以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
(診療情報処理システムの概略)
本実施形態の診療情報処理システムは、病院で記録された複数の患者の診療実績データを分析するための情報処理装置と、情報処理装置によって分析された結果を、評価者に対して表示する表示装置とを有する。診療実績データは、例えば、DPC(Diagnosis Procedure Combination)データであるが、病院等の医療機関で記録された、各患者の疾患情報、並びに、各患者に対する医療行為及び医療行為が実施された実施日を含むデータであれば、どのようなデータでもよい。なお、疾患情報は、疾患名又は疾患を識別するための識別情報等である。疾患情報は、個別の疾患を識別する疾患名又は識別情報に限らず、例えば、類似の又は同質の傷病を総称した傷病分類を識別し得る情報であってもよい。また、医療行為は、病気や怪我等に対する治療又は診断等の行為であり、例えば、投薬、各種検査、手術等である。
図1は、診療情報処理システムによって実施される切換えパターンの出力処理の一例を説明するための模式図である。以下、図1を参照しつつ、診療情報処理システムの概略について説明する。
診療情報処理システムは、所定の疾患を患った複数の患者のそれぞれに対して実施された治療内容の履歴を記憶する。治療内容は、例えば、1日のうちに患者が受けた医療行為である。なお、治療内容は、1日単位に限らず、所定の期間単位(例えば、6時間単位、1週間単位等)で患者が受けた医療行為でもよい。以下、1日のうちに患者が受けた医療行為を、治療内容とした場合を例にして説明する。
図1の(1)は、「疾患あ」を患った各患者に対応付けられた治療内容の履歴の一例である。例えば、「疾患あ」を患った患者1に対して実施された治療内容は、2016年4月5日に実施された治療A、2016年8月3日に実施された治療B、2016年8月18日に実施された治療A、2016年9月17日に実施された治療C、等である。また、同じ「疾患あ」を患った患者2に対して実施された治療内容は、2016年5月9日に実施された治療A、2016年9月26日に実施された治療C、2016年12月15日に実施された治療D、等である。
次に、診療情報処理システムは、記憶された治療内容の履歴から、治療内容の切換えの際の切換え前の治療内容と切換え後の治療内容との組み合わせを、切換えパターンとして複数抽出する(図1の(2))。図1の(1)に示される治療内容の履歴の例では、まず、診療情報処理システム1は、患者1に対して最初に実施された治療内容「治療A」と2番目に実施された治療内容「治療B」との組み合わせを、切換えパターン「治療A→治療B」として抽出する。次に、診療情報処理システムは、患者1に対して2番目に実施された治療内容「治療B」と3番目に実施された治療内容「治療A」との組み合わせを、切換えパターン「治療B→治療A」として抽出する。以降、診療情報処理システムは、患者1における切換えパターンを、記録された治療内容の履歴の時系列に従って順次抽出する。また、診療情報処理システムは、同じ「疾患あ」を患った患者2等の他の患者についても、記録された治療内容の履歴の時系列に従って、切換えパターンを順次抽出する。
次に、診療情報処理システムは、抽出された複数の切換えパターン毎に、出現回数又は治療継続期間を算出する。
出現回数の算出では、診療情報処理システムは、抽出された各切換えパターンと同一の種類の、治療内容の履歴における切換えパターンの数を、各切換えパターンの出現回数として算出する(図1の(3))。例えば、診療情報処理システムは、抽出された全ての切換えパターンを算出対象として特定し、算出対象に含まれる、抽出された各切換えパターンと同一種類の切換えパターンの数を、出現回数として計数する。なお、算出対象とする切換えパターンは、抽出された全ての切換えパターンのうちの一部の切換えパターンでもよい。
また、治療継続期間の算出では、診療情報処理システムは、抽出された各切換えパターンにおける切換え後の治療内容を特定し、特定した治療内容が実施された実施日と、特定した治療内容の次の治療内容が実施された実施日との間の期間を、治療継続期間として算出する(図1の(4))。例えば、患者1における切換えパターン「治療A→治療B」では、切換え後の治療内容「治療B」の実施日は、2016年8月3日であり、当該「治療B」の次の治療内容「治療A」の実施日は、2016年8月18日である。したがって、切換えパターン「治療A→治療B」の治療継続期間は、15日間である。
次に、診療情報処理システムは、出現回数又は治療継続期間に基づいて、注目度を算出する(図1の(5))。例えば、診療情報処理システムは、各切換えパターンの出現回数が多いほど、高くなるように第1の注目度を算出し、又は、各切換えパターンの治療継続期間が長いほど、高くなるように第2の注目度を算出する。なお、診療情報処理システムは、第1の注目度及び第2の注目度が高いほど、高くなるように注目度を算出する。
そして、診療情報処理システムは、第1の注目度又は第2の注目度に応じた形態で、切換えパターンを出力する。例えば、診療情報処理システムは、抽出された全て又は一部の切換えパターンを、注目度が所定値以上の切換えパターンと、注目度が所定値未満の切換えパターンとを区別して出力する。なお、切換えパターンの出力先の装置は、切換えパターンを表示するための表示装置又は切換えパターンを分析するための分析装置である。例えば、図1の(6)に示されるとおり、診療情報処理システムは、注目度が所定値以上の切換えパターンを、表示装置における表示対象として出力し、注目度が所定値未満の切換えパターンを、表示装置における非表示対象として出力する。または、診療情報処理システムは、注目度が所定値以上の切換えパターンを、分析装置における分析対象として出力し、注目度が所定値未満の切換えパターンを、分析装置における非分析対象として出力する。
患者の病態以外の要因による治療内容の切換えの出現回数は、患者の病態の変化を要因とする治療内容の切換えの出現回数よりも少ない場合が多い。また、患者の病態以外の要因による治療内容の切換え後の治療内容の治療継続期間は、患者の病態の変化を要因とする治療内容の切換えの治療継続期間よりも短い場合が多い。上述のとおり、診療情報処理システムは、出現回数又は治療継続期間に応じた切換えパターンを出力するため、評価者は、患者の病態の変化を要因とする治療内容の切換えと患者の病態以外の要因による治療内容の切換えとを区別して治療内容の切換えの妥当性を評価することが可能となる。
これにより、評価者は、患者の病態に応じた治療内容の切換えと患者の病態以外の要因による治療内容の切換えとを区別して治療内容の推移等を確認することができ、治療内容の切換えの妥当性を適切に評価することが可能になる。
なお、上述した図1の説明は、本発明の内容への理解を深めるための説明にすぎない。本発明は、具体的には、次に説明する各実施形態において実施され、且つ、本発明の原則を実質的に超えずに、さまざまな変形例によって実施されてもよい。このような変形例はすべて、本発明および本明細書の開示範囲に含まれる。
(診療情報処理システム1の概略構成)
図2は、診療情報処理システム1の概略構成の一例を示す図である。
診療情報処理システム1は、情報処理装置2及び表示装置3を有する。情報処理装置2及び表示装置3は、有線又は無線の通信ネットワーク4で接続され、相互に各種の情報を送受信する。情報処理装置2は、診療実績データ等に基づいて、所定の疾患を患った各患者における治療内容の切換えパターンを抽出する。そして、情報処理装置2は、抽出された切換えパターン毎に注目度を算出し、算出された注目度とともに切換えパターンを表示装置3に出力する。診療情報処理システム1の表示装置3は、情報処理装置2から取得した切換えパターンを注目度に応じて表示出力する。なお、表示装置3は、表示部の一例である。
