JP6728929B2 - 加工性及び焼入れ・焼戻し後の耐摩耗特性に優れる高炭素鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
C:0.40〜0.70%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:0.30〜1.00%、
P:0.0001〜0.0200%、
S:0.0100〜0.1000%、
Al:0.001〜0.100%
を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼板であり、
フェライト粒内の炭化物個数に対するフェライト粒界の炭化物個数の比率が1を超え、フェライト粒径が5μm以上であり、ビッカース硬さが100.0HV以上、180.0HV以下であることを特徴とする加工性及び焼入れ・焼戻し後の耐摩耗特性に優れる高炭素鋼板。
N:0.0001〜0.0200%、
O:0.0001〜0.0200%
Ti:0.001〜0.0100%、
B:0.0001〜0.0100%
Cr:0.001〜0.500%
Mo:0.001〜0.500%
Nb:0.001〜0.100%、
V:0.001〜0.100%、
Cu:0.001〜0.100%、
W:0.001〜0.100%、
Ta:0.001〜0.100%、
Ni:0.001〜0.100%、
Sn:0.001〜0.050%、
Sb:0.001〜0.050%、
As:0.001〜0.050%、
Mg:0.0001〜0.0500%、
Ca:0.001〜0.050%、
Y:0.001〜0.050%、
Zr:0.001〜0.050%、
La:0.001〜0.050%、
Ce:0.001〜0.050%、
の内の1種または2種以上の含有を許容することを特徴とする前記(1)に記載の加工性及び焼入れ・焼戻し後の耐摩耗特性に優れる高炭素鋼板。
Cは鋼中で炭化物を形成し、鋼の強化に有効な元素である。焼入れ・焼戻しの熱処理により部品の耐摩耗性を確保するためには0.40%以上のC量が必要であり、0.40%未満では焼入れ・焼戻し後の硬さが不足し、優れた耐摩耗特性を得ることができなくなるため、下限を0.40%以上とする。一方、0.70%を超えると、焼鈍後のフェライト粒径の微細化により、ビッカース硬さが増加し、加工性の低下を招くため、上限を0.70%以下とする。より好ましくは0.41%以上、0.68%以下である。
Siは、脱酸剤として作用し、また、炭化物の形態に影響を及ぼす元素である。フェライト粒内の炭化物個数を減らし、フェライト粒界上の炭化物個数を増やすためには、2段型のステップ箱焼鈍により、焼鈍中にオーステナイト相を生成させ、一旦炭化物を溶解させた後に徐冷し、フェライト粒界への炭化物形成を促進させる必要がある。この際、Siの含有量が0.30%を超えると、[0025]に記載するトライボフィルムの形成を抑制し、焼入れ・焼戻し後の耐摩耗特性を低下させるため、上限を0.30%以下とする。Siの含有量は少ないほど好ましいが、0.01%未満への精錬にはコストの増加を招くため、下限を0.01%以上とする。より好ましくは0.01%以上、0.28%以下である。
Mnは、2段型のステップ箱焼鈍において炭化物とともに、フェライトの形態を制御する元素である。0.30%未満では、2段目焼鈍後の徐冷において、フェライトの核生成、及び、成長が促進され、焼鈍後のフェライト粒径の粗大化、及び、素材硬さの低下を引き起こし、加工性が低下するため、下限を0.30%以上とする。一方、1.00%を超えると、徐冷時のフェライト変態における核生成頻度、及び、成長速度が著しく低下し、焼鈍後のフェライト粒径の微細化及び素材硬さの低下を招くとともに、焼入れ・焼戻し後の靭性低下も引き起こすため、上限を1.00%以下とする。より好ましくは0.33%以上、0.96%以下である。
Pは、フェライト粒界に強く偏析して、粒界炭化物の形成を抑制する元素である。少ないほど好ましいが、精錬工程において0.0001%未満に高純度化するためには、精錬のために要する時間が多くなり、コストの大幅な増加を招くため、下限を0.0001%以上とする。一方、0.0200%を超えると、粒界炭化物の個数比率が低下し加工性の低下を招くため、上限を0.0200%以下とする。より好ましくは0.0013%以上、0.0189%以下である。
