JP6732579B2 - 酸素センサ - Google Patents

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本発明は、被測定雰囲気中の酸素濃度を検知する酸素センサに関する。
従来より、例えば内燃機関等の排気ガス中の酸素濃度の検知、ボイラの燃焼管理のための酸素濃度の検知、室内の酸欠防止のための酸素濃度検知等、様々な態様での酸素濃度検知の要求があり、その酸素濃度の検出方法として、ガルバニ電池式、ジルコニア固体電解質方式、磁気式、波長可変半導体レーザ分光式等が知られている。
これらのうちガルバニ電池式は、電解液を満たした容器内に鉛(Pb)等の卑金属からなる陽極と金(Au)等の貴金属からなる陰極を置き、これらを隔膜によって外部と遮断し、その隔膜を通過した酸素が電解液に溶けることによる化学反応により酸素濃度に比例して流れる電流を測定して、酸素濃度を求めている。
また、ジルコニア式には濃淡電池式と限界電流式があり、濃淡電池式は、高温に加熱したジルコニア素子が酸素イオンを伝導するという性質をもとに、酸素イオンの移動により素子の両面間に発生する、ネルンストの法則による温度を係数とする起電力を利用しており、限界電流式は、加熱したジルコニア素子の陰極側の酸素流入を制限すると印加電圧を増加させても電流値が一定になる領域があり、その限界電流が酸素濃度に比例することを利用している。
一方、上述した検出方法とは異なる方式で酸素濃度等を検出する素子も知られている。例えば特許文献1は、希土類元素を含む酸化物超伝導体を感知素子として、その感知素子が配置された雰囲気中の湿度を検出する技術を開示している。また、特許文献2は、被測定ガスが流入する管体に設けた、希土類元素を含む酸化物超伝導体からなる線材に流れる電流値より、その被測定ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサを開示している。
特開平1−101451号公報 特開2007-85816号(特許第4714867号)公報
上述したガルバニ式の酸素センサーは、構造の簡便さから携帯形、可搬形の酸素計に適するも、一般環境に近い雰囲気(常温)での使用に限定され、さらには、定期的に電解液を交換する必要があり、隔膜が破れやすく信頼性が低いという問題がある。また、ジルコニア式のセンサーは、素子を高温加熱するためのヒーターと、適温に加熱した素子熱を放熱させないための断熱材が必須となり、構造が複雑になるだけでなく、測定ガス中に可燃性ガスが含まれていると測定誤差が生じるという問題がある。特に、限界電流式の場合、酸素濃度が比較的高い領域にしか適用できないことに加えて、測定ガス中に塵や埃が含まれていると陰極側の気体拡散孔が詰まり、測定不能になるという問題がある。
特許文献1等に記載された酸化物超伝導体からなる素子は、電流を流すことで発熱する自己発熱型のセンサ素子であるため、ジルコニア式で必須となるヒーターや断熱材を必要としないが、センサ素子を設置する環境によっては、センサ素子周囲からの放熱(これを便宜上、熱引けとも言う。)が発生しやすく、酸素濃度測定の基準となる電流値が変わるという問題がある。例えば、センサ素子を机や壁等の構造体に接触させた状態で設置した場合、その接触点を通してセンサ素子から構造体へ熱が奪われ、それによりセンサ素子に流れる電流が増加する。その結果、素子を構造体に接触等しない状態で設置した場合に比べて、酸素濃度が高濃度側にシフトする現象が生じ、真の酸素濃度値が得られないという問題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、酸素濃度測定時における酸素センサ素子の周囲からの他の構造体との接触による放熱を発生させにくい構造を有する酸素センサを提供することである。
上記の目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として以下の構成を備える。すなわち、本発明の酸素センサは、希土類元素を含む酸化物超伝導体からなり、両端に通気孔を有するガラス管内に収容された酸素センサ素子と、前記酸素センサ素子の近傍に配置された感温素子と、前記酸素センサ素子より導出され外部電源に接続された一対のリード線と、前記酸素センサ素子と前記感温素子を収容する外装ケーシングと、を備え、前記酸素センサ素子は前記外装ケーシングの対向する壁面間に懸架され、該外装ケーシングの内部空間に位置することを特徴とする。
