JP2023031962A - 描画装置および描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1基板保持部および第2基板保持部を有する描画装置において、スループットを向上する。【解決手段】描画装置1は、描画ヘッド41と、第1ステージ21aおよび第2ステージ21bと、第1測距センサ5とを有する。第1測距センサ5のセンサ要素51は、一方のステージに保持された基板9にパターンが描画される間に、他方のステージに保持された基板9上の測定位置との間の距離を取得する。描画ヘッド41は、パターンの描画を行っている基板9上の測定位置との間の距離を取得する第2測距センサ412を含む。制御部10のフォーカス制御部は、パターンの描画前に第1測距センサ5により基板9から取得された情報と、当該基板9にパターンを描画中に第2測距センサ412から取得される情報とを用いて描画ヘッド41から出射される光のフォーカス位置を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、基板に光を照射することにより、基板にパターンを描画する技術に関する。
従来、感光材料の層を表面に有する半導体基板、プリント基板、または、有機EL表示装置もしくは液晶表示装置用のガラス基板等(以下、感光材料の層を含めて「基板」という。)に光を照射することにより、パターンの描画が行われている。このような描画装置では、基板の搬入、基板のアライメント、基板に対する描画、および、基板の搬出が順次行われる。
近年、描画装置のスループット(単位時間当たりに処理する基板の数)を向上するために、1台の描画装置内に2つの基板保持部および1つの描画ヘッドを設け、一方の基板保持部上の基板に対する描画中に、他方の基板保持部上の基板の交換およびアライメント処理を行うことが提案されている。
例えば、特許文献1のステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置では、一方の基板保持部であるステージ上のウエハに対する露光中に他方のステージにおいて、ウエハ交換、アライメントのための計測、他方のステージでの露光終了までの待機が行われる(図4参照)。
なお、特許文献2では、基板に光を照射してパターンを描画する描画装置において、光学ヘッドと基板との間の離間距離を検出する検出器を光学ヘッドに設け、離間距離に従って描画光のフォーカス位置を調整するオートフォーカス機構が開示されている。また、描画領域によっては、光学ヘッドの検出器を用いて描画前に描画領域における離間距離の変動を取得しておき、この離間距離の変動に基づいて描画時にオートフォーカス制御を行う技術が開示されている。
国際公開第2003/010802号 特開2014-197125号公報
ところで、多くの描画装置では、高精度な描画を基板の表面に行うために、描画ヘッドにオートフォーカス機能が設けられている。オートフォーカス機能により、描画ヘッドから出射される光により形成される像の高さ方向の位置が、基板の表面の高さ方向の位置に正確に合わされる。しかし、オートフォーカスのために必要な測距センサは描画ヘッドに設けられるため、オートフォーカスに関連して必要となる測定は、基板が描画ヘッドの下方に配置されてから行われることになる。したがって、基板が描画ヘッドの下方に配置されているにも関わらず描画が行われない時間が存在する。その結果、2つの基板保持部を設けているにも関わらず、スループットを十分に向上することができない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、第1基板保持部および第2基板保持部を有する描画装置において、スループットを向上することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、基板に光を照射することにより、前記基板にパターンを描画する描画装置であって、変調された光を出射する描画ヘッドと、第1基板を保持する第1基板保持部と、第2基板を保持する第2基板保持部と、前記描画ヘッドから出射される光により前記第1基板保持部に保持された第1基板にパターンが描画される間、前記描画ヘッドを前記第1基板保持部に対して相対的に移動し、前記描画ヘッドから出射される光により前記第2基板保持部に保持された第2基板にパターンが描画される間、前記描画ヘッドを前記第2基板保持部に対して相対的に移動する移動機構と、前記第2基板保持部に保持された第2基板にパターンが描画される間に、前記第1基板保持部に保持された第1基板と対向して前記第1基板上の測定位置との間の距離を取得し、前記第1基板保持部に保持された第1基板にパターンが描画される間に、前記第2基板保持部に保持された第2基板と対向して前記第2基板上の測定位置との間の距離を取得する第1測距センサと、パターンの描画中に前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を前記パターンが描画される基板の表面の高さ方向の位置に合わせる制御を行うフォーカス制御部とを備え、前記描画ヘッドが、パターンの描画を行っている基板上の測定位置との間の距離を取得する第2測距センサと、前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を変更するフォーカス変更部とを含み、前記フォーカス制御部が、パターンの描画前に前記第1測距センサにより基板から取得された情報と、前記基板に前記パターンを描画中に前記第2測距センサから取得される情報とを用いて前記フォーカス変更部を制御する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の描画装置であって、前記第1測距センサの測定精度が、前記第2測距センサの測定精度よりも低い。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の描画装置であって、前記描画ヘッドが、前記第1基板保持部または前記第2基板保持部に保持された基板にパターンの描画を開始する前に、前記フォーカス制御部が、前記第1測距センサにより取得された情報を用いて、前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を描画開始時の前記基板の表面の高さ方向の位置に近づける。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の描画装置であって、前記第1測距センサが、前記第1基板保持部または前記第2基板保持部に保持された基板上の描画開始位置近傍の複数の位置に測定位置を位置させつつ前記複数の位置までの複数の距離を取得し、前記フォーカス制御部が、前記複数の距離のうち、最も頻度が高い距離を前記第1測距センサと前記基板との間の距離として利用する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の描画装置であって、前記第1測距センサが、前記第1基板保持部の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素と、前記第2基板保持部の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素とを含む。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の描画装置であって、前記第2基板保持部に保持された第2基板にパターンが描画される間に、前記第1基板保持部に保持された第1基板と対向して前記第1基板上のアライメントマークを撮像し、前記第1基板保持部に保持された第1基板にパターンが描画される間に、前記第2基板保持部に保持された第2基板と対向して前記第2基板上のアライメントマークを撮像するアライメントカメラと、前記第1基板保持部および前記第2基板保持部に対する前記アライメントカメラの相対位置を、前記第1基板保持部に保持された第1基板と対向する位置と、前記第2基板保持部に保持された第2基板と対向する位置との間で切り替えるカメラ位置切替部とをさらに備え、前記第1基板保持部および前記第2基板保持部に対する前記第1測距センサの相対位置が、前記カメラ位置切替部により、前記第1基板と対向する位置と前記第2基板と対向する位置との間で前記アライメントカメラと共に切り替えられる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の描画装置であって、前記第1測距センサは、拡散反射方式であり、前記フォーカス制御部が、前記第1測距センサにより取得された前記第1測距センサから基板上の測定位置までの距離を補正する補正部、を含み、前記補正部が、基板の表面およびその近傍を形成する材料に応じて前記距離を補正する。
請求項8に記載の発明は、基板に光を照射することにより、前記基板にパターンを描画する描画方法であって、a)第1基板保持部により第1基板を保持する工程と、b)前記第1基板に対向する第1測距センサにより、前記第1測距センサと前記第1基板上の測定位置との間の距離を取得する工程と、c)変調された光を描画ヘッドから前記第1基板に向けて出射しつつ、前記描画ヘッドを前記第1基板保持部に対して相対的に移動することにより、前記第1基板にパターンを描画する工程と、d)前記c)工程が行われている間に、第2基板保持部により第2基板を保持する工程と、e)前記c)工程が行われている間に、前記第2基板と対向する前記第1測距センサにより、前記第1測距センサと前記第2基板上の測定位置との間の距離を取得する工程と、f)前記c)工程および前記e)工程よりも後に、変調された光を前記描画ヘッドから前記第2基板に向けて出射しつつ、前記描画ヘッドを前記第2基板保持部に対して相対的に移動することにより、前記第2基板にパターンを描画する工程と、g)前記a)ないしf)工程を繰り返す工程とを備え、前記f)工程が行われている間に、次の第1基板に対する前記a)およびb)工程が行われ、前記f)工程および前記次の第1基板に対する前記b)工程よりも後に、前記次の第1基板に対する前記c)工程が行われ、前記描画ヘッドが、パターンの描画を行っている基板上の測定位置との間の距離を取得する第2測距センサ、を含み、前記c)工程において、前記b)工程にて前記第1測距センサにより前記第1基板から取得された情報と、前記第1基板にパターンを描画中に前記第2測距センサから取得される情報とを用いて、前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を前記第1基板の表面の高さ方向の位置に合わせるフォーカス制御が行われ、前記f)工程において、前記e)工程にて前記第1測距センサにより前記第2基板から取得された情報と、前記第2基板にパターンを描画中に前記第2測距センサから取得される情報とを用いて、前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を前記第2基板の表面の高さ方向の位置に合わせるフォーカス制御が行われる。
