JP6730816B2 - 熱電変換材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載の熱電変換材料は、カーボンナノチューブを多く含有するために電気エネルギーに変換されるべき熱エネルギーが熱のまま逃げてしまい、変換効率が高くないという課題がある。
(1)熱可塑性樹脂(B)に分散しているカーボンナノチューブ(A)の数平均繊維長が50〜1000μmである;
(2)熱可塑性樹脂(B)の25℃での体積固有抵抗値が1×1010〜1×1019Ω・mである;
(3)カーボンナノチューブ(A)の含有量がカーボンナノチューブ(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計重量に基づいて0.1〜20重量%である。
本発明の熱電変換材料は、カーボンナノチューブ(A)が熱可塑性樹脂(B)中に分散してなる熱電変換材料である。
カーボンナノチューブ(A)としては、体積固有抵抗値が熱伝導度の観点から1×10−1〜1×10−6Ω・mであるカーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブ(A)の数平均繊維径は熱伝導度の観点から好ましくは0.005〜10μm、更に好ましくは0.005〜0.5μmである。
なお、本発明においてカーボンナノチューブ(A)の数平均繊維長及び数平均繊維経、繊維長の変動係数は、熱電変換材料を透過電子顕微鏡によって拡大観察し、熱電変換材料中に分散しているカーボンナノチューブ100本を拡大観察した結果の平均値から測定される。なお、繊維長の変動係数は以下の式で定義される。
(繊維長の変動係数(%))=(繊維長の標準偏差)/(数平均繊維長)×100
カーボンナノチューブ(A)の体積固有抵抗値は、熱可塑性樹脂(B)に分散される前のカーボンナノチューブの体積抵抗値を「JIS K6911熱硬化性プラスチック一般試験方法 5.13 抵抗率」に記載の方法で測定した値である。
カーボンナノチューブ(A)としては、金属型カーボンナノチューブ、半導体型カーボンナノチューブ又はその混合物のいずれであってもよいが、カーボンナノチューブ(A)には導電性と熱伝導性の観点から半導体型カーボンナノチューブを含んでいることが好ましく、半導体型カーボンナノチューブの重量割合がカーボンナノチューブ(A)を基準として80〜100重量%であることが更に好ましく、特に好ましくは80〜90重量%である。
なお、金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブとは、アガロースゲルを用いて分離する方法(特開2008−285387号公報に記載の方法等)及び国際公開第2012/017822号に記載の分離方法等の公知の方法で分離することができ、熱可塑性樹脂(B)に分散される前のカーボンナノチューブをこれらの方法で分離することで好ましい範囲に調整することができる。
また、半導体型の含有量は紫外可視近赤外分光光度計を用いた測定で得られた光吸収スペクトルの面積比より計算される。
なお、カーボンナノチューブの熱伝導率は、その長さ、径、不純物の含有量、炭素原子の配列及び欠陥の有無等によって調整することができ、本発明においてカーボンナノチューブ(A)の熱伝導率としては、熱可塑性樹脂(B)に分散される前のカーボンナノチューブの熱伝導率を「JIS R1611−2010 ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方法」に準拠したレーザーフラッシュ法熱定数測定装置により測定される値を用いる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂(B)は、25℃下での体積固有抵抗値が通常1×1010〜1×1019Ω・m、熱伝導度の観点から好ましくは1×1012〜1×1019Ω・mの熱可塑性樹脂である。
本発明において熱可塑性樹脂の体積固有抵抗値は「JIS K6911熱硬化性プラスチック一般試験方法 5.13 抵抗率」に記載の方法で測定され、ガラス転移温度は「JIS K7121−1987 プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法で測定される。
なお、本発明において無機粒子(C1)及び有機粒子(C2)の体積固有抵抗値は、「JIS K6911熱硬化性プラスチック一般試験方法 5.13 抵抗率」に記載の方法で測定される。
無機粒子(C1)及び有機粒子(C2)の熱伝導率は、「JIS R1611−2010 ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方法」に準拠したレーザーフラッシュ法熱定数測定装置により測定される。
