JP6723546B2 - 情報処理プログラム及び情報処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像を解析して、生体情報の照合に用いられる照合情報を作成する情報処理プログラム及び情報処理装置に関する。
近年、スマートフォン及びノートパソコンのようなモバイル機器に搭載可能な、指紋認証装置が種々検討されている。例えば、特許文献1には、指紋画像を周波数スペクトル変換した情報を照合に用いる照合情報とすることで、指紋センサーに対する指の傾き等の外乱の影響を受けにくい個人識別装置が開示されている。
特許第3057590号公報
モバイル機器に搭載される指紋センサーの小型化に伴い、取得される指紋の画像は従来に比べ小さくなっている。ユーザは指紋の入力操作を行う場合、モバイル機器を所持した側の手の指を、モバイル機器に搭載された指紋センサーに接触させることが多い。この場合、ユーザは指を不自然な向きに移動させなければならないので、指紋の入力操作は不安定になりやすい。つまり、登録時とは位置及び角度が異なる条件で取得された画像が取得されやすい。したがって、従来に比べ画像の大きさが小さい場合であっても、生体情報の取得条件の影響を受けにくい照合情報を作成する技術が要求されている。
本発明の目的は、生体情報を表す画像の大きさが従来に比べ小さい場合であっても、生体情報の取得条件の影響を受けにくい照合情報を作成可能な情報処理プログラム及び情報処理装置を提供することである。
本発明の第一態様に係る情報処理プログラムは、プロセッサと、記憶機器とを備えたコンピュータに、画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップで取得された前記画像から基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である第一位置情報を取得する基準点決定ステップと、前記基準点決定ステップで決定された前記基準点の周囲となる部分の前記画像の色情報の特徴を示す方向である基準方向を決定する方向決定ステップと、前記基準点決定ステップで決定された前記基準点を中心とする半径が所定値の円の周上の複数の参照点であって、前記基準点と、前記基準方向とに基づき決定される点を開始点として、所定条件に従って順に取得される前記複数の参照点の各々について、前記参照点に対応する色情報と、前記参照点の前記画像上の位置に対応する情報である第二位置情報とを対応づけた情報であるサンプルを取得するサンプル取得ステップと、前記サンプル取得ステップで取得された複数の前記サンプルについての前記第二位置情報に対する前記色情報の変化の周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、周波数情報として算出する周波数情報算出ステップと、前記周波数情報算出ステップで取得された前記周波数情報と、前記第一位置情報と、前記基準方向とを対応付けた情報を、生体情報の照合に用いられる照合情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御ステップとを実行させる為の指示を含む。
第一態様の情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは画像中の基準点の周囲の色の変化を表す周波数情報を生成できる。参照点は、基準点との距離が所定値である。サンプルは、基準方向によって定まる順序で取得される。したがって、コンピュータは第一態様の情報処理プログラムに基づき照合情報を生成すれば、画像によって表される情報(例えば、指紋画像又は静脈画像によって表される生体情報)が基準に対して回転したり、移動したりした影響を相殺可能な照合情報を生成することができる。つまり情報処理プログラムが実行された場合、コンピュータは生体情報を表す画像の大きさが従来に比べ小さい場合であっても、生体情報の取得条件の影響を受けにくい照合情報を作成可能である。
第一態様の情報処理プログラムは、前記基準点決定ステップでは、前記画像取得ステップで取得された前記画像から複数の前記基準点が決定され、当該複数の基準点の各々について前記第一位置情報が取得され、前記サンプル取得ステップは、前記基準点決定ステップで決定された前記複数の基準点毎に、前記基準点と、前記基準方向とに基づき複数の開始点を設定し、前記複数の開始点毎に所定条件に従って順に取得された前記複数の参照点の各々について前記サンプルを取得し、前記周波数情報算出ステップでは、前記基準点決定ステップで決定された前記複数の基準点毎に、前記複数の開始点毎に所定条件に従って順に取得された前記第二位置情報に対する前記色情報の変化の前記周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、前記周波数情報として算出してもよい。
本態様の第一態様の情報処理プログラムを実行することにより、複数の基準点毎に、複数の開始点毎にサンプルを取得するので、コンピュータは、1つの基準点について開始点が1つである場合に比べ、基準方向の決定精度が比較的低い場合にも、照合で利用可能な照合情報を生成できる。
第一態様の情報処理プログラムは、前記コンピュータに、前記周波数情報算出ステップで算出された前記周波数情報の内、前記複数の開始点の内、前記基準点を通る線について対称な2つの開始点についての前記周波数情報を比較した値を非対称評価値として算出する評価値算出ステップを更に実行させる為の指示を含み、前記記憶制御ステップでは、前記周波数情報と、前記第一位置情報と、前記基準方向と、前記非対称評価値とを対応付けた情報を生体情報の照合に用いられる前記照合情報として前記記憶機器に記憶させてもよい。
第一態様の情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは非対対称評価値を取得できる。非対称評価値は、基準点の周囲の色情報の変化の傾向の目安として利用可能である。
第一態様の情報処理プログラムは、前記コンピュータを生体情報の照合に用いるテスト用の前記周波数情報の前記第一位置情報と、前記記憶機器に記憶された参照用の前記周波数情報の前記第一位置情報との対応である位置対応を決定する対応決定ステップと、前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト用の照合情報であるテスト情報と、前記参照用の照合情報である参照情報との類似度である情報類似度を算出する類似度算出ステップとを更に実行させる為の指示を含んでもよい。
第一態様の情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは画像によって表される情報が基準に対して回転したり、移動したりした影響を考慮して、テスト用の周波数情報と参照用の周波数情報とを比較し、両者の情報類似度を算出できる。つまり情報処理プログラムが実行された場合、コンピュータは生体情報を表す画像の大きさが従来に比べ小さい場合であっても、生体情報の取得条件の影響を受けにくい照合情報に基づき、適切に情報類似度を算出できる。
第一態様の情報処理プログラムは、前記コンピュータを生体情報の照合に用いるテスト用の前記照合情報の内、前記非対称評価値が第一閾値以上のものをテスト情報として選択するテスト情報選択ステップと、前記記憶機器に記憶された参照用の前記照合情報の内、前記非対称評価値が第二閾値以上のものを参照情報として選択する参照情報選択ステップと、前記テスト情報選択ステップで選択された前記テスト情報と、前記参照情報選択ステップで選択された前記参照情報とを比較して、生体情報の照合に用いる前記テスト情報の前記第一位置情報と、前記記憶機器に記憶された前記参照情報の前記第一位置情報との対応である位置対応を決定する対応決定ステップと、前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報との類似度である情報類似度を算出する類似度算出ステップとを更に実行させる為の指示を含んでもよい。
第一態様の情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、テスト情報選択ステップと参照情報選択ステップとを実行する為、すべてのテスト情報と、参照情報とに基づき情報類似度を算出する場合に比べ、情報類似度を算出するまでに要する処理時間を短縮できる。
第一態様の情報処理プログラムにおいて、前記類似度算出ステップでは、前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報とで対応する複数組の前記基準点毎に前記周波数情報を比較した比較値を順に算出し、算出された前記比較値の和を算出し、算出された前記和を底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果を、前記比較値の数で割った値を前記情報類似度として算出してもよい。
第一態様の情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、画像が比較的小さい場合であっても従来よりも、照合率の高い情報類似度を算出できる。コンピュータは重み係数を用いない場合よりも、照合率の高い情報類似度を算出できる。
第一態様の情報処理プログラムにおいて、前記類似度算出ステップでは、前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報とで対応する複数組の前記基準点毎に前記周波数情報を比較した比較値を順に算出し、前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報とで対応する複数組の前記基準点毎にテスト用の前記基準点の前記非対称評価値と、参照用の前記基準点の前記非対称評価値との積を算出し、前記複数組の基準点毎に算出された前記比較値に前記積を乗じた値を算出し、当該値の和である第一和と、前記積の和である第二和とを算出し、算出された前記第一和の底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果を、前記第二和で割った値を前記情報類似度として計算してもよい。
