JP6730926B2 - 融合ポリペプチドおよび使用方法 - Google Patents

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Description

IL28Bは、IL28AおよびIL29と共に、インターフェロンファミリーのサブセット(III型)を表す。これらの発現は、種々のヒト細胞型におけるウイルス感染によって誘導することができ(Nat Immunol.2003年;4巻(1号):69〜77頁、Nat Immunol.2003年;4巻(1号):63〜68頁)、これらは続いて、IL28RおよびIL10R2で構成されるヘテロ二量体受容体複合体に結合しこれを介してシグナル伝達することができる。IL28B、IL28AおよびIL29によって誘導される遺伝子のレパートリーは、インターフェロンアルファによって誘導されるものと本質的に同じである。その中でもとりわけOAS1およびMX1が挙げられ、これらは、IFNAR1およびIFNAR2で構成されるヘテロ二量体受容体複合体に結合しこれを介してシグナル伝達する(Gastroenterology.2006年;131巻(6号):1887〜1898頁)。
IL28B、IL28AおよびIL29を含むIII型インターフェロンによって誘導される抗ウイルス活性は、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、インフルエンザ(Eur J Immunol.2004年;34巻(3号):796〜805頁、J Virol.2006年;80巻(9号):4501〜4509頁)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)(J Virol.2005年;79巻(6号):3851〜3854頁)に対して実証された。しかし、III型インターフェロンに対する抗ウイルス応答の規模は多くの場合、多くの細胞型においてインターフェロンアルファに対するものよりも小さい。III型インターフェロンおよびインターフェロンアルファ系の間の有意差は、受容体分布のパターンである。インターフェロンアルファの受容体は、遍在的に発現されているが、III型インターフェロン受容体のIL28R構成成分は、肝細胞を含む細胞の限定的なサブセットのみに存在する(Cytokine 2005年、31巻、109〜118頁)。機能的なIL28Rは、大部分の造血細胞において著しく不在である(Hepatology.2006年;44巻(4号):896〜906頁)。前臨床毒物学試験は、ペグ化IL29ペプチドが、ペグ化インターフェロンアルファとは異なり、骨髄幹細胞コロニー形成の阻害を誘導しない、または末梢血白血球において抗ウイルスおよび抗増殖活性を誘導することを示した(Ann NY Acad Sci.2009年;1182巻:80〜87頁)。
世界中で約1億5千万人が、硬変、肝細胞癌および肝臓移植の主因である、C型肝炎ウイルス(HCV)に慢性的に感染している(WHO. Hepatitis C fact sheet、164号)。HCVは、大部分の患者において治癒可能な疾患であると考えられる。現在第一選択の処置レジメンは、リバビリン(Health Technology Assessment 2004年;8巻:39号)、テラプレビルおよびボセプレビル(Ther Adv Gastroenterol 2012年;5巻(2号)139〜151頁)等の小分子抗ウイルス剤と組み合わせたペグ化インターフェロンアルファからなる。残念ながら、ペグ化インターフェロンアルファによる処置は、必ずしも耐容性が良いとは限らず、不十分な患者服薬遵守をもたらす。ペグ化インターフェロンアルファに関係する主な毒性として、頭痛、疲労および無力症等、インフルエンザ様症状;抑うつ、不安および易刺激性等、精神神経異常;ならびにより重要なことに、好中球減少症および貧血等、血液学的障害が挙げられるがこれらに限定されない。世界中で約3億5千万人が、B型肝炎ウイルス(HBV)に慢性的に感染している。現在の処置は、ペグ化インターフェロンアルファ、ならびにラミブジン、アデホビル、テノホビル、テルビブジンおよびエンテカビル等の小分子抗ウイルス剤を含む。ペグ化インターフェロンアルファによるHBVの処置は、HCVの場合と同様の毒性をもたらす。
Nat Immunol.2003年;4巻(1号):69〜77頁 Nat Immunol.2003年;4巻(1号):63〜68頁 Gastroenterology.2006年;131巻(6号):1887〜1898頁 Eur J Immunol.2004年;34巻(3号):796〜805頁 J Virol.2006年;80巻(9号):4501〜4509頁 J Virol.2005年;79巻(6号):3851〜3854頁 Cytokine 2005年、31巻、109〜118頁 Hepatology.2006年;44巻(4号):896〜906頁 Ann NY Acad Sci.2009年;1182巻:80〜87頁 WHO. Hepatitis C fact sheet、164号 Ther Adv Gastroenterol 2012年;5巻(2号)139〜151頁
そこで、現存する治療法よりも耐容性が良いおよび/または有効である、C型肝炎および他の疾患のための新たな抗ウイルス薬の必要が相当にある。本発明は、この必要に取り組み、関連する利点も同様に提供する。本発明は、修飾されたヒトインターロイキン28B(IL28B)およびヒトインターロイキン29(IL29)融合ポリペプチドを包含する。本発明は、E.coliのような原核生物系等における、融合ポリペプチドの産生のための方法も提供する。さらに、本発明は、ウイルス感染(C型肝炎、B型肝炎およびインフルエンザが挙げられるがこれらに限定されない);自己免疫性疾患(多発性硬化症が挙げられるがこれに限定されない);および様々な種類のがん(肝細胞癌が挙げられるがこれに限定されない)の処置における融合ポリペプチドの薬学的使用を開示する。
一態様において、本発明は、第1のインターフェロンラムダアイソフォーム由来の第1の断片と、第2のインターフェロンラムダアイソフォーム由来の第2の断片とを含む融合ポリペプチドであって、第1および第2の断片が、融合部位において一緒に融合して、近接ポリペプチドを形成し、融合部位が、第1および第2のインターフェロンラムダアイソフォームにおける対応する配列と同一である少なくとも約6アミノ酸の配列を含む融合ポリペプチドを提供する。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、第1または第2のアイソフォームの二次構造を保持することができる。一部の事例において、融合ポリペプチドは、第1または第2のアイソフォームの場合と比較していかなる追加的なT−エピトープも欠き得る。さらなる事例において、融合ポリペプチドは、第1または第2のアイソフォームの場合と比較していかなる追加的なB−エピトープも欠き得る。
一部の例において、第1のインターフェロンラムダアイソフォームは、IL29アイソフォームであり得る。一部の例において、第2のインターフェロンラムダアイソフォームは、IL28Bアイソフォームであり得る。さらなる例において、第1のインターフェロンラムダアイソフォームは、IL29アイソフォームであり得、第2のインターフェロンラムダアイソフォームは、IL28Bアイソフォームであり得る。
一部の例において、融合部位は、第1および第2のインターフェロンラムダアイソフォームにおける対応する配列と同一である少なくとも約8アミノ酸の配列を含むことができる。
別の態様において、本発明は、式I:
(S1)−(ヘリックスA)−(S2)−(ヘリックスC)−(S3)−(ヘリックスD)−(S4)−(ヘリックスE)−(S5)−(ヘリックスF)−(S6)
の構造を有し
a.ヘリックスDは、IL28B(配列番号2)の約V98〜Q112またはIL29(配列番号1)の約V89〜Q103の残基を有する断片に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、
b.ヘリックスEは、IL28B(配列番号2)の約R130〜E145またはIL29(配列番号1)の約R121〜E136の残基を有する断片に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、
c.S1、S2、S3、S4、S5およびS6のそれぞれは独立に、1〜約50個の間のアミノ酸残基を有するスペーサー配列である
融合ポリペプチドであって、
i.ヘリックスAが、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
ii.ヘリックスAが、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
iii.ヘリックスAが、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
iv.ヘリックスAが、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
v.ヘリックスAが、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
vi.ヘリックスAが、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む
ことを特徴とする融合ポリペプチドを提供する。
一部の事例において、ヘリックスAは、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片と同一であり得る。他の事例において、ヘリックスAは、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、ヘリックスCは、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片と同一であり得る。他の事例において、ヘリックスCは、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片と同一であり得る。他の事例において、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、S2は、ヘリックスBをさらに含むことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)に対応するアミノ酸残基に少なくとも1個の修飾をさらに含むことができ、少なくとも1個の修飾は、dV2、dP3、dV4、dA5、dR6、dL7、dR8、G9K、A10P、L11T、P12T、D13T、A14G、R15K、A20G、Q21R、Q31A、A32S、R35K、K37R、L45K、D48N、C49W、K50S、R52S、R54P、L55V、R58G、T59N、Q64L、T88A、dD90、dT91、D92P、G96E、R114Q、T127P、C168S、C175S、P3G、V4P、A5V、R6P、L7TおよびR8Sからなる群から選択される。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL29(配列番号1)に対応するアミノ酸残基に少なくとも1個の修飾を含むこともでき、少なくとも1個の修飾は、R14Q、L57Q、A81T、82aD、82bT、G83D、E87G、Q105R、P118TおよびD162Eからなる群から選択される。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)およびIL29(配列番号1)における対応する配列と同一である少なくとも約6アミノ酸の配列を含む融合部位を含むことができる。さらなる事例において、融合部位は、IL28B(配列番号2)およびIL29(配列番号1)における対応する配列と同一である少なくとも約8アミノ酸の配列を含むことができる。一部の例において、融合部位は、少なくとも2種のインターフェロンラムダアイソフォームの対応する配列と同一である少なくとも約6〜25アミノ酸の配列を含むことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)の二次構造を保持することができる。一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)の場合と比較して、いかなる追加的なT−エピトープも欠き得る。一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)の場合と比較して、いかなる追加的なB−エピトープも欠き得る。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)に対し少なくとも90%の配列相同性を示すことができる。さらなる事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)に対し少なくとも95%の配列相同性を示すことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドのN末端は、ポリエチレングリコール(PEG)によってさらに修飾することができる。一部の例において、ポリエチレングリコールは、モノメトキシPEGプロピオンアルデヒドであり得る。一部の例において、ポリエチレングリコールは、約12Kd〜40Kdの分子量を有することができる。さらなる事例において、ペグ化融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)と比較して延長したin vivo半減期を示すことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)と比較して増強した化学安定性を示すことができる。
一部の例において、融合ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18および配列番号19からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
さらに別の態様において、本発明は、融合ポリペプチドを発現する宿主細胞を提供する。一部の事例において、宿主細胞は、原核細胞であり得る。一部の例において、原核細胞は、E.coliであり得る。他の事例において、宿主細胞は、真核細胞であり得る。
一態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるウイルス感染を処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法を提供する。一部の事例において、ウイルス感染は、B型肝炎、C型肝炎およびインフルエンザからなる群から選択されるウイルスによって与えられ得る。
別の態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物における炎症を処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法を提供する。一部の事例において、炎症は、多発性硬化症であり得る。
さらに別の態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるがんを処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法を提供する。一部の事例において、がんは、結腸がん、メラノーマおよび肝細胞癌から選択することができる。
一態様において、本発明は、融合ポリペプチドのうち少なくとも1種と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、融合ポリペプチドのうち少なくとも1種と、第2の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
さらなる態様において、本発明は、融合ポリペプチドを産生する方法であって、タンパク質発現に適した条件下で、細胞においてベクターを発現させて、これにより、融合ポリペプチドを産生するステップを含む方法を提供する。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
第1のインターフェロンラムダアイソフォーム由来の第1の断片と、第2のインターフェロンラムダアイソフォーム由来の第2の断片とを含む融合ポリペプチドであって、該第1の断片および該第2の断片が、融合部位において一緒に融合して、近接ポリペプチドを形成し、該融合部位が、該第1のインターフェロンラムダアイソフォームおよび該第2のインターフェロンラムダアイソフォームにおける対応する配列と同一である少なくとも約6アミノ酸の配列を含む融合ポリペプチド。
(項目2)
前記第1のアイソフォームまたは前記第2のアイソフォームの二次構造を保持する、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目3)
前記第1のアイソフォームまたは前記第2のアイソフォームの場合と比較して、いかなる追加的なT−エピトープも欠く、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目4)
前記第1のアイソフォームまたは前記第2のアイソフォームの場合と比較して、いかなる追加的なB−エピトープも欠く、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目5)
前記第1のインターフェロンラムダアイソフォームが、IL29アイソフォームである、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目6)
前記第2のインターフェロンラムダアイソフォームが、IL28Bアイソフォームである、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目7)
前記第1のインターフェロンラムダアイソフォームが、IL29アイソフォームであり、前記第2のインターフェロンラムダアイソフォームが、IL28Bアイソフォームである、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目8)
前記融合部位が、前記第1のインターフェロンラムダアイソフォームおよび前記第2のインターフェロンラムダアイソフォームにおける対応する配列と同一である少なくとも約8アミノ酸の配列を含む、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目9)
式I:
(S1)−(ヘリックスA)−(S2)−(ヘリックスC)−(S3)−(ヘリックスD)−(S4)−(ヘリックスE)−(S5)−(ヘリックスF)−(S6)
の構造を有し、
a.ヘリックスDは、IL28B(配列番号2)の約V98〜Q112またはIL29(配列番号1)の約V89〜Q103の残基を有する断片に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、
b.ヘリックスEは、IL28B(配列番号2)の約R130〜E145またはIL29(配列番号1)の約R121〜E136の残基を有する断片に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、
c.S1、S2、S3、S4、S5およびS6のそれぞれは独立に、1〜約50個の間のアミノ酸残基を有するスペーサー配列である