例えば、前記一対のリード線は前記酸素センサ素子の両端部に接続され、該一対のリード線により該酸素センサ素子が懸架されることを特徴とする。
また、本発明の酸素センサは、希土類元素を含む酸化物超伝導体からなり、両端に通気孔を有するガラス管内に収容された酸素センサ素子と、前記酸素センサ素子の近傍に配置された感温素子と、前記酸素センサ素子より導出され外部電源に接続された一対のリード線と、前記酸素センサ素子と前記感温素子を収容する外装ケーシングと、を備え、前記酸素センサ素子は前記外装ケーシング内部の中心に向けて突出した少なくとも1本のフレーム部材で保持され、該外装ケーシングの内部空間に位置することを特徴とする。
例えば、前記酸素センサ素子は前記フレーム部材の先端部で支持されていることを特徴とする。
上記発明において、例えば前記外装ケーシングの対向する所定の壁面に複数の通気孔を設けたことを特徴とする。さらには、例えば前記外装ケーシングは熱伝導率が1W・m-1・K-1以下である低熱伝導率材料からなることを特徴とする。
本発明によれば、設置環境による酸素センサ素子に対する熱引けの影響を排除した構造を有する酸素センサを提供できる。
本発明の第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの外観斜視図である。 第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの分解斜視図である。 図1のA−A’矢視線およびB−B’矢視線に沿って酸素濃度検出センサを切断したときの断面図である。 第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサを構成する酸素センサの外観斜視図である。 本発明の第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの斜視図である。 本発明の第3の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの斜視図である。 酸素濃度を外装ケースのない酸素センサ素子で測定した結果と、外装ケースに収納した酸素センサ素子で測定した結果とを対比して示す図である。 本発明に係る酸素濃度検出センサを使用して酸素濃度を検出する酸素濃度検出装置の一構成例を示す図である。 変形例に係る酸素濃度検出センサと酸素センサ素子を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態例について添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態例>
図1は、本発明の第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの外観斜視図であり、図2は、酸素濃度検出センサの分解斜視図であって、一部を破断して内部構造を示している。また、図3(a)は、図1のA−A’矢視線に沿って酸素濃度検出センサを切断した断面図であり、図3(b)は、図1(a)のB−B’矢視線に沿って酸素濃度検出センサを切断したときの断面図である。
図1および図2に示すように、第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサ1は、それぞれ上面部が開放された箱型の上部外装ケース7と下部外装ケース9を、それら開放面同士を突き合わせることで、幅、高さ、奥行きそれぞれが例えば4cmの立方体形状を有する。これら上部・下部外装ケース7,9で構成された外装ケーシング8の内部空間の中心部には、ホルダー2に搭載された酸素センサ5が、後述するフレームで保持された状態で配置されている。
上部・下部外装ケース7,9は熱伝導率の低い樹脂(例えば、アクリル樹脂等)からなり、図1、図2等に示すように上部外装ケース7の対向する側面7a,7bと、下部外装ケース9の対向する側面9a,9bそれぞれに複数の通気孔11a,11b,13a,13bが設けられている。これらの通気孔を通して、酸素濃度の測定対象(被測定ガス等の気体)が酸素濃度検出センサ1の内部に流入する。