本発明では、第1基板保持部および第2基板保持部を有する描画装置において、スループットを向上することができる。
一の実施の形態に係る描画装置を示す斜視図である。 コンピュータの構成を示す図である。 制御部およびその周辺の機能構成を示すブロック図である。 描画装置の動作の流れを示す図である。 描画装置の動作の流れを示す図である。 第1ステージおよび第2ステージの位置を示す図である。 第1ステージおよび第2ステージの位置を示す図である。 第1ステージおよび第2ステージの位置を示す図である。 第1ステージおよび第2ステージの位置を示す図である。 第1ステージおよび第2ステージの位置を示す図である。 第1ステージおよび第2ステージの位置を示す図である。 基板に対して描画が行われる様子を説明するための図である。 撮像部および第1測距センサに関連する構造の他の例を示す平面図である。 補正部およびその周辺の機能構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る描画装置1を示す斜視図である。描画装置1は、基板9に光を照射することにより当該基板9にパターンを描画する装置である。描画装置1は、空間変調された略ビーム状の光を、感光材料の層を表面に有する基板9上に照射し、当該光の照射領域を基板9上にて走査することによりパターンの描画を行うツインステージタイプの直接描画装置である。図1では、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向およびZ方向として矢印にて示している。図1に示す例では、X方向およびY方向は互いに垂直な水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。他の図においても同様である。
基板9は、例えば、平面視において略矩形状の板状部材である。基板9は、例えば、製造途上のプリント回路基板である。基板9の(+Z)側の表面(以下、「上面91」とも呼ぶ。)では、感光材料により形成されたレジスト膜が銅層上に設けられる。描画装置1では、基板9の当該レジスト膜に回路パターンが描画(すなわち、形成)される。なお、基板9の種類および形状等は様々に変更されてよい。
描画装置1は、第1搬送機構2aと、第2搬送機構2bと、撮像部3と、パターン描画部4と、フレーム7と、制御部10とを備える。制御部10は、第1搬送機構2a、第2搬送機構2b、撮像部3およびパターン描画部4等を制御する。
フレーム7は、描画装置1の各構成が取り付けられる本体ベース部である。フレーム7は、略直方体状の基台71と、基台71を跨ぐ門形の第1ガントリー部72および第2ガントリー部73とを備える。第2ガントリー部73は、第1ガントリー部72の(+Y)側に近接して配置される。以下の説明では、第1ガントリー部72および第2ガントリー部73をまとめて「ガントリー部74」とも呼ぶ。基台71上には第1搬送機構2aおよび第2搬送機構2bが取り付けられる。第1ガントリー部72は撮像部3を支持する。第2ガントリー部73はパターン描画部4を支持する。フレーム7は、図示省略の台座上に載置される。
第1搬送機構2aおよび第2搬送機構2bはそれぞれ、撮像部3およびパターン描画部4の下方(すなわち、(-Z)側)にて基板9を保持および移動する機構である。第2搬送機構2bは、第1搬送機構2aの(+X)側に隣接して配置される。第1搬送機構2aと第2搬送機構2bとは略同様の構造を有する。
第1搬送機構2aは、第1ステージ21aと、第1移動機構22aとを備える。第1ステージ21aは、略水平状態の基板9を下側から保持する略平板状の第1基板保持部である。第1ステージ21aは、例えば、基板9の下面を吸着して保持するバキュームチャックである。第1ステージ21aは、バキュームチャック以外の構造を有していてもよい。第1ステージ21a上に載置された基板9の上面91は、Z方向(すなわち、上下方向)に対して略垂直であり、X方向およびY方向に略平行である。
第1移動機構22aは、第1ステージ21aを撮像部3およびパターン描画部4に対して略水平方向(すなわち、基板9の上面91に略平行な方向)に相対的に移動する第1ステージ移動機構である。第1移動機構22aは、撮像部3およびパターン描画部4の下方にて、ガイドレール221a上に支持された第1ステージ21aをガイドレール221aに沿ってY方向に直線移動する。これにより、第1ステージ21aに保持された基板9がY方向に移動する。以下の説明では、Y方向を「基板移動方向」または「主走査方向」とも呼ぶ。第1移動機構22aの駆動源は、例えば、リニアサーボモータ、または、ボールネジにモータが取り付けられたものである。第1移動機構22aの構造は、様々に変更されてよい。
第2搬送機構2bは、第2ステージ21bと、第2移動機構22bとを備える。第2ステージ21bは、略水平状態の基板9を下側から保持する略平板状の第2基板保持部である。第2ステージ21bは、第1ステージ21aの側方(すなわち、(+X)側)に隣接して配置される。第2ステージ21bの上面は、第1ステージ21aの上面と上下方向(すなわち、Z方向)において実質的に同じ高さに位置する。第2ステージ21bは、例えば、基板9の下面を吸着して保持するバキュームチャックである。第2ステージ21bは、バキュームチャック以外の構造を有していてもよい。第2ステージ21b上に載置された基板9の上面91は、Z方向に対して略垂直であり、X方向およびY方向に略平行である。第2ステージ21bに保持された基板9の上面91は、第1ステージ21aに保持された基板9の上面91と上下方向の略同じ高さ(すなわち、Z方向の略同じ位置)に位置する。
第2移動機構22bは、第2ステージ21bを撮像部3およびパターン描画部4に対して略水平方向(すなわち、基板9の上面91に略平行な方向)に相対的に移動する第2ステージ移動機構である。第2移動機構22bは、撮像部3およびパターン描画部4の下方にて、ガイドレール221b上に支持された第2ステージ21bをガイドレール221bに沿ってY方向(すなわち、基板移動方向)に直線移動する。これにより、第2ステージ21bに保持された基板9がY方向に移動する。第2移動機構22bによる第2ステージ21bの移動方向は、第1移動機構22aによる第1ステージ21aの移動方向と略平行である。第2移動機構22bの駆動源は、例えば、リニアサーボモータ、または、ボールネジにモータが取り付けられたものである。第2移動機構22bの構造は、様々に変更されてよい。
第1移動機構22aと第2移動機構22bとは、基板移動方向(すなわち、Y方向)と交差する方向に並んで配置される。図1に示す例では、第1移動機構22aと第2移動機構22bとはX方向に並んで配置され、第2移動機構22bは、第1移動機構22aの(+X)側の側方に隣接する。第1移動機構22aと第2移動機構22bとは、上下方向の略同じ高さに位置する。
第1移動機構22aおよび第2移動機構22bは、フレーム7の基台71により下方から支持される。第1移動機構22aおよび第2移動機構22bは、第2ガントリー部73よりも(+Y)側から(-Y)方向へと延び、第2ガントリー部73に支持されたパターン描画部4の下方、および、第1ガントリー部72に支持された撮像部3の下方を通過して、第1ガントリー部72から(-Y)側に突出する。第1ガントリー部72は、第1移動機構22aおよび第2移動機構22bのY方向における中央部と、Y方向において略同じ位置に位置する。
描画装置1では、第1ステージ21aが第1ガントリー部72よりも(-Y)側に位置している状態で、第1ステージ21aに対する基板9の搬出入が行われる。また、第2ステージ21bが第1ガントリー部72よりも(-Y)側に位置している状態で、第2ステージ21bに対する基板9の搬出入が行われる。
上述のように、第1ガントリー部72および第2ガントリー部73は、第1搬送機構2aおよび第2搬送機構2bを跨いで設けられる。第1ガントリー部72は、第1搬送機構2aおよび第2搬送機構2bのX方向の両側にてZ方向に延びる2本の支柱部と、2本の支柱部の上端部を接続する梁部とを備える。当該梁部は、第1搬送機構2aおよび第2搬送機構2bの上方にてX方向に延びる。第1ガントリー部72の2本の支柱部は、(-Z)側の端部において基台71と接続される。第2ガントリー部73は、第1搬送機構2aおよび第2搬送機構2bのX方向の両側にてZ方向に延びる2本の支柱部と、2本の支柱部の上端部を接続する梁部とを備える。当該梁部は、第1搬送機構2aおよび第2搬送機構2bの上方にてX方向に延びる。第2ガントリー部73の2本の支柱部は、(-Z)側の端部において基台71と接続される。
撮像部3は、複数(図1に示す例では、2つ)のアライメントカメラ31と、カメラ位置切替部32とを備える。複数のアライメントカメラ31は、X方向に配列されて、第1ガントリー部72の梁部に移動可能に取り付けられる。カメラ位置切替部32は、梁部に取り付けられ、複数のアライメントカメラ31を梁部に沿ってX方向に移動する。カメラ位置切替部32の駆動源は、例えば、リニアサーボモータ、または、ボールネジにモータが取り付けられたものである。図1に示す例では、2つのアライメントカメラ31のX方向における間隔は変更可能である。なお、撮像部3では、アライメントカメラ31の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。
各アライメントカメラ31は、図示省略の撮像センサおよび光学系を備えるカメラである。各アライメントカメラ31は、例えば、2次元の画像を取得するエリアカメラである。撮像センサは、例えば、マトリクス状に配列された複数のCCD(Charge Coupled Device)等の素子を備える。各アライメントカメラ31では、図示省略の光源から基板9の上面91へと導かれた照明光の反射光が、光学系を介して撮像センサへと導かれる。撮像センサは、基板9の上面91からの反射光を受光し、略矩形状の撮像領域の画像を取得する。上記光源としては、LED(Light Emitting Diode)等の様々な光源が利用可能である。なお、各アライメントカメラ31は、ラインカメラ等、他の種類のカメラであってもよい。
描画装置1では、カメラ位置切替部32により、複数のアライメントカメラ31が第1搬送機構2aの上方の第1撮像位置と、第2搬送機構2bの上方の第2撮像位置との間で移動される。第1撮像位置は、撮像時にアライメントカメラ31が第1ステージ21aおよび第1基板9と対向する位置である。第2撮像位置は、撮像時にアライメントカメラ31が第2ステージ21bおよび第2基板9と対向する位置である。図1では、複数のアライメントカメラ31は、第1撮像位置に位置している。複数のアライメントカメラ31は、第1撮像位置において第1ステージ21a上の基板9の上面91を撮像する。また、複数のアライメントカメラ31は、第2撮像位置において第2ステージ21b上の基板9の上面91を撮像する。
