JP6726010B2 - 大気圧プラズマ発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、大気圧プラズマ発生装置に関する。
大気圧下でプラズマを発生させ、処理対象物に各種の処理を行う大気圧プラズマ発生装置が知られている。大気圧プラズマ発生装置は、電極が設けられた誘電体の筒状体内に反応ガスを流通させ、電極に高周波電圧を印加することにより、反応ガス中にプラズマを発生させる。反応ガス中には、プラズマによりイオン、ラジカル等の活性種が生成される。筒状体からの反応ガス流を、処理対象物に供給すると、活性種により処理対象物の親水化、コーティング、殺菌、分解、培養等の各種の処理を行うことができる。
このような大気圧プラズマ発生装置として、従来から、金属製の筒状体である一対の電極内に、誘電体の筒状体である容器を挿入したプラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、容器の一方の開口であるガス導入口から反応ガスを導入し、電極間に交流電圧又はパルス電圧を印加する。これにより、反応ガス中にはプラズマが発生し、容器の他方の開口である放出口から、プラズマにより生成された活性種を含むガス流が放出される。このガス流が処理対象物に照射されることにより、表面処理が行われる。
特開2002−93768号公報
以上のような従来のプラズマ処理装置においては、処理対象物が筒状体と比較して極端に小さい場合には、処理対象物以外の領域にも、プラズマにより生成された活性種が到達してしまい、処理対象物(処理予定の領域)以外の領域にダメージを与えてしまうことがある。これを防ぐために、処理対象物の大きさに応じて異なる大きさの筒状容器を選定し、交換することが考えられるが、交換作業に手間と時間がかかるため、生産効率が低下する。
本発明の目的は、処理対象領域に対して、活性種を効率良く供給することができる大気圧プラズマ発生装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の大気圧プラズマ発生装置は、反応ガスが流通す
るノズル穴を有するノズル部と、前記ノズル部に設けられた電極部とを有し、大気圧下で
前記電極部に電圧が印加されることにより前記反応ガスにプラズマを発生させるプラズマ
源と、前記プラズマ中に生成された活性種により処理対象物を処理する処理スペースを挟
んで、前記プラズマ源に対向する位置に配置された誘導体を有し、前記誘導体に電圧が印
加されることにより、前記活性種を前記処理対象物の処理対象領域に誘導する誘導部と、
を有し、前記誘導部は、複数の前記誘導体と、前記誘導体のいずれに電圧を印加するかを選択する誘導選択部と、を有する。
本発明によれば、処理対象領域に対して、活性種を効率良く供給可能な大気圧プラズマ発生装置を提供することができる。
第1の実施形態の全体構成を示す説明図である。 第1の実施形態の処理対象物を示す斜視図である。 第1の実施形態のノズル部と誘導体を示す斜視図である。 第1の実施形態の電極と電源との接続の切り替え構造を示す説明図である。 第1の実施形態の誘導体と電源との接続の切り替え構造を示す説明図である。 第1の実施形態の処理対象領域を選択する入力画面を示す説明図(A)、処理中の状態を示す断面図(B)である。 第2の実施形態の全体構成を示す説明図である。 第2の実施形態において、処理対象物を収容した支持体が移動する態様を示す説明図である。 第2の実施形態の制御装置を示すブロック図である。 プラズマ源を単一のノズル部により構成した例を示す断面図である。 誘導体の位置を可変とした例を示す断面図である。
[第1の実施形態]
[概要]
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態のプラズマ発生装置1は、大気圧下でプラズマを発生させ、処理対象物Sに対する処理を行う装置である。プラズマ発生装置1は、プラズマ源10、ガス供給部20、誘導部30、制御装置40を有する。処理対象物Sは、テーブルT上に構成された誘導部30上において、対向するプラズマ源10によって処理される。つまり、プラズマ源10と誘導部30との間が、処理対象物Sを処理する処理スペースAである。
[処理対象物]