第一態様の情報処理プログラムを実行することにより、コンピュータは、画像が比較的小さい場合であっても従来よりも、照合率の高い情報類似度を算出できる。コンピュータは重み係数を用いない場合よりも、照合率の高い情報類似度を算出できる。コンピュータは非対称評価値を用いない場合よりも、照合率の高い情報類似度を算出できる。
本発明の第二態様に係る情報処理装置は、プロセッサと、記憶機器とを備えた装置であって、前記プロセッサは、前記記憶機器に記憶された指示に従って、画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップで取得された前記画像から基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である第一位置情報を取得する基準点決定ステップと、前記基準点決定ステップで決定された前記基準点の周囲となる部分の前記画像の色情報の特徴を示す方向である基準方向を決定する方向決定ステップと、前記基準点決定ステップで決定された前記基準点を中心とする半径が所定値の円の周上の複数の参照点であって、前記基準点と、前記基準方向とに基づき決定される点を開始点として、所定条件に従って順に取得される前記複数の参照点の各々について、前記参照点に対応する色情報と、前記参照点の前記画像上の位置に対応する情報である第二位置情報とを対応づけた情報であるサンプルを取得するサンプル取得ステップと、前記サンプル取得ステップで取得された複数の前記サンプルについての前記第二位置情報に対する前記色情報の変化の周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、周波数情報として算出する周波数情報算出ステップと、前記周波数情報算出ステップで取得された前記周波数情報と、前記第一位置情報と、前記基準方向とを対応付けた情報を、生体情報の照合に用いられる照合情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御ステップとを実行させる。第二態様の情報処理装置によれば、第一態様の情報処理プログラムと同様の作用効果を奏する。第三態様の非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は第一態様の情報処理プログラムを記憶する。
情報処理装置10のブロック図である。 情報処理装置10の機能ブロック図である。 取得処理のフローチャートである。 サンプル71、サンプルデータ72の取得手順の説明図である。 サンプルデータ82に基づく、第二位置情報に対する色情報の変化を表すグラフである。 サンプルデータ82について算出された周波数情報83を示す図である。 第一位置情報、基準方向、周波数情報を含む照合情報84の説明図である。 生体情報取得装置8から取得された参照用の生体情報を表す画像である。 照合情報処理のフローチャートである。 図9の照合情報処理で実行される画像解析処理のフローチャートである。 サンプル71、サンプルデータ72、及びサンプル情報73の取得手順の説明図である。 サンプル画像42と周波数情報を表す周波数画像43との説明図である。 非対称評価値の算出過程の説明図である。 照合情報84を示す図である。 生体情報取得装置8から取得されたテスト用の生体情報を表す画像である。 サンプル画像62と周波数情報を表す周波数画像63との説明図である。 図9の照合情報処理で実行される照合処理のフローチャートである。 図17の照合処理で実行される位置合わせ処理のフローチャートである。 第一比較値D1と、第二比較値D2とを算出する過程の説明図である。 リスト85の説明図である。 図17の照合処理で実行されるスコア算出処理のフローチャートである。 図21のスコア算出処理で実行されるWsum算出処理のフローチャートである。 Wsum算出処理で実行される処理の説明図である。 第二実施形態の照合処理で実行されるスコア算出処理のフローチャートである。 図24のスコア算出処理で実行されるSC算出処理のフローチャートである。 検証に用いた画像の説明図である。 検証結果を示すグラフである。 検証結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の実施形態において例示した具体的な複数の数値は一例であり、本発明はこれらの複数の数値に限定されない。以下の説明では、画像データを単に「画像」という。
図1を参照して、情報処理装置10について説明する。情報処理装置10は、生体情報から照合に用いる照合情報を生成する機能を備えた電子機器である。生体情報は、例えば、顔画像、指紋、静脈、及び虹彩のような、画像で取得可能な種々の生体情報から選択される。本例の生体情報は指紋である。本例の情報処理装置10は、周知のスマートフォンである。情報処理装置10は、指紋を撮影した画像を解析して、指紋を用いた照合に必要な参照用の照合情報を生成し、情報処理装置10のフラッシュメモリ4に記憶されたデータベース(DB)28に記憶する機能を備える。情報処理装置10は、指紋を撮影した画像を解析して、指紋を用いた照合に必要なテスト用の照合情報を生成し、生成されたテスト用の照合情報と、DB28に記憶された参照用の照合情報との対応を決定する機能を備える。
図1に示すように、情報処理装置10は、CPU1、ROM2、RAM3、フラッシュメモリ4、通信I/F5、表示部6、タッチパネル7、及び生体情報取得装置8を備える。CPU1は、情報処理装置10の制御を行うプロセッサである。CPU1は、ROM2、RAM3、フラッシュメモリ4、通信I/F5、表示部6、タッチパネル7、及び生体情報取得装置8と電気的に接続する。ROM2は、BIOS、ブートプログラム、及び初期設定値を記憶する。RAM3は、種々の一時データを記憶する。フラッシュメモリ4は、CPU1が情報処理装置10を制御する為に実行するプログラム、OS(Operating System)、及びDB28を記憶する。通信I/F5は、外部の機器と通信を実行する為のコントローラである。表示部6は、液晶ディスプレイである。タッチパネル7は、表示部6の表面に設けられる。生体情報取得装置8は、生体情報を撮影した画像を取得する。本例の生体情報取得装置8は、静電容量方式のエリア型センサーである。詳細には、生体情報取得装置8は、マトリクス状の表面電極の電荷量から指紋の凹凸を判定するセンサーであり、1ピクセル毎に色情報を256階調の諧調値で表す。色情報は、色を表す情報である。解像度は、例えば、508dpi(dots per inch)である。
図2及び図3を参照して、情報処理装置10の機能の概要について説明する。情報処理装置10は、生体情報取得装置8、画像取得部21、基準点決定部22、方向決定部23、サンプル取得部24、周波数情報算出部25、登録部26、照合部27、及びDB28を有し、それぞれの機能ブロックに対応する処理を、CPU1(図1参照)によって実行する。
生体情報取得装置8は、画像取得部21に画像を出力する。画像取得部21は、生体情報取得装置8から出力された画像を取得する(S1)。基準点決定部22は、S1の処理で取得された画像から基準点を決定し、基準点の画像上の位置に対応する情報である第一位置情報を取得する(S2)。基準点は、所定条件に従って決定された画像上の点である。本例の基準点は、画像上の特定の配置の点である。基準点の画像上の位置は、画像座標系の二次元座標で表される。本例の画像座標系の二次元座標は、画像中のピクセルの位置に基づき、ピクセル単位で設定される座標であるとする。画像座標系の二次元座標については後述する。
方向決定部23はS2の処理で決定された基準点の周囲となる部分の画像の色情報の特徴を示す方向である基準方向を決定する(S3)。基準方向は、基準点の周囲となる部分の画像の色情報の特徴を示す方向であればよく、例えば基準点を中心とした所定範囲内の色情報の二次元フーリエ変換等によって算出される値である。
サンプル取得部24は、サンプルを取得する(S4)。サンプルは、参照点に対応する色情報と、参照点の画像上の位置に対応する情報である第二位置情報とを対応づけた情報である。参照点は、S2で決定された基準点を中心とする半径が所定値の円の周上の点である。S4では基準点と、基準方向とに基づき決定される点を開始点として、所定条件に従って順に取得される複数の参照点の各々について、サンプルが取得される。
サンプルは、例えば、以下の手順で取得される。説明を簡単にする為に、1つの基準点Pに対して設定される開始点Qが1個であり、参照点Rが128個である場合を説明する。図4に示すように、サンプル取得部24は基準点決定部22によって決定された基準点Pとの距離が所定値且つ基準点に対して方向決定部23によって決定された基準方向Lにある点を開始点Qとして決定する。サンプル取得部24は所定条件に従って所定個の参照点を取得する。例えば、サンプル取得部24は所定条件に従って、基準点Pを中心とする半径が所定値の円の周上に、開始点Qを基準として時計回りに等間隔で128個の参照点Rm(mは1から128の整数)を順に設定する。参照点Rmがサブピクセル単位の座標を持つ場合、周知のバイリニア補間又はバイキュービック補間を用いて色情報が取得される。サンプル取得部24は、参照点Rmに対応する色情報Cmと、第二位置情報とを対応づけたサンプル71を取得する。サンプル71は基準点の画像上の位置を示す第一位置情報と対応付けられる。第一位置情報は、画像上の基準点の位置を規定する情報であればよく、例えば、絶対座標(例えば、画像座標系の座標)、相対座標、及び取得順序などでもよい。本例の第一位置情報は、画像座標系の座標で表される。第二位置情報は、基準点に対する参照点の位置を規定する情報であればよく、例えば、絶対座標(例えば、画像座標系の座標)、相対座標、及び基準に対する角度などでもよい。参照点の取得順序が、基準となる点(例えば開始点)に対して決められている場合には、第二位置情報は参照点の取得順序でもよい。本例では、参照点の取得順序が、第二位置情報として取得される。参照点R1からR128の取得順序は各々1から128である。複数のサンプル71は、互いに位置が異なる複数の参照点Rmのそれぞれについて取得されたサンプルである。サンプル取得部24は、1つの開始点Qについて取得された複数のサンプル71を、第一位置情報と対応付けた情報をサンプルデータ72とする。