なお、図2において、上部外装ケース7の内部構成を示すため、通気孔11aの格子の図示を一部省略している。また、図1、図2等に示す例では、通気孔が幾何学的に配した格子により形成された形状となっているが、通気孔の形状は、例えば、円形、楕円形、縦方向スリット、横方向スリット、あるいはこれらを組み合わせた形状としてもよい。
上部外装ケース7の内部には、ホルダー2に搭載された酸素センサ5を上方向から覆って保持する上部保持部12と、上部保持部12の上面側にそれと一体に形成された温度センサ収容部15とが設けられている。温度センサ収容部15には、一対の被覆電線(リード線)14が接続された温度センサ10が収容される。また、下部外装ケース9の内部には、酸素センサ5を下方向から覆って保持する下部保持部22が設けられている。
上部保持部12は、上部外装ケース7の対向する側面7c,7dの上縁部中央からケースの中心部に向かって水平方向に延出する水平フレーム17,18と連結し、それら水平フレームの先端部で支持されている。一方、温度センサ収容部15は、上部外装ケース7の底面7eの中央からケースの内部空間の中心部に向かって垂直方向に延出する垂直フレーム19と連結し、その垂直フレームの先端部で支持されている。また、下部保持部22は、下部外装ケース9の対向する側面9c,9dの上縁部中央からケースの中心部に向かって水平方向に延出する水平フレーム27,28と連結するとともに、下部外装ケース9の底面9eの中央からケースの内部空間の中心部に向かって垂直方向に延出する垂直フレーム29と連結し、これらのフレームの先端部で支持されている。
これらの水平フレームと垂直フレームの形状は、角棒状、丸棒状、あるいは平板状のいずれであっても良いが、酸素センサを収容する上記の上部・下部保持部12,22を支持するために必要な機械的な支持強度を有するとともに、熱引けを抑える観点からは、その断面積を可能な限り小さくする。
図3(b)に示すように、上部外装ケース7と下部外装ケース9の開放面同士を突き合わせると、水平フレーム17,27それぞれの長手方向の最外面同士が密着状態となって1本の水平フレームを形成する。同様に水平フレーム18,28も相互に密着して1本の水平フレームを形成する。そして、上部保持部12と下部保持部22により形成された空間内に、ホルダー2に搭載された酸素センサ5が収容され、保持される。よって、本実施の形態例に係る酸素濃度検出センサ1は、水平方向に延びる2本のフレームと、垂直方向に延びる2本のフレームの計4本の内部フレームによって酸素センサ5等が保持される構造を有する。
ホルダー2は、絶縁性の板状部材からなる基板4と、基板4の両端部に配置され、それぞれの中央部が湾曲した一対の金属片3a,3bとを備える。そして、金属片3a,3bの湾曲部に酸素センサ5の端部それぞれを差し込むことで、酸素センサ5がホルダー2に固定される。また、ホルダー2からは、はんだ等により金属片3a,3bと電気的に接続された一対の被覆電線(リード線)6が引き出されている。
図4は、酸素センサ5の外観斜視図である。酸素センサ5はヒーターを必要としない自己発熱型のセンサであり、後述するように電源に接続して電流が流れることで、酸素センサ素子20の中央部が約900℃の高温で発熱し、その発熱箇所(ホットスポットとも呼ばれる。)を酸素濃度の検出部としている。そのため酸素センサ5は、例えば耐熱ガラスからなる円筒形のガラス管23の内部に酸素センサ素子20を収容した構造を有し、ガラス管23の両端には、例えば銅(Cu)等からなる金属製の導電キャップ(口金とも言う。)21a,21bが嵌着されている。
酸素センサ素子20の両端部には、例えば銀(Ag)ペーストからなる電極(図4には不図示)が形成され、それらの電極と導電キャップ21a,21bとが電気的に接続されるとともに、酸素センサ素子20がガラス管23に接触しないように、酸素センサ素子20の長手方向がガラス管23の軸方向となるように配置されている。また、導電キャップ21a,21bの端面には通気孔25a,25bが設けられており、ガラス管23内の酸素センサ素子20が、通気孔25a,25bから流入した酸素濃度の測定対象とする気体に晒される構造になっている。
酸素センサ5の外形寸法(サイズ)は、例えばガラス管の直径が5mm、長さが20mm、通気孔の径が2.5mmである。また、酸素センサ素子20は、例えば長さが5mmである。このような寸法とすることで、例えばガラス管の通気孔を介して酸素センサ素子の交換が可能となる。