処理対象物Sは、プラズマにより生成されたイオン、ラジカル等の活性種により、各種の処理が行われる物体である。例えば、金属、樹脂、生体を処理対象物Sとすることができる。処理は、親水化処理、コーティング処理等の表面処理、殺菌処理、分解処理、培養処理等を含む。本実施形態では、図1及び図2に示すように、処理対象物Sは、支持体Bに収容された状態で処理スペースに載置されて処理が行われる。例えば、支持体Bはシャーレ、処理対象物Sは培養液中で培養される皮膚細胞である。なお、処理対象物Sに対する処理箇所である処理対象領域は、処理対象物Sの一部である場合も、全体である場合も含む。例えば、処理対象物Sがプラズマ源10に対向する面の全体を処理対象領域とする場合も、この面の一部を処理対象領域とする場合もある。また、処理対象物Sが複数ある場合に、全部の処理対象物Sを処理対象領域とする場合も、一部の処理対象物Sを処理対象領域とする場合もある。本実施形態における処理領域は、処理対象物Sの全体とする。
[大気圧プラズマ発生装置]
[プラズマ源]
プラズマ源10は、大気圧下でプラズマを発生させる装置である。プラズマ源10は、ノズル部110、電極部120、ノズル選択部130、電源部140を有する。
(ノズル部)
ノズル部110は、後述する反応ガスが流通するノズル穴111を有する部材である。ノズル部110は、誘電体により形成された直方体形状の部材である。誘電体としては、例えば、石英あるいはPZT等のセラミックを用いる。
ノズル穴111は、ノズル部110の上下の面を貫通する円筒形状の穴である。ノズル穴111の上端の開口は、ガスが導入される導入口111aであり、下端の開口は、ガスが放出される放出口111bである。複数のノズル部110は、ノズル穴111が垂直方向となり、平面視で全体が方形となるように配置されている。つまり、図3に示すように、ノズル部110は、同一平面上に、行方向及び列方向に複数組み合わされることにより、マトリクス状に配置されている。図3において、左右の幅方向を行方向、奥行方向を列方向とする。
(電極部)
電極部120は、各ノズル部110に設けられ、電圧が印加される部材である。電極部120は、一対の金属製の電極板121、122を有する。電極板121、122は、ノズル部110の相反する2面に取り付けられている。この2面は、ノズル部110の導入口111a、放出口111bに対応する上面及び下面である。上面の電極板121には、導入口111aに対応する穴121aが形成されている。下面の電極板122には、放出口111bに対応する穴122aが形成されている。
電極板121は、各ノズル部110に設けられている。このため、電極板121は、同一平面上にマトリクス状に配置されている。但し、各電極板121の間は、互いに間隔を空けて絶縁されている。同様に、電極板122も、同一平面上にマトリクス状に配置され、互いに間隔を空けて絶縁されている。
(ノズル選択部)
ノズル選択部130は、各ノズル部110に対応するいずれの電極部120に電圧を印加するかを選択する構成部である。ノズル選択部130は、配線部131、132、切替部133、134を有する。配線部131、132は、電極部120と後述する電源部140とを接続する導電性の配線群である。
配線部131においては、図4に示すように、電源部140と列方向の電極板121を直列に接続する複数の配線が、互いに並列に接続されている。配線部132においては、電源部140と行方向の電極板122を直列に接続する複数の配線が、互いに並列に接続されている。
切替部133は、配線部131の各配線に挿入され、各列の電極板121と電源部140との接続のオン、オフを切り替えるスイッチである。切替部134は、配線部132の各配線に挿入され、各行の電極板122と電源部140との接続のオン、オフを切り替えるスイッチである。
以下、各列毎の切替部133を、133a〜133eとし、各行毎の切替部134を、134a〜134eとする。いずれかの切替部133a〜133eがオンになった列と、いずれかの切替部134a〜134eがオンになった行の交差した部分のノズル部110のノズル穴111が、プラズマ発生位置となる。
配線部131のいずれかの切替部133をオンとし、配線部132のいずれかの切替部134をオンとすることにより、上下の電極板122の双方に電圧が印加されたノズル部110のみが、プラズマが発生するノズル部110となる。
(電源部)
電源部140は、配線部131、132を介して、電極部120に電圧を印加する電源である。電源部140としては、プラズマ生成用の高周波電源を用いる。この高周波電源は接地されている。
[ガス供給部]
ガス供給部20は、図1に示すように、プラズマ源10に反応ガスを供給する装置である。反応ガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴン等の希ガス、酸素ガス、窒素ガス又はこれらを混合したガスなどを用いることができる。プラズマにより活性種が生じるガスであれば、どのようなガスであってもよい。ガス供給部20は、図1に示すように、タンク210、配管220、バルブ230及びガイド240を有する。