無機粒子(C1)及び有機粒子(C2)の体積平均粒径は、「JISK5600−9−3 塗料一般試験方法−第9部:粉体塗料−第3節:レーザ回折による粒度分布の測定方法」に準じて動的光散乱式粒度分布測定器を用いて測定される。
カーボンナノチューブ(A)、無機粒子(C1)及び有機粒子(C2)の分散状態は透過顕微鏡測定により、各粒子100個の測定値の平均値を算出することにより測定する。
熱可塑性樹脂(B)に分散される前のカーボンナノチューブ(以下、原料カーボンナノチューブと記載する)は、熱可塑性樹脂(B)中への分散後の数平均繊維長が50〜1000μm(好ましくは100〜1000μm)となるカーボンナノチューブであれば特に制限はなく用いることができ、分散方法に応じて選択することが出来る。
原料カーボンナノチューブとしては、数平均繊維長が50〜1000μmのカーボンナノチューブが好ましく、更に好ましくは100〜1000μmである。
原料カーボンナノチューブの体積固有抵抗値、数平均繊維長及び熱伝導率はカーボンナノチューブ(A)と同じであり、好ましい範囲も同じである。
なお、原料カーボンナノチューブの数平均繊維長及び数平均繊維経は、原料カーボンナノチューブを透過電子顕微鏡によって拡大観察し、カーボンナノチューブ100本を拡大観察した結果の平均値から測定される。
また、市場からは名城ナノカーボン社等から入手することができる。
原料カーボンナノチューブ、熱可塑性樹脂(B)並びに必要により用いる無機粒子(C1)及び/又は有機粒子(C2)を公知の加熱分散装置[二軸押出機、二軸混練機(バンバリーミキサー等)、スタティックミキサー及び加熱装置付き混合容器等]及び公知の撹拌装置(プロペラ型撹拌装置付き混合容器、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機及びラインミキサー等)を用いて機械的に混合分散する方法。
液体状態、亜臨界状態又は超臨界状態である二酸化炭素、原料カーボンナノチューブ及び熱可塑性樹脂(B)並びに必要により用いる無機粒子(C1)及び/又は有機粒子(C2)含む混合物(X)を作成し、続いて混合物(X)を体積膨張させ、その膨張時に発生する応力で原料カーボンナノチューブ並びに必要により用いる無機粒子(C1)及び/又は有機粒子(C2)を熱可塑性樹脂(B)中に分散する方法。
溶媒の使用量は、超臨界二酸化炭素との混合時に熱可塑性樹脂(B)が析出してこなければ特に制限はなく、熱可塑性樹脂(B)の重量に基づいて5〜100重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることが特に好ましい。
<混合方法1>
原料カーボンナノチューブ、熱可塑性樹脂(B)並びに必要により用いる無機粒子(C1)及び/又は有機粒子(C2)を混合した混合物(以下、CNT樹脂混合物と記載する)を作製し、更に樹脂混合物と液体状態、亜臨界状態又は超臨界状態である二酸化炭素とを混合する方法。
<混合方法2>
液体状態、亜臨界状態又は超臨界状態である二酸化炭素、原料カーボンナノチューブ、熱可塑性樹脂(B)並びに必要により用いる無機粒子(C1)及び/又は有機粒子(C2)を一括で混合する方法。
<混合方法1>において、CNT樹脂混合物と液体状態、亜臨界状態又は超臨界状態である二酸化炭素を混合して混合物(X)を得る方法としてはバッチ式混合方式と連続式混合方式が挙げられる。
本方式に用いる耐圧混合容器は、液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態となる圧力及び温度に耐え得るものでなければならない。
なお、連続式混合機に付属するミキシング装置のミキサー部分の長さ及び配管径、ミキシング装置の数に限定はなく、連続式混合機及びそれに付属するミキシング装置の耐圧は、液体状態、亜臨界状態若しくは超臨界状態となる圧力及び温度に耐え得るものでなければならない。
連続式混合方式おいては、二酸化炭素とCNT樹脂混合物とを連続式混合機内に送液することで混合物(X)を得ることができ、連続式混合機内での滞留時間は、混合が充分に行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
バッチ式混合方式としては、撹拌装置の付属した耐圧混合容器に原料カーボンナノチューブ、熱可塑性樹脂(B)並びに必要により用いる無機粒子(C1)及び/又は有機粒子(C2)を投入し、更に二酸化炭素を容器内にポンプ等の加圧装置を用いて所定の圧力になるように導入した後に撹拌混合する方法等が挙げられる。
<分散方法2>を用いると原料カーボンナノチューブが折れることがなく、その長さを維持したまま好ましい分散状態とできるために熱電変換効率が良好となる。