なお、診療情報処理システム1は、さらに分析装置(図示せず)を備えてもよい。例えば、分析装置は、実際に行われた治療内容の切換えがクリニカルパスやガイドラインに基づく標準治療に則ったものであるか否かを評価する機能を有する。また、分析装置は、治療内容の切換えパターンの種類を特定し、種類毎の切換えパターンの件数、特定の疾患において所定数以上実施されている治療内容の切換えパターンの種類を抽出する機能等を有する。
この場合、情報処理装置2は、切換えパターンを分析装置に出力し、分析装置は、切換えパターンに基づいて分析した分析結果を表示装置3に出力し、表示装置3は、分析装置から取得した分析結果を表示出力してもよい。分析装置は、情報処理装置2から出力された注目度を、切換えパターンとともに取得し、注目度に応じて切換えパターンを分析する。例えば、分析装置は、取得した切換えパターンを「注目度の高い治療内容の切換え」及び「注目度の低い治療内容の切換え」にそれぞれ絞り込んで分析する。なお、情報処理装置2は、抽出した切換えパターンを注目度に応じて区別し、区別された切換えパターンを、表示装置3又は分析装置に出力し、表示装置3又は分析装置は、取得した切換えパターンを用いて表示又は分析を行ってもよい。
なお、情報処理装置2及び表示装置3は、同一の装置として構成されてもよい。例えば、情報処理装置2が表示装置3の機能を備えるように構成してもよい。同様に、情報処理装置2及び分析装置は、同一装置として構成されてもよい。例えば、情報処理装置2が、分析装置の機能を備えるように構成してもよい。また、情報処理装置2と表示装置3及び分析装置は、同一の装置として構成されてもよい。
以下、診療情報処理システム1を構成する情報処理装置2及び表示装置3について詳細に説明する。
(情報処理装置2)
情報処理装置2は、診療実績データに基づく各種データ等を記憶し、記憶された各種データに基づいて所定の疾患を患った各患者における治療内容の切換えパターンを抽出する。そして、情報処理装置2は、抽出された切換えパターン毎に注目度を算出し、算出された注目度とともに切換えパターンを表示装置3に出力する。そのために、情報処理装置2は、記憶部21、情報処理部22、第1通信部23を備える。
なお、本実施形態では、情報処理装置2として、コンピュータ、サーバ等を想定するが、本発明はこれに限定されるものではない。情報処理装置2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)や携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、タブレット端末、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等でもよい。
(記憶部21)
記憶部21は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置、又は、ハードディスク、光ディスク等を備える。情報処理部22での処理に用いられるプログラム、データ、パラメータ等を記憶する。なお、プログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部21にインストールされてもよい。また、記憶部21は、データとして、後述する患者疾患リスト211、患者医療行為履歴212及び疾患別医療行為リスト213等を記憶する。
また、記憶部21は、情報処理部22によって生成された各種データ(後述する治療内容リスト214、切換えパターンリスト215、治療継続期間リスト216、切換え頻度リスト217、患者別切換え頻度リスト218及び注目度リスト219等)を記憶する。なお、記憶部21は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
なお、情報処理装置2とは異なる一又は複数の記憶装置が、記憶部21に記憶された各種データを記憶してもよい。この場合、診療情報処理システム1を構成する情報処理装置2及び表示装置3は、各種データを記憶装置と送受信する。
以下、図3(a)〜(c)を参照して、患者疾患リスト211、患者医療行為履歴212及び疾患別医療行為リスト213について説明する。なお、患者疾患リスト211、患者医療行為履歴212及び疾患別医療行為リスト213は、病院で記憶された診療実績データから予め生成されたデータである。診療実績データは、例えば、直近の所定期間(例えば、1年間)において一又は複数の病院に入院した患者に係る診療実績データである。以降、患者疾患リスト211、患者医療行為履歴212及び疾患別医療行為リスト213を、診療実績データと称する場合がある。
(患者疾患リスト211)
図3(a)に示されるとおり、患者疾患リスト211には、複数の患者のそれぞれについて、各患者の患者IDと、各患者の疾患情報とが、互いに関連付けて記憶されている。なお、患者IDは、各患者を互いに識別するための識別情報等である。
(患者医療行為履歴212)
図3(b)に示されるとおり、患者医療行為履歴212には、複数の患者のそれぞれについて、各患者の患者IDと、各患者に対して実施された医療行為の実施日と、当該実施日に実施された一又は複数の医療行為とが、互いに関連付けて記憶される。なお、各医療行為は、例えば、医療行為名等であるが、他の医療行為と識別可能であれば、どのような情報でもよい。また、医療行為は、具体的な薬名や検査名等に限るものではなく、治療の効果や治療目的等が共通するもの同士をグループ化したものでもよい。この場合、医療行為名として、グループ名(例えば、「抗がん剤」又は「高血圧治療薬」等)を記憶すればよい。
(疾患別医療行為リスト213)
図3(c)に示されるとおり、疾患別医療行為リスト213には、各疾患情報に関連付けて、各疾患情報によって示される医療行為が記憶されている。
以下、疾患別医療行為リスト213の生成方法の一例について説明する。まず、患者疾患リスト211の中から、各疾患情報に関連付けられた全ての患者IDが抽出される。次に、患者医療行為履歴212の中から、各疾患情報について抽出された全ての患者IDのそれぞれに関連付けられた全ての医療行為が抽出される。そして、各疾患情報と各疾患情報について抽出された医療行為とが、互いに関連付けて疾患別医療行為リスト213に記憶される。なお、抽出された全ての医療行為の中に、同一の医療行為が複数存在する場合は、当該複数の医療行為のうちの一つが抽出され、同一の医療行為が重複して抽出されない。このように、疾患別医療行為リスト213は、各疾患について特有な医療行為の種類を示すデータである。
なお、疾患別医療行為リスト213の生成方法は、上述の方法に限らない。例えば、疾患別医療行為リスト213は、ガイドラインや医師等の知見に基づいて生成されてもよい。また、患者疾患リスト211及び患者医療行為履歴212に基づいて生成された疾患別医療行為リスト213の中から、ガイドラインや医師等の知見に基づいて、分析や評価において不要な医療行為が削除されてもよい。
図2に戻り、情報処理装置2の情報処理部22について説明する。
(情報処理部22)
情報処理部22は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。情報処理部22は、情報処理装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。情報処理部22は、記憶部21に記憶されているプログラムに基づいて処理を実行する。