タンク210は、反応ガスを貯留したガス源である。配管220はタンク210からの反応ガスを供給先へ導く流路である。バルブ230は反応ガスの流量を調整する部材である。ガイド240は、上部が配管220に接続され、下部が開口した筒状の容器である。ガイド240の下部は、プラズマ源10における全てのノズル部110の導入口111aに対向している。
[誘導部]
誘導部30は、処理対象物Sの処理スペースAを挟んで、プラズマ源10に対向する位置に配置された誘導体310を有し、誘導体310に電圧が印加されることにより、反応ガスに生成されたプラズマに含まれる活性種を、処理対象物Sにおける処理を必要とする領域(処理対象領域)に誘導する構成部である。この処理対象領域は、上記のように、処理対象物Sの全部又は一部である。
誘導体310は、コイル又は電極板である。誘導体310は、平板状の台であるテーブルT上に複数配設されている。テーブルTの誘導体310の上には、処理対象物Sを収容した支持体Bが載る。複数の誘導体310は、プラズマ源10における各ノズル110の放出口111bに対向する位置に、それぞれ配置されている。つまり、図3および図5に示すように、複数の誘導体310も、同一平面上に、マトリクス状に互いに間隔を空けて絶縁配置されている。
誘導部30は、さらに誘導選択部330、電源部340を有する。誘導選択部330は、いずれの誘導体310に電圧を印加するかを選択する構成部である。誘導選択部330は、配線部331、332、切替部333、334を有する。
配線部331、332は、誘導体310と後述する電源部340とを接続する導電性の配線群である。配線部331は、図5に示すように、電源部340と列方向の誘導体310を直列に接続する複数の配線が、互いに並列に接続されている。配線部332は、電源部340と行方向の誘導体310を直列に接続する複数の配線が、互いに並列に接続されている。
切替部333は、配線部331の各配線に挿入され、各列の誘導体310と電源部340との接続のオン、オフを切り替えるスイッチである。切替部334は、配線部332の各配線に挿入され、各行の誘導体310と電源部340との接続のオン、オフを切り替えるスイッチである。
以下、各列毎の切替部333を、333a〜333eとし、各行毎の切替部334を、334a〜334eとする。いずれかの切替部333a〜333eがオンになった列と、いずれかの切替部334a〜334eがオンになった行の交差した部分の誘導体310が、電場又は磁場を発生させることによる活性種の誘導位置となる。
電源部340は、配線部331、332を介して、誘導体310に電圧を印加する電源である。電源部340としては、直流電源を用いる。
[制御装置]
制御装置40は、プラズマ発生装置1の動作を制御する装置である。制御装置40は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって実現できる。
制御装置40は、プラズマ発生装置1のプラズマ源10、ガス供給部20、誘導部30を制御する。つまり、ノズル選択部130の切替部131、134、電源部140、ガス供給部20のバルブ230、誘導選択部330の切替部333、334、電源部340等を制御することにより、反応ガスの流量、プラズマを生成するノズル部110の選択、活性種を誘導する誘導電極310の選択、供給電圧や電流等の制御を行う。
また、図示はしないが、制御装置40は、プラズマ発生装置1の処理に必要な演算を行う演算部、処理に必要な各種の情報を記憶する記憶部、制御対象となる各部との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースを有する。また、装置の状態を確認するためのディスプレイ、ランプ、メータ等の出力装置、作業者が、プラズマ発生装置1の動作に必要な情報を入力するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力装置も有する。
例えば、制御装置40は、図1に示すように出力装置であるディスプレイ410に、マトリクス状のボタンが配列された入力画面411を表示させる。この各ボタンは、各ノズル部110及び誘導体310の位置に対応している。タッチパネル、マウス等の入力装置を用いて、いずれかのボタンを選択すると、制御装置40は、当該ボタンに対応する電極板121、122、誘導体310に電圧が印加されるように、切替部133a〜133e、134a〜134e、333a〜333e、334a〜334eのオン、オフを切り替える。
