以下、本技術を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.本技術で伝送する映像信号の例
2.信号伝送システムの構成例
3.第1の実施の形態(8Kの48P−60Pの映像信号を伝送する第1の例)
4.第2の実施の形態(8Kの48P−60Pの映像信号を伝送する第2の例)
5.第3の実施の形態(8Kの48P−60Pの映像信号を伝送する第3の例)
6.第4の実施の形態(8Kの96P−120Pの映像信号を伝送する例)
7.第5の実施の形態(4Kの48P−60PのRAW信号を伝送する例)
8.第6の実施の形態(4Kの96P−120PのRAW信号を伝送する例)
9.第7の実施の形態(8Kの50P−60Pの映像信号を伝送する例)
10.第8の実施の形態(8Kの100P−120Pの映像信号を伝送する例)
11.変形例
<1.本技術で伝送する映像信号の例>
まず、本技術の実施の形態について説明する前に、本技術で伝送する映像信号の例について説明する。
本技術では、例えば、有効画素領域が7680サンプル×4320ライン(UHDTV2)又は8192サンプル×4320ライン等の、水平方向のサンプル数が8000サンプル前後、垂直方向のライン数が4000ライン前後の8Kの映像信号の伝送が行われる。また、例えば、有効画素領域が3840サンプル×2160ライン(UHDTV1)又は4096サンプル×2160ライン等の水平方向のサンプル数が4000サンプル前後、垂直方向のライン数が2000ライン前後の4Kの映像信号の伝送が行われる。
なお、以下、8Kの映像信号を8K信号とも称し、4Kの映像信号を4K信号とも称する。
図2は、8K信号の1フレームの画素の構成例を示している。この映像信号の中央の有効画素領域の周囲には、水平方向並びに垂直方向に数サンプルから数十サンプルの信号処理用余剰画素領域が設けられている。信号処理用余剰画素領域の画素サンプルは、例えば、有効画素領域の傷補正等々の用途に使用される。
なお、以下、信号処理用余剰画素を単に余剰画素とも称し、信号処理用余剰画素領域を単に余剰画素領域とも称する。
図3は、8K信号又は4K信号のサンプル構造の例を示している。例えば、8K信号又は4K信号のサンプル構造には、以下の3種類がある。なお、R′G′B′のように、ダッシュ「′」をつけた信号は、ガンマ補正などが施された信号を示す。
図3のAは、R′G′B′,Y′Cb′Cr′ 4:4:4システムの例である。このシステムでは、全サンプルにRGB又はYCbCrのコンポーネントが含まれる。
図3のBは、Y′Cb′Cr′ 4:2:2システムの例である。このシステムでは、偶数サンプルにYCbCr、奇数サンプルにYのコンポーネントが含まれる。
図3のCは、Y′Cb′Cr′ 4:2:0システムの例である。このシステムでは、偶数ラインの偶数サンプルにYCbCr、偶数ラインの奇数サンプル及び奇数ラインの全サンプルにYのコンポーネントが含まれる。
なお、以下、映像信号のフォーマットを、m×n/a−b/r:g:b/10ビット,12ビットのように表す。m×nは、有効画素領域の水平方向のサンプル数(画素数)×垂直方向のライン数を表す。a−bは、1秒当りのフレーム数(フレームレート)を表す。r:g:bは、所定の信号伝送方式である場合における信号比率を表す。例えば、原色信号伝送方式である場合、r:g:bは、赤信号R:緑信号G:青信号Bの比率を表し、色差信号伝送方式である場合、r:g:bは、輝度信号Y:第1色差信号Cb:第2色差信号Crの比率を表す。なお、以下、映像信号のフォーマットを、m×n/a−b信号等により略記する場合がある。
また、以下、プログレッシブ信号のフレームレートを表す50P,59.94P,60Pを、「50P−60P」、47.95P,48P,50P,59.94P,60Pを「48P−60P」と略記する。さらに、100P,119.88P,120Pを、「100P−120P」と略記し、95.9P,96P,100P,119.88P,120Pを、「96P−120P」と略記する。また、インターレース信号のフレームレートを表す50I,59.94I,60Iを、「50I−60I」、47.95I,48I,50I,59.94I,60Iを、「48I−60I」と略記する。
さらに、以下、HD−SDIフォーマットで規定されたデータストリームをHD−SDIのデータストリーム又は単にHD−SDIと略記する場合がある。また、以下、3G−SDIフォーマットで規定されたデータストリームを3G−SDIのデータストリーム又は単に3G−SDIと略記する場合がある。
<2.信号伝送システムの構成例>
次に、図4を参照して、後述する本技術の第1乃至第8の実施の形態において共通に用いられる信号伝送システム1の構成例について説明する。
信号伝送システム1は、n台の放送用カメラ11−1乃至11−n及びCCU(カメラコントロールユニット)12を含むように構成される。放送用カメラ11−1乃至11−nは、それぞれ光ファイバケーブル13−1乃至13−nを介してCCU12に接続されている。
なお、以下、放送用カメラ11−1乃至11−nを個々に区別する必要がない場合、単に、放送用カメラ11と称する。また、以下、光ファイバケーブル13−1乃至13−nを個々に区別する必要がない場合、単に、光ファイバケーブル13と称する。
放送用カメラ11は、映像信号を100GbE用デバイス(例えば、光モジュール等)により送信する信号送信方法を適用した信号送信装置として用いられる。また、CCU12は、映像信号を100GbE用デバイスにより受信する信号受信方法を適用した信号受信装置として用いられる。そして、放送用カメラ11とCCU12を組み合わせた信号伝送システム1は、映像信号を100GbE用デバイスにより送受信する信号伝送システムとして用いられる。
各放送用カメラ11は、撮影の結果得られる映像信号を、光ファイバケーブル13を介してCCU12に送信する。
CCU12は、各放送用カメラ11を制御したり、各放送用カメラ11から映像信号を受信したり、各放送用カメラ11のモニタに他の放送用カメラ11で撮影中の映像を表示させるための映像信号(リターンビデオ)を送信したりする。
<3.第1の実施の形態>
次に、図5乃至図24を参照して、本技術の第1の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、100GbE用デバイスを用いて48P−60Pの8K信号の伝送が行われる。この48P−60Pの8K信号には、7680×4320/50P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、7680×4320/50P−60P/4:2:2/12ビット、8192×4320/48P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、及び、8192×4320/48P−60P/4:2:2/12ビットの映像信号が含まれる。
{放送用カメラ11aの構成例}
図5は、第1の実施の形態における放送用カメラ11の実施の形態である放送用カメラ11aの機能の構成例を示すブロック図である。放送用カメラ11aは、撮像素子101、信号処理部102、及び、送信制御部103を含むように構成される。
撮像素子101は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等により構成される。撮像素子101は、撮影の結果得られる映像信号を信号処理部102のマッピング部111に供給する。この映像信号は、例えば、7680×4320/50P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、7680×4320/50P−60P/4:2:2/12ビット、8192×4320/48P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、又は、8192×4320/48P−60P/4:2:2/12ビットの映像信号である。
信号処理部102は、撮像素子101から供給される映像信号を100GbE用デバイスにより伝送可能な方式のデータストリームに多重し、生成したデータストリームを送信制御部103に供給する。信号処理部102は、マッピング部111及び多重部112−1乃至112−4を含むように構成される。
マッピング部111は、後述するように、撮像素子101から供給される映像信号をマッピングした64チャンネルのHD−SDIを生成する。そして、マッピング部111は、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重部112−1に供給し、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重部112−2に供給する。また、マッピング部111は、チャンネル33乃至48のHD−SDIを多重部112−3に供給し、チャンネル49乃至64のHD−SDIを多重部112−4に供給する。
多重部112−1乃至112−4は、後述するように、それぞれマッピング部111から供給される16チャンネルのHD−SDIのチャンネルコーディング(例えば、スクランブル又は8B/10B変換等の信号処理)を行い、多重化する。これにより、電気インタフェース規格であるCAUI-4やOIF(Optical Internetworking Forum) CEI-28Gの規定に適合するビットレートが25Gbps乃至28.3Gbpsの範囲内のデータストリーム(以下、伝送用データストリームと称する)が生成される。多重部112−1乃至112−4は、それぞれ生成した伝送用データストリームを送信制御部103に供給する。
なお、以下、多重部112−1乃至112−4を個々に区別する必要がない場合、単に多重部112と称する。
送信制御部103は、伝送用データストリームのCCU12aへの送信を制御する。
{多重部112の構成例}
図6は、多重部112の機能の構成例を示すブロック図である。
多重部112は、スクランブル部131−1乃至131−8、8B/10B変換部132−1乃至132−8、データストリーム生成部133、及び、パラレル/シリアル(P/S)変換部134を含むように構成される。スクランブル部131−i(i=1乃至8)は、受信部141−i、TRS検出部142−i、RAM143−i、及び、スクランブラ144−iをそれぞれ含む。8B/10B変換部132−i(i=1乃至8)は、受信部151−i、TRS検出部152−i、RAM153−i、及び、8B/10Bエンコーダ154−iをそれぞれ含む。
多重部112に入力される16チャンネルのHD−SDIのうち、奇数チャンネルのHD−SDIがスクランブル部131−1乃至131−8にそれぞれ入力され、偶数チャンネルのHD−SDIが8B/10B変換部132−1乃至132−8にそれぞれ入力される。
そして、スクランブル部131−1の受信部141−1は、入力されたHD−SDIのS/P変換及びデスクランブルを行い、TRS検出部142−1に供給する。また、受信部141−1は、HD−SDIに重畳されているクロック信号の再生を行い、スクランブル部131−1の各部に供給する。
TRS検出部142−1は、HD−SDIに含まれるSAV(Start of Active Video)及びEAV(End of Active Video)を検出し、HD−SDIのワード同期を取る。そして、TRS検出部142−1は、HD−SDIのSAVの先頭から順に所定のビット(例えば、40ビット)単位でデータを抽出し、RAM143−1に記憶させる。
スクランブラ144−1は、所定のビット(例えば、40ビット)のブロック単位でRAM143−1からデータを読み出し、読み出したデータのスクランブルを行うとともに、スクランブル後の一部のデータブロックの極性を反転する。そして、スクランブラ144−1は、スクランブル後のデータブロックをデータストリーム生成部133に供給する。
スクランブル部131−2乃至131−8も、それぞれ入力されたHD−SDIに対してスクランブル部131−1と同様の処理を行う。
また、8B/10B変換部132−1の受信部151−1は、受信部141−1と同様に、入力されたHD−SDIのS/P変換及びデスクランブルを行い、TRS検出部152−1に供給する。また、受信部151−1は、HD−SDIに重畳されているクロック信号の再生を行い、8B/10B変換部132−1の各部に供給する。
TRS検出部152−1は、HD−SDIに含まれるSAV及びEAVを検出し、HD−SDIのワード同期を取る。そして、TRS検出部152−1は、HD−SDIのSAVの先頭から順に所定のビット(例えば、40ビット)単位でデータを抽出し、RAM153−1に記憶させる。
8B/10Bエンコーダ154−1は、所定のビット(例えば、32ビット)のブロック単位でRAM153−1からデータを読み出し、読み出したデータの8B/10B変換を行う。8B/10Bエンコーダ154−1は、8B/10B変換後のデータブロックをデータストリーム生成部133に供給する。
8B/10B変換部132−2乃至132−8も、それぞれ入力されたHD−SDIに対して、8B/10B変換部132−1と同様の処理を行う。
なお、以下、スクランブル部131−1乃至131−8、及び、8B/10B変換部132−1乃至132−8を個々に区別する必要がない場合、単に、スクランブル部131、及び、8B/10B変換部132と称する。さらに、以下、受信部141−1乃至141−8、TRS検出部142−1乃至142−8、RAM143−1乃至143−8、及び、スクランブラ144−1乃至144−8を個々に区別する必要がない場合、単に受信部141、TRS検出部142、RAM143、及び、スクランブラ144と称する。また、以下、受信部151−1乃至151−8、TRS検出部152−1乃至152−8、RAM153−1乃至153−8、及び、8B/10Bエンコーダ154−1乃至154−8を個々に区別する必要がない場合、単に受信部151、TRS検出部152、RAM153、及び、8B/10Bエンコーダ154と称する。
データストリーム生成部133は、スクランブラ144及び8B/10Bエンコーダ154から供給されるデータブロックを所定の順序で多重化することにより、所定のワード長のパラレルの伝送用データストリームを生成する。データストリーム生成部133は、生成した伝送用データストリームをP/S変換部134に供給する。
P/S変換部134は、データストリーム生成部133から供給される伝送用データストリームのパラレル/シリアル変換(P/S変換)を行い、変換後のシリアルの伝送用データストリームを送信制御部103に供給する。
なお、スクランブル部131及び8B/10B変換部132は、148.5MHzのクロック信号に同期して処理を行う。一方、データストリーム生成部133及びP/S変換部134は、167.0625MHzのクロック信号に同期して処理を行う。
{データストリーム生成部133の構成例}
図7は、データストリーム生成部133の機能の構成例を示すブロック図である。
データストリーム生成部133は、バッファ171、スタッフィングデータ出力部172、及び、ワード同期信号出力部173を含むように構成される。
バッファ171は、スクランブラ144及び8B/10Bエンコーダ154から供給されるデータブロックから、所定のワード長のパラレルデータを生成し、P/S変換部134に出力する。
スタッフィングデータ出力部172は、伝送用データストリームのビットレートを調整するためのスタッフィングデータを生成し、P/S変換部134に出力する。
ワード同期信号出力部173は、伝送用データストリームの同期に用いるワード同期信号を生成し、P/S変換部134に出力する。
なお、後述するように、データストリーム生成部133(のバッファ171)には、実質的にビットレートが160ビット×148.5MHzのデータストリームが供給される。そして、データストリーム生成部133は、ビットレートが160ビット×167.0625MHzのデータストリームに変換する。
{CCU12aの構成例}
図8は、第1の実施の形態におけるCCU12の実施の形態であるCCU12aの機能の構成例を示すブロック図である。
CCU12aは、受信制御部201、信号処理部202及び映像処理部203を含むように構成される。また、信号処理部202は、S/P変換・クロック再生部211、ワード同期検出・データストリーム再生部212、及び、映像再生部213を含むように構成される。
受信制御部201は、各放送用カメラ11からの伝送用データストリームの受信を制御する。受信制御部201は、受信した伝送用データストリームを信号処理部202のS/P変換・クロック再生部211に供給する。
S/P変換・クロック再生部211は、伝送用データストリームをシリアル/パラレル変換(S/P変換)し、ワード同期検出・データストリーム再生部212に供給する。また、S/P変換・クロック再生部211は、伝送用データストリームに重畳されているクロック信号の再生を行い、信号処理部202の各部に供給する。
ワード同期検出・データストリーム再生部212は、S/P変換された伝送用データストリームからワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。また、ワード同期検出・データストリーム再生部212は、放送用カメラ11aの多重部112と逆の処理により、伝送用データストリームから64チャンネルのHD−SDIのデータストリームを再生し、映像再生部213に供給する。
映像再生部213は、放送用カメラ11aのマッピング部111と逆の処理により、64チャンネルのHD−SDIから元の8K信号を再生し、映像処理部203に供給する。
映像処理部203は、映像信号に対する各種の処理を行う装置により構成され、映像再生部213から供給される映像信号(8K信号)に対して所定の処理を行う。例えば、映像処理部203は、映像信号に基づく映像を表示するディスプレイ、映像信号を記憶する記憶装置等により構成される。
{放送用カメラ11の送信制御部103とCCU12の受信制御部201の間の具体的な構成例}
図9は、放送用カメラ11の送信制御部103とCCU12の受信制御部201の間の具体的な構成例を示している。
送信制御部103には、光モジュール251S−1,251S−2が設けられている。また、受信制御部201には、光モジュール251R−1,251R−2が設けられている。光モジュール251S−1乃至251R−2には、例えば、CFP−2又はCFP−4の仕様に準拠した光モジュールが用いられる。また、光ファイバケーブル13には、例えば、SMPTE311に準拠した光ケーブルが用いられる。光ファイバケーブル13内には、2本の光ファイバ271−1,271−2が設けられている。
そして、光モジュール251S−1の光送信端子(TX)と光モジュール251R−1の光受信端子(RX)は、光サーキュレータ261S、光ファイバ271−1、及び、光サーキュレータ261Rを介して接続されている。光モジュール251S−1の光受信端子(RX)と光モジュール251R−1の光送信端子(TX)は、光サーキュレータ261S、光ファイバ271−1、及び、光サーキュレータ261Rを介して接続されている。光モジュール251S−2の光送信端子(TX)と光モジュール251R−2の光受信端子(RX)は、光ファイバ271−2を介して接続されている。
光ファイバ271−1及び光ファイバ271−2は、IEEE802.3ba−2010の規定に従って、1.3μm帯の波長の信号を4多重して伝送することができる。すなわち、一度に4レーンの映像信号を多重して伝送することができる。
また、光ファイバ271−1の両端に光サーキュレータ261S,261Rをそれぞれ接続することにより、1本の光ファイバ271−1を介して、放送用カメラ11からCCU12及びCCU12から放送用カメラ11への双方向の信号の伝送が可能になる。これにより、例えば、放送用カメラ11は、CCU12からのリターン信号にロックして動作することにより、大容量の映像信号を光伝送することが可能になる。
なお、一般的にCCU12からのリターン信号の伝送容量は小さいため、CCU12から放送用カメラ11への伝送経路は、光ファイバ271−1のみで十分である。従って、光ファイバ271−2は、光サーキュレータに接続されずに、放送用カメラ11からCCU12への方向の信号の伝送のみに用いられる。
{第1の実施の形態における映像信号送信処理}
次に、図10のフローチャートを参照して、第1の実施の形態において放送用カメラ11aにより実行される映像信号送信処理について説明する。
ステップS1において、信号処理部102のマッピング部111は、映像信号をHD−SDIのデータストリームにマッピングする。具体的には、マッピング部111は、8K信号を64チャンネルのHD−SDIにマッピングする。ここで、8K信号を64チャンネルのHD−SDIにマッピングする方法の具体例について説明する。
まず、マッピング部111は、SMPTE2036−3の図4等の規定に従って、8K信号の画素サンプルを第1乃至第4の4K信号にマッピングする。具体的には、マッピング部111は、図11及び図12に示されるように、8K信号から、余剰画素領域も含めて1ライン置きに各ラインの隣り合う2つの画素サンプルのペアを1つ置きに間引いて、第1乃至第4の4K信号にマッピングする。
なお、以下、8K信号及び4K信号の有効画素領域のサンプル番号及びライン番号は0からスタートするものとする。従って、8K信号の有効画素領域には、0サンプルから7679サンプル又は8191サンプルまでの合計7680サンプル又は8192サンプルからなるラインが、0ラインから4319ラインまでの合計4320ライン存在する。また、4K信号の有効画素領域には、0サンプルから3839サンプル又は4095サンプルまでの合計3840サンプル又は4096サンプルからなるラインが、0ラインから2159ラインまでの合計2160ライン存在する。
また、以下、8K信号及び4K信号の第0ライン、第2ライン、第4ライン、・・・を偶数ラインとし、第1ライン、第3ライン、第5ライン、・・・を奇数ラインとする。
そして、例えば、8K信号の有効画素領域が7680サンプルである場合、8K信号の有効画素領域の偶数ラインである第2iライン(i=0乃至2159)の第4jサンプル及び第4j+1サンプル(j=0乃至1919)の画素サンプルが、第1の4K信号の有効画素領域の第iラインの第2jサンプル及び第2j+1サンプルにマッピングされる。従って、第1の4K信号の有効画素領域は、8K信号の有効画素領域の偶数ラインの第4jサンプル及び第4j+1サンプルの画素サンプルを間引いて、元の順序のまま並べた映像信号となる。
8K信号の有効画素領域の偶数ラインである第2iライン(i=0乃至2159)の第4j+2サンプル及び第4j+3サンプル(j=0乃至1919)の画素サンプルが、第2の4K信号の有効画素領域の第iラインの第2jサンプル及び第2j+1サンプルにマッピングされる。従って、第2の4Kの有効画素領域は、8K信号の有効画素領域の偶数ラインの第4j+2サンプル及び第4j+3サンプルの画素サンプルを間引いて、元の順序のまま並べた映像信号となる。
8K信号の有効画素領域の奇数ラインである第2i+1ライン(i=0乃至2159)の第4jサンプル及び第4j+1サンプル(j=0乃至1919)の画素サンプルが、第3の4K信号の有効画素領域の第iラインの第2jサンプル及び第2j+1サンプルにマッピングされる。従って、第3の4K信号の有効画素領域は、8K信号の有効画素領域の奇数ラインの第4jサンプル及び第4j+1サンプルの画素サンプルを間引いて、元の順序のまま並べた映像信号となる。
8K信号の有効画素領域の奇数ラインである第2i+1ライン(i=0乃至2159)の第4j+2サンプル及び第4j+3サンプル(j=0乃至1919)の画素サンプルが、第4の4K信号の有効画素領域の第iラインの第2jサンプル及び第2j+1サンプルにマッピングされる。従って、第4の4K信号の有効画素領域は、8K信号の有効画素領域の奇数ラインの第4j+2サンプル及び第4j+3サンプルの画素サンプルを間引いて、元の順序のまま並べた映像信号となる。
