JP2000055857A - 酸素センサ素子 - Google Patents

酸素センサ素子

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JP2000055857A
JP2000055857A JP10219018A JP21901898A JP2000055857A JP 2000055857 A JP2000055857 A JP 2000055857A JP 10219018 A JP10219018 A JP 10219018A JP 21901898 A JP21901898 A JP 21901898A JP 2000055857 A JP2000055857 A JP 2000055857A
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oxygen sensor
sensor element
oxygen
atmosphere
conductive oxide
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JP10219018A
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Takeshi Abe
健 安部
Atsushi Fukuoka
敦 福岡
Hideaki Yagi
秀明 八木
Takehiko Saiki
猛彦 斎木
Masayuki Obara
真之 小原
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Tokyo Gas Co Ltd
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1438Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
    • F02D41/1444Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases
    • F02D41/1454Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio
    • F02D41/1456Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio with sensor output signal being linear or quasi-linear with the concentration of oxygen

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答性に優れ、妨害ガスの影響も少なく、還
元性雰囲気中であっても安定した正常な出力を維持する
簡便な酸素センサ素子を提供する。 【解決手段】 酸素センサ素子を、K2 NiF4 型結晶構
造を有すると共に化学式Ln2-xAEx MO4+d (但し、 L
nは原子番号57〜71のランタノイドの1種又は2種以上、
AEはアルカリ土類元素の1種又は2種以上、 Mは原
子番号25〜28の遷移元素の1種又は2種以上であり、 0
≦x≦1.5 )で表される導電性酸化物、又はK2 NiF4
型に類似する結晶構造の化学式La3Ni27+d あるいはLa
4Ni310+dで表される導電性酸化物にて構成する。この
場合、酸素センサ素子は、線状体又は帯状体であって、
その両端部以外の箇所に“他の部分よりも電流の流れる
断面積を小さくすることによって抵抗を大きくした部
位”を有した自己発熱型のものとするのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、応答性が速い上に妨
害ガスの影響も受けず、還元性雰囲気中でも出力が安定
した酸素センサ素子に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、雰囲気中の酸素濃度を検
知する酸素センサとしては、ジルコニア固体電解質を用
いたジルコニア式センサ、限界電流式センサ、あるいは
酸化物半導体であるTiO2 を用いた半導体式センサが知
られている。更に、近年、酸化物高温超電導体の1種で
あるREBa2Cu3y (REは希土類元素)を用いたセン