パターン描画部4は、複数(図1に示す例では、6つ)の描画ヘッド41と、描画ヘッド移動機構42とを備える。複数の描画ヘッド41は、X方向に配列されて、第2ガントリー部73の梁部に移動可能に取り付けられる。描画ヘッド移動機構42は、梁部に取り付けられ、複数の描画ヘッド41を梁部に沿ってX方向に一体的に移動する。描画ヘッド移動機構42の駆動源は、例えば、リニアサーボモータ、または、ボールネジにモータが取り付けられたものである。なお、パターン描画部4では、描画ヘッド41の数は、1であってもよく、複数であってもよい。
各描画ヘッド41は、図示省略の光源、光学系および空間光変調素子を備える。空間光変調素子としては、DMD(Digital Micro Mirror Device)やGLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ(サニーベール、カリフォルニア)の登録商標)等の様々な素子が利用可能である。光源としては、LD(Laser Diode)等の様々な光源が利用可能である。複数の描画ヘッド41は、略同じ構造を有する。
描画装置1では、描画ヘッド移動機構42により、複数の描画ヘッド41が第1搬送機構2aの上方の第1描画位置と、第2搬送機構2bの上方の第2描画位置との間で移動される。第1描画位置は、描画時に描画ヘッド41が第1ステージ21aおよび第1基板9と対向する位置である。第2描画位置は、描画時に描画ヘッド41が第2ステージ21bおよび第2基板9と対向する位置である。図1では、複数の描画ヘッド41は、第2描画位置に位置している。複数の描画ヘッド41は、第1描画位置において第1ステージ21a上の基板9の上面91にパターンを描画する。また、複数の描画ヘッド41は、第2描画位置において第2ステージ21b上の基板9の上面91にパターンを描画する。また、第1ステージ21a上の基板9の上面91にパターンを描画する際に、描画ヘッド移動機構42により、描画ヘッド41のX方向へのステップ移動も行われる。同様に、第2ステージ21b上の基板9の上面91にパターンを描画する際に、描画ヘッド移動機構42により、描画ヘッド41のX方向へのステップ移動も行われる。
第1描画位置および第2描画位置は、第1移動機構22aおよび第2移動機構22bのY方向における中央部と、Y方向において略同じ位置に位置する。また、上述の第1撮像位置および第2撮像位置も、第1移動機構22aおよび第2移動機構22bのY方向における中央部と、Y方向において略同じ位置に位置する。換言すれば、パターン描画部4の複数の描画ヘッド41、および、撮像部3の複数のアライメントカメラ31は、第1移動機構22aおよび第2移動機構22bのY方向における中央部と、Y方向において略同じ位置に位置する。
第1描画位置においてパターンが描画される際には、パターン描画部4の複数の描画ヘッド41から、下方の第1ステージ21a上の基板9に向けて、変調(すなわち、空間変調)された光が照射される。そして、当該光の照射と並行して、基板9が第1移動機構22aによりパターン描画部4の(+Y)側から(-Y)方向(すなわち、基板移動方向)に水平移動される。これにより、複数の描画ヘッド41からの光の照射領域が基板9上にて(+Y)方向に相対的に主走査され、基板9に対するパターン(例えば、回路パターン)の描画が行われる。第1移動機構22aは、各描画ヘッド41からの光の照射領域を基板9上にてY方向に移動する走査機構である。
1回の主走査が完了すると、描画ヘッド移動機構42により、描画ヘッド41は(+X)方向に所定の距離だけステップ移動(すなわち、副走査)し、基板9の(+Y)方向への移動が行われる。すなわち、描画ヘッド41からの光の照射と並行して、基板9が第1移動機構22aにより(+Y)方向に水平移動される。これにより、複数の描画ヘッド41からの光の照射領域が基板9上にて(-Y)方向に相対的に主走査され、基板9に対するパターンの描画が行われる。その後、本実施の形態では、描画ヘッド41が(+X)方向に所定の距離だけステップ移動し、照射領域の(+Y)方向への主走査によるパターンの描画がさらに行われる。このように、描画装置1では、第1ステージ21aのY方向への移動とX方向へのステップ移動とが繰り返されるマルチパス方式により、基板9に対する描画が行われる。第2描画位置におけるパターンの描画は、第1ステージ21aおよび第1移動機構22aが第2ステージ21bおよび第2移動機構22bに変更される点を除き、上述の第1描画位置におけるパターンの描画と同様である。
基板9に対する描画は、いわゆるシングルパス(ワンパス)方式で行われてもよい。具体的には、第1ステージ21aの場合、第1移動機構22aにより、第1ステージ21aが複数の描画ヘッド41に対してY方向に相対移動され、複数の描画ヘッド41からの光の照射領域が、基板9の上面91上にてY方向に1回のみ走査される。これにより、基板9に対する描画が完了する。第2ステージ21bに関しても同様である。
基板9にパターンが描画される際の主走査の回数は、1回でも2回でも3回でもよく、4回以上でもよい。複数回の主走査が行われる場合は、好ましくは、基板9の移動は(+Y)方向および(-Y)方向に交互に行われ、移動方向が切り替われる際に、描画ヘッド41は基板9に対して(+X)方向にステップ移動する。もちろん、描画ヘッド41のステップ移動は(-X)方向でもよい。
以上のように、描画装置1では、第1移動機構22aおよび描画ヘッド移動機構42により、描画時に、第1ステージ21aに保持された基板9に対して描画ヘッド41を相対的に移動する機構が構成される。ただし、シングルパス動作が行われる場合は、第1移動機構22aが、描画時に、第1ステージ21aに保持された基板9に対して描画ヘッド41を相対的に移動する機構となる。同様に、描画装置1では、第2移動機構22bおよび描画ヘッド移動機構42により、描画時に、第2ステージ21bに保持された基板9に対して描画ヘッド41を相対的に移動する機構が構成される。シングルパス動作が行われる場合は、第2移動機構22bが、描画時に、第2ステージ21bに保持された基板9に対して描画ヘッド41を相対的に移動する機構となる。
また、描画ヘッド移動機構42は、描画ヘッド41の位置を、第1ステージ21aに保持された基板9に対向する位置と、第2ステージ21bに保持された基板9に対向する位置との間で切り替えるヘッド位置切替部を兼ねる。ヘッド位置切替部は、描画ヘッド移動機構42が兼ねる必要はなく、例えば、描画ヘッド41の位置を、第1ステージ21aに対向する位置と、第2ステージ21bに対向する位置との間で切り替える移動機構を設け、この移動機構上に、描画ヘッド41をX方向にステップ移動させる機構が設けられてもよい。すなわち、描画時に、第1ステージ21aに保持された基板9に対して描画ヘッド41を相対的に移動する機構と、描画時に、第2ステージ21bに保持された基板9に対して描画ヘッド41を相対的に移動する機構と、第1ステージ21aに保持された基板9と対向する位置と、第2ステージ21bに保持された基板9と対向する位置との間で描画ヘッド41を第1ステージ21aおよび第2ステージ21bに対して相対的に移動する機構(ヘッド位置切替部)とが様々な形態にて描画装置1に設けられてよい。
以下の説明では、これらの機構の全てを「移動機構2」と総称する。図1の描画装置1の場合、移動機構2は、第1移動機構22a、第2移動機構22b、描画ヘッド移動機構42を含む。移動機構2は、描画ヘッド41から出射される光により第1ステージ21a(第1基板保持部)に保持された基板9にパターンが描画される間、描画ヘッド41を第1ステージ21aに対して相対的に移動し、描画ヘッド41から出射される光により第2ステージ21b(第2基板保持部)に保持された基板9にパターンが描画される間、描画ヘッド41を第2ステージ21bに対して相対的に移動する。
描画装置1は、第1測距センサ5をさらに備える。第1測距センサ5は、第1ガントリー部72の梁部の(-Y)側に配置される。第1測距センサ5は複数のセンサ要素51を含む。複数のセンサ要素51は、X方向に配列される。センサ要素51の数は、原則として描画ヘッド41の数の2倍である。第1ステージ21aの上方に、描画ヘッド41の数と原則として同じ数のセンサ要素51が配置され、第2ステージ21bの上方に、描画ヘッド41の数と原則として同じ数のセンサ要素51が配置される。図1の例では、描画ヘッド41の数は6であり、センサ要素51の数は12である。第1ステージ21aの上方においてセンサ要素51のピッチ(すなわち、センサ要素51のX方向における中心の間隔)は、描画ヘッド41のピッチ(すなわち、描画ヘッド41のX方向における中心の間隔)と同じである。第2ステージ21bの上方においてもセンサ要素51のピッチは、描画ヘッド41のピッチと同じである。
各センサ要素51は、下方に位置する第1ステージ21aまたは第2ステージ21bに保持された基板9との間の距離を取得する。正確には、この測定により、基板9の上面91上の測定位置とその上方のセンサ要素51の特定の部分との間の距離が取得される。センサ要素51の高さ方向の位置は予め測定により取得されており、センサ要素51の高さ方向の位置と取得された距離とから測定位置の高さ方向の位置を求めることができる。したがって、センサ要素51と測定位置との間の距離の測定は、実質的に測定位置の高さ方向の位置を取得することである。正確には、センサ要素51からの出力値が制御部10の後述のフォーカス制御部113にて測定位置の高さ方向の位置に変換される。変換には、例えば、1次関数が利用される。なお、測定位置は原則としてセンサ要素51の真下の位置であるが、およそ下方の位置であればよく、真下であることには限定されない。
各センサ要素51は、拡散反射方式を採用する。具体的には、センサ要素51からレーザ光が投光レンズを介して基板9に照射され、基板9からの拡散反射光は、受光レンズを介して受光位置検出センサ(例えば、PSD(Position Sensitive Detector)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor))にて受光され、受光位置が検出される。そして、受光位置からセンサ要素51と基板9上の測定位置との間の距離が求められる。拡散反射方式のセンサは入手容易かつ安価であるが、測定精度は比較的低い。第1測距センサ5から出射される光の波長は、基板9の表面(すなわち、上面91)を形成する感光材料に影響を与えない波長であれば任意の波長が採用されてよい。第1測距センサ5の光源は、好ましくは、可視光または赤外光の半導体レーザであり、より好ましくは可視光の半導体レーザである。