なお、例えば、8K信号の有効画素領域が8192サンプルである場合も同様の方法により、8K信号の有効画素領域の画素サンプルが、第1乃至第4の4K信号にマッピングされる。
また、8K信号の余剰画素領域についても、有効画素領域と同様の方法により、第1乃至第4の4K信号の余剰画素領域にマッピングされる。従って、第1乃至第4の4K信号の有効画素領域の周囲にも、8K信号と同様に、水平画素方向並びに垂直画素方向に数サンプルから数十サンプルの信号処理用余剰画素領域が設けられる。
次に、マッピング部111は、第1乃至第4の4K信号を、それぞれ第1乃至第4のサブイメージにマッピングする。例えば、マッピング部111は、図13に示されるように、SMPTE2036−3の図1等に規定される方式に従って、第1の4K信号を2サンプルインタリーブにより間引くことにより、4チャンネルの2K信号を生成する。換言すれば、マッピング部111は、第1の4K信号の画素サンプルを2ライン間隔で各ラインの隣り合う2つの画素サンプルのペアを1つ置きに間引いて、第1乃至第4のサブイメージにマッピングする。
例えば、第1の4K信号の有効画素領域が3840サンプルの場合、第1乃至第4のサブイメージの第1の4K信号の有効画素領域の第2iライン(i=0乃至1079)の第4jサンプル及び第4j+1サンプル(j=0乃至959)の画素サンプルが、第1のサブイメージの映像データ領域の第i+42ラインの第jサンプル及び第j+1サンプルにマッピングされる。
第1の4K信号の有効画素領域の第2iライン(i=0乃至1079)の第4j+2サンプル及び第4j+3サンプル(j=0乃至959)の画素サンプルが、第2のサブイメージの映像データ領域の第i+42ラインの第jサンプル及び第j+1サンプルにマッピングされる。
第1の4K信号の有効画素領域の第2i+1ライン(i=0乃至1079)の第4jサンプル及び第4j+1サンプル(j=0乃至959)の画素サンプルが、第3のサブイメージの映像データ領域の第i+42ラインの第jサンプル及び第j+1サンプルにマッピングされる。
第1の4K信号の有効画素領域の第2i+1ライン(i=0乃至1079)の第4j+2サンプル及び第4j+3サンプル(j=0乃至959)の画素サンプルが、第4のサブイメージの映像データ領域の第i+42ラインの第jサンプル及び第j+1サンプルにマッピングされる。
また、第1乃至第4のサブイメージの水平方向の第1920サンプルから所定のサンプル数の領域にEAV領域が配置される。例えば、60P信号の場合には、第1乃至第4のサブイメージの水平方向のEAV領域の後の第2199サンプルまでの領域にHANCデータ領域(以下、水平補助データ領域又は水平ブランキング期間とも称する)が配置される。第1乃至第4のサブイメージの水平方向の第2196サンプルから所定のサンプル数の領域にSAV領域が配置される。
そして、第1の4K信号の余剰画素領域の画素サンプルが、有効画素領域の画素サンプルと同様にして、第1乃至第4のサブイメージにマッピングされる。このとき、第1の4K信号の余剰画素領域のうち、水平方向が有効画素領域の範囲内(第0サンプルから第3839サンプルの範囲内)の画素サンプルは、第1乃至第4のサブイメージの映像データ領域の第1ラインから第41ライン及び第1122ラインから第1125ラインまでの範囲の領域(すなわち、垂直ブランキング領域)にマッピングされる。また、第1の4K信号の余剰画素領域のうち水平方向が有効画素領域の範囲外の画素サンプルは、第1乃至第4のサブイメージの水平補助データ領域にマッピングされる。
第2乃至第4の4K信号も、第1のサブイメージと同様にして、それぞれ第1乃至第4のサブイメージにマッピングされる。
また、例えば、第1乃至第4の4K信号の有効画素領域が4096サンプルである場合も同様の方法により、第1乃至第4の4K信号の画素サンプルが、それぞれ第1乃至第4のサブイメージにマッピングされる。
なお、第1乃至第4の4K信号の有効画素領域が4096サンプルである場合、第1乃至第4のサブイメージの映像データ領域は、第0サンプルから第2047サンプルまでの範囲となる。そして、第2048サンプル以降にEAV領域、水平補助データ領域、及び、SAV領域が配置される。
次に、マッピング部111は、図14に示されるように、第1乃至第4のサブイメージのライン間引き及びワード間引きを行う。
例えば、まず、マッピング部111は、SMPTE372の図2等に規定される方式に従って、第1乃至第4のサブイメージをそれぞれ1ライン置きに間引く。これにより、48P−60Pのプログレッシブの映像信号である各サブイメージが、チャンネル1とチャンネル2の2チャンネルの48I−60Iのインターレースの映像信号に変換される。例えば、図14に示されるように、第1乃至第4のサブイメージが1920×1080/60Pの映像信号である場合、それぞれチャンネル1とチャンネル2の1920×1080/60Iの映像信号に変換される。
次に、マッピング部111は、SMPTE372の図4等に規定される方式に従って、生成した各インターレースの映像信号をワード毎に間引く。例えば、マッピング部111は、SMPTE372の図3,5,7,8,9と同じ方式でワード間引きを行う。これにより、各インターレースの映像信号が、それぞれリンクA及びリンクBの2チャンネルのHD−SDI(図14ではベーシックストリームと記載している)にマッピングされる。
図15は、リンクA,BのHD−SDIのデータ構造の例を示す。
図15のAに示すように、リンクAのデータストリームは、1サンプルが20ビットであり、全てのビットがRGBの値を表している。
一方、図15のBに示すように、リンクBのデータストリームも、1サンプルが20ビットであるが、10ビットのR′G′B′n:0−1のうち、ビットナンバー2乃至7の6ビットのみがRGBの値を表している。従って、1サンプル中でRGBの値を表しているビット数は16ビットである。なお、ライン間引きにより生成されたインターレースの映像信号が4:4:4又は4:2:2の10ビット信号である場合、ビットナンバー2乃至7の6ビットには、0などの任意の値が設定される。
以上のように、48P−60Pの8K信号から、第1乃至第4の4K信号が生成され、第1乃至第4の4K信号から、それぞれ16チャンネルのHD−SDIの映像ストリームが生成される。従って、48P−60Pの8K信号から、合計で64チャンネルのHD−SDIが生成される。
このとき、マッピング部111は、各チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域に、補助データや映像信号の左右の(水平方向の)余剰画素を多重する。
具体的には、8K信号用に伝送される補助データのうち大容量のものに、オーディオ信号がある。例えば、SMPTE2036−2には、24チャンネル(22.2チャンネル)の96kHzサンプリングのオーディオ信号をUHDTV2の映像信号に多重して伝送することが規定されている。また、SMPTE428−2には、シネマ用途として、最大16チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重することが規定されている。
また、SMPTE299−1には、HD−SDI用のオーディオデータパケットのフォーマットが規定されている。SMPTE299−1に規定されるオーディオデータパケットの最小単位は31バイトである。また、1つのオーディオデータパケットに、32kHz、44.1kHz、48kHzサンプリングのオーディオ信号を最大で4チャンネル、96kHzサンプリングのオーディオ信号を最大で2チャンネル多重することができる。さらに、SMPTE299−1には、HD−SDIの水平補助データ領域に、31バイトのオーディオデータパケットを最大で8パケット(=4パケット×2回)多重して伝送することが規定されている。
そして、各チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域に、この31バイトのオーディオデータパケットを含む補助データや、8K信号の余剰画素が多重される。
ここで、図16及び図17を参照して、補助データ及び余剰画素の多重方法の具体例について説明する。
(補助データ及び余剰画素の第1の多重方法)
図16の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第1の多重方法を示している。なお、図16には、マッピング部111から多重部112−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのみ図示しているが、残りのチャンネル17乃至64のHD−SDIについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
具体的には、各チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域内のCチャンネル用の領域及びYチャンネル用の領域に、それぞれ補助データを多重するための所定のサイズの領域(以下、補助データ多重領域と称する)が確保される。例えば、Cチャンネル用の領域に31バイト以上の補助データ領域(以下、補助データ多重領域Cと称する)が確保される。また、例えば、Yチャンネル用の領域にオーディオ制御信号やタイムコードのバイト数以上の補助データ多重領域(以下、補助データ多重領域Yと称する)が確保される。
そして、奇数チャンネルの各HD−SDIの補助データ多重領域Cに、SMPTE299−1の規定に準拠したオーディオデータパケットが多重される。また、奇数チャンネルの各HD−SDIの所定のライン(例えば、SMPTE299−1の図12の第9ライン及び第571ライン)における補助データ多重領域Yに、SMPTE299−1の規定に準拠したオーディオ制御パケットが多重される。さらに、奇数チャンネルの各HD−SDIの所定のラインにおける補助データ多重領域Yに、タイムコード等の補助データが多重される。
なお、後述するように、伝送用データストリームの生成時に、偶数チャンネルのHD−SDIの各ワードの一部のビットが抽出され、8B/10B変換が行われる。従って、偶数チャンネルのHD−SDIに補助データを多重した場合、再生時に補助データを再現できなくなるため、偶数チャンネルのHD−SDIの補助データ多重領域は、空けたたま未使用の状態となる。
このようにして、64チャンネルのHD−SDIに対して、最大で32個のオーディオデータパケットを多重することができる。
ここで、例えば、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/50IのHD−SDIに対して、1ライン当たり平均で約1.71回(=48kHz÷(50Hz÷2)÷1125ライン)サンプリングされる。また、例えば、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/60IのHD−SDIに対して、1ライン当たり平均で約1.42回(=48kHz÷(60Hz÷2)÷1125ライン)サンプリングされる。すなわち、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/50I,60IのHD−SDIに対して、1ライン当たり1回又は2回サンプリングされる。
従って、48kHzサンプリングのオーディオ信号を1920×1125/50I,60IのHD−SDIに多重して伝送する場合、各チャンネルのオーディオ信号を最大で1ラインに2サンプル多重する必要がある。そして、上述したように、32個のオーディオデータパケットを多重することができるので、48kHzサンプリングのオーディオ信号を最大で64チャンネル(=4チャンネル×32個÷2)多重して伝送することができる。
なお、32kHz、44.1kHzサンプリングのオーディオ信号も同様に、最大で64チャンネル伝送することができる。一方、96kHzサンプリングのオーディオ信号の場合、その半分の最大で32チャンネル伝送することができる。
また、各チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域の補助データ多重領域を除く領域(以下、余剰画素多重領域と称する)には、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータが多重される。
そして、例えば、補助データ多重領域を31バイトとした場合、有効映像データ領域に対する余剰画素多重領域の比率(以下、余剰画素多重領域相対比率と称する)は、次式(1)乃至(5)に示される値となる。なお、式(1)は7680×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(2)は7680×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。式(3)は8192×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(4)は8192×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(5)は8192×4320/48Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。
(2200−1920−12−31)÷1920=0.123=12.3% ・・・(1)
(2640−1920−12−31)÷1920=0.353=35.3% ・・・(2)
(2200−2048−12−31)÷2048=0.053=5.3% ・・・(3)
(2640−2048−12−31)÷2048=0.268=26.8% ・・・(4)
(2750−2048−12−31)÷2048=0.322=32.2% ・・・(5)
例えば、7680×4320/60Pの映像信号を伝送する場合、HD−SDIのCチャンネル用(又はYチャンネル用)の領域が2200サンプルとなり、そのうち有効映像データ領域が1920サンプルとなる。また、SAV及びEAVの領域(ライン番号LN及び誤り検出符号CRCを含む)が12サンプルとなる。従って、余剰画素多重領域が237サンプル(=2200−1920−12−31)となり、それを有効映像データ領域の1920サンプルで割ることにより、余剰画素多重領域相対比率は12.3%となる。
このように、有効映像データ領域に対して十分な余剰画素多重領域を確保でき、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することが可能になる。
なお、上述したように、8K信号の上下の(垂直方向の)余剰画素領域内の画素サンプルのデータは、各サブイメージの垂直ブランキング領域に多重される。この垂直ブランキング領域は45ラインあり、8K信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを多重するのに十分な容量を有している。従って、8K信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することが可能になる。
(補助データ及び余剰画素の第2の多重方法)
図17の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第2の多重方法を示している。この第2の多重方法は、例えば、オーディオ信号の多重を優先する場合、或いは、左右の余剰画素領域の画素サンプルのデータを多重する必要がない場合に用いられる。
なお、図17には、マッピング部111から多重部112−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのみ図示しているが、残りのチャンネル17乃至64のHD−SDIについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
具体的には、チャンネル1、17、33、49のHD−SDIの水平補助データ領域に、オーディオデータパケット、オーディオ制御パケット、タイムコード等の補助データが多重される。
このとき、SMPTE299−1の規定に従って、チャンネル1、17、33、49のHD−SDIの各水平補助データ領域に、オーディオデータパケットが最大で4パケット×2回多重される。これにより、64チャンネルのHD−SDIに対して、最大で32個のオーディオデータパケットを多重することができる。
従って、第1の多重方法と同様に、最大で64チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で32チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
なお、HD−SDIの有効映像データ領域が2048サンプルの場合には、水平補助データ領域に多重できるオーディオデータパケットの数が、有効映像データ領域が1920サンプルの場合の半分の4パケット(=4パケット×1回)になる。従って、HD−SDIの有効映像データ領域が2048サンプルの場合、最大で32チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で16チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
また、補助データが多重されるチャンネル1、17、33、49、及び、それらのチャンネルとペアになるチャンネル2、18、34、50を除く56チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域全体が、余剰画素多重領域に割り当てられる。ここで、HD−SDIのペアとは、例えば、図14の右端のリンクAとリンクBのHD−SDIのペアのことである。
そして、余剰画素多重領域相対比率は、次式(6)乃至(10)に示される値となる。なお、式(6)は7680×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(7)は7680×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。式(8)は8192×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(9)は8192×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(10)は8192×4320/48Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。
(2200−1920−12)×56÷64÷1920=0.122=12.2% ・・・(6)
(2640−1920−12)×56÷64÷1920=0.323=32.3% ・・・(7)
(2200−2048−12)×56÷64÷2048=0.059=5.9% ・・・(8)
(2640−2048−12)×56÷64÷2048=0.248=24.8% ・・・(9)
(2750−2048−12)×56÷64÷2048=0.295=29.5% ・・・(10)
例えば、7680×4320/60Pの映像信号を伝送する場合、HD−SDIのCチャンネル用(又はYチャンネル用)の領域が2200サンプルとなり、そのうち有効映像データ領域が1920サンプルとなる。また、SAV及びEAVの領域(ライン番号LN及び誤り検出符号CRCを含む)が12サンプルとなる。従って、1チャンネルあたりの余剰画素多重領域が268サンプル(=2200−1920−12)となる。そして、64チャンネル中56チャンネルに余剰画素多重領域が設けられるので、268サンプルを56/64倍し、有効映像データ領域の1920サンプルで割ることにより、余剰画素多重領域相対比率は12.2%となる。
このように、第2の多重方法においても、有効映像データ領域に対して十分な余剰画素多重領域を確保でき、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することが可能になる。
なお、8K信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータは、第1の多重方法の場合と同様に、各サブイメージの垂直ブランキング領域に多重することにより、全て伝送することができる。
以上のようにして、8K信号が64チャンネルのHD−SDIにマッピングされる。なお、以上に説明した8K信号のマッピング方法は、その一例であり、他の方法を用いて、8K信号を64チャンネルのHD−SDIにマッピングするようにしてもよい。
そして、マッピング部111は、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重部112−1に供給し、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重部112−2に供給する。また、マッピング部111は、チャンネル33乃至48のHD−SDIを多重部112−3に供給し、チャンネル49乃至64のHD−SDIを多重部112−4に供給する。
図10に戻り、ステップS2において、多重部112は、HD−SDIのデータストリームをブロック単位でスクランブル又は8B/10B変換するとともに、スクランブル後の一部のデータブロックの極性を反転する。
具体的には、多重部112−1のスクランブル部131−1の受信部141−1には、チャンネル1のHD−SDIが入力される。受信部141−1は、入力されたHD−SDIのS/P変換及びデスクランブルを行い、148.5MHzのクロック信号に同期して、1ワード(10ビット)単位でデータを抽出し、TRS検出部142−1に供給する。
TRS検出部142−1は、HD−SDIに含まれるSAV及びEAVを検出し、HD−SDIのワード同期を取る。そして、TRS検出部142−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、HD−SDIのSAVの先頭から順に40ビット(10ビット×4クロック)単位でデータを抽出し、RAM143−1に記憶させる。
スクランブラ144−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、RAM143−1から40ビットのデータブロックを読み出し、読み出したデータブロックのスクランブルを行う。
また、スクランブラ144−1は、スクランブル後の40ビットのデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転する。ここで、データブロックの極性を反転するとは、データブロック内のデータのビットを反転することである。
例えば、スクランブラ144−1は、1ブロック置きにデータブロックの極性を反転する。図16及び図17の右側の上段には、チャンネル1のスクランブル後のデータブロックの並びが示されている。白地のデータブロックは、極性が反転されていないデータブロックであり、斜線が示されているデータブロックは、極性が反転されたデータブロックである。このように、極性が反転されていないデータブロックと極性が反転されたデータブロックとが交互に並ぶように、1ブロック置きにスクランブル後のデータブロックの極性が反転される。
スクランブラ144−1は、スクランブル後のデータブロック(そのうち一部は、スクランブル後に極性反転したデータブロック)をデータストリーム生成部133に供給する。
なお、図16及び図17の右側に示されるように、多重部112−1に入力される他の奇数チャンネルのHD−SDIについても同様に、SAVの先頭から順番に40ビットのブロック単位でスクランブルが行われるとともに、スクランブル後のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性が反転される。そして、スクランブル後の40ビットのデータブロック(そのうち一部は、スクランブル後に極性反転したデータブロック)が、データストリーム生成部133に供給される。
