JP6727788B2 - 飛昇体 - Google Patents

飛昇体 Download PDF

Info

Publication number
JP6727788B2
JP6727788B2 JP2015209691A JP2015209691A JP6727788B2 JP 6727788 B2 JP6727788 B2 JP 6727788B2 JP 2015209691 A JP2015209691 A JP 2015209691A JP 2015209691 A JP2015209691 A JP 2015209691A JP 6727788 B2 JP6727788 B2 JP 6727788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ablator
groove
fiber density
density ablator
low
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015209691A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017081285A (ja
Inventor
一祐 藤尾
一祐 藤尾
慎介 田尻
慎介 田尻
敦 森脇
敦 森脇
福田 宏
宏 福田
啓介 安藤
啓介 安藤
大徳 鵜飼
大徳 鵜飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2015209691A priority Critical patent/JP6727788B2/ja
Publication of JP2017081285A publication Critical patent/JP2017081285A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6727788B2 publication Critical patent/JP6727788B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)

Description

本発明は、アブレータ材による防熱構造を備えた飛昇体に関するものである。
高速飛行を行う飛昇体は、空力加熱によって先端部が高温となることが想定される。そこで、飛昇体の内部構造を熱から防護するため、防熱対策を行う必要がある。
防熱対策の一つとして、アブレーションがある。これは、樹脂及び繊維を主材料とするアブレータ材を飛昇体の外表面に配置し、加熱されたアブレータ材が昇華、溶融、あるいは炭化することで発生するアブレーションガスが外表面を覆うことにより熱防護を行う方法である(特許文献1参照)。
特許第5638271号公報
飛昇体の先端部は航行中の動圧により高強度の構造にする必要があるが、アブレータ材が気化する気化率が大きい低繊維密度のアブレータ材は強度が比較的低いため、必然的に高繊維密度の強度が高いアブレータ材を採用する必要がある。しかし、高繊維密度のアブレータ材は気化率が小さいためアブレーションによる防熱効果が低いという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、強度を維持しつつ熱防護性が確保されたアブレータ材を備えた飛昇体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の飛昇体は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる飛昇体は、本体の外表面側に設けられ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する高繊維密度アブレータ部と、前記高繊維密度アブレータ部の前記アブレータ材よりも低繊維密度でかつ気化率が大きくされ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する低繊維密度アブレータ部とを備え、前記高繊維密度アブレータ部には、溝が形成され、前記低繊維密度アブレータ部は、前記溝に設けられ、前記溝は、前記外表面に連通していることを特徴とする。
高繊維密度アブレータ部は、低繊維密度アブレータ部に比べてアブレータ材の気化率が小さいが強度が高い。そこで、飛昇体の外表面には高繊維密度アブレータ部を配置する。一方、低繊維密度アブレータ部は、高繊維密度アブレータ部に形成された溝に設けられている。低繊維密度アブレータ部は、高繊維密度アブレータ部よりもアブレータ材の気化率が大きいので、高繊維密度アブレータ部の溝に設けても気化することができる。低繊維密度アブレータ部のアブレータ材が気化したアブレーションガスは、溝が外表面に連通していることにより、外表面に到達して外表面を覆うことで防熱を行うことができる。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記溝の前記外表面側の全面が、該外表面に開口していることを特徴とする。
溝の外表面側の全面が外表面に開口しているので、溝に設けた低繊維密度アブレータ部が外表面に沿って流れる主流に面することになる。これにより、アブレータ材が気化しやすくなり、アブレーションガスの発生を促進することができ、防熱効果を高めることができる。
また、溝がキャビティとしての役割を果たし、気化したアブレーションガスが溝内に滞留して断熱性を向上させることができる。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記本体の長手軸線を含む切断面で見た前記溝の縦断面形状が、四角形であることを特徴とする。
溝の縦断面形状を四角形とすることで、多くの低繊維密度アブレータ部を収容することができる。
