JP6729610B2 - シュート - Google Patents
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Description
特許文献1のシュートは、上端開口からなる送入領域を通じて自由落下してきた全ての焼結材料を、一旦、第1の支持装置で受け、第1の支持装置の面上で焼結材料の流れを集束させた後に第2の支持装置に向けて焼結材料を自由落下させ、第2の支持装置の面上を移動する間に第2の支持装置の幅方向に焼結材料を拡散させてから、焼結材料を下方に自由落下させて、直下に位置する焼結クーラーに供給する。特許文献1には、シュート内で原料の流れを収束させる第1の支持装置(集束装置)と、その後拡散する第2の支持装置(拡散装置)によって、焼結材料に均一な分布を与えて排出することが出来ると記載されている。
また、特許文献1に記載のシュートは、シュート内を自由落下する全ての材料を第1の支持装置及び第2の支持装置にぶつけることで、材料の流れの集束及び拡散を行うものであって、斜めの傾斜面に沿って案内されかつ途中に材料の移動方向を変えて、原料の供給方向と排出方向が異なる構造のシュートへの適用についてなんら考慮されていない。なお、特許文献1のシュートでは、縦孔が案内路に相当する。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、案内路に沿って案内される原料の移動方向が変更されても、簡易な構成で、原料の幅方向分布を均一化して排出可能なシュートを提供することを目的としている。
本実施形態では、図1に示す概略図のように、焼結機1から排出された高温の焼結鉱を破砕機3で破砕してなる粒状の焼結鉱が、シュート4に供給される原料10の場合であり、その焼結鉱からなる粒状体の原料10を冷却設備2(焼結クーラー)に供給するために使用されるシュート4を例にして説明する。なお、破砕機3で破砕された焼結材料は、そのまま若しくは不図示のコンベアを介して、シュート4の供給口15に供給される。
原料10(焼結材料)は、破砕されることで粒径が不揃いな粒状体の集合体となってシュート4に供給される。また、図1に示すように、シュート4は、冷却設備2の円環部の外径方向から原料10がシュート4に投入され、円環部の移動方向(円周方向)に向けて原料10を排出するように構成されている。このため、原料10の供給方向とシュート4からの原料10の排出方向が異なるように設計される。
排出側案内路12は、平面視、供給側案内路11の延在方向と交差する方向に延在している。排出側案内路12は、底面12Aが延在方向に沿って斜めに傾斜した傾斜面からなり、原料10は、その排出側案内路12の傾斜面に沿って重力によって移動して、排出口16から排出される。Y2が原料10の移動方向である。
ここで、本実施形態では、平面視において、供給側案内路11の延在方向と排出側案内路12の延在方向とが直交しているとする。本発明は、平面視における、供給側案内路11の延在方向から排出側案内路12への延在方向の変更角度(交差角度)が60度以上120度以下の場合に好適であり、80度以上100度以下がより好適である。
上記構成のシュート構造において、本実施形態では、整流構造体20及びストーンボックスを有する。もっともストーンボックスを設けなくても良い。
整流構造体20は、図5に示すように、平面視において、案内路の幅方向内周側INの端から案内路の幅の1/3以上1/2以下の範囲を覆うように配置されている。その整流構造体20の上面(原料10と当接する面)は、図6に示すように、幅方向外周側OUTが下側となるように傾斜した面になっている。案内路幅方向への傾斜角度(幅方向内周側INから幅方向外周側OUTへの傾斜角度)は、原料10が滞留することなく原料10が傾斜に沿って移動出来る、例えば安息角よりも大きな傾斜角が好ましい。例えば、排出側案内路12の底面12Aの傾斜角と等しいか、やや小さい角度とする。
また、整流構造体20の上面(原料10と当接する面)は、図7に示すように、供給側案内路11側が下側となるように傾斜した面になっていることが好ましい。この傾斜角度は、原料10が傾斜に沿って移動出来る傾斜角、例えば安息角より大きな傾斜角度があればよい。
上記のシュート4は、整流構造体20を設けない場合、供給側案内路11での原料10の幅方向分布が均一であっても、原料10の移動方向が変化する際に、供給側案内路11の案内方向(搬送方向)に向かう慣性力により、排出側案内路12において、原料10の幅方向での粒径分布や層厚分布が不均一となる。
すなわち、発明者らが検討したところ、原料供給方向と排出方向が交差する方向に設定された上記のシュート4においては、少なくとも下記の2つの課題があった。
