JP6724561B2 - 穀物乾燥機 - Google Patents

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本発明は、穀物乾燥機に関する。
特許文献1には、水分計と重量計を備えた穀物乾燥機が記載されている。
この穀物乾燥機は目標水分値に到達したことを水分計で検出すると乾燥運転が終了するが、乾燥運転中は重量計により、乾燥速度を調節している。
特開昭61−213481号公報
水分計は、張込穀物の水分値が高いと、穀物の水分バラツキ大きい場合が多く水分測定精度が低下するため、水分計に基づく乾燥制御の精度も低下する。
本発明は、乾燥制御の精度を向上させることを課題とする。
かかる課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
穀物を張り込む貯留室と、穀物を乾燥する乾燥室と、張込穀物の重量を検出する重量計(12)と、穀物の水分を検出する水分計(11)を備える穀物乾燥機において、
張込穀物の水分値が設定値より高い場合には、重量計(12)に基づく乾燥運転を行い、
重量計(12)による乾燥運転を行った後に、張込穀物の水分値が設定水分値に到達すると、水分計(11)に基づく乾燥運転に切り換る制御部(S)を備え、
穀物の張込運転をするための張込スイッチ(20)と、穀物を通風しながら循環運転させるための通風スイッチ(21)と、穀物の乾燥運転を行う乾燥スイッチ(22)と、乾燥運転終了後に張込穀物を機外に排出する排出運転を行う排出スイッチ(23)を設け、
排出スイッチ(23)の操作に基づく排出運転中に、水分計(11)が設定時間サンプル穀物を採取できないことを検出すると、排出する穀物が無いと判定し、排出運転を自動的に停止し、
該排出運転の停止情報を制御部(S)で記憶し、次の張込運転の際に張込スイッチ(20)を操作すると、重量計(12)のデータをリセットし、以後の張込スイッチ(20)を操作した場合には、重量計(12)の重量データは加算され、
運転中の各種情報を表示する画面(28)を設け、
張込運転時には比較的短い設定間隔で重量計(12)による測定データを画面(28)に表示し、
排出運転時には、張込運転より長い設定時間の間隔で重量計(12)による測定データを画面(28)に表示し、
乾燥運転時には、乾燥運転中の各種情報の表示と、重量計(12)による測定データの表示が切り替わると共に、排出運転より長い設定時間の間隔で重量計(12)による測定データを画面(28)に表示することを特徴とする穀物乾燥機とする。
これにより、穀物水分の高い乾燥初期の乾燥運転は重量計に基づく乾燥運転を行い、乾燥運転が進行し、設定水分値以下になると、水分計に基づく乾燥運転に切り換るので、乾燥開始から目標水分値まで安定した乾燥運転ができる。
また、重量データも張込運転・乾燥運転・排出運転毎に適切なタイミングで表示されることができるオペレータが最も重量表示を頻繁に見る必要のある張込運転時に、オペレータは張込重量を見ながら次に行うコンバイン等の収穫の作業工程を判断することができる。
請求項2記載の発明は、
張込運転中に、穀物を循環運転させる循環機構(J)を駆動する駆動モータ(19)の負荷電流値が穀物の搬送を判断できる負荷電流値を示しているにもかかわらず、重量計(12)の重量測定データの増加が少ない場合には重量計(12)の異常と判定することを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機とする。
請求項3記載の発明は、
目標とする水分値を設定する目標水分設定手段を備え、乾燥運転により、前記目標とする水分値に到達して乾燥運転が停止した後、追い乾燥運転のために乾燥運転を行う時には、重量計に基づく乾燥運転を行うことを特徴とする請求項1から請求項3いずれかに記載の穀物乾燥機とする。
追い乾燥運転は、もう少し水分値を低くしたい場合に用いるので、重量計に基づく運転を行うことで、精度の高い運転制御を行うことができる。
請求項4記載の発明は、
追い乾燥運転時には、追い乾燥運転における追い乾燥用目標水分値と乾燥運転終了時の水分値の差の分の水分が減少すると追い乾燥運転を停止する制御を行うことを特徴とする請求項4記載の穀物乾燥機とする。
追い乾燥で除去する必要のある水分量を演算したうえで乾燥させることができる。
本発明により、精度の高い乾燥運転を行うことができる。