溝の上流端における主流の境界層厚さの溝幅に対する比は、0.28以上、好ましくは0.28とするのが好ましい。これにより、溝の底面における熱伝達率が比較的低く抑えられるため、溝底面部分に位置する低繊維密度アブレータ部の気化を抑えることができ、比較的長期間にわたって強度を維持することができる。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記本体の長手軸線を含む切断面で見た前記溝の縦断面形状が、三角形であることを特徴とする。
溝の縦断面形状を三角形とすることで、溝の外表面における縁部に傾斜面を形成することができるので、主流の流れのはく離を可及的に抑えることができる。
四角形の溝に比べて、角部が少ないので、応力集中の箇所も少なくなり、比較的強度を高くすることができる。
低繊維密度アブレータ部は、主流からの熱によって徐々に外表面側から消失して行くが、溝が三角形状とされているので、低繊維密度アブレータ部が主流側に露出する表面積がアブレータ材の気化とともに小さくなる。したがって、飛行初期はアブレーションガスを多く発生させて高い防熱性能を発揮させ、飛行終期は低繊維密度アブレータ部の表面積が小さくなり、相対的に高繊維密度アブレータ部の表面積が大きくなるので、強度を高く保つことができる。このように、飛行初期に熱防護性が必要となる飛昇体に有効となる。
なお、三角形の各頂点の角度は、種々変更することができ、飛昇体の飛行計画に応じて調整される。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記溝は、前記外表面から隔てた前記高繊維密度アブレータ部の内部に形成されるとともに、前記外表面との間を接続する孔部によって連通されていることを特徴とする。
溝を外表面から隔てた高繊維密度アブレータ部の内部に形成し、この溝に低繊維密度アブレータ部を配置することとしたので、主として主流に面するのは低繊維密度アブレータ部よりも気化しにくい高繊維密度アブレータ部とすることができ、外表面の形状変化を可及的に抑えることができる。
溝に設けられた低繊維密度アブレータ部は、外表面からの入熱によって加熱されて気化する。気化したアブレーションガスは、溝と外表面との間を接続する孔部を通って外表面に導かれた後、外表面を覆って防熱を行う。
低繊維密度アブレータ部が気化した後は溝の内部にアブレーションガスが滞留するため、断熱効果を向上させることができる。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記孔部は、前記外表面に沿って流れる主流の流れ方向下流側に向けて傾斜していることを特徴とする。
孔部が主流の流れ方向下流側に傾斜しているので、アブレーションガスを円滑に流すことができる。
さらに、孔部の外表面における下流側には、孔部の流路断面積が主流の流れ方向下流側に向けて徐々に拡大することが好ましい。これにより、外表面の広範な領域にわたってアブレーションガスを導くことができる。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記溝は、前記外表面に沿って流れる主流の流れ方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、前記主流の流れ方向を含む断面で見た前記溝の溝幅が、前記主流の上流側ほど大きくされていることを特徴とする。
複数ある溝のうち、主流の上流側ほど大きな溝幅を有するようにしたので、上流側の溝から多くのアブレーションガスを発生させることができ、防熱効果を高めることができる。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記溝は、前記外表面に沿って流れる主流の流れ方向に交差する方向に形成されるとともに、該主流の流れ方向に1つのみ設けられていることを特徴とする。
飛昇体の先端側では主流からの入熱によって高温となるので、溝を1つのみ形成して低繊維密度アブレータ部からアブレーションガスを下流側の外表面に導いてもよい。これにより、溝加工が少なくて済み、また低繊維密度アブレータ部の材料費を節約することができる。
さらに、本発明の飛昇体によれば、前記高繊維密度アブレータ部同士が付き合わされて接続される接合部に連通するように、前記溝が設けられていることを特徴とする。
高繊維密度アブレータ部同士が付き合わされて接続される接合部に連通するように溝を設け、低繊維密度アブレータ部を配置することとした。これにより、溝内で気化したアブレーションガスが溝や接合部の隙間に滞留することになり、防熱効果が得られるとともに、外部の高温ガスが接合部の隙間を通り飛昇体の内部に入り込むことを防ぐことができる。
飛昇体の外表面に高繊維密度アブレータ部を配置することで強度を維持することができる。そして、高繊維密度アブレータ部に形成した溝に低繊維密度アブレータ部を設けることで、低繊維密度アブレータ部のアブレータ材が気化したアブレーションガスを溝に連通した外表面に導き、熱防護性を確保することができる。
本発明の飛昇体の先端部を示した側面図である。 本発明の第1実施形態に係り、図1の外表面近傍を示した部分拡大縦断面図である。 キャビティ流れを示す縦断面図である。 図3に示したキャビティ形状とヌセルト数の関係を示したグラフである。 本発明の第2実施形態を示した部分拡大縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示した部分拡大縦断面図である。 図6の孔部の下流側部分を示した斜視図である。 第3実施形態の変形例を示した部分拡大縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係り、(a)は飛昇体の先端部を示した部分縦断面図、(b)は飛昇体の横断面図である。 図9のA部詳細を示した断面図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。