また、多重部112−1の8B/10B変換部132−1の受信部151−1には、チャンネル2のHD−SDIが入力される。受信部151−1は、HD−SDIのS/P変換及びデスクランブルを行い、148.5MHzのクロック信号に同期して、1ワード(10ビット)単位でデータを抽出し、TRS検出部152−1に供給する。
TRS検出部152−1は、HD−SDIに含まれるSAV及びEAVを検出し、HD−SDIのワード同期を取る。そして、TRS検出部152−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、HD−SDIのSAVの先頭から順に40ビット(10ビット×4クロック)単位でデータを抽出し、RAM153−1に記憶させる。
8B/10Bエンコーダ154−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、RAM143−1に記憶されている40ビットのデータブロックから所定の32ビットを抽出して読み出す。
具体的には、図18に示されるように、SAV及びEAVの3FFh,000h,000h,XYZは、下位2ビットがリザーブ=0又は1であるので、10ビットのデータのうちの上位8ビットが抽出される。
EAVの後のLN及びCRCについては、以下の手順で、図18に示されるようにデータの抽出及び整列が行われ、10ビット/ワード単位のデータが、8ビット/バイト単位のデータに変換される。なお、CLNはCチャンネルのLNを表し、YLNはYチャンネルのLNを表し、CCRはCチャンネルのCRCを表し、YCRはYチャンネルのCRCを表す。
・CLN0の下位8ビットであるCLN0:0−7(第0ビットから第7ビットを表す。以下、同様に表記する。)
・CLN0:8−9、YLN0:2−7
・CLN1:0−7
・CLN0:8−9、YCR0:0−5
・CCR:0−7
・CCR:8−9、YCR0:6−8、YCR1:0−2
・CCR1:0−7
・CCR1:8−9、YCR1:3−8
なお、CLNとYLNは同じデータであるため、YLNは基本的に削除され、多重されない。従って、YLN0:2−7はCLN0:2−7から判明するため、YLN0:2−7の代わりに、オール1のようなデータを埋め込んでもよい。また、CRCの第9ビットは第8ビットの反転ビットなので、削除され多重されない。また、CCRとYCRには、8K信号をHD−SDIに多重した後に計算されたデータが設定される。
また、HD−SDIの有効映像データ領域及び水平補助データ領域のCチャンネル用の領域からは、10ビットの全データが抽出される。HD−SDIの有効映像データ領域及び水平補助データ領域のYチャンネル用の領域からは、10ビットのデータのうち、図15のBに示されるビットナンバー2乃至7の6ビットが抽出される。
以上のようにして、HD−SDIのSAVの先頭から順に40ビットのデータブロックから32ビットのデータが抽出される。
そして、8B/10Bエンコーダ154−1は、読み出した32ビットのデータブロックの8B/10B変換を行い、8B/10B変換後の40ビットのデータブロックをデータストリーム生成部133に供給する。
なお、図16及び図17の右側に示されるように、多重部112−1に入力される他の偶数チャンネルのHD−SDIについても同様に、SAVの先頭から順番に40ビットのデータブロックから32ビットのデータが抽出され、8B/10B変換される。そして、8B/10B変換後の40ビットのデータブロックが、データストリーム生成部133に供給される。
以上のようにして、図19に模式的に示されるように、チャンネル1乃至16のHD−SDIからそれぞれ生成された40ビットのデータブロックが、4クロック毎にデータストリーム生成部133に供給される。これにより、図20にモデル化して示したように、実質的に、160ビット/サンプルのデータが1クロック毎にデータストリーム生成部133に供給される処理が、4クロック周期で繰り返される。従って、実質的に160ビット×148.5MHzのデータストリームが、データストリーム生成部133に供給されることになる。
また、図21は、各チャンネルの1ライン分のHD−SDIからそれぞれ生成されるデータブロックの例を示している。図21内のSCRの文字が付されたマスのうち白地のマスは、スクランブルされているが、極性反転されていないデータブロック(以下、非反転スクランブルブロックと称する)を示し、斜線が示されているマスは、スクランブルかつ極性反転されたデータブロック(以下、反転スクランブルブロックと称する)を示している。また、8B/10Bの文字が付されたマスは、8B/10B変換されたデータブロック(以下、8B/10B変換ブロックと称する)を示している。
まず1ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから非反転スクランブルブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成される。2ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから反転スクランブルブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成される。3ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから非反転スクランブルブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成される。4ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから反転スクランブルブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成される。以降、同様の順番でデータブロックが生成され、Nブロック目(例えばN=2200)に、奇数チャンネルのHD−SDIから反転スクランブルブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成される。
このように、各奇数チャンネルのHD−SDIからは、非反転スクランブルブロックと反転スクランブルブロックとが1つ置きに交互に生成される。従って、各奇数チャンネルの1ライン分のHD−SDIから、それぞれN/2個の非反転スクランブルブロックとN/2個の反転スクランブルブロックとが生成される。
一方、各偶数チャンネルのHD−SDIからは、8B/10B変換ブロックが連続して生成される。従って、各偶数チャンネルの1ライン分のHD−SDIから、それぞれN個の8B/10B変換ブロックが生成される。
なお、多重部112−2乃至112−4においても同様の処理が行われる。すなわち、各多重部112に入力される16チャンネルのHD−SDIのうち、奇数チャンネルのHD−SDIに対して、SAVの先頭から順番に40ビットのブロック単位でスクランブルが行われるとともに、スクランブル後のデータブロックのうち一部のデータブロックの極性が反転される。そして、スクランブル後の40ビットの各データブロック(そのうち一部は、スクランブル後に極性反転したデータブロック)が、データストリーム生成部133に供給される。また、偶数チャンネルのHD−SDIに対して、SAVの先頭から順番に40ビットのデータブロックから32ビットのデータが抽出され、8B/10B変換される。そして、8B/10B変換後の40ビットの各データブロックが、データストリーム生成部133に供給される。
図10に戻り、ステップS3において、多重部112は、伝送用データストリームを生成する。
例えば、多重部112−1のデータストリーム生成部133は、以下に説明するように、1ライン分のチャンネル1乃至16のHD−SDIから、図22に示される1ライン分の伝送用データストリームを生成する。
具体的には、まず、データストリーム生成部133のワード同期信号出力部173は、160ビットのワード同期信号を出力する。
図23は、ワード同期信号のデータ構成の例を示している。ワード同期信号の先頭の60ビットには、8B/10B符号のコンマキャラクターであるK28.5等が配置される。次に、伝送用データストリームに多重するHD−SDIの有効映像データ領域が1920サンプルか2048サンプルかを示す2ビットのデータが配置される。また、スクランブル部131及び8B/10B変換部132の動作を規定するクロック周波数が、148.5MHz系か148.5/1.001MHz系かを示す2ビットのデータが配置される。これにより、64ビットのワード同期信号が構成される。そして、ワード長が160ビットになるように、96ビットのスタッフィングデータが付加される。
これにより、図22に示されるように、伝送用データストリームの先頭にワード同期信号及びスタッフィングデータが配置される。
次に、データストリーム生成部133のバッファ171は、167.0625MHzのクロック信号に同期して、スクランブラ144及び8B/10Bエンコーダ154から供給されるデータブロックを所定の順序に並べ、160ビット単位でデータを抽出する。そして、バッファ171は、抽出したデータからなるワード長が160ビットのパラレルデータを生成し、P/S変換部134に出力する。
以降、チャンネル1乃至16のHD−SDIのSAVの先頭から水平補助データ領域の最後まで、同様の処理が繰り返される。すなわち、スクランブラ144及び8B/10Bエンコーダ154から供給されるデータブロックを所定の順序に並べ、160ビット単位でデータを抽出し、ワード長が160ビットのパラレルデータを生成し、出力する処理が繰り返される。
これにより、図22に示されるように、ワード同期信号の後に、1ライン分のチャンネル1乃至16のHD−SDIのデータが多重される。これは、第1の4K信号から生成された第1乃至第4のサブイメージの1ライン分のデータに相当する。
最後に、データストリーム生成部133のスタッフィングデータ出力部172は、167.0625MHzのクロック信号に同期して、所定のサンプル数の160ビット/ワードのパラレルのスタッフィングデータを出力する。これにより、図22に示されるように、伝送用データストリームの最後に、スタッフィングデータが多重される。
このようにして、図22に示されるフォーマットに従って、1ライン分のチャンネル1乃至16のHD−SDIを多重した伝送用データストリームが生成される。この1ライン分の伝送用データストリームには、上述したように、図13に示される第1の4K信号から生成された第1乃至第4のサブイメージの1ライン分の画素サンプルのデータが多重されている。
以下、同様にして、多重部112−1のデータストリーム生成部133は、第1の4K信号から生成された第1乃至第4のサブイメージのライン毎に、図22に示される1ライン分の伝送用データストリームを生成し、P/S変換部134に供給する。
また、多重部112−2乃至112−4のデータストリーム生成部133も、それぞれ多重部112−1のデータストリーム生成部133と同様の処理により、伝送用データストリームを生成し、P/S変換部134に供給する。これにより、第2の4K信号から生成された第1乃至第4のサブイメージのライン毎に、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重した1ライン分の伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。第3の4K信号から生成された第1乃至第4のサブイメージのライン毎に、チャンネル33乃至48のHD−SDIを多重した伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。第4の4K信号から生成された第1乃至第4のサブイメージのライン毎に、チャンネル49乃至64のHD−SDIを多重した伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。
このようにして、8K信号から第1レーン乃至第4レーンの伝送用データストリームが生成される。なお、各レーンの伝送用データストリームのビットレートは、26.73Gbps(=160ビット×167.0625MHz)となる。
なお、伝送用データストリームに多重される各データブロックはスクランブル又は8B/10B変換されている。また、スクランブルされたデータブロックのうち半分のデータブロックの極性が反転される。これにより、スクランブル後のデータブロックにおいて、上述したパソロジカルパターンが頻繁に出現したとしても、伝送用データストリームのマーク率は略1/2となる。従って、伝送用データストリームは、立ち上がり及び立ち下がりが十分に存在する伝送に適した信号となり、特殊な直流再生回路等を設けることなく、伝送用データストリームを安定して伝送することが可能になる。
図10に戻り、ステップS4において、放送用カメラ11aは、伝送用データストリームを送信する。
具体的には、多重部112−1のP/S変換部134は、第1レーンの伝送用データストリームをP/S変換して、送信制御部103に供給する。多重部112−2のP/S変換部134は、第2レーンの伝送用データストリームをP/S変換して、送信制御部103に供給する。多重部112−3のP/S変換部134は、第3レーンの伝送用データストリームをP/S変換して、送信制御部103に供給する。多重部112−4のP/S変換部134は、第4レーンの伝送用データストリームをP/S変換して、送信制御部103に供給する。
送信制御部103の光モジュール251S−1は、例えば、第1乃至第4レーンの伝送用データストリームを波長多重して、光サーキュレータ261S、光ファイバ271−1、及び、光サーキュレータ261Rを介して、CCU12に送信する。
なお、光モジュール251S−1及び251S−2の両方を用いたり、光モジュール251S−2のみを用いて、第1乃至第4レーンの伝送用データストリームをCCU12に送信するようにしてもよい。
なお、伝送用データストリームのビットレートは、25Gbps〜28.3Gbpsの範囲内、かつ、148.5MHzの整数倍という条件下で、任意の値に設定することができる。具体的には、伝送用データストリームのビットレートは、25.0965Gbps(=148.5MHz×169)〜28.215Gbps(=148.5MHz×190)の範囲内に設定することができる。この148.5MHzの整数倍の信号速度(ビットレート)は、信号処理並びにクロック系の回路に適した値である。
ここで、60Pの8K信号を4レーンの26.73Gbpsの伝送用データストリームで伝送する場合において、伝送用データストリームに多重するスタッフィングデータのデータ量の例について説明する。
この場合、伝送用データストリームに多重するHD−SDIのデータ量は、1チャンネル当たり44,000ビット(2,200サンプル×20ビット)になる。従って、伝送用データストリームに多重される映像データのデータ量は、704,000ビット(=44,000×16チャンネル)になる。ここで、伝送用データストリームのビットレートが26.73Gbpsなので、1ライン当たりのデータ量は792,000ビット(=26.73Gbps÷(60Hz÷2)÷1,125ライン)になる。従って、伝送用データストリームに多重されるスタッフィングデータ(ワード同期信号を含む)のデータ量は、88,000ビット(=792,000ビット−704,000ビット)になる。
{第1の実施の形態における映像信号受信処理}
次に、図24のフローチャートを参照して、図10の映像信号送信処理に対応して、CCU12aにより実行される映像信号受信処理について説明する。
ステップS51において、受信制御部201は、伝送用データストリームを受信する。具体的には、受信制御部201の光モジュール251R−1は、図10のステップS4の処理において、放送用カメラ11aから送信された4レーンの伝送用データストリームを受信する。光モジュール251R−1は、受信した4レーンの伝送用データストリームを信号処理部202のS/P変換・クロック再生部211に供給する。
ステップS52において、S/P変換・クロック再生部211は、伝送用データストリームをS/P変換する。具体的には、S/P変換・クロック再生部211は、4レーンの伝送用データストリームをS/P変換し、ワード同期検出・データストリーム再生部212に供給する。
ステップS53において、ワード同期検出・データストリーム再生部212は、伝送用データストリームからHD−SDIのデータストリームを再生する。具体的には、ワード同期検出・データストリーム再生部212は、4レーンの伝送用データストリームに多重されているワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部212は、放送用カメラ11aの多重部112と逆の処理により、4レーンの伝送用データストリームから64チャンネルのHD−SDIを再生する。ワード同期検出・データストリーム再生部212は、再生した64チャンネルのHD−SDIを映像再生部213に供給する。
ステップS54において、映像再生部213は、HD−SDIのデータストリームから映像信号を再生する。具体的には、映像再生部213は、放送用カメラ11aのマッピング部111と逆の処理により、64チャンネルのHD−SDIから元の8K信号を再生する。映像再生部213は、再生した8K信号を映像処理部203に供給する。
以上のようにして、7680×4320/50P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、7680×4320/50P−60P/4:2:2/12ビット、8192×4320/48P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、又は、8192×4320/48P−60P/4:2:2/12ビットの映像信号を、4レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
<4.第2の実施の形態>
次に、図25乃至図33を参照して、本技術の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる方法により、100GbE用デバイスを用いて48P−60Pの8K信号の伝送が行われる。この48P−60Pの8K信号には、第1の実施の形態と同様に、7680×4320/50P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、7680×4320/50P−60P/4:2:2/12ビット、8192×4320/48P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、及び、8192×4320/48P−60P/4:2:2/12ビットの映像信号が含まれる。
{放送用カメラ11bの構成例}
図25は、第2の実施の形態における放送用カメラ11の実施の形態である放送用カメラ11bの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図5の放送用カメラ11aと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
放送用カメラ11bは、放送用カメラ11aと比較して、信号処理部102の代わりに信号処理部301が設けられている点が異なる。信号処理部301は、信号処理部102と比較して、多重部112−1乃至112−4の代わりに多重部311−1乃至311−4が設けられている点が異なる。
多重部311−1乃至311−4は、後述するように、それぞれマッピング部111から供給される16チャンネルのHD−SDIのチャンネルコーディングを行い、多重化することにより、伝送用データストリームを生成する。そして、多重部311−1乃至311−4は、生成した伝送用データストリームを送信制御部103に供給する。
なお、以下、多重部311−1乃至311−4を個々に区別する必要がない場合、単に多重部311と称する。
{多重部311の構成例}
図26は、多重部311の機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図6の多重部112と対応する部分には、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は適宜省略する。
多重部311は、多重部112と比較して、スクランブル部131−1乃至131−8の代わりに、8B/10B変換部331−1乃至331−8が設けられ、データストリーム生成部133の代わりにデータストリーム生成部332が設けられている点が異なる。また、8B/10B変換部331−i(i=1乃至8)は、受信部341−i、TRS検出部342−i、RAM343−i、及び、8B/10Bエンコーダ344−iを含む。
8B/10B変換部331−1乃至331−8には、奇数チャンネルのHD−SDIがそれぞれ入力される。
そして、8B/10B変換部331−1の受信部341−1は、入力されたHD−SDIのS/P変換及びデスクランブルを行い、TRS検出部342−1に供給する。また、受信部341−1は、HD−SDIに重畳されているクロック信号の再生を行い、8B/10B変換部331−1の各部に供給する。
TRS検出部342−1は、HD−SDIに含まれるSAV及びEAVを検出し、HD−SDIのワード同期を取る。そして、TRS検出部342−1は、HD−SDIのSAVの先頭から順に所定のビット(例えば、40ビット)単位でデータを抽出し、RAM343−1に記憶させる。
8B/10Bエンコーダ344−1は、所定のビット(例えば、40ビット)のブロック単位でRAM343−1からデータを読み出し、読み出したデータの8B/10B変換を行う。8B/10Bエンコーダ344−1は、8B/10B変換後のデータブロックをデータストリーム生成部332に供給する。
なお、以下、8B/10B変換部331−1乃至331−8を個々に区別する必要がない場合、単に、8B/10B変換部331と称する。また、以下、受信部341−1乃至341−8、TRS検出部342−1乃至342−8、RAM343−1乃至343−8、及び、8B/10Bエンコーダ344−1乃至344−8を個々に区別する必要がない場合、単に受信部341、TRS検出部342、RAM343、及び、8B/10Bエンコーダ344と称する。
データストリーム生成部332は、8B/10Bエンコーダ154及び8B/10Bエンコーダ344から供給されるデータブロックを多重化することにより、所定のワード長のパラレルの伝送用データストリームを生成する。データストリーム生成部332は、生成した伝送用データストリームをP/S変換部134に供給する。
{CCU12bの構成例}
図27は、第2の実施の形態におけるCCU12の実施の形態であるCCU12bの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図8のCCU12aと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
CCU12bは、CCU12aと比較して、信号処理部202の代わりに信号処理部401が設けられている点が異なる。信号処理部401は、信号処理部202と比較して、ワード同期検出・データストリーム再生部212の代わりに、ワード同期検出・データストリーム再生部411が設けられている点が異なる。
ワード同期検出・データストリーム再生部411には、S/P変換された伝送用データストリームがS/P変換・クロック再生部211から供給される。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部411は、伝送用データストリームからワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。また、ワード同期検出・データストリーム再生部411は、放送用カメラ11bの多重部311と逆の処理により、伝送用データストリームから64チャンネルのHD−SDIのデータストリームを再生し、映像再生部213に供給する。