情報処理部22は、少なくとも分析対象抽出部221、切換えパターン抽出部222、治療継続期間算出部223、切換え頻度算出部224、注目度算出部225及びデータ出力処理部226を備える。これらの各部は、情報処理部22が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして情報処理装置2に実装されてもよい。以下、図2〜7を参照して、情報処理部22が備える各部について説明する。
(分析対象抽出部221)
分析対象抽出部221は、記憶部21に記憶された診療実績データ(患者疾患リスト211、患者医療行為履歴212及び疾患別医療行為リスト213)を参照し、情報処理部22において実行される各処理の対象となる分析対象の抽出処理を実行する。
まず、分析対象抽出部221は、疾患別医療行為リスト213を参照して、疾患別医療行為リスト213に含まれる疾患情報から、所定の疾患に係る疾患情報を分析対象疾患として選択する。次に、分析対象抽出部221は、患者疾患リスト211を参照して、分析対象疾患に関連付けられた全ての患者の患者IDを、分析対象患者群として抽出する。なお、分析対象抽出部221は、分析対象疾患に関連付けられた全ての患者の患者IDのうちの一部を、分析対象患者群として抽出してもよい。次に、分析対象抽出部221は、患者医療行為履歴212の中から、分析対象患者群として抽出された各患者IDに対応付けられた実施日及び医療行為を抽出する。そして、分析対象抽出部221は、分析対象患者群として抽出された各患者ID、実施日及び医療行為を、分析対象医療行為履歴として特定する。このように、分析対象医療行為履歴は、患者医療行為履歴212と同様のリストであり、且つ、患者医療行為履歴212の中から、分析対象患者群に含まれない患者の情報が除外されたリストである。
なお、分析対象抽出部221は、分析対象医療行為履歴の中から、疾患別医療行為リスト213に含まれる分析対象疾患に関連付けられていない医療行為に関する項目を削除してもよい。
分析対象抽出部221は、上述した分析対象の抽出処理を、疾患別医療行為リスト213に記載された全ての疾患情報について繰り返して実行する。なお、分析対象抽出部221は、評価者等が情報処理装置2の操作部(図示せず)を操作することによって任意に入力された所定の疾患に係る疾患情報に対してのみ、上述した分析対象の抽出処理を実行してもよい。
(切換えパターン抽出部222)
切換えパターン抽出部222は、記憶部21に記憶された診療実績データを参照し、治療内容の切換えの際の切換え前の治療内容と切換え後の治療内容との組み合わせを、切換えパターンとして抽出する。なお、切換えパターンの抽出処理は、分析対象疾患毎に実行される。以下、切換えパターンの抽出処理について説明する。
まず、切換えパターン抽出部222は、分析対象医療行為履歴の中から、各患者IDについて、実施日毎に実施された医療行為を特定する。次に、切換えパターン抽出部222は、特定された各実施日に実施された医療行為に対して治療内容名を付与するとともにその実施日を、分析対象医療行為履歴の時系列に従って順次特定する。そして、切換えパターン抽出部222は、特定した治療内容名とその医療行為について、治療内容リスト214を生成し、記憶部21に記憶する。
例えば、図3(b)に示されるとおり、分析対象疾患が「疾患あ」である場合、患者ID「00001」に対して、医療行為「投薬ア」及び「投薬イ」と、その実施日「2016年4月5日」とが関連付けられている。切換えパターン抽出部222は、同日中に実施された医療行為「投薬ア」及び「投薬イ」に治療内容「治療A」を関連付ける。すなわち、患者ID「00001」に対して2016年4月5日に実施された医療行為が、治療内容「治療A」として特定され、治療内容リスト214に記憶される。同様に、患者ID「00001」の患者に対して2016年8月3日に実施された治療内容「治療B」、当該患者に対して2016年8月18日に実施された治療内容「治療A」、当該患者に対して2016年9月17日に実施された治療内容「治療C」、及び、当該患者に対して2016年12月16日に実施された治療内容「治療C」が特定され、治療内容リスト214に記憶される。このように、同日中に行われた医療行為が同一種類である場合は、患者IDが異なっていても同一の治療内容名が特定され、同日中に行われた医療行為が異なる場合は、異なる治療内容名が特定される。
(治療内容リスト214)
図4(a)は、治療内容リスト214のデータ構造の一例を示す図である。図4(a)に示すように、複数の治療内容のそれぞれに関連付けて、医療行為が記憶されている。
なお、切換えパターン抽出部222は、医療行為に対応する治療内容の特定を、疾患別医療行為リスト213を参照して実行してもよい。例えば、切換えパターン抽出部222は、疾患別医療行為リスト213を参照して、分析対象疾患に対応付けられた全ての医療行為を特定する。次に、切換えパターン抽出部222は、特定した全ての医療行為の全ての組み合わせを抽出して、全ての組み合わせと、治療内容(例えば、互いに識別可能な治療内容名等)とを対応付けたリストを作成する。そして、切換えパターン抽出部222は、作成したリストを用いて、医療行為に対応する治療内容の特定を実行する。
次に、切換えパターン抽出部222は、各患者IDについて、特定した治療内容及びその実施日に基づいて、切換えパターンを抽出する。まず、切換えパターン抽出部222は、特定した治療内容毎に、特定した治療内容を切換え後の治療内容として設定し、特定した治療内容の直前の当該特定した治療内容と異なる治療内容を切換え前の治療内容として設定し、特定した治療内容の実施日を切換え日として設定する。なお、特定した治療内容が最初の治療内容である場合、特定した治療内容の前に治療内容が実施されていないため、切換え前の治療内容が実施されていないことを示す未実施記号等(例えば「−」等)を切換え前の治療内容として設定する。また、一人の患者について、切換え前の治療内容が同一の切換えパターンが連続した場合、当該連続した切換えパターンは、切換え後の治療内容の実施日が遅いものに統合される。例えば、切換えパターンが「治療A→治療C」、「治療C→治療C」、「治療C→治療C」の順番に特定された場合(すなわち、治療内容が「治療A」、「治療C」、「治療C」、「治療C」の順番で実施された場合)、切換えパターン抽出部222は、最初に実施された治療内容「治療A」と、最後の治療内容「治療C」とを用いた切換えパターン「治療A→治療C」を抽出する。次に、切換えパターン抽出部222は、切換え前の治療内容と切換え後の治療内容との組み合わせを、切換えパターンとして抽出する。なお、本実施の形態では、後述の治療継続期間の算出方法の便宜上、切換えパターン抽出部222は、特定した治療内容が患者のデータに含まれる最後(直近)の治療内容である場合に、切換え前の治療内容(直前の治療内容)と切換え後の治療内容とが同一である場合も、この切換え前の治療内容と切換え後の治療内容との組み合わせを、切換えパターン(例えば、「治療C→治療C」)として抽出する。そして、切換えパターン抽出部222は、抽出した切換えパターンについて、切換えパターンリスト215を生成し、記憶部21に記憶する。なお、切換えパターンの抽出方法は、これに限らない。例えば、特定した治療内容を切換え前の治療内容とし且つ直後の異なる治療内容を切換え後の治療内容とする切換えパターンが抽出されてもよい。この場合、最初の治療内容については「−」を切換え前の治療内容として、特定した治療内容を切換え後の治療内容とする切換えパターンを抽出してから、前述の抽出を行えばよい。
(切換えパターンリスト215)