図1には、飛昇体1の先端部1aが示されている。この先端部1aは、長手軸線Lに直交する横断面が円形とされた先細り形状とされている。先端部1aは、飛昇体1が高速飛行を行う際に空力加熱によって高温となる部分であり、また、航行中の動圧による負荷が加わる部分である。
図2に示されているように、飛昇体1は、内部機器を収容し保護するための構造材3と、構造材3の外周を取り囲むように設けられた高繊維密度アブレータ部5とを備えている。
高繊維密度アブレータ部5の外表面には、主流の流れ方向に所定間隔を隔てて複数の溝9が形成されている。各溝9は、それぞれ飛昇体1の先端部1aの長手軸線L(図1参照)周りに1周分形成された無端状の凹所とされている。各溝9は、図2に示されているように、縦断面形状が四角形とされており、外表面S側の全面が開口している。また、各溝9は、主流MFの流れ方向における溝幅が上流側の溝9ほど大きくされている。
各溝9には、低繊維密度アブレータ部7が充填されている。なお、図2では、低繊維密度アブレータ部7の外表面S側が部分的に気化して消失した状態となっているが、気化前は高繊維密度アブレータ部5とともに飛昇体1の外表面Sを連続した面で形成するようになっている。
高繊維密度アブレータ部5及び低繊維密度アブレータ部7は、樹脂と繊維マトリックスを主成分としたアブレータ材から構成されており、樹脂を繊維マトリックスに含浸させて形成されている。樹脂としては、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。繊維マトリックスとしては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維等が挙げられる。高繊維密度アブレータ部5として用いられるアブレータ材としては、低繊維密度アブレータ部7に用いられるアブレータ材の3倍程度(例えば0.6g/cm3)の密度とされている。
図3及び図4には、溝9の溝幅ωの寸法の適正値が示されている。これらの図は、伝熱ハンドブック(日本機械学会,1993年)から引用したものである。図3に示すように、溝9は、流れ方向に溝幅ω、深さDを有した形状とされている。溝9の上方を流れる主流は速度Uとされ、溝9の上流端における境界層厚さはδとされている。このような条件の下で、図4を参照すると、溝9の底面における熱伝達は、δ/ω=0.28以上のときが低いことが分かる。したがって、溝9の溝幅ωとしては、境界層厚さδの溝幅ωに対する比が0.28以上、好ましくは0.28とするのが好ましい。
上記構成の飛昇体1が高速飛行を行うと、空力加熱により、先ず主流MFに面した低繊維密度アブレータ部7が気化する。気化したアブレーションガスは下流側へと流れて飛昇体1の外表面Sを覆い防熱を行う。これにより、低繊維密度アブレータ部7は、外表面S側から徐々に消失して行き、溝9内の外表面S側に空間を形成することになる。
一方、高密度繊維アブレータ部5は、低繊維密度アブレータ部7ほどは気化しないが、少しずつアブレーションガスを生成する。これにより、高繊維密度アブレータ部5は、外形状を保持したままとなる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
高繊維密度アブレータ部5は、低繊維密度アブレータ部7に比べてアブレータ材の気化率が小さいが強度が高い。そこで、飛昇体1の外表面Sには高繊維密度アブレータ部5を配置する。一方、低繊維密度アブレータ部7は、高繊維密度アブレータ部7に形成された溝9に設けることとした。低繊維密度アブレータ部7は、高繊維密度アブレータ部5よりもアブレータ材の気化率が大きいので、高繊維密度アブレータ部5の溝9に設けても気化することができる。低繊維密度アブレータ部7のアブレータ材が気化したアブレーションガスは、外表面Sを覆うことで防熱を行うことができる。
溝9の外表面S側の全面が外表面Sに開口しているので、溝9に設けた低繊維密度アブレータ部7が外表面Sに沿って流れる主流MFに面することになる。これにより、アブレータ材が気化しやすくなり、アブレーションガスの発生を促進することができ、防熱効果を高めることができる。
また、溝9がキャビティとしての役割を果たし、気化したアブレーションガスが溝内に滞留して断熱性を向上させることができる。
溝9の縦断面形状を四角形とすることで、多くの低繊維密度アブレータ部7を収容することができる。
溝9の上流端における主流の境界層厚さδの溝幅ωに対する比は、0.28以上、好ましくは0.28とするのが好ましい。これにより、溝9の底面における熱伝達率が比較的低く抑えられるため、溝底面部分に位置する低繊維密度アブレータ部7の気化を抑えることができ、比較的長期間にわたって強度を維持することができる。
複数ある溝9のうち、主流MFの上流側ほど大きな溝幅を有するようにしたので、上流側の溝9から多くのアブレーションガスを発生させることができ、防熱効果を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して溝の形状が異なり、その他の点については同様である。したがって、第1実施形態と共通の構成については同一符号を付しその説明を書略する。
図5に示されているように、溝10の縦断面形状は三角形とされている。そして、三角形の底面の全面が外表面Sに開口するようになっている。したがって、溝10の主流MF方向の溝幅は、深さ方向にいくにしたがい狭くなるようになっている。また、溝10の溝幅は、主流MFの上流側ほど大きくされている。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
溝10の縦断面形状を三角形とすることで、溝10の外表面Sにおける縁部に傾斜面を形成することができるので、主流MFの流れのはく離を可及的に抑えることができる。
第1実施形態のような四角形の溝に比べて、角部が少ないので、応力集中の箇所も少なくなり、比較的強度を高くすることができる。