Sは鋼の加工性と耐摩耗性に大きな影響を及ぼす元素である。まず加工性の効果では、Sはフェライトとセメンタイトの界面に濃化して、その界面の剥離を促す元素であり、この界面剥離の効果によって加工性は向上する。また、耐摩耗性への影響では、耐摩耗環境において部品表層のSは潤滑油/鋼界面にトライボフィルムの形成を促し、かつ形成されるフィルムの硬さは鋼中のS濃度が高いほど増加するため、耐摩耗性は改善する。0.0100%未満の含有では上記の効果を得られないため、下限を0.0100%以上とする。一方、0.1000%を超えてSを含有すると、後述の熱延板焼鈍工程において、フェライト/オーステナイト界面に顕著に濃化したSの効果により、粒界炭化物の形成が抑制され、加工性の低下を招くため、上限を0.1000%以下とする。より好ましくは0.0150%以上、0.0800%以下である。
Alは、鋼の脱酸剤として作用しフェライトを安定化する元素である。0.001%未満では、添加効果が十分に得られないので、下限を0.001%以上とする。一方、0.100%を超えると粒界上の炭化物の個数割合を低下させ、加工性の低下を引き起こす。このため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.004%以上0.091%以下である。
(N:0.0001〜0.0200%)
Nは、フェライト粒界への偏析により、粒界上の炭化物の形成を抑制する元素である。含有量は少ないほど好ましいが、0.0001%未満に低減することは精錬コストの増加を招くため、下限を0.0001%以上とする。一方、0.0200%を超える含有量では、2相域焼鈍、及び、徐冷を施したとしても、フェライト粒内の炭化物の個数に対するフェライト粒界上の炭化物の個数の比が1未満となり、加工性を低下させるため、上限を0.0200%以下とする。より好ましくは0.0006%以上、0.0170%以下である。
Oは、鋼中に酸化物の形成を促す元素であり、フェライト粒内に存在する酸化物は炭化物の生成サイトとなるため、少ないほうが好ましい。しかし、0.0001%未満に低減することは、精錬コストの増加を招くため、0.0001%以上を下限とする。一方、0.0200%を超える含有では、フェライト粒内の炭化物の個数に対するフェライト粒界上の炭化物の個数の比が1未満となり、加工性を低下させるため、上限を0.0200%以下とする。より好ましくは0.0006%以上、0.0170%以下である。
Tiは、炭化物の形態の制御に重要な元素であり、多量の含有によりフェライト粒内の炭化物の生成を促す元素である。含有量は少ないほど好ましいが、0.0001%未満に低減することは精錬コストの増加を招くため、下限を0.0001%以上とする。一方、0.100%を超える含有量では、フェライト粒内の炭化物の個数に対するフェライト粒界上の炭化物の個数の比が1未満となり、加工性を低下させるため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.0006%以上、0.0170%以下である。
Bは、フェライトと炭化物の界面に強く濃化する元素であり、フェライトと炭化物の界面へのSの偏析を抑制するため、少ないほうが好ましい。しかし、0.0001%未満の同定に際しては、分析に細心の注意を払う必要があるとともに、分析装置によっては検出下限に至るため、0.0001%以上を下限とする。一方、0.0100%を超える含有では、フェライト粒内の炭化物の個数に対するフェライト粒界上の炭化物の個数の比が1を超えるように組織を最適化したとしても、フェライトと炭化物の界面へのSの濃化が抑制され、加工性は向上しないため、上限を0.0100%以下とする。より好ましくは0.0005%以上、0.0085%以下である。
Crは、2相域焼鈍処理時の炭化物の安定化に有効な元素である。0.001%未満では、添加の効果を得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.500%を超える添加では、摩耗環境に鋼部品を投じた際に、潤滑油/鋼表面へのSを主体としたトライボフィルムの形成を抑制させ、耐摩耗性を低下させるため、上限を0.500%以下とする。より好ましくは0.01%以上、0.300%以下である。
