以下、添付図面を参照して、本願の開示する補助露光装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[基板処理システムの構成]
図1に示す基板処理システム100は、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)用のガラス基板Gを被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィ工程中の洗浄、レジスト塗布、プリベイク、現像およびポストベイク等の一連の処理を行う。露光処理は、基板処理システム100に隣接して設置される外部の露光装置20(EXP)で行われる。
基板処理システム100は、カセットステーション1と、搬入部2(IN PASS)と、洗浄装置3(SCR)と、第1乾燥部4(DR)と、第1冷却部5(COL)と、塗布装置6(COT)と、第2乾燥部7(DR)と、プリベイク部8(PRE BAKE)と、第2冷却部9(COL)と、インタフェースステーション10とを備える。また、基板処理システム100は、補助露光装置11(AE)と、現像装置12(DEV)と、ポストベイク部13(POST BAKE)と、第3冷却部14(COL)と、検査部15(IP)と、搬出部16(OUT PASS)と、制御部17とを備える。
カセットステーション1とインタフェースステーション10との間には、ガラス基板Gをカセットステーション1からインタフェースステーション10へ搬送する搬送往路が設けられており、かかる搬送往路上に、搬入部2、洗浄装置3、第1乾燥部4、第1冷却部5、塗布装置6、第2乾燥部7、プリベイク部8および第2冷却部9が、カセットステーション1からインタフェースステーション10に向かってこの順番で設けられる。
また、カセットステーション1とインタフェースステーション10との間には、ガラス基板Gをインタフェースステーション10からカセットステーション1へ搬送するための搬送復路が設けられており、かかる搬送復路上に、補助露光装置11、現像装置12、ポストベイク部13、第3冷却部14、検査部15および搬出部16が、インタフェースステーション10からカセットステーション1に向かってこの順番で配置されている。なお、搬送往路および搬送復路は、たとえばロコ搬送路等により構成される。
カセットステーション1は、ガラス基板Gを多段に積み重ねるようにして複数枚収容したカセットCを搬入出するポートである。カセットステーション1は、水平な一方向(Y軸方向)にたとえば4個並べて載置可能なカセットステージ1aと、カセットステージ1a上のカセットCに対してガラス基板Gの出し入れを行う搬送装置1bとを備える。搬送装置1bは、ガラス基板Gを保持する搬送アームを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、隣接するカセットステージ1a、搬入部2および搬出部16との間でガラス基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
インタフェースステーション10は、搬送装置10aを備える。搬送装置10aは、ガラス基板Gを保持する搬送アームを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、隣接する第2冷却部9、補助露光装置11および露光装置20との間でガラス基板Gの受け渡しを行えるようになっている。なお、インタフェースステーション10には、搬送装置10aの他に、たとえば、周辺露光装置やタイトラー等の装置が配置されていてもよい。周辺露光装置は、ガラス基板Gの周辺部に付着するレジストを現像時に除去するための露光処理を行う。タイトラーは、ガラス基板G上の所定の部位に所定の情報を記録する。
制御部17は、たとえばCPU(Central Processing Unit)であり、図示しない記憶部に記憶された図示しないプログラムを読み出して実行することにより、基板処理システム100全体を制御する。制御部17は、プログラムを用いずにハードウェアのみで構成されてもよい。