{第2の実施の形態における映像信号送信処理}
次に、図28のフローチャートを参照して、第2の実施の形態において放送用カメラ11bにより実行される映像信号送信処理について説明する。
ステップS101において、図10のステップS1の処理と同様に、映像信号(8K信号)が64チャンネルのHD−SDIにマッピングされる。このとき、図16を参照して上述した第1の多重方法、又は、図17を参照して上述した第2の多重方法により、64チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域に補助データ及び余剰画素が多重される。
ステップS102において、多重部311−1乃至311−4は、HD−SDIのデータストリームをブロック単位で8B/10B変換する。
具体的には、多重部311−1の8B/10B変換部331−1の受信部341−1には、チャンネル1のHD−SDIが入力される。受信部341−1は、HD−SDIのS/P変換及びデスクランブルを行い、148.5MHzのクロック信号に同期して、1ワード(10ビット)単位でデータを抽出し、TRS検出部342−1に供給する。
TRS検出部342−1は、HD−SDIに含まれるSAV及びEAVを検出し、HD−SDIのワード同期を取る。そして、TRS検出部342−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、HD−SDIのSAVの先頭から順に40ビット(10ビット×4クロック)単位でデータを抽出し、RAM343−1に記憶させる。
8B/10Bエンコーダ344−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、RAM343−1から40ビットのデータブロックを読み出し、読み出したデータブロックの8B/10B変換を行う。そして、8B/10Bエンコーダ344−1は、8B/10B変換後の50ビットのデータブロックをデータストリーム生成部332に供給する。
なお、図29及び図30の右側に示されるように、多重部311−1に入力される他の奇数チャンネルのHD−SDIについても同様に、SAVの先頭から順番に40ビットのブロック単位で8B/10B変換が行われる。そして、8B/10B変換後の50ビットのデータブロックが、データストリーム生成部332に供給される。
なお、偶数チャンネルのHD−SDIに対しては、第1の実施の形態と同様の処理が行われる。すなわち、偶数チャンネルのHD−SDIのSAVの先頭から順番に40ビットのデータブロックから32ビットのデータが抽出され、8B/10B変換される。そして、8B/10B変換後の40ビットのデータブロックが、データストリーム生成部332に供給される。
以上のようにして、図31に模式的に示されるように、チャンネル1乃至16のHD−SDIからそれぞれ生成された50ビット又は40ビットのデータブロックが、4クロック毎にデータストリーム生成部332に供給される。これにより、図32にモデル化して示したように、実質的に、180ビット/サンプルのデータが1クロック毎にデータストリーム生成部332に供給される処理が、4クロック周期で繰り返される。従って、実質的に180ビット×148.5MHzのデータストリームが、データストリーム生成部332に供給されることになる。
なお、多重部311−2乃至311−4においても同様の処理が行われる。すなわち、各多重部311に入力される16チャンネルのHD−SDIのうち、奇数チャンネルのHD−SDIに対して、SAVの先頭から順番に40ビットのブロック単位で8B/10B変換が行われる。そして、8B/10B変換後の50ビットの各データブロックが、データストリーム生成部332に供給される。また、偶数チャンネルのHD−SDIに対して、SAVの先頭から順番に40ビットのデータブロックから32ビットのデータが抽出され、8B/10B変換される。そして、8B/10B変換後の40ビットの各データブロックが、データストリーム生成部332に供給される。
図28に戻り、ステップS103において、多重部311は、伝送用データストリームを生成する。
具体的には、多重部311−1のデータストリーム生成部332は、167.0625MHzのクロック信号に同期して、8B/10Bエンコーダ154及び8B/10Bエンコーダ344から供給されるデータブロックを所定の順序に並べ、160ビット単位でデータを抽出する。そして、データストリーム生成部332は、抽出したデータからなるワード長が160ビットのパラレルデータを生成し、P/S変換部134に出力する。
このようにして、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重した伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。また、データストリームのビットレートが、180ビット×148.5MHzから160ビット×167.0625MHzに変換される。
また、このとき、データストリーム生成部332は、チャンネル1のHD−SDIの各ラインのSAVから始まる先頭の2ワード以上(20ビット以上)のデータを、8B/10B符号のコンマキャラクターであるK28.5等に置き換える。この置き換えられたデータは、伝送用データストリームの同期信号として用いられる。
また、多重部311−2乃至311−4のデータストリーム生成部332も、それぞれ多重部311−1のデータストリーム生成部332と同様の処理を行い、伝送用データストリームを生成し、P/S変換部134に供給する。
なお、チャンネル17、33、49のHD−SDIの各ラインのSAVから始まる先頭の2ワード以上のデータが、チャンネル1のHD−SDIと同様に、8B/10B符号のコンマキャラクターであるK28.5等に置き換えられる。
ステップS104において、図10のステップS4の処理と同様に、4レーンの伝送用データストリームが送信される。
{第2の実施の形態における映像信号受信処理}
次に、図33のフローチャートを参照して、図28の映像信号送信処理に対応して、CCU12bにより実行される映像信号受信処理について説明する。
ステップS151において、図24のステップS51の処理と同様に、4レーンの伝送用データストリームが受信される。
ステップS152において、図24のステップS52の処理と同様に、4レーンの伝送用データストリームがS/P変換される。
ステップS153において、ワード同期検出・データストリーム再生部411は、伝送用データストリームからHD−SDIのデータストリームを再生する。具体的には、ワード同期検出・データストリーム再生部411は、4レーンの伝送用データストリームに多重されているワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部411は、放送用カメラ11bの多重部311と逆の処理により、4レーンの伝送用データストリームから64チャンネルのHD−SDIを再生する。ワード同期検出・データストリーム再生部411は、再生した64チャンネルのHD−SDIを映像再生部213に供給する。
ステップS154において、図24のステップS54の処理と同様に、64チャンネルのHD−SDIから元の8K信号が再生される。
以上のようにして、第1の実施の形態と異なる方法により、7680×4320/50P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、7680×4320/50P−60P/4:2:2/12ビット、8192×4320/48P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット、又は、8192×4320/48P−60P/4:2:2/12ビットの映像信号を、4レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
<5.第3の実施の形態>
次に、図34乃至図43を参照して、本技術の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、100GbE用デバイスを用いて48P−60Pの8K信号の伝送が行われる。この48P−60Pの8K信号には、7680×4320/50P−60P/4:2:2/10ビット、及び、8192×4320/48P−60P/4:2:2/10ビットの映像信号が含まれる。
{放送用カメラ11cの構成例}
図34は、第3の実施の形態における放送用カメラ11の実施の形態である放送用カメラ11cの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図25の放送用カメラ11bと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
放送用カメラ11cは、放送用カメラ11bと比較して、撮像素子101及び信号処理部301の代わりに、撮像素子501及び信号処理部502が設けられている点が異なる。信号処理部502は、マッピング部511、並びに、多重部512−1及び512−2を含むように構成される。
撮像素子501は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等により構成される。撮像素子501は、撮影の結果得られる映像信号を信号処理部502のマッピング部511に供給する。この映像信号は、例えば、7680×4320/50P−60P/4:2:2/10ビット、又は、8192×4320/48P−60P/4:2:2/10ビットの映像信号である。
マッピング部511は、後述するように、撮像素子501から供給される映像信号をマッピングした32チャンネルのHD−SDIを生成する。そして、マッピング部511は、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重部512−1に供給し、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重部512−2に供給する。
多重部512−1及び512−2は、後述するように、それぞれマッピング部511から供給される16チャンネルのHD−SDIのチャンネルコーディングを行い、多重化することにより、伝送用データストリームを生成する。そして、多重部512−1及び512−2は、生成した伝送用データストリームを送信制御部103に供給する。
なお、以下、多重部512−1及び512−2を個々に区別する必要がない場合、単に多重部512と称する。
{多重部512の構成例}
図35は、多重部512の機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図6の多重部112及び図26の多重部311と対応する部分には、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は適宜省略する。
多重部512は、多重部311と比較して、8B/10B変換部132−1乃至132−8の代わりに、スクランブル部131−1乃至131−8が設けられている点が異なる。
従って、多重部512では、奇数チャンネルのHD−SDIに対して、多重部311の奇数チャンネルのHD−SDIと同様に、40ビット単位で8B/10B変換が行われる。また、多重部512では、偶数チャンネルのHD−SDIに対して、多重部112の奇数チャンネルのHD−SDIと同様に、40ビット単位でスクランブルが行われる。
{CCU12cの構成例}
図36は、第3の実施の形態におけるCCU12の実施の形態であるCCU12cの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図27のCCU12bと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
CCU12cは、CCU12bと比較して、信号処理部401の代わりに信号処理部601が設けられている点が異なる。信号処理部601は、信号処理部401と比較して、ワード同期検出・データストリーム再生部411及び映像再生部213の代わりに、ワード同期検出・データストリーム再生部611及び映像再生部612が設けられている点が異なる。
ワード同期検出・データストリーム再生部611には、S/P変換された伝送用データストリームがS/P変換・クロック再生部211から供給される。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部611は、伝送用データストリームからワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。また、ワード同期検出・データストリーム再生部611は、放送用カメラ11cの多重部512と逆の処理により、伝送用データストリームから32チャンネルのHD−SDIのデータストリームを再生し、映像再生部612に供給する。
映像再生部612は、放送用カメラ11cのマッピング部511と逆の処理により、32チャンネルのHD−SDIから元の8K信号を再生し、映像処理部203に供給する。
{第3の実施の形態における映像信号送信処理}
次に、図37のフローチャートを参照して、第3の実施の形態において放送用カメラ11cにより実行される映像信号送信処理について説明する。
ステップS201において、信号処理部502のマッピング部511は、映像信号をHD−SDIのデータストリームにマッピングする。具体的には、マッピング部511は、8K信号を32チャンネルのHD−SDIにマッピングする。ここで、上述した図14を参照して、8K信号を32チャンネルのHD−SDIにマッピングする方法の具体例について説明する。
この第3の実施の形態では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なり、各サブイメージからライン間引きにより生成されたインターレースの映像信号が、リンクBを用いずに、リンクAのHD−SDI(図14ではベーシックストリームと記載している)のみにマッピングされる。従って、8K信号から合計で32チャンネルのHD−SDIが生成される。
また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態とは、補助データ及び余剰画素の多重方法が異なる。
(補助データ及び余剰画素の第1の多重方法)
図38の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第1の多重方法を示している。なお、図38には、マッピング部511から多重部512−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのみ図示しているが、残りのチャンネル17乃至32のHD−SDIについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
第3の実施の形態における第1の多重方法は、第1の実施の形態における第1の多重方法と比較して、補助データを多重するHD−SDIのチャンネルが異なっている。
具体的には、図16に示される第1の実施の形態における第1の多重方法では、奇数チャンネルの補助データ多重領域が使用され、偶数チャンネルの補助データ多重領域は使用されなかった。一方、第3の実施の形態では、後述するように、伝送用データストリームの生成時に、奇数チャンネル及び偶数チャンネルのHD−SDIとも、各ワードの全てのビットを用いて8B/10B変換又はスクランブルが行われる。そのため、第3の実施の形態では、奇数チャンネル及び偶数チャンネルの両方の補助データ多重領域を使用することが可能である。
従って、第3の実施の形態の第1の多重方法では、32チャンネルのHD−SDIの全ての補助データ多重領域に補助データが多重される。これにより、32チャンネルのHD−SDIに対して、最大で32個のオーディオデータパケットを多重することができる。
従って、第1の実施の形態の第1の多重方法と同様に、最大で64チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で32チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
なお、余剰画素多重領域相対比率は、第1の実施の形態の第1の多重方法の場合と同じ値になる。
(補助データ及び余剰画素の第2の多重方法)
図39の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第2の多重方法を示している。この第2の多重方法は、例えば、オーディオ信号の多重を優先する場合、或いは、左右の余剰画素領域の画素サンプルのデータを多重する必要がない場合に用いられる。
なお、図39には、マッピング部511から多重部512−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのみ図示しているが、残りのチャンネル17乃至32のHD−SDIについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
第3の実施の形態における第2の多重方法は、第1の実施の形態における第2の多重方法と比較して、補助データを多重するHD−SDIのチャンネルが異なっている。
具体的には、図17に示される第1の実施の形態における第2の多重方法では、チャンネル1、17、33、49のHD−SDIの水平補助データ領域に補助データが多重される。一方、第3の実施の形態における第2の多重方法では、チャンネル1、2、17、18のHD−SDIの水平補助データ領域に補助データが多重される。
このとき、SMPTE299−1の規定に従って、チャンネル1、2、17、18のHD−SDIの各水平補助データ領域に、オーディオデータパケットが最大で4パケット×2回多重される。これにより、32チャンネルのHD−SDIに対して、最大で32個のオーディオデータパケットを多重することができる。
従って、第1の実施の形態の第2の多重方法と同様に、最大で64チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で32チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
なお、HD−SDIの有効映像データ領域が2048サンプルの場合には、最大で32チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で16チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
そして、余剰画素多重領域相対比率は、次式(11)乃至(15)に示される値となる。なお、式(11)は7680×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(12)は7680×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。式(13)は8192×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(14)は8192×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(15)は8192×4320/24Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。
(2200−1920−12)×28÷32÷1920=0.122=12.2% ・・・(11)
(2640−1920−12)×28÷32÷1920=0.323=32.3% ・・・(12)
(2200−2048−12)×28÷32÷2048=0.059=5.9% ・・・(13)
(2640−2048−12)×28÷32÷2048=0.248=24.8% ・・・(14)
(2750−2048−12)×28÷32÷2048=0.295=29.5% ・・・(15)
結果的に、第1の実施の形態の第2の多重方法の場合と同じ値になる。
以上のようにして、8K信号が32チャンネルのHD−SDIにマッピングされる。なお、以上に説明した8K信号のマッピング方法は、その一例であり、他の方法を用いて、8K信号を32チャンネルのHD−SDIにマッピングするようにしてもよい。
そして、マッピング部511は、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重部512−1に供給し、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重部512−2に供給する。
図37に戻り、ステップS202において、多重部512は、HD−SDIをブロック単位でスクランブル又は8B/10B変換するとともに、スクランブル後の一部のデータブロックの極性を反転する。
具体的には、奇数チャンネルのHD−SDIに対して、第2の実施の形態における奇数チャンネルのHD−SDIに対する処理と同様の処理が行われる。すなわち、奇数チャンネルのHD−SDIのSAVの先頭から順番に40ビットのブロック単位で8B/10B変換が行われる。そして、8B/10B変換後の50ビットのデータブロックが、データストリーム生成部332に供給される。
また、偶数チャンネルのHD−SDIに対して、第1の実施の形態における偶数チャンネルのHD−SDIに対する処理と同様の処理が行われる。すなわち、偶数チャンネルのHD−SDIのSAVの先頭から順番に40ビットのブロック単位でスクランブルが行われる。また、図38及び図39の右側の上段に示されるように、1ブロック置きにスクランブル後のデータブロックの極性が反転される。そして、スクランブル後の40ビットのデータブロック(そのうち一部は、スクランブル後に極性反転したデータブロック)が、データストリーム生成部332に供給される。
これにより、図40に模式的に示されるように、16チャンネルのHD−SDIからそれぞれ生成された50ビット又は40ビットのデータブロックが、4クロック毎にデータストリーム生成部332に供給される。その結果、図41にモデル化して示したように、実質的に、180ビット/サンプルのデータが1クロック毎にデータストリーム生成部332に供給される処理が、4クロック周期で繰り返される。従って、実質的に180ビット×148.5MHzのデータストリームが、データストリーム生成部332に供給されることになる。
また、図42は、図21と同様の表現方法により、各チャンネルの1ライン分のHD−SDIからそれぞれ生成されるデータブロックの例を示している。
まず1ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから非反転スクランブルブロックが生成される。2ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから反転スクランブルブロックが生成される。3ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから非反転スクランブルブロックが生成される。4ブロック目に、奇数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから反転スクランブルブロックが生成される。以降、同様の順番でデータブロックが生成され、Nブロック目(例えばN=2200)に、奇数チャンネルのHD−SDIから8B/10B変換ブロックが生成され、偶数チャンネルのHD−SDIから反転スクランブルブロックが生成される。
このように、各奇数チャンネルのHD−SDIからは、8B/10B変換ブロックが連続して生成される。従って、各奇数チャンネルの1ライン分のHD−SDIから、それぞれN個の8B/10B変換ブロックが生成される。