穀物乾燥機の斜視図 側面から見た穀物乾燥機の内部を説明する図 正面から見た穀物乾燥機の内部を説明する図 循環機構を示す図 操作盤図 昇降機に取り付けられている水分計の内部を説明する図 水分値と乾燥運転時間及び穀物重量と乾燥運転時間の関係を示すグラフ 図7のグラフを表にした図 フローチャート ブロック図
本発明の実施の形態の穀物乾燥機について説明する。
箱体H内に穀物を貯留する貯留室1と、穀物を乾燥する乾燥室2を設ける。乾燥室2は燃焼バーナ17による熱風が通過する熱風室3と、熱風及び穀物が通過する流下通路4と流下通路4を通過した熱風が排風ファン5で吸引される排風室6を設ける。
乾燥室2の下部には、乾燥室2内の穀物を繰り出すロータリバルブ7を設け、ロータリバルブ7の下方には、穀物を正面側に移送する下部ラセン8を設ける。箱体Hの正面側には穀物を揚穀するバケット9a式の昇降機9を設け、箱体Hの上部には昇降機9で揚穀された穀物を貯留室1へ移送する上部ラセン10を設ける。上部ラセン10の移送終端側には穀物を貯留室1内に拡散する拡散羽根を設ける。本実施の形態では下部ラセン8と、昇降機9と、上部ラセン10と、拡散羽根15と、ロータリバルブ7の駆動により穀物を循環させる循環式の穀物乾燥機であり、前述の循環させるための部材を総称して循環機構Jと呼ぶ。
昇降機9にはバケット9aから毀れた穀物を収容し、水分値を測定する水分計11を設ける。水分計11は一対の圧砕ロール11aで穀物を圧砕して水分を測定する。
箱体Hの底部には重量計12を設ける。重量計12は箱体Hの四隅に設け、張込穀物の張込重量を検出可能に構成する。具体的には例えばロードセルを利用する。
箱体Hの正面側には制御部Sを内蔵する操作盤13を設ける。操作盤13には、昇降機9の取り付ける張込ホッパ14に張り込んだ穀物を昇降機9及び上部ラセン10で貯留室1に移送する張込運転をするための張込スイッチ20と、排風ファン5と循環機構Jを駆動して穀物を通風しながら循環運転させるための通風スイッチ21と、燃焼バーナ17と排風ファン5と循環機構Jを駆動して穀物の乾燥運転を行う乾燥スイッチ22と、乾燥運転終了後に循環機構Jを駆動すると共に、昇降機9の上部の排出シャッタ16を排出側に切り換えて張込穀物を機外に排出する排出運転を行う排出スイッチ23を設ける。
また、張込運転、通風運転、乾燥運転、排出運転を停止させる停止スイッチ24を設ける。
また、目標とする水分値を設定する目標水分設定スイッチ25と、乾燥速度を設定する乾燥速度設定スイッチ26と、穀物品種を設定する穀物品種設定スイッチ27を画面28に設ける。重量計12による乾燥運転から水分計11による乾燥運転に切り換る設定水分値を変更するための設定水分値調節スイッチ30
また、画面28は、前述の目標水分値等の乾燥運転条件を設定する画面と、乾燥運転中の各種情報を表示する画面に切換え可能に構成している。
また、特に乾燥運転中に表示が必要な熱風温度・水分値・残り乾燥運転時間を交互に表示するインジケータ式の表示器29を設ける。
次に、乾燥運転について説明する。
オペレータが乾燥条件を設定して、乾燥スイッチ22をONすると、燃焼バーナ及び循環機構Jが駆動を開始し、穀物は循環しながら乾燥室2で熱風に晒され乾燥運転が開始する。
本実施の形態では、穀物品種は籾で、目標水分値は15%で、乾燥速度は「はやい(乾減率1.0%/h)」とする。そして重量計12で測定した張込穀物量を5000Kgとする。また、乾燥運転開始時に水分計11で測定した水分値は25%とする。
図7及び図8は穀物重量と乾燥運転時間、及び水分値と乾燥運転時間の関係を示す一例である。そして、前述の目標水分値と乾燥速度と穀物重量と乾燥運転開始時の水分値(初期水分値)が制御部Sに入力されると、図7のような水分値と乾燥運転時間の基準線(イ)と、穀物重量と乾燥運転時間の基準線(ロ)が作成され、当該基準線に沿った乾燥運転がなされる。なお、基準線の基になる各種データは予め制御部Sにいわゆるテーブルデータとして設定されている。
水分計11は、穀物水分値が高いと穀物水分のバラツキが大きいため測定精度が低下する。そのため、乾燥運転開始時に張込穀物の水分値が設定水分値以上の場合の乾燥運転は、水分計11による水分値データを設定時間毎に画面28に表示するが、乾燥運転は重量計12の重量データに基づいて行う。そして設定水分値に到達すると、穀物水分のバラツキが小さくなり水分計11の測定精度が良好になるため、水分計11による水分値データに基づく乾燥運転に切り換る。本実施の形態では前記設定水分値を18%に設定している。