Moは、Mn、Crと同様に2相域焼鈍処理時の炭化物の安定化に有効な元素である。0.001%未満では、効果が得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.500%を超えると、炭化物中へのMoの濃化により、炭化物の硬さは増加し、加工性の低下を招くため、上限を0.500%以下とする。より好ましくは0.010%以上、0.300%以下である。
Nbは、炭化物の形態制御に有効な元素であり、その添加により組織を微細化するため、靭性の向上にも効果的な元素である。0.001%未満では、効果が得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.100%を超えると、微細で硬質なNb炭化物が多数析出し、鋼材の強度上昇とともに粒界炭化物の個数比率の低下を招き、加工性を低下させるため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.002%以上、0.092%以下である。
Vも、Nbと同様に、炭化物の形態制御に有効な元素であり、その添加により組織を微細化するため、靭性の向上にも効果的な元素である。0.001%未満では、効果が得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.100%を超えると、微細なV炭化物が多数析出し、鋼材の強度上昇と粒界炭化物の個数比率の低下を招き、加工性を低下させるため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.004%以上、0.094%以下である。
Cuは、フェライトの結晶粒界に偏析する元素であり、微細な析出物の形成により、鋼材の強度を増加させる元素である。強度増加の効果を有効に発揮するためには、0.001%以上の含有が好ましい。一方、0.100%を超えると、赤熱脆性を招き、熱延での生産性を低下させるため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.008%以上、0.095%以下である。
Wも、Nb、Vと同様に、炭化物の形態制御に有効な元素である。0.001%未満では、効果が得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.100%を超えると、微細なW炭化物が多数析出し、鋼材の強度上昇と粒界炭化物の個数比率の低下を招き、加工性を低下させるため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.003%以上、0.086%以下である。
Taも、Nb、V、Wと同様に、炭化物の形態制御に有効な元素である。0.001%未満では、効果が得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.100%を超えると、微細なTa炭化物が多数析出し、鋼材の強度上昇と粒界炭化物の個数比率の低下を招き、加工性を低下させるため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.007%以上、0.092%以下である。
Niは、部品の耐摩耗特性の向上に有効な元素である。その効果を有効に発揮させるためには0.001%以上を含有させることが好ましい。一方、0.100%を超えると、粒界炭化物の個数比率が低下し、加工性の低下を招くため、上限を0.100%以下とする。より好ましくは0.002%以上、0.093%以下である。
Snは、原料としてスクラップを用いた場合に鋼中に含有される元素であり、少ないほど好ましい。0.001%未満への低減には精錬コストの増加を招くため、下限を0.001%以上とする。また、0.050%を超える含有では、フェライトの脆化による耐摩耗性の低下を引き起こすため、上限を0.050%以下とする。より好ましくは0.002%以上、0.048%以下である。
Sbは、Snと同様に鋼原料としてスクラップを用いた場合に含有される元素であり、粒界に強く偏析して粒界炭化物の個数比率の低下を招くため、少ないほど好ましい。0.001%未満への低減には精錬コストの増加を招くため、下限を0.001%以上とする。また、0.050%を超える含有では、耐摩耗性の低下を引き起こすため、上限を0.050%以下とする。より好ましくは0.002%以上、0.048%以下である。