図2は、制御部10が備えるコンピュータ100の構成を示す図である。コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、入出力部103と、バス104とを備える通常のコンピュータである。バス104は、プロセッサ101、メモリ102および入出力部103を接続する信号回路である。メモリ102は、プログラムおよび各種情報を記憶する。メモリ102は、例えば、RAM(Ramdom Access Memory)や固定ディスクドライブである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されるプログラム等に従って、メモリ102等を利用しつつ様々な処理(例えば、数値計算や画像処理)を実行する。入出力部103は、操作者からの入力を受け付けるキーボード105およびマウス106、並びに、プロセッサ101からの出力等を表示するディスプレイ107を備える。なお、制御部10は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)や回路基板等であってもよく、これらと1つ以上のコンピュータとの組み合わせであってもよい。
図3は、コンピュータ100により実現される制御部10の機能構成をその周辺の機能構成と共に示すブロック図である。制御部10は、撮像制御部111と、位置検出部112と、フォーカス制御部113と、描画制御部114と、記憶部115を備える。記憶部115は、主にメモリ102により実現される。記憶部115は、基板9に描画される予定のパターンのデータ(すなわち、描画用データ)や他の情報を記憶する。
撮像制御部111、位置検出部112、フォーカス制御部113および描画制御部114は、主にプロセッサ101により実現される。撮像制御部111は、撮像部3、第1移動機構22aおよび第2移動機構22bを制御することにより、第1ステージ21aおよび第2ステージ21b上の基板9の上面91上に設けられたマーク(パターンの一部であってもよい。)をアライメントカメラ31によりに取得する。当該画像は、記憶部115へと送られて格納される。
位置検出部112は、当該画像を用いて基板9の位置(基板9の歪みを含む。)を検出する。描画制御部114は、移動機構2およびパターン描画部4を制御して、第1ステージ21aまたは第2ステージ21bに保持された基板9に光を照射してパターンを描画する。このとき、位置検出部112により検出された基板9の位置を利用して、描画するパターンを補正しつつ描画が行われる。
パターン描画部4の各描画ヘッド41は、既述のように、光源、光学系および光変調素子411を含む。なお、光源は、描画ヘッド41と一体的に設けられてもよく、描画ヘッド41から分離して設けられてもよい。光源が描画ヘッド41と分離している場合、光源からの光は光ファイバ等を有する光学系を介して描画ヘッド41に導入される。
図3に示すように、描画ヘッド41は、第2測距センサ412とフォーカス変更部413とをさらに含む。第2測距センサ412は、パターンの描画を行っている基板9上の測定位置との間の距離を取得する。測定位置としては、描画位置または描画位置と同じ高さと見なすことができる位置が選択され、第2測距センサ412は、実質的に、描画ヘッド41と基板9の上面91との間の距離を測定する。正確には、第2測距センサ412は、基板9の上面91の描画位置と、描画ヘッド41に対して固定された位置であって描画位置の真上の位置との間の距離を取得する。ただし、第2測距センサ412が取得する距離は、描画ヘッド41とその真下の位置との間の距離、あるいは、描画位置とその真上の位置との間の距離である必要はなく、これらの距離とみなすことができる所定の位置間の高さ方向の距離であればよい。すなわち、第2測距センサ412は、基板9の上面91の描画位置からずれた位置と、描画ヘッド41との間の高さ方向の距離を取得してもよい。
第2測距センサ412(あるいは描画ヘッド41)の高さ方向の位置は予め測定により取得されており、第2測距センサ412の高さ方向の位置と取得された距離とから測定位置の高さ方向の位置を求めることができる。したがって、第2測距センサ412と測定位置との間の距離の測定は、実質的に測定位置の高さ方向の位置を取得することである。
第2測距センサ412は、第1測距センサ5と比べて精度の高い測定を行う。第2測距センサ412としては、例えば、基板9の表面に傾斜した光、例えばレーザ光を照射し、その正反射光の受光位置を精度の高い受光素子で検出する。第2測距センサ412は、受光位置に基づいて描画ヘッド41と基板9との間の距離を取得する。第2測距センサ412としては、例えば、既述の特開2014-197125号公報に記載されたものを採用することができる。
フォーカス変更部413は、描画ヘッド41から出射される光により形成される像のZ方向の位置(すなわち、高さ方向の位置であり、以下、「フォーカス位置」とも呼ぶ。)を変更する。フォーカス変更部413は、例えば、描画ヘッド41の光学系に含まれるフォーカスレンズと、フォーカスレンズを光軸に沿って移動する駆動部とを含む。フォーカスレンズは、1枚であっても2枚以上であってもよい。駆動部がフォーカスレンズの位置を光軸に沿って移動することにより、描画ヘッド41から出射される光により形成される像の高さ方向の位置が変更される。
フォーカス制御部113は、第1測距センサ5の各センサ要素51からの情報、および、第2測距センサ412からの情報を用いて、描画途上において、描画ヘッド41から出射される光により形成される像のフォーカス位置を、描画位置における基板9の表面のZ方向の位置と一致させる制御を行う。すなわち、基板9上の描画位置のZ方向の位置は、描画位置の主走査方向の移動と共に僅かに上下に変動するが、フォーカス制御部113により、この変動に合わせて描画ヘッド41から出射される光により形成される像のZ方向の位置が変更される。なお、フォーカス制御部113による第1測距センサ5からの情報の利用については後述する。
第1測距センサ5の各センサ要素51は、既述のように第2測距センサ412よりも精度が低く、安価である。これにより、描画装置1の製造コストの増大を抑制することができる。第1測距センサ5が複数のセンサ要素51からなる場合、描画装置1の製造コストの増大をさらに抑制することができる。特に、図1の描画装置1のように、描画ヘッド41の数の2倍の数のセンサ要素51を設ける場合は、描画装置1の製造コストの増大を抑制する効果は大きい。
次に、図1に示す描画装置1による基板9へのパターンの描画の流れについて説明する。描画装置1では、大まかには、第1ステージ21aおよび第2ステージ21bのうち一方のステージ上に保持された基板9に対して描画が行われている間に、他方のステージ上に基板9が搬入されてアライメント(すなわち、位置合わせ)等が行われる。そして、上記一方のステージ上に保持された基板9に対する描画が終了すると、上記他方のステージ上に保持された基板9に対する描画が開始される。また、当該他方のステージ上の基板9に対して描画が行われている間に、一方のステージ上から描画済みの基板9が搬出され、新たな基板9が当該一方のステージ上に搬入されてアライメント等の処理が行われる。
図4Aおよび図4Bは、描画装置1における描画処理の流れの一例を示す図である。図4Aおよび図4B中の左側のステップS11~S16は、第1ステージ21a上における基板9への描画処理の流れを示し、図4Aおよび図4B中の右側のステップS21~S26は、第2ステージ21b上における基板9への描画処理の流れを示す。また、図4Aおよび図4B中の上下方向の同じ位置に位置するステップは、並行して行われる。具体的には、ステップS11~S15とステップS26とは並行して行われる。また、ステップS16とステップS21~S25とは並行して行われる。図4Aおよび図4Bでは、描画装置1に最初に搬入される基板9および最後の搬出される基板9に対する動作の記載を省略している。
図4Aおよび図4Bでは、第2搬送機構2bの第2ステージ21b上の基板9に対するパターンの描画が行われる状態から説明を開始する。また、図5~図10は、描画処理中の描画装置1における第1ステージ21aおよび第2ステージ21bのY方向における概略的な位置を示す概念図である。図5~図10では、第1ステージ21a、第1移動機構22a、第2ステージ21bおよび第2移動機構22bを実線にて描き、アライメントカメラ31、描画ヘッド41の配列および第1測距センサ5のセンサ要素51の配列を破線にて描く。
以下の説明では、Y方向における第1ステージ21aの位置について、第1ステージ21aがアライメントカメラ31および/または描画ヘッド41と上下方向に重なる位置を「処理位置」と呼び、第1ステージ21aが第1移動機構22aの(-Y)側の部位と上下方向に重なる位置を「搬出入位置」と呼び、第1ステージ21aが第1移動機構22aの(+Y)側の部位と上下方向に重なる位置を「待機位置」と呼ぶ。また、Y方向における第2ステージ21bの位置についても、第2ステージ21bがアライメントカメラ31および/または描画ヘッド41と上下方向に重なる位置を「処理位置」と呼び、第2ステージ21bが第2移動機構22bの(-Y)側の部位と上下方向に重なる位置を「搬出入位置」と呼び、第2ステージ21bが第2移動機構22bの(+Y)側の部位と上下方向に重なる位置を「待機位置」と呼ぶ。なお、上述の処理位置は、Y方向における1点を指す概念ではなく、アライメントカメラ31による基板9の撮像、および、描画ヘッド41によるパターンの描画が行われるY方向の所定の範囲(すなわち、処理が行われる領域)を指す。
描画装置1では、図5に示すように、第2ステージ21bが処理位置に位置し、描画ヘッド41が第2描画位置に位置する状態で、第2ステージ21b上の基板9に対して、描画ヘッド41によるパターンの描画が行われる(ステップS26)。以下、第2ステージ21bに保持された基板9または保持される予定の基板9を「第2基板9」と呼ぶ。「第2基板」とは、2番目の基板を意味せず、単に、第2ステージ21bに関連する基板を意味する。ステップS26では、描画制御部114(図3参照)によりパターン描画部4、第2移動機構22bおよび描画ヘッド移動機構42が制御されることにより、処理位置において(+Y)方向または(-Y)方向へと移動する基板9に対してパターンの描画が行われる。
また、ステップS26と並行して、搬出入位置に位置する第1ステージ21aから描画済みの基板9が搬出され、新たな基板9が第1ステージ21a上に搬入されて保持される(ステップS11,S12)。以下、第1ステージ21aに保持された基板9または保持される予定の基板9を「第1基板9」と呼ぶ。「第1基板」とは、1番目の基板を意味せず、単に、第1ステージ21aに関連する基板を意味する。第1基板および後述の第2基板を区別しない場合は、単に「基板」と呼ぶ。