[動作]
以上のような本実施形態のプラズマ発生装置Sの動作を、図1〜図5に加えて、図6を参照して説明する。まず、図1に示すように、作業者は、処理対象物Sが収容された支持体Bを、テーブルTにおける誘導部30上に載せる。つまり、処理スペースAに処理対象物Sを配置する。そして、支持体Bにおける処理対象物Sの位置を確認して、図6(A)に示すように、ディスプレイ410に表示された入力画面411のボタンのうち、処理対象物Sの位置に対応するプラズマ発生位置を、入力装置を用いて選択する。
制御装置40は、選択された位置に応じた切替部133、134、333、334をオンにするとともに、プラズマ源10を起動させる。例えば、図6(A)の網掛け部分に示すように、行L1、列R3に対応するボタンが選択された場合、制御装置40は、図4に示した切替部133a、134c、図5に示した切替部333a、334cをオンにする。なお、より広い面積で処理したい場合には、オンにする切替部133、134、333、334を増やすことになる。例えば、図6(A)で一点鎖線で囲んだ部分に示すように、行L1、L2、列R3、R4に対応するボタンが選択された場合、制御装置40は、図4に示した切替部133a、133b、134c、134d、図5に示した切替部333a、333b、334c、334dをオンにする。
これにより、図6(B)に示すように、ガス供給部20から供給された反応ガスGが導入口111aから入り、ノズル穴111内を流通して放出口111bから放出されるとともに、選択された位置の電極板121、122、誘導体310に電圧が印加される。すると、図6(A)の行L1、列R3に対応するボタンが選択された場合、網掛けされたノズル穴111内の反応ガスGにプラズマPが発生して、これにより励起、生成された活性種Rが、処理対象物Sに供給されて処理が行われる。活性種Rは、電圧の印加により誘導体310に発生する磁場又は電場によって、処理対象物Sに誘導されて分散が防止されるので、処理対象物Sに集中する。
処理終了後、作業員は、プラズマ源10を停止させて、支持体Bを取り出す。そして、次の処理対象物Sが収容された支持体Bを、テーブルTの誘導部30上に載せる。作業員は、上記と同様に、支持体Bにおける処理対象物Sの位置を確認して、これに対応するプラズマ発生位置を選択し、プラズマ源10を起動させる。すると、上記と同様に、新たに選択されたプラズマ発生位置における処理対象物Sに対する処理が行われる。
[作用効果]
以上のような本実施形態は、反応ガスGが流通するノズル穴111を有するノズル部110と、ノズル部110に設けられた電極部120とを有し、大気圧下で電極部120に電圧が印加されることにより、反応ガスGにプラズマPを発生させるプラズマ源10と、プラズマP中に生成された活性種Rにより処理対象物Sを処理する処理スペースを挟んで、プラズマ源10に対向する位置に配置された誘導体310を有し、誘導体310に電圧が印加されることにより、活性種Rを処理対象物Sに誘導する誘導部30とを有する。
このように、誘導体310が処理対象物Sに活性種Rを誘導するので、活性種の拡散が防止され、処理対象物Sに集中する。このため、処理効率を向上させることができる。例えば、本実施形態のように誘導体310を有さない場合、ノズル部110と処理対象物Sとの間において、プラズマPを発生させると、活性種Rの拡散が生じて、処理対象物Sに集中させることができない。これに対し、本実施形態では、処理対象物Sを挟んでノズル部110の反対側に配置された誘導体310によって、活性種Rを誘導するため、活性種Rを処理対象物Sに十分に集中させることができる。さらに、処理対象物SをプラズマP中に直接晒すことがないので、生体細胞等、損傷しやすい処理対象物Sにも適用できる。
誘導部30は、複数の誘導体310と、誘導体310のいずれに電圧を印加するかを選択する誘導選択部330を有する。例えば、本実施形態のような誘導部30および誘導選択部330を有さない場合、支持体Bにおける処理対象物Sの位置や大きさにバラツキがあると、支持体B毎に、活性種Rを含む反応ガスGを供給すべき範囲は一定とならないため、活性種Rが無駄に供給される範囲が大きくなる。一方、本実施形態では、複数の誘導体310のうち、処理対象物Sに対応する位置に配置された誘導体310に選択的に電圧を印加することにより、処理対象物Sの位置や大きさのバラツキがあっても、無駄に供給される活性種Rを低減できる。また、複数の誘導体310により活性種Rを誘導する場合に、各誘導体310の印加電圧を等しくすることにより、支持体B内の処理対象物Sの全体に均一に処理を行うことができる。