(課題2)原料10の慣性によって、小径の粒子に対し大径の粒子が供給側から距離が遠い方に多く流れる傾向がある。
課題1は、層厚分布の不均一化に繋がり、課題2は幅方向の粒径分布の不均一化に繋がる。
そして、原料10の幅方向の粒径分布や層厚分布の不均一の状態で、冷却設備2に原料10が投入されると、冷却設備2において、幅方向(径方向)のガスの通気差が生じる。この場合、熱交換や反応の多寡が生じることにより熱交換・反応効率が低下し、生産率の低下あるいは品質の不合格の原料10が発生するおそれがある。
また、供給側案内路11の幅方向内周側INを移動する原料10は、排出側案内路12の途中位置若しくは下流側に落下するため、特にその傾向が強くなる。
その理由について説明する。
供給側案内路11の幅方向内周側INを流れる原料10は、図5に示すように、整流構造体20によって、直接、排出側案内路12に落下することが抑制され、原料10の移動方向が、原料排出方向とは反対側である幅方向外周側OUTに誘導される。この結果、整流構造体20によって、供給側案内路11の幅方向内周側INを流れる原料10は、排出側案内路12の上流側に搬送されることとなる。
この結果、排出側案内路12の底面12Aに載る原料10の幅方向の粒径分布や層厚分布が均一化する。
ここで、整流構造体20が、平面視において、案内路の幅方向内周側INの端から案内路の幅の1/3以上1/2以下の範囲を覆うように配置することが好ましい。整流構造体20の傾斜にもよるが、案内路の幅の1/2よりも多く覆うと、シュート4の詰まりが発生しやすくなるおそれがある。一方、案内路の幅の1/3以上を覆うように整流構造体20を配置することで、確実に原料10の幅方向の粒径分布や層厚分布の均一化が確保できたためである。
また、供給側案内路11の底面11A、12Aに階段状の凹凸を形成してストーンボックスを形成することで、供給される原料10から案内路の底面11A、12Aが受ける衝撃が緩和される。
また底面11A、12Aを斜面とすることで、鉛直方向自由落下させる場合に比べて、各原料10の慣性を緩和することが出来る。
図8に整流構造体20を設けない場合における、シュート4から排出される原料10の幅方向分布の例を示す。これに対し、整流構造体20を設けることで、破線で囲んだ部分が幅方向内周側INに移動することを確認した。また、粒径についても、整流構造体20を設けることで、幅方向分布が平均化したことも確認した。
2 冷却設備(焼結クーラー)
3 破砕機
4 シュート
10 原料
11 供給側案内路
11A 底面
11a 凹凸
12 排出側案内路
12A 底面
13 方向転換部
15 供給口
16 排出口
20 整流構造体
IN 幅方向内周側
OUT 幅方向外周側
Claims (6)
- 原料を案内路の底面に沿って下方に案内し、その案内路の途中に形成された方向転換部で原料の移動方向を変更するシュートであって、
上記案内路の幅方向において、上記方向転換部の上記案内路の延在方向に沿った移動距離が長い側を幅方向外周側、その移動距離が短い側を幅方向内周側と定義した場合、
上記方向転換部の位置に、幅方向内周側を移動する原料を幅方向外周側に誘導する整流構造体を設けたことを特徴とするシュート。 - 上記整流構造体は、設置する位置の案内路における、幅方向内周側の端から案内路の幅の1/3以上1/2以下の位置を移動する原料を、幅方向外周側に誘導することを特徴とする請求項1に記載したシュート。
- 上記整流構造体における上記原料に当接する面は、上記幅方向外周側が下側となるように傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したシュート。
- 上記整流構造体における上記原料に当接する面は、原料の移動方向上流側が下側となるように傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したシュート。
- 上記整流構造体の配置位置よりも上流側の案内路の底面には、延在方向に沿って凹凸が形成され、その凹凸は原料の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したシュート。
- 上記原料は、焼結機から排出された焼結鉱を破砕機で破砕した粒状の焼結鉱であり、その焼結鉱を冷却設備に供給するために使用されるシュートであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したシュート。
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