サも提案されている。
【0003】これらの中で、ジルコニア式センサは最も
一般的に用いられているものであるが、原理上、標準ガ
ス(基準濃度の酸素ガス)が必要である上に、構造が複
雑であるという問題が指摘されていた。また、限界電流
式センサも、構造が複雑であることに加え、酸素濃度が
比較的高い領域にしか適用できないといった問題があっ
た。これに対して、半導体式センサは、半導体物質であ
るTiO2 の電気抵抗が雰囲気中の酸素分圧によって変化
するという現象を利用して半導体の電気抵抗変化から酸
素濃度を検知するものであり、比較的構造が簡単な酸素
センサとして知られていた。しかし、この半導体式セン
サも、還元雰囲気では出力が逆転してしまうので酸素濃
度の測定誤差が出やすいという問題(雰囲気中にH2
が存在して還元性になると出力が再び上昇して酸素濃度
が高まった如くに誤作動するという問題)を抱えてい
た。
【0004】一方、前記「REBa2Cu3y を用いたセン
サ」は、「高温状態に加熱されると雰囲気中の酸素濃度
(雰囲気中の酸素分圧)に応じて結晶内の酸素量(y)
が変化し、 また結晶内の酸素量が変化するとそれに応じ
て電気抵抗率も変化する」というREBa2Cu3y 酸化物
等の特性を利用し、所定の電圧を印加したときの電流又
は抵抗の変化を酸素濃度の変化として検出するようにし
たものであって、作動温度さえ確保されれば速やかな応
答性が確保されるとして注目を集めている。
【0005】しかしながら、本発明者等の研究により、
上記REBa2Cu3y を用いた酸素センサ素子は、雰囲気
中にCO2(妨害ガスの1つである)が共存している場合
には「使用につれて次第にその感度が失われる」という
センサとしては極めて重大な問題を有していることが明
らかとなった。例えば、図1は、YBa2Cu3y で構成さ
れた線材を高温(800℃)状態にして一定電圧を印加
し、6容量%のCO2 を含有する雰囲気のベ−スガスを
2 とO2 とに交互に変換し続けたときの電流の挙動を
示したグラフであるが、このグラフからも次第にYBa2C
u3y 線材のOに対する感度(電流値)が失われて行く
ことを確認することができる。
【0006】このようなことから、本発明が目的とした
のは、従来の酸素センサに指摘されていた前記問題を解
消し、応答性の速いことは勿論のこと、妨害ガスの影響
が少なく、還元性雰囲気中であっても安定した正常な出
力を維持する簡便な酸素センサ素子を提供することであ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、特に酸素センサ素子としての利用が可能
な“雰囲気中の酸素濃度に応じて結晶内の酸素量が変化
する導電性酸化物”を求めて種々研究を重ねた結果、次
のような新しい知見を得ることができた。
【0008】a) 図2で示すようなK2 NiF4 型結晶構
造を有した複合酸化物は良好な導電性を有するが、これ
らの中でも特に化学式がLn2 NiO4+d ( 但しLnは原子番
号57〜71のランタノイドの1種又は2種以上)で表され
る酸化物及びその関連物質、即ち化学式 Ln2-xAEx
4+d ( 但しLnは原子番号57〜71のランタノイドの1種
又は2種以上、 AEはアルカリ土類元素の1種又は2種
以上、 Mは原子番号25〜28の遷移元素の1種又は2種以
上であって、 0≦x≦1.5 )で表される酸化物や、K2
NiF4 型と類似の結晶構造を有するところの化学式La3N
i27+d で表される酸化物並びに化学式La4Ni310+d
表される酸化物は、何れも高温状態になると雰囲気中の
酸素濃度に相応して結晶内の酸素量(酸素の置換量)が
変化し、この酸素量変化が特定の関係で電気抵抗値の変
化となって現れるものである上、該電気抵抗値の変化状
態はCO2 や還元性ガスといった妨害ガスの存在にも殆
ど影響を受けることがない。
【0009】b) 上記の各導電性酸化物は、これを単に
線状体あるいは厚膜又は薄膜の帯状体にしただけではそ
の線状体又は帯状体の両端に電圧を印加しても赤熱点
(ホットスポット)が再現性良く現れる材料ではない
が、該導電性酸化物を線状体又は帯状体に形成すると共
に、例えばその中程部分を他の部分よりも電流の流れる
断面積が小さくなるように図れば、その部位はそれ以外
の部位に比べて電気抵抗が高くなり、そのため、この両
端に所定電圧を印加すると前記部位が自己発熱して可視