続いて、第1移動機構22aにより第1ステージ21aが(+Y)方向へと移動され、図6に示すように処理位置に位置する。図6に示す状態では、第2ステージ21bは処理位置に位置したままであり、第2ステージ21b上の基板9に対する描画が行われている。また、アライメントカメラ31はカメラ位置切替部32により第1ステージ21a(第1基板保持部)に保持された第1基板9と対向する第1撮像位置に位置する。なお、アライメントカメラ31の間隔は、第1基板9のサイズに合わせて予め調整されている。
第1ステージ21aが処理位置に位置すると、撮像制御部111(図3参照)により第1移動機構22aが制御されることにより、第1ステージ21aが所定の速度で(+Y)方向に移動する。撮像制御部111によるアライメントカメラ31の制御により、第1基板9上のアライメントマーク(図示省略)がアライメントカメラ31の下方に位置した瞬間に撮像が行われ、取得された画像が位置検出部112へと送られる。なお、撮像時に第1ステージ21aの移動は停止してもよい。撮像は、第1基板9上の各アライメントマークに対して行われる。位置検出部112では、当該画像に対して基準画像を用いたパターンマッチングが行われる。当該パターンマッチングは、例えば、公知のパターンマッチング法(例えば、幾何学形状パターンマッチングや正規化相関サーチ等)により行われる。これにより、当該画像中におけるアライメントマークの位置が求められ、第1ステージ21aに対する第1基板9の位置が検出される(ステップS13)。以下、位置検出部112により取得される基板9の位置に関する情報を「アライメント情報」と呼ぶ。
位置検出部112により検出される第1基板9の位置とは、基板保持部である第1ステージ21aに対する第1基板9のX方向およびY方向における座標、第1基板9の向き(すなわち、回転位置)、並びに、第1基板9の歪み等による変形を示す情報を含む。また、第1基板9の変形を示す情報とは、変形している第1基板9の形状、および、当該第1基板9上における描画領域の位置等の情報である。位置検出部112では、検出されたアライメント情報に基づいて、第1ステージ21a上の第1基板9用の描画データの補正(すなわち、アライメント処理)が行われる。なお、第1移動機構22aが第1ステージ21aをZ方向を向く軸を中心として回転する機能を有する場合、アライメント情報に基づいて第1基板9の回転が行われてもよい。第1基板9に関するアライメントの上記説明は、後述の第2基板9に対する処理においても同様である。
第1基板9の(-Y)側の部位が第1測距センサ5の下方を通過する際には、第1ステージ21a側の6個のセンサ要素51からの出力が制御部10の記憶部115に記録される。すなわち、各センサ要素51から、当該センサ要素51と第1基板9の上面91との間の距離が繰り返し出力され、制御部10の記憶部115に記録される。センサ要素51と第1基板9の上面91との間の距離は、センサ要素51による測定位置における基板9の上面91の高さ方向の位置に対応する。したがって、上記測定により、測定位置の移動範囲における第1基板9の上面91の高さの方向の位置の変動が取得される。以下、測定位置または描画位置における基板9の上面91の高さ方向の位置を「表面高さ位置」ともいう。各センサ要素51にて取得された情報から得られた第1基板9の多数の測定位置における表面高さ位置から、フォーカス制御部113は最頻値を求める(ステップS14)。以下、最頻値を「プリフォーカス情報」と呼ぶ。第1測距センサ5のセンサ要素51の数と同数のプリフォーカス情報が取得される。
基板9にはスルーホールや段差等の基板9の上面91の高さとすべきではない測定位置が存在する。各センサ要素51にて取得された第1基板9の多数の表面高さ位置の最頻値を第1基板9の上面91の高さ方向の位置として採用することにより、多数の表面高さ位置を代表する正しい表面高さ位置を得ることができる。なお、「最頻値」とは、高さ方向の位置を複数の小範囲に分割し、各センサ要素51にて取得された多数の表面高さ位置を各小範囲に属するものに区分し、最も多くの表面高さ位置が属する小範囲の中央値が多数の測定位置を代表する正しい表面高さ位置として採用される。
基板9上の各センサ要素51の測定位置の移動範囲は、後の工程でのいずれかの描画ヘッド41が描画を開始する際の描画位置の移動の奇蹟と重なる。すなわち、各センサ要素51のX方向の位置は、後の描画時におけるいずれかの描画ヘッド41の描画開始時のX方向の位置と一致する。したがって、第1測距センサ5の各センサ要素51(正確には、第1基板9側の各センサ要素51)は、第1基板保持部である第1ステージ21aに保持された第1基板9上の描画開始位置近傍の(主走査方向に並ぶ)複数の位置に測定位置を位置させつつ当該複数の位置までの複数の距離を取得する。そして、フォーカス制御部113は、取得された複数の距離のうち、最も頻度が高い距離を第1測距センサ5の各センサ要素51と第1基板9との間の距離として利用する。既述のように、各センサ要素51と第1基板9との間の距離は、実質的に描画開始時の描画位置における基板9の表面高さ位置を示すプリフォーカス情報である。
第2ステージ21b(第2基板保持部)に保持された第2基板9にパターンが描画される間に、第1基板9からのアライメント情報およびプリフォーカス情報の取得が完了すると、第1移動機構22aにより第1ステージ21aがさらに(+Y)方向へと移動され、図7に示すように待機位置に位置する(ステップS15)。図7に示す状態では、第2ステージ21bは処理位置(正確には、描画を行うための一定範囲を有する位置)に位置したままであり、第2基板9に対する描画が行われている。第1ステージ21aは、第2基板9に対する描画が終了するまで、待機位置にて待機する。
第2基板9に対する描画(ステップS26)が終了すると、第2移動機構22bにより第2ステージ21bが(-Y)方向へと移動され、第2ステージ21bは図8に示すように搬出入位置に位置する。また、この動作と並行して、第1移動機構22aにより第1ステージ21aが(-Y)方向へと移動され、処理位置に位置する。さらに、アライメントカメラ31は、第1撮像位置から第2ステージ21b(第2基板保持部)に保持された第2基板9と対向する(正確には、撮像時に対向する)第2撮像位置へと移動され、描画ヘッド41は、第2描画位置から第1描画位置へと移動される。そして、上述のアライメント処理済みの描画データ等に基づいて、描画制御部114によりパターン描画部4および第1移動機構22aが制御されることにより、処理位置においてY方向へと移動する第1ステージ21a上の第1基板9に対してパターンの描画が行われる(ステップS16)。
図11は、第1基板9に対して描画が行われる様子を説明するための図である。第2基板9に対する描画も同様である。したがって、以下の図11に関する説明では、第1基板9および第2基板9を区別することなく、「基板9」と総称する。図11では、6個の描画ヘッド41を破線にて示している。基板9上に描かれた18個のY方向に長い領域8のそれぞれは、基板9がY方向に移動する際に1つの描画ヘッド41が描画を行う領域を示す。描画ヘッド41の光変調素子411としてDMDが用いられ、DMDの矩形の像が基板9上にて傾斜して投影される場合は、正確には、複数の領域8はX方向において僅かに重なる。
太い実線にて示す矢印81は、複数の描画ヘッド41の描画位置の最初の移動を示す。すなわち、基板9が(-Y)方向に移動することにより、描画位置が基板9上を相対的に(+Y)方向に移動することを示している。描画位置が領域8の(+Y)側の端部まで移動すると、描画ヘッド移動機構42により描画ヘッド41が(+X)方向にステップ移動し、これにより、描画位置が基板9上を(+X)方向にステップ移動する。そして、基板9が(+Y)方向に移動することにより、破線の矢印82にて示すように、描画位置が(-Y)方向に移動し、2番目の領域8への描画が行われる。描画位置が2番目の領域8の(-Y)側の端部まで移動すると、描画ヘッド移動機構42により描画ヘッド41が(+X)方向にステップ移動し、これにより、描画位置が基板9上を(+X)方向にステップ移動する。そして、基板9が(-Y)方向に移動することにより、破線の矢印83にて示すように、描画位置が(+Y)方向に移動し、3番目の領域8への描画が行われる。
図11の例の場合、基板9に対して描画ヘッド41がY方向に1往復半移動することにより、描画が完了する。なお、既述のように、描画ヘッド41の数や領域8の幅は様々に変更されてよい。好ましくは、描画ヘッド41の数は2以上である。また、基板9に対して描画ヘッド41がY方向、すなわち、主走査方向に1回だけ移動することにより、描画が完了してもよいし、主走査方向に2回以上移動することにより、描画が完了してもよい。第1基板9ついて一般的に表現すれば、変調された光を描画ヘッド41から第1基板9に向けて出射しつつ、描画ヘッド41を第1ステージ21a(第1基板保持部)に対して相対的に移動することにより、当該第1基板9にパターンが描画される。第2基板9の場合についても第1ステージ21aが第2ステージ21b(第2基板保持部)に置き換えられる点を除いて同様である。
なお、描画が完了するまでの主走査方向の移動が奇数回の場合、描画が完了した時点の基板9の位置と搬出入位置とを近づけるために、描画ヘッド41に対して待機位置は搬出入位置とは反対側であることが好ましい。逆に、描画が完了するまでの主走査方向の移動が偶数回の場合、描画が完了した時点の基板9の位置と搬出入位置とを近づけるために、描画ヘッド41に対して待機位置と搬出入位置とは同じ側であることが好ましい。
最初の領域8への描画が開始される際に、ステップS14にて取得されたプリフォーカス情報が利用される。描画装置1では、非常に精密な描画が行われる。そのため、基板9の表面の描画位置の高さ方向の位置、すなわち、表面高さ位置と、描画ヘッド41からの光の像が形成される高さ方向の位置(以下、「像高さ位置」という。)との微小なずれも許容されない。描画が連続的に行われている間は、描画ヘッド41の第2測距センサ412は、表面高さ位置を測定し、測定結果に基づいて制御部10のフォーカス制御部113は描画ヘッド41のフォーカス変更部413を制御する。すなわち、描画ヘッド41内のフォーカスレンズを光軸に沿って微小に移動する。これにより、描画位置が基板9に平行に移動しても描画位置における表面高さ位置と像高さ位置とが正確に一致する。しかし、描画の開始時点では第2測距センサ412からの信頼性の高い情報が無いため、実際の表面高さ位置と制御前の像高さ位置とが大きくずれる可能性がある。特に、基板9に反りが存在する場合、基板9の端の方で、表面高さ位置と像高さ位置とが大きくずれることがある。像高さ位置の変更の速度には限りがあるため、表面高さ位置と像高さ位置とが大きくずれていると、表面高さ位置と像高さ位置とを合わせるには時間を要し、描画を開始してからしばらくの間、表面高さ位置と像高さ位置とを合わせることができないという問題が生じる。