酸素センサ5は、希土類元素を含む酸化物超伝導体、例えばLnBa2Cu37-δからなる。ここで、Lnは希土類元素(例えば、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)等)であり、δは酸素欠陥(0〜1)を表している。
上記のように第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサは、保持部に収容した自己発熱型の酸素センサを、通気孔を設けた熱伝導率の低い材料からなる外装ケース内において2本の水平フレームと2本の垂直フレームの計4本の内部フレームにより保持して、酸素センサを外装ケーシングの内部空間のほぼ中心部に位置させる構造とした。酸素センサは外装ケーシングの内部であれば収容位置はいずれでもよいが、特に中央部に収容するのは好適である。これにより、酸素センサの保持部と外装ケーシングとの物理的な接触を可能な限り排除でき、酸素センサが酸素濃度検出センサを設置した環境からの温度影響を受けにくくなるので、酸素濃度の測定時に周囲の構造体によってセンサ素子から熱が奪われてセンサ素子に流れる電流が増加するのを防止できる。
よって、センサ素子周囲からの放熱(熱引け)を抑止してセンサ素子における酸素濃度測定の基準となる電流値の変化を回避できるので、センサ素子の設置環境・外部環境の変化によらずに測定対象とする雰囲気の酸素濃度を正確に測定することができる。
また、酸素濃度検出センサの外装ケーシングにおいて、対向する2側面に複数の通気孔を設け、他の2側面、および上面側と底面側には通気孔を設けない構造としたので、例えば酸素濃度検出センサを土壌中に埋設してもケース内部に土壌が入り込まず、ケース内部への気流の通路を確保しながら土壌中の酸素濃度の測定が可能となる。
なお、外装ケースに適する熱伝導率の低い材質として、アクリル樹脂等の具体例を挙げたがこれに限定するものではない。例えば木材や羊毛、シリコーンなど熱伝導率が1W・m-1・K-1未満程度の材質からなるケースであれば本発明の実施において好適である。
<第2の実施の形態例>
上述した第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサは、酸素センサとそれを収容する保持部を2本の水平フレームと2本の垂直フレームの計4本の内部フレームで支持する構造としたが、第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサは、センサ素子周囲からの放熱(熱引け)をさらに抑えるという観点に立ち、外装ケーシングの側面および上面側から酸素センサの保持部に至るフレーム数を減らした構造を有する。
具体的には、第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの実施例1として、図示を省略するが、例えば、図2、図3(a)等に示す構造を有する酸素濃度検出センサ1において、垂直フレームを除去し、水平フレーム17,27からなる水平フレームと、水平フレーム18,28からなる水平フレームの計2本の水平フレームで、酸素センサ5とそれを収容する保持部を支持する構造としてもよい。また、同じく図示を省略するが、実施例2として、例えば図2、図3(a)等に示す酸素濃度検出センサ1において、水平フレームを除去し、垂直フレーム19,29の計2本の垂直フレームで、酸素センサ5とそれを収容する保持部を支持する構造としてもよい。
また、第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの実施例3として、内部フレームの数をさらに減らした構造とすることもできる。図5は、実施例3に係る酸素濃度検出センサを、その一部を破断して内部構造を示す斜視図である。図5に示すように実施例3に係る酸素濃度検出センサ30は、上述した第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサと同様、箱型の上部外装ケース37と下部外装ケース39を、それらの開放面同士を突き合わせてなる立方体形状を有する。