可能な赤熱点(ホットスポット)が該部位に再現性良く
現れるようになって外部加熱を行わなくても酸素の置換
が速やかになされる温度(約630〜930℃程度)に
まで昇温する。そのため、ホットスポットが発生してい
る状態で上記線状体又は帯状体が置かれている雰囲気中
の酸素濃度を変化させると、該材料が高温に自己昇温し
ているため該線状体又は帯状体の抵抗が雰囲気中の酸素
濃度に応じて速やかに連続的かつ大幅に変化するので、
外部加熱を要しなくても酸素濃度のセンサ素子として極
めて有効に作動する。
【0010】本発明は、上記知見事項等を基に完成され
たもので、下記 (1)乃至 (8)の各項に示す事項により構
成される酸素センサ素子を提供するものである。 (1) K2 NiF4 型結晶構造を有し、化学式 Ln2-xAE
x MO4+d (但し、 Lnは原子番号57〜71のランタノイド
の1種又は2種以上、 AEはアルカリ土類元素の1種又
は2種以上、 Mは原子番号25〜28の遷移元素の1種又は
2種以上であり、 0≦x≦1.5 )で表される導電性酸化
物から成ることを特徴とする酸素センサ素子。 (2) 導電性酸化物が化学式 Ln2NiO4+d ( 但し、 LnはL
a及びNdのうちの1種又は2種)で表されるものであ
る、前記 (1)項記載の酸素センサ素子。 (3) 導電性酸化物が化学式 Ln2-xAEx NiO4+d (但
し、 LnはLa及びNdのうちの1種又は2種、 AEはSr及び
Baのうちの1種又は2種であり、 0<x≦1.0 )で表さ
れるものである、前記 (1)項記載の酸素センサ。 (4) 導電性酸化物が化学式 La2CoO4+d で表されるも
のである、前記 (1)項記載の酸素センサ。 (5) 導電性酸化物が化学式 La2-xSrx CoO4+d (但し、
0<x≦1.5 )で表されるものである、前記 (1)項記
載の酸素センサ。 (6) 導電性酸化物が化学式 La2-xBax CoO4+d (但し、
0<x≦1.0 )で表されるものである、前記 (1)項記
載の酸素センサ。 (7) 化学式がLa3Ni27+d で表される導電性酸化物か
ら成ることを特徴とする酸素センサ素子。 (8) 化学式がLa4Ni310+dで表される導電性酸化物か
ら成ることを特徴とする酸素センサ素子。
【0011】ここで、前記化学式におけるdの値は雰囲
気中の酸素濃度によって変化するものであって(負の値
をとることもあり得る)、普遍的に定まったものでない
ことは言うまでもない。
【0012】ところで、本発明に係る導電性酸化物は細
線や薄帯等に形成されて酸素センサ素子として使用され
るが、使用に当っては「抵抗モ−ド」と「定電圧モ−
ド」の何れの方式によって酸素濃度の検出を行っても構
わない。なお、前記「抵抗モ−ド」とは、前記導電性酸
化物により形成された酸素センサを附属のヒ−タで加熱
し、その状態下で周囲の酸素濃度に応じた抵抗の変化を
検知して酸素濃度の検出を行う方式であり、一方、「定
電圧モ−ド」は、前記導電性酸化物により形成された酸
素センサの両端に接続した電極間に一定電圧を印加し、
この状態下で周囲の酸素濃度に応じた電流値の変化を検
知して酸素濃度の検出を行う方式であることは言うまで
もない。
【0013】ただ、「定電圧モ−ド」方式の場合には所
定電圧を印加することによってセンサ素子が自己発熱す
るので、センサの作動温度にまで加熱するための外部加
熱が軽減されるという利点がある。しかも、この「定電
圧モ−ド」方式を採用する場合、センサ素子を線状体や
帯状体に形成すると共に、その中程部分に“他の部分よ
りも電流の流れる断面積が小さい部位”を設けておく
と、この“電流の流れる断面積が小さい部位”に前述し
たようなホットスポットが生じるようになって高温(セ
ンサの作動温度)にまで自己発熱し、外部加熱を全く要
することなく酸素センサとしての機能を発揮するように
なる。そのため、酸素センサの装置構造を非常に簡便化
することができる。
【0014】このように、外部加熱を不要とすることが
可能なために簡便な装置構造を採ることができる「定電
圧モ−ド」の方が実際上有利であり、そのため、上述の
ホットスポットがセンサ素子の所定箇所に再現性良く表
れて自己昇温がなされるように、酸素センサは「前記導
電性酸化物を線状体や帯状体に形成すると共にその中程
部分に“他の部分よりも電流の流れる断面積が小さくて