融合ポリペプチドであって、
i.ヘリックスAが、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
ii.ヘリックスAが、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
iii.ヘリックスAが、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
iv.ヘリックスAが、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
v.ヘリックスAが、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含む、または
vi.ヘリックスAが、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスCが、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含み、ヘリックスFが、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことを特徴とする融合ポリペプチド。
(項目10)
ヘリックスAが、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片と同一である、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目11)
ヘリックスAが、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片と同一である、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目12)
ヘリックスCが、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片と同一である、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目13)
ヘリックスCが、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片と同一である、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目14)
ヘリックスFが、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片と同一である、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目15)
ヘリックスFが、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片と同一である、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目16)
S2が、ヘリックスBをさらに含む、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目17)
IL28B(配列番号2)に対応するアミノ酸残基に少なくとも1個の修飾をさらに含み、該少なくとも1個の修飾が、dV2、dP3、dV4、dA5、dR6、dL7、dR8、G9K、A10P、L11T、P12T、D13T、A14G、R15K、A20G、Q21R、Q31A、A32S、R35K、K37R、L45K、D48N、C49W、K50S、R52S、R54P、L55V、R58G、T59N、Q64L、T88A、dD90、dT91、D92P、G96E、R114Q、T127P、C168S、C175S、P3G、V4P、A5V、R6P、L7TおよびR8Sからなる群から選択される、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目18)
IL29(配列番号1)に対応するアミノ酸残基に少なくとも1個の修飾をさらに含み、該少なくとも1個の修飾が、R14Q、L57Q、A81T、82aD、82bT、G83D、E87G、Q105R、P118TおよびD162Eからなる群から選択される、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目19)
IL28B(配列番号2)およびIL29(配列番号1)における対応する配列と同一である少なくとも約6アミノ酸の配列を含む融合部位をさらに含む、項目9に記載の融合ポリペプチド。
(項目20)
前記融合部位が、IL28B(配列番号2)およびIL29(配列番号1)における対応する配列と同一である少なくとも約8アミノ酸の配列を含む、項目19に記載の融合ポリペプチド。
(項目21)
前記融合部位が、前記少なくとも2種のインターフェロンラムダアイソフォームの対応する配列と同一である少なくとも約6〜25アミノ酸の配列を含む、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目22)
IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)の二次構造を保持する、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目23)
IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)の場合と比較して、いかなる追加的なT−エピトープも欠く、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目24)
IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)の場合と比較して、いかなる追加的なB−エピトープも欠く、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目25)
IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)に対し少なくとも90%の配列相同性を示す、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目26)
IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)に対し少なくとも95%の配列相同性を示す、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目27)
前記融合ポリペプチドのN末端が、ポリエチレングリコール(PEG)によってさらに修飾される、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目28)
前記ポリエチレングリコールが、モノメトキシPEGプロピオンアルデヒドである、項目27に記載の融合ポリペプチド。
(項目29)
前記ポリエチレングリコールが、約12Kd〜40Kdの分子量を有する、項目27に記載の融合ポリペプチド。
(項目30)
前記ペグ化融合ポリペプチドが、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)と比較して延長したin vivo半減期を示す、項目27に記載の融合ポリペプチド。
(項目31)
IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号1)と比較して増強した化学安定性を示す、項目1または9に記載の融合ポリペプチド。
(項目32)
配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18および配列番号19からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、項目1に記載の融合ポリペプチド。
(項目33)
項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを発現する宿主細胞。
(項目34)
原核細胞または真核細胞である、項目33に記載の宿主細胞。
(項目35)
ウイルス感染の処置を必要とする哺乳動物におけるウイルス感染を処置する方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法。
(項目36)
前記ウイルス感染が、B型肝炎、C型肝炎およびインフルエンザからなる群から選択されるウイルスによって与えられる、項目35に記載の方法。
(項目37)
炎症の処置を必要とする哺乳動物における炎症を処置する方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法。
(項目38)
前記炎症が、多発性硬化症である、項目37に記載の方法。
(項目39)
がんの処置を必要とする哺乳動物におけるがんを処置する方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法。
(項目40)
前記がんが、結腸がん、メラノーマおよび肝細胞癌から選択される、項目39に記載の方法。
(項目41)
項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドのうち少なくとも1種と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
(項目42)
項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドのうち少なくとも1種と、第2の治療剤とを含む医薬組成物。
(項目43)
項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクター。
(項目44)
項目1〜32のいずれか一項に記載の融合ポリペプチドを産生する方法であって、タンパク質発現に適した条件下で、細胞において項目43に記載のベクターを発現させ、これにより、前記融合ポリペプチドを産生するステップを含む方法。
本開示の単なる説明的な実施形態が示され記載されている次の詳細な説明から、本開示の追加的な態様および利点が、当業者に容易に明らかとなるであろう。了解される通り、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することのない、様々な明らかな観点における修正が可能である。したがって、図面および記載は、制限的ではなく説明的な性質のものとみなされたい。
参照による援用
本明細書において言及されているあらゆる刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願のそれぞれが、参照により援用されることが特にかつ個々に示されているのと同じ程度まで、参照により本明細書に援用される。
本発明の新規特色は、添付の特許請求の範囲において詳細に記載されている。本発明の特色および利点のより十分な理解は、本発明の原理が利用されている説明的な実施形態を記載する次の詳細な説明と、次の添付の図面を参照することにより得られるであろう。
図1は、本発明の方法を使用した融合ポリペプチド(配列番号8)のタンパク質発現後のSDS−PAGE解析を図解する。
図2は、本発明の方法を使用した融合ポリペプチド(配列番号12)のタンパク質発現後のSDS−PAGE解析を図解する。
図3は、本発明の方法を使用した融合ポリペプチド(配列番号8)のリフォールディングおよび精製後のSDS−PAGE解析を図解する。
図4は、本発明の方法を使用した融合ポリペプチド(配列番号12)のリフォールディングおよび精製後のSDS−PAGE解析を図解する。
図5は、本発明の方法を使用した融合ポリペプチド(配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号11、配列番号12および配列番号13)のN末端ペグ化およびSP−HP精製後のSDS−PAGE解析を図解する。
図6は、C168チオール部分における融合ポリペプチド(配列番号14および配列番号15)のペグ化後のSDS−PAGE解析を図解する。
図7は、参照IL29タンパク質(配列番号1)および4種のIL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号3、配列番号5、配列番号7および配列番号12)による処理の12時間後のHep G2細胞におけるMxの用量依存的誘導を図解する。
図8は、参照IL29タンパク質(配列番号1)および4種のIL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号3、配列番号5、配列番号7および配列番号12)による処理の12時間後のHep G2細胞におけるOASの用量依存的誘導を図解する。
図9は、10ng/mLの参照IL29タンパク質(配列番号1)および4種のIL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号3、配列番号5、配列番号7および配列番号12)による処理後のHep G2細胞におけるMxの時間依存的誘導を図解する。
図10は、10ng/mLの参照IL29タンパク質(配列番号1)および4種のIL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号3、配列番号5、配列番号7および配列番号12)による処理後のHep G2細胞におけるOASの時間依存的誘導を図解する。
図11は、参照IL29(配列番号1)およびIL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号12)の変性後のMx誘導における喪失を図解する。
図12は、参照IL29(配列番号1)およびIL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号12)の変性後のOAS誘導における喪失を図解する。
図13は、参照IL29ペプチド(配列番号1)、IL28B/IL29の融合ポリペプチド(配列番号12および配列番号3)、IL28B/IL29の修飾融合ポリペプチド(配列番号16および配列番号17)およびIL28B/IL29のN末端ペグ化修飾融合ポリペプチド(配列番号16および配列番号17)のMx誘導特性を図解する。
図14は、参照IL29ペプチド(配列番号1)、IL28B/IL29の融合ポリペプチド(配列番号12および配列番号3)、IL28B/IL29の修飾融合ポリペプチド(配列番号16および配列番号17)およびIL28B/IL29のN末端ペグ化修飾融合ポリペプチド(配列番号16および配列番号17)のMx誘導特性を図解する。
図15は、ペグ化インターフェロンa2b(ペガシス(Pegasys))、参照N末端ペグ化IL29ペプチド(配列番号1)、N末端ペグ化修飾IL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号16)およびN末端ペグ化修飾IL28B/IL29融合ポリペプチド(配列番号17)のHCV複製阻害特性を図解する。
図16は、96ウェルプレートにおけるH3N2感染A549細胞の様々な処理条件を図解する。
図17は、様々な処理条件後のA549細胞のH3N2感染の阻害を図解する。
本発明の実施形態について記載する前に、かかる実施形態が、単なる一例として提示されており、本明細書に記載されている本発明の実施形態の様々な代替を本発明の実施において用いてよいことを理解されたい。そこで、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変種、変化および置換を思い付くであろう。
他に規定がなければ、本明細書に使用されているあらゆる技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本発明の実施または検査において、本明細書に記載されているものと同様のまたは均等の方法および材料を使用することができるが、適した方法および材料について後述する。矛盾が生じる場合、定義を含む本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は、単なる説明であり、限定することを目的としない。そこで、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変種、変化および置換を思い付くであろう。
本明細書および特許請求の範囲において使用されている通り、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそれ以外を明らかに指示しない限り、複数の参照を含む。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、いずれかの長さのアミノ酸のポリマーを指すように、本明細書において互換的に使用される。ポリマーは、直鎖状または分枝状であり得、修飾アミノ酸を含むことができ、非アミノ酸によって中断されていてよい。これらの用語は、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または標識構成成分とのコンジュゲーション等の他のいずれかの操作によって修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。
用語「アミノ酸」は、DまたはL光学異性体およびアミノ酸アナログおよびペプチド模倣の両方が挙げられるがこれらに限定されない、天然および/または非天然または合成アミノ酸のいずれかを指す。標準1文字または3文字コードを使用して、アミノ酸を命名する。
用語「天然L−アミノ酸」は、グリシン(G)、プロリン(P)、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、ヒスチジン(H)、リシン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)およびスレオニン(T)のL光学異性体型を意味する。
用語「非天然起源」は、配列に適用され、本明細書において使用される場合、哺乳動物に存在する野生型または天然起源配列の対応物を持たない、それに相補的でない、またはそれと高度な相同性を持たないポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列を意味する。例えば、非天然起源のポリペプチドまたは断片は、適切に整列された場合に天然配列と比較して、99%、98%、95%、90%、80%、70%、60%、50%以下またはさらに低いアミノ酸配列同一性を共有することができる。
用語「親水性」および「疎水性」は、水に対しある物質が有する親和性の程度を指す。親水性物質は、水に対し強い親和性を有し、水に溶解する、これと混合するまたはこれに湿らされる傾向があるが、疎水性物質は、水に対する親和性を実質的に欠如し、水を忌避し吸収しない傾向があり、水に溶解せず、これと混合せず、これに湿らされない傾向がある。アミノ酸は、その疎水性に基づき特徴付けることができる。いくつかの尺度が開発されてきた。その一例は、Hopp, TPら、Proc Natl Acad Sci U S A(1981年)78巻:3824頁に収載されているLevitt, Mら、J Mol Biol(1976年)104巻:59頁によって開発された尺度である。「親水性アミノ酸」の例は、アルギニン、リシン、スレオニン、アラニン、アスパラギンおよびグルタミンである。親水性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびセリンおよびグリシンが特に興味深い。「疎水性アミノ酸」の例は、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、イソロイシンおよびバリンである。
