[種籾乾燥設備の全体構成]
図1に基づいて処理設備の一例である種籾乾燥設備Kの全体構成について説明する。図1は、種籾乾燥設備Kの全体平面図である。なお、以下の説明において、主乾燥装置Mの制御盤20側(図1の紙面左側)を前側と表示し、主乾燥装置Mにおける建屋Rの開閉扉Ra側(図1の紙面右側)を後側と表示し、主乾燥装置Mに対する第1従乾燥装置S1側(図1の紙面下側)を左側と表示し、その逆側(図1の紙面上側)を右側と表示する。
図1に示すように、被処理物としての種籾(種籾袋F)を乾燥処理する種籾乾燥設備Kは、重量検出手段としての複数のロードセル3(計測器に相当)を備えて装置の全体重量(種籾の重量)を計測できる単一の主乾燥装置M(主処理装置に相当)と、ロードセル3を備えていない装置の全体重量(種籾の重量)を計測できない複数の従乾燥装置S(従処理装置に相当)とを備えて構成されている。
主乾燥装置Mは、開閉扉Raが備えられた建屋Rへの出入り口の近傍に配設されており、複数の従乾燥装置Sは、主乾燥装置Mの横側に並べて配設されている。なお、以下の説明において、複数の従乾燥装置Sを、主乾燥装置Mに近い側から第1従乾燥装置S1、第2従乾燥装置S2、及び第3従乾燥装置S3と表示する。
主乾燥装置Mの外周部には、通路が形成されており、主乾燥装置Mの外周部を行き来して、主乾燥装置Mへの種籾袋Fの出し入れや、主乾燥装置Mの操作を行うことができるように構成されている。第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の外周部には、通路が形成されており、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の外周部を行き来して、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3への種籾袋Fの出し入れや、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の操作を行うことができるように構成されている。
[主乾燥装置の全体構成]
図2〜図5に基づいて主乾燥装置Mの全体構成について説明する。図2は、部分的に断面で表した主乾燥装置Mの全体側面図であり、図3は、主乾燥装置Mの全体平面図である。図4は、部分的に断面で表した主乾燥装置Mの全体平面図であり、図5は、部分的に断面で表した主乾燥装置Mの全体背面図である。
図2及び図3に示すように、主乾燥装置Mは、主乾燥装置Mの基礎となる支持架台1と、支持架台1の上部に配設された乾燥炉2と、主乾燥装置Mの全体重量を計測する複数のロードセル3と、乾燥炉2に温風を供給する送風機5と、温風を発生させる熱交換器としてのバーナ7とを備えて構成されている。
支持架台1は、板金製で、その上面側にデッキ板1aが固着されている。デッキ板1aの上面側には、板金製の乾燥炉2が固定されている。乾燥炉2は、デッキ板1aに固定される底部2aと、底板2aの外周縁部から角筒状に上方に延出された側壁部2bとを備えて構成されており、乾燥炉2の上部は開放されている。
支持架台1は、建屋Rの床面FLに固定された板金製のフレーム部材15の上側に、複数(この実施形態では4個)のロードセル3を介して載置されている。これにより、ロードセル3によりフレーム部材15に載置された主乾燥装置Mの全体重量を計測できるように構成されている。
ロードセル3は、主乾燥装置Mの四隅部に設けられており、後述するロードセル用コントローラ23を介して制御盤20の制御装置21に接続されている。
乾燥炉2の前側の側壁部2bにおける左右中央部には、四角形状の開口部2cが形成されており、この開口部2cに中継ダクト4が接続されている。
中継ダクト4には、送風機5が接続されている。送風機は、斜流ファン又は軸流ファンで構成されており、ケーシング5aと、ケーシング5aに軸支された回転体(図示せず)と、この回転体に連動連結されたファンモータ5bとを備えて構成されている。これにより、ファンモータ5bを回転駆動させると、後述するバーナ7からの温風が乾燥炉2に供給されるように構成されている。
送風機5には、下部ダクト6を介してバーナ7が接続されている。バーナ7は、ガンタイプバーナで構成されており、灯油を燃焼させることで空気を加熱し、乾燥炉2に温風を供給できるように構成されている。バーナ7は、屋外に配設された燃料タンク(図示せず)に接続されており、この燃料タンクからの灯油がバーナ7に供給されるように構成されている。
バーナ7は、後述するバーナ用コントローラ33に接続されており、バーナ用コントローラ33からの出力により、起動(点火)及び停止できるように制御されている。バーナ7には、温度センサ(図示せず)が装備されており、この温度センサにより検出した加熱後の下流側の循環空気の温度と、後述する上部ダクト8に備えられた温度センサ(図示せず)により検出した加熱前の上流側の循環空気の温度がフィードバック制御されて、乾燥炉2内の温風の温度がバーナ用コントローラ33によって設定した設定温度により維持されるように構成されている。
なお、この実施形態では、熱交換器としてバーナ7を採用した例を示したが、異なる熱交換器を採用してもよく、例えば、電気式の電熱ヒーター等(図示せず)を採用してもよい。
バーナ7の上部には、上部ダクト8が接続されており、この上部ダクト8の上部に、機外に開放した開口部8aが形成されている。上部ダクト8の内部には、ダンパー9が横向きの軸心周りで揺動自在に支持されている。ダンパー9には、上部ダクト8の外側に設けられた操作ハンドル(図示せず)が機械的に連係されている。これにより、ダンパー9が、操縦ハンドルの揺動操作により開口部8aを閉塞して乾燥炉2内での空気を循環させる循環姿勢(図2の実線の姿勢)と、操縦ハンドルの揺動操作により開口部8aを機外に開放して乾燥炉2内の空気を排気する排気姿勢(図2の2点鎖線の姿勢)とに姿勢変更可能に構成されている。
種籾袋Fを乾燥させる場合には、ダンパー8を循環姿勢に姿勢変更して開口部8aを閉塞し、バーナ7からの温風を循環させて、効率よく種籾袋Fを乾燥させることができる。
上部ダクト8には、接続口8bが形成されており、この接続口8bと乾燥炉2の上部縁部とに亘って、可撓式の接続カバー10が接続されている。
接続カバー10は、上部ダクト8側が接続口8bに外嵌固定されており、乾燥炉2側が乾燥炉2の上部縁部に、接続カバー10に付属するベルト10aにより着脱自在に装着されている。
種籾袋Fを乾燥炉2に出し入れする場合には、ベルト10aを緩めて接続カバー10を乾燥炉2の上部縁部から取り外して、乾燥炉2の上部を開放する。一方、種籾袋Fを乾燥する場合には、接続カバー10を乾燥炉2の上部縁部に取り付けてベルト10aを締め、乾燥炉2の上部と上部ダクト8とを接続カバー10により接続する。