周波数情報算出部25は、サンプル取得部24から取得された複数のサンプル(サンプルデータ)についての第二位置情報に対する色情報の変化の周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、周波数情報として算出する(S5)。周波数成分は例えば、公知のLPCスペクトル、LPCケプストラム、群遅延スペクトル等である。周波数成分は、例えば、群遅延スペクトル(GDS)であり、パワー伝達関数における位相スペクトルの周波数微分として定義されるものである。図5及び図6に示すように、サンプルデータ82に基づき算出されるGDS83は、サンプルデータ82の周波数スペクトルの個々のピークを分離し強調する。GDSの配列の要素数は位相スペクトルの要素数から1を減じたものとなる。具体的にはCPU1は、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、LPC係数に重みづけしたものを高速フーリエ変換して得られたパワースペクトルの位相微分をとることによりGDSを算出し、算出されたGDSを周波数情報とする。
登録部26は、S5で取得された周波数情報と、第一位置情報と、基準方向とを対応付けた情報を、生体情報の照合に用いられる照合情報としてDB28に記憶させる(S6)。登録部26は、例えば、図7に示す照合情報84をDB28に記憶させる。
図3のS1の処理は本発明の画像取得ステップの一例である。S2の処理は本発明の基準点決定ステップの一例である。S3の処理は本発明の方向決定ステップの一例である。S4の処理は本発明のサンプル取得ステップに相当する。S5の処理は本発明の周波数情報算出ステップの一例である。S6の処理は本発明の記憶制御ステップの一例である。
1.登録時の処理
図8から図23を参照して、情報処理装置10で実行される第一実施形態の照合情報処理について、図8に例示する画像41に基づく照合情報をDB28に登録する場合を例に説明する。照合情報処理は、ユーザが開始指示を入力した場合に開始される。開始指示には、画像から取得された照合情報を参照用の照合情報としてDB28に登録するのか、それとも、画像から取得された照合情報をテスト用の照合情報とし、テスト用の照合情報とDB28に登録された参照用の照合情報との類似度を算出するのかに関する指示を含む。情報処理装置10のCPU1は、照合情報処理の開始指示の入力を検知すると、フラッシュメモリ4に記憶された照合情報処理を実行する為の情報処理プログラムをRAM3に読み出し、情報処理プログラムに含まれる指示に従って、以下に説明する各ステップの処理を実行する。本例では、基準点を抽出する要件(例えば、画像の鮮明さ)を満たす生体情報が取得されるまで、再入力を促すフィードバック処理が実行される。照合情報処理で取得される生体情報は、生体情報からアルゴリズムを用いて照合情報を抽出する要件を満たす。処理の過程で取得されたり、生成されたりした情報及びデータは、適宜RAM3に記憶される。処理に必要な各種設定値は、予めフラッシュメモリ4に記憶されている。以下、ステップを「S」と略記する。
図9に示すように、CPU1は画像解析処理を実行する(S11)。図10を参照して画像解析処理について説明する。生体情報取得装置8は、指の接触を検知した場合、指紋を撮影した画像を特定可能な信号をCPU1に出力する。CPU1は、生体情報取得装置8から出力される信号を受信する。CPU1は、受信した信号に基づいて、画像を取得する(S21)。S21では、例えば、図8に示す画像41が取得される。画像41には、X、Yで示す画像座標系の二次元座標が設定される。CPU1は、画像41の左上の画素の位置を、画像座標系の二次元座標の原点45とする。二次元座標の原点45からXプラス方向(図8の右方)にx画素分離隔し、原点45からYプラス方向(図8の下方)にy画素分離隔した画素の位置を、座標(x,y)と表記する。画像41は、X方向(左右方向)が160ピクセル、Y方向(上下方向)が60ピクセルの矩形の画像である。S21で取得される画像の解像度及び大きさ等は適宜変更されてよい。
CPU1は、変数Nに0を設定する(S22)。変数Nは基準点として取得可能な画像内の点の数をカウントする処理で用いられる。CPU1は、S21で取得された画像から所定条件に従って点を選択する(S23)。本例のCPU1は、画像内のピクセル単位で表される点の内の、画像の外周から所定値だけオフセットした矩形領域内のピクセル単位の全ての点を画像座標系で示される座標に基づき所定の順序で取得する。所定値は、後述のS32でサンプルを取得する際に用いる値と同じであり、画像内の点の内、サンプルが取得可能な点を基準点として取得する為に設定される。CPU1はS22の処理で取得された画像内の点について基準方向を決定する(S24)。基準方向は、例えば、画像座標系のX軸を基準とする時計回りの角度で示される。本例のCPU1は、S23の処理で選択された点を中心とした特定範囲内の色情報の二次元フーリエ変換のパワースペクトルがピークとなる方向を基準方向とする。CPU1は、S23の処理で選択された点が有効領域内の点であるかを判断する(S25)。有効領域とは、サンプルが取得可能な領域且つ生体画像を取得できる領域である。生体情報取得装置8の撮影可能範囲全体にわたって生体情報を表す画像が取得されるわけではなく、例えば、撮影可能範囲には、ユーザの指が触れていない領域がある場合がある。そうした領域の画像には生体情報が表れていない。例えば、ユーザの指が触れていない領域に対応する白い画像領域には生体情報が表れていない為、本例のCPU1は有効領域でない点のサンプルを抽出しない。したがって例えば、CPU1はS24の処理で求めたパワースペクトルのピーク値が一定値以上である場合に、S23で取得された点は有効領域内の点であると判断する。他の例では、CPU1は、S23の処理で選択された点を含む所定範囲の色情報を微分フィルタにかけた値の絶対値の和、又は二乗の和が一定値以上である場合に、S23で取得された点は有効領域内の点であると判断する。S23で選択された点が有効領域内の点である場合(S25:YES)、CPU1は、変数Nを1だけインクリメントし、S23で選択された点を基準点として、基準点の座標と、S24で決定された基準方向とをRAM3に記憶する(S26)。S23で選択された点が有効領域内の点ではない場合(S25:NO)、又はS26の処理の次に、CPU1は、S21で取得された画像内の所定条件に基づき取得予定のすべての点がS23で取得されたか否かを判断する(S27)。本例のCPU1は、S21で取得された画像の内、画像の外周から所定値だけオフセットした領域のピクセル単位の全ての点が、S23で取得されたかを判断する。S23で取得されていない点がある場合(S27:NO)、CPU1は処理をS23に戻す。S23ですべての点が取得された場合(S27:YES)、変数Nが0より大きいか否かを判断する(S28)。変数Nが0である場合(S28:NO)、CPU1は画像解析処理を終了し、処理を図9の照合情報処理に戻す。
変数Nが0よりも大きい場合(S28:YES)、CPU1はS26の処理でRAM3に記憶された点を基準点として決定する(S29)。CPU1は、S29で決定された1以上の基準点の中から1つの基準点を選択する(S31)。例えば、CPU1は、画像41の基準点PU1を取得する。CPU1は、S31で取得された基準点Pについて、サンプルを取得する(S32)。本実施形態のCPU1は1つの基準点Pに対して設定される開始点Qnを16個とし、1つの開始点Qnに対応して設定される参照点Rmを128個とする。CPU1は、S31の処理で選択された基準点Pとの距離が所定値且つ基準点に対して基準方向Lにある点を第一の開始点Q1として決定する。CPU1は、基準点Pを中心とする半径が所定値の円の周上に、開始点Q1から時計回りに等間隔で16個の開始点Q1からQ16までを設定する。CPU1は各開始点Qn(nは1から16の整数)について、開始点Qnを基準として時計回りに等間隔で128個の参照点Rm(mは1から128の整数)を順に設定する。CPU1は、第二位置情報を参照点Rmの設定順序mとする。CPU1は、開始点Qnについての参照点Rmに対応する色情報Cn_mと、第二位置情報mとを対応づけたサンプルを取得する。参照点Rmがサブピクセル単位の座標を持つ場合、周知のバイリニア補間又はバイキュービック補間を用いて色情報が取得される。図11に示すように、CPU1は、複数の開始点Q1からQ16毎に所定条件に従って順に取得された複数の参照点Rmの各々についてサンプル71を取得し、各サンプル71を第一位置情報と基準方向と対応付けた複数のサンプルデータ72をサンプル情報73としてRAM3に記憶する。
CPU1は、S32で取得されたサンプルに基づき、サンプル画像を生成する(S3)。S33では、図8に示す画像41の基準点PU1について、図12に示すサンプル画像42が生成される。サンプル画像42の短手方向(図12の左右方向)は開始点Qnの取得順序nに対応し、長手方向(図12の上下方向)は第二位置情報mに対応する。サンプル画像42の各ピクセルの色は、開始点Qnの取得順序n及び第二位置情報mの組合せに対応する画素の色情報を表す。
CPU1は、S32において取得された複数のサンプルに基づき、周波数情報を算出する(S34)。本例のCPU1は、開始点Qn毎に第二位置情報に対する色情報の変化の周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、周波数情報として算出する。CPU1は、サンプルに対して窓関数をかけずに公知のYule−Walker法によって線形予測係数を例えば15次で算出する。CPU1は、算出された線形予測係数から周波数成分として例えば一次元群遅延スペクトル(GDS)を算出し、その特徴数を例えば低次の値から10個抽出する。CPU1は、次の開始点の周波数成分(例えば、GDS)を算出し、同じく特徴数を低次の値から10個抽出する処理を最後の開始点となるまで繰り返す。このようにして得られた周波数情報は、基準点から一定の角度ずつずれた点を開始点Qnとして周波数解析を行った情報と同じである。具体例では、図12に示す周波数画像43で表される周波数情報が算出される。周波数画像43の短手方向(上下方向)は要素数kに対応し、長手方向(左右方向)は開始点Qnの取得順序nに対応する。周波数画像43のピクセルの色は、要素数k及び開始点Qnの取得順序nの組合せに対応する画素k_nのGDSを表す。周波数画像43では、GDSが比較的大きいピクセルは色が濃い(諧調値が大きい)。周波数画像43では、GDSが比較的小さいピクセルは色が淡い(諧調値が小さい)。