「断片」は、タンパク質に適用される場合、治療的および/または生物学的活性の少なくとも部分を保持していてもしていなくてもよい、ネイティブの生物学的に活性なタンパク質のトランケート型である。「バリアント」は、タンパク質に適用される場合、生物学的に活性なタンパク質の治療的および/または生物学的活性の少なくとも部分を保持する、ネイティブの生物学的に活性なタンパク質に対し配列相同性を有するタンパク質である。例えば、バリアントタンパク質は、参照の生物学的に活性なタンパク質と比較して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%アミノ酸配列同一性を共有することができる。本明細書において、用語「生物学的に活性なタンパク質部分」は、例えば、部位特異的突然変異誘発、コード遺伝子の合成、挿入による等、計画的に、または突然変異により偶発的に修飾されたタンパク質を含む。
「コンジュゲートされる」、「連結される」、「融合される」および「融合」は、本明細書において互換的に使用される。これらの用語は、化学的コンジュゲーションまたは組換え手段を含むいずれかの手段により、2個またはそれを超える化学元素、配列または構成成分を一緒に接続することを指す。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を与える場合、コード配列に作動可能に連結される。一般に、「作動可能に連結される」は、連結されているDNA配列同士が、近接しており、リーディングフェーズ(reading phase)またはインフレームにあることを意味する。「インフレーム融合」は、2個またはそれを超えるオープンリーディングフレーム(ORF)を接続して、本来のORFの正確な読み枠を維持する様式で、連続的なより長いORFを形成することを指す。よって、その結果得られる「融合ポリペプチド」は、本来のORF(そのセグメントが元来、正常であればこのように接続されていない)にコードされるポリペプチドに対応する2個またはそれを超える断片を含有する単一のタンパク質である。「融合部位」は、2個またはそれを超える断片が一緒に接続された配列を指す。一部の事例において、融合部位は、2個またはそれを超える断片において同一である配列であり得る。例えば、融合部位は、接続された断片において同一である約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の配列であり得る。具体例において、融合部位は、接続された断片において同一である約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24アミノ酸の配列であり得る。
ポリペプチドの文脈において、「直鎖状配列」または「配列」は、配列において互いに隣接する残基が、ポリペプチドの一次構造において近接する、アミノからカルボキシル末端方向でのポリペプチドにおけるアミノ酸の順序である。「部分的配列」は、一方向または両方向に追加的な残基を含むことが公知である、ポリペプチドの一部の直鎖状配列である。
用語「ポリヌクレオチド」、「核酸」、「ヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、互換的に使用される。これらは、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドまたはこれらのアナログのいずれかである、いずれかの長さのヌクレオチドのポリマー型を指す。ポリヌクレオチドは、いかなる三次元構造を有することもでき、既知または未知のいかなる機能を行うこともできる。以下は、ポリヌクレオチドの非限定例である:遺伝子または遺伝子断片のコードまたは非コード領域、連鎖解析から定義される遺伝子座(単数または複数)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝状ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、いずれかの配列の単離されたDNA、いずれかの配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログ等、修飾ヌクレオチドを含むことができる。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーのアセンブリの前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成成分によって中断されていてよい。ポリヌクレオチドは、標識構成成分とのコンジュゲーションによる等、重合後にさらに修飾することができる。
用語「遺伝子」および「遺伝子断片」は、本明細書において互換的に使用される。これらは、転写および翻訳された後に特定のタンパク質をコードすることができる、少なくとも1個のオープンリーディングフレームを含有するポリヌクレオチドを指す。遺伝子または遺伝子断片は、ポリヌクレオチドが、少なくとも1個のオープンリーディングフレームを含有する限りにおいて、ゲノムまたはcDNAであり得、これは、コード領域全体またはそのセグメントを網羅することができる。「融合遺伝子」は、一緒に連結された少なくとも2個の異種ポリヌクレオチドで構成された遺伝子である。
「相同性」または「相同」または「配列同一性」は、2種もしくはそれを超えるポリヌクレオチド配列の間または2種もしくはそれを超えるポリペプチド配列の間の配列類似性または互換性を指す。Emboss NeedleまたはBestFit等、プログラムを使用して、2種の異なるアミノ酸配列の間の配列同一性、類似性または相同性を決定する場合、デフォルト設定を使用することができる、あるいはblosum45またはblosum80等、適切なスコアリングマトリックスを選択して、同一性、類似性または相同性スコアを最適化することができる。好ましくは、相同なポリヌクレオチドとは、本明細書に定義されるストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであり、これらの配列と比較して少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、より好ましくは97%、より好ましくは98%、さらにより好ましくは99%の配列同一性を有する。同等の長さの配列が最適に整列された場合、相同であるポリペプチドは、好ましくは、少なくとも80%または少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも97%または少なくとも98%の配列同一性を有する、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
用語「パーセント同一性」および「%同一性」は、ポリヌクレオチド配列に適用される場合、標準化アルゴリズムを使用して整列された少なくとも2種のポリヌクレオチド配列の間でマッチする残基のパーセンテージを指す。かかるアルゴリズムは、2配列間の整列を最適化し、したがって、2配列のより有意義な比較を達成するために、標準化された再現性のある仕方で、比較されている配列にギャップを挿入することができる。パーセント同一性は、定義されたポリヌクレオチド配列全体の長さにわたって測定することができる、またはより短い長さ、例えば、より大型の定義されたポリヌクレオチド配列から得られる断片、例えば、少なくとも45、少なくとも60、少なくとも90、少なくとも120、少なくとも150、少なくとも210もしくは少なくとも450の近接残基の断片の長さにわたって測定することができる。かかる長さは、単なる例示であり、本明細書、表、図または配列表に示す配列によって支持されるいずれかの断片の長さを使用して、パーセンテージ同一性を測定することができる長さを記載してもよいことが理解される。
本明細書に同定されているポリペプチド配列に関する「パーセント(%)配列同一性」は、配列同一性の一部としていかなる保存的置換を考慮することもなく、配列を整列し、必要に応じてギャップを導入して、最大パーセント配列同一性を達成した後に、第2の参照ポリペプチド配列またはその部分のアミノ酸残基と同一である、問い合わせ配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定することを目的とする整列は、本技術分野の技能範囲内の様々な仕方で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、NEEDLEまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等、公開されているコンピュータソフトウェアを使用して達成することができる。当業者であれば、比較されている配列の全長にわたる最大整列の達成に必要とされるいずれかのアルゴリズムを含む、整列を測定するための適切なパラメータを決定することができる。パーセント同一性は、定義されたポリペプチド配列全体の長さにわたって測定することができる、またはより短い長さ、例えば、より大型の定義されたポリペプチド配列から得られる断片、例えば、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも70もしくは少なくとも150の近接残基の断片の長さにわたって測定することができる。かかる長さは、単なる例示であり、本明細書、表、図または配列表に示す配列によって支持されるいずれかの断片の長さを使用して、パーセンテージ同一性を測定することができる長さを記載してもよいことが理解される。
「宿主細胞」は、本ベクターのレシピエントであり得るまたはそうであった個々の細胞または細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の宿主細胞の後代を含む。後代は、天然、偶発的または計画的突然変異により、本来の親細胞と必ずしも完全に同一(形態または総DNA相補体のゲノムが)でなくてよい。宿主細胞は、本発明のベクターをin vitroでトランスフェクトされた細胞を含む。一部の事例において、宿主細胞は、原核細胞である。一部の例において、原核細胞は、E.coliである。他の事例において、宿主細胞は、真核細胞である。
「ベクター」は、好ましくは適切な宿主において自己複製する核酸分子であり、これは挿入された核酸分子を宿主細胞の中におよび/またはその間に移入する。この用語は、細胞へのDNAまたはRNAの挿入のために主に機能するベクター、DNAまたはRNAの複製のために主に機能するベクターの複製、ならびにDNAまたはRNAの転写および/または翻訳のために機能する発現ベクターを含む。上述の機能のうち2種以上を提供するベクターも含まれる。「発現ベクター」は、適切な宿主細胞へと導入されると、ポリペプチド(複数可)へと転写および翻訳され得るポリヌクレオチドである。「発現系」は通常、所望の発現産物を生じるように機能することができる発現ベクターで構成された適した宿主細胞を暗示する。
用語「有効量」または「治療有効量」は、下に定義する疾患処置が挙げられるがこれらに限定されない、意図される用途を達成するのに十分である、本明細書に記載されている化合物の量を指す。治療有効量は、意図される用途(in vitroまたはin vivo)、または処置されている対象および疾患状態、例えば、当業者であれば容易に決定することができる、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与様式その他に応じて変動し得る。この用語は、標的細胞において特定の応答、例えば、標的遺伝子誘導および/またはアポトーシスを誘導するであろう用量にも適用される。特異的な用量は、選ばれた特定の化合物、従うべき投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるか否か、投与のタイミング、これが投与される組織およびこれが運搬される物理的送達系に応じて変動するであろう。
本明細書において、「処置」または「処置する」または「緩和する」または「寛解する」は、本明細書において互換的に使用される。これらの用語は、治療上の利益および/または予防上の利益が挙げられるがこれらに限定されない、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチを指す。治療上の利益とは、処置されている根底にある障害の根絶または寛解を意味する。また、治療上の利益は、対象が依然として根底にある障害を患っている可能性があるにもかかわらず、対象において改善が観察されるような、根底にある障害に関連する生理学的症状のうち1種または複数の根絶または寛解により達成される。予防上の利益のために、組成物は、特定の疾患の発症リスクがある対象に、または疾患の生理学的症状のうち1種もしくは複数を報告する対象に、この疾患の診断が未だ為されていない場合であっても投与することができる。
「治療上の効果」は、この用語が本明細書において使用される場合、上述の治療上の利益および/または予防上の利益を包含する。予防上の効果は、疾患もしくは状態の出現の遅延もしくは排除、疾患もしくは状態の症状の発病の遅延もしくは排除、疾患もしくは状態の進行の緩徐化、停止もしくは逆転、またはこれらのいずれかの組合せを含む。
用語「同時投与」、「と組み合わせた投与」およびこれらの文法的均等物は、本明細書において、両方の薬剤および/またはこれらの代謝物が、同時に対象に存在するような、動物への2種またはそれを超える薬剤の投与を包含する。同時投与は、別々の組成物における同時的な投与、別々の組成物における異なる時点の投与、または両方の薬剤が存在する組成物における投与を含む。
用語「薬学的に許容される塩」は、本技術分野において周知の種々の有機および無機対イオンに由来する塩を指し、単なる一例として、分子が酸性官能性を含有する場合は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムその他を;分子が塩基性官能性を含有する場合は、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩(メタンスルホン酸塩)、エタンスルホン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩その他等の有機または無機酸の塩を含む。2個以上の塩基性部分を有する化合物において、塩基性部分のうち2個以上は、bisまたはtris塩が挙げられるがこれらに限定されない、塩形態へと変換させることができる。あるいは、2個以上の塩基性部分を有する化合物は、塩基性部分の1個のみに塩を形成することができる。
用語「アンタゴニスト」および「阻害剤」は、互換的に使用され、標的タンパク質の活性または発現のいずれかを阻害することにより、標的タンパク質の生物学的機能を阻害する能力を有する化合物を指す。したがって、用語「アンタゴニスト」および「阻害剤」は、標的タンパク質の生物学的役割の文脈において定義される。本明細書において好ましいアンタゴニストは、標的と特異的に相互作用(例えば、これに結合)するが、標的タンパク質がそのメンバーであるシグナル伝達経路の他のメンバーと相互作用することにより、標的タンパク質の生物学的活性を阻害する化合物も、この定義内に特に含まれる。アンタゴニストによって阻害される好ましい生物学的活性は、腫瘍の発達、成長または伝播に関連する。
用語「アゴニスト」は、本明細書において、標的タンパク質の活性または発現を阻害または増強することのいずれかにより、標的タンパク質の生物学的機能を惹起または増強する能力を有する化合物を指す。したがって、用語「アゴニスト」は、標的ポリペプチドの生物学的役割の文脈において定義される。本明細書において好ましいアゴニストは、標的と特異的に相互作用(例えば、これに結合)するが、標的ポリペプチドがそのメンバーであるシグナル伝達経路の他のメンバーと相互作用することにより、標的ポリペプチドの生物学的活性を惹起または増強する化合物も、この定義内に特に含まれる。
本明細書において、「薬剤」または「生物学的活性薬剤」は、生物学的、薬学的または化学的な化合物または他の部分を指す。非限定例として、単純なもしくは複雑な有機もしくは無機分子、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体誘導体、抗体断片、ビタミン誘導体、炭水化物、毒素または化学療法化合物が挙げられる。様々な化合物を合成することができ、例えば、小分子およびオリゴマー(例えば、オリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチド)、ならびに様々なコア構造に基づく合成有機化合物が挙げられる。加えて、植物または動物抽出物その他等、様々な天然供給源が、スクリーニングのための化合物を提供することができる。
「抗がん剤」、「抗腫瘍剤」または「化学療法剤」は、新生物状態の処置において有用ないずれかの薬剤を指す。抗がん剤の1クラスは、化学療法剤を含む。「化学療法」は、静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、膀胱内、皮下、経皮、頬側もしくは吸入または坐薬の形態を含む様々な方法による、がん患者への1種または複数の化学療法薬および/または他の薬剤の投与を意味する。
用語「細胞増殖」は、分裂の結果、細胞数が変化する現象を指す。この用語は、増殖シグナルと一貫した、細胞形態が変化(例えば、サイズが増加)する細胞成長も包含する。
用語「選択的阻害」または「選択的に阻害する」は、生物学的活性薬剤を指し、標的との直接的または間接的相互作用により、オフターゲットシグナリング活性と比較して標的シグナリング活性を優先的に低下させる薬剤の能力を指す。
用語「in vivo」は、対象の身体内で行われる事象を指す。
用語「in vitro」は、対象の身体の外側で行われる事象を指す。例えば、in vitroアッセイは、対象アッセイの外側で行われるいずれかのアッセイを包含する。in vitroアッセイは、生きているまたは死んでいる細胞が用いられる、細胞に基づくアッセイを包含する。in vitroアッセイは、インタクトな細胞が用いられない無細胞アッセイも包含する。
ポリペプチドの命名法
ポリペプチドは、本明細書において、互換的に、ポリペプチド命名法、有機化学的命名法、化学式、アミノ酸配列またはこれらの混合を使用して命名される。例えば、IL28Bのアナログにおける置換は、「本来のアミノ酸−位置−置換されたアミノ酸」として示すことができる。
したがって、表示法「C175S IL28B」または「Cys175Ser IL28B」は、IL28Bアナログが、アナログおよびIL28Bが後述の通りに整列された場合(「整列」)、IL28B(配列番号2)における位置175のアミノ酸に対応するアナログアミノ酸位置に、セリンによるシステインの置換を含むことを意味する。複数の置換は、コンマ(コンマの後にスペースを入れる)によって分離し、これらが同じアナログに属することを明確にするために括弧で囲むことができる。したがって、「(C168S, C175S) IL28B」は、IL28Bアナログが、IL28B(配列番号2)における位置168および175のアミノ酸に対応するアナログアミノ酸位置におけるセリンによるシステインの置換を2個含むことを意味する。