乾燥炉2の側壁部2bの上下中央部には、支持部材2dが固定されており、この支持部材2dにより、乾燥炉2の上方から乾燥炉2内に内嵌された被処理物支持部材11が着脱可能に支持されている。なお、複数段(2段以上)の被処理物支持部材11を乾燥炉2に設けて、複数段の被処理物支持部材11のそれぞれに、種籾袋Fを一段ずつ載置するように構成してもよい。
図4及び図5に示すように、被処理物支持部材11は、枠状フレーム11aに、複数の縦フレーム11a及び複数の横フレーム11bを固定して構成されており、その上面側に金網又はパンチングメタル等により構成された網状部材11dが固定されている。被処理物支持部材11の縦フレーム11b及び横フレーム11cは、種籾袋Fの大きさに合わせて配設されている。
乾燥炉2の側壁部2bの内周面には、側壁部2bの内周面の塗装色に対して対照的な目立ち易い色の下側及び上側の目印ライン16が内周面の略全周に亘って塗装されている。なお、目印ライン16を側壁部2bの内周面の一部に部分的に塗装してもよい。
これにより、縦フレーム11b及び横フレーム11cにより囲まれた範囲に、下側の目印ライン16より上側に突出しないように種籾袋Fを投入することで、2段積みのうちの下段の種籾袋Fを被処理物支持部材11の上面側に均等に並べ配設することができる。また、2段積みのうちの下段の種籾袋Fの上に、上側の目印ライン16より上側に突出しないように種籾袋Fを投入することで、2段積みのうちの上段の種籾袋Fを下段の種籾袋Fの上に均等に並べて配設することができる。従って、下側及び上側の目印ライン16、縦フレーム11a、並びに、横フレーム11bが、種籾袋Fの収容状態を人為的に検出する検出手段として機能するように構成されている。
なお、目印ライン16に代えて、目印となるシールやテープ(図示せず)を乾燥炉2の側壁部2bに貼付する構成を採用してもよく、高さを測る目安となる高さゲージ等(図示せず)を乾燥炉2の側壁部2bに取り付ける構成を採用してもよい。また、縦フレーム11b及び横フレーム11cの配置に代えて、被処理物支持部材11に、種籾袋Fの大きさに合わせた目印ライン(図示せず)や目印となるシール等(図示せず)を貼付する構成を採用してもよい。
バーナ7の前側には、開閉式の扉が装備された制御盤20(制御部に相当)が固定されており、この制御盤20に制御装置21等が内装されている。バーナ7の右側部には、開閉式の扉が装備された手動操作盤30(手動操作部に相当)が固定されており、この手動操作盤30にバーナ用コントローラ33等が内装されている。
[従乾燥装置の全体構成]
図1に基づいて第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の全体構成について説明する。図1に示すように、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3は、主乾燥装置Mと同様に、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の基礎となる支持架台1と、支持架台1の上部に配設された乾燥炉2と、乾燥炉2に温風を供給する送風機5と、温風を発生させる熱交換器としてのバーナ7とを備えて構成されている。
支持架台1は、建屋Rの床面FLに固定された板金製のフレーム部材15の上面側に載置されて固定されており、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3には、ロードセル3が装備されていない。
バーナ7の右側部には、主乾燥装置Mの手動操作盤30と同じ取付位置に、開閉式の扉が装備された手動操作盤30(手動操作部に相当)が固定されており、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3には、主乾燥装置Mに装備された制御盤20は装備されていない。手動操作盤30には、主乾燥装置Mの手動操作盤30と同様に、バーナ用コントローラ33等が内装されており、主乾燥装置Mの手動操作盤30と同様の仕様で構成されている。
従って、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3は、制御盤20及びロードセル3を装備していないこと、及び支持架台1のフレーム部材15への取付構造以外の他の仕様は、主乾燥装置Mと同様の仕様で構成されている。これにより、主変速装置Mと、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3との部品の共通化を図ることができ、種籾乾燥設備Kの製造コストを削減できる。
[種籾乾燥設備の制御系のブロック図]
図6及び図7に基づいて種籾乾燥設備Kの制御系のブロック図、及び制御盤20の表示操作部24について説明する。図6は、種籾乾燥設備Kの制御系のブロック図であり、図7は、制御盤20の表示操作部24における表示画面の一部を示す図である。
図6に示すように、主乾燥装置Mに装備された制御盤20には、例えば汎用シーケンサ等により構成された制御装置21(制御手段に相当)が内装されており、この制御装置21には、電源回路22を介して制御用の電源が供給されている。制御盤20には、開閉扉の前面側に装備された表示操作部24が装備されている。表示操作部24は、制御盤20の内部の制御装置21と接続されており、制御装置21からの出力により、表示操作部24の表示画面に、後述するメニュー画面25等を表示し、又は、表示操作部24のタッチパネル操作により、表示画面の切り換え等を行うことができるように構成されている。
図7(a)に示すように、制御装置21を立ち上げると、制御盤20の表示操作部24には、メニュー画面25が表示される。メニュー画面25には、モニタ位置25a、トラブル位置25b、及びメンテ位置25cの3つの操作位置が設けられている。
メニュー画面25のモニタ位置25aを操作すると(指で触れると)、図7(a)に示すメニュー画面25から、図7(b)に示すモニタ画面26に、表示操作部24の表示が切り換わる。なお、メニュー画面25のトラブル位置25bを操作すると(指で触れると)、トラブル確認画面(図示せず)に表示操作部24の表示が切り換わってトラブルの内容が表示され、メニュー画面25のメンテ位置25cを操作すると(指で触れると)、メンテナンス画面(図示せず)に表示操作部24の表示が切り換わって手動操作盤30による運転状況が表示させる。
図7(b)に示すように、モニタ画面26には、起動スイッチ26aが装備されており、この起動スイッチ26aを操作すると(所定時間指で触れると(ON))、後述する自動運転が開始され、起動スイッチ26aの「起動」の点灯表示が、「起動中」の点滅表示に変更される。
モニタ画面26には、中止スイッチ26bが装備されており、起動スイッチ26aの操作により自動運転が開始されると、中止スイッチ26bの「停止中」の点灯表示が「中止」の点灯表示に切り換わり、中止スイッチ26bを操作すると(所定時間指で触れると)、中止スイッチ26bの「中止」の表示が「停止中」の点滅表示に変更されて、主乾燥装置Mの自動運転が停止し、「停止中」の点滅表示が点灯表示に切り換わる。