CPU1は、S31で選択された基準点についての非対称評価値を算出する(S35)。非対称評価値は、S34で取得された周波数情報の内、複数の開始点Qnの内、基準点を通る線について対称な2つの開始点についての周波数情報を比較した値である。図13に示すように、本例では基準点を通る線を、基準点Pと、開始点Q1及び開始点Q16の中間の点M1と、開始点Q8及び開始点Q9の中間の点M2とを通る線SLとする。CPU1は、線SLについて対称となる複数組の開始点の各々について周波数情報の差の絶対値を算出し、算出された絶対値の和、二乗和又は二乗和の平方根を非対称評価値とする。具体的にはCPU1は、開始点Qnについての周波数情報をFnとした場合、F1とF16の差の絶対値、F2とF15の差の絶対値、F3とF14の差の絶対値、F4とF13の差の絶対値、F5とF12の差の絶対値、F6とF11の差の絶対値、F7とF10の差の絶対値、及びF8とF9の差の絶対値の和、自乗和、又は自乗和の平方根を非対称評価値として計算する。線SLは、基準点を通ればよく、設定方法は適宜変更されてよい。
CPU1は、S34で取得された周波数情報と、S31で選択された基準点の第一位置情報と、基準方向とを対応付けた情報を、生体情報の照合に用いられる照合情報84としてDB28に記憶させる(S36)。図14に示すように、本例のCPU1は、照合情報として、基準点の第一位置情報、基準方向、及び周波数情報に加え、S35の処理で算出された非対称評価値を照合情報84として記憶する。CPU1は、S29の処理で決定されたすべての基準点がS31の処理で選択されたか否かを判断する(S37)。CPU1は、S31の処理で選択された基準点にフラグを付与する等の処理によって、S31の処理で選択された基準点と、S31の処理で選択されていない基準点とを区別する。選択されていない基準点がある場合(S37:NO)、CPU1は処理をS31に戻す。すべての基準点がS31の処理で選択された場合(S37:YES)、CPU1は、画像解析処理を以上で終了し、処理を図9の照合情報処理に戻す。
S11の次に、CPU1は、S11で周波数情報を含む照合情報が取得されたか否かを判断する(S12)。照合情報が取得されていない場合(S12:NO)、CPU1はエラー通知を行う(S16)。CPU1は、例えば、表示部6にエラーメッセージを表示する。照合情報が取得された場合(S12:YES)、CPU1は、S11で取得された照合情報を参照用の照合情報としてDB28(図2参照)に登録するか否かを判断する(S13)。登録するか否かを示す情報は、例えば、開始指示に含まれる。具体例では照合情報をDB28に登録すると判断され(S13:YES)、CPU1は、S11で取得された照合情報をフラッシュメモリ4のDB28に記憶する(S14)。照合情報をDB28に登録しないと判断される場合(S13:NO)、CPU1は、S11で取得された照合情報を照合の対象となるテスト用の照合情報とする照合処理を実行する(S15)。S14、S15、及びS16の何れかの次に、CPU1は照合情報処理を終了する。
2.照合時の処理
参照用の周波数情報として図8の画像41から算出された周波数情報が用いられ、照合対象となるテスト用の画像として図15の画像61が取得される場合を例に、照合時の照合情報処理について説明する。照合時の照合情報処理では、登録時の照合情報処理と同様に、S11が実行される。例えば、図10のS31において基準点として図15の点PT1が取得され、図10のS33では図16のサンプル画像62が生成される。図10のS34では図16の周波数画像63を表す周波数情報が算出される。図9のS12では、照合情報が取得されたと判断され(S12:YES)、開始指示に基づき登録しないと判断される(S13:NO)。CPU1は照合処理を実行する(S15)。照合処理では、CPU1は参照用の照合情報である参照情報と、テスト用の照合情報であるテスト情報とを比較して、両者の類似度(情報類似度)を示すスコアSCを計算し、認証を行う。
図17に示すように、照合処理では、CPU1は、テスト情報と参照情報とに基づき、テスト用の画像と参照用の画像との位置合わせを行う位置合わせ処理を実行する(S41)。図18に示すように、位置合わせ処理では、CPU1はリスト85を初期化する(S51)。図20に示すようにリスト85は組合せの候補と、第一比較値D1との対応を記憶する。組合せの候補は、テスト用の画像から取得された基準点(テスト用基準点)PTの座標と、基準点PTに対応する参照用の画像から取得された基準点(参照用基準点)PUの座標等で示される。第一比較値D1は、候補の選定に用いられた指標である。リスト85は、RAM3に記憶される。CPU1はテスト用基準点PTと、参照用基準点PUとのすべての組合せの中から、S52の処理が実行されていない1つの組合せを取得する(S52)。テスト用基準点PTの数が100個、参照用基準点PUの数が100個である場合、テスト用基準点PTと参照用基準点PUとの10000通りの組合せの中から、S52の処理が実行されていない組合せが1つ取得される。
CPU1は、S5の処理で選択されたテスト用基準点PTの周波数情報(テスト情報)の非対称評価値が閾値よりも大きいか否かを判断する(S53)。閾値は予め定められフラッシュメモリ4に記憶されている。非対称評価値は図9の画像解析処理(S11)で取得された値であり、RAM3に記憶されている。テスト情報の非対称評価値が閾値よりも大きくはない場合(S53:NO)、CPU1は後述のS64の処理を実行する。テスト情報の非対称評価値が閾値よりも大きい場合(S53:YES)、CPU1はS5の処理で選択された参照用基準点PUの周波数情報(参照情報)の非対称評価値が閾値よりも大きいか否かを判断する(S54)。S54の閾値は予め定められフラッシュメモリ4に記憶されている。S54の閾値はS53の閾値と同じであっても異なっていてもよい。非対称評価値は図9の画像解析処理(S11)で取得された値であり、DB28に記憶されている。参照情報の非対称評価値が閾値よりも大きくはない場合(S54:NO)、CPU1は後述のS64の処理を実行する。参照情報の非対称評価値が閾値よりも大きい場合(S54:YES)、CPU1は第一比較値D1を算出する(S55)。第一比較値D1は、テスト情報と参照情報との距離値である。テスト情報の内の開始点Qnに関する周波数情報をFTn、参照情報の内の開始点Qnに関する周波数情報をFUnとする。この場合距離値は、例えば、図19の対応50に例示するテスト情報FTnと参照情報FUnとの各要素に対応する成分の差の二乗和、差の絶対値の和、及びDPマッチングのスコアの少なくとも何れかである。CPU1は、例えば、図19に示すテスト情報FTnの要素1から10の成分と参照情報FUnの要素1から10の成分との各組合せについて、差の二乗を算出し、算出された差の二乗の和を距離値として算出する。CPU1は、テスト情報について、基準方向を反転させた場合の周波数情報を取得する(S56)。S56及びS57の処理は、生体画像は安定した画像ではない為、画像が反転している場合も考慮に入れて位置合わせを行う為の処理である。CPU1はテスト情報をテスト情報の基準方向を反転させた場合となるように並べ変える。図19の例では、CPU1が開始点Q9から時計回りに開始点が設定された場合となるように、FTnを並び替える。CPU1は第二比較値D2を算出する(S57)。第二比較値D2は、S56の処理で反転されたテスト情報と参照情報との距離値である。距離値はS55の処理と同様の方法で算出される値である。第一比較値D1及び第二比較値D2は各々、値が小さいほど、値が大きい場合に比べ、テスト用基準点PTの周りの色情報の変化の傾向と参照用基準点PUの周りの色情報の変化の傾向とが似ている。
CPU1は、第一比較値D1が第二比較値D2よりも大きいかを判断する(S58)。第一比較値D1が第二比較値D2よりも大きい場合(S58:YES)、CPU1は第一比較値D1に第二比較値D2を設定する(S59)。CPU1はテスト情報に対応付けられた基準方向を補正し、補正された基準方向を記憶する(S60)。S59とS60の処理は、テスト画像が反転していると想定して位置合わせを行う為の処理である。これは本例のCPU1は、S24の処理において二次元フーリエ変換のパワースペクトルがピークとなる方向で基準点の基準方向を定義しているので、参照用画像とテスト用画像で対応する座標が持つ方向が反転していることがある。この為CPU1は、反転している場合も周波数成分を並べ替えて差を算出し、差が小さい方を元に比較値を算出する為である。CPU1は、テスト情報に対応付けられた基準方向を、S56の処理で反転されたテスト情報の基準方向となるように補正する。より具体的には、CPU1は、テスト情報に対応付けられた基準方向に180度加算する。故に基準方向の算出方法によっては、S56からS60の処理は省略されてよい。
CPU1はリスト85に記憶されている組合せの第一比較値D1が、今回算出されたS52で選択された組合せの第一比較値D1よりも大きいか否かを判断する(S61)。リスト85に記憶されている組合せの第一比較値D1が、今回算出されたS52で選択された組合せの第一比較値D1よりも大きい場合(S61:YES)、CPU1は今回の組合せをリスト85に追加して、リスト85を更新する(S63)。本例のCPU1は、リスト85に登録可能な組合せ数の上限を設定する。故にCPU1は、今回の組合せをリスト85に追加した場合にリスト85に記憶される組合せ数が上限を超える場合には、既にリスト85に記憶されている組合せの内、最も第一比較値D1の値が大きい組合せを削除して、今回の組合せをリスト85に追加する。リスト85に登録可能な組合せの数の上限は処理実行前までに予め設定されていればよく、例えば、10である。リスト85に登録可能な組合せの数の上限は定められなくてもよい。