図4(b)は、切換えパターンリスト215のデータ構造の一例を示す図である。図4(b)に示すように、切換えパターンリスト215には、患者ID毎に、各患者IDにおける切換え前の治療内容、切換え後の治療内容、切換えパターン及び切換え日が時系列に従って配列される。
図4(b)に示される例では、患者ID「00001」における、最初の切換え前の治療内容、切換え後の治療内容、切換えパターン及び切換え日として、それぞれ、「未実施記号」、「治療A」、「→治療A」及び「2016年4月5日」が設定されている。なお、切換えパターン「→治療A」は、切換え前の治療内容が特定されないことを示す切換えパターンである。また、患者ID「00001」における、2番目の切換え前の治療内容、切換え後の治療内容、切換えパターン及び切換え日として、それぞれ、「治療A」、「治療B」、「治療A→治療B」及び「2016年8月3日」が設定されている。以降、分析対象医療行為履歴の時系列に従って、各患者IDにおける、切換え前の治療内容、切換え後の治療内容、切換えパターン及び切換え日が順次設定されている。
(治療継続期間算出部223)
治療継続期間算出部223は、記憶部21に記憶された診療実績データに基づいて、切換えパターン毎に、切換え後の治療内容の継続期間を治療継続期間として算出する。なお、治療継続期間の算出処理は、分析対象疾患毎に実行される。以下、治療継続期間の算出処理について説明する。
まず、治療継続期間算出部223は、記憶部21に記憶された切換えパターンリスト215を参照し、各患者IDにおける切換えパターン及び切換え日を、時系列に従って順次特定する。次に、治療継続期間算出部223は、特定した切換えパターン毎に、特定した切換えパターンの切換え日を、特定した切換えパターンにおける切換え後の治療内容の治療開始日として設定する。次に、治療継続期間算出部223は、特定した切換えパターン毎に、特定した切換えパターンの次の切換えパターンの切換え日を、特定した切換えパターンにおける切換え後の治療内容の治療終了日として設定する。なお、治療継続期間算出部223は、特定した切換えパターンの次の切換えパターンが、切換えパターンリスト215に含まれていない場合、治療が終了していないことを示す継続記号等(例えば「NA」等)を、終了治療日として設定する。
次に、治療継続期間算出部223は、特定した切換えパターン毎に、特定した切換えパターンの治療開始日から特定した切換えパターンの治療終了日までの期間を算出し、算出した期間を、特定した切換えパターンの治療継続期間として設定する。なお、治療終了日が「NA」等の継続記号である場合は、治療継続期間も「NA」等の継続記号が設定される。また、治療継続期間の算出方法は、上述した方法に限らず、切換えパターンにおける切換え後の治療内容が継続した期間を算出できる方法であればどのようなものでもよい(例えば、「治療C→治療C」という切換えパターンを抽出せずに、治療内容の実施日等を参照して継続期間を算出する方法等。)。また、本実施の形態では、各切換えパターンについて、切換え後の治療内容の継続期間を算出し、その期間を直後の切換えパターンにおける切換え前の治療内容の継続期間としているが、継続期間の算出方法は、この方法に限らない。例えば、切換え前の治療内容の継続期間と切換え後の治療内容の継続期間とを、治療内容の実施日等を参照して、それぞれ個別に算出してもよい。
次に、治療継続期間算出部223は、切換えパターンリスト215に含まれる全ての切換えパターンの治療継続期間の算出処理が終了した場合、治療継続期間の正規化処理を実行する。
治療継続期間の正規化処理では、まず、治療継続期間算出部223は、切換えパターンリスト215に含まれる全ての切換えパターンの治療継続期間のうち、最も長い治療継続期間を特定する。次に、治療継続期間算出部223は、切換えパターンリスト215に含まれる各切換えパターンの治療継続期間を、特定した最も長い治療継続期間で除算した値を算出し、算出された値を各切換えパターンの継続期間指数として設定する。
この治療継続期間の正規化処理によって、治療継続期間は、「0」以上「1」以下の数値である継続期間指数に変換される。なお、治療継続期間の正規化処理では、治療継続期間の増加に応じて所定の数値範囲(例えば、「0」以上「1」以下の数値)内で単調増加する指数に変換できる変換式であれば、どのような変換式が用いられてもよい。
そして、治療継続期間算出部223は、特定した切換えパターンについて、治療継続期間リスト216を生成し、記憶部21に記憶する。
(治療継続期間リスト216)
図5は、治療継続期間リスト216のデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、治療継続期間リスト216には、切換えパターンリスト215に含まれる各患者IDについて、各患者IDにおける各切換えパターン、並びに、各切換えパターンの治療開始日、治療終了日、治療継続期間及び継続期間指数が時系列に従って配列される。なお、切換えパターンリスト215の各患者ID及び各患者IDにおける各切換えパターンの配列は、切換えパターンリスト215と同一である。
図5に示される例では、患者ID「00001」における、最初の切換えパターン、治療開始日、治療終了日、治療継続期間及び継続期間指数として、それぞれ、「→治療A」、「2016年4月5日」、「2016年8月3日」、「120日」及び「0.6」が設定されている。なお、図5に示される治療継続期間リスト216に含まれる治療継続期間のうち、最も長い治療継続期間は「200日」(図示せず)であるため、切換えパターン「→治療A」の継続期間指数として、「120日」を「200日」で除算した指数「0.6」が設定される。
また、患者ID「00001」における、2番目の切換えパターン、治療開始日、治療終了日、治療継続期間及び継続期間指数として、それぞれ、「治療A→治療B」、「2016年8月3日」、「2016年8月18日」、「15日」及び「0.075」が設定されている。以降、切換えパターンリスト215の時系列に従って、各患者IDにおける、切換えパターン、治療開始日、治療終了日、治療継続期間及び継続期間指数が順次設定されている。なお、患者ID「00001」によって識別される患者及び患者ID「00002」によって識別される患者は、ともに治療が継続しているため、両者の最後の切換えパターンの治療終了日には、継続記号が設定されている。
なお、治療継続期間算出部223は、切換えパターンリスト215に含まれる、各切換えパターンと同一種類の全ての切換えパターンの治療継続期間の平均値を算出し、算出した平均値を、各切換えパターンの治療継続期間として再設定してもよい。例えば、図5に示される治療継続期間リスト216において、患者ID「00001」及び患者ID「00002」には、同一の切換えパターン「→治療A」が関連付けられている。このとき、分析対象疾患「疾患あ」を患った患者が患者ID「00001」及び患者ID「00002」だけであれば、治療継続期間算出部223は、患者ID「00001」の切換えパターン「→治療A」の治療継続期間「120日」と患者ID「00002」の切換えパターン「→治療A」の治療継続期間「140日」との平均値「130日」を、患者ID「00001」及び患者ID「00002」のそれぞれの切換えパターン「→治療A」の治療継続期間として再設定する。
(切換え頻度算出部224)
切換え頻度算出部224は、記憶部21に記憶された診療実績データに基づいて、切換えパターン毎の出現回数を切換え頻度として算出する。なお、切換え頻度の算出処理は、分析対象疾患毎に実行される。以下、切換え頻度の算出処理について説明する。
まず、切換え頻度算出部224は、記憶部21に記憶された切換えパターンリスト215を参照し、各切換えパターン毎に、同一種類の切換えパターンの出現回数を計数し、計数した出現回数を切換え頻度として特定する。