IL28Bのアナログにおける伸長は、その正確な配列を使用して問題になっている化合物へと、位置番号の付加により(C末端には正数を続け、N末端には負数を続ける)、またはより単純に、問題になっている伸長のアミノ酸を付加することにより、配列番号2を参照しつつ記載することができる。したがって、M−IL28Bは、配列番号2を参照した位置−1にMを有する配列番号2のポリペプチドを命名する。
IL29のアナログにおける挿入は、「挿入前のアミノ酸位置番号−インデックス−挿入されたアミノ酸」として記載することができる。挿入前のアミノ酸位置番号は、挿入アナログおよびIL29が後述通りに整列される際に生じる(「整列」)ギャップの直前のIL29(配列番号1)におけるアミノ酸位置を指す。インデックスは、アルファベット順の小文字であり、例えば、第1の挿入されたアミノ酸は「a」、第2の挿入されたアミノ酸は「b」等である。したがって、「82aD IL29」は、IL29(配列番号1)におけるアミノ酸位置82の後にグリシンの挿入を有するIL29のアナログを命名する。
IL28Bのアナログにおける欠失は、「des 欠失されたアミノ酸−欠失されたアミノ酸位置」または「d 欠失されたアミノ酸−欠失されたアミノ酸位置」として記載することができる。欠失されたアミノ酸位置は、アナログおよびIL28Bが後述通りに整列された際に生じる(「整列」)ギャップにおける、IL28B(配列番号2)におけるアミノ酸位置を指す。したがって、「des V2 IL28B」は、IL28B(配列番号2)における位置2のバリン残基の欠失を有するIL28Bのアナログを命名する。
必要に応じて、2種のアミノ酸配列の整列は、EMBOSSパッケージのNeedleプログラムを使用することにより為すことができる(http://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/)。Needleプログラムは、グローバル整列アルゴリズムを実行する(J. Mol. Biol.1970年、48巻:443〜453頁)。使用される置換マトリックスはBLOSUM62であり、ギャップオープニングペナルティは50であり、ギャップ伸長ペナルティは0.5である。
融合ポリペプチド、宿主細胞およびベクター
本発明は、哺乳動物における疾患状態の処置に有用である融合ポリペプチドに関する。融合ポリペプチドは、タンパク質ファミリーの第1のアイソフォーム由来の第1の断片と、第2のアイソフォーム由来の第2の断片とを含むことができる。一部の事例において、第1および第2のアイソフォームは両者ともに、同じタンパク質ファミリーのメンバーであり得る。他の事例において、第1および第2のアイソフォームは、異なるタンパク質ファミリーに属することができる。一部の例において、融合ポリペプチドは、第1および第2のインターフェロンラムダアイソフォーム由来の断片を含むことができる。インターフェロンラムダアイソフォームの例として、IL28A、IL28BおよびIL29の様々なアイソフォームが挙げられるがこれらに限定されない。一部の例において、第1のインターフェロンラムダアイソフォームは、配列番号2に記載されているものが挙げられるがこれらに限定されない、IL28Bアイソフォームである。一部の例において、第2のインターフェロンラムダアイソフォームは、配列番号1に記載されているものが挙げられるがこれらに限定されない、IL29アイソフォームである。さらなる例において、第1のインターフェロンラムダアイソフォームは、IL28Bアイソフォームであり、第2のインターフェロンラムダアイソフォームは、IL29アイソフォームである。
一部の事例において、断片は、融合部位において一緒に融合させ、これにより、近接ポリペプチドを形成することができる。一部の例において、融合部位は、第1および第2のアイソフォームに存在する対応する配列と同一である、少なくとも約6アミノ酸の配列を含むことができる。さらなる例において、融合部位は、第1および第2のアイソフォームに存在する対応する配列と同一である、少なくとも約7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の配列を含むことができる。第1および第2のアイソフォームがそれぞれインターフェロンラムダアイソフォームである場合、融合部位は、第1および第2のインターフェロンラムダアイソフォームに存在する対応する配列と同一である、少なくとも約7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の配列を含むことができる。
いずれか特定の理論に制約されることは望まないが、第1および第2のアイソフォームに対する配列同一性を共有する融合部位を有することは、新たなエピトープ、したがって融合事象に起因する望まれない免疫原性の回避に特に有利である。一般に、T細胞は、生存のために厳密に選択され、正および負の選択の両方を起こして、自己−主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子を認識するが、ネイティブペプチドを認識しないT細胞を産生する。MHCクラスI分子によって提示されるT細胞エピトープは典型的に、8〜11アミノ酸の間の長さのペプチドである一方、MHCクラスII分子は、より長いペプチド、13〜17アミノ酸の長さを提示する。したがって融合ポリペプチドは、全体として非ネイティブであるが、T細胞エピトープを表すあらゆる可能なペプチド配列がネイティブである場合、非免疫原性または不十分な免疫原性になることができる。両方の融合パートナーにおいて同一である少なくとも6個の連続したアミノ酸(優勢な非ネイティブMHCクラスI結合9mer Tエピトープを回避するため)、両方の融合パートナーにおいて同一である少なくとも10個の連続したアミノ酸(大部分の非ネイティブMHCクラスI結合Tエピトープを回避するため)または両方の融合パートナーにおいて同一である少なくとも16個の連続したアミノ酸(MHCクラスI結合Tエピトープに加えて大部分の非ネイティブMHCクラスIIを回避するため)を有するアミノ酸断片の中央における融合部位を選択することにより、最小免疫原性を有する融合ポリペプチドを予測可能な様式で作製することができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、式I:
(S1)−(ヘリックスA)−(S2)−(ヘリックスC)−(S3)−(ヘリックスD)−(S4)−(ヘリックスE)−(S5)−(ヘリックスF)−(S6)
(式中、ヘリックスA、ヘリックスC、ヘリックスD、ヘリックスEおよびヘリックスFのそれぞれは独立に、アルファヘリックスであり、S1、S2、S3、S4、S5およびS6のそれぞれは独立に、スペーサー配列である)
の構造を有することができる。
一部の事例において、ヘリックスAは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約P27〜L44またはIL29ペプチド(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。一部の例において、ヘリックスAは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片と同一であり得る。他の例において、ヘリックスAは、IL29ペプチド(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、ヘリックスCは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約R63〜A87またはIL29ペプチド(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。一部の例において、ヘリックスCは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片と同一であり得る。他の例において、ヘリックスCは、IL29ペプチド(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、ヘリックスDは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約V98〜Q112またはIL29ペプチド(配列番号1)の約V89〜Q103の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。一部の例において、ヘリックスDは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約V98〜Q112の残基を有する断片と同一であり得る。他の例において、ヘリックスDは、IL29ペプチド(配列番号1)の約V89〜Q103の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、ヘリックスEは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約R130〜E145またはIL29ペプチド(配列番号1)の約R121〜E136の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。一部の例において、ヘリックスEは、IL28Bペプチド(配列番号2)の約R130〜E145の残基を有する断片と同一であり得る。他の例において、ヘリックスEは、IL29ペプチド(配列番号1)の約R121〜E136の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170またはIL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。一部の例において、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片と同一であり得る。他の例において、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片と同一であり得る。
一部の事例において、S1、S2、S3、S4、S5およびS6のそれぞれは独立に、1〜約5の間、1〜約10の間、1〜約15の間、1〜約20の間、1〜約30の間、1〜約40の間、1〜約50の間、1〜約60の間、1〜約80の間または1〜約100の間のアミノ酸残基を有することができる。一部の例において、S2は、ヘリックスBをさらに含むことができる。
一部の実施形態において、ヘリックスAは、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも約80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも約80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも約80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。例えば、ヘリックスAは、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。
他の実施形態において、ヘリックスAは、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。例えば、ヘリックスAは、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。
さらに他の実施形態において、ヘリックスAは、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。例えば、ヘリックスAは、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。
一部の実施形態において、ヘリックスAは、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。例えば、ヘリックスAは、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。
他の実施形態において、ヘリックスAは、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。例えば、ヘリックスAは、IL28B(配列番号2)の約P27〜L44の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL29(配列番号1)の約R56〜A80の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL28B(配列番号2)の約G148〜A170の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。
さらに他の実施形態において、ヘリックスAは、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または100%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。例えば、ヘリックスAは、IL29(配列番号1)の約P20〜L37の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスCは、IL28B(配列番号2)の約R63〜A87の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができ、ヘリックスFは、IL29(配列番号1)の約G139〜A161の残基を有する断片に対し少なくとも95%の相同性を示すアミノ酸配列を含むことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、第1および/または第2のアイソフォームの二次構造を保持することができる。アイソフォームの二次構造は、アルファ−ヘリックスおよびベータ−シートが挙げられるがこれらに限定されない、二次単位の数および/または順序によって定義することができる。一部の例において、融合ポリペプチドは、第1および/または第2のアイソフォームと同じ数および順序の二次単位を含むことができる。第1および第2のアイソフォームがそれぞれインターフェロンラムダアイソフォームである場合、融合ポリペプチドは、IL28Bペプチド(配列番号2)またはIL29ペプチド(配列番号1)の二次構造を保持することができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、ヒトT細胞によって認識されるエピトープが実質的になくてよい。免疫原性が低いタンパク質を作製する目的のためのかかるエピトープの排除は、以前に開示されている;例えば、参照により本明細書に援用される、WO98/52976、WO02/079232およびWO00/3317を参照されたい。ヒトT細胞エピトープのためのアッセイが記載されている(Stickler, M.ら(2003年)J Immunol Methods、281巻:95〜108頁)。T−細胞エピトープまたは非ヒト配列を作製することなくオリゴマー形成することができるペプチド配列が特に興味深い。これは、T−細胞エピトープの存在および非ヒトの6〜15−mer、特に、9−mer配列の発生に関してこれらの配列の直列反復配列を検査し、続いてXTEN配列の設計を変更して、エピトープ配列を排除または破壊することによって達成される。MHC受容体に結合することができるエピトープの数の低下に伴い、T細胞活性化と共にT細胞ヘルパー機能の潜在力の付随する低下、B細胞活性化または上方調節の低下および抗体産生の低下が生じる。低い程度の予測されるT−細胞エピトープは、例えば、TEPITOPE(Sturniolo, T.ら(1999年)Nat Biotechnol、17巻:555〜61頁)等、エピトープ予測アルゴリズムによって決定することができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28Bペプチド(配列番号2)またはIL29ペプチド(配列番号1)の場合と比較していかなる追加的なT−エピトープも欠き得る。さらなる事例において、融合ポリペプチドは、IL28Bペプチド(配列番号2)またはIL29ペプチド(配列番号1)の場合と比較してより少ないT−エピトープを有することができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28Bペプチド(配列番号2)またはIL29ペプチド(配列番号1)の場合と比較していかなる追加的なB−エピトープも欠き得る。さらなる事例において、融合ポリペプチドは、IL28Bペプチド(配列番号2)またはIL29ペプチド(配列番号1)の場合と比較してより少ないB−エピトープを有することができる。
様々な事例において、融合ポリペプチドは、IL28Bペプチド(配列番号2)に対応するアミノ酸残基に少なくとも1個の修飾をさらに含むことができ、少なくとも1個の修飾は、dV2、dP3、dV4、dA5、dR6、dL7、dR8、G9K、A10P、L11T、P12T、D13T、A14G、R15K、A20G、Q21R、Q31A、A32S、R35K、K37R、L45K、D48N、C49W、K50S、R52S、R54P、L55V、R58G、T59N、Q64L、T88A、dD90、dT91、D92P、G96E、R114Q、T127P、C168S、C175S、P3G、V4P、A5V、R6P、L7TおよびR8Sからなる群から選択される。
様々な事例において、融合ポリペプチドは、IL29ペプチド(配列番号1)に対応するアミノ酸残基に少なくとも1個の修飾をさらに含むことができ、少なくとも1個の修飾は、R14Q、L57Q、A81T、82aD、82bT、G83D、E87G、Q105R、P118TおよびD162Eからなる群から選択される。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)およびIL29(配列番号1)における対応する配列と同一である、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸の配列を含む融合部位をさらに含むことができる。他の事例において、融合部位は、IL28B(配列番号2)およびIL29(配列番号1)における対応する配列と同一である、約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の配列を含むことができる。