そこで、描画装置1では、第1測距センサ5を設けることにより、描画開始前にプリフォーカス情報として、描画開始時の描画位置の基板9の表面の高さ方向の位置、すなわち、描画開始時の表面高さ位置を取得しておき、描画開始前に表面高さ位置と像高さ位置とを近づけておくことにより、描画開始直後からの速やかなオートフォーカス制御を実現している。正確には、第1測距センサ5の各センサ要素51にて得られたプリフォーカス情報、すなわち、各センサ要素51と基板9との間の距離が、対応する描画ヘッド41と基板9との間の距離に変換されることにより、描画開始時のオートフォーカス制御に利用される。変換による描画ヘッド41と基板9との間の距離の取得は、実質的に描画開始位置における表面高さ位置の取得と同等である。また、1つの領域8の描画が完了して次の領域8の描画が開始される際の表面高さ位置は、前の領域8の描画終了時に第2測距センサ412から得られた表面高さ位置を用いることができる。
第1測距センサ5を設けることにより、描画開始前に描画ヘッド41の第2測距センサ412を用いて描画開始位置における表面高さ位置を測定する動作が不要となる。仮に、第1測距センサ5が設けられない場合、描画開始前に描画ヘッド41を基板9に対して主走査方向に一定距離走査し、第2測距センサ412からの出力を用いて描画開始位置における表面高さ位置を取得する必要がある。これに対し、描画装置1では、第1測距センサ5からの情報を利用して、描画ヘッド41を描画開始位置に位置させた直後から描画を開始することができ、描画装置1のスループットを向上することができる。
描画装置1では、図4Bに示すように、第1ステージ21a上の第1基板9への描画(ステップS16)と並行して、搬出入位置に位置する第2ステージ21bから、描画済みの第2基板9が搬出され、新たな第2基板9が第2ステージ21b上に搬入されて保持される(ステップS21,S22)。続いて、第2移動機構22bにより第2ステージ21bが(+Y)方向へと移動され、ステップS13,S14と同様に、撮像制御部111の制御により、第2基板9のアライメント情報が取得され、これとほぼ並行してプリフォーカス情報が取得される(ステップS23,S24)。これらの動作は、第1基板9に対する上記説明において、第1基板9を第2基板9に、第1ステージ21aを第2ステージ21bに、第1移動機構22aを第2移動機構22bに、第1撮像位置を第2撮像位置に置き換えたものと同様である。
すなわち、撮像制御部111の制御により、図9に示すように第2基板9が処理位置に移動し、第2基板9が(+Y)方向に移動されつつアライメントマークがアライメントカメラ31の下方に位置した瞬間に撮像が行われ、位置検出部112により第2基板9のアライメント情報が取得される(ステップS23)。そして、第2基板9用の描画データの補正(すなわち、アライメント処理)が行われる。
第2基板9の(-Y)側の部位が第1測距センサ5の下方を通過する際には、第2ステージ21b側の6個のセンサ要素51からの出力が記憶部115に記録される。各センサ要素51にて取得された情報から得られた第2基板9の上面91の高さ方向の位置の多数の値(表面高さ位置)から、フォーカス制御部113は最頻値をプリフォーカス情報として求める(ステップS24)。プリフォーカス情報は、描画開始時の対応する描画位置における第2基板9の上面91の高さ方向の位置(表面高さ位置)を示す。
第1ステージ21a(第1基板保持部)に保持された第1基板9にパターンが描画される間に、第2基板9からのアライメント情報およびプリフォーカス情報の取得が完了すると、第2移動機構22bにより第2ステージ21bがさらに(+Y)方向へと移動され、図10に示すように待機位置に位置する(ステップS25)。図10に示す状態では、第1基板9に対する描画が行われている。第2ステージ21bは、第1基板9に対する描画が終了するまで、待機位置にて待機する。
第1基板9に対する描画が終了すると、描画ヘッド41は第2描画位置に移動し、アライメントカメラ31は第1撮像位置に移動する。そして、図4Aを参照して説明したように、第2基板9への描画が開始され(ステップS26)、第2基板9への描画中に第1基板9の搬出および次の第1基板9の搬入(ステップS11,S12)、並びに、第1基板9に関するアライメント情報およびプリフォーカス情報の取得(ステップS13,S14)が行われ、第1基板9が待機位置に位置する(ステップS15)。
第2基板9への描画の開始時においても、第1測距センサ5によりステップS24にて取得されたプリフォーカス情報を利用して、速やかにオートフォーカス制御の開始が実現される。この動作は、第1基板9の場合と同様である。第1測距センサ5を設けることにより、描画開始前に描画ヘッド41の第2測距センサ412を用いて描画開始位置における表面高さ位置を測定する動作が不要となる。その結果、描画ヘッド41を第2描画位置に位置させた直後から描画を開始することができ、描画装置1のスループットを向上することができる。
図12は、描画装置1の撮像部3および第1測距センサ5に関連する構造の他の例を示す平面図である。図12は、第1ガントリー部72に設けられる構造を示し、描画装置1の他の構造は図1と同様である。
図12の第1ガントリー部72の梁部には、X方向に延びるカメラ位置切替部32が設けられる。カメラ位置切替部32は、カメラベース33を矢印34にて示すようにX方向に移動する。カメラベース33には2つのアライメントカメラ31が設けられる。一方のアライメントカメラ31はカメラ位置調整部35を介してカメラベース33に取り付けられる。カメラ位置調整部35は、アライメントカメラ31をカメラベース33に対してX方向に相対的に移動する。カメラ位置調整部35には様々な機構が採用されてよく、例えば、リニアサーボモータやボールネジにモータが取り付けられたものが用いられる。
カメラ位置調整部35により、2つのアライメントカメラ31の間隔が変更される。また、カメラ位置切替部32により、2つのアライメントカメラ31の位置は、第1ステージ21aおよび第1基板9と対向する(正確には、第1移動機構22aと対向する)第1撮像位置と、第2ステージ21bおよび第2基板9と対向する(正確には、第2移動機構22bと対向する)第2撮像位置とに間で切り替えられる。なお、図1の説明では簡略化したが、カメラベース33およびカメラ位置調整部35は、図1の描画装置1においても設けられる。カメラベース33は、カメラ位置切替部32の一部と捉えられてもよい。アライメントカメラ31の数が1つの場合、カメラ位置調整部35は設けられない。アライメントカメラ31が3以上の場合は、1つのアライメントカメラ31を除いた他のアライメントカメラ31の全てに個別にカメラ位置調整部35が設けられてもよい。なお、アライメントカメラ31の数が2以上であっても、全てのアライメントカメラ31の位置がカメラベース33に対して固定されてもよい。
図12では、図1の場合と異なり、第1測距センサ5がカメラベース33に固定される。図12の例では、第1測距センサ5の6個のセンサ要素51がカメラベース33に固定される。好ましくは、センサ要素51のX方向の間隔、すなわち、X方向のピッチは、描画ヘッド41のX方向のピッチと同じである。もちろん、センサ要素51のX方向のピッチは、描画ヘッド41のX方向のピッチと異なってもよい。センサ要素51の数は、好ましくは描画ヘッド41の数と同じであるが、異なってもよい。センサ要素51の数は、好ましくは2以上であるが、1でもよい。
図12に示す構造を有する描画装置1の動作は、第1測距センサ5がアライメントカメラ31と共にX方向に移動するという点を除いて、図4Aおよび図4Bを参照して説明した動作を同様である。すなわち、第2基板9にパターンが描画されている間に(ステップS26)、第1基板9の搬出および搬入が行われ(ステップS11,S12)、アライメント情報およびプリフォーカス情報の取得が行われ(ステップS13,S14)、第2基板9へのパターンの描画が完了するまで第1基板9は待機位置で待機する(ステップS15)。そして、第2基板9へのパターンの描画が完了すると、描画ヘッド41は第2描画位置から第1描画位置へと移動し、これと同時にアライメントカメラ31が第1撮像位置から第2撮像位置へと移動する。これにより、第1測距センサ5も第1移動機構22aと対向する位置(測定時に、第1ステージ21aおよび第1基板9と対向する位置)から第2移動機構22bと対向する位置(測定時に、第2ステージ21bおよび第2基板9と対向する位置)へと移動する。
その後、第1基板9にパターンが描画されている間に(ステップS16)、第2基板9の搬出および搬入が行われ(ステップS21,S22)、アライメント情報およびプリフォーカス情報の取得が行われ(ステップS23,S24)、第1基板9へのパターンの描画が完了するまで第2基板9は待機位置で待機する(ステップS25)。第1基板9へのパターンの描画が完了すると、描画ヘッド41は第1描画位置から第2描画位置へと移動し、これと同時にアライメントカメラ31が第2撮像位置から第1撮像位置へと移動する。これにより、第1測距センサ5も第2移動機構22bと対向する位置から第1移動機構22aと対向する位置へと移動する。第1基板9および第2基板9への描画が開始される際には、既述のように、事前に取得されたプリフォーカス情報が利用される。これにより、描画装置1におけるスループットを向上することができる。
図1や図12に示す第1測距センサ5(第1測距センサ5が複数のセンサ要素51を含む場合は各センサ要素51(以下同様))は、拡散反射方式のセンサには限定されない。例えば、正反射方式や他の方式が可能な範囲内で採用されてもよい。拡散反射方式のセンサは、安価に入手できる一方で、測定に用いる光の測定対象に対する透過率が高い場合に、透過率が低い場合と同等に測定を行うことができないという短所を有する。そこで、測定に用いる光の測定対象に対する透過率が高い場合には、図13に示すように、描画装置1のフォーカス制御部113には、第1測距センサ5により取得された第1測距センサ5(の各センサ要素51)から基板9上の測定位置までの距離を補正する補正部12が設けられる。すなわち、測定される表面高さ位置が補正される。上記実施の形態の場合は、補正部12は、プリフォーカス情報を補正する。なお、図13ではフォーカス制御部113および第1測距センサ5のみを示し、他の構成要素の図示は省略している。