図2は、基板処理システム100における1枚のガラス基板Gに対する全工程の処理手順を示すフローチャートである。先ず、カセットステーション1において、搬送装置1bが、カセットステージ1a上のいずれか1つのカセットCからガラス基板Gを取り出し、取り出したガラス基板Gを搬入部2へ搬入する(ステップS101)。
搬入部2に搬入されたガラス基板Gは、搬送往路上を搬送されて洗浄装置3に搬入されて洗浄処理が施される(ステップS102)。ここで、洗浄装置3は、搬送往路上を水平に移動するガラス基板Gに対して、ブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すことにより基板表面から粒子状の汚れを除去し、その後にリンス処理を施す。洗浄装置3における一連の洗浄処理を終えると、ガラス基板Gは第1乾燥部4に搬入される。
つづいて、ガラス基板Gは、第1乾燥部4において所定の乾燥処理を施された後(ステップS103)、第1冷却部5に搬入されて所定の温度まで冷却される(ステップS104)。その後、ガラス基板Gは、塗布装置6に搬入される。
塗布装置6において、ガラス基板Gは、たとえばスリットノズルを用いたスピンレス法により基板上面(被処理面)にレジスト液が塗布される(ステップS105)。その後、ガラス基板Gは、第2乾燥部7に搬入され、たとえば減圧による常温の乾燥処理を受ける(ステップS106)。
第2乾燥部7から搬出されたガラス基板Gは、プリベイク部8に搬入され、プリベイク部8において所定の温度で加熱される(ステップS107)。この処理により、ガラス基板G上のレジスト膜中に残留していた溶剤が蒸発して除去され、ガラス基板Gに対するレジスト膜の密着性が強化される。
つづいて、ガラス基板Gは、第2冷却部9に搬入され、第2冷却部9において所定の温度まで冷却される(ステップS108)。その後、ガラス基板Gは、インタフェースステーション10の搬送装置10aによって露光装置20に搬入される。なお、ガラス基板Gは、露光装置20に搬入される前に図示しない周辺露光装置に搬入されてもよい。
露光装置20では、ガラス基板G上のレジストに所定の回路パターンが露光される(ステップS109)。そして、パターン露光を終えたガラス基板Gは、インタフェースステーション10の搬送装置10aによって露光装置20から搬出されて補助露光装置11へ搬入される。なお、ガラス基板Gは、補助露光装置11に搬入される前に図示しないタイトラーに搬入されてもよい。
補助露光装置11では、露光処理後のガラス基板Gに対し、現像処理後に得られるレジストパターンの膜厚や線幅の均一性を向上させるための後述するような特殊な補助露光処理が行われる(ステップS110)。補助露光処理を終えたガラス基板Gは、現像装置12に搬入され、現像装置12において現像、リンスおよび乾燥の一連の現像処理が施される(ステップS111)。
現像処理を終えたガラス基板Gは、ポストベイク部13に搬入され、ポストベイク部13において現像処理後の熱処理が施される(ステップS112)。これにより、ガラス基板Gのレジスト膜に残存していた現像液や洗浄液が蒸発して除去され、基板に対するレジストパターンの密着性が強化される。その後、ガラス基板Gは、第3冷却部14に搬入され、第3冷却部14において所定の温度まで冷却される(ステップS113)。
つづいて、ガラス基板Gは、検査部15に搬入される。検査部15では、ガラス基板G上のレジストパターンについて非接触の線幅検査や膜質・膜厚検査等が行われる(ステップS114)。検査部15における検査結果は、制御部17に出力され、制御部17によって図示しない記憶部に記憶される。
搬出部16は、検査を終えたガラス基板Gを検査部15から受け取って、カセットステーション1の搬送装置1bへ渡す。搬送装置1bは、搬出部16から受け取った処理済みのガラス基板GをカセットCに収容する(ステップS115)。以上により、1枚のガラス基板Gに対する基板処理の全工程が終了する。