一部の事例において、融合部位は、少なくとも2種のインターフェロンラムダアイソフォームの対応する配列と同一である、少なくとも約2〜30、約3〜25、約4〜20、約5〜15または約6〜10アミノ酸の配列を含むことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)に対し少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列相同性を示すことができる。例えば、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)に対し少なくとも約90%の配列相同性を示すことができる。さらに、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)に対し少なくとも約95%の配列相同性を示すことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)に対し約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%未満の配列相同性を示すことができる。例えば、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)に対し約80%未満の配列相同性を示すことができる。さらに、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)に対し約50%未満の配列相同性を示すことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL29(配列番号1)に対し少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列相同性を示すことができる。例えば、融合ポリペプチドは、IL29(配列番号1)に対し少なくとも約90%の配列相同性を示すことができる。さらに、融合ポリペプチドは、IL29(配列番号1)に対し少なくとも約95%配列相同性を示すことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、IL29(配列番号1)に対し約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%未満の配列相同性を示すことができる。例えば、融合ポリペプチドは、IL29(配列番号1)に対し約90%未満の配列相同性を示すことができる。さらに、融合ポリペプチドは、IL29(配列番号1)に対し約50%未満の配列相同性を示すことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、さらに修飾することができる。修飾は、N末端、C末端またはいずれかの反応性アミノ酸側鎖に生じ得る。
一部の実施形態において、融合ポリペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)によってさらに修飾することができる。ポリエチレングリコールの例として、モノメトキシPEGマレイミド、モノメトキシPEGヨードアセトアミドまたはモノメトキシPEGプロピオンアルデヒドが挙げられるがこれらに限定されない。さらに、ポリエチレングリコールは、約1Kd〜200Kd、約5Kd〜200Kd、約5Kd〜150Kd、約8Kd〜150Kd、約8Kd〜100Kd、約10Kd〜100Kd、約10Kd〜50Kd、約12Kd〜50Kdまたは約12Kd〜40Kdの分子量を有することができる。
一部の事例において、ペグ化融合ポリペプチドは、タンパク質ファミリーの第1および第2のメンバーと比較してより延長したin vitro半減期を示すことができる。例えば、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号1)またはIL29(配列番号2)と比較して延長したin vitro半減期を示すことができる。
一部の事例において、融合ポリペプチドは、タンパク質ファミリーの第1および第2のメンバーと比較して増強した化学安定性を示すことができる。例えば、融合ポリペプチドは、IL28B(配列番号2)またはIL29(配列番号2)と比較して増強した化学安定性を示すことができる。
融合ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18および配列番号19からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
本発明は、本明細書に開示されている融合タンパク質を発現する宿主細胞も提供する。宿主細胞は、個々の細胞、細胞培養物または細胞株を含む。宿主細胞は、単一の宿主細胞の後代を含む。宿主細胞は、本開示のベクターを含む異種配列をトランスフェクトすることができる。宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞その他等、原核生物または真核生物であり得る。細菌宿主細胞の例として、Escherichia、Serratia、Bacillus、Brevibacterium、Corynebacterium、Microbacterium、Pseudomonasその他の属に属する微生物が挙げられる。例えば、細菌宿主細胞として、Escherichia coli XL1−Blue、XL2−Blue、DH1、MC1000、KY3276、W1485、JM109、HB101、No.49、i W3110、NY49、G1698、BL21またはTB1を挙げることができるがこれらに限定されない。他の細菌宿主細胞として、Serratia ficaria、Serratia fonticola、Serratia liquefaciens、Serratia marcescens、Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefaciens、Brevibacterium ammoniagenes、Brevibacterium immariophilum ATCC 14068、Brevibacterium saccharolyticum ATCC 14066、Brevibacterium flavum ATCC 14067、Brevibacterium lactofermentum ATCC 13869、Corynebacterium glutamicum ATCC 13032、Corynebacterium glutamicum ATCC 13869、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC 13870、Microbacterium ammoniaphilum ATCC 15354、Pseudomonas putida、Pseudomonas sp.D−0110その他を挙げることができるがこれらに限定されない。
酵母宿主細胞は、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces lactis、Trichosporon pullulans、Schwanniomyces alluvius、Candida utilisその他等、Kluyveromyces、Trichosporon、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Schwanniomyces、Pichia、Candidaその他の属に属する微生物を含むことができる。
真核細胞の例として、哺乳動物細胞等、動物細胞が挙げられる。例えば、宿主細胞として、COS細胞、HepG2細胞、A549細胞、およびATCCまたは他の寄託機関を通して利用できるいずれかの細胞等、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはサル細胞が挙げられるがこれらに限定されない。
本開示の宿主細胞は、培養において、および発酵槽を含む、培養物の育成に使用することができるいずれかの器具内で育成することができる。これらは、単層としてまたは表面に付着させて育成することができる。あるいは、宿主細胞は、懸濁して育成することができる。細胞は、無血清の培養培地において育成することができる。培地は、これに限定されないが、8mM L−グルタミン等、グルタミンを補充したOpti−CHO(Invitrogen、カタログ#12681)等、市販の培地であり得る。
本開示の宿主細胞は、本融合ポリペプチドの発現をもたらすための異種配列を含むことができる。異種配列は、好ましくは自己複製する核酸分子であり、移入し、宿主細胞の中におよび/またはその間に核酸分子を挿入するベクターを含むことができる。ベクターは、細胞へのDNAまたはRNAの挿入のために主に機能するベクター、DNAまたはRNAの複製のために主に機能するベクターの複製、ならびにDNAまたはRNAの転写および/または翻訳のために機能する発現ベクターを含むことができる。上述の機能のうち2種以上を提供するベクターも含まれる。発現ベクターは、適切な宿主細胞に導入されると、ポリペプチド(複数可)へと転写および翻訳され得るポリヌクレオチドである。
本発明の融合タンパク質をコードする異種配列は、単一のまたは複数のベクターによって発現させることができる。核酸配列は、単一のオペロンにおいて、または1種類もしくは複数のベクターに置かれた別々のオペロンにおいていずれかの順序で配置することができる。必要に応じて、単一のオペロンにおいて作動可能に連結された1種または複数の異種配列をそれぞれ含有する、2種またはそれを超える発現ベクターを用いることができる。連結とは、化学的コンジュゲーションまたは組換え手段を含むいずれかの手段により、2個またはそれを超える化学元素または構成成分を一緒に接続することを指す。作動可能に連結とは、そのように記載された構成成分が、その意図された様式で機能することを可能にする関係性にある並置を指す。例えば、プロモーター配列が、コード配列の転写を促進する場合、プロモーター配列は、コード配列に連結または作動可能に連結している。本ベクターは、エピソーム的に、または宿主細胞ゲノムの不可分の一部として複製能を維持することができる。
本開示の異種配列は、単一の調節エレメントの制御下に置くことができる。一部の事例において、異種核酸配列は、単一のプロモーターによって調節される。他の事例において、異種核酸配列は、単一のオペロン内に置かれる。さらに他の事例において、異種核酸配列は、単一の読み枠内に置かれる。
本核酸の調製は、種々のルーチン組換え技法および合成手順によって行うことができる。標準組換えDNAおよび分子クローニング技法は、本技術分野において周知であり、Sambrook, J.、Fritsch, E. F.およびManiatis, T.、Molecular Cloning: A Laboratory Manual;Cold Spring Harbor Laboratory Press:Cold Spring Harbor(1989年)(Maniatis)ならびにT. J. Silhavy、M. L. BennanおよびL. W. Enquist、Experiments with Gene Fusions、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(1984年)ならびにAusubel, F. M.ら、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Assoc. and Wiley-Interscienceより出版(1987年)によって記載されている。簡潔に説明すると、本核酸は、ゲノムDNA断片、cDNAおよびRNAから調製することができ、これらの全ては、細胞から直接的に抽出することができる、またはPCRおよびrt−PCRが挙げられるがこれらに限定されない、様々な増幅プロセスによって組換えにより産生することができる。
核酸の直接化学合成は典型的に、成長中のヌクレオチドポリマー鎖の末端5’−ヒドロキシル基への3’−ブロックおよび5’−ブロックしたヌクレオチド単量体の逐次付加を含み、各付加は、典型的にはホスホトリエステル、ホスホラミダイトその他等のリン誘導体である、付加された単量体の3’−位における成長中の鎖の末端5’−ヒドロキシル基の求核攻撃によってもたらされる。かかる方法論は、当業者に公知であり、関連テキストおよび文献に記載されている(例えば、Matteuciら、Tet. Lett.521巻:719頁(1980年);米国特許第4,500,707号、Caruthersら;ならびに米国特許第5,436,327号および同第5,700,637号、Southernら)。
調節エレメントは、例えば、プロモーターおよびオペレーターを含み、これらを工学的に操作して、糖タンパク質をコードする1種または複数の異種配列の発現を増加させることもできる。プロモーターは、RNAポリメラーゼ酵素による核酸配列の転写を開始および制御するヌクレオチドの配列である。オペレーターは、所望の核酸配列の転写を制御するように機能する、プロモーターに隣接するヌクレオチドの配列である。オペレーターは、特異的リプレッサータンパク質が結合することができるタンパク質結合ドメインを含有する。適したリプレッサータンパク質の非存在下で、転写はプロモーターにより開始する。適したリプレッサータンパク質の存在下で、リプレッサータンパク質は、オペレーターに結合し、これにより、プロモーターからの転写を阻害する。
本開示の一部の実施形態において、発現ベクターにおいて使用されるプロモーターは、誘導性である。他の実施形態において、発現ベクターにおいて使用されるプロモーターは、構成的である。一部の実施形態において、1種または複数の核酸配列は、誘導性プロモーターに作動可能に連結され、1種または複数の他の核酸配列は、構成的プロモーターに作動可能に連結される。真核生物宿主細胞における使用に適したプロモーターの非限定例として、CMV最初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期または後期SV40プロモーター、レトロウイルス由来のLTRおよびマウスメタロチオネイン−Iプロモーターが挙げられるがこれらに限定されない。
発現ベクターにおける遺伝子は典型的に、いずれかのコードされたmRNA遺伝子産物の翻訳(すなわち、合成)を方向付けるためのリボソーム結合部位もコードするであろう。発現ベクターにおいて使用することができる他の調節エレメントは、転写エンハンサーエレメントおよび転写ターミネーターを含む。例えば、Bitterら、Methods in Enzymology、153巻:516〜544頁(1987年)を参照されたい。
発現ベクターは、特定の種類の宿主細胞における使用に適し、その他には適さないことがある。しかし、当業者であれば、ルーチン実験法により、特定の発現ベクターが、所与の宿主細胞に適するか容易に決定することができる。例えば、発現ベクターを宿主生物に導入することができ、続いてこの生物を生存率およびベクターに含有されるいずれかの遺伝子の発現に関してモニターする。
発現ベクターは、発現により、発現ベクターを保有する宿主細胞の選択または他の仕方での同定に有用な1種または複数の表現型形質を付与する、1種または複数の選択可能マーカー遺伝子を含有することもできる。真核細胞に適した選択可能マーカーの非限定例として、ジヒドロ葉酸還元酵素およびネオマイシン抵抗性が挙げられる。
本ベクターは、種々の確立された技法により、安定的にまたは一過的に宿主細胞へと導入することができる。例えば、一方法は、発現ベクターがカルシウム沈殿物により導入される、塩化カルシウム処理を含む。他の塩、例えば、リン酸カルシウムを同様の手順に従って使用することもできる。加えて、エレクトロポレーション(すなわち、核酸に対する細胞の透過性を増加させるための電流の印加)を使用することができる。他の形質転換方法は、マイクロインジェクション、DEAEデキストラン媒介性形質転換および酢酸リチウムの存在下での熱ショックを含む。脂質複合体、リポソームおよびデンドリマーを用いて、宿主細胞をトランスフェクトすることもできる。
宿主細胞への異種配列の導入後に、種々の方法を実施して、本ベクターが導入された宿主細胞を同定することができる。1つの例示的選択方法は、個々の細胞を継代培養して、個々のコロニーを形成し、続いて所望のタンパク質産物の発現に関して検査することを含む。別の方法は、発現ベクター内に含有される選択可能マーカー遺伝子の発現により付与される表現型形質に基づく、異種配列を含有する宿主細胞の選択を必要とする。当業者であれば、本技術分野で利用できるこれらのまたは他の方法を使用して、遺伝子改変された宿主細胞を同定することができる。
例えば、宿主細胞への本開示の様々な異種配列の導入は、PCR、サザンブロットまたはノーザンブロットハイブリダイゼーション等の方法によって確認することができる。例えば、核酸は、結果として得られる宿主細胞から調製することができ、目的の特異的配列は、目的の配列に特異的なプライマーを使用したPCRにより増幅することができる。増幅された産物を、アガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動に付し、続いてエチジウムブロマイド、SYBR Green溶液その他で染色する、またはUV検出によりDNAを検出する。あるいは、ハイブリダイゼーション反応において目的の配列に特異的な核酸プローブを用いることができる。特異的遺伝子配列の発現は、逆転写と連関したPCRや、ノーザンブロットハイブリダイゼーションにより対応するmRNAを検出することにより、またはコードされる遺伝子産物と反応性の抗体を使用したイムノアッセイにより確認することができる。例示的イムノアッセイとして、ELISA、ラジオイムノアッセイおよびサンドイッチイムノアッセイが挙げられるがこれらに限定されない。
さらに、宿主細胞への本開示の様々な異種配列の導入は、異種配列がコードする酵素の酵素活性によって確認することができる。酵素は、本技術分野において公知の種々の方法によってアッセイすることができる。一般に、酵素活性は、試験中である酵素反応の産物の形成または基質の変換によって確認することができる。反応は、in vitroまたはin vivoで行うことができる。
別の態様において、本発明は、融合ポリペプチドを産生して、所望の薬物動態学的、薬理学的または薬学的特性を達成する方法を提供する。一部の事例において、融合ポリペプチドは、タンパク質発現に適した条件下で、細胞においてベクターを発現させることにより産生することができる。
インキュベーション時間、温度および培地等の要因が挙げられるがこれらに限定されない、タンパク質発現に適した条件は、細胞型に依存することができ、当業者によって容易に決定されるであろう。
処置の方法
一態様において、本発明は、インターフェロンラムダ受容体(IFNλR1および/またはIL10R2)機能不全によって関係付けられる状態が挙げられるがこれらに限定されない、哺乳動物における疾患状態を処置するために本発明の融合ポリペプチドを使用する方法を提供する。
一部の事例において、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるウイルス感染を処置する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本発明の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法を提供する。一部の例において、ウイルス感染は、B型肝炎またはC型肝炎によって与えられ得る。他の例において、ウイルス感染は、インフルエンザによって与えられ得る。ウイルス感染のさらなる例として、ヒトリンパ球向性ウイルス−1型(HTLV−1)およびヒトパピローマウイルス(HPV)が挙げられるがこれらに限定されない。