次に、切換え頻度算出部224は、算出対象に含まれる全ての切換えパターンの切換え頻度の算出処理が終了した場合、切換え頻度の正規化処理を実行する。切換え頻度の正規化処理では、まず、切換え頻度算出部224は、特定した全ての切換え頻度のうち、最も数の多い切換え頻度を特定する。次に、切換え頻度算出部224は、特定した各切換えパターンの切換え頻度を、特定された最も数の多い切換え頻度で除算した値を算出し、算出された値を、各切換えパターンの切換え頻度指数として設定する。
この切換え頻度の正規化処理によって、切換え頻度は、「0」以上「1」以下の数値である切換え頻度指数に変換される。なお、切換え頻度の正規化処理では、切換え頻度の増加に応じて所定の数値範囲(例えば、「0」以上「1」以下の数値)内で単調増加する指数に変換できる変換式であれば、どのような変換式が用いられてもよい。
そして、切換え頻度算出部224は、各種類の切換えパターンについて、切換え頻度リスト217を生成し、記憶部21に記憶する。
次に、切換え頻度算出部224は、記憶部21に記憶された切換えパターンリスト215から、各患者ID及び各患者IDにおける各切換えパターンを配列順に抽出する。次に、切換え頻度算出部224は、記憶部21に記憶された切換え頻度リスト217を参照して、抽出された各切換えパターンに対応する切換え頻度及び切換え頻度指数を特定する。そして、切換え頻度算出部224は、抽出された各患者ID、各患者IDにおける各切換えパターン、各切換えパターンに対応する切換え頻度及び切換え頻度指数を配列した患者別切換え頻度リスト218を生成し、記憶部21に記憶する。
(切換え頻度リスト217)
図6(a)は、切換え頻度リスト217のデータ構造の一例を示す図である。図6(a)に示すように、切換え頻度リスト217には、切換えパターンの種類毎に、当該切換えパターンの切換え頻度及び切換え頻度指数が対応付けられる。
図6(a)に示される例では、切換えパターン「→治療A」における、切換え頻度及び切換え頻度指数として、それぞれ、「7回」及び「1」が設定されている。なお、図6(a)に示される切換え頻度リスト217に含まれる切換え頻度のうち、最も数の多い切換え頻度は「7回」であるため、切換えパターン「→治療A」の切換え頻度指数として、「7回」を「7回」で除算した指数「1」が設定される。
また、切換えパターン「治療A→治療B」における、切換え頻度及び切換え頻度指数として、それぞれ、「2回」及び「0.28」(「2回」を「7回」で除算した指数)が設定されている。以降、特定された切換えパターンごとに、当該切換えパターンの切換え頻度及び切換え頻度指数が設定されている。なお、切換え前の治療内容と切換え後の治療内容とが同一である切換えパターン(図6(a)に示される切換え頻度リスト217の例では、切換えパターン「治療C→治療C」)の切換え頻度の算出処理は、実行されなくてもよい。
(患者別切換え頻度リスト218)
図6(b)は、患者別切換え頻度リスト218のデータ構造の一例を示す図である。図6(b)に示すように、患者別切換え頻度リスト218には、切換えパターンリスト215に含まれる各患者IDについて、各患者IDにおける各切換えパターン、並びに、各切換えパターンの切換え頻度及び切換え頻度指数が時系列に従って配列される。なお、患者別切換え頻度リスト218の各患者ID及び各患者IDにおける各切換えパターンの配列は、切換えパターンリスト215と同一である。
(注目度算出部225)
注目度算出部225は、治療継続期間リスト216及び患者別切換え頻度リスト218に基づいて、切換えパターン毎の注目度を算出する。なお、注目度の算出処理は、分析対象疾患毎に実行される。以下、注目度の算出処理について説明する。
まず、注目度算出部225は、記憶部21に記憶された切換えパターンリスト215から、各患者ID及び各患者IDにおける各切換えパターンを配列順に抽出する。次に、注目度算出部225は、治療継続期間リスト216を参照して、抽出された各患者IDにおける各切換えパターンに対応する治療継続期間及び継続期間指数を特定する。次に、注目度算出部225は、患者別切換え頻度リスト218を参照し、抽出された各患者IDにおける各切換えパターンに対応する切換え頻度及び切換え頻度指数を特定する。次に、注目度算出部225は、抽出された各患者IDにおける各切換えパターンに対応する継続期間指数と切換え頻度指数との平均値を算出し、算出された平均値を、抽出された各患者IDにおける各切換えパターンの注目度として設定する。そして、注目度算出部225は、抽出された各患者IDにおける各切換えパターンについて、注目度リスト219を生成し、記憶部21に記憶する。
なお、注目度算出部225は、抽出された各患者IDにおける各切換えパターンについて、切換え頻度指数に基づいて第1の注目度を算出し、又は、継続期間指数に基づいて第2の注目度を算出してもよい。この場合、注目度算出部225は、切換え頻度指数を第1の注目度としてもよく、継続期間指数を第2の注目度としてもよい。また、算出した第1及び第2の注目度の平均値を、各切換えパターンの注目度として設定してもよい。
(注目度リスト219)
図7は、注目度リスト219のデータ構造の一例を示す図である。図7に示すように、注目度リスト219には、抽出された各患者ID、各患者IDにおける各切換えパターン、各切換えパターンに対応する治療継続期間、継続期間指数、切換え頻度、切換え頻度指数及び注目度が配列される。なお、注目度リスト219の各患者ID及び各患者IDにおける各切換えパターンの配列は、切換えパターンリスト215と同一である。なお、注目度リスト219に、当該注目度リスト219の全ての患者IDを分析対象患者群として抽出するために用いられた分析対象疾患が関連付けて記憶されてもよい。
図7に示される例では、患者ID「00001」における、最初の切換えパターン、治療継続期間、継続期間指数、切換え頻度及び切換え頻度指数及び注目度として、それぞれ、「→治療A」、「120日」、「0.6」、「7回」、「1」及び「0.8」が設定されている。なお、注目度「0.8」は、継続期間指数「0.6」と切換え頻度指数「1」との平均値である。
また、患者ID「00001」における、2番目の切換えパターン、治療継続期間、継続期間指数、切換え頻度及び切換え頻度指数及び注目度として、それぞれ、「治療A→治療B」、「15日」、「0.075」、「2回」、「0.28」及び「0.17」が設定されている。なお、注目度「0.17」は、継続期間指数「0.075」と切換え頻度指数「0.28」との平均値である。以降、切換えパターンリスト215の時系列に従って、各患者IDにおける、切換えパターン、治療継続期間、継続期間指数、切換え頻度及び切換え頻度指数及び注目度が順次設定されている。
図7の注目度リスト219に示されるように、注目度は、継続期間指数及び切換え頻度指数に応じた値である。注目度として、治療継続期間が長いほど、高い値であり、且つ、切換え頻度が多いほど、高い値が算出される。
切換え頻度が高い切換えパターンは、その分析対象疾患の分析対象患者群に共通した切換えパターンであり、当該分析対象疾患特有の病態の変化を反映している蓋然性が高い。一方、切換え頻度の低い切換えパターンは、その分析対象疾患において稀な症例で出現する蓋然性が高い。ここで、切換え頻度の低い切換えパターンには、2種類のタイプが混在している。一方は、手術前の休薬や飲み忘れ等による短期的な治療のタイプであり、他方は、難治症例等の稀な症例における病態に応じた長期的な治療のタイプである。情報処理装置2は、切換え頻度とともに治療継続期間を組み合わせた注目度を用いることにより、稀な症例における病態(切換え頻度が低いものの治療継続期間が長い傾向がある病態)と、手術前の休薬や飲み忘れ等による短期的な治療とを適切に区別することができる。したがって、情報処理装置2は、患者の病態の変化を要因とする治療内容の切換えパターンと患者の病態以外の要因による治療内容の切換えパターンとを適切に区別することができる。