電気抵抗が高くなり発熱しやすい部位”を有した構成」
とすることが推奨される。この場合、導電性酸化物で構
成する線状体や帯状体の断面形状に格別な制限が加えら
れるものでないことは勿論である。
【0015】
【作用及び効果】本発明が対象とする「K2 NiF4 型結
晶構造を有していて、 かつ Ln2-xAExMO4+d ( 但しL
nは原子番号57〜71のランタノイドの1種又は2種以上、
AEはアルカリ土類元素の1種又は2種以上、 Mは原
子番号25〜28の遷移元素の1種又は2種以上であって、
0≦x≦1.5 )なる化学式で表される複合酸化物や、 前
述のK2 NiF4 型と類似の結晶構造を有していてLa3Ni2
7+d なる化学式あるいはLa4Ni310+dなる化学式で表
される複合酸化物」は、何れも良好な導電性材料であ
り、しかも高温状態では雰囲気中の酸素濃度に呼応して
速やかに結晶内の結合酸素量が変化する。そして、結晶
内の結合酸素量の変化に応じてその電気抵抗値も素早く
規則正しい変化を見せる。
【0016】従って、この複合酸化物で形成された線状
体や帯状体を高温加熱状態に維持しておいて、その電気
抵抗値の変化を検知したり、一定電圧を印加した際にお
ける電流値の変化を検知したりすることによって、該複
合酸化物製線状体や帯状体が置かれた雰囲気の酸素濃度
を検出することができ、酸素センサとしての機能が発揮
される。
【0017】その上、本発明に係る特定の複合酸化物で
構成された酸素センサ素子では、雰囲気中にCO2 が共
存してもOに対する感度(酸素濃度検出感度)が弱まっ
て行くようなことはなく、またH2 等が混入して還元雰
囲気となった場合でも出力異常(例えばTiO2 半導体物
質等に見られるような酸素濃度に対応する値を超えて出
力が上昇する現象:出力の反転現象)を生じることもな
い。
【0018】このように、前記各複合酸化物を用いれ
ば、精確で応答性が速いことに加えてCO2 や還元性ガ
スといった妨害ガスの存在にも殆ど影響を受けることの
ない酸素センサ素子が実現されるが、製造性,コスト並
びに性能安定性等を考慮した場合には、 Ln2-xAEx
4+d 酸化物(但し、 Lnは原子番号57〜71のランタノイ
ドの1種又は2種以上、 AEはアルカリ土類元素の1種
又は2種以上、 Mは原子番号25〜28の遷移元素の1種又
は2種以上で、 0≦x≦1.5 )のうちでも、LnがLa及び
Ndの1種又は2種でAEがSr及びBaの1種又は2種のも
のが有利であると言える。なお、この場合、AEがSr及
びBaの1種以上であってMがNiのときは、xの値は 1.0
以下とするのが製造容易性の観点から好ましいと言え
る。また、AEがSrでMがCoのときはxが「0<x≦1.
5 」の領域で良いが、AEがBaでMがCoのときはxの値
を 1.0以下とすることによって製造上の困難性が和ら
ぐ。
【0019】しかし、製造性,コスト,酸素センサ素子
としての性能安定性等を考えた場合に最も好ましいの
は、化学式 Ln2NiO4+d ( LnはLa,Ndのうちの1種又は
2種)あるいは化学式 La2CoO4+d で表される酸化物で
あると言える。
【0020】ところで、複合酸化物の中には、YBa2Cu3
y や Bi2Sr2CaCu2y 等のように該材料を細線状に成
形しそのままその両端に所定の電圧を印加するだけで自
己発熱により局所的にホットスポットが現れ、外部加熱
を行わなくても高い温度に昇温されるものが存在する
が、このような材料は極く限られていて、殆どの材料は
ホットスポットが現れないか、あるいは現れたとしても
ホットスポットの発生位置が必ずしも特定されずにその
都度発生位置に変化が生じがちとなる。本発明に係る酸
化物、即ち化学式が「 Ln2-xAEx MO4+d ( Lnは原子
番号57〜71のランタノイドの1種又は2種以上、 AEは
アルカリ土類元素の1種又は2種以上、 Mは原子番号25
〜28の遷移元素の1種又は2種以上であって、 0≦x≦
1.5 )」で表される複合酸化物や、化学式が「La3Ni2
7+d 」あるいは「La4Ni310+d」で表される複合酸化物
も、単に細線状や薄帯状にしただけではホットスポット
が再現性良く発生することがない材料であり、この点か
らすれば「自己発熱型酸素センサ素子」としては不向き
な材料であると考えられるかも知れない。