CPU1はテスト用基準点PTと、参照用基準点PUとのすべての組合せが、S52の処理で選択されたか否かを判断する(S64)。S52の処理で選択されていない組合せがある場合(S64:NO)、CPU1は処理をS52に戻す。すべての組合せがS52の処理で選択された場合(S64:YES)、CPU1は、リスト85にテスト用基準点PTと、参照用基準点PUとの組合せが1組以上記憶されているかを判断する(S65)。リスト85に1組以上のテスト用基準点PTと、参照用基準点PUとの組合せが記憶されている場合(S65:YES)、CPU1は、リスト85に記憶された候補に基づき、テスト用の画像と参照用の画像との位置合わせに用いるテスト用基準点PTと、参照用基準点PUとの組合せを決定する(S66)。本例のCPU1は、リスト85に記憶されている複数組の組合せの各々について以下の処理を行う。CPU1は参照用基準点を中心とした所定範囲(例えば、周囲横5ピクセル、縦5ピクセルの格子の各点)の周波数情報について、対応するテスト用基準点の座標近傍の周波数情報を選択して、距離値を算出する。CPU1は、最も距離値が小さい組合せを位対応として決定する。CPU1は、リスト85に記憶されている候補の内、第一比較値D1が最も小さい組合せを、スコアSCの算出に用いる基準点PTと、基準点PUとの対応として決定する等他の方法で位置対応を決定してもよい。スコアSCはテスト情報と参照情報との類似度を示す情報類似度である。リスト85がS51の処理で初期化されたままである場合(S65:NO)、又はS66の処理の次に、CPU1は以上で位置合わせ処理を終了し、処理を図17の照合処理に戻す。
CPU1は、S41において位置対応の決定に成功したか否かを判断する(S42)。本例のCPU1は、例えば、S66で位置対応が決定された場合に、成功と判断する。位置対応が決定されていない場合(S42:NO)、CPU1は認証結果に認証失敗を設定し、必要に応じて認証結果を報知する(S46)。CPU1は照合処理を終了し、処理を図9に戻す。位置対応が決定された場合(S42:YES)、スコアSCを算出するスコア算出処理を実行する(S43)。
図21に示すように、CPU1は、各種設定値を初期化する(S71)。CPU1は、スコアSC、及びWsumに0を設定する。CPU1は、図18のS66の処理で決定された位置対応を選択する(S72)。具体例ではCPU1は参照用基準点PU1と、テスト用基準点PT1とを対応する基準点の座標として取得する。CPU1は、S72で選択された基準点の方向差を算出する(S73)。方向差は、テスト用基準点の基準方向と、参照用基準点の基準方向との差である。具体例では、参照用基準点PU1の基準方向DUは18度であり、テスト用基準点の基準方向DTは42度であるので、差B1は24度である。CPU1は、参照用基準点PU1を中心として所定範囲内にある基準点PU2を選択する(S74)。所定範囲は、例えば基準点PU1を中心とする半径が所定値の範囲PRUである。CPU1は、参照用の画像41の基準点PU1と基準点PU2とについて、各点の座標に基づき距離RLと、基準点PU1から点PU2に向かう方向角を算出する(S75)。具体例では、CPU1は基準点PU1から点PU2に向かう方向角B2は336度と算出する。CPU1はDminを初期化する(S76)。本例のCPU1はDminに所定値を設定して、Dminを初期化する。Dminは後述する第一比較値D1の最小値である。CPU1は、基準点PU2に対応するテスト用の画像の座標を算出する(S77)。テスト用の画像61の基準点PT1の座標が(x1,y1)である場合、基準点PU2に対応する画像61の点PT2の座標は、(x1+RL×cos(B2−B1),y1+RL×sin(B2−B1))から(x1+RL,y1)と算出される。CPU1は、S77で算出された点PT2を基準とする所定範囲内に特徴座標が含まれるか否かを判断する(S78)。特徴座標は、周波数情報が取得された基準点の座標である。所定範囲は、処理実行前までに予め定められればよく、S77の処理で算出された点PT2を基準とする半径がR2の範囲PRTである。所定範囲は、指紋を撮影した508dpiの画像の場合、サブピクセル単位の点PT2の座標を中心とした一辺が8ピクセルの矩形領域内でも認証性能が大幅に下がることが確認されている。生体情報を指紋とする画像においては、参照用基準点に対応するテスト用の画像の点と、所定範囲のテスト用基準点の位置関係が隆線及び谷線を隔てないようにすることが好ましい。S78の処理では、点PT2に対する所定範囲PRTにある、周波数情報が取得された基準点の内、点PT2から近い順に所定個(例えば4個)の基準点の座標を選択する等の他の処理を行ってもよい。所定範囲内に特徴座標が含まれない場合(S78:NO)、CPU1は後述のS80の処理を実行する。所定範囲内にある特徴座標が含まれる場合(S78:YES)、CPU1は、Wsum算出処理を実行する(S79)。
図22に示すように、Wsum算出処理では、CPU1はS77で算出された点PT2を基準とする所定範囲PRT内にある基準点のうち、S91でまだ選択されていない基準点の座標(特徴座標)を選択する(S91)。CPU1は、第一比較値D1と第二比較値D2とを算出する(S92)。S92における第一比較値D1は、S74で選択した基準点の参照情報と、S91で選択した基準点のテスト情報との距離値である。距離値は、図18のS55の距離値と同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。S92における第二比較値D2は、S74で選択した基準点の参照情報と、S91で選択した基準点の基準方向を反転させた場合のテスト情報との距離値である。距離値は、図18のS57の距離値と同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。CPU1は、第一比較値D1が第二比較値D2よりも大きいか否かを判断する(S93)。第一比較値D1が第二比較値D2よりも大きい場合(S93:YES)、CPU1は第一比較値D1に第二比較値D2を設定する(S94)。第一比較値D1が第二比較値D2よりも大きくはない場合(S93:NO)、又はS94の処理の次に、CPU1は、Dminが第一比較値D1よりも大きいか否かを判断する(S96)。Dminが第一比較値D1よりも大きい場合(S96:YES)、CPU1はDminに第一比較値D1を設定し、EtmにEtを設定する(S97)。EtはS91で選択された基準点の非対称評価値である。EtmはDminとなるテスト用基準点の非対称評価値Etである。
Dminが第一比較値D1よりも大きくはない場合(S96:NO)、又はS97の処理の次にCPU1は、すべての特徴座標がS91の処理で選択されたか否かを判断する(S98)。選択されていない特徴座標がある場合(S98:NO)、CPU1は処理をS91に戻す。すべての特徴座標がS91の処理で選択された場合(S98:YES)、CPU1は、Dminが閾値Dthよりも小さいか否かを判断する(S99)。閾値Dthは処理が実行されるまでに予めフラッシュメモリ4に記憶されている。Dminが閾値Dthよりも小さくはない場合(S99:NO)、CPU1は、Dminに閾値Dthを設定する(S100)。Dminが閾値Dthよりも小さい場合(S99:YES)、又はS100の処理の次に、CPU1は、Etmが閾値Ethよりも小さいか否かを判断する(S101)。閾値Ethは処理が実行されるまでに予めフラッシュメモリ4に記憶されている。Etmが閾値Ethよりも小さくはない場合(S101:NO)、CPU1は、Etmに閾値Ethを設定する(S102)。Etmが閾値Ethよりも小さい場合(S101:YES)、又はS102の処理の次に、CPU1は、Euが閾値Ethよりも小さいか否かを判断する(S103)。EuはS74の処理で選択された参照用基準点の非対称評価値である。閾値Ethは処理が実行されるまでに予めフラッシュメモリ4に記憶されている。S103の閾値EthはS101の閾値Ethと同じであってもよいし、異なっていてもよい。Euが閾値Ethよりも小さくはない場合(S103:NO)、CPU1は、Euに閾値Ethを設定する(S104)。Euが閾値Ethよりも小さい場合(S103:YES)、又はS104の処理の次に、CPU1はEtmとEuとの積をwとして算出する(S105)。CPU1は、スコアSCに、DthからDminを差し引いた比較値にwを乗じた値を加算して、スコアSCを更新する(S106)。CPU1は、WsumにS105の処理で算出されたwを加えて、Wsumを更新する(S107)。CPU1は、以上でWsum算出処理を終了し、処理を図17のスコア算出処理に戻す。
図21に示すように、スコア算出処理では、CPU1はS79の処理の次に、所定範囲PRU内にあるすべての参照用基準点がS74の処理で選択されたか否かを判断する(S80)。選択されていない参照用基準点がある場合(S80:NO)、CPU1は、処理をS74に戻す。所定範囲PRUとなるすべての参照用基準点がS74の処理で選択された場合(S80:YES)、CPU1は、S107の処理で算出されたWsumが0よりも大きいか否かを判断する(S81)。Wsumが0よりも大きい場合(S81:YES)、CPU1は、SCのF乗をWsumで除した値をスコアSCとする(S82)。Fは処理が実行されるまでに予めフラッシュメモリ4に記憶された数であればよく、例えば2である。つまり、本例のCPU1はSCの二乗をWsumで除した値をSCとする。S82で算出されるスコアSCはテスト情報と参照情報との類似度である情報類似度である。Wsumが0である場合(S81:NO)、CPU1はスコアSCに0を設定する(S83)。CPU1はS82又はS83の処理の次に、スコア算出処理を終了し、処理を図17の照合処理に戻す。
図17に示すように、S43の処理の次に、CPU1はS43の処理で算出されたスコアSCが閾値よりも大きいか否かを判断する(S44)。S44の閾値は処理が実行されるまでにフラッシュメモリ4に記憶される。スコアSCが閾値よりも大きい場合(S44:YES)、CPU1は認証結果に認証成功を設定する(S45)。スコアSCが閾値よりも大きくはない場合(S44:NO)、CPU1は認証結果に認証失敗を設定する(S46)。図示しないが、認証結果は、表示部6に表示される等、必要に応じてユーザに報知される。S45又はS46の処理の次に、CPU1は、照合処理を終了し、処理を図9の照合情報処理に戻す。CPU1は以上で照合情報処理を終了する。