なかでも、体積膨張を行う時の圧力は、二酸化炭素が気体となる圧力にまで減圧することが好ましい。減圧の速度については、熱電変換効率の観点から、目的の圧力にまで一気に減圧されることが好ましく、混合物(X)の製造装置は、一気に目的の圧力にまで減圧できる排圧弁を備えることが好ましい。
また、混合物(X)が混合物(X)の製造を行った装置から目的の圧力に調製された別の受け容器へ移送される場合には、混合物(X)を移送できる口径のノズルと受け容器を同じ圧力に保つレギュレーターを備えることが必要である。ただし、受け容器の圧力を大気圧とするのであれば、レギュレーターは不要である。
混合物(X)の作製を前記の希釈混合法で行った場合、更に溶媒を公知の乾燥方法(加熱乾燥、キルン乾燥及び凍結乾燥等)によって留去してもよい。
気化した二酸化炭素は、二酸化炭素だけを製造装置から排気してもよく、製造装置から混合物(X)を取り出す際に二酸化炭素を混合物(X)と同時に排気してもよい。排気の操作は、単位時間内における圧力変化量が小さくなるような排気速度で行うことが好ましく、二酸化炭素の排気に伴う圧力変化が3MPa/1分以下となる速度であることが更に好ましく、特に好ましくは1MPa/1分以下となる速度である。
混合物(X)の作製及び混合物(X)を体積膨張させる工程は、前記の<分散方法2>に記載の方法で行うことができる。
混合物(X)を体積膨張させる工程を行って熱電変換材料を製造すると、原料カーボンナノチューブが折れることがなく、その長さを維持したまま熱可塑性樹脂(B)中に分散するため熱電変換素子の熱電変換効率が良好となる。
図1は、ラインブレンドによる混合方法で本発明の熱電変換材料の製造方法を実施する場合の装置のフローチャートである。
二酸化炭素が充填された二酸化炭素ボンベ(B1)から二酸化炭素を二酸化炭素ポンプ(P2)を通じてラインブレンドを行う反応用耐圧容器内[スタティックミキサー(M1)]に導入し、二酸化炭素が液状状態、亜臨界状態又は超臨界状態となるようにバルブ(V1)を調整してスタティックミキサー内の圧力及び温度を調整する。
次いで溶解槽(T1)から溶液ポンプ(P1)を通じてスタティックミキサー内にある二酸化炭素に混合物を導入し混合を行い、混合物(X)を作製する。ラインブレンドを行う温度は、調整することができるが、好ましくは100〜120℃である。また、装置内の滞留時間は特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。次いでスタティックミキサーでラインブレンドされた液は、バルブ(V1)を通って耐圧受け槽(T2)に排出される。耐圧受け槽の圧力を低く保つことで二酸化炭素を気化膨張させ、気化した二酸化炭素を排気することで本発明の熱電変換材料を得ることができる。
図2に記載の熱電変換素子(S1)は、紙等の柔軟性材料(S4)の表面に、本発明の熱電変換材料を用いて複数の線状熱電変換部(S2)を形成した例であり、10個の線状熱電変換部(S2)が10個の線状導電性部(S3)で接続されている。熱電変換部(S2)と線状導電性部(S3)とは接点(S6)を介し接続されている。また、10個の線状熱電変換部(S2)と10個の線状導電性部(S3)とを互いに接続した末端には電極(S5)を具備する。線状導電性部(S3)としては熱伝導性が低く導電性が高い材料を用いることが好ましく、導電性高分子を用いることが更に好ましい。
すなわち、一つの熱電変換部(S2)では例えば0.1mVの起電力であっても、10個を接続することで1.0mVの電圧を得ることができる。
なお、図2に記載の熱電変換素子において横方向に伸びる上下2つの長辺のいずれか1つの辺に温度を与えると、熱電変換部(S2)が有する2つの末端に温度差が生じ熱電変換部(S2)で電力が生じる。生じる電力は、電極(S5)と接続される配線(S7)を介して利用することができる。
ポリスチレン(B−1:商品名「HF77」、PS Japan社製、ガラス転移温度:100℃、体積固有抵抗値1×1016Ω・m、熱伝導率0.1W/mK)100部、カーボンナノチューブ(A−1:商品名「SO」、名城ナノカーボン社製、数平均繊維長100μm、数平均繊維径0.05μm、熱伝導率500W/mK)5部及び酸化コバルト(C−1:「酸化コバルトナノパウダー」、Aldrich社製、体積平均粒子径50nm、熱伝導率0.5W/mK、25℃下での体積固有抵抗値5×10−8Ω・m)0.5部を120℃に加熱したバンバリーミキサーを用いて混合してCNT樹脂混合物を作製した。