補正は、第1測距センサ5から出射される光の波長に対する基板9の表面およびその近傍を形成する材料の透過率が50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上の場合に行われることが好ましい。基板9の表面およびその近傍を形成するこのような材料は、レジスト膜が形成された青板ガラスまたはレジスト膜が形成されたドライフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート)である。レジスト膜の上にさらに保護膜が存在してもよい。もちろん、補正が必要な材料は、これらの材料には限定されない。第1測距センサ5から出射される光の波長は、基板9の上面91を形成する感光材料に影響を与えない波長であればよい。好ましくは、波長600nm以上の可視光または赤外光である。例えば、波長は660nmである。
補正部12による補正が必要な場合は、例えば、予め校正作業により第1測距センサ5からの出力と距離との関係を示す関数(あるいは、出力と表面高さ位置との関係を示す関数)を求めておき、補正部12は、この関数に第1測距センサ5からの出力を当てはめることにより第1測距センサ5と基板9との間の距離を求める。関数は好ましくは1次関数である。補正部12を設けることにより、測定に用いる光に対して基板9の表面を形成する材料が透過性を有する場合であっても、拡散方式のセンサを第1測距センサ5として利用することができる。
上述の描画装置1では、様々な変更が可能である。
描画ヘッド41は、2次元に空間変調された光を出射するものには限定されず、主走査方向と交差する方向に延びる線状であって1次元に空間変調された光を出射するものであってもよい。さらには、描画ヘッド41は、スポット状の光を出射し、この光を主走査と交差する方向に走査しつつ変調してもよい。描画ヘッド41として、変調された光を出射する様々な形態のものが採用可能である。
基板9を保持する基板保持部は、第1ステージ21aや第2ステージ21bといったステージ状のものには限定されない。第1基板9を保持する第1基板保持部および第2基板9を保持する第2基板保持部としては様々な形態のものが採用可能である。例えば、第1基板保持部および第2基板保持部は、基板9の外縁部を爪状のもので保持してもよく、基板9の下面の中央を吸着保持してもよい。
移動機構2は、上記実施の形態にて示したものには限定されない。移動機構2は、描画ヘッド41から出射される光により第1基板保持部に保持された第1基板9にパターンが描画される間、描画ヘッド41を第1基板保持部に対して相対的に移動し、描画ヘッド41から出射される光により第2基板保持部に保持された第2基板9にパターンが描画される間、描画ヘッド41を第2基板保持部に対して相対的に移動する。ここで、第1基板9への描画時の第1基板9の移動と、第2基板9に対する測定時の第2基板9の移動とは独立して行われることが好ましいことから、移動機構2は、好ましくは、描画ヘッド41および第1測距センサ5に対して第1基板9を相対的に水平に移動する第1基板移動機構(上述の第1移動機構22aとは異なり、広い定義である。)と、第1基板移動機構から独立して描画ヘッド41および第1測距センサ5に対して第2基板9を相対的に水平に移動する第2基板移動機構(上述の第2移動機構22bとは異なり、広い定義である。)とを含む。
さらに、描画中は、描画ヘッド41の位置をできるだけ固定して描画ヘッド41と第1基板9および第2基板9との間の位置ずれを最小限に抑えることが好ましいことから、第1基板移動機構は、図1に示すように、第1基板9を主走査方向に直進させる第1移動機構22aを含むことが好ましく、第2基板移動機構も第2基板9を主走査方向に直進させる第2移動機構22bを含むことが好ましい。
図1の例では、基板9の位置を「搬出入位置」、「処理位置」および「待機位置」のいずれかとして説明したが、例えば、「搬出入位置」と「待機位置」とが同じ位置であってもよい。さらに、基板9の搬出入を行うロボットの構造によっては、「搬出入位置」と「処理位置」とが重なってもよい。この場合、基板9は、描画時の移動範囲内でのみ移動するのみでもよい。
図1の例では、描画ヘッド41をX方向に移動させる描画ヘッド移動機構42により、描画ヘッド41が第1基板保持部と対向する位置と、第2基板保持部と対向する位置との間で切り替えられる。したがって、移動機構2は、概念的には、描画ヘッド41を第1基板保持部と対向する位置と第2基板保持部と対向する位置との間で切り替えるヘッド位置切替部を含む。ヘッド位置切替部は、描画時に描画ヘッドをX方向に移動する機構と分離して設けられてもよい。したがって、移動機構2は、第1基板移動機構、第2基板移動機構およびヘッド位置切替部を含む。
第1測距センサ5は、第2基板保持部に保持された第2基板9にパターンが描画される間に、第1基板保持部に保持された第1基板9と対向して第1基板9上の測定位置との間の距離を取得し、さらに、第1基板保持部に保持された第1基板9にパターンが描画される間に、第2基板保持部に保持された第2基板9と対向して第2基板9上の測定位置との間の距離を取得する。この動作を実現するために、図1では、第1測距センサ5が、第1基板保持部の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素51と、第2基板保持部の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素51とを含む。ここで、「絶対位置」とは、描画装置1のフレーム7が設置される空間(すなわち、部屋)に対する位置を指す。なお、センサ要素51の絶対位置は、センサ要素51がガントリー部74以外の部位に固定されることにより実現されてもよい。
センサ要素51の絶対位置を固定することにより、センサ要素51にて取得された距離の誤差を小さく抑えることができ、オートフォーカス制御に容易に利用することができる。センサ要素51の絶対位置を固定する場合、図12の場合よりもセンサ要素51の数は多くなるが、センサ要素51は安価なセンサであるため、装置製造コストは大幅に増大することはない。
第1基板保持部(図1の場合、第1ステージ21a)の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素51の数は1でもよく、2以上であってもよい。第2基板保持部(図1の場合、第2ステージ21b)の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素51の数は1でもよく、2以上であってもよい。図1の例の場合、センサ要素51の最小数は2である。
1つの基板9に同時に対向するセンサ要素51の数が2以上の場合は、第1測距センサ5が、第1測距センサ5と基板9上の測定位置との間の距離を取得することは、各センサ要素51と基板9上の対応する測定位置との間の距離を取得することを意味する。1つの基板9に対向するセンサ要素51の数が1の場合は、第1測距センサ5が、第1測距センサ5と基板9上の測定位置との間の距離を取得することは、1つのセンサ要素51と基板9上の対応する測定位置との間の距離を取得することを意味する。
図12の例の場合、第1ステージ21aである第1基板保持部および第2ステージ21bである第2基板保持部に対する第1測距センサ5の相対位置は、カメラ位置切替部32により、第1基板保持部に保持された第1基板9と対向する位置と第2基板保持部に保持された第2基板9と対向する位置との間でアライメントカメラ31と共に切り替えられる。この場合、第1測距センサ5のセンサ要素51の数の最小値は1である。なお、第1測距センサ5は、アライメントカメラ31と共に移動するのであれば、カメラベース33以外の部位に固定されてもよい。カメラ位置切替部32は、第1基板保持部および第2基板保持部に対するアライメントカメラ31の相対位置を、第1基板保持部に保持された第1基板9と対向する位置と、第2基板保持部に保持された第2基板9と対向する位置との間で切り替えるものであれば、様々な構造が採用されてよい。
上記描画装置1では、フォーカス制御部113は、第1測距センサ5にて取得されたプリフォーカス情報を利用することにより、描画ヘッド41のフォーカス位置(像高さ位置)を基板9の表面の位置(表面高さ位置)に近づけておき、描画ヘッド41が第1または第2描画位置に配置されると直ぐにオートフォーカス制御を行いつつパターンの描画を開始することを実現している。しかし、第1測距センサ5にて取得される情報は、上記のように取得されるプリフォーカス情報には限定されない。
例えば、上記実施の形態では、最初の主走査を開始する位置における表面高さ位置を取得しているが、(+Y)方向および(-Y)方向の全ての主走査を開始する位置における表面高さ位置が取得されてもよい。さらには、全ての主走査の全長における表面高さ位置の変動を第1測距センサ5にて取得しておき、この情報を第2測距センサ412を利用しつつパターンを描画する際に利用してもよい。例えば、各主走査において第2測距センサ412を利用するオートフォーカス制御がエラーになりそうな位置を第1測距センサ5にて検出しておき、描画の際の制御エラーの防止に利用してもよい。いずれの場合であっても、第1測距センサ5による測定は、上記ステップS14,S24にて行われる。以上のように、フォーカス制御部113は、パターンの描画前に第1測距センサ5により基板9から取得された情報と、当該基板9にパターンを描画中に第2測距センサ412から取得される情報とを様々な態様して利用しつつフォーカス変更部413を制御してよい。
フォーカス制御部113が第1測距センサ5からの情報と第2測距センサ412からの情報とを利用することにより、一方の基板保持部に保持された基板9にパターンを描画中に、他方の基板保持部に保持された基板9から第1測距センサ5による情報を取得しておき、当該他方の基板保持部に保持された基板にパターンの描画を行う際に第1測距センサにより取得された情報を利用することにより、パターンを描画する際のフォーカス制御を効率よく行うことができ、スループットを向上することができる。
上記実施の形態では、描画開始位置近傍を第1測距センサ5にて測定を行い、プリフォーカス情報としてセンサ要素51と基板9との間の距離の最頻値が取得されるが、プリフォーカス情報は距離の平均値や中央値であってもよい。これらの情報であっても、描画ヘッド41が、第1基板保持部または第2基板保持部に保持された基板9にパターンの描画を開始する前に、フォーカス制御部113が、第1測距センサ5により取得された情報を用いて、描画ヘッド41から出射される光のフォーカス位置(像高さ位置)を描画開始時の基板9の表面高さ位置に近づけることができる。