第二実施形態の照合情報処理について説明する。第二実施形態の照合情報処理は、図17の照合処理で実行されるスコア算出処理が、第一実施形態と異なり、他の処理は同じである。第二実施形態の照合情報処理では、図24のスコア算出処理が実行される。図24と、図25とでは、第一実施形態のスコア算出処理と同様の処理には同じステップ番号が付与されている。図24に示すように、第一実施形態のスコア算出処理と、第二実施形態のスコア算出処理とでは、S176、S179(S197、S206、S207)、S181、S182において異なり他の処理は同じである。第一実施形態同様の処理については説明を省略し、以下、第一実施形態とは異なる処理について順に説明する。
図24に示すように、S176では、CPU1は、DminとNを初期化する(S176)。本例のCPU1はDminに所定値を設定して、Dminを初期化する。CPU1はNに0を設定して、Nを初期化する。S179の処理では、CPU1はSC算出処理を実行する。図25に示すように、SC算出処理では、S97に変えてS197が実行されS101からS107に変えてS206、S207の処理が実行される点で図22に示すWsum算出処理と異なる。S197の処理では、DminにD1が設定される。S206の処理では、CPU1は、スコアSCに、DthからDminを差し引いた値を加算して、スコアSCを更新する(S206)。CPU1は、Nを1だけインクリメントする(S207)。CPU1は、以上でSC算出処理を終了し、処理を図2のスコア算出処理に戻す。S181の処理では、CPU1はSCが0よりも大きいか否かを判断する(S181)。SCが0よりも大きい場合(S181:YES)、CPUはSCを底、所定の重み係数Fを冪指数とする冪演算結果を、Nで割った値をSCとして計算する(S182)。SCが0である場合(S181:NO)、CPU1は第一実施形態と同様のS83の処理を実行する(S83)。S182又はS83の次に、CPU1はスコア算出処理を以上で終了し、処理を図17の照合処理に戻す。
第一実施形態及び第二実施形態の情報処理装置10及び照合情報処理において、CPU1は本発明のプロセッサの一例である。フラッシュメモリ4は本発明の記憶機器の一例である。図10のS21の処理は本発明の画像取得ステップの一例である。S29の処理は本発明の基準点決定ステップの一例である。S24の処理は、本発明の方向決定ステップの一例である。S32の処理は本発明のサンプル取得ステップの一例である。S34の処理は、本発明の周波数情報算出ステップの一例である。S36の処理は、本発明の記憶制御ステップの一例である。S35の処理は、本発明の評価値算出ステップの一例である。図17のS41の処理は、本発明の対応決定ステップの一例である。S43の処理は本発明の類似度算出ステップの一例である。図18のS53の処理は、本発明のテスト情報選択ステップの一例である。S54の処理は、本発明の参照情報選択ステップの一例である。S66の処理は本発明の対応決定ステップの一例である。
情報処理装置10は、情報処理プログラムに従って照合情報処理を実行することで、以下の効果が得られる。情報処理装置10は画像中の基準点の周囲の色の変化を表す周波数情報を生成できる。参照点は、基準点との距離が所定値である。サンプルは、基準方向によって定まる順序で取得される。したがって、情報処理装置10は、画像によって表される情報(例えば、指紋画像又は静脈画像によって表される生体情報)が基準に対して回転したり、移動したりした影響を相殺可能な照合情報を生成することができる。
図10のS29の処理では、CPU1は、S21の処理で取得された画像から複数の基準点が決定され、当該複数の基準点の各々について第一位置情報が取得される。S32の処理では、CPU1は、S29の処理で決定された複数の基準点毎に、基準点と、基準方向とに基づき複数の開始点を設定し、複数の開始点毎に所定条件に従って順に取得された複数の参照点の各々についてサンプルを取得する。上記実施形態の所定条件は、開始点を始点として時計回りに等間隔の順である。S34の処理では、CPU1は、S29の処理で決定された複数の基準点毎に、複数の開始点毎に所定条件に従って順に取得された第二位置情報に対する色情報の変化の周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、周波数情報として算出する。情報処理装置10は、複数の開始点毎に所定条件に従って順に取得された第二位置情報に対する色情報の変化の周波数成分を周波数情報として取得することで、基準方向の決定精度が比較的低い場合にも、照合で利用可能な照合情報を生成できる。本例のCPU1は更にS56からS60の処理と、S92からS94の処理とによって、参照用画像とテスト用画像で対応する座標が持つ方向が反転していることを考慮して処理を実行できる。
CPU1は、S34の処理で算出された周波数情報の内、複数の開始点の内、基準点を通る線について対称な2つの開始点についての周波数情報を比較した値を非対称評価値として算出する(S35)。S36の処理では、CPU1は周波数情報と、第一位置情報と、基準方向と、非対称評価値とを対応付けた情報を生体情報の照合に用いられる照合情報としてフラッシュメモリ4に記憶させる。非対称評価値は、基準点の色情報の変化が、基準点を通る線について対称となっているかの目安として利用可能である。情報処理装置10は、基準点の周囲の色情報の変化の傾向の目安として利用可能な非対称評価値を取得できる。例えば、基準点付近において、複数の隆線が略直線状に平行に並んでいる場合、特徴的な色情報の変化が含まれないので、照合に用いるのに適していないと考えられる。故に、非対称評価値は、例えば、基準点に対応する周波数情報が、生体照合に用いるテスト用の照合情報と参照用の照合情報との対応を決定するのに適しているか否かの判断に利用可能である。非対称評価値は、例えば、テスト用の照合情報と参照用の照合情報との類似度を表す情報類似度を算出する処理に利用可能である。
情報処理装置10のCPU1は、図17のS41の処理で生体情報の照合に用いるテスト用の周波数情報の第一位置情報と、DB28に記憶された参照用の周波数情報の第一位置情報との対応である位置対応を決定する。CPU1はS41の処理で決定された位置対応に基づき、テスト用の照合情報であるテスト情報と、参照用の照合情報である参照情報との類似度である情報類似度を算出する(S43)。情報処理装置10は画像によって表される情報が、基準に対して回転したり、移動したりした影響を考慮して、テスト用の周波数情報と参照用の周波数情報とを比較し、両者の情報類似度を算出できる。
情報処理装置10のCPU1は、図18のS53の処理で生体情報の照合に用いるテスト用の照合情報の内、非対称評価値が第一閾値以上のものをテスト情報として選択する(S53)。CPU1は、S54の処理でDB28に記憶された参照用の照合情報の内、非対称評価値が第二閾値以上のものを参照情報として選択する(S54)。CPU1は、S53の処理で選択されたテスト情報と、S54の処理で選択された参照情報とを比較して、生体情報の照合に用いるテスト情報の第一位置情報と、DB28に記憶された参照情報の第一位置情報との対応である位置対応を決定する(S66)。CPU1は、図17のS43の処理で、S66の処理で決定された位置対応に基づき、テスト情報と、参照情報との類似度である情報類似度(スコアSC)を算出する(S43)。情報処理装置10は、S53の処理と、S54の処理とを実行することですべてのテスト情報と、参照情報とに基づき情報類似度を算出する場合に比べ、処理に要する時間を短縮できる。第一閾値と第二閾値は同じでもよいし、異なっていてもよい。
第二実施形態のCPU1は、図17のS43では、S66の処理で決定された位置対応に基づき、テスト情報と、参照情報とで対応する複数組の基準点毎に、周波数情報を比較した比較値を算出する。本例CPU1は、DthからDminを差し引いた値を比較値とする。CPU1は、算出された比較値の和を底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果を、比較値の数で割った値をスコアSCとして算出する(図24のS182)。情報処理装置10はすべての比較値を用いてスコアSCを算出する場合よりも、照合率の高いスコアSCを算出できる。情報処理装置10は重み係数を用いない場合よりも、照合率の高い情報類似度を算出できる。
第一実施形態のCPU1は、S66の処理で決定された位置対応に基づき、テスト情報と、参照情報とで対応する複数組の基準点毎に、周波数情報の比較値を算出する(図22のS92)。CPU1は、S66の処理で決定された位置対応に基づき、テスト情報と、参照情報とで対応する複数組の基準点の各々について、参照用の基準点の非対称評価値と、テスト用の基準点の非対称評価値の積を算出する(S105)。CPU1は複数組の基準点毎に算出された比較値に対応する積を乗じた値の和である第一和と(S106)、積の和である第二和とを算出する(S107)。CPU1は、算出された第一和を底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果を第二和で割った値をスコアSCとして計算する(S82)。情報処理装置10はすべての比較値を用いてスコアSCを算出する場合よりも、照合率の高いスコアSCを算出できる。情報処理装置10は重み係数を用いない場合よりも、照合率の高いスコアSCを算出できる。情報処理装置10は非対称評価値を用いない場合よりも、照合率の高いスコアSCを算出できる。
3.効果の検証
3−1.マニューシャ法による特徴点が抽出されない画像を用いた照合