酸素濃度検出センサ30において、ホルダー2に搭載された酸素センサ5を収容する保持部32は、下部外装ケース39の底面39eの中央から、上部・下部外装ケース37,39で形成された外装ケーシング38の内部空間の中心に向かって垂直方向に延出する垂直フレーム59のみと連結し、その垂直フレームの先端部で支持されている。これにより酸素センサ5は、保持部32に収容された状態でケースの内部空間の中心に位置する。なお、垂直フレーム59は、その形状が例えば棒状であり、保持部32からの集中荷重に耐える機械的強度を有する。
このように第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサは、2本の水平フレームのみで酸素センサの保持部を支持する構造、あるいは2本の垂直フレームのみで酸素センサの保持部を支持する構造、あるいはケーシングの底部から垂直に延びる1本の内部フレームのみで酸素センサの保持部を支持する構造を有する。これにより酸素センサの保持部と物理的に接触する構造物(ここでは、内部フレーム)を可能な限り削減して、センサ素子周囲からの放熱(熱引け)をさらに抑えた酸素濃度検出センサを提供できる。
<第3の実施の形態例>
上述した第1の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサ1では、酸素センサの保持部を4本の内部フレームで支持する構造とし、第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサ30では、垂直方向に延出する1本の内部フレームのみで酸素センサの保持部を支持する構造としたが、内部フレームのない構造とすることも可能である。
図6は、本発明の第3の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの斜視図であり、ここでも一部を破断して内部構造を示している。図6に示す本実施の形態例に係る酸素濃度検出センサ40は、箱型の上部外装ケース47と下部外装ケース49を、それらの開放面同士を突き合わせてなる立方体形状を有する。そして、これら上部・下部外装ケース47,49により外装ケーシング48が構成される。
酸素濃度検出センサ40において、酸素センサ5はホルダー2に搭載され、保持部42内に保持されている。ホルダー2を構成する基板44は絶縁性の板状部材からなり、その両端部には、ホルダー2上の金属片3a,3bと導通する矩形の電極4a,4bが形成されている。
電極4aには、所定長の導線(電極コード)51aの一方端がはんだ等で接続され、その他方端は上部・下部外装ケース47,49の境界部に形成された孔部53を貫通して、外装ケーシングの外部に引き出されている。同様に電極4bにも所定長の導線(電極コード)51bの一方端がはんだ等で接続され、他方端が上部・下部外装ケース47,49の境界部にある孔部54を貫通して、外装ケースの外部に引き出されている。
そこで、上部・下部外装ケース47,49の孔部53,54を貫通させた導線51aと導線51bそれぞれの他方端を、外装ケーシング48から離れる方向に水平方向に引き、保持部42を外装ケーシング48の内部空間の中心に位置させてから、各々の導線を孔部53,54に係止する。このようにすることで、酸素濃度検出センサ40において、保持部42が内部フレームによる支持のない状態で外装ケーシング48の対向する2側面間に懸架される。
なお、保持部42を外装ケーシング48の側壁面間に懸架する方法は、上述した導線51a,51bによる懸架に限定されない。例えば、保持部42の端部に、その長手方向に延びる線材を接続し、その線材により保持部42を懸架する構成としてもよい。これにより、懸架に伴う導線51a,51bの機械的な負担等を回避できる。
上述したように本実施の形態例に係る酸素濃度検出センサでは、酸素センサを搭載したホルダーを保持する保持部を外装ケースの内部フレームによって支持せず、ホルダーの両端に接続されるとともに外装ケーシングの対向する2側面の間に渡した導線によって保持部を懸架する構成としたことで、センサ素子に対する熱引けの発生を抑止できる。その結果、熱引けに起因していた自己発熱型のセンサ素子における電流値変化を回避して、測定雰囲気中の酸素濃度を正確に計測できる。
次に、上述した実施の形態例に係る酸素濃度検出センサにおける熱引けの影響を確認するための実験結果について説明する。図7は、ホルダーに固定した酸素センサ素子を用意し、その酸素センサ素子によって外装ケースのない状態で酸素濃度を測定した結果と、その酸素センサ素子を図2等に示すような内部フレームを設けた外装ケースに収納して酸素濃度を測定した結果とを対比して示している。