なお、手動操作部32の操作により主乾燥装置Mの自動運転を一時停止した場合においても、中止スイッチ26bが「停止中」の点滅表示及び点灯表示に切り換わるように構成されている。
モニタ画面26には、経過時間表示器26cが備えられており、この経過時間表示器26cに、主乾燥装置Mが自動運転を開始してからの運転経過時間が表示される。モニタ画面26には、現在水分表示器26dが備えられており、この現在水分表示器26dに、種籾袋Fの乾燥により変更された種籾の水分(水分率)が制御装置21により演算されてパーセント表示される。
モニタ画面26には、メニュースイッチ26eが装備されており、このメニュースイッチ26eを操作する(指で触れる)ことで、表示操作部24の表示がモニタ画面26からメニュー画面25に切り換わる。
モニタ画面26には、設定スイッチ26fが装備されており、この設定スイッチ26fを操作すると(指で触れると)、図7(c)に示す重量設定画面27に、表示操作部24の表示が切り換わる。
図7(c)に示すように、重量設定画面27には、重量表示器27aが装備されており、この重量表示器27aに、制御装置21によって式(3)により演算された種籾の現在重量が所定時間毎に表示される。
重量設定画面27には、ゼロ点調整スイッチ27bが装備されており、このゼロ点調整スイッチ27bを操作すると(所定時間指で触れると)、ロードセル3からの検出結果に基づいて、主乾燥装置Mの全体重量が測定されて、この測定された全体重量がゼロ点として設定される。従って、種籾袋Fを投入していない空の状態でゼロ点調整スイッチ27bを操作してゼロ点調整することで、主乾燥装置Mの空重量をゼロ点として設定することができる。
重量設定画面27には、モニタスイッチ27cが装備されており、このモニタスイッチ27cを操作すると(指で触れると)、表示操作部24の表示が重量設定画面27からモニタ画面26に切り換わる。
重量設定画面27には、確認スイッチ27dが装備されており、この確認スイッチ27dを操作すると(所定時間指で触れると)、図7(d)に示す水分設定画面28に、表示操作部24の表示が切り換わる。
図7(d)に示すように、水分設定画面28には、測定水分表示器28aが装備されており、この測定水分表示器28aに、自動運転の開始前に作業者が水分計(図示せず)で測定し入力した種籾の測定水分(種籾の脱水後の水分率)が表示される。
水分設定画面28には、停止水分表示器28bが装備されており、この停止水分表示器28bに、自動運転の開始前に作業者が入力する種籾の停止水分(乾燥後の種籾の水分率)が表示される。
水分設定画面28には、第1入力キー28cと、第2入力キー28dと、登録スイッチ28eとが装備されている。登録スイッチ28eを操作する(指で触れる)度に、第1及び第2入力キー28c,28dによる測定水分及び停止水分の変更が完了した測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの登録完了状態と、測定水分及び停止水分の変更が可能な測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの入力待ち状態とが反転表示されるようになっており、登録スイッチ28eにより測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの入力待ち状態を現出し、第1及び第2入力キー28c,28dを操作することにより、測定水分及び停止水分を変更できる。
測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの登録完了状態を現出しないと、自動運転を開始できないように構成されており、測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの入力待ち状態では、自動運転が開始できないように構成されている。なお、測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bは、自動運転が終了すると、自動的に入力待ち状態に切り換わるように構成されており、測定水分を入力し、測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの登録完了状態を現出しない限り、自動運転が開始できないように構成されている。これにより、前回の自動運転で入力した測定水分及び停止水分で自動運転が開始されることを防止できる。
水分設定画面28には、確認スイッチ28fが装備されており、この確認スイッチ28fを操作すると(指で触れると)、表示操作部24の表示が水分設定画面28からモニタ画面26に切り換わる。なお、測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの登録完了状態を現出しない限り、モニタ画面26への切り換えができないように構成されている。
図6に示すように、主乾燥装置Mに装備された複数のロードセル3は、ロードセル用コントローラ23を介して制御装置21に接続されている。複数のロードセル3により計測された計測データはードセル用コントローラ23で所定時間(例えば20msec)毎に演算処理されて主乾燥装置Mの全体重量の測定データとして制御装置21に入力され、制御装置21で主乾燥装置Mの全体重量を測定できるように構成されている。これにより、ロードセル3からの検出結果に基づいて制御装置21で主乾燥装置Mの全体重量が測定できるように構成されている。
なお、複数のロードセル3を制御装置21に接続し、制御装置21で主乾燥装置Mの全体重量を演算処理するように構成してもよい。
主乾燥装置Mに装備された手動操作盤30の内部には、リレー回路31が装備されており、このリレー回路31が送風機5のファンモータ5bに接続されている。リレー回路31には、電源回路22とは別の動力用電源が供給されており、制御装置21又は手動操作部32からの出力信号によりリレー回路31を断接することで、動力用電源からの電力をファンモータ5bに供給及び遮断でき、送風機5を回転駆動及び停止できるように構成されている。
手動操作盤30の開閉扉の外面側には、手動操作部32が装備されており(図2参照)、この手動操作部32がリレー回路32、バーナ用コントローラ33、及び制御装置21に接続されている。
図2に示すように、手動操作部32には、その上部に表示部32aが装備されており、その上下中央部に運転ボタン32bが装備されており、その下部に停止ボタン32cが装備されている。主乾燥装置Mを手動で操作する場合において、運転ボタン32bを押し操作(ON)すると、表示部32aが点灯し、停止ボタン32cを押し操作(ON)すると、表示部32aが消灯するように構成されている。
