前記第1硬化樹脂層の面に積層された第2硬化樹脂層とからなり、
    前記第1硬化樹脂層は、第1樹脂が第1重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
    前記第2硬化樹脂層は、第2樹脂が第2重合開始剤により硬化した硬化樹脂であり、
    前記第1樹脂を前記第1重合開始剤により硬化させる第1硬化手段と、前記第2樹脂を前記第2重合開始剤により硬化させる第2手段とは異なることを特徴とするプリント配線板。
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