Asは、Sn、Sbと同様に鋼原料としてスクラップを用いた場合に含有され、粒界に強く偏析する元素であり、少ないほど好ましい。0.001%未満への低減には精錬コストの増加を招くため、下限を0.001%以上とする。また、0.050%を超える含有では、粒界炭化物の個数比率の低下による加工性の低下を招くため、上限を0.050%以下とする。より好ましくは0.002%以上、0.045%以下である。
Mgは、微量添加で硫化物の形態を制御できる元素であり、必要に応じて含有できる。0.0001%未満ではその効果は得られないため、下限を0.0001%以上とする。一方、過剰の含有では粗大な介在物の形成による耐摩耗性の低下を引き起こすため、上限を0.0500%とする。より好ましくは0.0008%以上、0.0493%以下である。
Caは、Mgと同様に微量添加で硫化物の形態を制御できる元素であり、必要に応じて含有できる。0.001%未満ではその効果は得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、過剰の含有では粗大なCa酸化物が生成し、摩耗環境下で割れ発生の起点となるため、上限を0.050%とする。より好ましくは0.003%以上、0.043%以下である。
Yは、Mg、Caと同様に微量添加で硫化物の形態を制御できる元素であり、必要に応じて含有できる。0.001%未満ではその効果は得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、過剰の含有では粗大なY酸化物が生成し、耐摩耗性は低下するため、上限を0.050%とする。より好ましくは0.001%以上、0.031%以下である。
Zrは、Mg、Ca、Yと同様に微量添加で硫化物の形態を制御できる元素であり、必要に応じて含有できる。0.001%未満ではその効果は得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、過剰の含有では粗大なZr酸化物が生成し、耐摩耗性が低下するため、上限を0.050%とする。より好ましくは0.004%以上、0.045%以下である。
Laは、微量添加で硫化物の形態制御に有効な元素であり、粒界に強く偏析し、粒界炭化物の個数比率の低下を招く元素である。0.001%未満ではその効果は得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.050%を超える含有は、粒界炭化物の個数比率の低下による加工性の低下を招くため、上限を0.050%とする。より好ましくは0.001%以上、0.047%以下である。
Ceは、Laと同様に微量添加で硫化物の形態を制御できる元素であり、粒界に強く偏析して粒界炭化物の個数比率の低下を招く元素である。0.001%未満では、硫化物の形態制御効果は得られないため、下限を0.001%以上とする。一方、0.050%を超える含有は、粒界炭化物の個数比率の低下による加工性の低下を招くため、上限を0.050%とする。より好ましくは0.001%以上、0.046%以下である。
本発明の具体的な製造方法の特徴は以下の通りである。
以下に、本発明の製造方法について具体的に説明する。
所定の成分を有するスラブを連続鋳造後、そのまま、または、一旦冷却後に加熱し、熱間で圧延する際に、熱間で圧延する際に、650℃以上、950℃未以下の温度域にて仕上げ熱延を終了し、得られた鋼帯を400℃以上、600℃以下の温度範囲で捲き取る。
1段目の焼鈍温度を650℃以上、720℃以下とする。1段目の焼鈍温度が650℃未満であると炭化物の安定度が不足し、2段目の焼鈍においてオーステナイト中に炭化物を残存させることが困難となる。このため下限を650℃以上とする。また、焼鈍温度が720℃を超えると、炭化物の安定度を高める前にオーステナイトが生成してしまい、[0065]で述べた組織変化に制御することができなくなるため、上限を720℃以下とする。
1段目の焼鈍時間を3hr以上、60hr以下とする。焼鈍時間が3hr未満では炭化物の安定化が充分ではなく、2段目焼鈍時に炭化物を残存させることは困難となる。このため下限を3hr以上とする。また60hrを越える焼鈍では、一層の炭化物の安定度向上は見込めず、さらに生産性の低下を引き起こすため、上限を60hr以下とする。
2段目の焼鈍温度を725℃以上、790℃以下とする。1段目の焼鈍温度が725℃未満であるとオーステナイトの生成量が少なく、フェライト粒界上の炭化物個数比率が低下する。このため下限を725℃以上とする。また、焼鈍温度が790℃を超えると、炭化物をオーステナイト中に残存させることが困難となり、[0065]で述べた組織変化に制御することが難しくなるため、上限を790℃以下とする。