なお、注目度リスト219には、少なくとも患者ID、切換えパターン及び注目度が記憶されればよく、治療継続時間、継続時間指数、切換え頻度又は切換え頻度指数は記憶されなくてもよい。また、注目度リスト219に、切換え前の治療内容の継続期間を記憶するようにしてもよい。
また、注目度算出部225は、注目度リスト219に含まれる、各切換えパターンと同一種類の全ての切換えパターンの注目度の平均値を算出し、算出した平均値を各切換えパターンの注目度として再設定してもよい。例えば、図7に示される注目度リスト219において、患者ID「00001」及び患者ID「00002」には、同一の切換えパターン「治療A→治療C」が関連付けられている。このとき、分析対象疾患「疾患あ」を患った患者が患者ID「00001」及び患者ID「00002」だけであれば、注目度算出部225は、患者ID「00001」の切換えパターン「治療A→治療C」の注目度「0.66」と患者ID「00002」の切換えパターン「治療A→治療C」の注目度「0.63」との平均値「0.65」を、患者ID「00001」及び患者ID「00002」のそれぞれの切換えパターン「治療A→治療C」の注目度として再設定する。
図2に戻り、情報処理部22のデータ出力処理部226について説明する。
(データ出力処理部226)
情報処理部22のデータ出力処理部226は、注目度算出部225によって生成された注目度リスト219に含まれる切換えパターンのうち、各患者IDについて、注目度が算出された切換えパターン、治療継続期間、切換え頻度及びその注目度を、算出結果として記憶部21に記憶する。そして、データ出力処理部226は、記憶部21に記憶された算出結果を表示装置3に出力し、算出結果を取得した表示装置3は、算出結果に基づく表示処理を実行する。なお、算出結果には、当該算出結果を生成するために用いられた分析対象疾患を関連付けて出力してもよい。また、データ出力処理部226は、算出結果に、注目度リスト219に含まれる継続期間指数及び切換え頻度指数を含めてもよい。また、データ出力処理部226は、算出結果に、切換え前の治療内容の継続期間を含めてもよい。
なお、データ出力処理部226は、算出結果を、切換えパターンを分析するための分析装置に出力してもよい。算出結果を取得した分析装置は、当該算出結果に基づいて、注目度に応じた分析を実行し、その分析結果を表示装置3に出力する。そして、分析結果を取得した表示装置3は、当該分析結果に基づく表示処理を実行する。
また、データ出力処理部226は、注目度算出部225によって生成された注目度リスト219に含まれる各種データを、注目度に応じて区別してから、算出結果として出力してもよい。例えば、データ出力処理部226は、注目度が所定値(例えば、「0.3」)以上である切換えパターンと、注目度が所定値未満である切換えパターンとを区別して出力してもよい。この場合、例えば、データ出力処理部226は、注目度が所定値以上となった切換えパターン及びその注目度のみを、算出結果として表示装置3又は分析装置に出力する。
なお、注目度リスト219に含まれる各種データを区別するための所定値は、評価者等が情報処理装置2の操作部(図示せず)を操作することによって任意に入力された値(経験値等)でもよい。もしくは、データ出力処理部226は、注目度リスト219に含まれる全ての注目度の平均値及び標準偏差を算出し、算出した平均値から標準偏差を減算した値を所定値として設定してもよい。これにより、評価者は、切換えパターンの注目度の分布に基づいて、分析対象疾患特有の切換えパターンと短期的且つ稀な切換えパターンとを区別できる所定値を設定することが可能になる。
(第1通信部23)
情報処理装置2の第1通信部23は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)の通信インターフェース、USB(Universal Serial Bus)等と接続するためのインターフェース、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース等である。情報処理装置2は、第1通信部23を介して表示装置3又は分析装置等と接続され、第1通信部23は、情報処理部22から供給されたデータを、表示装置3又は分析装置等に送信する。
(表示装置3)
表示装置3は、第2通信部31、表示出力処理部32及びモニタ部33等を備える。表示装置3は、病院内外の医療管理者や事務管理者等の評価者が所在する部屋に設置され、評価者は、表示装置3に表示された各種データを参照して、患者に対して行われた「治療内容の切換え」の妥当性を評価する。
第2通信部31は、有線又は無線のLANの通信インターフェース、USB等と接続するためのインターフェース、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース等である。第2通信部31は、情報処理装置2又は分析装置等から受信したデータを表示出力処理部32に供給する。
表示出力処理部32は、第2通信部31を介して情報処理装置2又は分析装置等から受信したデータを取得し、取得したデータに基づいて描画データを作成する。そして、表示出力処理部32は、作成した描画データをモニタ部33に出力する。
モニタ部33は、動画像、静止画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、又は、タッチパネル式の表示デバイス等である。モニタ部33は、表示出力処理部32から供給された描画データに応じた動画像又は静止画像等を表示する。
以下、図8及び図9を参照し、表示装置3によって表示される画面の例について説明する。
表示装置3の表示出力処理部32は、情報処理装置2から出力された算出結果を、第2通信部31を介して受信し、受信した算出結果に基づいて、注目度に応じた切換えパターンをモニタ部33に表示する。表示出力処理部32は、患者毎の治療内容の推移を表示するために、患者毎の切換えパターンを注目度に応じた表示態様でモニタ部33に表示する。例えば、表示出力処理部32は、注目度が所定値以上である切換えパターンと所定値未満である切換えパターンとを区別してモニタ部33に表示する。
図8(a)〜(c)は、情報処理装置2から出力された算出結果に基づいて表示装置3のモニタ部33に表示される切換えパターンの表示例である。なお、図8(a)〜(c)よって示される各画面例では、7人分の患者の治療内容の推移が表示されている。
表示出力処理部32は、算出結果の全ての切換えパターンに含まれる治療内容の種類毎に対応する領域枠を表示する。図8(a)〜(c)によって示される各画面例では、治療内容「治療A」に対応する領域枠801、治療内容「治療B」に対応する領域枠802、治療内容「治療C」に対応する領域枠803、治療内容「治療D」に対応する領域枠804が表示される。