図1の例の場合、好ましくは、第1測距センサ5のセンサ要素51の数は、描画ヘッド41の数の2倍である。これにより、各描画ヘッド41が描画を開始する位置における描画ヘッド41と基板9との間の距離を取得することができる。図12の例の場合、好ましくは、第1測距センサ5のセンサ要素51の数は、描画ヘッド41の数と同じである。しかし、第1測距センサ5のセンサ要素51の数は上記例には限定されない。センサ要素51の測定位置が、描画ヘッド41の描画開始位置と一致しない場合であっても、複数のセンサ要素51の測定値を、例えば線形補間することにより、各描画ヘッド41の描画開始位置における描画ヘッド41と基板9との間の距離(あるいは、表面高さ位置)を取得することができる。
描画装置1では、第1搬送機構2aは、第1基板保持部(第1ステージ21a)をX方向に移動する移動機構、Z方向に延びる回転軸を中心として第1基板保持部を回転する回転機構、および、第1基板保持部をZ方向に移動する昇降機構のうち、1つ以上をさらに備えていてもよい。当該移動機構および昇降機構として、例えば、リニアサーボモータが利用可能である。また、当該回転機構として、例えば、サーボモータが利用可能である。当該移動機構、回転機構および昇降機構の構造は、様々に変更されてよい。第2搬送機構2bについても第1搬送機構2aと同様である。
描画装置1では、基板保持部の数は3以上でもよい。この場合、同一の基板9への描画時に同時に利用される1以上の描画ヘッド41(以下、「描画ヘッド群」という。)の数は基板保持部の数未満(かつ、1以上)であり、同一の基板9に対する撮像時に同時に利用される1以上のアライメントカメラ31(以下、「カメラ群」という。)の数も基板保持部の数未満(かつ、1以上)であり、第1測距センサ5(すなわち、同一の基板9に対する測定時に同時に利用される1以上のセンサ要素51)の数も基板保持部の数未満(かつ、1以上)であることが好ましい。各基板保持部で実行される処理は、上記第1基板保持部および第2基板保持部に関して行われる処理を同様である。
上記構成により、基板保持部の数よりも少ない数の描画ヘッド群、基板保持部の数よりも少ない数のカメラ群および基板保持部の数よりも少ない数の第1測距センサ5により、いずれかの基板9に描画を行っている間に、他の基板9のアライメント情報および第1測距センサ5からの情報の取得が可能となり、スループットを向上することができる。一般的に、パターンの描画動作に時間を要することから、描画ヘッド群の数は基板保持部の数よりも1だけ少ないことが好ましい。
上述の基板9は、必ずしもプリント回路基板には限定されない。描画装置1では、例えば、半導体基板、液晶表示装置や有機EL表示装置等のフラットパネル表示装置用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、太陽電池パネル用の基板等に描画が行われてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 描画装置
2 移動機構
5 第1測距センサ
9 基板(第1基板、第2基板)
12 補正部
21a 第1ステージ(第1基板保持部)
21b 第2ステージ(第2基板保持部)
31 アライメントカメラ
32 カメラ位置切替部
41 描画ヘッド
51 センサ要素
113 フォーカス制御部
412 第2測距センサ
413 フォーカス変更部
S11~S16,S21~S26 ステップ

Claims (8)

  1. 基板に光を照射することにより、前記基板にパターンを描画する描画装置であって、
    変調された光を出射する描画ヘッドと、
    第1基板を保持する第1基板保持部と、
    第2基板を保持する第2基板保持部と、
    前記描画ヘッドから出射される光により前記第1基板保持部に保持された第1基板にパターンが描画される間、前記描画ヘッドを前記第1基板保持部に対して相対的に移動し、前記描画ヘッドから出射される光により前記第2基板保持部に保持された第2基板にパターンが描画される間、前記描画ヘッドを前記第2基板保持部に対して相対的に移動する移動機構と、
    前記第2基板保持部に保持された第2基板にパターンが描画される間に、前記第1基板保持部に保持された第1基板と対向して前記第1基板上の測定位置との間の距離を取得し、前記第1基板保持部に保持された第1基板にパターンが描画される間に、前記第2基板保持部に保持された第2基板と対向して前記第2基板上の測定位置との間の距離を取得する第1測距センサと、
    パターンの描画中に前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を前記パターンが描画される基板の表面の高さ方向の位置に合わせる制御を行うフォーカス制御部と、
    を備え、
    前記描画ヘッドが、
    パターンの描画を行っている基板上の測定位置との間の距離を取得する第2測距センサと、
    前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を変更するフォーカス変更部と、
    を含み、
    前記フォーカス制御部が、パターンの描画前に前記第1測距センサにより基板から取得された情報と、前記基板に前記パターンを描画中に前記第2測距センサから取得される情報とを用いて前記フォーカス変更部を制御することを特徴とする描画装置。
  2. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記第1測距センサの測定精度が、前記第2測距センサの測定精度よりも低いことを特徴とする描画装置。
  3. 請求項1または2に記載の描画装置であって、
    前記描画ヘッドが、前記第1基板保持部または前記第2基板保持部に保持された基板にパターンの描画を開始する前に、前記フォーカス制御部が、前記第1測距センサにより取得された情報を用いて、前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を描画開始時の前記基板の表面の高さ方向の位置に近づけることを特徴とする描画装置。
  4. 請求項3に記載の描画装置であって、
    前記第1測距センサが、前記第1基板保持部または前記第2基板保持部に保持された基板上の描画開始位置近傍の複数の位置に測定位置を位置させつつ前記複数の位置までの複数の距離を取得し、前記フォーカス制御部が、前記複数の距離のうち、最も頻度が高い距離を前記第1測距センサと前記基板との間の距離として利用することを特徴とする描画装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の描画装置であって、
    前記第1測距センサが、前記第1基板保持部の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素と、前記第2基板保持部の上方において絶対位置が固定されたセンサ要素と、を含むことを特徴とする描画装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の描画装置であって、
    前記第2基板保持部に保持された第2基板にパターンが描画される間に、前記第1基板保持部に保持された第1基板と対向して前記第1基板上のアライメントマークを撮像し、前記第1基板保持部に保持された第1基板にパターンが描画される間に、前記第2基板保持部に保持された第2基板と対向して前記第2基板上のアライメントマークを撮像するアライメントカメラと、
    前記第1基板保持部および前記第2基板保持部に対する前記アライメントカメラの相対位置を、前記第1基板保持部に保持された第1基板と対向する位置と、前記第2基板保持部に保持された第2基板と対向する位置との間で切り替えるカメラ位置切替部と、
    をさらに備え、
    前記第1基板保持部および前記第2基板保持部に対する前記第1測距センサの相対位置が、前記カメラ位置切替部により、前記第1基板と対向する位置と前記第2基板と対向する位置との間で前記アライメントカメラと共に切り替えられることを特徴とする描画装置。
  7. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記第1測距センサは、拡散反射方式であり、
    前記フォーカス制御部が、前記第1測距センサにより取得された前記第1測距センサから基板上の測定位置までの距離を補正する補正部、を含み、
    前記補正部が、基板の表面およびその近傍を形成する材料に応じて前記距離を補正することを特徴とする描画装置。
  8. 基板に光を照射することにより、前記基板にパターンを描画する描画方法であって、
    a)第1基板保持部により第1基板を保持する工程と、
    b)前記第1基板に対向する第1測距センサにより、前記第1測距センサと前記第1基板上の測定位置との間の距離を取得する工程と、
    c)変調された光を描画ヘッドから前記第1基板に向けて出射しつつ、前記描画ヘッドを前記第1基板保持部に対して相対的に移動することにより、前記第1基板にパターンを描画する工程と、
    d)前記c)工程が行われている間に、第2基板保持部により第2基板を保持する工程と、
    e)前記c)工程が行われている間に、前記第2基板と対向する前記第1測距センサにより、前記第1測距センサと前記第2基板上の測定位置との間の距離を取得する工程と、
    f)前記c)工程および前記e)工程よりも後に、変調された光を前記描画ヘッドから前記第2基板に向けて出射しつつ、前記描画ヘッドを前記第2基板保持部に対して相対的に移動することにより、前記第2基板にパターンを描画する工程と、
    g)前記a)ないしf)工程を繰り返す工程と、
    を備え、
    前記f)工程が行われている間に、次の第1基板に対する前記a)およびb)工程が行われ、前記f)工程および前記次の第1基板に対する前記b)工程よりも後に、前記次の第1基板に対する前記c)工程が行われ、
    前記描画ヘッドが、パターンの描画を行っている基板上の測定位置との間の距離を取得する第2測距センサ、を含み、
    前記c)工程において、前記b)工程にて前記第1測距センサにより前記第1基板から取得された情報と、前記第1基板にパターンを描画中に前記第2測距センサから取得される情報とを用いて、前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を前記第1基板の表面の高さ方向の位置に合わせるフォーカス制御が行われ、
    前記f)工程において、前記e)工程にて前記第1測距センサにより前記第2基板から取得された情報と、前記第2基板にパターンを描画中に前記第2測距センサから取得される情報とを用いて、前記描画ヘッドから出射される光のフォーカス位置を前記第2基板の表面の高さ方向の位置に合わせるフォーカス制御が行われることを特徴とする描画方法。
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