補助露光装置11は、露光処理後のガラス基板Gに対し、膜厚や線幅が所望の膜厚や線幅からずれている部位への局所的な露光処理を行うことにより、現像処理後に得られるレジストパターンの膜厚や線幅の均一性を向上させる。かかる補助露光装置11の動作は、制御部17によって制御される。
制御部17は、検査部15から取得した検査結果に基づいて補助露光装置11の動作を制御する。ここで、検査部15の検査結果から補助露光装置11の制御データを生成する方法の一例について図3A〜図3Dを参照して説明する。
図3Aは、実施形態においてガラス基板G上の製品領域をマトリクス状に区画するフォーマットを示す図である。図3Bは、ガラス基板G上のマトリクス区画の各単位領域毎にレジストパターンの膜厚や線幅の測定値を演算してマッピングする仕組みを示す図である。図3Cは、ガラス基板G上のマトリクス区画の各単位領域毎に補正露光量を演算してマッピングする仕組みを示す図である。図3Dは、ガラス基板G上のマトリクス区画の各単位領域毎に照度の目標値を演算してマッピングする仕組みを示す図である。
検査部15は、ポストベイク後のガラス基板G上に得られたレジストパターンの膜厚や線幅をたとえばガラス基板G上の幾つか(たとえば数十箇所)の代表点で測定する。また、制御部17は、レジストパターンの膜厚や線幅について、検査部15によって取得されたガラス基板G上の代表点における測定値を基に、所定の補間処理によってガラス基板G上の他の位置または領域における測定値(正確には推測値)を演算する。
たとえば、制御部17は、図3Aに示すようにガラス基板G上の製品領域PAをマトリクス状に区画し、マトリクス区画の各単位領域(i,j)毎にレジストパターンの膜厚や線幅の測定値(または補間処理で得られた推定値)Ai,jを演算して、メモリ内に構築されるテーブル上で図3Bに示すようにマッピングする。なお、図面では、理解を容易にするために、マトリクス区画を9列(j=1〜9)で示している。実際は、マトリクス区画の行数および列数のいずれも、少なくとも数十以上あり、FPD用の大型基板では百以上ある。
つづいて、制御部17は、ガラス基板G上のマトリクス区画の各単位領域(i,j)毎に補正露光量Bi,jを演算して、たとえばメモリ内に構築されるテーブル上で図3Cに示すようにマッピングする。ここで、補正露光量Bi,jは、各単位領域(i,j)内のレジストパターンの膜厚や線幅について測定値と設定値との差分(誤差)を零に近づけるための露光量である。
つづいて、制御部17は、ガラス基板G上のマトリクス区画の各単位領域(i,j)毎に照度の目標値Ci,jを演算して、たとえばメモリ内に構築されるテーブル上で図3Dに示すようにマッピングする。ここで、補助露光装置11においてマトリクス区画の各単位領域(i,j)当たりの紫外線照射時間をtSとすると、Ci,j=Bi,j/tSである。
[補助露光装置の構成]
次に、実施形態に係る補助露光装置11の構成について図4および図5を参照して説明する。図4は、実施形態に係る補助露光装置11の構成を示す図である。また、図5は、光源ユニット32から照射される紫外線の照射領域を示す図である。
図4に示すように、補助露光装置11は、ガラス基板Gを走査方向(X軸負方向)に搬送する平流し搬送部30と、この平流し搬送部30によって搬送されるガラス基板G上のレジストに光、具体的には所定波長の紫外線(UV)を照射する光源ユニット32とを備える。また、補助露光装置11は、光源ユニット32によって照射される光の照度を測定する照度測定部38と、装置内の各部を制御するための制御部17と、制御部17で用いる各種プログラムおよびデータを蓄積または保存するメモリ42とを備える。
平流し搬送部30は、たとえば多数のコロ44を搬送方向に敷設してなるコロ搬送路46と、このコロ搬送路46上でガラス基板Gを搬送するために各コロ44をたとえばベルトやギア等を有する伝動機構48を介して回転駆動する走査駆動部50とを有している。コロ搬送路46は、図1に示す基板処理システム100において、インタフェースステーション10からカセットステーション1への搬送復路の一部を構成する。