ここでは、熱引けの発生の有無を確認するため、外装ケースのない酸素センサ素子と外装ケースに入れた酸素センサ素子それぞれによって、大気中において100秒間、酸素濃度を測定した後、それらの酸素センサ素子を金属フレームに固定した。図7に示すように、外装ケースのない酸素センサ素子は、金属フレームによる熱引けの影響を受けて、酸素濃度の表示が高濃度側へ約4%シフトした。一方、外装ケースに入れた酸素センサ素子は、金属フレームに固定しても熱引けの影響を受けずに安定した状態で大気中の酸素濃度を測定できることが判明した。
次に、本実施の形態例に係る酸素濃度検出センサを使用して酸素濃度を検出する酸素濃度検出装置の一構成例について説明する。図8に示すように酸素濃度検出装置70は、測定対象雰囲気における酸素濃度のセンサ部として機能する酸素濃度検出センサ1と、酸素濃度計測部81とを備える。
上述したように酸素濃度検出センサ1は、低熱伝導率の樹脂からなる外装ケース内に酸素センサ5と温度センサ10を収容してなる。酸素濃度計測部81に設けた電源83により、リード線6を介して酸素センサ5に所定の電圧が印加されると、酸素センサ5には、そのセンサ周囲の酸素濃度に応じた電流Iが流れる。電流Iは電流計84で計測され、その計測結果が電流値検出信号として制御部85に送られる。
一方、温度センサ10は、図2、図3等に示すように酸素センサ5の上部近傍に位置しており、内部フレーム19の一方端と接続する温度センサ収容部15に収容され、温度センサ収容部15そのものの温度を計測する。その温度計測値は、温度検出信号としてリード線14を介して制御部85に送られる。
制御部85は、電源投入時に酸素センサ5の周辺の温度を温度センサ10で測定し、その温度を初期値として得ておく。そして、制御部85は、酸素センサ5に流れた電流値を示す上記の電流値検出信号をもとに測定対象とする雰囲気の酸素濃度を測定する際、初期値とデータ測定時における温度計測値とに基づいて酸素濃度測定値を補正する。
すなわち、上述した第1および第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサでは、酸素センサの保持部を支持する内部フレームの本数を最小に抑えているので、発熱型のセンサ素子から熱が奪われにくい構造となっている。しかし、センサ素子からの熱引けを完全に抑止することは難しく、フレーム構造等に起因する熱引けにより初期値から変化が発生した場合には、その熱が温度センサ収容部15に伝導し、温度センサ収容部15そのものの温度が異なることが想定される。
そこで制御部85は、温度センサ10による温度計測値が初期値と異なる場合、酸素濃度検出センサ1の内部フレームによって、その温度差に相当する熱が酸素センサ5のセンサ素子から奪われ、酸素濃度測定の基準となる電流値が変化したと判断する。そして制御部85は、高濃度側にシフトした酸素濃度を真の濃度値に戻すための演算を行い、その温度差に相当する分だけ酸素濃度を下げる補正をして測定誤差を低減する。このようにして得られた酸素濃度値は、表示部87に数値として可視表示される。
本発明は上記の実施の形態例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記第1および第2の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサでは、酸素センサ5をホルダー2に搭載しているが、ホルダー2による熱引けを考慮してホルダー2を省略した構成としてもよい。また、上記各実施の形態例に係る酸素濃度検出センサの外装ケーシングの形状は立方体形状に限定されず、例えば球形、三角柱等であってもよい。
さらに、上記第3の実施の形態例に係る酸素濃度検出センサにおいて、ホルダー2に搭載された酸素センサ5を保持部42で保持した状態で懸架しているが、保持部42を用いない状態で懸架してもよい。より具体的には、酸素センサを構成するガラス管の内部に酸素センサ素子を収容し、そのガラス管の両端それぞれに接続した導線によってガラス管を外装ケーシングの壁面間に懸架してもよい。あるいは、酸素センサ素子をガラス管に収容せずに、そのセンサ素子の両端それぞれに導線を接続して、その導線によって酸素センサ素子そのものを外装ケーシングの壁面間に懸架する構成としてもよい。こうすることで、保持部による熱引けを無視でき、温度センサによる温度計測も不要となり、対象とする雰囲気の酸素濃度をより正確に測定できる。