図6に示すように、手動操作盤30の内部には、バーナ用コントローラ33が装備されており、このバーナ用コントローラ33が主乾燥装置Mに装備されたバーナ7に接続されている。バーナ用コントローラ33には、電源回路22とは別の運転用電源が供給されており、制御装置21又は手動操作部32からバーナ用コントローラ33への出力により、バーナ用コントローラ33からバーナ7に出力することで、バーナ7の起動(点火)及び停止ができるように構成されている。
なお、バーナ7及び上部ダクト8に装備された温度センサは、バーナ用コントローラ33に接続されており、温度センサからの検出結果に基づいてバーナ7への出力を変更することで、乾燥炉2内の温風の温度がバーナ用コントローラ33で設定された設定温度に温度管理されるように構成されている。
第1従乾燥装置S1に装備された手動操作盤30は、主乾燥装置Mに装備された手動操作盤30と同様の仕様で構成されており、主乾燥装置Mに装備された手動操作盤30と同様に、ファンモータ5bに接続されたリレー回路31と、手動操作部32と、バーナ7に接続されたバーナ用コントローラ33とを備えて構成されている。
第1従乾燥装置S1のリレー回路31には、独自の動力用電源が供給されており、リレー回路31は、主乾燥装置Mの制御装置21に接続されている。主乾燥装置Mの制御装置21又は第1従乾燥装置S1の手動操作部32からの出力信号によりリレー回路31を断接することで、動力用電源からの電力をファンモータ5bに供給及び遮断でき、第1従乾燥装置S1の送風機5を回転駆動及び停止できるように構成されている。
第1従乾燥装置S1の手動操作部32には、表示部32a、運転ボタン32b、及び停止ボタン32cが装備されており、手動操作部32は、リレー回路31、バーナ用コントローラ33、及び主乾燥装置Mの制御装置21に接続されている。
第1従乾燥装置S1のバーナ用コントローラ33には、独自の運転用電源が供給されており、バーナ用コントローラ33は、主乾燥装置Mの制御装置21に接続されている。主乾燥装置Mの制御装置21又は第1従乾燥装置S1の手動操作部32からバーナ用コントローラ33への出力により、バーナ用コントローラ33からバーナ7に出力することで、第1従乾燥装置S1のバーナ7の起動(点火)及び停止ができるように構成されている。
第2及び第3従乾燥装置S2,S3に装備された手動操作盤30についても、第1従乾燥装置S1に装備された手動操作盤30と同様に構成されている。
[種籾乾燥設備の使用した種籾消毒工程]
図8に基づいて種籾乾燥設備Kを使用した種籾消毒工程について説明する。図8は、種籾消毒工程の流れ図である。
図8に示すように、種籾消毒工程は、種籾の準備から乾燥までの一連の工程(ステップ#01〜#06)を行い、その後、育苗施設45に配送されて、育苗工程(ステップ#08及び#09)が行われるように構成されている。種籾乾燥設備Kは、この種籾消毒工程で使用されるものである。
種籾消毒工程では、例えばフレキシブルコンテナ等(図示せず)に入れて搬送されてきた種籾を、種籾ホッパー40に投入する(ステップ#01)。そして、種籾ホッパー40から計量機41等を用いて、網目状で袋状の種籾用ネットに、例えば5kg単位で種籾を計量しながら袋詰めする(ステップ#02)。
次に、袋詰めした種籾(種籾袋F)を、温湯種子消毒装置42で、所定温度(例えば60度)で所定時間(例えば10分間)温湯殺菌を行い(ステップ#03)、温湯殺菌した種籾袋Fを所定温度(例えば20度)で所定時間(例えば5分間)冷却する(ステップ#04)。
次に、冷却した種籾袋Fを脱水機43により脱水し(ステップ#05)、種籾乾燥設備Kで乾燥させて、種籾の水分率が所定の水分率(例えば15%以下)になるように種籾袋Fのままで乾燥させる(ステップ#06)。
種籾乾燥設備Kで乾燥した種籾袋Fは、トラック等で各地の育苗施設45に配送され、又は、保存庫44で出荷まで保存される(ステップ#07)。
各地の育苗施設45に配送された種籾袋Fは、育苗施設45において種籾用ネットから取り出されて、浸種及び催芽されてから(ステップ#08)、図示しない播種装置等で育苗箱に播種される(ステップ#09)。そして、図示しない育苗装置等で育苗されてから、各農協や農家等に育苗された苗が配送される。
[種籾乾燥設備の制御の内容]
図9〜図14に基づいて種籾乾燥設備Kの制御の内容について説明する。図9は、種籾乾燥設備Kによる乾燥作業の流れ図である。図10は、主乾燥装置Mの制御装置21による制御のフローチャートの前半部分であり、図11は、主乾燥装置Mの制御装置21による制御のフローチャートの後半部分である。図12は、主乾燥装置Mの手動操作盤30(手動操作部32)による制御のフローチャートである。図13は、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の手動操作盤30(手動操作部32)による制御のフローチャートであり、図14は、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の手動操作盤30からの入力による制御装置21での制御のフローチャートである。
図9に示すように、制御盤20の表示操作部24にモニタ画面26を表示し(ステップ#10)、モニタ画面26から重量設定画面27を表示して(ステップ#11)、ゼロ点調整スイッチ27bの操作により、種籾袋Fを投入していない空の状態で、ゼロ点調整スイッチ27bの操作によりゼロ点調整して、主乾燥装置Mの空重量をゼロ点として設定する(ステップ#12)。
次に、脱水機43により脱水された種籾袋Fの一部からサンプルとして種籾を取り出して、水分計(例えば電気抵抗水分計、単粒水分計、赤外線水分計等,図示せず)により、脱水された種籾の水分(水分率)を測定する(ステップ#13)。
次に、制御盤20の表示操作部24に水分設定画面28を表示し(ステップ#14)、第1及び第2入力キー28c,28dの操作により、水分計で測定した測定水分(例えば、20%,22%)と、種籾の乾燥を停止させる停止水分(例えば、15%,17%)とを入力し、測定水分表示器28a及び停止水分表示器28bの登録完了状態を現出する(ステップ#15)。
次に、ベルト10aを緩めて接続カバー10を乾燥炉2の上部縁部から取り外して、乾燥炉2の上部を開放し、脱水機43により脱水された種籾袋Fを乾燥炉2に投入する。そして、種籾袋Fの投入が完了すると、接続カバー10を乾燥炉2の上部縁部に取り付けてベルト10aを締め、乾燥炉2の上部と上部ダクト8とを接続カバー10により接続する(ステップ#16)。
なお、水分計による種籾の水分の測定に時間が掛かる場合等には、種籾の水分の測定と並行して、種籾袋Fを乾燥炉2に投入してもよい。