平流し搬送部30は、露光処理後のガラス基板Gを平流しで補助露光装置11内に搬入し、補助露光装置11内で補助露光処理の走査のためにガラス基板Gを平流しで搬送し、補助露光処理を終えたガラス基板Gを平流しで現像装置12へ搬出する。なお、制御部17は、コロ搬送路46の所々に配置されている位置センサ(図示せず)を通じてガラス基板Gの現時の位置を検出ないし把握できるようになっている。
光源ユニット32は、コロ搬送路46の上方に配置され、図示しない支持部材により支持される。図5に示すように、光源ユニット32は、走査方向と交差する方向(Y軸方向)における幅がガラス基板Gよりも短く、この方向(Y軸方向)におけるガラス基板Gの(言い換えればコロ搬送路46の)中央部に配置される。かかる光源ユニット32は、走査方向(X軸負方向)に搬送されるガラス基板Gに対し、走査方向と交差する方向(Y軸方向)を長手方向とするライン状の光を照射する。
図4に示すように、本実施形態に係る光源ユニット32は、デジタルマイクロミラーデバイス(以下、DMDと記載する)325を含んで構成される。
DMD325は、多数の可動式マイクロミラー(以下、ミラーと記載する)を有する空間光変調器である。1つのミラーの鏡面サイズは、たとえば10数μmであり、DMD325には、かかるミラーが数10〜数100万個マトリクス状に配列される。
各ミラーは、ガラス基板G上に向けて光を反射させるオン角度と、ガラス基板G以外の場所に向けて光を反射させるオフ角度との間で変位可能である。
制御部17は、DMD325の各ミラーの動作を制御し、オン角度およびオフ角度の時間比率をミラーごとに調整することで、各ミラーに対応するガラス基板G上の単位領域ごとに、当該単位領域に照射される光の照度を調整する。
具体的には、制御部17は、光源ユニット32を通過するガラス基板G上の単位領域(i,j)に対し、各単位領域(i,j)の照度が目標値Ci,jとなるように、各ミラーごとにオン角度およびオフ角度の時間比率を調整する。制御部17は、コロ搬送路46によるガラス基板Gの走査方向への移動に同期させて、走査方向に交差する方向に並んだ単位領域の列ごとに上記処理を行うことで、1枚のガラス基板Gにおける全単位領域に対して補助露光処理を行う。
かかるDMD325では、極小のミラーの1つ1つをガラス基板G上の単位領域に対応させることができる。言い換えれば、DMD325を用いることにより、ガラス基板G上に設定される単位領域のサイズをミラーのサイズに応じて小さくすることができる。したがって、本実施形態に係る補助露光装置11によれば、LED素子本体のサイズ(5mm程度)による制約を受ける従来の補助露光装置と比較して、露光分解能を高めることができる。
[光源ユニットの構成]
次に、上述したDMD325を備える光源ユニット32の構成の一例について図6を参照して説明する。図6は、光源ユニット32の構成を示す図である。なお、光源ユニット32の構成は、図6に示す構成に限定されない。
図6に示すように、光源ユニット32は、光源321と、第1レンズ322と、反射鏡323と、第2レンズ324と、DMD325と、投射レンズ326と、ライトトラップ327とを備える。
光源321は、紫外線(UV)を出射する。光源321としては、たとえばLEDやレーザービーム発生器等を用いることができる。第1レンズ322は、光源321およびDMD325間の光路上に配置され、光源321から出射された光を拡大させる。反射鏡323は、第1レンズ322およびDMD325間の光路上に配置され、第1レンズ322によって拡大された光をDMD325に向けて反射させる。なお、この反射鏡323の角度は、固定である。
第2レンズ324は、反射鏡323およびDMD325間の光路上に配置され、反射鏡323によって反射された光の分布を均一化させる。DMD325は、矩形状のミラーMを多数有し、制御部17の制御に従って各ミラーMを駆動させることにより、ガラス基板G上に照射される光の照度を単位領域ごとに調整する。
投射レンズ326は、DMD325およびガラス基板G間の光路上に配置され、DMD325によってガラス基板Gへ向けて反射された光をガラス基板Gに対してライン状に拡大して投射する。ライトトラップ327は、オフ角度のミラーMによって反射される光の光路上に配置され、かかる光を吸収する。