一方、各偶数チャンネルのHD−SDIからは、非反転スクランブルブロックと反転スクランブルブロックとが1つおきに交互に生成される。従って、各偶数チャンネルの1ライン分のHD−SDIから、それぞれN/2個の非反転スクランブルブロックとN/2個の反転スクランブルブロックとが生成される。
このようにして、第1の実施の形態と同様に、スクランブルされたデータブロックのうち半分のデータブロックの極性が反転される。従って、スクランブル後のデータブロックにおいて、上述したパソロジカルパターンが頻繁に出現したとしても、伝送用データストリームのマーク率は略1/2となり、特殊な直流再生回路等を設けることなく、伝送用データストリームを安定して伝送することが可能になる。
ステップS203において、多重部512は、伝送用データストリームを生成する。このとき、図28のステップS103と同様の処理により、伝送用データストリームが生成される。すなわち、チャンネル1乃至16のHD−SDIから第1レーンの伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134供給される。
また、同様に、チャンネル17乃至32のHD−SDIから第2レーンの伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。
ステップS204において、図10のステップS4と同様の処理により、2レーンの伝送用データストリームが送信される。
{第3の実施の形態における映像信号受信処理}
次に、図43のフローチャートを参照して、CCU12cにより実行される映像信号受信処理について説明する。
ステップS251において、図24のステップS51と同様の処理により、2レーンの伝送用データストリームが受信される。
ステップS252において、図24のステップS52と同様の処理により、2レーンの伝送用データストリームがS/P変換される。
ステップS253において、ワード同期検出・データストリーム再生部611は、伝送用データストリームからHD−SDIのデータストリームを再生する。具体的には、ワード同期検出・データストリーム再生部611は、2レーンの伝送用データストリームに多重されているワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部611は、放送用カメラ11cの多重部512と逆の処理により、2レーンの伝送用データストリームから32チャンネルのHD−SDIを再生する。ワード同期検出・データストリーム再生部611は、再生した32チャンネルのHD−SDIを映像再生部612に供給する。
ステップS254において、映像再生部612は、HD−SDIのデータストリームから映像信号を再生する。具体的には、映像再生部612は、放送用カメラ11cのマッピング部511と逆の処理により、32チャンネルのHD−SDIから元の8K信号を再生する。映像再生部213は、再生した8K信号を映像処理部203に供給する。
以上のようにして、7680×4320/50P−60P/4:2:2/10ビット、及び、8192×4320/48P−60P/4:2:2/10ビットの映像信号を、2レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
<6.第4の実施の形態>
次に、図44及び図45を参照して、本技術の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態では、100GbE用デバイスを用いて96P−120Pの8K信号の伝送が行われる。すなわち、第4の実施の形態では、第1乃至第3の実施の形態と比較して、フレームレートが倍の8K信号の伝送が行われる。この96P−120Pの8K信号には、7680×4320/100P−120P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビット、及び、8192×4320/96P−120P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビットの映像信号が含まれる。
第4の実施の形態は、第1乃至第3の実施の形態と比較して、8K信号から4K信号が生成された後、4K信号をサブイメージにマッピングする処理が異なる。
具体的には、図44に示されるように、連続する2フレームの4K信号が、第1乃至第8のサブイメージにマッピングされる。すなわち、連続する2フレームの第1及び第2の4K信号から(2フレーム単位で)、4ライン間隔で各ラインの隣り合う2つの画素サンプルのペアが、1つ置きに間引かれて第1乃至第8のサブイメージにマッピングされる。
なお、図44では、図を分かりやすくするために、4K信号の垂直補助データ領域及び水平補助データ領域の図示を省略している。また、図44は、4K信号が3840サンプルの場合の例を示している。
なお、図44では、4K信号のサンプル番号及びライン番号は0からスタートするものとする。従って、4K信号の有効画素領域には、0サンプルから3839サンプルまでの合計3840サンプルと、0ラインから2159ラインまでの合計2160ラインが存在する。一方、図44では、サブイメージのサンプル番号は0からスタートし、ライン番号は1からスタートするものとする。従って、サブイメージには、0サンプルから2199サンプルまでの合計2200サンプルと、1ラインから1125ラインまでの合計1125ラインが存在する。ただし、サブイメージの1ライン当たりのサンプル数は、一例であり、映像信号のシステムによって変動する。
ここで、さらに図45も参照して、第1及び第2の4K信号から第1乃至第8のサブイメージへの画素サンプルのマッピング方法の詳細について説明する。
図45は、各サブイメージのフォーマットの例を示している。このフォーマットは、SMPTE274Mで規定されている1920×1080/50P−60P信号のフォーマットとほぼ同様である。ただし、垂直ブランキング領域と映像データ領域の配置が異なっている。
まず、第1乃至第8のサブイメージの先頭の第1ラインから第21ラインまでの21ラインの領域に、垂直ブランキング領域が設けられる。
次に、第1の4K信号の第4g+hライン(g=0〜539,h=0〜3)の第4i+2jサンプル及び第4i+2j+1サンプル(i=0〜959,j=0〜1)の画素サンプルが、第2h+j+1のサブイメージの第g+22ラインの第2iサンプル及び第2i+1サンプルにマッピングされる。
次に、第1乃至第8のサブイメージの第562ラインから第583ラインまでの22ラインの領域に、垂直ブランキング領域が設けられる。なお、この垂直ブランキング領域を設けずに、省略することも可能である。
次に、第2の4K信号の第4g+hライン(g=0〜539,h=0〜3)の第4i+2jサンプル及び第4i+2j+1サンプル(i=0〜959,j=0〜1)の画素サンプルが、第2h+j+1のサブイメージの第g+584ラインの第2iサンプル及び第2i+1サンプルにマッピングされる。
さらに、第1乃至第8のサブイメージの第1124ラインから第1125ラインまでの2ラインの領域に、垂直ブランキング領域が設けられる。
以上のように、連続する2フレームの4K信号から、4ライン間隔で各ラインの隣り合う2つの画素サンプルのペアが1つ置きに間引かれて、第1乃至第8のサブイメージにマッピングされる。これにより、連続する2フレームの8K信号から第1乃至第32のサブイメージが生成される。
そして、各サブイメージに対して、第1乃至第3の実施の形態と同様の処理を行うことにより、伝送用データストリームが生成され、100GbE用デバイスにより伝送することが可能になる。
具体的には、例えば、7680×4320/100P−120P/4:4:4/10ビット,12ビット、7680×4320/100P−120P/4:2:2/12ビット、8192×4320/96P−120P/4:4:4/10ビット,12ビット、又は、8192×4320/96P−120P/4:2:2/12ビットの映像信号を伝送する場合、図44及び図45の処理を用いることにより、2フレームの8K信号から第1乃至第32のサブイメージが生成される。
そして、第1乃至第32のサブイメージに対して、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様の処理を行うことにより、128チャンネルのHD−SDIが生成される。また、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様の処理を行うことにより、128チャンネルのHD−SDIから8レーンの伝送用データストリームが生成される。そして、連続する2フレームの8K信号を8レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
このとき、図9の光ファイバ271−1,271−2は、それぞれ4レーンの伝送用データストリームを伝送可能なので、生成された8レーンの伝送用データストリームを1本の光ファイバケーブル13で伝送することができる。
一方、7680×4320又は8192×4320/100P−120P/4:2:2/10ビットの映像信号を伝送する場合、図44及び図45の処理を用いることにより、2フレームの8K信号から第1乃至第32のサブイメージが生成される。
そして、第1乃至第32のサブイメージに対して、第3の実施の形態と同様の処理を行うことにより、64チャンネルのHD−SDIが生成される。また、第3の実施の形態と同様の処理を行うことにより、64チャンネルのHD−SDIから4レーンの伝送用データストリームが生成される。そして、連続する2フレームの8K信号を4レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
<7.第5の実施の形態>
次に、図46乃至図53を参照して、本技術の第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態では、100GbE用デバイスを用いて48P−60Pの4KのRAW信号の伝送が行われる。この48P−60Pの4KのRAW信号には、3840×2160/50P−60P/4:4:4/16ビット、及び、4096×2160/48P−60P/4:4:4/16ビットのRAW信号が含まれる。
{放送用カメラ11dの構成例}
図46は、第5の実施の形態における放送用カメラ11の実施の形態である放送用カメラ11dの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図25の放送用カメラ11bと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
放送用カメラ11dは、放送用カメラ11bと比較して、撮像素子101及び信号処理部301の代わりに、撮像素子701及び信号処理部702が設けられている点が異なる。信号処理部702は、マッピング部711並びに多重部712−1及び712−2を含むように構成される。
撮像素子701は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等により構成される。撮像素子701は、撮影の結果得られる映像信号を信号処理部702のマッピング部711に供給する。この映像信号は、3840×2160/50P−60P/4:4:4/16ビット、又は、4096×2160/48P−60P/4:4:4/16ビットのRAW信号である。
マッピング部711は、後述するように、撮像素子701から供給されるRAW信号をマッピングした32チャンネルのHD−SDIを生成する。そして、マッピング部711は、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重部712−1に供給し、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重部712−2に供給する。
多重部712−1及び712−2は、後述するように、それぞれマッピング部711から供給される16チャンネルのHD−SDIのチャンネルコーディングを行い、多重化することにより、伝送用データストリームを生成する。そして、多重部712−1及び712−2は、生成した伝送用データストリームを送信制御部103に供給する。
なお、以下、多重部712−1及び712−2を個々に区別する必要がない場合、単に多重部712と称する。
{多重部712の構成例}
図47は、多重部712の機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図26の多重部311と対応する部分には、同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は適宜省略する。
多重部712は、多重部311と比較して、8B/10B変換部132−1乃至132−8の代わりに、8B/10B変換部731−1乃至731−8が設けられている点が異なる。また、8B/10B変換部731−i(i=1乃至8)は、8B/10B変換部132−iと比較して、8B/10Bエンコーダ154−iの代わりに8B/10Bエンコーダ741−iが設けられている点が異なる。
8B/10Bエンコーダ741−iは、所定のビット(例えば、32ビット)のブロック単位でRAM153−iからデータを読み出し、読み出したデータの8B/10B変換を行う。8B/10Bエンコーダ741−iは、8B/10B変換後のデータブロックをデータストリーム生成部332に供給する。
なお、以下、8B/10B変換部731−1乃至731−8を個々に区別する必要がない場合、単に、8B/10B変換部731と称する。また、以下、8B/10Bエンコーダ741−1乃至741−8を個々に区別する必要がない場合、単に8B/10Bエンコーダ741と称する。
{CCU12dの構成例}
図48は、第5の実施の形態におけるCCU12の実施の形態であるCCU12dの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図27のCCU12bと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
CCU12dは、CCU12bと比較して、信号処理部401の代わりに信号処理部801が設けられている点が異なる。信号処理部801は、信号処理部401と比較して、ワード同期検出・データストリーム再生部411及び映像再生部213の代わりに、ワード同期検出・データストリーム再生部811及び映像再生部812が設けられている点が異なる。
ワード同期検出・データストリーム再生部811には、S/P変換された伝送用データストリームがS/P変換・クロック再生部211から供給される。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部811は、伝送用データストリームからワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。また、ワード同期検出・データストリーム再生部811は、放送用カメラ11dの多重部712と逆の処理により、伝送用データストリームから32チャンネルのHD−SDIのデータストリームを再生し、映像再生部812に供給する。
映像再生部812は、放送用カメラ11dのマッピング部711と逆の処理により、32チャンネルのHD−SDIから元の4KのRAW信号を再生し、映像処理部203に供給する。
{第5の実施の形態における映像信号送信処理}
次に、図49のフローチャートを参照して、第5の実施の形態において放送用カメラ11dにより実行される映像信号送信処理について説明する。
ステップS301において、信号処理部702のマッピング部711は、RAW信号をHD−SDIのデータストリームにマッピングする。具体的には、マッピング部711は、4KのRAW信号を32チャンネルのHD−SDIにマッピングする。ここで、図50を参照して、4KのRAW信号を32チャンネルのHD−SDIにマッピングする方法の具体例について説明する。
まず、マッピング部711は、図13を参照して上述した方法により、4KのRAW信号を第1乃至第4のサブイメージにマッピングする。この第1乃至第4のサブイメージは、2K/48P−60P/4:4:4/16ビットの映像信号である。
次に、マッピング部711は、第1の実施の形態と同様の方法により、第1乃至第4のサブイメージのライン間引き及びワード間引きを行う。
すなわち、マッピング部711は、SMPTE372の図2等に規定される方式に従って、第1乃至第4のサブイメージをそれぞれ1ライン置きに間引く。これにより、2K/48P−60P/4:4:4/16ビットのプログレッシブの映像信号である各サブイメージから、チャンネル1とチャンネル2の2チャンネルの2K/48I−60I/4:4:4/16ビットのインターレースの映像信号が生成される。
次に、マッピング部711は、SMPTE372の図3等に規定される方式に従って、生成した各インターレースの映像信号をワード毎に間引く。これにより、2K/48I−60I/4:4:4/16ビットの各映像信号から、それぞれ2K/48I−60I/4:2:2/16ビットの2つの映像信号が再生される。
そして、マッピング部711は、2K/48I−60I/4:2:2/16ビットの各映像信号の16ビットの画素サンプルを上位8ビットと下位8ビットに分けて、2チャンネルのHD−SDI(図50では、2K/48I−60I/4:2:2/10ビットと記載している)に多重する。これにより、図50に示されるように、1つのサブイメージからそれぞれ8チャンネルのHD−SDIが生成され、その結果、第1乃至第4のサブイメージから合計で32チャンネルのHD−SDIが生成される。
また、図51及び図52の左側に示されるように、マッピング部711から多重部712−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのうち奇数チャンネルのHD−SDIの有効映像データ領域に、RAWデータの画素サンプルの上位8ビットのデータが多重される。同様に、チャンネル17乃至32のHD−SDIのうち奇数チャンネルのHD−SDIの有効映像データ領域に、RAWデータの画素サンプルの上位8ビットのデータが多重される。
また、図51及び図52の左側に示されるように、マッピング部711から多重部712−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのうち偶数チャンネルのHD−SDIの有効映像データ領域に、RAWデータの画素サンプルの下位8ビットのデータが多重される。同様に、チャンネル17乃至32のHD−SDIのうち偶数チャンネルのHD−SDIの有効映像データ領域に、RAWデータの画素サンプルの下位8ビットのデータが多重される。
このとき、マッピング部711は、各チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域に、補助データや映像信号の左右の余剰画素を多重する。
ここで、図51及び図52を参照して、補助データ及び余剰画素の多重方法の具体例について説明する。
(補助データ及び余剰画素の第1の多重方法)
図51の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第1の多重方法を示している。なお、図51には、マッピング部711から多重部712−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのみ図示しているが、残りのチャンネル17乃至32のHD−SDIについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
補助データは、第1の実施の形態の第1の多重方法と同様に、奇数チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域に補助データが多重される。これにより、32チャンネルのHD−SDIに対して、最大で16個のオーディオデータパケットを多重することができる。
従って、最大で32チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で16チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
また、各チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域内の余剰画素多重領域には、RAW信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータが多重される。より具体的には、奇数チャンネルのHD−SDIの余剰画素多重領域には、RAW信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルの上位8ビットのデータが多重される。偶数チャンネルのHD−SDIの余剰画素多重領域には、RAW信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルの下位8ビットのデータが多重される。
なお、余剰画素多重領域相対比率は、第1の実施の形態の第1の多重方法の場合と同じ値になる。
また、RAW信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータは、各サブイメージの垂直ブランキング領域に多重することにより、全て伝送することができる。
(補助データ及び余剰画素の第2の多重方法)
図52の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第2の多重方法を示している。なお、図52には、マッピング部711から多重部712−1に供給されるチャンネル1乃至16のHD−SDIのみ図示しているが、残りのチャンネル17乃至32のHD−SDIについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
第5の実施の形態における第2の多重方法は、第1の実施の形態における第2の多重方法と比較して、補助データを多重するHD−SDIのチャンネルが異なっている。
具体的には、図17に示される第1の実施の形態における第2の多重方法では、チャンネル1、17、33、49のHD−SDIの水平補助データ領域に補助データが多重される。一方、第5の実施の形態における第2の多重方法では、図52の左側に示されるように、チャンネル1、3、17、19のHD−SDIの水平補助データ領域に補助データが多重される。
このとき、SMPTE299−1の規定に従って、チャンネル1、3、17、19のHD−SDIの各水平補助データ領域に、オーディオデータパケットが最大で4パケット×2回多重される。これにより、32チャンネルのHD−SDIに対して、最大で32個のオーディオデータパケットを多重することができる。
従って、第1の実施の形態の第2の多重方法と同様に、最大で64チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で32チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
なお、HD−SDIの有効映像データ領域が2048サンプルの場合には、最大で32チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で16チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
また、補助データが多重されるチャンネル1、3、17、19、及び、それらのチャンネルとペアになるチャンネル2、4、18、20を除く24チャンネルのHD−SDIの水平補助データ領域全体が、余剰画素多重領域に割り当てられる。ここで、HD−SDIのペアとは、例えば、同じRAW信号の画素サンプルの上位8ビットと下位8ビットのデータが多重されるHD−SDIのペアのことである。