マニューシャ法による特徴点(分岐点、端点等)が抽出されない画像を用いて、照合できるか否かを確認した。図26の画像74を参照用の元画像、画像77をテスト用の元画像とした。画像74、画像77は共に、508dpiの横192ピクセル、縦192ピクセルの画像である。画像74、画像77は同じユーザの同じ指の指紋を撮影した画像である。画像74、画像77の各々からマニューシャ法による特徴点のない部分を横160ピクセル縦60ピクセルの大きさで切り出し、画像75、画像78を生成した。画像75を参照用画像、画像78をテスト用画像として第一実施形態の照合情報処理にしたがって照合を行った。画像75には、マニューシャが一部含まれているが、画像78には対応する領域でのマニューシャ法により抽出される特徴点はない。S66の処理では、画像75の点76と、画像78の点79が対応として決定された。画像座標系の座標は画像75で(76,26)、画像78で(37,17)となった。S82の処理では、FAR(False Acceptance Rate)が0.0001%の閾値以上のスコアが算出された。第二実施形態の情報照合処理でも同様の結果が得られた。以上から、情報処理装置10は、生体情報を表す画像の大きさが従来に比べ小さい場合であっても、生体情報の取得条件の影響を受けにくく、高い精度で照合可能な照合情報を作成可能であることが確認された。
3−2.非対称評価値の効果の確認
S53の処理とS54の処理とを実行する場合を実施例、S53の処理とS54の処理とを行わない場合を比較例とし、S53の処理、S54の処理の効果を確認した。42人252指を小型容量性指紋認証タッチセンサ(Fingerprint Cards AB社製、FPC1020)によって508dpiの横192ピクセル縦192ピクセルの画像で取得し、3枚を参照用画像、他の3枚をテスト用画像(本人同士の照合回数756回、他人同士の照合回数189756回)としてROC(Receiver Operating Characteristic)を算出した。ただし、各テスト用の画像1枚のスコアは、参照用の画像3枚と照合して最も高いスコアをその指とのスコアとした。図2において実施例のROCを結果92で、比較例のROCを結果91で各々示した。図2に示すように、S53の処理とS54の処理とを実行し、非対称評価値による閾値よりも小さい特徴を比較しないことにより、実施例の結果92は比較例の結果91よりも認証性能が優れている。これは参照用画像とテスト用画像で隆線が平行な領域同士の距離値が近くなりやすいので、位置合わせとして間違ったものが起こりにくくなった為、正しい位置でスコアを算出できた結果と考えられる。しかし、非対称評価値による閾値の処理は、認証性能よりも照合速度を上げる方に貢献している。照合1回当たりの平均処理時間は、実施例では3.5751ミリ秒であったのに対し、比較例では5.069ミリ秒であった。実施例は、比較例の約7割の処理時間で照合情報処理を実行できた。非対称評価値による閾値がなくとも位置合わせ処理で用いられるリスト85に記憶可能な候補数を増やしたり、S66の処理で比較する基準点の範囲を広げたりすれば認証性能は上がるが、その分の処理時間が増える。図27のROCと平均処理時間とで示しているのは、非対称評価値によって認証性能を上げているというよりも、認証性能を下げないまま照合速度を上げることができるという点である。
3−3.スコア算出方法の比較
情報類似度を示すスコアの算出方法を非対称評価値の有無、重みw の効果、Wsumの効果の観点から確認した。42人252指について小型容量性指紋認証タッチセンサ(Fingerprint Cards AB社製、FPC1020)によって508dpiの横192ピクセル、縦192ピクセルの画像が取得された。取得された各画像から横160ピクセル、縦60ピクセルの範囲が互いに重ならないように切り出された。横160ピクセル、縦60ピクセルの大きさの12枚の参照用画像と、12枚のテスト用画像とを用いて、互いに異なるスコア算出条件毎にROCを算出した。12枚のテスト用画像の各々について、12枚の参照画像と照合し、最も高いスコアを算出した。本人同士の照合回数は3024回であり、他人同士の照合回数は759024回とした。スコア算出条件は、以下の条件1から条件5を設定した。
条件1は、位置合わせ処理における非対称評価値による閾値の処理(S53、S54)を入れずに位置合わせ処理を行う条件である。スコアSCは、第二実施形態の方法に従って算出された。条件2(非対称評価値による閾値あり)は、位置合わせ処理における非対称評価値による閾値の処理(S53、S54)を入れた条件であり、以降の処理は条件1と同じ処理条件である。条件3(非対称評価値による閾値あり、及び重みwとの積を追加)は、位置合わせ処理における非対称評価値による閾値の処理(S53、S54)を行い、S106の処理で算出されたスコアSCをNで除して求める条件である。条件4(Wsumを用いる最適化スコアリング)は、第一実施形態の方法でスコアSCを求める条件である。条件5(SSDによるスコアリング)は、一般的にパターンマッチングで行われるスコア算出方法である、Sum of Squared Difference (SSD)を用いてスコアSCを算出した条件である。SSDでは一般的には画素値の差の自乗和を計算し、その値が小さければ照合したとみなすが、今回は周波数成分を特徴としているので、周波数成分の差の二乗和diの合計を計算し、負の値をかけた。またSSDでは、重なる面積が一定とは限らないので比較できた座標の計算された値を数Nで割って平均を算出した。
検証結果を図28に示す。条件1から5の結果を各々、結果93から97で示す。図28に示すように、認証性能は、結果96で示す条件4(Wsumを用いる最適化スコアリング)、結果95で示す条件3(非対称評価値による閾値あり、及び重みwとの積を追加)、結果93で示す条件1(非対称評価値なし)、結果94で示す条件2(非対称評価値による閾値あり)、結果97で示す条件5(SSDによるスコアリング)の順に高かった。条件1(非対称評価値なし)が条件2(非対称評価値による閾値あり)よりもやや認証性能が良い結果となっているのは、画像の大きさが小さくなったことにより本人同士で誤照合を起こす位置対応が少なくなった為と他人同士でも良い位置対応を挙げてしまう効果がある為と考えられる。SSDのような一般的なスコア算出方法ではチューニングを行ったとしても、条件1から条件4に例示する本発明の方法の方が優れた認証性能が得られることが確認された。以上から、本発明におけるスコア算出方法がより照合率の観点から優れた方法であると証明された。
本発明の情報処理プログラム及び情報処理装置は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の(A)から(C)までの変形が適宜加えられてもよい。
(A)情報処理装置10の構成は適宜変更してよい。例えば、情報処理装置10は、スマートフォンである場合に限定されず、例えば、ノートPC、タブレットPC、及び携帯電話のようなモバイル機器であってもよいし、現金自動預け払い機(ATM)及び入退室管理装置のような機器であってもよい。生体情報取得装置8は、情報処理装置10とは別体に設けられてもよい。その場合、生体情報取得装置8と、情報処理装置10とは、接続ケーブルで接続されていてもよいし、Bluetooth(登録商標)及びNFC(Near Field Communication)のように無線で接続されていてもよい。生体情報取得装置8の検出方式は静電容量方式に限定されず、他の方式(例えば、電界式、圧力式、光学式)であってもよい。生体情報取得装置8は面型に限定されず、線型であってもよい。生体情報取得装置8が生成する画像の大きさ、色情報及び解像度は、適宜変更されてよい。したがって、例えば、色情報は白黒画像に対応する情報の他、カラー画像に対応する情報でもよい。
(B)情報処理プログラムは、情報処理装置10がプログラムを実行するまでに、情報処理装置10の記憶機器に記憶されればよい。したがって、情報処理プログラムの取得方法、取得経路及び情報処理プログラムを記憶する機器の各々は適宜変更されてよい。情報処理装置10のプロセッサが実行する情報処理プログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
(C)照合情報処理の各ステップは、CPU1によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。上記処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。上記実施形態の照合情報処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。情報処理装置10のCPU1からの指令に基づき、情報処理装置10上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施形態の機能が実現される場合も本開示の範囲に含まれる。例えば、照合情報処理に以下の(C−1)から(C−6)の変更が適宜加えられてもよい。
(C−1)S11で取得された画像に対して、適宜前処理が実行されてもよい。例えば、画像の高周波成分をノイズとして除去する為のフィルタリング処理が実行されてもよい。フィルタリング処理が実行されることによって、画像のエッジ部分の濃淡変化は緩やかになる。フィルタリング処理に用いられるフィルタとして、周知のローパスフィルタ、ガウシアンフィルタ、移動平均フィルタ、メディアンフィルタ、平均化フィルタの何れかが用いられてもよい。他の例では、特定の周波数帯成分のみを抽出する為のフィルタリング処理がS11で取得された画像に対して実行されてもよい。特定の周波数帯域として、指紋の凹凸の周期を含む帯域が選択されてもよい。この場合の、フィルタリング処理に用いられるフィルタとしては、周知のバンドパスフィルタが挙げられる。
(C−2)周波数成分は、一次元群遅延スペクトルに限定されない。例えば、周波数成分としてはLPCスペクトル、群遅延スペクトル、LPCケプストラム、ケプストラム、自己相関関数、及び相互相関関数など、他の公知の周波数成分が用いられてもよい。
(C−3)情報類似度の算出方法は適宜変更されてよい。例えば、周波数成分として本実施形態と同様の一次元群遅延スペクトルが用いられる場合、高次の成分にはノイズ成分が強く表れることがある。このような場合を考慮して、低次の成分を優先して選択された所定個の成分を含む周波数情報に基づき、周波数情報が選択されてもよい。所定個は、サンプル数、及び認証精度等を考慮して予め定められればよく、例えば、1つの第一参照点について取得されるサンプルの数Nが128である場合、所定個は10から63の何れかに設定される。好ましくは、所定個は12から20の何れかに設定される。サンプル数Nの場合、所定個は、好ましくは(サンプル数N/10)から(サンプル数N/5)に設定される。スコアSCの算出に用いられる比較値は、DthからDminを差し引いた値に限定されない。CPU1は、S106の処理で算出されたSCを底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果をS207の処理と同様の処理で算出されたNによって除した値をスコアSCとして算出してもよい。CPU1は、S206の処理で算出されたSCを底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果をS107の処理と同様の処理で算出されたWsumで除した値をスコアSCとしてもよい。本例の照合情報に公知照合方法を適用して、情報類似度が算出されてもよい。