さらに、プラズマ源10は、複数のノズル部110と、各ノズル部110に対応するいずれの電極部120に電圧を印加するかを選択するノズル選択部130を有する。このため、プラズマ発生位置についても、処理対象物Sに対応する位置に絞ることができるので、エネルギーを効率良く使用することができる。また、複数のノズル部110によりプラズマを生成する場合に、各電極部120への印加電圧を等しくすることにより、支持体B内の処理対象物Sの全体に均一に処理を行うことができる。また、同理由から、処理対象物S以外の箇所へダメージを与えることを防止することもできる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
[構成]
本実施形態の基本構成は、上記の第1の実施形態と同様である。但し、本実施形態は、図7に示すように、搬送装置500、検出装置600を有する。図7に示す[1]〜[3]は、支持体Bの移動経路を示す。
[搬送装置]
搬送装置500は、処理対象物Sを搬送する装置である。搬送装置500は、搬送ロボットであり、図示しないロボットハンドと、このロボットハンドを駆動する図示しない駆動部を有する。
搬送装置500は、図7に示すように、処理対象物Sを収容した支持体Bを、未処理対象物収容部710から検出装置600、プラズマ発生装置1を経由して処理済対象物収容部720に順次移動させる。未処理対象物収容部710、処理対象物収容部720は、少なくとも支持体Bを載置するスペースが存在すればよい。例えば、支持体Bを載置する台であっても、支持体Bを囲む部屋であってもよい。
[検出装置]
検出装置600は、処理対象物Sの処理対象領域を検出する装置である。本実施形態の検出装置600が検出する処理対象領域は、支持体Bにおける処理対象物Sの全体が存在する位置である。但し、上記のように処理対象領域は、この位置には限定されない。検出装置600は、図7に示すように、処理対象物Sを撮像するカメラ610を有する。また、検出装置600は、カメラ610に対向し、処理対象物Sを収容した支持体Bが載置される載置台601を有している(図8参照)。カメラ610は、プラズマ発生装置1に搬送される前の処理対象物Sを撮像して、その撮像信号を制御装置40に出力する。
さらに、本実施形態の制御装置40は、図9に示すように、画像処理部41、判定部42、決定部43、機構制御部44を有する。画像処理部41は、カメラ610からの撮像信号を取り込み、ディスプレイ410に表示可能な画像信号に変換する。判定部42は、画像信号に基づいて、処理対象物Sを識別し、その位置を判定する。
処理対象物Sの識別は、例えば、制御装置400の記憶部に、処理対象物P及び周囲の色情報等が含まれ、これを基準に処理対象物Sの輪郭を認識する。処理対象物Sの位置とは、カメラ610の視野範囲内における処理対象物Sの水平方向の位置座標である。カメラ610の視野範囲は、支持部Bの全体が撮像できる大きさであればよい。
決定部43は、判定された処理対象物Sの位置に基づいて、プラズマ発生位置、つまり、いずれの電極部120、誘導体310に電圧を印加するかを決定する。例えば、上記のディスプレイ410に表示されたマトリクス状のボタンからなる入力画面411のうち、処理対象物Sの画像と重なる面積が最も大きいボタンを選択する。
機構制御部44は、プラズマ発生装置Sの各部の機構を制御する。例えば、決定部43が決定したプラズマ発生位置に対応する電極部120、誘導体310に電圧が印加されるように、切替部131a〜131e、134a〜134e、333a〜333e、334a〜334eを切り替える。
[動作]
以上のような本実施形態のプラズマ発生装置Sの動作を説明する。なお、図8は、処理対象物Sが収容された支持体Bが移動する態様を示す図である。搬送装置500は、図7[1]、図8(A)に示すように、処理対象物Sが収容された支持体Bを、未処理対象物収容部710から検出装置600に搬送し、載置台601に載置する。そして、カメラ610により支持体Bが撮像され、判定部42により処理対象物Sの位置が判定され、決定部43によりプラズマ発生位置が決定される。
制御装置40の機構制御部44は、図7[2]、図8(B)に示すように、搬送装置500によって、処理対象物Sをプラズマ発生装置1におけるテーブルT上の処理スペースAに移動させる。機構制御部44は、決定されたプラズマ発生位置に応じたノズル選択部130の切替部133、134、誘導選択部330の切替部333、334をオンにさせるとともに、プラズマ源10を起動させる。