そして、余剰画素多重領域相対比率は、次式(16)乃至(20)に示される値となる。なお、式(16)は3840×2160/60PのRAW信号を伝送する場合の比率を示し、式(17)は3840×2160/50PのRAW信号を伝送する場合の比率を示している。式(18)は4096×2160/60PのRAW信号を伝送する場合の比率を示し、式(19)は4096×2160/50PのRAW信号を伝送する場合の比率を示し、式(20)は4096×2160/48PのRAW信号を伝送する場合の比率を示している。
(2200−1920−12)×24÷32÷1920=0.105=10.5% ・・・(16)
(2640−1920−12)×24÷32÷1920=0.277=27.7% ・・・(17)
(2200−2048−12)×24÷32÷2048=0.051=5.1% ・・・(18)
(2640−2048−12)×24÷32÷2048=0.212=21.2% ・・・(19)
(2750−2048−12)×24÷32÷2048=0.253=25.3% ・・・(20)
このように、有効映像データ領域に対して十分な余剰画素多重領域を確保でき、RAW信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することが可能になる。
なお、RAW信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータは、第1の多重方法の場合と同様に、各サブイメージの垂直ブランキング領域に多重することにより、全て伝送することができる。
以上のようにして、4KのRAW信号が32チャンネルのHD−SDIにマッピングされる。なお、以上に説明したRAW信号のマッピング方法は、その一例であり、他の方法を用いて、RAW信号を32チャンネルのHD−SDIにマッピングするようにしてもよい。
そして、マッピング部711は、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重部712−1に供給し、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重部712−2に供給する。
図49に戻り、ステップS302において、多重部712−1及び712−2は、HD−SDIのデータストリームをブロック単位で8B/10B変換する。このステップS302の処理は、8B/10Bエンコーダ741の処理を除いて、第2の実施の形態の図28のステップS102の処理と同様である。
具体的には、8B/10Bエンコーダ741は、第2の実施の形態の放送用カメラ11bの8B/10Bエンコーダ154と異なり、HD−SDIの有効映像データ領域及び水平補助データ領域の1ワード(10ビット)のデータから、RAWデータの画素サンプルの下位の8ビットのデータを抽出する。その他の8B/10Bエンコーダ741の処理は、8B/10Bエンコーダ154と同様である。
ステップS303において、図28のステップS103と同様の処理により、伝送用データストリームが生成される。すなわち、チャンネル1乃至16のHD−SDIを多重した伝送用データストリーム、及び、チャンネル17乃至32のHD−SDIを多重した伝送用データストリームが生成される。
ステップS304において、図10のステップS4と同様の処理により、2レーンの伝送用データストリームが送信される。
{第5の実施の形態における映像信号受信処理}
次に、図53のフローチャートを参照して、図49の映像信号送信処理に対応して、CCU12dにより実行される映像信号受信処理について説明する。
ステップS351において、図24のステップS51の処理と同様に、2レーンの伝送用データストリームが受信される。
ステップS352において、図24のステップS52の処理と同様に、2レーンの伝送用データストリームがS/P変換される。
ステップS353において、ワード同期検出・データストリーム再生部811は、伝送用データストリームからHD−SDIのデータストリームを再生する。具体的には、ワード同期検出・データストリーム再生部811は、2レーンの伝送用データストリームに多重されているワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部811は、放送用カメラ11dの多重部712と逆の処理により、2レーンの伝送用データストリームから32チャンネルのHD−SDIを再生する。ワード同期検出・データストリーム再生部811は、再生した32チャンネルのHD−SDIを映像再生部812に供給する。
ステップS354において、映像再生部812は、HD−SDIのデータストリームから映像信号を再生する。具体的には、映像再生部812は、放送用カメラ11dのマッピング部711と逆の処理により、32チャンネルのHD−SDIから元の4KのRAW信号を再生する。映像再生部812は、再生したRAW信号を映像処理部203に供給する。
以上のようにして、3840×2160/50P−60P/4:4:4/16ビット、及び、4096×2160/48P−60P/4:4:4/16ビットのRAW信号を、2レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
<8.第6の実施の形態>
次に、本技術の第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態では、100GbE用デバイスを用いて96P−120Pの4KのRAW信号の伝送が行われる。この96P−120Pの4KのRAW信号には、3840×2160/100P−120P/4:4:4/16ビット、及び、4096×2160/96P−120P/4:4:4/16ビットのRAW信号が含まれる。
この第6の実施の形態では、図44及び図45を参照して上述した方法と同様の方法により、連続する2フレームの第1及び第2の4KのRAW信号が、第1乃至第8のサブイメージにマッピングされる。
そして、第5の実施の形態と同様の処理により、第1乃至第8のサブイメージが、64チャンネルのHD−SDIにマッピングされ、さらに、64チャンネルのHD−SDIから4レーンの伝送用データストリームが生成される。そして、4KのRAW信号が、連続する2フレーム単位で、4レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送される。
<9.第7の実施の形態>
次に、図54乃至図62を参照して、本技術の第7の実施の形態について説明する。
第7の実施の形態では、100GbE用デバイスを用いて50P−60Pの8K信号の伝送が行われる。この50P−60Pの8K信号には、7680×4320/50P−60P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビットの映像信号が含まれる。
{放送用カメラ11eの構成例}
図54は、第7の実施の形態における放送用カメラ11の実施の形態である放送用カメラ11eの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図5の放送用カメラ11aと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
放送用カメラ11eは、放送用カメラ11aと比較して、撮像素子101及び信号処理部102の代わりに、撮像素子901及び信号処理部902が設けられている点が異なる。
撮像素子901は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等により構成される。撮像素子901は、撮影の結果得られる映像信号を信号処理部902のマッピング部911に供給する。この映像信号は、例えば、7680×4320/50P−60P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビットの映像信号である。
信号処理部902は、撮像素子901から供給される映像信号を100GbE用デバイスにより伝送可能な方式のデータストリームに多重し、生成したデータストリームを送信制御部103に供給する。信号処理部902は、マッピング部911、並びに、多重部912−1乃至912−4を含むように構成される。
マッピング部911は、後述するように、撮像素子901から供給される映像信号をマッピングした48チャンネルのシリアルのデータストリーム(以下、ベーシックストリームと称する)を生成する。そして、マッピング部911は、チャンネル1乃至12のベーシックストリームを多重部912−1に供給し、チャンネル13乃至24のベーシックストリームを多重部912−2に供給する。また、マッピング部911は、チャンネル25乃至36のベーシックストリームを多重部912−3に供給し、チャンネル37乃至48のベーシックストリームを多重部912−4に供給する。
なお、ベーシックストリームは、HD−SDIのデータストリームと比較して、ワード長が12ビットである点を除いて、ほぼ同様のデータ構成を有している。すなわち、ベーシックストリームは、HD−SDIと同様に、SAV、EAV、有効映像データ領域、及び、水平補助データ領域を有している。
多重部912−1乃至912−4は、後述するように、それぞれマッピング部911から供給される12チャンネルのベーシックストリームのチャンネルコーディングを行い、多重化することにより、伝送用データストリームを生成する。そして、多重部912−1乃至912−4は、生成した伝送用データストリームを送信制御部103に供給する。
なお、以下、多重部912−1乃至912−4を個々に区別する必要がない場合、単に多重部912と称する。
{多重部912の構成例}
図55は、多重部912の機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図6の多重部112と対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので省略する。
多重部912は、8B/10B変換部931−1乃至931−12、データストリーム生成部932、及び、P/S変換部134を含むように構成される。8B/10B変換部931−i(i=1乃至8)は、受信部941−i、TRS検出部942−i、RAM943−i、及び、8B/10Bエンコーダ944−iをそれぞれ含む。
多重部912に入力される12チャンネルのベーシックストリームは、8B/10B変換部931−1乃至931−12の受信部941−1乃至941−12にそれぞれ入力される。
そして、受信部941−1は、入力されたベーシックストリームのS/P変換及びデスクランブルを行い、TRS検出部942−1に供給する。また、受信部941−1は、ベーシックストリームに重畳されているクロック信号の再生を行い、8B/10B変換部931−1の各部に供給する。
TRS検出部942−1は、ベーシックストリームに含まれるSAV及びEAVを検出し、ベーシックストリームのワード同期を取る。そして、TRS検出部942−1は、ベーシックストリームのSAVの先頭から所定のビット(例えば、48ビット)単位でデータを抽出し、RAM943−1に記憶させる。
8B/10Bエンコーダ944−1は、所定のビット(例えば、48ビット)のブロック単位でRAM943−1からデータを読み出し、読み出したデータの8B/10B変換を行う。8B/10Bエンコーダ944−1は、8B/10B変換後のデータブロックをデータストリーム生成部932に供給する。
8B/10B変換部931−2乃至931−12も、それぞれ入力されたベーシックストリームに対して、8B/10B変換部931−1と同様の処理を行う。
なお、以下、8B/10B変換部931−1乃至931−12を個々に区別する必要がない場合、単に、8B/10B変換部931と称する。また、以下、受信部941−1乃至941−12、TRS検出部942−1乃至942−12、RAM943−1乃至943−12、及び、8B/10Bエンコーダ944−1乃至944−12を個々に区別する必要がない場合、単に受信部941、TRS検出部942、RAM943、及び、8B/10Bエンコーダ944と称する。
データストリーム生成部932は、8B/10Bエンコーダ944から供給されるデータブロックを所定の順序で多重化することにより、所定のワード長のパラレルの伝送用データストリームを生成する。データストリーム生成部932は、生成した伝送用データストリームをP/S変換部134に供給する。
{CCU12eの構成例}
図56は、第7の実施の形態におけるCCU12の実施の形態であるCCU12eの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図8のCCU12aと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。
CCU12eは、CCU12aと比較して、信号処理部202の代わりに信号処理部1001が設けられている点が異なる。信号処理部1001は、信号処理部202と比較して、ワード同期検出・データストリーム再生部212及び映像再生部213の代わりに、ワード同期検出・データストリーム再生部1011及び映像再生部1012が設けられている点が異なる。
ワード同期検出・データストリーム再生部1011は、S/P変換された伝送用データストリームからワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。また、ワード同期検出・データストリーム再生部1011は、放送用カメラ11eの多重部912と逆の処理により、伝送用データストリームから48チャンネルのベーシックストリームを再生し、映像再生部1012に供給する。
映像再生部1012は、放送用カメラ11eのマッピング部911と逆の処理により、48チャンネルのベーシックストリームから元の8K信号を再生し、映像処理部203に供給する。
{第7の実施の形態における映像信号送信処理}
次に、図57のフローチャートを参照して、第7の実施の形態における放送用カメラ11eにより実行される映像信号送信処理について説明する。
ステップS401において、信号処理部902のマッピング部911は、映像信号をベーシックストリームにマッピングする。具体的には、マッピング部911は、8K信号を48チャンネルのベーシックストリームにマッピングする。ここで、8K信号を48チャンネルのベーシックストリームにマッピングする方法の具体例について説明する。
例えば、マッピング部911は、8K信号を色信号コンポーネント毎に4分割し、合計で12個のサブイメージを生成する。すなわち、8K信号のR、G、B又はY、Cb、Crの各色信号コンポーネントが、1ビットインタリーブ又は2ビットインタリーブ等の方式によりそれぞれ4分割される。これにより、合計で12個の4K信号からなるサブイメージが生成される。
次に、マッピング部911は、12個の各サブイメージを、例えば1ビットインタリーブ又は2ビットインタリーブ等の方式により、さらに4分割し、合計で48個の2K信号からなるベーシックイメージを生成する。
そして、マッピング部911は、48個のベーシックイメージをそれぞれ48チャンネルのベーシックストリームに多重する。ここで、上述したようにベーシックストリームのワード長は12ビットなので、各ベーシックイメージの画素サンプルの12ビットのデータを分割することなく、そのままベーシックストリームに多重することができる。
このとき、マッピング部911は、ベーシックストリームの水平補助データ領域に、補助データや映像信号の左右の余剰画素を多重する。
ここで、図58及び図59を参照して、補助データ及び余剰画素の多重方法の具体例について説明する。
(補助データ及び余剰画素の第1の多重方法)
図58の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第1の多重方法を示している。なお、図58には、マッピング部911から多重部912−1に供給されるチャンネル1乃至12のベーシックストリームのみ図示しているが、残りのチャンネル13乃至48のベーシックストリームについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
具体的には、各ベーシックストリームの水平補助データ領域に補助データ多重領域が確保される。奇数チャンネルの補助データ多重領域は、少なくともオーディオ制御パケットやタイムコードのバイト数以上のサイズに設定され、偶数チャンネルの補助データ多重領域は、オーディオデータパケットのデータ長である31バイト以上のサイズに設定される。
そして、偶数チャンネルのベーシックストリームの補助データ多重領域には、SMPTE299−1の規定に準拠したオーディオデータパケットが多重される。また、奇数チャンネルのベーシックストリームの補助データ多重領域には、オーディオ制御パケット、タイムコード、ペイロードID等が多重される。
このようにして、48チャンネルのベーシックストリームに対して、最大24個のオーディオデータパケットを多重することができる。
ここで、例えば、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/50Pのベーシックストリームに対して、1ライン当たり平均で約0.853回(=48kHz÷50Hz÷1125ライン)サンプリングされる。また、例えば、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/60Pのベーシックストリームに対して、1ライン当たり平均で約0.711回(=48kHz÷60Hz÷1125ライン)サンプリングされる。すなわち、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/50P,60Pのベーシックストリームの1ライン又は2ラインに1回サンプリングされる。
従って、48kHzサンプリングのオーディオ信号を1920×1125/50P,60Pのベーシックストリームに多重して伝送する場合、各チャンネルのオーディオ信号を最大で1ラインに1サンプル多重する必要がある。そして、上述したように、24個のオーディオデータパケットを多重することができるので、48kHzサンプリングのオーディオ信号を最大で96チャンネル(=4チャンネル×24個)多重して伝送することができる。
なお、32kHz、44.1kHzサンプリングのオーディオ信号も同様に、最大で96チャンネル伝送することができる。一方、96kHzサンプリングのオーディオ信号の場合、その半分の最大で48チャンネル伝送することができる。
また、各チャンネルのベーシックストリームの水平補助データ領域内の補助データ多重領域を除く余剰画素多重領域には、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータが多重される。
そして、例えば、補助データ多重領域を31バイトとした場合、余剰画素多重領域相対比率は、次式(21)及び(22)に示される値となる。なお、式(21)は7680×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(22)は7680×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。
(2200−1920−12−31)÷1920=0.123=12.3% ・・・(21)
(2640−1920−12−31)÷1920=0.353=35.3% ・・・(22)
このように、有効映像データ領域に対して十分な余剰画素多重領域を確保でき、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することが可能になる。
なお、8K信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータは、各ベーシックイメージの垂直ブランキング領域に多重することにより、全て伝送することができる。
(補助データ及び余剰画素の第2の多重方法)
図59の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第2の多重方法を示している。なお、図59には、マッピング部911から多重部912−1に供給されるチャンネル1乃至12のベーシックストリームのみ図示しているが、残りのチャンネル13乃至48のベーシックストリームについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
具体的には、チャンネル2、14、26、38のベーシックストリームの水平補助データ領域に、オーディオデータパケットが最大で4パケット×2回多重される。また、チャンネル1、13、25、37のベーシックストリームの水平補助データ領域に、オーディオ制御パケット、ペイロードID、タイムコード等が多重される。
従って、48チャンネルのベーシックストリームに対して、最大で32個のオーディオデータパケットを多重することができる。これにより、最大で128チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で64チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
なお、ベーシックストリームの有効映像データ領域が2048サンプルの場合、HD−SDIの場合と同様に、水平補助データ領域に多重できるオーディオデータパケットの個数は、有効映像データ領域が1920サンプルの場合の半分になる。従って、ベーシックストリームの有効映像データ領域が2048サンプルの場合、最大で64チャンネルの32kHz、44.1kHz、48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で32チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
また、補助データが多重されるチャンネル1、2、13、14、25、26、37及び38を除く40チャンネルのベーシックストリームの水平補助データ領域全体が、余剰画素多重領域に割り当てられる。
そして、余剰画素多重領域相対比率は、次式(23)及び(24)に示される値となる。なお、式(23)は7680×4320/60Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(24)は7680×4320/50Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。
(2200−1920−12)×40÷48÷1920=0.116=11.6% ・・・(23)
(2640−1920−12)×40÷48÷1920=0.307=30.7% ・・・(24)
このように、有効映像データ領域に対して十分な余剰画素多重領域を確保でき、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することが可能になる。
なお、8K信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータは、各ベーシックイメージの垂直ブランキング領域に多重することにより、全て伝送することができる。
以上のようにして、8K信号が48チャンネルのベーシックストリームにマッピングされる。なお、以上に説明した8K信号のマッピング方法は、その一例であり、他の方法を用いて、8K信号を48チャンネルのベーシックストリームにマッピングするようにしてもよい。
そして、マッピング部911は、チャンネル1乃至12のベーシックストリームを多重部912−1に供給し、チャンネル13乃至24のベーシックストリームを多重部912−2に供給する。また、マッピング部911は、チャンネル25乃至36のベーシックストリームを多重部912−3に供給し、チャンネル37乃至48のベーシックストリームを多重部912−4に供給する。
図57に戻り、ステップS402において、多重部912は、ベーシックストリームをブロック単位で8B/10B変換する。