また、さらなる変形例として、図9(a)に示す酸素濃度検出センサ90のように、酸素センサ素子Cに接続された導線96を外装ケーシング97の上面93の中央部に設けた孔部91を貫通させ、酸素センサ素子Cを外装ケーシング97の上面93から垂直下方に吊るして、外装ケーシング97の内部空間の中心部に位置させるようにしてもよい。
図9(b)は、酸素センサ素子Cをより詳細に示しており、ここでは、酸素センサ素子95の両端部に、例えば銀(Ag)ペーストからなる電極95a,95bを形成し、それらの電極に一対の導線96の端部を接続している。また、図9(c)に示す例では、U字状に曲げた酸素センサ素子99の両端部に電極99a,99bを形成して、それらの電極に一対の導線96の端部を接続している。
図9に示す変形例は、上述した実施の形態例に係る酸素濃度検出センサとは異なり、酸素濃度検出センサ90に内部フレームのみならず、酸素センサを保持する保持部も設けない構成としたので、それらによる熱引けを想定する必要がない。よって、酸素センサ素子が測定対象とする気体に直接、晒されるので、その雰囲気の酸素濃度をより正確に測定できる。
1,30,40,90 酸素濃度検出センサ
2 ホルダー
3a,3b 金属片
4a,4b 電極
5 酸素センサ
7,37,47 上部外装ケース
8,38,48,97 外装ケーシング
9,39,49 下部外装ケース
10 温度センサ
11a,11b,13a,13b,25a,25b 通気孔
12 上部保持部
14 被覆電線(リード線)
15 温度センサ収容部
17,18,27,28 水平フレーム
19,29,59 垂直フレーム
20,95,99 酸素センサ素子
21a,21b 導電キャップ
22 下部保持部
23 ガラス管
42 保持部
51a,51b 導線(電極コード)
53,54 孔部
70 酸素濃度検出装置
81 酸素濃度計測部
83 電源
84 電流計
85 制御部

Claims (6)

  1. 希土類元素を含む酸化物超伝導体からなり、両端に通気孔を有するガラス管内に収容された酸素センサ素子と、
    前記酸素センサ素子の近傍に配置された感温素子と、
    前記酸素センサ素子より導出され外部電源に接続された一対のリード線と、
    前記酸素センサ素子と前記感温素子を収容する外装ケーシングと、
    を備え、
    前記酸素センサ素子は前記外装ケーシングの対向する壁面間に懸架され、該外装ケーシングの内部空間に位置することを特徴とする酸素センサ。
  2. 希土類元素を含む酸化物超伝導体からなり、両端に通気孔を有するガラス管内に収容された酸素センサ素子と、
    前記酸素センサ素子の近傍に配置された感温素子と、
    前記酸素センサ素子より導出され外部電源に接続された一対のリード線と、
    前記酸素センサ素子と前記感温素子を収容する外装ケーシングと、
    を備え、
    前記酸素センサ素子は前記外装ケーシング内部の中心に向けて突出した少なくとも1本のフレーム部材で保持され、該外装ケーシングの内部空間に位置することを特徴とする酸素センサ。
  3. 前記一対のリード線は前記酸素センサ素子の両端部に接続され、該一対のリード線により該酸素センサ素子が懸架されることを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ。
  4. 前記酸素センサ素子は前記フレーム部材の先端部で支持されていることを特徴とする請求項2に記載の酸素センサ。
  5. 前記外装ケーシングの対向する所定の壁面に複数の通気孔を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の酸素センサ。
  6. 前記外装ケーシングは熱伝導率が1W・m-1・K-1以下である低熱伝導率材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の酸素センサ。
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