他の事例において、本発明は、それを必要とする哺乳動物における炎症性障害を処置する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本発明の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法を提供する。一部の事例において、炎症性障害は、多発性硬化症であり得る。他の事例において、炎症性障害は、自己免疫性疾患であり得る。自己免疫性疾患の例として、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、クローン病、真性糖尿病(1型)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、Ord甲状腺炎、天疱瘡(oemphigus)、多発性関節炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、関節リウマチ、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞動脈炎」としても公知)、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、汎発性脱毛症、シャーガス病、慢性疲労症候群、自律神経障害、子宮内膜症、化膿性汗腺炎、間質性膀胱炎、神経性筋強直症、サルコイドーシス、強皮症、潰瘍性大腸炎、白斑および外陰部痛が挙げられるがこれらに限定されない。他の障害は、骨吸収障害および血栓症(thromobsis)を含む。
さらなる事例において、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるがんを処置する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本発明の融合ポリペプチドを投与するステップを含む方法を提供する。一部の事例において、がんは、肝細胞癌であり得る。他の事例において、がんは、急性骨髄性白血病、胸腺、脳、肺、扁平細胞、皮膚、眼、網膜芽細胞腫、眼球内メラノーマ、口腔および中咽頭、膀胱、胃(gastric)、胃(stomach)、膵、膀胱、乳房、子宮頸部、頭部、頸部、腎、腎臓、肝臓、卵巣、前立腺、結腸直腸、食道、精巣、婦人科学的、甲状腺、CNS、PNS、AIDS関連(例えば、リンパ腫およびカポジ肉腫)またはウイルス誘導性がんであり得る。
その上、本明細書に記載されている融合ポリペプチドは、滑液包炎、ループス、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、クローン病、真性糖尿病(1型)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、炎症性腸疾患、エリテマトーデス、重症筋無力症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、ord甲状腺炎、変形性関節症(ostheoarthritis)、網膜ぶどう膜炎、天疱瘡、多発性関節炎、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、汎発性脱毛症、シャーガス病、慢性疲労症候群、自律神経障害、子宮内膜症、化膿性汗腺炎、間質性膀胱炎、神経性筋強直症、サルコイドーシス、強皮症、潰瘍性大腸炎、白斑、外陰部痛、虫垂炎、動脈炎、関節炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、絨毛羊膜炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、肝炎、汗腺炎、回腸炎、虹彩炎、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ぶどう膜炎、腟炎、血管炎または外陰炎の処置のために使用することができる。
一部の事例において、哺乳動物は、ヒトである。他の事例において、哺乳動物は、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、スナネズミ、ハムスター、モルモット、サルまたは他のいずれかの哺乳動物であり得る。多くのかかる哺乳動物は、固形腫瘍および/または他のがんを含むある特定の疾患または障害のための前臨床モデルとして本技術分野に公知の対象であり得る(例えば、Talmadgeら、2007年、Am. J. Pathol.170巻:793頁;Kerbel、2003年、Canc. Biol. Therap.2巻(4号追補1):S134;Manら、2007年、Canc. Met. Rev.26巻:737頁;Cespedesら、2006年、Clin. TransL Oncol.8巻:318頁)。
別の態様において、本発明は、哺乳動物における疾患状態を処置するために本発明の融合ポリペプチドを使用する方法であって、融合ポリペプチドが、第2の薬剤と併せて製剤化または投与され得る方法を提供する。一部の事例において、第2の薬剤は、抗ウイルス剤であり得る。これらの薬剤として、テラプレビル、ボセプレビル、シメプレビル(semiprevir)、ソホスブビル、ダクラタスビル(daclastavir)、アスナプレビル、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テノホビル、テルビブジン、インターフェロンアルファおよびペグ化インターフェロンアルファが挙げられるがこれらに限定されない。他の事例において、第2の薬剤は、脳脊髄炎、喘息および本明細書に記載されている他の疾患等、炎症性状態の症状を軽減するように作用する薬剤であり得る。これらの薬剤は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えば、アセチルサリチル酸;イブプロフェン;ナプロキセン;インドメタシン;ナブメトン;トルメチン;等を含む。副腎皮質ステロイドは、炎症を低下させ、免疫系の活性を抑制するために使用される。最も一般的に処方されるこの種の薬物は、プレドニゾンである。クロロキン(アラレン(Aralen))またはヒドロキシクロロキン(プラケニル)も、一部のループス個体において非常に有用であり得る。これらは、ループスの皮膚および関節症状に最も頻繁に処方される。アザチオプリン(イムラン)およびシクロホスファミド(シトキサン)は、炎症を抑制し、免疫系を抑制する傾向がある。他の薬剤、例えば、メトトレキセートおよびシクロスポリンは、ループスの症状の制御に使用される。抗凝固薬は、血液の急速な凝固を防止するために用いられる。これらは、血小板の固着を防止する非常に低用量のアスピリンから、ヘパリン/クマジンに及ぶ。
さらなる事例において、薬剤は、抗がん剤(例えば、化学療法剤)であり得る。化学療法薬は、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、インターカレートする抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾因子、抗ホルモン薬、血管新生阻害剤および抗アンドロゲン薬からなる群から選択することができる。化学療法剤、細胞傷害性薬剤および非ペプチド小分子の非限定例として、Gleevec(登録商標)(イマチニブメシル酸塩)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、カソデックス(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)およびアドリアマイシンならびに化学療法剤の宿主が挙げられるがこれらに限定されない。化学療法剤の非限定例として、チオテパおよびシクロホスファミド(cyclosphosphamide)(CYTOXAN(商標))等、アルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン(piposulfan)等、アルキルスルホネート(sulfonate);ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)およびウレドパ(uredopa)等、アジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホルアミド(phosphaoramide)およびトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミンおよびメチルアメラミン(methylamelamine);クロラムブシル、クロルナファジン(chlornaphazine)、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード等、ナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン(chlorozotocin)、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン等、ニトロソウレア(nitrosurea);アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン、アントラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カリチアマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン(carminomycin)、カルジノフィリン(carzinophilin)、Casodex(商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン等、抗生物質;メトトレキセートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)等、代謝拮抗薬;デノプテリン(denopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキセート等、葉酸アナログ;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン等、プリンアナログ;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン(calusterone)等のアンドロゲン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン等、ピリミジンアナログ;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン等、抗副腎薬(anti-adrenal);フォリン酸(frolinic acid)等、葉酸補充薬;アセグラトン;アルドホスファミド(aldophosphamide)グリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン(bisantrene);エダトレキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン(diaziquone);エフロルニチン(elfomithine);エリプチニウム(elliptinium)酢酸塩;エトグルシド;ガリウム硝酸塩;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK.R(商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン、例えば、パクリタキセル(TAXOL(商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)およびドセタキセル(TAXOTERE(商標)、Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;ならびに上述のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられる。適した化学療法細胞調整剤(conditioner)として、例えば、タモキシフェン、(Nolvadex(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY 117018、オナプリストン(onapristone)およびトレミフェン(フェアストン)を含む抗エストロゲン薬;ならびにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリドおよびゴセレリン等、抗アンドロゲン薬;クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;シスプラチンおよびカルボプラチン等、白金アナログ;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン(novantrone);テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;カンプトテシン−11(CPT−11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)等、腫瘍におけるホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤も含まれる。必要に応じて、本発明の融合ポリペプチドは、Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ(Abagovomab)、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ(Adecatumumab)、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン(Alpharadin)、アルボシジブ(Alvocidib)、3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒド(carboxaldehyde)チオセミカルバゾン、アモナフィド(Amonafide)、アントラセンジオン(Anthracenedione)、抗CD22イムノトキシン、抗新生物薬、抗腫瘍原性ハーブ、アパジコン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン(Belotecan)、ベンダムスチン、BIBW 2992、ビリコダル(Biricodar)、ブロスタリシン(Brostallicin)、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞周期非特異的抗新生物剤、ジクロロ酢酸、ディスコデルモリド、エルサミトルシン(Elsamitrucin)、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エキサテカン(Exatecan)、エクシスリンド、フェルギノール(Ferruginol)、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT−101、イメクソン、イミキモド、インドロカルバゾール(Indolocarbazole)、イロフルベン、ラニキダール(Laniquidar)、ラロタキセル(Larotaxel)、レナリドミド、ルカントン、ルルトテカン(Lurtotecan)、マホスファミド、ミトゾロミド(Mitozolomide)、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ(Olaparib)、オルタタキセル(Ortataxel)、PAC−1、ポウポウ(Pawpaw)、ピクサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン(Rebeccamycin)、レシキモド(Resiquimod)、ルビテカン(Rubitecan)、SN−38、サリノスポラミドA、サパシタビン(Sapacitabine)、スタンフォード(Stanford)V、スウェインソニン、タラポルフィン、タリキダール(Tariquidar)、テガフール−ウラシル、テモダール(Temodar)、テセタキセル(Tesetaxel)、トリプラチン(Triplatin)四硝酸塩、Tris(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン(Uramustine)、バジメザン(Vadimezan)、ビンフルニン、ZD6126およびゾスキダール(Zosuquidar)等、一般的に処方される抗がん薬と組み合わせて使用することができる。
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、典型的に、本発明の活性成分(例えば、融合ポリペプチド、PEG修飾された融合ポリペプチド)またはその薬学的に許容される塩および/または配位錯体と、不活性固体希釈剤およびフィラー、希釈剤、無菌水溶液および様々な有機溶媒、浸透賦活薬、可溶化剤およびアジュバントが挙げられるがこれらに限定されない、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、担体とを含有する。後述は、非限定的な例示的医薬組成物およびこれを調製するための方法である。
本医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放製剤、溶液、懸濁液としての経口投与、無菌溶液、懸濁液もしくはエマルションとしての非経口的注射、軟膏もしくはクリームとしての局所的投与、または坐薬としての直腸投与に適した形態であり得る。医薬組成物は、正確な投薬量の単一の投与に適した単位剤形であり得る。医薬組成物は、活性成分として本発明に係る融合ポリペプチドおよび/またはPEG修飾された融合ポリペプチドをさらに含むことができ、従来の医薬品担体または賦形剤を含むことができる。さらに、これは、他の薬用または医薬品薬剤、担体、アジュバント等を含むことができる。
例示的な非経口的投与形態は、無菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液における活性ポリペプチドおよび/またはPEG修飾されたポリペプチドの溶液または懸濁液を含む。かかる剤形は、必要に応じてヒスチジンおよび/またはリン酸塩等、塩で適切に緩衝することができる。
一部の事例において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはPEG修飾されたポリペプチドと、注射に適した医薬品賦形剤とを含有する、注射のための医薬組成物を提供する。組成物における薬剤の構成成分および量は、本明細書に記載されている通りである。
注射による投与のために本発明の新規組成物を取り込むことができる形態は、水性もしくは油性懸濁液、またはゴマ油、トウモロコシ油、綿実油もしくはピーナッツ油とのエマルションと共に、エリキシル剤、マンニトール、デキストロースまたは無菌水溶液および同様の医薬品媒体を含む。
生理食塩水における水溶液も、注射のために従来より使用される。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールその他(およびこれらの適した混合物)、シクロデキストリン誘導体および植物油を用いることもできる。適切な流動性は、例えば、分散系の場合は要求される粒子径の維持のための、レシチン等のコーティングの使用により、また、サーファクタントの使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールその他によってもたらすことができる。