2段目の焼鈍時間を3hr以上、50hr以下とする。焼鈍時間が1hr未満ではオーステナイト量の生成量が少なく、かつフェライト粒内の炭化物の溶解が充分ではないため、粒界上の炭化物の個数比率を増加させることが困難となる。このため下限を3hr以上とする。また、50hrを越える焼鈍では、炭化物をオーステナイト中に残存させることが困難となるため、上限を50hr以下とする。
図2に、種々の添加元素を有した鋼サンプルにおいて、粒内炭化物個数に対する粒界炭化物個数の比率と加工性評価時の打ち抜き加工音量との関係を示す。個数比率が1を超える場合に打ち抜き加工音量は100dB未満であり、鋼材の成形に要するエネルギーが低下し、加工性に優れることがわかる。
図3に、鋼中のS含有量と、ブロックオンリング試験後のブロック試験片の重量減少量を示す。S含有量が0.010%を超える場合に、潤滑油/鋼材表面に硬いトライボフィルムが形成されることから、顕著に耐摩耗性が向上することが明らかである。
図4に、種々の添加元素を有した鋼サンプルにおいて、鋼中のS含有量とブロックオンリング試験後のブロック試験片の重量減少量を示す。図3と同様に、S含有量が0.010%を超える場合に、潤滑油/鋼材表面に硬いトライボフィルムが形成されるため、顕著に耐摩耗性が向上することは明らかである。
Claims (3)
- 質量%で、
C:0.40〜0.70%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:0.30〜1.00%、
P:0.0001〜0.0200%、
S:0.0100〜0.1000%、
Al:0.001〜0.100%
を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼板であり、
フェライト粒内の炭化物個数に対するフェライト粒界の炭化物個数の比率が1を超え、フェライト粒径が5μm以上であり、ビッカース硬さが100.0HV以上、180.0HV以下であることを特徴とする加工性及び焼入れ・焼戻し後の耐摩耗特性に優れる高炭素鋼板。 - 請求項1に記載の鋼板が、添加元素として質量%で、さらに、
N:0.0001〜0.0200%、
O:0.0001〜0.0200%、
Ti:0.0010〜0.100%、
B:0.0001〜0.0100%、
Cr:0.001〜0.500%、
Mo:0.001〜0.500%、
Nb:0.001〜0.100%、
V:0.001〜0.100%、
Cu:0.001〜0.100%、
W:0.001〜0.100%、
Ta:0.001〜0.100%、
Ni:0.001〜0.100%、
Sn:0.001〜0.050%、
Sb:0.001〜0.050%、
As:0.001〜0.050%、
Mg:0.0001〜0.0500%、
Ca:0.001〜0.050%、
Y:0.001〜0.050%、
Zr:0.001〜0.050%、
La:0.001〜0.050%、
Ce:0.001〜0.050%、
の内の1種または2種以上の含有を許容することを特徴とする前記請求項1に記載の加工性及び焼入れ・焼戻し後の耐摩耗特性に優れる高炭素鋼板。 - 前記請求項1または請求項2に記載の成分の鋼片を直接、または一旦冷却後、加熱し、熱間圧延する際に、650℃以上、950℃以下の温度域で仕上げ熱延を完了し、400℃以上、600℃以下で捲取った熱延鋼板を酸洗し、その後に2つの温度域で保持する2段ステップ型の箱焼鈍を施すに際し、1段目焼鈍温度までを30℃/hr以上、150℃/hr以下の加熱速度で加熱し、650℃以上、720℃以下の温度域で3hr以上、60hr以下保持する1段目の焼鈍を施し、更に2段目焼鈍温度までを1℃/hr以上、80℃/hr以下の加熱速度で加熱し、725℃以上、790℃以下の温度域で3hr以上、50hr以下保持する2段目の焼鈍を施した後に、650℃までの冷却速度を1℃/hr以上、100℃/hr以下に制御し、その後に室温まで冷却することを特徴とする加工性及び焼入れ・焼戻し後の耐摩耗特性に優れる請求項1又は2に記載の高炭素鋼板の製造方法。
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