すなわち、穀物が18%に到達するまでは重量計12の重量データに基づく乾燥運転を行う(基準線(ロ)に沿う乾燥制御を行う)。そして、18%に到達すると、水分計11に基づく乾燥運転に切り換る(基準線(イ)に沿う乾燥制御に切り換る)。そして、目標水分値に到達するまで乾燥運転が継続される。
目標水分値である15%まで到達すると、燃焼バーナ17は停止し、設定時間(例えば20分)通風運転による燃焼バーナ17及び穀物を冷却する冷却運転(いわゆるポストパージ)が行われる。
オペレータが、乾燥運転終了時の穀物の状態から、さらに、もう少し乾燥させたいと判断したら、追い乾燥運転を行う。この場合には、目標水分設定スイッチ25で追い乾燥用目標水分値(例えば14%)を設定し、再び乾燥スイッチ22をONすると追い乾燥運転が開始する。追い乾燥運転は、乾燥運転終了時の水分値と追い乾燥用目標水分値の差から除去する水分量を演算し、重量計12に基づく乾燥制御がなされる。すなわち、重量計12が目標とする重量(本実施の形態では図8の4485kg)を検出すると追い乾燥運転は停止する。追い乾燥運転で、水分計11に基づく乾燥運転を行うと、水分計11は張込穀物全体の中のあるポイントにおける水分値を測定するため、張込穀物の層毎の水分値に斑やバラツキが大きいと、追い乾燥運転後すぐに14%を測定して乾燥運転が停止することにより張込穀物全体の乾燥状態が不十分になったり、水分計11が14%を測定するまで必要以上長い運転時間要することで過乾燥になることを防止するためである。
また、従来のタイマーに基づく追い乾燥運転によるとオペレータの勘に頼るためオペレータの意図する乾燥ができないという欠点があったが、重量計12に基づく乾燥を行うことで、除去する必要にある水分量を乾燥させることができる。また、通常の乾燥運転の終了時の水分値と追い乾燥用目標水分値との差から追い乾燥で除去する必要のある水分量を演算したうえで乾燥させることができるので精度の高い乾燥制御を行うことができる。
乾燥運転又は追い乾燥が終了した後、オペレータが排出スイッチ23を操作すると排出運転がなされ、貯留室1及び乾燥室2内の穀物は循環機構Jの駆動により、昇降機9から排出シャッタ16を介して機外に排出される。水分計11では昇降機9で搬送される穀物からサンプル穀物を採取し、穀物有、即ち排出運転であることを判定する。そして、排出する穀物が無くなり、水分計11が設定時間(例えば2分)サンプル穀物を採取できないことを検出すると、排出する穀物が無いと判定し、排出運転を自動的に停止する。もちろん、オペレータが停止スイッチ24を操作して停止させても良い。
次に、重量計12による特徴的な構成を説明する。
重量計12の測定及び表示のタイミングについて説明する。
画面28には、各種データが表示されるので、重量データも張込運転・乾燥運転・排出運転毎に適切なタイミングで表示されることが望ましい。オペレータが最も重量表示を頻繁に見る必要のある工程は張込運転時である。オペレータは張込重量を見ながら次に行うコンバイン等の収穫の作業工程を判断するためである。そのため、張込運転時には最も頻繁に重量計12による測定データを表示する(例えば10秒毎、又はリアルタイムで表示しても良い)。
次に、オペレータが重量表示を見る必要がある工程は、排出運転である。排出運転時には、オペレータが排出完了までの残時間を推定するために残りの穀物重量を見るためである。もっとも、張込運転よりは見る頻度は小さいので張込運転よりは長い間隔で表示する(例えば30秒毎)。
乾燥運転中は、オペレータが穀物乾燥機の前に居ないことが多いため、重量表示の間隔は長くても差し支えない(例えば10分毎)。
このように、重量計12の測定及び表示のタイミングを運転の工程毎に可変することで適切なタイミングで測定及び表示ができる。
次に、張込運転時の重量計12の特徴について説明する。