具体的には、多重部912−1の8B/10B変換部931−1の受信部941−1には、チャンネル1のベーシックストリームが入力される。受信部941−1は、ベーシックストリームのS/P変換及びデスクランブルを行い、148.5MHzのクロック信号に同期して、1ワード(12ビット)単位でデータを抽出し、TRS検出部942−1に供給する。
TRS検出部942−1は、ベーシックストリームに含まれるSAV及びEAVを検出し、ベーシックストリームのワード同期を取る。そして、TRS検出部942−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、ベーシックストリームの先頭から順に48ビット(12ビット×4クロック)単位でデータを抽出し、RAM943−1に記憶させる。
8B/10Bエンコーダ944−1は、148.5MHzのクロック信号の4クロック毎に、RAM943−1から48ビットのデータブロックを読み出し、読み出したデータブロックの8B/10B変換を行う。そして、8B/10Bエンコーダ944−1は、8B/10B変換後の60ビットのデータブロックをデータストリーム生成部932に供給する。
なお、図58及び図59の右側に示されるように、多重部912−1に入力される他のチャンネルのベーシックストリームについても同様に、SAVの先頭から順番に48ビットのブロック単位で8B/10B変換が行われる。そして、8B/10B変換後の60ビットのデータブロックが、データストリーム生成部932に供給される。
以上のようにして、図60に模式的に示されるように、チャンネル1乃至12のベーシックストリームからそれぞれ生成された60ビットのデータブロックが、4クロック毎にデータストリーム生成部932に供給される。これにより、図61にモデル化して示したように、実質的に、180ビット/サンプルのデータが1クロック毎にデータストリーム生成部932に供給される処理が、4クロック周期で繰り返される。従って、実質的に180ビット×148.5MHzのデータストリームが、データストリーム生成部932に供給されることになる。
なお、多重部912−2乃至912−4においても同様の処理が行われる。すなわち、各多重部912に入力される12チャンネルのベーシックストリームに対して、SAVの先頭から順番に48ビットのブロック単位で8B/10B変換が行われる。そして、8B/10B変換後の60ビットの各データブロックが、データストリーム生成部932に供給される。
図57に戻り、ステップS403において、多重部912は、伝送用データストリームを生成する。
具体的には、多重部912−1のデータストリーム生成部932は、167.0625MHzのクロック信号に同期して、8B/10Bエンコーダ944から供給されるデータブロックを所定の順序に並べ、160ビット単位でデータを抽出する。そして、データストリーム生成部932は、抽出したデータからなるワード長が160ビットのパラレルデータを生成し、P/S変換部134に出力する。
このようにして、チャンネル1乃至12のベーシックストリームを多重した伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。また、データストリームのビットレートが、180ビット×148.5MHzから160ビット×167.0625MHzに変換される。
また、このとき、データストリーム生成部932は、チャンネル1のベーシックストリームの各ラインのSAVから始まる先頭の2ワード以上(24ビット以上)のデータを、8B/10B符号のコンマキャラクターであるK28.5等に置き換える。この置き換えられたデータは、伝送用データストリームの同期信号として用いられる。
また、多重部912−2乃至912−4のデータストリーム生成部932も、それぞれ多重部912−1のデータストリーム生成部932と同様の処理を行い、伝送用データストリームを生成し、P/S変換部134に供給する。これにより、チャンネル13乃至24、チャンネル25乃至36、及び、チャンネル37乃至48のベーシックストリームをそれぞれ多重した伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。
なお、チャンネル13、25、37のベーシックストリームの各ラインのSAVから始まる先頭の2ワード以上のデータが、チャンネル1のベーシックストリームと同様に、8B/10B符号のコンマキャラクターであるK28.5等に置き換えられる。
ステップS404において、図10のステップS4の処理と同様に、4レーンの伝送用データストリームが送信される。
{第7の実施の形態における映像信号受信処理}
次に、図62のフローチャートを参照して、図57の映像信号送信処理に対応して、CCU12eにより実行される映像信号受信処理について説明する。
ステップS451において、図24のステップS51の処理と同様に、4レーンの伝送用データストリームが受信される。
ステップS452において、図24のステップS52の処理と同様に、4レーンの伝送用データストリームがS/P変換される。
ステップS453において、ワード同期検出・データストリーム再生部1011は、伝送用データストリームからベーシックストリームを再生する。具体的には、ワード同期検出・データストリーム再生部1011は、4レーンの伝送用データストリームに多重されているワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部1011は、放送用カメラ11eの多重部912と逆の処理により、4レーンの伝送用データストリームから48チャンネルのベーシックストリームを再生する。ワード同期検出・データストリーム再生部1011は、再生した48チャンネルのベーシックストリームを映像再生部1012に供給する。
ステップS454において、映像再生部1012は、ベーシックストリームから映像信号を再生する。具体的には、映像再生部1012は、放送用カメラ11eのマッピング部911と逆の処理により、48チャンネルのベーシックストリームから元の8K信号を再生する。映像再生部1012は、再生した8K信号を映像処理部203に供給する。
以上のようにして、7680×4320/50P−60P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビットの映像信号を、4レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
<10.第8の実施の形態>
次に、図63乃至図71を参照して、本技術の第8の実施の形態について説明する。
第8の実施の形態では、100GbE用デバイスを用いて100P−120Pの8K信号の伝送が行われる。この100P−120Pの8K信号には、7680×4320/100P−120P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビットの映像信号が含まれる。
{放送用カメラ11fの構成例}
図63は、第8の実施の形態における放送用カメラ11の実施の形態である放送用カメラ11fの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図54の放送用カメラ11eと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので、適宜省略する。
放送用カメラ11fは、放送用カメラ11eと比較して、撮像素子901及び信号処理部902の代わりに、撮像素子1101及び信号処理部1102が設けられている点が異なる。
撮像素子1101は、例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等により構成される。撮像素子1101は、撮影の結果得られる映像信号を信号処理部1102のマッピング部1111に供給する。この映像信号は、例えば、7680×4320/100P−120P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビットの映像信号である。
信号処理部1102は、撮像素子1101から供給される映像信号を100GbE用デバイスにより伝送可能な方式のデータストリームに多重し、そのデータストリームを送信制御部103に供給する。信号処理部1102は、マッピング部1111、並びに、多重部1112−1乃至1112−8を含むように構成される。
マッピング部1111は、後述するように、撮像素子1101から供給される映像信号をマッピングした48チャンネルのベーシックストリームを生成する。そして、マッピング部1111は、チャンネル1乃至6のベーシックストリームを多重部1112−1に供給し、チャンネル7乃至12のベーシックストリームを多重部1112−2に供給する。また、マッピング部1111は、チャンネル13乃至18のベーシックストリームを多重部1112−3に供給し、チャンネル19乃至24のベーシックストリームを多重部1112−4に供給する。さらに、マッピング部1111は、チャンネル25乃至30のベーシックストリームを多重部1112−5に供給し、チャンネル31乃至36のベーシックストリームを多重部1112−6に供給する。また、マッピング部1111は、チャンネル37乃至42のベーシックストリームを多重部1112−7に供給し、チャンネル43乃至48のベーシックストリームを多重部1112−8に供給する。
多重部1112−1乃至1112−8は、後述するように、それぞれマッピング部1111から供給される6チャンネルのベーシックストリームのチャンネルコーディングを行い、多重化することにより、伝送用データストリームを生成する。そして、多重部1112−1乃至1112−8は、生成した伝送用データストリームを送信制御部103に供給する。
なお、以下、多重部1112−1乃至1112−8を個々に区別する必要がない場合、単に多重部1112と称する。
{多重部1112の構成例}
図64は、多重部1112の機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図55の多重部912と対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので省略する。
多重部1112は、多重部912と比較して、データストリーム生成部932の代わりにデータストリーム生成部1131が設けられ、8B/10B変換部931の数が12から6に減っている点が異なる。
データストリーム生成部1131は、8B/10Bエンコーダ944−1乃至944−6から供給されるデータブロックを所定の順序で多重化することにより、所定のワード長のパラレルの伝送用データストリームを生成する。データストリーム生成部1131は、生成した伝送用データストリームをP/S変換部134に供給する。
{CCU12fの構成例}
図65は、第8の実施の形態におけるCCU12の実施の形態であるCCU12fの機能の構成例を示すブロック図である。なお、図中、図56のCCU12eと対応する部分には同じ符号を付してあり、処理が同じ部分については、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。
CCU12fは、CCU12eと比較して、信号処理部1001の代わりに信号処理部1201が設けられている点が異なる。信号処理部1201は、信号処理部1001と比較して、ワード同期検出・データストリーム再生部1011及び映像再生部1012の代わりに、ワード同期検出・データストリーム再生部1211及び映像再生部1212が設けられている点が異なる。
ワード同期検出・データストリーム再生部1211は、シリアル/パラレル変換された伝送用データストリームからワード同期信号を検出する。また、ワード同期検出・データストリーム再生部1211は、放送用カメラ11fの多重部1112と逆の処理により、伝送用データストリームから48チャンネルのベーシックストリームを再生し、映像再生部1212に供給する。
映像再生部1212は、放送用カメラ11fのマッピング部1111と逆の処理により、48チャンネルのベーシックストリームから元の8K信号を再生し、映像処理部203に供給する。
{第8の実施の形態における映像信号送信処理}
次に、図66のフローチャートを参照して、第8の実施の形態において放送用カメラ11fにより実行される映像信号送信処理について説明する。
ステップS501において、信号処理部1102のマッピング部1111は、映像信号をベーシックストリームにマッピングする。
具体的には、マッピング部1111は、図57のステップS401におけるマッピング部911と同様の処理により、8K信号を48チャンネルのベーシックストリームにマッピングする。また、このとき、マッピング部1111は、ベーシックストリームの水平補助データ領域に、補助データや映像信号の左右の余剰画素を多重する。
ここで、図67及び図68を参照して、補助データ及び余剰画素の多重方法の具体例について説明する。
(補助データ及び余剰画素の第1の多重方法)
図67の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第1の多重方法を示している。なお、図67には、マッピング部1111から多重部1112−1に供給されるチャンネル1乃至6のベーシックストリームのみ図示しているが、残りのチャンネル7乃至48のベーシックストリームについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
具体的には、この第1の多重方法では、第7の実施の形態の第1の多重方法と同様の方法により、補助データ及び余剰画素が多重される。すなわち、各チャンネルのベーシックストリームの水平補助データ領域に補助データ多重領域が確保される。また、偶数チャンネルのベーシックストリームの補助データ多重領域に、SMPTE299−1の規定に準拠したオーディオデータパケットが多重される。さらに、奇数チャンネルのベーシックストリームの補助データ多重領域に、オーディオ制御パケット、タイムコード、ペイロードID等が多重される。また、各チャンネルのベーシックストリームの水平補助データ領域内の補助データ多重領域を除く余剰画素多重領域には、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータが多重される。
従って、第7の実施の形態の第1の多重方法と同様に、48チャンネルのベーシックストリームに対して、最大24個のオーディオデータパケットを多重することができる。
ここで、例えば、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/100Pのベーシックストリームに対して、1ライン当たり平均で約0.426回(=48kHz÷100Hz÷1125ライン)サンプリングされる。また、例えば、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/120Pのベーシックストリームに対して、1ライン当たり平均で約0.356回(=48kHz÷120Hz÷1125ライン)サンプリングされる。すなわち、48kHzサンプリングのオーディオ信号は、1920×1125/100P,4120Pのベーシックストリームの2ライン又は3ラインに1回サンプリングされる。
従って、48kHzサンプリングのオーディオ信号を1920×1125/100P,120Pのベーシックストリームに多重して伝送する場合、各チャンネルのオーディオ信号を最大で2ラインに1サンプル多重する必要がある。そして、上述したように、24個のオーディオデータパケットを多重することができるので、48kHzサンプリングのオーディオ信号を最大で192チャンネル(=4チャンネル×24個×2)多重して伝送することができる。
なお、32kHz、44.1kHzサンプリングのオーディオ信号も同様に、最大で192チャンネル伝送することができる。一方、96kHzサンプリングのオーディオ信号の場合、その半分の最大で96チャンネル伝送することができる。
なお、例えば、余剰画素多重領域相対比率は、第7の実施の形態の第1の多重方法の場合と同じになる。
(補助データ及び余剰画素の第2の多重方法)
図68の左側の図は、補助データ及び余剰画素の第2の多重方法を示している。なお、図68には、マッピング部1111から多重部1112−1に供給されるチャンネル1乃至6のベーシックストリームのみ図示しているが、残りのチャンネル7乃至48のベーシックストリームについても同様の方法により補助データ及び余剰画素が多重される。
具体的には、チャンネル2、8、14、20、26、32、38、44のベーシックストリームの水平補助データ領域に、オーディオデータパケットが最大で4パケット×2回多重される。また、チャンネル1、7、13、19、25、31、37、43のベーシックストリームの水平補助データ領域に、オーディオ制御パケット、ペイロードID、タイムコード等が多重される。
従って、48チャンネルのベーシックストリームに対して、最大で64個のオーディオデータパケットを多重することができる。これにより、最大で256チャンネルの32kHz、44.1kHz若しくは48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で128チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
なお、上述したように、ベーシックストリームの有効映像データ領域が2048サンプルの場合、水平補助データ領域に多重できるオーディオパケットの個数は、有効映像データ領域が1920サンプルの場合の半分になる。従って、ベーシックストリームの有効映像データ領域が2048サンプルの場合、最大で128チャンネルの32kHz、44.1kHz、48kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、最大で64チャンネルの96kHzサンプリングのオーディオ信号を多重して伝送することができる。
また、補助データが多重されるチャンネル1、2、7、8、13、14、19、20、25、26、31、32、37、38、43、44を除く40チャンネルのベーシックストリームの水平補助データ領域全体が、余剰画素多重領域に割り当てられる。
そして、余剰画素多重領域相対比率は、次式(25)及び(26)に示される値となる。なお、式(25)は7680×4320/120Pの映像信号を伝送する場合の比率を示し、式(26)は7680×4320/100Pの映像信号を伝送する場合の比率を示している。
(2200−1920−12)×32÷48÷1920=0.093=9.3% ・・・(25)
(2640−1920−12)×32÷48÷1920=0.246=24.6% ・・・(26)
このように、有効映像データ領域に対して十分な余剰画素多重領域を確保でき、8K信号の左右の余剰画素領域内の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することが可能になる。
なお、8K信号の上下の余剰画素領域内の画素サンプルのデータは、各ベーシックイメージの垂直ブランキング領域に多重することにより、全て伝送することができる。
以上のようにして、8K信号が48チャンネルのベーシックストリームにマッピングされる。なお、以上に説明した8K信号のマッピング方法は、その一例であり、他の方法を用いて、8K信号を48チャンネルのベーシックストリームにマッピングするようにしてもよい。
そして、マッピング部1111は、チャンネル1乃至6のベーシックストリームを多重部1112−1に供給し、チャンネル7乃至12のベーシックストリームを多重部1112−2に供給する。また、マッピング部1111は、チャンネル13乃至18のベーシックストリームを多重部1112−3に供給し、チャンネル19乃至24のベーシックストリームを多重部1112−4に供給する。さらに、マッピング部1111は、チャンネル25乃至30のベーシックストリームを多重部1112−5に供給し、チャンネル31乃至36のベーシックストリームを多重部1112−6に供給する。また、マッピング部1111は、チャンネル37乃至42のベーシックストリームを多重部1112−7に供給し、チャンネル43乃至48のベーシックストリームを多重部1112−8に供給する。
図66に戻り、ステップS502において、図57のステップS402の処理と同様に、48チャンネルのベーシックストリームがブロック単位で8B/10B変換される。そして、8B/10B変換後の60ビットの各データブロックが、データストリーム生成部1131に供給される。ただし、図57のステップS402の処理と異なり、297MHzのクロック信号の4クロック毎に、8B/10B変換が行われる。
従って、図69に模式的に示されるように、例えば、チャンネル1乃至6のベーシックストリームからそれぞれ生成された60ビットのデータブロックが、4クロック毎に多重部1112−1からデータストリーム生成部1131に供給される。これにより、図70にモデル化して示したように、実質的に、90ビット/サンプルのデータが1クロック毎に多重部1112−1からデータストリーム生成部1131に供給される処理が、4クロック周期で繰り返される。従って、実質的に90ビット×297MHzのデータストリームが、各多重部1112からデータストリーム生成部1131に供給されることになる。
ステップS503において、多重部1112は、伝送用データストリームを生成する。
具体的には、多重部1112−1のデータストリーム生成部1131は、167.0625MHzのクロック信号に同期して、8B/10Bエンコーダ944から供給されるデータブロックを所定の順序に並べ、160ビット単位でデータを抽出する。そして、データストリーム生成部1131は、抽出したデータからなるワード長が160ビットのパラレルデータを生成し、P/S変換部134に出力する。
このようにして、チャンネル1乃至6のベーシックストリームを多重した伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。また、データストリームのビットレートが、90ビット×297MHzから160ビット×167.0625MHzに変換される。
また、このとき、データストリーム生成部1131は、チャンネル1のベーシックストリームの各ラインのSAVから始まる先頭の2ワード以上(24ビット以上)のデータを、8B/10B符号のコンマキャラクターであるK28.5等に置き換える。この置き換えられたデータは、伝送用データストリームの同期信号として用いられる。
また、多重部1112−2乃至1112−8のデータストリーム生成部932も、それぞれ多重部1112−1のデータストリーム生成部1131と同様の処理を行い、伝送用データストリームを生成し、P/S変換部134に供給する。これにより、チャンネル7乃至12、チャンネル13乃至18、チャンネル19乃至24、チャンネル25乃至30、チャンネル31乃至36、チャンネル37乃至42、及び、チャンネル43乃至48のベーシックストリームをそれぞれ多重した伝送用データストリームが生成され、P/S変換部134に供給される。
なお、チャンネル7、13、19、25、31、37及び43のベーシックストリームの各ラインのSAVから始まる先頭の2ワード以上のデータが、チャンネル1のベーシックストリームと同様に、8B/10B符号のコンマキャラクターであるK28.5等に置き換えられる。
ステップS504において、図10のステップS4と同様の処理により、8レーンの伝送用データストリームが送信される。このとき、上述したように、1本の光ファイバケーブル13で8レーンの伝送用データストリームを一度に伝送することができる。
{第8の実施の形態における映像信号受信処理}
次に、図71のフローチャートを参照して、図66の映像信号送信処理に対応して、CCU12fにより実行される映像信号受信処理について説明する。
ステップS551において、図24のステップS51の処理と同様に、8レーンの伝送用データストリームが受信される。