【0021】しかしながら、これら本発明に係る複合酸
化物であっても、これを線状体あるいは厚膜又は薄膜の
帯状体に形成すると共に、その1部分を他の部分よりも
電流の流れる断面積が小さくなるようにすると、その部
位はそれ以外の部位に比べて電気抵抗が高くなるので、
所定電圧を印加した場合には該部分が自己発熱してホッ
トスポットが生じるようになる。そして、この場合に
は、ホットスポットの発生は“電流の流れる断面積が小
さくなるように図った部位”に特定されるので、ホット
スポット発生位置が変化することはなく、特定の部位に
再現性良く安定してホットスポットを発生させることが
可能になる。しかも、上述の手段によってホットスポッ
トを発生させた場合でも、酸化物から成る線状体あるい
は帯状体は雰囲気中の酸素の置換が速やかに起きる温度
(約630〜930℃程度)にまで十分に昇温する。
【0022】そのため、ホットスポットが発生している
状態で上記線状体又は帯状体が置かれている雰囲気中の
酸素濃度が変化すると、前記線状体又は帯状体の電気抵
抗が雰囲気中の酸素濃度に応じて速やかに変化すること
となり、 従ってその電気抵抗値あるいは定電圧印加時の
電流値を測定するようにすれば、外部加熱を要すること
なく雰囲気中の酸素濃度を検出することが可能である。
【0023】このように、本発明に係る特定の複合酸化
物から成る酸素センサ素子は、「外部加熱型型酸素セン
サ素子」としても「自己発熱型酸素センサ素子」として
も使用が可能であり、しかも雰囲気中に妨害ガスである
CO2 が共存してもOに対する感度(酸素濃度検出感
度)が弱まることはなく、またH2 等が混入して還元雰
囲気となった場合でも出力異常を生じることもないの
で、極めて高性能な酸素センサの実現を可能にするもの
である。
【0024】なお、本発明に係る酸素センサ素子を「自
己発熱型酸素センサ素子」として用いる場合には、前述
した特定の導電性複合酸化物を線状体又は帯状体に形成
し、かつその中程部分に“他の部分よりも電流の流れる
断面積を小さくして電気抵抗が大きくなるようにした部
位”を有せしめることが推奨されるが、このような部位
を有せしめるための好ましい手段としては、例えば次の
方法を挙げることができる。
【0025】a) 図3に例示したように、線状体又は帯
状体の上記部位に相当する部分のみの直径,厚みあるい
は幅を絞り込んで小さくする方法{図3の (a)と (b)は
それぞれ別の例である}。この場合、絞り込み部に角部
ができるのを防ぐべく、図4に例示したように、該絞り
込み部をテ−パ−状に寸法が漸減する形状にすると、酸
化物成形体である線状体又は帯状体が絞り込み部で欠け
やすいという懸念が解消される上に、電流分布も円滑と
なるのでより好ましい{図4の (a)と (b)はそれぞれ別
の例である}。
【0026】b) 図5に例示したように、線状体又は帯
状体の前記部位に相当する部分の密度を小さくする方
法。なお、密度の小さい部位を設けるためには、例えば
酸化物原料から焼結等により線状体又は帯状体を作成す
る際に、酸化物原料粉末の粒度を部位によって変化させ
る(密度を小さくする部位の粒度を粗くする)等の手法
や、密度を小さくする部位に昇華する物質を混入して焼
結を行う手法等を適用することができる。
【0027】本発明に係る導電性酸化物から成る酸素セ
ンサ素子は、粉末原料を焼結して酸化物緻密体を形成す
る常法によって製造することができる。この場合、導電
性酸化物を得るための混合粉末原料は、Ln(ランタノイ
ド)源としてランタノイド酸化物の粉末を、M(遷移金
属)源として遷移金属酸化物の粉末を、そしてAE(ア
ルカリ土類金属)源としてアルカリ土類金属炭酸塩の粉
末を粉末をそれぞれ準備し(前記化学式のx値が0のも
のを得る場合にはAE源は準備しない)、これらを混合
して調整するのが一般的である。なお、各粉末の混合比
率については、含有される金属元素の比率が狙いとする
導電性酸化物の原子比とほぼ同じくなるように調整すれ
ば良い。そして、上記混合粉末原料は不純物を除去する
目的で一旦か焼に付されるが、このか焼・粉砕粉を焼結
原料として用いる。焼結は、「上記か焼・粉砕粉を成形
型(金型が一般的である)に充填してから加圧により圧
粉体とし、 これを加熱して一体化した焼結体とする手
法」あるいは「成形型に充填されたか焼・粉砕粉を加圧
しながら加熱して一体化した焼結体とする手法」の何れ