これにより、第1の実施形態と同様に、処理対象物Sに対する処理が行われる。また、搬送装置500は、図8(B)に示すように、次の処理対象物Sを収容した支持体Bを、検出装置600に搬送する。このとき、ディスプレイ410には、次の処理対象物Sの位置が示されている。そして、次の処理対象物Sについても、上記と同様に、撮像、プラズマ発生位置の決定処理が行われる。
プラズマによる処理終了後、機構制御部44は、プラズマ源10を停止させ、搬送装置500の駆動部を動作させることにより、図7[3]、図8(C)に示すように、処理済みの処理対象物Sを収容した支持体Bを処理済対象物収容部720に移動させる。作業者は、処理済対象物収容部720に収容された支持体Bを取り出す。このとき、図8(C)に示すように、搬送装置500が、次の処理対象物Sを処理スペースAに搬送するので、新たに決定されたプラズマ発生位置において、処理対象物Sに対する処理が行われる。搬送装置500は、さらに次の支持体Bを検出装置600に搬送する。図8(C)に示すように、ディスプレイ410には、このとき載置台601に載置された支持体Bに収容される処理対象物Sが表示されている。このように、順次、支持体Bにおける処理対象物Sの処理が行われる。
[作用効果]
以上のような本実施形態は、処理対象物S(処理対象領域)を検出する検出装置600を有し、誘導選択部330は、検出装置600により検出された処理対象領域に対応する誘動体310を選択する。
このため、連続的に処理される複数の処理対象物Sが、その大きさや位置が一定でない場合であっても(図8(A)〜(C)参照)、これに応じて処理対象物Sに活性種Rを誘導させることができるので、効率の良い処理が可能となる。
さらに、ノズル選択部130も、検出装置600により検出された処理対象領域に対応する電極部120に、電圧を印加する。このため、連続的に処理される処理対象物Sの大きさや位置にバラツキがあっても(図8(A)〜(C)参照)、プラズマ発生位置を処理対象物Sに合わせることができるので、エネルギーの無駄が少ない。
[他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態には限定されない。
(1)ノズル部110の数、誘導体310の数は上記で例示したものには限定されない。両者の数は、一致していなくてもよい。例えば、ノズル部110の数が、誘動体310の数よりも多くてもよいし、誘動体310の数が、ノズル部110の数よりも多くてもよい。誘導体310の位置によって、活性種Rの供給位置を制御できるので、一定の領域に配置する誘動体310の数を多くする程、処理領域の位置や大きさを細かく制御することができる。
さらに、ノズル部110、誘導体310の双方又は一方を単数として、構成を簡素化することができる。例えば、図10に示すように、ノズル部110は一つとして、誘導体310を複数設けることによっても、所望の誘導体310の位置に、活性種Rを集中させることができる。また、図11に示すように、誘導体310を可動に設けることによっても、誘導体310を所望の位置に移動させて、その位置に活性種Rを集中させることができる。誘導体310の移動は、駆動機構によって移動する構造であっても、手動によって移動させる構造であってもよい。複数の誘導体310を設け、それぞれが移動する構成としてもよい。
また、上記実施形態において電極板121、122はいずれもマトリクス状に配置されているとしたが、これに限らず、いずれか一方がマトリクス状に配置され、オン、オフを切り替えられる配線を有していれば良い。
(2)誘導体310は、上記のようにコイル又は電極板によって構成することができるが、印加する電圧の極性については、活性種Rの種類に応じて適宜変更可能である。さらに、静電チャックのように、電荷によって吸引力を発生させる部材も、誘導体310として適用可能である。
(3)処理対象物Sとしては、上記のように、種々の物体を適用することができる。誘導体310による活性種Rの誘導位置又はプラズマ源10によるプラズマ発生位置は、処理対象物Sの全体に対応する位置であっても、処理対象物Sの一部に対応する位置であってもよい。例えば、処理対象物Sである基板の一部に処理を行う場合、さらに個々の基板によって処理対象領域が変化する場合にも、所望の位置に処理を行うことができる。
(4)以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
1 プラズマ発生装置
10 プラズマ源
20 ガス供給部
30 誘導部
40 制御装置