低繊維密度アブレータ部7は、主流MFからの熱によって徐々に外表面S側から消失して行くが、溝10が三角形状とされているので、低繊維密度アブレータ部7が主流MF側に露出する表面積がアブレータ材の気化とともに小さくなる。したがって、飛行初期はアブレーションガスを多く発生させて高い防熱性能を発揮させ、飛行終期は低繊維密度アブレータ部7の表面積が小さくなり、相対的に高繊維密度アブレータ部5の表面積が大きくなるので、強度を高く保つことができる。このように、飛行初期に熱防護性が必要となる飛昇体1に有効となる。
なお、三角形の各頂点の角度は、種々変更することができ、飛昇体1の飛行計画に応じて調整される。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。
本実施形態は、上述の各実施形態に対して溝の形状が異なり、その他の点については同様である。したがって、上述の各実施形態と共通の構成については同一符号を付しその説明を書略する。
図6に示されているように、溝11は、外表面Sから隔てた高繊維密度アブレータ部5の内部に形成されている。溝11の縦断面形状は、四角形とされており、溝幅は、主流MFの上流側ほど大きくされている。
溝11と外表面Sとの間には、孔部13が形成されており、溝11と外表面S側とを連通させている。孔部13は、横断面が例えば円形とされた細長い流路となっており、主流MFの流れ方向下流側に向けて傾斜している。具体的には、孔部13は、外表面Sの法線に対して下流方向へ鋭角の傾きを有している。
孔部13の上流端(図において下方)は、溝11の上面(外表面S側の面)に接続されている。孔部13の下流端(図において上方)は、図7に示すように、孔部13の流路断面積が主流MFの流れ方向下流側に向けて徐々に拡大する形状となっている。孔部13は、同一の縦断面において、主流MFの上流側から2つの溝11に対しては2つとされており、主流MFの上流から3番目の溝11に対しては1つとされている。ただし、孔部13の数は特に限定されるものではなく適宜設定できる。また、溝11の円周方向にも複数の孔部13が適宜形成されている。
溝11には、低繊維密度アブレータ部7が設けられており、気化したアブレーションガスは孔部13を通って外表面Sへと導かれる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
溝11を外表面Sから隔てた高繊維密度アブレータ部5の内部に形成し、この溝11に低繊維密度アブレータ部7を配置することとしたので、主として主流MFに面するのは低繊維密度アブレータ部7よりも気化しにくい高繊維密度アブレータ部5とすることができ、外表面Sの形状変化を可及的に抑えることができる。
溝11に設けられた低繊維密度アブレータ部7は、外表面Sからの入熱によって加熱されて気化する。気化したアブレーションガスは、溝11と外表面Sとの間を接続する孔部13を通って外表面Sに導かれた後、外表面を覆って防熱を行うことができる。
低繊維密度アブレータ部7が気化した後は溝11の内部にアブレーションガスが滞留するため、断熱効果を向上させることができる。
孔部13が主流MFの流れ方向下流側に傾斜しているので、アブレーションガスを円滑に流すことができる。
さらに、孔部13の外表面Sにおける下流側は、孔部13の流路断面積が主流の流れ方向下流側に向けて徐々に拡大する形状とされているので、外表面Sの広範な領域にわたってアブレーションガスを導くことができる。
また、図8に示すように、溝11を1つのみ設ける構成としても良い。そして、孔部13は、溝11の主流MFにおける下流側面に接続してもよい。孔部13の形状は、図7に示したように、流路断面積が主流MFの流れ方向下流側に向けて徐々に拡大する形状となっている。
このような構成によれば、飛昇体1の先端側では主流MFからの入熱によって高温となるので、溝11を1つのみ形成して低繊維密度アブレータ部7からアブレーションガスを下流側の外表面に導くことができる。これにより、溝加工が少なくて済み、また低繊維密度アブレータ部7の材料費を節約することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図9及び図10を用いて説明する。
本実施形態は、上述の各実施形態に対して溝の形状が異なり、その他の点については同様である。したがって、上述の各実施形態と共通の構成については同一符号を付しその説明を書略する。
図9(a)に示されているように、上述した各実施形態と同様に飛昇体1の先端部1aは、先細り形状となっている。そして、この飛昇体1は、図9(b)に示した横断面におけるy軸に沿って半分に分割されるようになっている。換言すると、飛昇体1は縦割り構造となっている。
図10には、図9(b)に示したA部の拡大図が示されている。同図に示されているように、縦割り構造とされた飛昇体1の接合部は、高繊維密度アブレータ部5同士がインロー構造にて付き合わされた構成となっている。したがって、接合部は、同図に示されているように段付き形状となっている。接合部の合わせ面には、隙間15が形成されている。
段付き形状を構成する突出部5aには、溝12が形成されている。溝12の縦断面形状は四角形とされており、溝12には低繊維密度アブレータ部7が設けられている。溝12は、接合部の合わせ面における隙間15を介して外表面Sまで連通している。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
高繊維密度アブレータ部5同士が付き合わされて接続される接合部に連通するように溝12を設け、低繊維密度アブレータ部7を配置することとしたので、溝12内で気化したアブレーションガスが溝12や接合部の合わせ面における隙間15に滞留することになり、防熱効果が得られるとともに、外部の高温ガスが接合部の隙間15を通り飛昇体1の内部に入り込むことを防ぐことができる。
1 飛昇体
1a 先端部
3 構造材
5 高繊維密度アブレータ部
5a 突出部
7 低繊維密度アブレータ部
9,10,11,12 溝
13 孔部
15 隙間
L 長手軸線
S 外表面
MF 主流