によっても構わない。
【0028】以下、本発明を実施例によって説明する。
【実施例】この実施例では、 La2NiO4+d から成る自己
発熱型(ホットスポット式)酸素センサ素子の製造を行
った。ここで、センサ素子の製造に際し、原料として次
の粉末を用いた。 La2 3 (純度99.9%) , NiO (純度99.9%) 。 そして、上記粉末原料を混合し、次の原子比の混合粉末
原料を調整した。 La:Ni=2:1。
【0029】次いで、上記組成の各混合粉末原料を乳鉢
で更に十分に混合した後、アルミナるつぼ中でか焼し
た。なお、か焼条件は次の通りであった。 第1次か焼… か焼温度:820℃, か焼時間:11時間, か焼雰囲気:空気中。 第2次か焼… か焼温度:1000℃, か焼時間:12時間, か焼雰囲気:空気中。
【0030】続いて、か焼後の各原料を乳鉢で粉砕した
後、中央に狭小部を有した角状の型孔を有する金型にこ
のか焼・粉砕粉を充填して加圧成形し、引き続き空気中
において1300℃で24時間の焼成を行って焼結し
た。そして、焼成後の焼結体は冷却速度82℃/hour で
室温まで徐冷した。このようにして得られた焼結体の形
状及び寸法を図6に示す。
【0031】次に、図7に示したように、得られた焼結
体をセンサ素子1とし、その両端を台座3に支持された
電極用支柱2a,2bに接続してホットスポット型自己発熱
酸素センサを作成した。なお、図7において符号5は接
続ワイヤ4a,4bを介してセンサ素子1に電圧を印加する
ための直流電源であり、符号6は電流計である。なお、
この図7に示したホットスポット型自己発熱酸素センサ
は、センサ素子1に電圧が印加されると断面が絞られた
部分が抵抗加熱によって昇温しホットスポットを生じ
る。この状態において雰囲気中の酸素分圧が変わると、
センサ素子1中の酸素含有量が酸素拡散により変化し、
それに伴う電流の変化が電流計6によって検出されるの
で、雰囲気中の酸素濃度を的確に知ることが可能であ
る。
【0032】さて、上述のように作成したホットスポッ
ト型自己発熱酸素センサにつき、その性能調査を実施し
た。性能調査では、上記ホットスポット型自己発熱酸素
センサを用い、まずN2 雰囲気中でセンサ素子1に 3.0
Vの電圧を印加してホットスポットを発生させると共
に、この状態で雰囲気中のO2 含有量を順次増加させ、
その酸素濃度検出感度を電流値(A)によって検知する
試験を行った。この試験結果を図8に示す。図8に示す
試験結果からも、上記ホットスポット型自己発熱酸素セ
ンサは測定雰囲気中酸素濃度に対して0容量%から10
0容量%の全区間で優れた感度を示すことを確認するこ
とができる。
【0033】次いで、測定雰囲気中にCO2 が混入した
時の酸素濃度検出感度を調査した。この調査は、前記ホ
ットスポット型自己発熱酸素センサを用い、CO2 が6
容量%存在するN2 雰囲気中でセンサ素子1に 3.0Vの
電圧を印加してホットスポットを発生させると共に、こ
の状態で雰囲気中のO2 含有量を20容量%及び0容量
%に繰り返し変化させ、その酸素濃度検出感度を電流値
(A)によって検知する手法によって行った。この試験
結果を図9に示す。図9に示す試験結果からは、前記ホ
ットスポット型自己発熱酸素センサは測定雰囲気中にC
2 が存在しても酸素濃度検出感度は劣化せず、繰り返
し使用によっても鋭敏な感度を維持することが分かる。
【0034】続いて、更に、前記ホットスポット型自己
発熱酸素センサの“還元雰囲気での出力特性”を調査し
た。この調査では、前記ホットスポット型自己発熱酸素
センサを用い、N2 雰囲気中でセンサ素子1に 3.0Vの
電圧を印加してホットスポットを発生させると共にこの
状態で雰囲気中のH2 含有量を順次増加させ、その酸素
濃度検出感度を電流値(A)によって検知する試験を行
った。この試験結果を図10に示す。図10に示す試験結果
からは、前記ホットスポット型自己発熱酸素センサは還
元雰囲気でも出力が反転せず、酸素濃度検出感度が測定
雰囲気の種類に影響されにくいセンサであることを確認
することができる。
【0035】なお、この実施例では La2NiO4+d から成
るホットスポット型自己発熱酸素センサ素子の例を示す
に止めたが、これ以外の本発明に係る酸素センサ素子は
何れもこれとほぼ同様の性能を発揮することは確認済で