表示出力処理部32は、各患者IDについて、算出結果に含まれる全ての切換えパターンのそれぞれの切換え前の治療内容及び切換え後の治療内容を時系列順(配列順)に特定する。次に、表示出力処理部32は、抽出された各治療内容を示す図形を、配列順に従って各治療内容に対応する領域枠内に順次表示する。そして、表示出力処理部32は、各図形から、各図形に対応する治療内容の直後に実施された治療内容に対応する図形への有向線分を表示する。なお、有向線分の始点及び終点となる図形を、それぞれ第1の図形及び第2の図形と称する場合がある。なお、時系列に従って前後する2つの切換えパターンが連続する場合、先に実施された第1の切換えパターンの第2の図形に対応する治療内容と、次に実施された第2の切換えパターンの第1の図形に対応する治療内容とは、同一となる。この場合、第1の切換えパターンの第2の図形を、第2の切換えパターンの第1の図形として使用してもよい。
表示出力処理部32は、各治療内容を示す図形を、各治療内容を切換え後の治療内容とする切換えパターンの治療継続期間に応じた大きさで表示する。これにより、各図形によって、各図形に対応する治療内容の継続期間の長さを示すことが可能になる。なお、時系列順の最初の治療内容を示す図形より前への有向線分、及び、時系列順の最後の治療内容を示す図形からの有向線分は表示されない。また、同一治療内容が連続する場合、表示出力処理部32は、連続する治療内容を一つの治療内容とし、当該連続する治療内容の治療継続期間を合算した期間を示す一つの図形を、連続する一つの治療内容を示す図形として表示する。
図8(a)〜(c)によって示される各画面例では、有向線分として矢印が表示され、各治療内容を示す図形として「○」印が表示されている。なお、有向線分は、矢印に限らず、線分、曲線、点線等で表示されてもよい。また、各治療内容を示す図形は、「○」印に限らず、どのような形状の図形でもよく、また、文字、数字、又はイメージ画像でもよい。
以下、図8(a)によって示される各画面例について説明する。例えば、図7に示される注目度リスト219の例では、患者ID「00001」に関連付けられた切換えパターンのうち算出対象として注目度とともに出力される切換えパターンは、「→治療A」、「治療A→治療B」、「治療B→治療A」、「治療A→治療C」である。
図8(a)では、まず、切換えパターン「→治療A」の切換え前の治療内容は実施されていないため、当該切換え前の治療内容に対応する図形は表示されない。次に、切換えパターン「→治療A」の切換え後の治療内容「治療A」に対応する図形811は、切換えパターン「→治療A」の第2の図形として領域枠801内に表示される。
次に、切換えパターン「→治療A」の切換え後の治療内容「治療A」は、次の切換えパターン「治療A→治療B」の切換え前の治療内容「治療A」と同一である。したがって、切換えパターン「→治療A」の第2の図形である図形811は、切換えパターン「治療A→治療B」の切換え前の治療内容「治療A」の第1の図形として使用される。次に、切換えパターン「治療A→治療B」の切換え後の治療内容「治療B」に対応する図形812は、領域枠802内に表示される。次に、切換えパターン「治療A→治療B」の第1の図形である図形811から、切換えパターン「治療A→治療B」の第2の図形である図形812への有向線分821が表示される。
次に、切換えパターン「治療A→治療B」の切換え後の治療内容「治療B」は、次の切換えパターン「治療B→治療A」の切換え前の治療内容「治療B」と同一である。したがって、切換えパターン「治療A→治療B」の第2の図形である図形812は、切換えパターン「治療B→治療A」の切換え前の治療内容「治療B」の第1の図形として使用される。次に、切換えパターン「治療B→治療A」の切換え後の治療内容「治療A」に対応する図形813は、領域枠801内に表示される。次に、切換えパターン「治療B→治療A」の第1の図形である図形812から、切換えパターン「治療B→治療A」の第2の図形である図形813への有向線分822が表示される。
次に、切換えパターン「治療B→治療A」の切換え後の治療内容「治療A」は、次の切換えパターン「治療A→治療C」の切換え前の治療内容「治療A」と同一である。したがって、切換えパターン「治療B→治療A」の第2の図形である図形813は、切換えパターン「治療A→治療C」の切換え前の治療内容「治療A」の第1の図形として使用される。次に、切換えパターン「治療A→治療C」の切換え後の治療内容「治療C」に対応する図形814は、領域枠803内に表示される。そして、切換えパターン「治療A→治療C」の第1の図形である図形813から、切換えパターン「治療A→治療C」の第2の図形である図形814への有向線分823が表示される。
このように、一人の患者に係る切換えパターンが連続して表示されることで、評価者は、当該患者の治療内容の推移を容易に確認することができる。
図8(a)に示される画面では、「○」印は、当該「○」印に対応する治療内容の治療継続期間が長い(継続期間指数が高い)ほど、大きくなるように表示される。また、有向線分は、当該有向線分に対応する切換えパターンの切換え頻度が多い(切換え頻度指数が高い)ほど、太くなるように表示される。なお、注目度が所定値未満である切換えパターンが、注目度が所定値以上である切換えパターンよりも強調して表示されるようにしてもよい。例えば、注目度が所定値以上である切換えパターンの「○」印又は有向線分の色を、注目度が所定値未満である切換えパターンの「○」印又は有向線分の色よりも、明るい色又は濃度の濃い色とすることで、注目度が所定値未満である切換えパターンが、注目度が所定値以上である切換えパターンよりも強調される。
以下、図8(b)によって示される各画面例について説明する。図8(b)に示される画面では、注目度が所定値未満である切換えパターンが、目立たなくなるように表示される。すなわち、注目度が所定値以上である切換えパターンの有向線分は、線分及び又は濃い色で表示され、注目度が所定値未満である切換えパターンの有向線分は、点線及び/又は薄い色で表示される。なお、注目度が所定値未満である切換えパターンの有向線分は、他の表示態様によって表されてもよい。
以下、図8(c)によって示される各画面例について説明する。図8(c)に示される画面例では、注目度が所定値未満である切換えパターンが、ノイズとして除外される。すなわち、注目度が所定値以上である切換えパターンの有向線分は、画面に表示され、注目度が所定値未満である切換えパターンの有向線分は、画面に表示されない。なお、注目度が所定値未満である切換えパターンの有向線分が複数連続する場合、最初に除外された有向線分に対応する切換えパターンの第1の図形から、最後に除外された有向線分に対応する切換えパターンの第2の図形への有向線分を表示する。この場合、除外された有向線分に挟まれた図形も表示されない。なお、最初に除外された有向線分に対応する切換えパターンの切換え前の治療内容と、最後に除外された有向線分に対応する切換えパターンの切換え後の治療内容とが同一である場合、前者の治療内容に対応する図形を、前者の治療内容の治療継続期間と後者の治療内容の治療継続期間とを合算した期間の長さに応じた大きさとする。
図8(c)に示される画面例では、患者ID「00001」の切換えパターン「治療A→治療B」及び「治療B→治療A」に対応する有向線分が表示されず、その代わりに切換えパターンとしては抽出されていない「治療A→治療A」というパターンが表示されている。これによって、評価者は、患者の病態の変化を要因とする治療内容の切換えと患者の病態以外の要因による治療内容の切換えを除外して、治療内容の切換えの妥当性を適切に評価することが可能になる。
なお、情報処理装置2から、注目度が所定値以上となった切換えパターン及びその注目度のみが、算出結果として出力された場合、上述した除外処理は実行されない。また、注目度が所定値以上である切換えパターンが除外され、注目度が所定値未満である切換えパターンが表示されてもよい。また、上述した様々な表示態様を組み合わせて、切換えパターンが表示されてもよい。
次に、分析装置の分析結果が表示装置3に表示される場合における表示態様について説明する。