ステップ#10〜#15により、自動運転前の準備作業が完了し、図10〜図12に示すフローチャートにしたがって、主乾燥装置Mを自動運転させる(ステップ#17)。自動運転の終了により主乾燥装置Mが自動的に停止すると、ベルト10aを緩めて接続カバー10を乾燥炉2上部の縁部から取り外して、乾燥炉2の上部を開放し、乾燥した種籾袋Fを乾燥炉2から取り出す(ステップ#18)。
なお、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3では、主乾燥装置Mにおける準備作業の一部(ステップ#10〜#15)は不要で、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の準備作業としては、主乾燥装置Mにおけるステップ#16に相当する準備作業を行えばよい。そして、図13及び図14に示すフローチャートにしたがって、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3を自動運転させて(ステップ#17に相当)、乾燥した種籾袋Fを乾燥炉2から取り出せばよい(ステップ#18に相当)。
また、一日に複数回に亘って種籾乾燥設備Kを運転する場合等には、主乾燥装置Mにおける準備作業(ステップ#10〜#15)のうちのゼロ点調整(ステップ#10〜#12)は省略してもよい。
まず、図10〜図12に基づいて主乾燥装置Mの制御の内容について説明する。図10に示すように、主乾燥装置Mにおける準備作業を完了させて、モニタ画面26の起動スイッチ26aを操作(ON)すると(ステップ#20・YES)、ロードセル3からの検出結果に基づいて主乾燥装置Mの全体重量が測定される(ステップ#21)。
次に、測定された主乾燥装置Mの全体重量、ゼロ点調整した主乾燥装置Mの空重量、及び予め入力された種籾用ネットの重量に基づいて、主乾燥装置Mにより乾燥する種籾の初期重量を制御装置21で演算する(ステップ#22)。具体的には、例えば、下記の式(1)により演算する。
式(1) (種籾の初期重量)=(主乾燥装置Mの全体重量)−(主乾燥装置Mの空重量)−(投入した種籾袋Fの数量×種籾用ネットの重量)
ここで、種籾袋Fの数量は予め設定されて制御装置21に入力されており、乾燥炉21への種籾袋Fの投入の際に、作業者が種籾袋Fの数量を確認するように構成されている。
次に、準備作業(ステップ#15)により入力された測定水分及び停止水分に基づいて、主乾燥装置Mによる乾燥後の種籾の乾燥重量(目標乾燥重量)を制御装置21で演算する。具体的には、例えば、下記の式(2)により演算する。
式(2) (種籾の乾燥重量)=(種籾の初期重量)−(測定水分−停止水分)×(種籾の初期重量)
次に、制御装置21から手動操作盤30のリレー回路31及びバーナ用コントローラ33に運転開始指令が出力されて(ステップ#24)、主乾燥装置Mの乾燥時間の測定(タイマーのカウント)を開始する(ステップ#25)。
図12に示すように、手動操作盤30のリレー回路31及びバーナ用コントローラ33に制御装置21からの運転開始指令が入力されると(ステップ#40・YES)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が起動(点火)されると共に(ステップ#41)、リレー回路31からの出力によりファンモータ5bに電力が供給されて送風機5が回転駆動する(ステップ#42)。これにより、乾燥炉2に温風が供給され始めて、主乾燥装置Mの自動運転が開始する。
ここで、主乾燥装置Mの自動運転中に、手動操作部32の停止ボタン32cを押し操作(ON)すると(ステップ#43・YES)、手動操作部32からバーナ用コントローラ33にバーナ停止指令が出力されて(ステップ#44)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が停止すると共に、手動操作部32からリレー回路31にファン停止指令が出力されて(ステップ#45)、リレー回路31によりファンモータ5bへの電力の供給が遮断されて送風機5が停止する。これにより、乾燥炉2へ温風が供給されなくなって、主乾燥装置Mの自動運転が一時停止する。
また、主乾燥装置Mの自動運転が一時停止した状態から、手動操作部32の運転ボタン32bを押し操作(ON)すると(ステップ#47・YES)、手動操作部32からバーナ用コントローラ33にバーナ作動指令が出力されて(ステップ#48)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が起動(点火)されると共に、手動操作部32からリレー回路31にファン回転指令が出力されて(ステップ#49)、リレー回路31からの出力によりファンモータ5bに電力が供給されて送風機5が回転駆動する。これにより、乾燥炉2への温風の供給が再開されて、主乾燥装置Mの自動運転が再開する。
主乾燥装置Mの自動運転中に、手動操作部32の停止ボタン32cを押し操作(ON)すると(ステップ#43・YES)、手動操作部32から制御盤20の制御装置21に一時停止信号が出力され(ステップ#46)、主乾燥装置Mの自動運転が一時停止した状態から、手動操作部32の運転ボタン32bを押し操作(ON)すると(ステップ#47・YES)、手動操作部32から制御盤20の制御装置21に運転再開信号が出力される(ステップ#50)。
図10に示すように、手動操作部32からの一時停止信号(ステップ#46)が制御装置21に入力されると(ステップ#26・YES)、ステップ#25により開始した乾燥時間の測定(タイマーのカウント)を中断する(ステップ#27)。そして、手動操作部32からの運転再開信号(ステップ#50)が制御装置21に入力されると(ステップ#28・YES)、ステップ#27により中断した乾燥時間の測定(タイマーのカウント)を再開する(ステップ#29)。
図11に示すように、自動運転の開始(ステップ#24)から所定時間(例えば5秒)経過したか否か判断され(ステップ#30)、所定時間経過したと判断されると(ステップ#30・YES)、ロードセル3からの検出結果に基づいて測定された主乾燥装置Mの現在重量から、種籾の現在重量を制御装置21で演算する(ステップ#31)。具体的には、例えば、下記の式(3)により演算する。
式(3) (種籾の現在重量)=(主乾燥装置Mの現在重量)−(主乾燥装置Mの空重量)−(投入した種籾袋Fの数量×種籾用ネットの重量)
そして、種籾の現在重量が式(1)により予め演算された乾燥重量以下になったか否か判断される(ステップ#32)。種籾の現在重量が乾燥重量以下でないと判断されると(ステップ#32・NO)、前回の種籾の現在重量の演算から所定時間経過したか否か判断され(ステップ#30)、所定時間経過したと判断されると(ステップ#30・YES)、再び種籾の現在重量を制御装置21で演算し(ステップ#31)、種籾の現在重量が乾燥重量未満になったか否か判断される(ステップ#32)。すなわち、自動運転の開始から所定時間(例えば5秒)毎に、種籾の現在重量が乾燥重量以下になったか否か判断される。