あり、本発明が上記実施例によって制限されるものでな
いことは言うまでもない。
【0036】
【効果の総括】以上に説明した如く、本発明によれば、
応答性(感度)が優れていて妨害ガスの影響も少なく、
還元性雰囲気中であっても正常で安定した出力を維持す
る簡便な酸素センサ素子を提供することができるなど、
産業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】YBa2Cu3y で構成された線材に一定電圧を印
加してホットスポットを発生させると共に、6%のCO
2 を含有する雰囲気のベ−スガスをN2 とO2 とに交互
に変換し続けたときの電流の挙動を示したグラフであ
る。
【図2】K2 NiF4 型結晶構造の説明図である。
【図3】本発明に係る酸素センサ素子の形状例に関する
説明図である。
【図4】本発明に係る酸素センサ素子の別の形状例を説
明した図である。
【図5】本発明に係る酸素センサ素子の更に別の形状例
を説明した図である。
【図6】実施例で作成した酸素センサ素子の形状,寸法
の説明図である。
【図7】実施例で作成した酸素センサ装置の説明図であ
る。
【図8】実施例での“酸素濃度検出感度の調査結果”を
示すグラフである。
【図9】実施例での“測定雰囲気中にCO2 が混入した
時の酸素濃度検出感度の調査結果”を示すグラフであ
る。
【図10】実施例での“還元雰囲気における出力特性の
調査結果”を示すグラフである。
【符号の説明】
1 センサ素子 2a 電極用支柱 2b 電極用支柱 3 台座 4a 接続ワイヤ 4b 接続ワイヤ 5 直流電源 6 電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 秀明 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 斎木 猛彦 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 小原 真之 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G046 AA07 BA02 BA09 BB06 BE02 EA04 FB02 FB08 FE00 FE04 FE09 FE17 FE18 FE25 FE40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 K2 NiF4 型結晶構造を有し、化学式 L
    n2-xAEx MO4+d(但し、 Lnは原子番号57〜71のラン
    タノイドの1種又は2種以上、 AEはアルカリ土類元素
    の1種又は2種以上、 Mは原子番号25〜28の遷移元素の
    1種又は2種以上であり、 0≦x≦1.5 )で表される導
    電性酸化物から成ることを特徴とする酸素センサ素子。
  2. 【請求項2】 導電性酸化物が化学式 Ln2NiO4+d ( 但
    し、 LnはLa及びNdのうちの1種又は2種)で表されるも
    のである、請求項1記載の酸素センサ素子。
  3. 【請求項3】 導電性酸化物が化学式 Ln2-xAEx NiO
    4+d (但し、 LnはLa及びNdのうちの1種又は2種、 AE
    はSr及びBaのうちの1種又は2種であって、0<x≦1.0
    )で表されるものである、請求項1記載の酸素センサ
    素子。
  4. 【請求項4】 導電性酸化物が化学式 La2CoO4+d で表
    されるものである、請求項1記載の酸素センサ素子。
  5. 【請求項5】 導電性酸化物が化学式 La2-xSrx CoO
    4+d (但し、 0<x≦1.5 )で表されるものである、請
    求項1記載の酸素センサ素子。
  6. 【請求項6】 導電性酸化物が化学式 La2-xBax CoO
    4+d (但し、 0<x≦1.0 )で表されるものである、請
    求項1記載の酸素センサ素子。
  7. 【請求項7】 化学式がLa3Ni27+d で表される導電性
    酸化物から成ることを特徴とする酸素センサ素子。
  8. 【請求項8】 化学式がLa4Ni310+dで表される導電性
    酸化物から成ることを特徴とする酸素センサ素子。
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