無菌注射用溶液は、要求される量の本発明のポリペプチドおよび/またはPEG修飾されたポリペプチドを、上に列挙する様々な他の成分を有する適切な溶媒に取り込むことにより調製され、要求に応じて、続いて滅菌濾過される。一般に、分散系は、基本分散培地および上に列挙するものに由来する要求される他の成分を含有する無菌媒体に、様々な滅菌された活性成分を取り込むことにより調製される。無菌注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合、ある特定の望ましい調製方法は、以前に滅菌濾過したその溶液から活性成分プラスいずれか追加的な所望の成分の粉末を生じる、真空乾燥および凍結乾燥技法である。
一部の事例において、本発明は、本発明の融合ポリペプチドおよび/またはPEG修飾された融合ポリペプチドと、経口投与に適した医薬品賦形剤とを含有する、経口投与のための医薬組成物を提供する。
一部の事例において、本発明は、(i)有効量の本発明のポリペプチドまたはPEG修飾されたポリペプチド;任意選択で(ii)有効量の第2の薬剤;および(iii)経口投与に適した医薬品賦形剤を含有する、経口投与のための固体医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、組成物は、(iv)有効量の第3の薬剤をさらに含有する。
一部の事例において、医薬組成物は、経口消費に適した液体医薬組成物であり得る。経口投与に適した本発明の医薬組成物は、粉末または顆粒、水性もしくは非水性液体における溶液もしくは懸濁液、水中油型エマルションまたは油中水型液体エマルションとして既定量の活性成分をそれぞれ含有する、カプセル、カシェーまたは錠剤または液体またはエアロゾルスプレー等、別々の剤形として提示することができる。かかる剤形は、薬学の方法のいずれかにより調製することができるが、あらゆる方法は、活性成分を、1種または複数の必要な成分を構成する担体と関連させるステップを含む。一般に、組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉化固体担体またはその両方と均一かつ密接に混合し、続いて必要に応じて産物を所望の体裁に成形することにより調製される。
水は、一部のポリペプチドの分解を促す場合があるため、本発明は、活性成分を含む無水医薬組成物および剤形をさらに包含する。例えば、製剤の有効期間または経時的な安定性等の特徴を決定するために長期貯蔵をシミュレートする手段として、医薬品技術分野において水を加えることができる(例えば、5%)。本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。製造、包装および/または貯蔵中の水分および/または湿度との実質的な接触が予想される場合、ラクトースを含有する本発明の医薬組成物および剤形は、無水にすることができる。無水医薬組成物は、その無水性が維持されるように、調製および貯蔵することができる。したがって、無水組成物は、適したフォーミュラリーキットに含まれ得るように、水への曝露を防止することが公知の材料を使用して包装することができる。適した包装の例として、密封ホイル、プラスチックその他、単位用量容器、ブリスターパックおよびストリップパックが挙げられるがこれらに限定されない。
融合ポリペプチドは、緊密な混合物において、従来の医薬品配合技法に従って、医薬品担体と組み合わせることができる。担体は、投与に望まれる調製物の形態に応じて多種多様な形態を採ることができる。経口剤形のための組成物の調製において、経口液体調製物(懸濁液、溶液およびエリキシル剤等)もしくはエアロゾルの場合は、例えば、水、グリコール、油、アルコール、調味料、保存料、着色料その他等、通常の医薬品培地のいずれかを担体として用いることができる;または経口固体調製物の場合は、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤および崩壊剤等の担体を使用することができ、一部の実施形態において、ラクトースの使用は用いない。例えば、適した担体は、固体経口調製物により、粉末、カプセルおよび錠剤を含む。必要に応じて、錠剤は、標準水性または非水性技法によりコーティングすることができる。
医薬組成物および剤形における使用に適した結合剤として、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたは他のデンプン、ゼラチン、アカシア等の天然および合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロースならびにこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書に開示されている医薬組成物および剤形における使用に適したフィラーの例として、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプンおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の組成物において崩壊剤を使用して、水性環境に曝露されると崩壊する錠剤を提供することができる。多すぎる崩壊剤は、ビンの中で崩壊し得る錠剤を産生する場合がある。少なすぎると、崩壊が起こるには不十分となる場合があり、よって、剤形からの活性成分(複数可)の放出の速度および程度を変更し得る。よって、活性成分(複数可)の放出を有害に変更するほど少なすぎでも多すぎでもない十分な量の崩壊剤を使用して、本明細書に開示されている化合物の剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類および投与の様式に基づき変動することができ、当業者には容易に識別可能であり得る。約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤または約1〜約5重量パーセントの崩壊剤を医薬組成物において使用することができる。本発明の医薬組成物および剤形の形成に使用することができる崩壊剤として、アガーアガー(agar-agar)、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム(polacrilin potassium)、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガムまたはこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の医薬組成物および剤形の形成に使用することができる潤滑剤として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天またはこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。追加的な潤滑剤は、例えば、シロイドシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾルまたはこれらの混合物を含む。潤滑剤は、任意選択で、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で添加することができる。
水性懸濁液および/またはエリキシル剤が、経口投与に望まれる場合、その中の活性成分は、様々な甘味料または調味料、着色物または色素、ならびに、必要に応じて、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびこれらの様々な組合せ等の希釈剤と共に乳化剤および/または懸濁化剤と組み合わせることができる。
錠剤は、コーティングされていなくても、公知の技法によってコーティングされて、崩壊および胃腸管における吸収を遅延させ、これにより、より長期間にわたる持続的な作用をもたらしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等、時間遅延材料を用いることができる。経口使用のための製剤は、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される、硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が、水もしくは油培地、例えば、ピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合される、軟ゼラチンカプセルとして提示することもできる。
本発明の医薬組成物および剤形の形成に使用することができるサーファクタントとして、親水性サーファクタント、親油性サーファクタントおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。すなわち、親水性サーファクタントの混合物を用いることができる、親油性サーファクタントの混合物を用いることができる、または少なくとも1種の親水性サーファクタントおよび少なくとも1種の親油性サーファクタントの混合物を用いることができる。
より低いHLB値を有するサーファクタントは、より親油性または疎水性であり、油においてより大きい溶解性を有する一方、より高いHLB値を有するサーファクタントは、より親水性であり、水溶液におけるより大きい溶解性を有する。親水性サーファクタントは一般に、約10を超えるHLB値を有する化合物、およびHLB尺度が一般に適用不能なアニオン性、カチオン性または双性イオン性化合物であると考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)サーファクタントは、約10に等しいまたはそれ未満のHLB値を有する化合物である。しかし、サーファクタントのHLB値は、産業的医薬品および化粧品エマルションの製剤を可能にするために一般に使用される単なる大まかなガイドである。
親水性サーファクタントは、イオン性または非イオン性のいずれかであり得る。適したイオン性サーファクタントとして、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチドおよびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水素化レシチン;リゾレシチンおよび水素化リゾレシチン;リン脂質およびその誘導体;リゾリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクセートナトリウム(sodium docusate);アシルラクチレート(acyl lactylate);モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル;サクシニル化モノおよびジグリセリド;モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
上述の群の中で、イオン性サーファクタントは、例として:レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびこれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクセートナトリウム;アシルラクチレート(acylactylate);モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル;サクシニル化モノおよびジグリセリド;モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにこれらの混合物を含む。
イオン性サーファクタントは、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチル酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ステアロイルラクチレート、サクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロン酸塩、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル硫酸塩、テラセシル硫酸塩、ドクセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチンならびにこれらの塩および混合物の電離型であり得る。
親水性非イオン性サーファクタントとして、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリエチレングリコールアルキルエーテル等、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルフェノール等、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル等、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル等、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1メンバーによるポリオールの親水性エステル転移反応産物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体およびアナログ;ポリオキシエチル化ビタミンおよびその誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;およびその混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルならびにトリグリセリド、植物油および水素化植物油からなる群の少なくとも1メンバーによるポリオールの親水性エステル転移反応産物を挙げることができるがこれらに限定されない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトールまたはサッカライドであり得る。
他の親水性非イオン性サーファクタントは、PEG−10ラウリン酸塩、PEG−12ラウリン酸塩、PEG−20ラウリン酸塩、PEG−32ラウリン酸塩、PEG−32ジラウリン酸塩、PEG−12オレイン酸塩、PEG−15オレイン酸塩、PEG−20オレイン酸塩、PEG−20ジオレイン酸塩、PEG−32オレイン酸塩、PEG−200オレイン酸塩、PEG−400オレイン酸塩、PEG−15ステアリン酸塩、PEG−32ジステアリン酸塩、PEG−40ステアリン酸塩、PEG−100ステアリン酸塩、PEG−20ジラウリン酸塩、PEG−25グリセリルトリオレイン酸塩、PEG−32ジオレイン酸塩、PEG−20グリセリルラウリン酸塩、PEG−30グリセリルラウリン酸塩、PEG−20グリセリルステアリン酸塩、PEG−20グリセリルオレイン酸塩、PEG−30グリセリルオレイン酸塩、PEG−30グリセリルラウリン酸塩、PEG−40グリセリルラウリン酸塩、PEG−40パーム核油、PEG−50水素化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−60トウモロコシ油、PEG−6カプリン酸塩/カプリル酸塩グリセリド、PEG−8カプリン酸塩/カプリル酸塩グリセリド、ポリグリセリル−10ラウリン酸塩、PEG−30コレステロール、PEG−25植物ステロール、PEG−30大豆ステロール、PEG−20トリオレイン酸塩、PEG−40ソルビタンオレイン酸塩、PEG−80ソルビタンラウリン酸塩、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100コハク酸塩、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−10オレイン酸塩、Tween 40、Tween 60、スクロースモノステアリン酸塩、スクロースモノラウリン酸塩、スクロースモノパルミチン酸塩、PEG 10−100ノニルフェノールシリーズ、PEG 15−100オクチルフェノールシリーズおよびポロクサマーを限定することなく含む。
適した親油性サーファクタントは、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノおよびジグリセリドの乳酸誘導体;グリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1メンバーによるポリオールの疎水性エステル転移反応産物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;ならびにこれらの混合物を単なる一例として含む。この群の中で、好ましい親油性サーファクタントは、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびこれらの混合物を含む、または植物油、水素化植物油およびトリグリセリドからなる群の少なくとも1メンバーによるポリオールの疎水性エステル転移反応産物である。
一実施形態において、組成物は、本発明の化合物の優れた可溶化および/または溶解を確実にするために、また、本発明の化合物の沈殿を最小化するために可溶化剤を含むことができる。これは、非経口使用のための組成物、例えば、注射のための組成物に特に重要となり得る。可溶化剤を加えて、サーファクタント等、親水性薬物および/もしくは他の構成成分の溶解性を増加させる、または安定的なもしくは均質な溶液もしくは分散系として組成物を維持することもできる。
適した可溶化剤の例として、次のものが挙げられるがこれらに限定されない:エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体等、アルコールおよびポリオール;テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール(glycofurol))またはメトキシPEG等、約200〜約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル;2−ピロリドン、2−ピペリドン、ε−カプロラクタム、N−アルキルピロリドン、N−ヒドロキシアルキルピロリドン、N−アルキルピペリドン、N−アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミドおよびポリビニルピロリドン等、アミドおよび他の窒素含有化合物;プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、モノ酢酸プロピレングリコール、ジ酢酸プロピレングリコール、ε−カプロラクトンおよびその異性体、δ−バレロラクトンおよびその異性体、β−ブチロラクトンおよびその異性体等、エステル;ならびにジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N−メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび水等、本技術分野において公知の他の可溶化剤。
可溶化剤の混合物を使用することもできる。例として、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200−100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコールおよびジメチルイソソルビドが挙げられるがこれらに限定されない。特に好ましい可溶化剤は、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG−400、グリコフロールおよびプロピレングリコールを含む。