前述の排出運転の自動停止又は、オペレータの停止による排出停止情報を制御部Sで記憶しておく。そして、次の張込運転の際に張込スイッチ20を操作すると、重量計12のデータをリセットする。本来、排出運転終了後には穀物が無いので重量計12はゼロになるはずだが、実際には、穀物や塵埃等が箱体H内に残留している場合が多い。そのため、次回の乾燥運転の張込時には、重量計12をリセットして重量測定を行うことで、実際の張込穀物の重量を測定することができる。張込運転中には、水分計11が昇降機9で搬送される穀物からサンプル穀物を採取し、穀物有、即ち張込運転であることを判定する。通常、張込運転は、穀物を収穫する毎に張り込むので、1回の張込運転では張込運転は終了せず、複数回の張込運転を行う。この場合に、1回目の張込運転を終了すると、オペレータは停止スイッチ24を操作して張込運転を停止する。そして、次に収穫した穀物を張り込む2回目の張込運転を行うために、張込スイッチ20を操作した場合には、重量計12の重量データは加算され、リセットしない。すなわち、水分計11で張込運転中に穀物有を検出すると、以後の張込スイッチ20の操作では重量計12の重量データをリセットせず、前回測定した重量に加算される。これにより、オペレータは通常の張込運転で適切に重量測定を行うことができる。
また、電源を入れた時に重量計12で測定した時に、設定以上の重量(例えば10kg)を検出した時には、残留物が残っている旨を画面に表示しても良い。
残留物とは、例えば、下部ラセン8や上部ラセン10、ロータリバルブ7や昇降機9に残留する穀物や、排風室3に残留する塵埃がある。
また、張込運転中に、循環機構Jを駆動する駆動モータ19の負荷電流値が穀物の搬送を判断できる負荷電流値を示しているにもかかわらず、重量計12の重量データの増加が少ない場合には重量計12の異常、又は設置不備と判定することができる。
1 貯留室
2 乾燥室
11 水分計
12 重量計
25 目標水分設定スイッチ
30 設定水分値設定手段
S 制御部

Claims (4)

  1. 穀物を張り込む貯留室と、穀物を乾燥する乾燥室と、張込穀物の重量を検出する重量計(12)と、穀物の水分を検出する水分計(11)を備える穀物乾燥機において、
    張込穀物の水分値が設定値より高い場合には、重量計(12)に基づく乾燥運転を行い、
    重量計(12)による乾燥運転を行った後に、張込穀物の水分値が設定水分値に到達すると、水分計(11)に基づく乾燥運転に切り換る制御部(S)を備え、
    穀物の張込運転をするための張込スイッチ(20)と、穀物を通風しながら循環運転させるための通風スイッチ(21)と、穀物の乾燥運転を行う乾燥スイッチ(22)と、乾燥運転終了後に張込穀物を機外に排出する排出運転を行う排出スイッチ(23)を設け、
    排出スイッチ(23)の操作に基づく排出運転中に、水分計(11)が設定時間サンプル穀物を採取できないことを検出すると、排出する穀物が無いと判定し、排出運転を自動的に停止し、
    該排出運転の停止情報を制御部(S)で記憶し、次の張込運転の際に張込スイッチ(20)を操作すると、重量計(12)のデータをリセットし、以後の張込スイッチ(20)を操作した場合には、重量計(12)の重量データは加算され、
    運転中の各種情報を表示する画面(28)を設け、
    張込運転時には比較的短い設定間隔で重量計(12)による測定データを画面(28)に表示し、
    排出運転時には、張込運転より長い設定時間の間隔で重量計(12)による測定データを画面(28)に表示し、
    乾燥運転時には、乾燥運転中の各種情報の表示と、重量計(12)による測定データの表示が切り替わると共に、排出運転より長い設定時間の間隔で重量計(12)による測定データを画面(28)に表示することを特徴とする穀物乾燥機。
  2. 張込運転中に、穀物を循環運転させる循環機構(J)を駆動する駆動モータ(19)の負荷電流値が穀物の搬送を判断できる負荷電流値を示しているにもかかわらず、重量計(12)の重量測定データの増加が少ない場合には重量計(12)の異常と判定することを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機。
  3. 目標とする水分値を設定する目標水分設定手段を備え、乾燥運転により、前記目標とする水分値に到達して乾燥運転が停止した後、追い乾燥運転のために乾燥運転を行う時には、重量計に基づく乾燥運転を行うことを特徴とする請求項1から請求項2いずれかに記載の穀物乾燥機。
  4. 追い乾燥運転時には、追い乾燥運転における追い乾燥用目標水分値と乾燥運転終了時の水分値の差の分の水分が減少すると追い乾燥運転を停止する制御を行うことを特徴とする請求項3記載の穀物乾燥機。
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