ステップS552において、図24のステップS52の処理と同様に、8レーンの伝送用データストリームがS/P変換される。
ステップS553において、ワード同期検出・データストリーム再生部1211は、伝送用データストリームからベーシックストリームを再生する。具体的には、ワード同期検出・データストリーム再生部1211は、8レーンの伝送用データストリームに多重されているワード同期信号を検出し、伝送用データストリームのワード同期を取る。そして、ワード同期検出・データストリーム再生部1211は、放送用カメラ11fの多重部1112と逆の処理により、8レーンの伝送用データストリームから48チャンネルのベーシックストリームを再生する。ワード同期検出・データストリーム再生部1211は、再生した48チャンネルのベーシックストリームを映像再生部1212に供給する。
ステップS554において、映像再生部1212は、ベーシックストリームから映像信号を再生する。具体的には、映像再生部1212は、放送用カメラ11fのマッピング部1111と逆の処理により、48チャンネルのベーシックストリームから元の8K信号を再生する。映像再生部1212は、再生した8K信号を映像処理部203に供給する。
以上のようにして、7680×4320/100P−120P/4:4:4,4:2:2/10ビット,12ビットの映像信号を、8レーンの伝送用データストリームにより100GbE用デバイスで伝送することができる。
以上のように、本技術の第1乃至第8の実施の形態を用いて、8K又は4Kの映像信号を、100GbE用デバイスを用いて伝送することが可能になる。
例えば、ITUにてUHDTVの映像信号規格が制定されたり、日本の総務省がUHDTVの放送を前倒しするなど、UHDTVの開発、商品化に拍車がかかっている。一方、スタジオ内インタフェースに関しては、SMPTE2036−3で規定される方式では60Pまでのフレームレートまでしか対応しておらず、ITUで規格化されたUHDTV/120P信号に対する有効な伝送方式が存在しない。さらに、UHDTV2/120P信号は最大で144Gbpsにも達する超大容量の映像信号であるが、UHDTV2/120P信号に対する有効な伝送方式も存在しない。そこで、本技術を適用することにより、将来普及し価格が安くなることが見込まれる100GbE用の光モジュールを用いて、UHDTV/120PやUHDTV2/120Pの映像信号を伝送することが可能になる。
また、本技術の第1乃至第6の実施の形態は、SMPTE2036−3等の既存の規格と整合性が取れており、従来の技術や製品を適用したり、応用したりすることが容易である。
さらに、本技術を用いれば、有効画素領域が1920サンプルか2048サンプルかに関わらず、多チャンネルのオーディオ信号を多重して伝送することができる。また、8K又は4Kの映像信号の垂直方向及び水平方向の余剰画素領域の画素サンプルのデータを全て多重して伝送することができる。
さらに、本技術では、有効画素領域と余剰画素領域に対して同じ信号処理が行われるため、信号処理が容易になり、例えば、回路規模や処理時間を縮小することができる。
<11.変形例>
なお、第1乃至第6の実施の形態では、マッピング部で映像信号を複数チャンネルのHD−SDIのデータストリームにマッピングして多重部に供給する例を示したが、3G−SDIや最近SMPTEで審議が開始された6G−SDIや12G−SDIのデータストリームにマッピングして多重部に供給するようにしてもよい。
例えば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、8K信号を32チャンネルの3G−SDIにマッピングすることが可能である。第3の実施の形態では、8K信号を16チャンネルの3G−SDIにマッピングすることが可能である。第5の実施の形態では、4KのRAW信号を16チャンネルの3G−SDIにマッピングすることが可能である。
なお、3G−SDIは基本的にHD−SDIをワードインタリーブしたものなので、HD−SDIにマッピングした場合と同様の処理により、伝送用データストリームを生成することが可能である。また、補助データ及び余剰画素は、例えば、3G−SDIを生成する前のHD−SDIの水平補助データ領域に多重するようにすればよい。
また、伝送用データストリームに多重するデータストリーム(HD−SDI、3G−SDI又はベーシックストリーム)の組み合わせは、上述した例に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
例えば、第1の実施の形態では、チャンネル1乃至16のHD−SDIから第1レーンの伝送用データストリーム、チャンネル17乃至32のHD−SDIから第2レーンの伝送用データストリーム、チャンネル33乃至48のHD−SDIから第3レーンの伝送用データストリーム、チャンネル49乃至64のHD−SDIから第4レーンの伝送用データストリームを生成する例を示した。
これに対して、例えば、チャンネル1乃至32のHD−SDIから第1レーンと第2レーンの伝送用データストリーム、チャンネル33乃至64のHD−SDIから第3レーンと第4レーンの伝送用データストリームを生成したり、チャンネル1乃至64のHD−SDIから第1乃至第4レーンの伝送用データストリームを生成したりすることが可能である。前者の場合、例えば、チャンネル1乃至32のHD−SDIを、第1レーンの伝送用データストリームと第2レーンの伝送用データストリームに分けて多重することになる。また、後者の場合、例えば、チャンネル1乃至64のHD−SDIを、第1乃至第4レーンの伝送用データストリームに分けて多重することになる。
また、例えば、チャンネル1乃至32のHD−SDIのうち奇数チャンネルのHD−SDIを第1レーンの伝送用データストリームに多重し、偶数チャンネルのHD−SDIを第2レーンの伝送用データストリームに多重したりすることが可能である。
なお、伝送用データストリームに多重するデータストリームの組み合わせの変更に応じて、補助データ及び余剰画素の多重方法も変更される。
さらに、例えば、第1乃至第6の実施の形態において、奇数チャンネルのHD−SDIと偶数チャンネルのHD−SDIを入れ替えるようにすることも可能である。例えば、第1の実施の形態において、偶数チャンネルのHD−SDIに対してスクランブルを行い、奇数チャンネルのHD−SDIに対して8B/10B変換を行うようにすることが考えられる。
さらに、放送用カメラ11の多重部におけるクロック信号のクロック周波数は、上述した例に限定されるものではない。例えば、148.5MHzの代わりに148.5/1.001MHzのクロック信号を用いたり、167.0625MHzの代わりに167.0625/1.001MHzのクロック信号を用いたり、297MHzの代わりに297/1.001MHzのクロック信号を用いたりすることが可能である。
また、データストリーム生成部からP/S変換部134に供給するパラレルの伝送用データストリームのワード長は、上述した160ビットに限定されるものではない。例えば、80ビット、40ビット等のP/S変換部134に入力可能なワード長に設定することが可能である。
この場合、例えば、データストリーム生成部に入力されるデータストリームのビットレートをx(bps)とし、データストリーム生成部から出力される伝送用データストリームのワード長をyビットとした場合、データストリーム生成部が動作するクロック信号のクロック周波数zは、x(bps)÷yビットに設定すればよい。例えば、データストリーム生成部に入力されるデータストリームのビットレートが180ビット×148.5MHzの場合、クロック周波数zは、180ビット×148.5MHz÷yビットに設定すればよい。また、例えば、データストリーム生成部に入力されるデータストリームのビットレートが180ビット×148.5/1.001MHzの場合、クロック周波数zは、180ビット×148.5/1.001MHz÷(y/1.001)ビットに設定すればよい。
また、第1の実施の形態及び第3の実施の形態において、スクランブル後のデータブロックの極性を1ブロック置きに反転する例を示したが、1ライン分のHD−SDIから生成されるデータブロックの半分のデータブロックの極性が反転されていれば、極性を反転する順番は任意に変更することが可能である。
ここで、図72乃至図74を参照して、スクランブル後のデータブロックの極性を反転する順番の変形例について説明する。なお、図72乃至図74は、図21と同様の表現方法により、第1の実施の形態において、各チャンネルの1ライン分のHD−SDIからそれぞれ生成されるデータブロックの例を示している。
図72の例では、各奇数チャンネルにおいて、データブロックの極性が2ブロック置きに2ブロックずつ反転されている。
図73の例では、各奇数チャンネルにおいて、前半のN/2個のデータブロックの極性が反転されておらず、後半のN/2個のデータブロックの極性が反転されている。
図74の例では、チャンネル1、5、9、13において、奇数個目のデータブロックの極性が反転されておらず、偶数個目のデータブロックの極性が反転されている。一方、チャンネル3、7、11、15において、奇数個目のデータブロックの極性が反転されており、偶数個目のデータブロックの極性が反転されていない。このように、チャンネル毎にデータブロックの極性を反転する順番を変えてもよい。
図72乃至図74のいずれの例においても、1ライン分の各奇数チャンネルのHD−SDIから、N/2個の非反転スクランブルブロックとN/2個の反転スクランブルブロックとが生成される。従って、スクランブル後のデータブロックにおいて、上述したパソロジカルパターンが頻繁に出現したとしても、伝送用データストリームのマーク率は略1/2となる。
なお、図21及び図42のように1ブロック置きに交互に極性反転した方が、信号の時定数が小さくなり、信号の立ち上がり及び立ち下がりが速くなる。
また、必ずしも極性を反転するデータブロックの数は、1ライン分のHD−SDIから生成されるデータブロックの半分である必要はない。例えば、1ライン分のHD−SDIから生成されるデータブロックの数が奇数個である場合、極性を反転するデータブロックの数は、1ライン分のHD−SDIから生成されるデータブロックの半分にはならない。また、例えば、所望のマーク率を達成できる範囲において、極性を反転するデータブロックの数を、1ライン分のHD−SDIから生成されるデータブロックの半分から減らしたり、増やしたりすることが可能である。
さらに、本技術は、8K又は4Kの映像信号を、SDI以外の任意のデータ構造のシリアル又はパラレルのデータストリームにマッピングする場合にも適用することができる。
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図75は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)1401,ROM(Read Only Memory)1402,RAM(Random Access Memory)1403は、バス1404により相互に接続されている。
バス1404には、さらに、入出力インタフェース1405が接続されている。入出力インタフェース1405には、入力部1406、出力部1407、記憶部1408、通信部1409、及びドライブ1410が接続されている。
入力部1406は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1407は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部1408は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1409は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ1410は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1411を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1401が、例えば、記憶部1408に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1405及びバス1404を介して、RAM1403にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU1401)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1411に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1411をドライブ1410に装着することにより、入出力インタフェース1405を介して、記憶部1408にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1409で受信し、記憶部1408にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1402や記憶部1408に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
さらに、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、例えば、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
8K又は4Kの映像信号を複数のチャンネルの所定のフォーマットで規定される第1のデータストリームにマッピングするマッピング部と、
奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより、複数のレーンのシリアルの第2のデータストリームを生成する多重部と
を備える信号処理装置。
(2)
前記多重部は、前記第2のデータストリームのレーン数だけ設けられ、
各前記多重部は、
それぞれ1つの前記第1のデータストリームが入力され、入力された前記第1のデータストリームに対して前記第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の前記第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転する複数の第1の信号処理部と、
それぞれ1つの前記第1のデータストリームが入力され、入力された前記第1のデータストリームに対して前記第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより前記第2のデータブロックを生成する複数の第2の信号処理部と、
複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを所定の順序で多重化することにより、所定のワード長のパラレルの第3のデータストリームを生成するデータストリーム生成部と、
前記第3のデータストリームをパラレル/シリアル変換することにより、前記第2のデータストリームを生成するパラレル/シリアル変換部と
を備える前記(1)に記載の信号処理装置。
(3)
前記第1の信号処理部は、前記第1のデータストリームの1ライン分の前記第1のデータブロックの略半分のデータブロックの極性を反転する
前記(2)に記載の信号処理装置。
(4)
前記第1の信号処理部は、前記第1のデータストリームから生成した前記第1のデータブロックの極性を1ブロック置きに反転する
前記(3)に記載の信号処理装置。
(5)
前記第1の信号処理部及び前記第2の信号処理部は、148.5MHz又は148.5/1.001MHzのクロック信号に同期して処理を行うとともに、4クロック毎に合計で640ビットのデータを出力し、
前記データストリーム生成部は、xMHzのクロック信号に同期して動作するとともに、1クロック毎に180ビット×148.5MHz÷xMHz(ビット)又は180ビット×148.5/1.001MHz÷(x/1.001)MHz(ビット)のパラレルのデータを出力する
前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の信号処理装置。
(6)
前記データストリーム生成部は、前記第2のデータストリームの各ラインの先頭に所定の同期信号を多重する
前記(2)乃至(5)のいずれかに記載の信号処理装置。
(7)
前記第1のデータストリームは、所定のSDI(Serial Digital Interface)のフォーマットで規定されるデータストリームである
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の信号処理装置。
(8)
前記マッピング部は、8Kの48P−60P/4:2:2/10ビットの映像信号をHD−SDIのフォーマットで規定される前記第1のデータストリームである32チャンネルの第4のデータストリーム、又は、3G−SDIのフォーマットで規定される前記第1のデータストリームである16チャンネルの第5のデータストリームにマッピングし、
前記多重部は、奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第4のデータストリーム又は前記第5のデータストリームに対して40ビット単位でスクランブルを行うことにより複数の前記第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第4のデータストリーム又は前記第5のデータストリームに対して40ビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の前記第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより、2レーンの前記第2のデータストリームを生成する
前記(7)に記載の信号処理装置。
(9)
前記マッピング部は、8Kの48P−60P/4:4:4/10ビット,12ビット又は48P−60P/4:2:2/12ビットの映像信号をHD−SDIのフォーマットで規定される前記第1のデータストリームである64チャンネルの第4のデータストリーム、又は、3G−SDIのフォーマットで規定される前記第1のデータストリームである32チャンネルの第5のデータストリームにマッピングし、
前記多重部は、奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第4のデータストリーム又は前記第5のデータストリームに対して40ビット単位でスクランブルを行うことにより複数の前記第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第4のデータストリーム又は前記第5のデータストリームに対して40ビット毎に32ビットのデータを抽出し、抽出したデータの8B/10B変換を行うことにより複数の前記第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより、4レーンの前記第2のデータストリームを生成する
前記(7)に記載の信号処理装置。
(10)
前記マッピング部は、8K又は4Kの96P−120Pの映像信号を2フレーム単位で複数のチャンネルの前記第1のデータストリームにマッピングする
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の信号処理装置。
(11)
複数のレーンの前記第2のデータストリームを波長多重して100Gbpsのイーサネット用デバイスを介して送信するように制御する送信制御部を
さらに備える前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の信号処理装置。
(12)
前記第2のデータストリームのビットレートは、25Gbpsから28.3Gbpsの範囲内である
前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の信号処理装置。
(13)
8K又は4Kの映像信号を複数のチャンネルの所定のフォーマットで規定される第1のデータストリームにマッピングし、
奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより、複数のレーンのシリアルの第2のデータストリームを生成する
ステップを含む信号処理方法。
(14)
8K又は4Kの映像信号を複数のチャンネルの所定のフォーマットで規定される第1のデータストリームにマッピングし、
奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより、複数のレーンのシリアルの第2のデータストリームを生成する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(15)
8K又は4Kの映像信号を複数のチャンネルの所定のフォーマットで規定される第1のデータストリームにマッピングし、奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより生成される複数のレーンのシリアルの第2のデータストリームから、複数のチャンネルの前記第1のデータストリームを再生するデータストリーム再生部と、
複数のチャンネルの前記第1のデータストリームから前記8K又は4Kの映像信号を再生する映像再生部と
を備える信号処理装置。
(16)
8K又は4Kの映像信号を複数のチャンネルの所定のフォーマットで規定される第1のデータストリームにマッピングし、奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより生成される複数のレーンのシリアルの第2のデータストリームから、複数のチャンネルの前記第1のデータストリームを再生し、
複数のチャンネルの前記第1のデータストリームから前記8K又は4Kの映像信号を再生する
ステップを含む信号処理方法。
(17)
8K又は4Kの映像信号を複数のチャンネルの所定のフォーマットで規定される第1のデータストリームにマッピングし、奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより生成される複数のレーンのシリアルの第2のデータストリームから、複数のチャンネルの前記第1のデータストリームを再生し、
複数のチャンネルの前記第1のデータストリームから前記8K又は4Kの映像信号を再生する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(18)
8K又は4Kの映像信号を複数のチャンネルの所定のフォーマットで規定される第1のデータストリームにマッピングするマッピング部と、
奇数又は偶数のいずれか一方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第1のビット単位でスクランブルを行うことにより複数の第1のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロックのうちの一部のデータブロックの極性を反転し、他方のチャンネルの前記第1のデータストリームに対して第2のビット単位で8B/10B変換を行うことにより複数の第2のデータブロックを生成し、複数の前記第1のデータブロック及び複数の前記第2のデータブロックを多重化することにより、複数のレーンのシリアルの第2のデータストリームを生成する多重部と、
複数のレーンの前記第2のデータストリームの送信を制御する送信制御部と
を備える信号送信装置と、
複数のレーンの前記第2のデータストリームの受信を制御する受信制御部と、
複数のレーンの前記第2のデータストリームから、複数のチャンネルの前記第1のデータストリームを再生するデータストリーム再生部と、
複数のチャンネルの前記第1のデータストリームから前記8K又は4Kの映像信号を再生する映像再生部と
を備える信号受信装置と
を含む信号伝送システム。