Claims (7)

  1. 本体の外表面側に設けられ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する高繊維密度アブレータ部と、
    前記高繊維密度アブレータ部の前記アブレータ材よりも低繊維密度でかつ気化率が大きくされ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する低繊維密度アブレータ部と、
    を備え、
    前記高繊維密度アブレータ部には、溝が形成され、
    前記低繊維密度アブレータ部は、前記溝に設けられ、
    前記溝は、前記外表面に連通し、かつ、前記外表面から隔てた前記高繊維密度アブレータ部の内部に形成されるとともに、前記外表面との間を接続する孔部によって連通され、
    前記孔部は、前記外表面に沿って流れる主流の流れ方向下流側に向けて傾斜していることを特徴とする飛昇体。
  2. 本体の外表面側に設けられ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する高繊維密度アブレータ部と、
    前記高繊維密度アブレータ部の前記アブレータ材よりも低繊維密度でかつ気化率が大きくされ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する低繊維密度アブレータ部と、
    を備え、
    前記高繊維密度アブレータ部には、溝が形成され、
    前記低繊維密度アブレータ部は、前記溝に設けられ、
    前記溝は、前記外表面に連通し
    前記高繊維密度アブレータ部同士が付き合わされて接続される接合部に連通するように、前記溝が設けられていることを特徴とする飛昇体。
  3. 本体の外表面側に設けられ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する高繊維密度アブレータ部と、
    前記高繊維密度アブレータ部の前記アブレータ材よりも低繊維密度でかつ気化率が大きくされ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する低繊維密度アブレータ部と、
    を備え、
    前記高繊維密度アブレータ部には、溝が形成され、
    前記低繊維密度アブレータ部は、前記溝に設けられ、
    前記溝は、前記外表面に連通し、かつ、前記外表面に沿って流れる主流の流れ方向に所定間隔を隔てて複数設けられ、
    前記主流の流れ方向を含む断面で見た前記溝の溝幅が、前記主流の上流側ほど大きくされていることを特徴とする飛昇体。
  4. 本体の外表面側に設けられ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する高繊維密度アブレータ部と、
    前記高繊維密度アブレータ部の前記アブレータ材よりも低繊維密度でかつ気化率が大きくされ、樹脂と繊維マトリックスを主成分とするアブレータ材を有する低繊維密度アブレータ部と、
    を備え、
    前記高繊維密度アブレータ部には、溝が形成され、
    前記低繊維密度アブレータ部は、前記溝に設けられ、
    前記溝は、前記外表面に連通し、かつ、前記外表面に沿って流れる主流の流れ方向に交差する方向に形成されるとともに、該主流の流れ方向に1つのみ設けられていることを特徴とする飛昇体。
  5. 前記溝の前記外表面側の全面が、該外表面に開口していることを特徴とする請求項3又は4に記載の飛昇体。
  6. 前記本体の長手軸線を含む切断面で見た前記溝の縦断面形状が、四角形であることを特徴とする請求項に記載の飛昇体。
  7. 前記本体の長手軸線を含む切断面で見た前記溝の縦断面形状が、三角形であることを特徴とする請求項に記載の飛昇体。
JP2015209691A 2015-10-26 2015-10-26 飛昇体 Active JP6727788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015209691A JP6727788B2 (ja) 2015-10-26 2015-10-26 飛昇体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015209691A JP6727788B2 (ja) 2015-10-26 2015-10-26 飛昇体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017081285A JP2017081285A (ja) 2017-05-18
JP6727788B2 true JP6727788B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=58711554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015209691A Active JP6727788B2 (ja) 2015-10-26 2015-10-26 飛昇体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6727788B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107298163A (zh) * 2017-07-05 2017-10-27 哈尔滨工业大学 一种降低高超声速气动热的热防护结构