このように、実施形態に係る補助露光装置11は、単一の光源321を有する単一の光源ユニット32を備える。したがって、複数のLED素子を光源として用いる従来の補助露光装置と比較し、たとえば、異なる光源から照射された光同士の重なりを考慮して各光源の照度を調整すると行った煩雑な処理が不要となる。
なお、補助露光装置11は、複数の光源ユニット32を備えていてもよい。かかる場合であっても、光源ユニット32が備えるDMD325は、矩形状のミラーMによって光を矩形状に反射することができるため、たとえば光を円形に照射するLED素子を有する従来の補助露光装置と比較し、異なる光源ユニット32から照射された光同士が重なりにくい。したがって、光同士の重なりを考慮して各光源の照度を調整するといった煩雑な処理が不要である。
また、図1に示すように、本実施形態に係る補助露光装置11は、露光装置20の後段側かつ現像装置12の前段に配置される。すなわち、仮に、露光処理の精度が高かったとしても、その後に行われる現像処理の精度が低い場合には、膜厚や線幅にずれが生じるおそれがある。したがって、膜厚や線幅のずれを適切に補正するためには、本実施形態に係る補助露光装置11のように、現像処理前の全ての工程を終えた後、すなわち、現像装置12の直前に補助露光装置11を配置することが好ましい。本実施形態に係る基板処理システム100によれば、現像処理後のガラス基板Gの膜厚や線幅を検査部15により検査し、その検査結果を現像処理直前の補助露光処理にフィードバックすることで、膜厚や線幅を適切に補正することができる。
なお、補助露光装置11の配置は上記の例に限定されず、塗布装置6の後段側かつ現像装置12の前段側であれば任意の位置に配置することができる。
[照度分布調整処理]
ところで、DMD325の反射光をガラス基板Gの幅まで拡大した場合、照度分布が不均一化することが懸念される。具体的には、光源ユニット32から照射されるライン状の光のうち、DMD325から遠い端部側の照度がDMD325に近い中央部の照度と比べて低下するおそれがある。特に、本実施形態に係る補助露光装置11のように、単一の光源ユニット32を用いる場合には、上記のような照度分布の不均一化が生じ易い。
そこで、補助露光装置11では、照度測定部38を備えるとともに、かかる照度測定部38を用いて光源ユニット32から照射されるライン状の光の照射分布を測定する処理を事前に行い、その結果を加味して補助露光処理における光源ユニット32への指令値を決定するようにしてもよい。
照度測定部38は、たとえば、紫外線の照度を測定するための照度計と、この照度計を光源ユニット32の真下で照射ライン方向(Y軸方向)に移動させるための移動機構とを備えている。照度計は、その頂部付近に光電変換素子たとえばフォトダイオードを有しており、その受光面に入射した紫外線の光強度に対応した電気信号(照度測定信号)を生成するようになっている。照度計より出力される照度測定信号は、たとえば、アナログ−デジタル変換器を介して制御部17に送られる。
移動機構は、照度計の受光部がコロ搬送路46上を移動するときのガラス基板Gの表面と同じ高さになるように照度計をキャリッジに搭載し、光源ユニット32と平行(Y軸方向)に延びるレール上でたとえばリニアモータによりキャリッジおよび照度計を双方向で任意に移動させ、レール上の任意の位置に照度計を停止または静止できるようになっている。
制御部17は、DMD325を制御して、各ミラーMを同一の時間比率(たとえば、オン角度:オフ角度=1:1)で駆動させ、照度測定部38を制御して、照度計を照射ライン方向(Y軸方向)に移動させながら各位置の照度を測定させる。これにより、光源ユニット32によって照射されるライン状の光の照度分布が取得される。制御部17は、取得した照度分布をメモリ42に格納する。
制御部17は、補助露光処理に先立ち、図3Dに示すような照射マップとメモリ42のテーブルに格納した照度分布とを参照して、ガラス基板G上のマトリクス区画の各単位領域(i,j)毎に指令値Vi,jを演算して、たとえばメモリ42内に構築されるテーブル上でマッピングする。