なお、主乾燥装置Mの自動運転を一時停止した場合には、主乾燥装置Mの自動運転を再開した時点から所定時間のカウントが開始されて、種籾の現在重量が演算されるように構成されている。
種籾の現在重量の演算を繰り返して(ステップ#32・NO,ステップ#30・YES,ステップ#31)、種籾の現在重量が乾燥重量以下になったと判断されると(ステップ#32・YES)、ステップ#25により開始した乾燥時間の測定(タイマーのカウント)を終了し(ステップ#33)、種籾の初期重量が乾燥重量になるまでの主乾燥装置Mの乾燥時間が制御装置21で算出されて、制御装置21に記憶される(ステップ#34)。
なお、主乾燥装置Mの乾燥時間が算出されるまでの間は、所定時間(例えば20msec)毎に、主乾燥装置Mが自動運転を開始してからの運転経過時間が制御装置21で算出されて、制御装置21に記憶されるように構成されている。
そして、制御装置21から手動操作盤30のリレー回路31及びバーナ用コントローラ33に運転停止指令が出力される(ステップ#35)。
図12に示すように、手動操作盤30のリレー回路31及びバーナ用コントローラ33に制御装置21からの運転停止指令が入力されると(ステップ#51・YES)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が停止すると共に(ステップ#52)、リレー回路31によりファンモータ5bへの電力の供給が遮断されて送風機5が停止する(ステップ#53)。これにより、乾燥炉2へ温風が供給されなくなって、主乾燥装置Mが自動的に停止(自動停止)し、主乾燥装置Mの自動運転が終了する。
次に、図13及び図14に基づいて第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の制御の内容について説明する。なお、図13及び図14の説明においては、第1従乾燥装置S1を例にとって説明するが、第2及び第3従乾燥装置S2,S3についても同様である。
図13に示すように、第1従乾燥装置S1における準備作業を完了させて、第1従乾燥装置S1に装備された手動操作部32の運転ボタン32bを押し操作(ON)すると(ステップ#60・YES)、手動操作部32からバーナ用コントローラ33にバーナ作動指令が出力されて(ステップ#61)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が起動(点火)されると共に、手動操作部32からリレー回路31にファン回転指令が出力されて(ステップ#62)、リレー回路31からの出力によりファンモータ5bに電力が供給されて送風機5が回転駆動する。これにより、乾燥炉2への温風の供給が開始されて、第1従乾燥装置S1の自動運転が開始する。
この場合、第1従乾燥装置S1の自動運転が開始すると、第1従乾燥装置S1の手動操作部32から主乾燥装置Mの制御装置21に運転開始信号が出力される(ステップ#63)。
ここで、第1従乾燥装置S1の自動運転中に、手動操作部32の停止ボタン32cを押し操作(ON)すると(ステップ#64・YES)、手動操作部32からバーナ用コントローラ33にバーナ停止指令が出力されて(ステップ#65)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が停止すると共に、手動操作部32からリレー回路31にファン停止指令が出力されて(ステップ#66)、リレー回路31によりファンモータ5bへの電力の供給が遮断されて送風機5が停止する。これにより、乾燥炉2へ温風が供給されなくなって、第1従乾燥装置S1の自動運転が一時停止する。
また、第1従乾燥装置S1の自動運転が一時停止した状態から、手動操作部32の運転ボタン32bを押し操作(ON)すると(ステップ#68・YES)、手動操作部32からバーナ用コントローラ33にバーナ作動指令が出力されて(ステップ#69)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が起動(点火)されると共に、手動操作部32からリレー回路31にファン回転指令が出力されて(ステップ#70)、リレー回路31からの出力によりファンモータ5bに電力が供給されて送風機5が回転駆動する。これにより、乾燥炉2への温風の供給が再開されて、第1従乾燥装置S1の自動運転が再開する。
第1従乾燥装置S1の自動運転中に、手動操作部32の停止ボタン32cを押し操作(ON)すると(ステップ#64・YES)、手動操作部32から制御盤20の制御装置21に一時停止信号が出力され(ステップ#67)、第1従乾燥装置S1の自動運転が一時停止した状態から、手動操作部32の運転ボタン32bを押し操作(ON)すると(ステップ#68・YES)、手動操作部32から制御盤20の制御装置21に運転再開信号が出力される(ステップ#71)。
図14に示すように、第1従乾燥装置S1の手動操作部32からの運転開始信号(ステップ#63)が制御装置21に入力されると(ステップ#80・YES)、第1従乾燥装置S1の運転時間の測定(タイマーのカウント)を開始する(ステップ#81)。
この場合、主乾燥装置Mにおける乾燥時間の測定(タイマーのカウント,ステップ#25)とは別に、第1従乾燥装置S1における運転時間の測定(タイマーのカウント,ステップ#81)が行われるように制御装置21が構成されており、主乾燥装置Mにおける乾燥時間の測定が開始された後であれば、第1従乾燥装置S1の自動運転の開始することができ、第1従乾燥装置S1の運転時間の測定を開始できるように制御装置21が構成されている。
これにより、主乾燥装置Mの自動運転が終了するまで待たなくても、主処理装置Mが自動運転を開始してから主処理装置Mが自動運転を停止するまでの間に、第1従処理装置S1の自動運転を開始できるように、制御装置21が構成されている。
第1従乾燥装置S1の手動操作部32からの一時停止信号(ステップ#67)が制御装置21に入力されると(ステップ#82・YES)、ステップ#81により開始した運転時間の測定(タイマーのカウント)を中断する(ステップ#83)。そして、第1従乾燥装置S1の手動操作部32からの運転再開信号(ステップ#71)が制御装置21に入力されると(ステップ#84・YES)、ステップ#83により中断した運転時間の測定(タイマーのカウント)を再開する(ステップ#85)。
そして、第1従乾燥装置S1の運転時間が、ステップ#34により算出されて記憶された乾燥時間に達したか否か判断され(ステップ#86)、第1従乾燥装置S1の運転時間が乾燥時間に達したと判断されると(ステップ#86・YES)、制御装置21から第1従乾燥装置S1の手動操作部32のリレー回路31及びバーナ用コントローラ33に運転停止指令が出力される(ステップ#87)。