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3741732C1 (de) * 1987-12-09 1988-12-22 Messerschmitt Boelkow Blohm Mehrschicht-Waermedaemmung
JPH0748000A (ja) * 1993-08-06 1995-02-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 再突入宇宙航行体の耐熱装置
JP3568269B2 (ja) * 1995-03-31 2004-09-22 株式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペース 高性能アブレータ材料
JP2971445B1 (ja) * 1998-05-22 1999-11-08 川崎重工業株式会社 複合材構造
JP4236328B2 (ja) * 1999-04-13 2009-03-11 株式会社Ihiエアロスペース 耐熱構造体およびその製造方法
US9051063B1 (en) * 2013-01-29 2015-06-09 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Space vehicle heat shield having edgewise strips of ablative material
JP6122377B2 (ja) * 2013-11-13 2017-04-26 川崎重工業株式会社 表面が強化された熱防御複合材およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017081285A (ja) 2017-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160222796A1 (en) Manufacturing method for a baffle-containing blade
EP2892671B1 (en) Ceramic and refractory metal core assembly
JP6727788B2 (ja) 飛昇体
CN103846463B (zh) 具有冷却剂管道的切削镶片
US20140199177A1 (en) Airfoil and method of making
JP4816471B2 (ja) 光ファイバの保護スリーブ
JP2008202547A (ja) ガスタービン動翼のプラットフォーム冷却構造
US9062883B2 (en) Turbomachine fuel-air mixer component including an additively manufactured portion joined to a non-additively manufactured portion and method
US10588345B2 (en) Flavor inhaler, inside holding member, production method for flavor inhaler, and production method for inside holding member
CA2858020A1 (en) Turbine blade
US8714927B1 (en) Microcircuit skin core cut back to reduce microcircuit trailing edge stresses
US20190022743A1 (en) A method of forming dust-removal holes for a turbine blade, and an associated ceramic core
CN110064781A (zh) 切削工具
US20150059344A1 (en) Turbomachine combustion chamber shell ring
JP5638271B2 (ja) 飛翔体
US5152667A (en) Cooled wall structure especially for gas turbine engines
CN108069019A (zh) 用于层流的飞行器结构部件
EP3159481B1 (en) Impingement tip cooling for gas turbine blade
US3011760A (en) Transpiration cooled turbine blade manufactured from wires
JP6474975B2 (ja) ろう付け構造
CN112832930A (zh) 一种用于火箭发动机的等水力直径的冷却通道设计方法
JP6626633B2 (ja) 防水コネクタ
JP6481978B2 (ja) 燃焼室の冷却機構、冷却機構を備えるロケットエンジン、及び、冷却機構の製造方法
JP7502376B2 (ja) 多孔質の内壁部分を備えたロケットエンジン部分およびロケットエンジン部分を製造する方法
FI3833299T3 (fi) Suutinjärjestelmä ja jauhepuhalluslaite

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190910

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6727788

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150