含まれ得る可溶化剤の量は、特に限定されない。所与の可溶化剤の量は、生物が許容できる量に限定することができ、これは、当業者であれば容易に決定することができる。ある状況下では、例えば、薬物の濃度を最大化するように、生物が許容できる量をはるかに超える可溶化剤の量を含み、蒸留または蒸発等、従来の技法を使用して、対象に組成物を与える前に過剰な可溶化剤を除去することが有利であり得る。よって、存在する場合、可溶化剤は、薬物および他の賦形剤の組み合わせた重量に対して、重量で10%、25%、50%、100%または最大約200%の重量比となり得る。必要に応じて、5%、2%、1%またはさらに少量等、ごく少量の可溶化剤を使用することもできる。典型的には、可溶化剤は、重量で約1%〜約100%、より典型的には約5%〜約25%の量で存在することができる。
組成物は、1種または複数の薬学的に許容される添加物および賦形剤をさらに含むことができる。かかる添加物および賦形剤は、粘着力低下剤(detackifier)、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、保存料、キレート化剤、粘性修飾物質、浸透圧調節剤(tonicifier)、香味料、着色剤、匂い物質、乳白剤、懸濁化剤、結合剤、フィラー、可塑剤、潤滑剤およびこれらの混合物を限定することなく含む。
加えて、加工を容易にするため、安定性を増強するため、または他の理由で、酸または塩基を組成物に取り込むことができる。薬学的に許容される塩基の例として、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロカルサイト(hydrocalcite)、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、tris(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)その他が挙げられる。酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ハイドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸その他等、薬学的に許容される酸の塩である塩基も適している。リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム等、多塩基酸の塩を使用することもできる。塩基が塩である場合、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属その他等、いずれか簡便かつ薬学的に許容されるカチオンであり得る。例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムを挙げることができるがこれらに限定されない。
適した酸は、薬学的に許容される有機または無機酸である。適した無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸その他が挙げられる。適した有機酸の例として、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ハイドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸その他が挙げられる。
本発明の好ましい実施形態について本明細書に示し記載してきたが、当業者には、かかる実施形態が、単なる一例として提示されていることが明らかとなるであろう。そこで、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変種、変化および置換を思い付くであろう。本明細書に記載されている本発明の実施形態の様々な代替を、本発明の実施において用いてよいことを理解すべきである。次の特許請求の範囲が、本発明の範囲を定義すること、また、このような特許請求の範囲内の方法および構造ならびにこれらの均等物が、これにより網羅されることが意図される。
下に示す実施例および調製は、本発明の融合ポリペプチドならびにこれを使用および調製する方法をさらに図解し例証する。本発明の範囲が、次の実施例および調製の範囲によって決して限定されないことを理解されたい。
(実施例1)
IL28B/IL29融合ポリペプチドのクローニングおよび発現
配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18および19の融合ポリペプチドを設計し、E.coliにおいて発現させた。簡潔に説明すると、融合ポリペプチドをコードする遺伝子を、発現ベクターpET11cのNde1およびBamH1制限部位の間に挿入し、ファージT7プロモーターの制御下で発現を行った。このベクターをE.coli BL21(DE3)に形質転換した。100μg/mlのアンピシリンを補充したLB培地において、0.4〜0.6のOD450となるまで細胞を育成した。1mM IPTGの添加により12時間37℃で発現を誘導した。遠心分離により細胞を収集し、PBSに懸濁し、超音波処理した。細胞ホモジネートを遠心分離した。SDS−PAGE解析を行って、融合ポリペプチド、例えば、配列番号8および配列番号12の不溶性封入体画分における発現に成功したことを実証した(それぞれ図1&2)。
(実施例2)
IL28B/IL29融合ポリペプチドのリフォールディングおよび精製
配列番号1、3、5、7、9、11、12、13、14、15、16および17の融合ポリペプチドを、次の通りにリフォールディングおよび精製した。50mM Tris pH8.0、6Mグアニジン、10mM DTTにおいて封入体ペレットを可溶化し、遠心分離により清澄化した。次に、可溶化された封入体を、50mM Tris pH7.8、1Mアルギニン、2mM GSH、1mM GSSGに対して4℃で一晩透析した(MWCO:3000)。リフォールディングされた融合ポリペプチドを、SP BB(GE Healthcare)を使用したカチオン交換クロマトグラフィー(50mM NaOAc、pH5.5、0〜1M NaCl)、続いてButyl Sepharose Fast Flow樹脂(GE Healthcare)を使用した疎水性相互作用クロマトグラフィー(50mM NaOAc、1〜0M(NHSO)によって精製した。SP HP樹脂(GE Healthcare)を使用したカチオン交換クロマトグラフィー(50mM NaOAc、pH5.5、0〜1M NaCl)により、さらなる精製を達成した。SDS−PAGE解析を行ったところ、一部の事例において、融合ポリペプチド(例えば、配列番号8)が、この方法により目に見える精製されたタンパク質を生じなかったが(図3)、他の事例においては、融合ポリペプチド(例えば、配列番号12)が、リフォールディングおよび精製に成功した(図4)ことが実証された。
(実施例3)
N末端におけるIL28B/IL29融合ポリペプチドのペグ化
配列番号3の精製された融合ポリペプチドを1mg/mLに濃縮し、50mM NaOAc、pH5.5、10mM NaCNBHへと交換して緩衝した。モノメトキシPEGプロピオンアルデヒド(20Kd、NOF)を添加し(IL28Bアナログに対し5モル当量)、反応混合物を室温で一晩インキュベートした。次に、得られたペグ化融合ポリペプチド(化合物A)を、SP HPを使用したカチオン交換クロマトグラフィー(50mM NaOAc、pH5.5、0〜1M NaCl)により精製した(図5)。
配列番号5、配列番号7、配列番号11、配列番号12および配列番号13の融合ポリペプチドをそれぞれ、上述の方法を使用して20KdモノメトキシPEGによりN末端においてペグ化して、それぞれ化合物B、化合物C、化合物D、化合物Eおよび化合物Fを生じた(図5)。
(実施例4)
システインチオール部分におけるIL28B/IL29融合ポリペプチドのペグ化
配列番号14の精製された融合ポリペプチドを1mg/mLに濃縮し、pH7.0のPBSへと交換して緩衝した。モノメトキシPEGマレイミド(20Kd、NOF)を添加し(融合ポリペプチドに対し20モル当量)、反応混合物を4℃で一晩インキュベートした。これにより、融合ポリペプチドをC168のチオール部分においてペグ化して化合物Gを得て、続いてこれをSP HPを使用したカチオン交換クロマトグラフィー(50mM NaOAc、pH5.5、0〜1M NaCl)により精製した(図6)。
配列番号15のペグ化を同様に行って、化合物Hを得た(図6)。
(実施例5)
IL28B/IL29融合ポリペプチドによるインターフェロン刺激遺伝子の誘導
抗ウイルス遺伝子誘導アッセイにおいて、IL28B/IL29融合ポリペプチドの抗ウイルス効果を評価した。このアッセイは、IL28B/IL29融合ポリペプチドの添加後に、Hep G2細胞(ATCC HB−8065)におけるインターフェロン刺激遺伝子(ISG)の誘導を測定した。
6ウェルプレートにおいて、完全DMEM培地に5×10細胞/ウェルの濃度でHep G2細胞を蒔いた。細胞を蒔いて24時間後に、0.1ng/ml、1ng/ml、10ng/mlまたは100ng/mlの濃度の被験タンパク質を含有する新たな培地に細胞培養培地を置き換えることにより、薬物処理を開始した。薬物処理の開始後3、12、24、48または72時間目に細胞を収集した。対照として、細胞をヒトIFNα(PeproTech、300−02AB)もしくはIL−29(配列番号1)陽性対照で刺激した、または非刺激陰性対照とした。全処理を3回複製して行った。
次に、MTTアッセイにより生存率に関して細胞を解析したところ、薬物処理が、細胞の成長および生存率に影響を生じなかったことが示された。細胞ペレットから全RNAを単離し、RNase不含DNaseで処理した。PrimeScript RTマスターミックス(Takara、RR036)およびプライマーとしてのオリゴ(dT)を使用したcDNA合成の鋳型として、2μgの全RNAを使用した。LightCycler 480(Roche Applied Science)におけるSYBR Premix Ex Taq(Takara、RR820)を使用したリアルタイムPCRにより、ISG遺伝子誘導を評価した。各PCR反応を3回複製して行い、平均値を計算に使用した。図示するデータは、GAPDHまたはβ−アクチンに対し正規化し、非刺激細胞の倍数誘導として示した。
1.用量依存性
一例として、処理開始後12時間目に、参照IL−29ペプチド(配列番号1)および4種のIL−28B/IL−29融合ポリペプチド(配列番号3、5、7および12)は全て、Hep G2細胞におけるMxおよびOASの顕著な用量依存的誘導を示した(それぞれ図7&8)。10ng/mlまたはより高い濃度において、Mx発現は、200〜400倍増加し、OASレベルは、30〜60倍増加した。さらに、IL−28B/IL−29融合ポリペプチドは、参照IL−29タンパク質と同等のまたはそれより僅かに高いレベルで抗ウイルス遺伝子発現を誘導することを示した。
2.時間依存性
3時間の薬物処理後にMxおよびOAS発現の誘導が観察され、12時間後に最高誘導に達した(それぞれ図9&10)。
3.アナログが変性されると、Mx、OAS誘導活性が失われる
上述の実験において観察される効果を確認するために、95℃で5分間加熱することにより、IL−28B/IL−29融合ポリペプチドを変性させた。反復実験において陰性対照として組換えヒト成長ホルモンを使用した。結果は、IL−28B/IL−29融合ポリペプチドが先ず変性された場合、抗ウイルス遺伝子誘導が大幅に低下した一方、組換えヒト成長ホルモンによりMxおよびOAS発現における有意な効果が見られなかったことを示し、上述の実験において見られる活性が、IL−28B/IL−29融合ポリペプチドに固有であったことを示す(それぞれ図11&12)。
4.ペグ化IL−28B/IL−29融合ポリペプチドは、同様の生物学的活性を示す
ペグ化IL−28B/IL−29融合ポリペプチドをさらに検査したところ、非修飾ポリペプチドと比較して、同様の抗ウイルス遺伝子誘導活性を保有することが示された(それぞれ図13&14)。
(実施例6)
ペグ化IL−28B/IL−29融合ポリペプチドによるHuh−7.5.1細胞におけるHCV複製の阻害
HCVは、その制限された指向性のせいで従来の細胞培養物においては複製しない、一本鎖プラスセンスRNAウイルスである。細胞培養由来の感染性HCV(HCVcc)を使用した感染系の開発は、完全ウイルス複製サイクルの試験および全体的な感染性ウイルス生活環に関する創薬努力に大幅に役立った。
HCV複製を阻害するペグ化IL−28B/IL−29融合ポリペプチドの能力を検査するために、遺伝子型2a HCVゲノムRNAを、プラスミドpJFH−1からin vitroで転写させ、Huh−7.5.1細胞のトランスフェクトに使用した。細胞培養培地の上清からHCVccを収集し、Huh−7.5.1細胞における繁殖により高力価ウイルスストックを作製した。ウイルス力価(フォーカス形成単位、FFU/ml)を決定するために、Huh−7.5.1細胞を8ウェルチャンバースライドにおいて2×10細胞/ウェルで播種し、異なる量のウイルスストック溶液に感染させ、抗HCVコア抗原(Pierce Antibodies、Thermo Scientific、クローンC7−50、MA1−080)を使用した免疫染色後に陽性フォーカスの数を計数した。
in vitro薬物有効性検査のため、8ウェルチャンバースライドにおいて、完全DMEM培地に2×10細胞/ウェルの密度でHuh−7.5.1細胞を蒔いた。24時間後、0.1×M.O.I.のJFH−1 HCVccにより細胞を感染させ、4時間後に、0ng/ml、1ng/ml、10ng/mlまたは100ng/mlの濃度の被験タンパク質を含有する新たな培地に細胞培養培地を置き換えることにより薬物処理を開始した;培養培地は、同じ被験タンパク質を含有する新たな培地に毎日交換した。全処理を3回複製して行った。48時間の薬物処理の開始後に、細胞をHCVコア抗原に対して免疫染色した。10×対物レンズを使用した蛍光顕微鏡下で、各ウェルにおける全陽性フォーカスを計数した。結果は、PEG−IFNaおよび参照PEG−IL−29(配列番号1)と比較して、誘導体PEG−NO:16(N末端20Kペグ化配列番号16)およびPEG−NO:17(N末端20Kペグ化配列番号17)は、HCV複製の阻害において同様に強力であったことを示した(図15)。
(実施例7)
IL−28A/IL29融合ポリペプチドは、A549細胞におけるインフルエンザAウイルス複製を阻害する
インフルエンザウイルスの複製を阻害するIL−28B/IL29融合ポリペプチドの能力を、H3N2感染A549細胞(ヒト腺癌性肺胞基底上皮細胞)において検査した。A549細胞を被験タンパク質で24時間前処理し、続いてH3N2ウイルスに90分間感染させた;72時間後、細胞を固定し、抗NP抗体、続いて抗マウスHRPで免疫染色した;OD490nmで各ウェルの読み取り値を測定するELISAにより、薬物有効性を評価した。
96ウェルプレートにおいて、完全DMEM培地に3×10細胞/ウェルの濃度でA549細胞を蒔いた。細胞を蒔いてから24時間後に、0.5ng/ml、5ng/ml、50ng/mlまたは500ng/mlの濃度の被験タンパク質を含有する新たな培地に細胞培養培地を置き換えた。24時間後、30×TCID 50/50μl H3N2(A3/Brisbane)ウイルスを含有する新たな培地に細胞培養培地を置き換えた。90分後に、ウイルスを含まない新たな培地に細胞培養培地を置き換えた。対照として、細胞を感染させず処理しなかった(CV)、または感染させて処理しなかった(VV)。全処理を3回複製して行った。IFNa2b、参照IL29(配列番号1)、配列番号17、N末端20Kペグ化融合ポリペプチド配列番号16(PEG−NO:16)およびN末端20Kペグ化融合ポリペプチド配列番号17(PEG−NO:17)ならびにCVおよびVVを検査した(図16)。
ウイルス感染開始72時間後に、細胞を氷冷アセトンで固定し、マウス抗NPモノクローナル抗体、続いてウサギ抗マウス−HRPで免疫染色した。プレートリーダーを使用して、各ウェルのOD490nmをスコア化した。結果は、IL28B/IL29融合ポリペプチド配列番号16および配列番号17ならびにこれらそれぞれのN末端20Kペグ化誘導体が、インフルエンザウイルス複製の阻害において有効であったことを示した(図17)。
Figure 0006730926
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Claims (11)

  1. 配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号12、配列番号16、および配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドを含む、ウイルス感染を処置するための組成物。
  2. 前記融合ポリペプチドが、配列番号5、配列番号7、および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記融合ポリペプチドが、配列番号7、配列番号12、および配列番号16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記融合ポリペプチドが、第1のインターフェロンラムダアイソフォームまたは第2のインターフェロンラムダアイソフォームの二次構造を保持し、前記第1のインターフェロンラムダアイソフォームまたは前記第2のインターフェロンラムダアイソフォームの場合と比較して、いかなる追加的なB−エピトープもT−エピトープも欠く、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記融合ポリペプチドのN末端が、ポリエチレングリコール(PEG)によってさらに修飾される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に規定される融合ポリペプチドを発現する宿主細胞。
  7. ウイルス感染が哺乳動物におけるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ウイルス感染が、前記哺乳動物におけるB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスおよびインフルエンザウイルスによる感染である、請求項7に記載の組成物。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に規定される融合ポリペプチドのうち少なくとも1種と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に規定される融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクター。
  11. 合ポリペプチドを産生する方法であって、タンパク質発現に適した条件下で、細胞において請求項1〜4のいずれか一項に規定される融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを発現させ、これにより、前記融合ポリペプチドを産生するステップを含む方法。
JP2016545811A 2014-01-08 2014-01-08 融合ポリペプチドおよび使用方法 Active JP6730926B2 (ja)

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