次いで、図1に示した構成を有する製造装置を使用し、CNT樹脂混合物0.5部とテトラヒドロフラン(以下、THFと略記する。)20部を溶解槽(T1)に仕込み、撹拌してCNT樹脂混合物のTHF溶液を作成した。二酸化炭素ボンベ(B1)から二酸化炭素ポンプ(P2)を用い、液体状態の二酸化炭素を120℃に温調したラインブレンド装置(M1)[スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド製;内径0.5m、エレメント数27)、長さ2m]へ0.2L/hの流量で導入し、バルブ(V1)を調整してスタティックミキサー内の圧力15MPaとすることでスタティックミキサー内に超臨界状態の二酸化炭素を作成した。その後、流量、温度及び圧力を維持したまま二酸化炭素の導入を連続して行ながら、同時に溶解槽(T1)から溶液ポンプ(P1)を用いて前記のTHF溶液をスタティックミキサーへ1L/hの流量で導入し、CNF樹脂混合物のTHF溶液と超臨界状態の二酸化炭素とをスタティックミキサーでラインブレンドし、混合物(X)を作製した。ラインブレンド後の混合物(X)はスタティックミキサー出口のノズルから0.1MPaに調整した耐圧受け槽(T2)内に開放し、混合物(X)を体積膨張させると同時に二酸化炭素を気化させながら受け槽(T2)から排気した。二酸化炭素を排気した後の残留物を更に80℃の乾燥機内に1時間入れることで溶剤を留去して、本発明の熱電発電材料(Y−1)を作成した。
ポリスチレン(B−1)100部、カーボンナノチューブ(A−2:商品名「スーパーグロースカーボンナノチューブ」、日本ゼオン社製、数平均繊維長1000μm、数平均繊維径0.05μm、熱伝導率700W/mK)5部及び酸化コバルト(C−1)0.5部を120℃に加熱したバンバリーミキサーにより、1000rpm、3時間撹拌し、熱電変換材料(Y−2)を作成した。
ビーカーにカーボンナノチューブ(A−2:商品名「スーパーグロースカーボンナノチューブ」、日本ゼオン社製、数平均繊維長1000μm、数平均繊維径0.05μm、熱伝導率700W/mK)1部、THF99部を入れて攪拌し、カーボンナノチューブを均一に分散させた。ビーズミルを用いて分散し、THFを蒸発することで、カーボンナノチューブの繊維長を短くすることができ、300μm、数平均繊維径0.05μm、熱伝導度600W/mKのカーボンナノチューブを得た。
実施例1のカーボンナノチューブを上記カーボンナノチューブに変更する以外は、実施例1と同様にして、表1記載の熱電変換材料(Y−3)を作成した。
実施例3と同様にビーズミルを用いてカーボンナノチューブの繊維長が800μmとなるまで分散し、それ以外は、実施例3と同様にして、表1記載の熱電変換材料(Y−4)を作成した。
実施例3と同様にビーズミルを用いてカーボンナノチューブの繊維長が60μmとなるまで分散し、それ以外は、実施例3と同様にして、表1記載の熱電変換材料(Y−5)を作成した。
実施例3と同様にビーズミルを用いてカーボンナノチューブの繊維長が100μmとなるまで分散し、それ以外は、実施例3と同様にして、表1記載の熱電変換材料(Y−6)を作成した。
実施例1のポリスチレン(B−1:商品名「HF77」、PS Japan社製、ガラス転移温度:100℃、体積固有抵抗値1×1016Ω・m、熱伝導率0.1W/mK)をポリメチルメタクリレート(B−2:商品名「デルペット60N」、旭化成ケミカルズ社製、ガラス転移温度:100℃、体積固有抵抗値1×1015Ω・m、熱伝導率0.2W/mK)に変更する以外は、実施例1と同様にして表1記載の熱電変換材料(Y−7)を作成した。
熱可塑性樹脂であるポリスチレン(B−1)100部、カーボンナノチューブ(A−1)50部及び酸化コバルト(C−1)0.5部を120℃に加熱したバンバリーミキサーにより、1000rpm、3時間撹拌し、比較用熱電変換材料(Y’−1)を作成した。
<比較例2>
比較例1のバンバリーミキサーにより、1000rpm、3時間攪拌を2時間に変更する以外は、比較例1と同様にして、比較用熱電変換材料(Y’−2)を作成した。
<比較例3>
比較例1のカーボンナノチューブ(A−1)50部を34.5部に変更する以外は比較例1と同様にして、比較用熱電変換材料(Y’−3)を作成した。
熱電変換材料(Y−1、2)及び比較用熱電変換材料(Y’−1)について、それぞれ透過型電子顕微鏡観察用試料を作製し、拡大観察してランダムに選択した任意のカーボンナノチューブ100本の繊維長及び繊維径を測定し、その平均値をそれぞれ数平均繊維長及び数平均繊維径として表1に記載した。また、繊維長の変動係数を表1に記載した。なお、視野からはみ出しており、繊維長及び繊維径が特定できないものについては測定を行わなかった。
熱電変換材料(Y−1)〜(Y−2)及び比較用熱電変換材料(Y’−1)を120℃に過熱溶融し、それぞれ耐熱紙(製品名「セラミックペーパー」、太陽金網社製)の上に塗布して熱電変換部を形成し、更に導電性高分子分散液(製品名「デナトロンP−502RG」、ヘレウス社製)を塗布することで線状導電性部を形成して熱電変換部同士を接続し、末端に電極として銅線(製品名「C1100W銅線」、志摩鋼業製)を取り付けて図2に示す熱電変換素子を作製した。