表示装置3の表示出力処理部32は、分析装置にて注目度に応じて分析された分析結果を取得して、当該分析結果を表示してもよい。図9(a)及び(b)は、分析装置の分析結果に基づいた表示装置3の表示態様を説明するための模式図である。図9(a)及び(b)は、分析装置が、切換えパターンの種類毎の件数を集計して、表示装置3が、その分析結果に基づいて切換えパターンの種類毎の件数を表示する例を示したものである。
図9(a)及び(b)では、切換えパターンの集計結果が有向グラフで示されている。すなわち、各「○」印の大きさが、各「○」印が配置された領域枠に対応する治療内容の実施数を示しており、2つの「○」印を接続する有向リンクの太さが、当該有向リンクに対応する種類の切換えパターンの件数を示している。例えば、注目度リスト219に含まれる切換えパターン「治療A→治療B」の切換え頻度(出現回数)が、治療内容「治療A」の領域枠内の「○」印から治療内容「治療B」の領域枠内の「○」印への有向リンクの太さに対応する。これにより、評価者は、分析対象疾患において、どの治療内容を実施した数が多かったのか、どの切換えパターンが多かったのかという情報を直感的に把握することが可能となる。
図9(a)は、分析装置にて注目度に応じた分析を行わずに、有向グラフを生成したものであり、図9(b)は、分析装置にて、注目度に応じた分析を行ってから、有向グラフとして生成したものである。すなわち、図9(a)で示される有向グラフは、注目度リスト219に含まれる全ての切換えパターンによって生成された有向グラフであり、図9(b)で示される有向グラフは、分析装置が、注目度が所定値未満である切換えパターンを除いて生成された有向グラフである。
図9(a)で表示されていた有向リンク901及び902は、図9(b)では表示されなくなり、また、図9(a)で表示されていた「○」印903及び904の大きさは、図9(b)では、「○」印903’及び904’のように、小さくなっている。このような表示態様で、有向グラフが表示されることにより、評価者は、注目度が所定値以上の切換えパターン、すなわち、患者の病態に応じて切換えられた治療内容に関する分析結果を直感的に把握することができる。なお、分析装置は、上述の分析以外の他の分析を実行してもよい。また、表示装置3は、上述の表示態様とは異なる他の表示態様で分析結果を表示してもよい。
図10は、注目度算出処理のフローチャートの一例を示す図である。
まず、分析対象抽出部221は、記憶部21に記憶された診療実績データ(患者疾患リスト211、患者医療行為履歴212及び疾患別医療行為リスト213)を参照し、情報処理部22において実行される各処理の対象となる分析対象の抽出処理を実行する(ステップS101)。分析対象抽出部221は、分析対象の抽出処理によって抽出された、所定の分析対象疾患における分析対象医療行為履歴を、切換えパターン抽出部222に渡す。
次に、切換えパターン抽出部222は、分析対象抽出部221から受け取った分析対象医療行為履歴を参照し、切換えパターンの抽出処理を実行する(ステップS102)。切換えパターン抽出部222は、切換えパターンの抽出処理によって生成された切換えパターンリスト215を、記憶部21に記憶する。
次に、治療継続期間算出部223は、記憶部21に記憶された切換えパターンリスト215を参照して、治療継続期間の算出処理を実行する(ステップS103)。治療継続期間算出部223は、治療継続期間の算出処理によって生成された治療継続期間リスト216を、記憶部21に記憶する。
次に、切換え頻度算出部224は、記憶部21に記憶された切換えパターンリスト215を参照して、切換え頻度の算出処理を実行する(ステップS104)。切換え頻度算出部224は、切換え頻度の算出処理によって生成された切換え頻度リスト217及び患者別切換え頻度リスト218を記憶部21に記憶する。
次に、注目度算出部225は、記憶部21に記憶された治療継続期間リスト216及び患者別切換え頻度リスト218に基づいて、注目度の算出処理を実行する(ステップS105)。注目度算出部225は、注目度の算出処理によって生成された注目度リスト219を記憶部21に記憶する。
次に、データ出力処理部226は、記憶部21に記憶された注目度リスト219に含まれる切換えパターンのうち、注目度が算出された切換えパターン及びその注目度を、算出結果として、記憶部21に記憶する(ステップS106)。
次に、データ出力処理部226は、記憶部21に記憶された診療実績データ(患者疾患リスト211、患者医療行為履歴212及び疾患別医療行為リスト213)を参照し、分析対象疾患として特定していない疾患が存在するか否かを判定する(ステップS107)。そして、データ出力処理部226は、分析対象疾患として特定していない疾患が存在すると判定した場合(ステップS107−Yes)、ステップS101に処理を戻し、分析対象疾患として特定していない疾患が存在しないと判定した場合(ステップS107−No)、注目度算出処理の一連のステップを終了する。
(データ出力処理部226による動作)
情報処理部22のデータ出力処理部226は、第1通信部23を介して、表示装置3又は分析装置から、算出結果の取得要求を受け取ると、記憶部21に記憶された算出結果を記憶部21から読み出して、取得要求を出力した装置に、読み出した算出結果を出力する。なお、取得要求に対象疾患情報が含まれている場合、データ出力処理部226は、当該対象疾患情報に係る算出結果のみを出力してもよい。また、データ出力処理部226は、記憶部21から算出結果を読み出したのち、注目度に応じて算出結果を取捨選択してから、表示装置3又は分析装置に算出結果を出力してもよい。また、データ出力処理部226が、表示装置3又は分析装置からの取得要求を受け取った後に、上述の分析対象の抽出処理、切換えパターンの抽出処理、治療継続期間の算出処理、切換え頻度の算出処理、注目度の算出処理が行われてもよい。
(表示装置3又は分析装置の動作)
評価者が、表示装置3又は分析装置を操作して情報処理装置2に算出結果の取得要求を出力すると、情報処理装置2から算出結果を取得する。このとき、評価者が、表示装置3又は分析装置を操作して、評価を行いたい対象(例えば、対象疾患情報)を選択すると、情報処理装置2に対して、対象疾患情報を含んだ取得要求を出力し、表示装置3又は分析装置は、情報処理装置2から送信された対象疾患情報に対応する算出結果を取得する。表示装置3又は分析装置は、算出結果を取得すると、注目度に応じた表示又は分析を行う。
表示装置3又は分析装置は、情報処理装置2から全ての疾患の算出結果を取得してから、表示又は分析する対象を選択し、選択された対象のみを表示又は分析してもよい。なお、分析装置は、さらに表示装置3へ分析結果を出力してもよく、この場合、表示装置3は分析装置から取得した分析結果を表示する。
なお、記憶部21に代えて、情報処理装置2とは異なる一又は複数の記憶装置を設けてもよい。この場合、表示装置3又は分析装置は、一又は複数の記憶憶装置から算出結果を取得する。
上述のとおり、診療情報処理システム1は、治療内容の履歴に含まれる切換えパターンの出現回数に基づく第1の注目度、又は、切換えパターンにおける後の治療内容の継続期間に基づいて当該切換えパターンの第2の注目度を算出し、切換えパターン毎に、第1又は第2の注目度に応じた形態で出力する。これにより、診療実績データに基づく治療内容の切換えの妥当性を評価する際に、患者の病態の変化を要因とする治療内容の切換えと患者の病態以外の要因による治療内容の切換えとを区別することが可能となる。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。