そして、制御部17は、光源ユニット32およびコロ搬送路46を制御して、補助露光処理のためのガラス基板Gと光源ユニット32間の走査を行わせる。この走査では、ガラス基板Gの上のマトリクス区画の第i行の単位領域(i,1)〜(i,9)が光源ユニット32の真下を通過する時に、光源ユニット32に対して第i行分の各指令値Vi,1〜Vi,9を与える。これにより、第i行の単位領域(i,1)〜(i,9)に対して、光源ユニット32からライン状の光が単位領域ごとに独立した照度で一定時間照射される。
こうして、ガラス基板Gが光源ユニット32の真下を通過する際に、照射ライン(マトリクス区画の各行)上で単位領域(i,j)毎に独立した照度または露光量の補助的露光が行われる。
このように、補助露光装置11の制御部17は、現像処理後のガラス基板Gにおける膜厚および線幅の少なくとも1つの測定結果と、複数のミラーMを均一に制御した場合において光源ユニット32から照射されるライン状の光の照度分布とに基づき、各ミラーMの動作を制御してもよい。このようにすることで、照度分布の不均一により生じる補助露光処理の精度低下を抑えることができる。
なお、上述した実施形態では、1つの単位領域に対して1つのミラーMを対応させる場合の例について説明したが、対応させるミラーMの数を単位領域ごとに異ならせてもよい。
たとえば、補助露光装置11が単一の光源ユニット32を備える場合、光学系の構成によっては、1つのミラーMからライン方向におけるガラス基板Gの端部に照射される光の照射範囲が、1つのミラーMからライン方向におけるガラス基板Gの中央(すなわち光源ユニット32の真下)に照射される光の照射範囲と比べて大きくなる可能性がある。
そこで、補助露光装置11は、ライン方向端部側の単位領域に対して1または複数のミラーMを対応付けると共に、ライン方向中央部側の単位領域に対して、ライン方向端部側の単位領域よりも多くのミラーMを対応付けるようにしてもよい。すなわち、仮に、1つのミラーMからライン方向端部側に照射される光の照射範囲が、1つのミラーMからライン方向中央部側に照射される光の照射範囲の2倍の大きさになる場合には、ライン方向端部側の単位領域に対して1つのミラーMを対応付けると共に、ライン方向中央部側の単位領域に対して2つのミラーMを対応付けるようにしてもよい。このようにすることで、照射範囲の差による補助露光処理の精度低下を抑えることが出来る。
また、DMD325は、熱によって反射特性が変化するおそれがある。そこで、補助露光装置11は、DMD325の温度を調整する温度調整部を備えていてもよい。温度調整部としては、たとえばヒートシンクやベルチェモジュール等を用いることができる。
また、上述した実施形態では、ガラス基板Gを平流しで搬送する平流し搬送部30を備え、光源ユニット32を走査方向で一定位置に固定した。しかし、ガラス基板Gをたとえばステージに固定し、ステージ上で光源ユニット32を走査方向に移動させる走査方式や、ガラス基板Gと光源ユニット32の双方を移動させる走査方式も可能である。
また、上述した実施形態では、被処理基板がFPD用のガラス基板であるものとしたが、これに限らず、他のフラットパネルディスプレイ用基板、半導体ウェハ、有機EL、太陽電池用の各種基板、CD基板、フォトマスク、プリント基板等であってもよい。
上述してきたように、実施形態に係る補助露光装置は、被処理基板に対して露光処理を行う露光装置の前段側または後段側に配置され、被処理基板に対して局所的に露光処理を行う補助露光装置であって、搬送部と、光源ユニットとを備える。搬送部は、被処理基板を走査方向に搬送する。光源ユニットは、走査方向に搬送される被処理基板に対し、走査方向と交差する方向を長手方向とするライン状の光を照射する。また、光源ユニットは、複数の可動式マイクロミラーを配列したデジタルマイクロミラーデバイスを含んで構成される。したがって、実施形態に係る補助露光装置によれば、露光分解能を高めることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。