なお、主乾燥装置Mの乾燥時間が算出されていない間は、第1従乾燥装置S1の運転時間が、更新される制御装置21に記憶された運転経過時間に達したか否か判断され、主乾燥装置Mの乾燥時間が算出された後は、第1従乾燥装置S1の運転時間が制御装置21に記憶された乾燥時間に達したか否か判断されるように構成されている。従って、主乾燥装置Mの自動運転の開始に遅れて第1従乾燥装置S1の自動運転を開始すると、手動操作盤30の操作により主乾燥装置Mを手動で長時間一時停止した場合を除き、第1従乾燥装置S1の運転時間が主乾燥装置Mの運転経過時間に達することはないので、第1従乾燥装置S1の運転時間が乾燥時間に達した場合にのみ原則として運転停止指令が出力される。
図13に示すように、手動操作盤30のリレー回路31及びバーナ用コントローラ33に制御装置21からの運転停止指令が入力されると(ステップ#72・YES)、バーナ用コントローラ33からバーナ7への出力によりバーナ7が停止すると共に(ステップ#73)、リレー回路31によりファンモータ5bへの電力の供給が遮断されて送風機5が停止する(ステップ#74)。これにより、乾燥炉2へ温風が供給されなくなって、第1従乾燥装置S1が自動的に停止し、第1従乾燥装置S1の自動運転が終了する。
第2及び第3従乾燥装置S2,S3の手動操作盤30においても、上述した第1従乾燥装置S1の場合と同様に、図13の制御が実施されるように構成されており、第2及び第3従乾燥装置S2,S3の手動操作盤30(手動操作部32)から制御装置21への出力により、上述した第1従乾燥装置S1の場合と同様に、図14の制御が制御装置21で実施されるように構成されている。
上記のように、主乾燥装置Mの制御盤20と、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の手動操作盤30との間で運転情報の送受信を行って、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3を自動運転するように制御されている。
[種籾乾燥設備の運転状況]
図15に基づいて種籾乾燥設備Kの運転状況の一例について説明する。図15は、種籾乾燥設備Kの運転状況の一例を説明するタイムチャートの一部である。
図15に示すように、主乾燥装置Mの準備作業を開始してから(図15のt1)、乾燥炉2に種籾袋Fを投入し主乾燥装置Mの準備作業を完了させて、モニタ画面26の起動スイッチ26aを操作(ON)すると、主乾燥装置Mの自動運転が開始する(図15の「起動」)。そして、種籾の現在重量が乾燥重量以下になって種籾が予め設定した停止水分にまで乾燥すると、主乾燥装置Mが自動的に停止し、主乾燥装置Mの自動運転が終了する(図15の「自動停止」)。主乾燥装置Mの自動運転が終了すると、乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fを取り出す。
主乾燥装置Mの準備作業が完了して、主乾燥装置Mの自動運転を開始させてから、第1従乾燥装置S1の準備作業を開始する(図15のt2)。そして、第1従乾燥装置S1の準備作業を完了させて、第1従乾燥装置S1の手動操作部32の運転ボタン32bを押し操作(ON)すると、第1従乾燥装置S1が自動運転を開始する(図15の「運転開始」)。そして、第1従乾燥装置S1の運転時間が乾燥時間に達して種籾が乾燥すると、第1従乾燥装置S1が自動的に停止し、第1従乾燥装置S1の自動運転が終了する(図15の「自動停止」)。第1従乾燥装置S1の自動運転が終了すると、乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fを取り出す。
第1従乾燥装置S1の準備作業が完了して、第1従乾燥装置S1の自動運転を開始させてから、第2重乾燥装置S2の準備作業(種籾袋Fの投入)を開始する(図15のt3)。そして、第2従乾燥装置S2の準備作業を完了させて、第1従乾燥装置S1の場合と同様に、第2従乾燥装置S2を自動運転し、自動運転が終了すると、乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fを取り出す。
第2従乾燥装置S2の準備作業が完了して、第2従乾燥装置S2の自動運転を開始させてから、第3重乾燥装置S3の準備作業(種籾袋Fの投入)を開始する(図15のt4)。そして、第3従乾燥装置S3の準備作業を完了させて、第2従乾燥装置S2の場合と同様に、第3従乾燥装置S3を自動運転し、自動運転が終了すると、乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fを取り出す。
これにより、主乾燥装置M、及び第1〜第3従乾燥装置S1〜S3を並行して自動運転させることができ、主乾燥装置Mの準備作業を開始してから、第3従乾燥装置S3の乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fの取り出しを完了するまでの運転サイクルを短縮させることができ、短い運転サイクルで種籾乾燥設備Kを効率よく稼動させることができる。
ここで、連続的に種籾乾燥設備Kを稼動させる場合には、第3従乾燥装置S3の乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fを取り出した後に、再び主乾燥装置Mの準備作業を開始し(図15のt5)、主乾燥装置Mを自動運転させると共に、上記と同様に第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の準備作業(図15のt6,t7,t8)及び自動運転を順次行う。
なお、図15においては、主乾燥装置Mの自動運転を開始してから第1従乾燥装置S1の準備作業を開始した例を示したが、例えば準備作業を行う人員が多く確保できる場合には、主乾燥装置Mの準備作業と、第1従乾燥装置S1の準備作業とを並行して行うことにより、主乾燥装置Mが自動運転を開始してから第1従乾燥装置S1の自動運転を開始するまでの時間を短縮することができる。なお、第2及び第3従乾燥装置S2,S3の準備作業においても同様である。これにより、種籾乾燥設備Kの運転サイクルを更に短縮させることができる。