(C−4)基準方向は、基準点の周囲の色情報の変化の特徴を表すものであればよく、基準方向の算出方法は適宜変更されてよい。基準点の周囲の色情報の変化の曲率を基準方向の一部又は全部として算出してもよい。曲率とは、曲線の曲がりの程度を表す量をいう。照合情報処理で設定される各種設定値、閾値等は適宜変更されてよい。例えば、S74における所定範囲及びS78、S91における所定範囲は適宜変更されてよい、
(C−5)周波数情報を含む照合情報は、必ずしも、スコアSCを算出する処理に用いられなくてもよい。照合情報は、周波数情報と、第一位置情報と、基準方向とを含めばよく、その他の情報は適宜変更されてよい。基準点は、画像中の点であればよく、特徴点でもよい。基準点は、例えば、画像中の所定の座標の点であってもよい。
(C−6)公知の照合情報と組合せて、照合が実行されてもよい。例えば、公知のマニューシャ法により照合結果と、本発明の照合情報方法を用いた照合結果とを組合せて、最終的な判定が実行されてもよい。このようにすれば、多様な観点から照合が実行され、照合精度が向上することが期待される。また照合方法は、処理時間及び認証精度等を考慮し、複数種類の照合方法の中から自動的に又はユーザにより設定可能としてもよい。

Claims (8)

  1. プロセッサと、記憶機器とを備えたコンピュータに、
    画像を取得する画像取得ステップと、
    前記画像取得ステップで取得された前記画像から基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である第一位置情報を取得する基準点決定ステップと、
    前記基準点決定ステップで決定された前記基準点の周囲となる部分の前記画像の色情報の特徴を示す方向である基準方向を決定する方向決定ステップと、
    前記基準点決定ステップで決定された前記基準点を中心とする半径が所定値の円の周上の複数の参照点であって、前記基準点と、前記基準方向とに基づき決定される点を開始点として、所定条件に従って順に取得される前記複数の参照点の各々について、前記参照点に対応する色情報と、前記参照点の前記画像上の位置に対応する情報である第二位置情報とを対応づけた情報であるサンプルを取得するサンプル取得ステップと、
    前記サンプル取得ステップで取得された複数の前記サンプルについての前記第二位置情報に対する前記色情報の変化の周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、周波数情報として算出する周波数情報算出ステップと、
    前記周波数情報算出ステップで取得された前記周波数情報と、前記第一位置情報と、前記基準方向とを対応付けた情報を、生体情報の照合に用いられる照合情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御ステップと
    を実行させる為の指示を含む情報処理プログラム。
  2. 前記基準点決定ステップでは、前記画像取得ステップで取得された前記画像から複数の前記基準点が決定され、当該複数の基準点の各々について前記第一位置情報が取得され、
    前記サンプル取得ステップは、前記基準点決定ステップで決定された前記複数の基準点毎に、前記基準点と、前記基準方向とに基づき複数の開始点を設定し、前記複数の開始点毎に所定条件に従って順に取得された前記複数の参照点の各々について前記サンプルを取得し、
    前記周波数情報算出ステップでは、前記基準点決定ステップで決定された前記複数の基準点毎に、前記複数の開始点毎に所定条件に従って順に取得された前記第二位置情報に対する前記色情報の変化の前記周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、前記周波数情報として算出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
  3. 前記コンピュータに、
    前記周波数情報算出ステップで算出された前記周波数情報の内、前記複数の開始点の内、前記基準点を通る線について対称な2つの開始点についての前記周波数情報を比較した値を非対称評価値として算出する評価値算出ステップを更に実行させる為の指示を含み、
    前記記憶制御ステップでは、前記周波数情報と、前記第一位置情報と、前記基準方向と、前記非対称評価値とを対応付けた情報を生体情報の照合に用いられる前記照合情報として前記記憶機器に記憶させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理プログラム。
  4. 前記コンピュータを
    生体情報の照合に用いるテスト用の前記周波数情報の前記第一位置情報と、前記記憶機器に記憶された参照用の前記周波数情報の前記第一位置情報との対応である位置対応を決定する対応決定ステップと、
    前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト用の照合情報であるテスト情報と、前記参照用の照合情報である参照情報との類似度である情報類似度を算出する類似度算出ステップと
    を更に実行させる為の指示を含むことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の情報処理プログラム。
  5. 前記コンピュータを
    生体情報の照合に用いるテスト用の前記照合情報の内、前記非対称評価値が第一閾値以上のものをテスト情報として選択するテスト情報選択ステップと、
    前記記憶機器に記憶された参照用の前記照合情報の内、前記非対称評価値が第二閾値以上のものを参照情報として選択する参照情報選択ステップと
    前記テスト情報選択ステップで選択された前記テスト情報と、前記参照情報選択ステップで選択された前記参照情報とを比較して、生体情報の照合に用いる前記テスト情報の前記第一位置情報と、前記記憶機器に記憶された前記参照情報の前記第一位置情報との対応である位置対応を決定する対応決定ステップと、
    前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報との類似度である情報類似度を算出する類似度算出ステップと
    を更に実行させる為の指示を含むことを特徴とする請求項3に記載の情報処理プログラム。
  6. 前記類似度算出ステップでは、
    前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報とで対応する複数組の前記基準点毎に前記周波数情報を比較した比較値を順に算出し、
    算出された前記比較値の和を算出し、
    算出された前記和を底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果を、前記比較値の数で割った値を前記情報類似度として算出することを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理プログラム。
  7. 前記類似度算出ステップでは、
    前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報とで対応する複数組の前記基準点毎に前記周波数情報を比較した比較値を順に算出し、
    前記対応決定ステップで決定された前記位置対応に基づき、前記テスト情報と、前記参照情報とで対応する複数組の前記基準点毎にテスト用の前記基準点の前記非対称評価値と、参照用の前記基準点の前記非対称評価値との積を算出し、
    前記複数組の基準点毎に算出された前記比較値に前記積を乗じた値を算出し、当該値の和である第一和と、前記積の和である第二和とを算出し、
    算出された前記第一和の底、所定の重み係数を冪指数とする冪演算結果を、前記第二和で割った値を前記情報類似度として計算することを特徴とする請求項5に記載の情報処理プログラム。
  8. プロセッサと、記憶機器とを備えた装置であって、
    前記プロセッサは、前記記憶機器に記憶された指示に従って、
    画像を取得する画像取得ステップと、
    前記画像取得ステップで取得された前記画像から基準点を決定し、当該基準点の前記画像上の位置に対応する情報である第一位置情報を取得する基準点決定ステップと、
    前記基準点決定ステップで決定された前記基準点の周囲となる部分の前記画像の色情報の特徴を示す方向である基準方向を決定する方向決定ステップと、
    前記基準点決定ステップで決定された前記基準点を中心とする半径が所定値の円の周上の複数の参照点であって、前記基準点と、前記基準方向とに基づき決定される点を開始点として、所定条件に従って順に取得される前記複数の参照点の各々について、前記参照点に対応する色情報と、前記参照点の前記画像上の位置に対応する情報である第二位置情報とを対応づけた情報であるサンプルを取得するサンプル取得ステップと、
    前記サンプル取得ステップで取得された複数の前記サンプルについての前記第二位置情報に対する前記色情報の変化の周波数成分を、窓関数をかけずにYule−Walker法を用いて算出した線形予測係数を用いて、周波数情報として算出する周波数情報算出ステップと、
    前記周波数情報算出ステップで取得された前記周波数情報と、前記第一位置情報と、前記基準方向とを対応付けた情報を、生体情報の照合に用いられる照合情報として前記記憶機器に記憶させる記憶制御ステップと
    を実行させることを特徴とする情報処理装置。
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