41 画像処理部
42 判定部
43 決定部
44 機構制御部
110 ノズル部
111 ノズル穴
111a 導入口
111b 放出口
120 電極部
121、122 電極板
130 ノズル選択部
131、132 配線部
133、133a〜133e、134、134a〜134e 切替部
140 電源部
210 タンク
220 配管
230 バルブ
240 ガイド
310 誘導体
330 誘導選択部
331、332 配線部
333、334 切替部
340 電源部
410 ディスプレイ
411 入力画面
600 検出装置
601 載置台
610 カメラ
A 処理スペース
B 支持体
P プラズマ
R 活性種
S 処理対象物
T テーブル

Claims (8)

  1. 反応ガスが流通するノズル穴を有するノズル部と、前記ノズル部に設けられた電極部とを有し、大気圧下で前記電極部に電圧が印加されることにより前記反応ガスにプラズマを発生させるプラズマ源と、
    前記プラズマ中に生成された活性種により処理対象物を処理する処理スペースを挟んで、前記プラズマ源に対向する位置に配置された誘導体を有し、前記誘導体に電圧が印加されることにより、前記活性種を前記処理対象物の処理対象領域に誘導する誘導部と、
    を有し、
    前記誘導部は、
    複数の前記誘導体と、
    前記誘導体のいずれに電圧を印加するかを選択する誘導選択部と、
    を有することを特徴とする大気圧プラズマ発生装置。
  2. 前記処理対象領域を検出する検出装置を有し、
    前記誘導選択部は、前記検出装置により検出された前記処理対象領域に対応する誘導体
    を選択することを特徴とする請求項1記載の大気圧プラズマ発生装置。
  3. 前記誘導体は、前記プラズマ源に対する位置が可変に設けられていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  4. 前記処理対象領域を検出する検出装置と、
    前記検出装置により検出された前記処理対象領域に対応する位置に、前記誘導体を移動
    させる駆動機構と、
    を有することを特徴とする請求項3記載の大気圧プラズマ発生装置。
  5. 反応ガスが流通するノズル穴を有するノズル部と、前記ノズル部に設けられた電極部とを有し、大気圧下で前記電極部に電圧が印加されることにより前記反応ガスにプラズマを発生させるプラズマ源と、
    前記プラズマ中に生成された活性種により処理対象物を処理する処理スペースを挟んで、前記プラズマ源に対向する位置に配置された誘導体を有し、前記誘導体に電圧が印加されることにより、前記活性種を前記処理対象物の処理対象領域に誘導する誘導部と、
    前記処理対象領域を検出する検出装置と、
    前記検出装置により検出された前記処理対象領域に対応する位置に、前記誘導体を移動させる駆動機構と、
    を有することを特徴とする大気圧プラズマ発生装置。
  6. 前記プラズマ源は、
    複数の前記ノズル部と、
    各ノズル部に対応するいずれの電極部に電圧を印加するかを選択するノズル選択部と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の大気圧プラズマ発生装置。
  7. 前記処理対象領域を検出する検出装置を有し、
    前記ノズル選択部は、前記検出装置により検出された前記処理対象領域に対応する前記
    電極部を選択することを特徴とする請求項6記載の大気圧プラズマ発生装置。
  8. 反応ガスが流通するノズル穴を有するノズル部と、前記ノズル部に設けられた電極部とを有し、大気圧下で前記電極部に電圧が印加されることにより前記反応ガスにプラズマを発生させるプラズマ源と、
    前記プラズマ中に生成された活性種により処理対象物を処理する処理スペースを挟んで、前記プラズマ源に対向する位置に配置された誘導体を有し、前記誘導体に電圧が印加されることにより、前記活性種を前記処理対象物の処理対象領域に誘導する誘導部と、
    前記処理対象領域を検出する検出装置と、
    を有し、
    前記プラズマ源は、
    複数の前記ノズル部と、
    各ノズル部に対応するいずれの電極部に電圧を印加するかを選択するノズル選択部と、
    を有し、
    前記ノズル選択部は、
    前記検出装置により検出された前記処理対象領域に対応する前記電極部を選択すること、
    を特徴とする大気圧プラズマ発生装置。
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