また、図15においては、第3従乾燥装置S3の乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fを取り出した後に、主乾燥装置Mの準備作業を開始した例を示したが、例えば準備作業を行う人員が多く確保できる場合には、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3からの乾燥した種籾袋Fの取り出しと並行して主乾燥装置Mの準備作業を開始することにより、主乾燥装置Mの乾燥炉2から乾燥した種籾袋Fを取り出してから主乾燥装置Mの準備作業を開始するまでの時間を短縮することができる。なお、第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の準備作業においても同様である。これにより、種籾乾燥設備Kの稼動時間を更に短縮させることができる。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、下側及び上側の目印ライン16、縦フレーム11a、並びに、横フレーム11bが、種籾袋Fの収容状態を人為的に検出する検出手段として機能するように構成した例を示したが、種籾袋Fの収容状態を人為的又は自動的(電気的)に検出する検出手段として異なる構成を採用してもよい。以下、図16に基づいて、その一例を説明する。図16は、この別実施形態での乾燥炉2の断面図である。
図16(a)に示すように、被処理物支持部材11の縦フレーム11a又は横フレーム11bに縦平板状の仕切り板17を固定し、この仕切り板17で仕切られた部分に種籾袋Fを投入するように構成して、種籾袋Fの収容状態を人為的に検出する検出手段を構成してもよい。
図16(b)に示すように、乾燥炉2の側壁部2bの対向する位置に複数の位置検出センサ18(例えば、投光用赤外線センサ及び受光用赤外線センサ)を装備し、この複数の位置検出センサ18を制御装置21に接続する。そして、位置検出センサ18からの検出結果に基づいて、制御装置21において種籾袋Fが所定高さ以上に積み上げられた状態であると判断されると、主乾燥装置M及び第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の自動運転を開始できないように制御装置21を構成して、種籾袋Fの収容状態を自動的(電気的)に検出するように検出手段を構成してもよい。この場合、表示操作部24、手動操作部32、又は専用の表示警告部(図示せず)で、種籾袋Fの収容状態の異常を視覚的又は聴覚的に警告表示するように構成してもよい。
図示しないが、種籾袋Fの数量を手動で数えるカウンター(図示せず)を乾燥炉2の近くに配設して、このカウンターで乾燥炉2に投入する種籾袋Fの数を作業者が数えることで、種籾袋Fの収容状態を人為的に検出する検出手段を構成してもよい。
図示しないが、種籾袋Fの数量を数える電気式カウンター(図示せず)を乾燥炉2の近くに装備し、この電気式カウンターを制御装置21に接続する。そして、電気式カウンターを介して作業者が種籾袋Fを乾燥炉2に投入するように構成し、電気式カウンターからの検出結果に基づいて、制御装置21において乾燥炉2に投入された種籾袋Fが所定数量でないと判断されると、主乾燥装置M及び第1〜第3従乾燥装置S1〜S3の自動運転を開始できないように制御装置21を構成して、種籾袋Fの収容状態を自動的(電気的)に検出するように検出手段を構成してもよい。この場合、表示操作部24、手動操作部32、又は専用の表示警告部(図示せず)で、種籾袋Fの収容状態の異常を視覚的又は聴覚的に警告表示するように構成してもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、及び[発明の実施の第1別形態]においては、1台の主乾燥装置Mに対して3台の従乾燥装置Sを備えて種籾乾燥設備Kを構成した例を示したが、1台の主乾燥装置Mに対して異なる台数の従乾燥装置Sを備えて種籾乾燥設備Kを構成してもよく、例えば1台の主乾燥装置Mに対して1台又は2台の従乾燥装置Sを備えて種籾乾燥設備Kを構成してもよく、例えば1台の主乾燥装置Mに対して4台以上の従乾燥装置Sを備えて種籾乾燥設備Kを構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、及び[発明の実施の第1別形態]においては、制御盤20を主乾燥装置Mに装備した例を示したが、制御盤20を異なる位置に装備する構成を採用してもよい。具体的には、建屋Rの床面FLから制御盤20を立設する構成を採用してもよく、建屋Rの壁部に制御盤20を装備する構成を採用してもよい。また、従乾燥装置Sに制御盤20を装備する構成を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、及び[発明の実施の第1別形態]においては、種籾を袋詰めした種籾袋Fを種籾乾燥設備Kで乾燥処理するように構成した例を示したが、被処理物の乾燥形態として異なる乾燥形態を採用してもよい。具体的には、例えば袋詰めしていない状態での種籾を、目の細かい網目状の網状部材11dを備えた被処理物支持部材11の上に載せて乾燥処理するように構成してもよく、例えば種籾を入れた網目状の容器を被処理物支持部材11の上に載せて乾燥処理するように構成してもよい。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、被処理物として種籾(種籾袋F)を例に示したが、異なる被処理物である場合においても同様に適用できる。具体的には、例えば、被処理物が、麦、あわ等の異なる穀物類であっても同様に適用でき、例えば、被処理物が、野菜、きのこ、果物、海産物等の異なる食物であっても同様に適用でき、例えば、被処理物が、葉タバコ、生ゴミ等であっても同様に適用できる。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、計測器としてロードセル3を備えた例を示したが、異なる計測器である場合においても同様に適用できる。具体的には、例えば計測器が、温度計、湿度計、水分計、粘度計等であっても同様に適用でき、種類の異なる複数の計測器の組み合わせてもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、ロードセル3からの検出結果に基づいて自動的に主乾燥装置Mの全体重量を計測するように構成した例を示したが、計測器からの検出結果に基づいて手動で主処理装置における被処理物の状態を計測するように構成してもよい。具体的には、例えば、主処理装置に装備した計測器(例えば、ロードセル,水分計等)で、手動で作業者が主処理装置における被処理物の状態(例えば乾燥状態)を計測しながらモニター機として運転させ、従処理装置を主処理装置と同じ条件で自動運転するように、制御装置21を構成してもよい。
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]、及び[発明の実施の第3別形態]においては、処理設備の一例として被処理物を乾燥処理する乾燥設備を例に示したが、異なる処理設備においても同様に適用できる。具体的には、例えば、処理設備が、被処理物を攪拌処理する攪拌設備、被処理物を成形処理する成形設備、被処理物を冷却処理する冷却設備、被処理物を加熱処理する加熱設備、又は、被処理物を発酵処理する発酵設備等である場合においても同様に適用できる。