作成した熱電変換素子について、下記の方法で熱起電力とゼーベック係数を測定し、その結果を表1に記載した。
熱電変換部材(熱電変換素子)のゼーベック係数を、ナノボルトメーター(2182型ナノボルトメーター、Keithley社製)を接続した熱電変換素子を300Kの環境下に置き、一辺のみを310Kに加熱することにより発生する熱起電力△Vを測定し、ゼーベック係数α=△V/△Tを算出した。
ゼーベック係数はその値が大きいほど熱電変換材料としての性能がよいことを表す。ここで、Tは絶対温度である。
T2:耐圧受け槽
B1:二酸化炭素ボンベ
P1:溶液ポンプ
P2:二酸化炭素ポンプ
M1:スタティックミキサー(反応用耐圧容器)
V1:バルブ
S1:熱電変換素子
S2:熱電変換部(熱電変換材料)
S3:線状導電性部
S4:柔軟性材料
S5:電極
S6:接点
S7:配線
Claims (5)
- カーボンナノチューブ(A)が熱可塑性樹脂(B)中に分散されてなり、更に無機粒子(C1)及び/又は有機粒子(C2)を含有し、以下の(1)〜(3)の全てを満たす熱電変換材料であって、前記無機粒子(C1)及び有機粒子(C2)が体積平均粒子径が5〜100nmであって、前記無機粒子(C1)が、フラーレンからなる粒子、シリコンからなる粒子、ゲルマニウムからなる粒子、セレンからなる粒子、酸化亜鉛からなる粒子、酸化スズからなる粒子、酸化インジウムからなる粒子、酸化鉄からなる粒子、酸化コバルトからなる粒子、酸化マンガンからなる粒子、酸化ニッケルからなる粒子、酸化クロムからなる粒子、酸化ベリリウムからなる粒子、酸化ガリウムからなる粒子、酸化ウランからなる粒子、酸化鉛からなる粒子、酸化銀からなる粒子、酸化銅からなる粒子、酸化バナジウムからなる粒子、セレン化カドミウムからなる粒子、硫化カドミウムからなる粒子、セレン化亜鉛からなる粒子、硫化亜鉛からなる粒子、硫化鉄からなる粒子、炭化珪素からなる粒子、シリコンゲルマニウムからなる粒子、ヒ化ガリウムからなる粒子、リン化インジウムからなる粒子、及び窒化ガリウムからなる粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、
前記有機粒子(C2)が、アントラセンからなる粒子、ポリチオフェンからなる粒子、ポリアセチレンからなる粒子、ポリピロールからなる粒子、ポリアニリンからなる粒子、電荷移動錯体(TCNQ錯体)からなる粒子、前記無機粒子(C1)を内包するデンドリマーからなる粒子、及び前記無機粒子(C1)を内包するタンパク質からなる粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である熱電変換材料:
(1)熱可塑性樹脂(B)に分散しているカーボンナノチューブ(A)の数平均繊維長が50〜1000μmである;
(2)熱可塑性樹脂(B)の25℃での体積固有抵抗値が1×10 12 〜1×10 16 Ω・mである;
(3)カーボンナノチューブ(A)の含有量がカーボンナノチューブ(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計重量に基づいて0.1〜20重量%である。 - カーボンナノチューブ(A)の熱伝導率が500〜3000W/mKである請求項1に記載の熱電変換材料。
- 前記無機粒子(C1)が、酸化コバルトからなる粒子、酸化マンガンからなる粒子、及びセレン化亜鉛からなる粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、
前記有機粒子(C2)が、前記無機粒子(C1)を内包するデンドリマーからなる粒子、及び前記無機粒子(C1)を内包するタンパク質からなる粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の熱電変換材料。 - 無機粒子(C1)及び有機粒子(C2)の合計含有量がカーボンナノチューブ(A)の重量に基づいて5〜20重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換材料の製造方法であって、液体状態、亜臨界状態又は超臨界状態である二酸化炭素、カーボンナノチューブ(A)及び熱可塑性樹脂(B)を含む混合物(X)を体積膨張させる工程を含むことを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
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