以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3について説明する。
[照明器具の全体構成]
図1〜図3を用いて、実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3の全体構成を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具1の断面図である。図3は、実施の形態に係る照明器具1の分解斜視図である。なお、説明の都合上、図1〜図3では、器具本体2及び天井4の一部を切り欠いて図示している。
実施の形態に係る照明器具1は、例えば住宅等の建物における室内の天井4に形成された開口孔4aに埋込配設されることにより、床面側に光を照射する天井埋込型の照明器具(いわゆるダウンライト)である。開口孔4aは、例えば天井板に形成された円形の貫通孔である。
図1〜図3に示すように、照明器具1は、器具本体2と、器具本体2に着脱自在に取り付けられる照明ユニット3とを備えている。
器具本体2は、天井4の開口孔4aに埋込配設される。つまり、器具本体2は、天井4の天井裏側に飛び出すように配置される。器具本体2は、天井4の開口孔4aに対応する円形状の開口部2aを有する有底筒体である。また、開口部2aの周縁部には、天井4の天井面側において径方向外側に延びる鍔部2b(フランジ部)が形成されている。器具本体2は、例えばアルミニウム等の金属によって構成されている。本実施の形態において、器具本体2は、アルミダイカスト製である。
器具本体2は、照明部材100の口金110が着脱自在に取り付けられるソケット2cを有する。ソケット2cの内周面には雌ネジが形成されており、ソケット2cには口金110がねじ込まれる。ソケット2cに口金110が装着されることで、照明部材100がソケット2cに保持される。本実施の形態において、ソケット2cは、器具本体2の外側面から外方に向かって突出するように設けられており、照明部材100は横向きの姿勢でソケット2cに保持される。
また、ソケット2cは、照明器具1の外部に設置された商用電源等の外部電源と電気的に接続されており、ソケット2cには、外部電源から交流電力(例えばAC100V)が供給される。ソケット2cに供給された交流電力は、照明部材100に供給され、これにより、照明部材100を発光させることができる。このように、ソケット2cは、照明部材100を保持するだけではなく、照明部材100を発光させるための電力を照明部材100に供給する。
なお、図示しないが、器具本体2の下端部の外側面には、複数の取付バネ(例えば3つ)が取り付けられている。複数の取付バネによって器具本体2を天井4に固定することができる。
図1〜図3に示すように、器具本体2に取り付けられる照明ユニット3は、照明部材100と、装飾部材200と、吊下部材300と、回動部材400とを備える。以下、図1〜図3を参照しながら、照明ユニット3の構成部材について詳細に説明する。
[照明部材]
照明部材100は、例えばLED(Light Emitting Diode)を光源とする電球形のLEDランプ(LED電球)等のランプである。照明部材100は、照明光として例えば白色光を発する。照明部材100は、器具本体2の内部に配置される。図2に示すように、照明部材100は、横向きの姿勢で器具本体2のソケット2cに取り付けられる。本実施の形態において、照明部材100は、照明部材100の光軸が器具本体2の中心軸に対して傾斜した姿勢で配置される。
照明部材100は、口金110、筐体120及びグローブ130を有している。照明部材100は、グローブ130が口金110よりも床面側に位置するように傾斜した姿勢でソケット2cに取り付けられている。なお、照明部材100は、照明光を照射する光源としてLEDモジュールを有する。
口金110は、LEDモジュールを発光させるための交流電力を受電する受電部であり、筐体120の一端部に取り付けられている。口金110は、器具本体2のソケット2cに着脱自在に取り付けられる。本実施の形態において、口金110は、エジソンタイプ(E型)であり、口金110の外周面には雄ネジが形成されている。口金110をソケット2cにねじ込んで口金110がソケット2cに取り付けられることにより、口金110は、LEDモジュールを発光させるための交流電力をソケット2cから受電することができる。
筐体120は、円筒状の筒体である。筐体120は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂材料によって構成されている。筐体120の内部には、LEDモジュールを駆動するための回路ユニットが収納されている。回路ユニットは、電源回路を構成しており、口金110から供給された交流電力を、整流、平滑及び降圧等することにより所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLEDモジュールに供給する。これにより、LEDモジュールが発光する。
グローブ130は、LEDモジュールの光を透光する透光カバーである。グローブ130は、LEDモジュールを覆うように配置されている。グローブ130は、透光性を有する樹脂材料又はガラス材料によって構成されている。本実施の形態において、グローブ130は、光を散乱して拡散させる拡散カバーであり、例えば乳白色の樹脂で形成されている。また、グローブ130は、T形であるが、A形等であってもよい。
なお、図示しないが、LEDモジュールは、基板と、基板に実装されたLED素子とを有する。LEDモジュールは、COB(Chip On Board)タイプ及びSMD(Surface Mount Device)タイプのいずれであってもよい。例えば、COBタイプのLEDモジュールは、基板に実装された複数のLEDチップ(LED素子)が封止部材で封止された構造である。また、SMDタイプのLEDモジュールは、LEDチップがパッケージ化されたSMD型のLED素子が基板に表面実装された構造である。
[装飾部材]
図2に示すように、装飾部材200は、器具本体2の開口部2aの下方に配置されることにより、器具本体2を室内側から装飾する。装飾部材200は、天井4の開口孔4aを塞ぐように天井面側に配置されている。
本実施の形態において、装飾部材200は、装飾パネル210、透光カバー220及び収納ケース230を有する。
図3に示すように、装飾パネル210は、リング状に形成されたリング部材(装飾リング)である。つまり、装飾パネル210は、開口部を有する。一例として、装飾パネル210は、円環状である。
図1及び図2に示すように、装飾パネル210は、天井4の開口孔4a及び器具本体2の開口部2aを囲むよう配置される。装飾パネル210の下面(室内側の面)には、例えば、赤色又は青色等の有色の色付けが施されていたり、木目等の模様(図示せず)が付されていたりする。色又は模様の異なる複数の装飾パネル210を予め用意しておき、これらの中から好みの装飾パネル210を選択して取り替えることで、照明器具1の雰囲気を変えることができる。装飾パネル210を交換することで、照明器具1の着せ替えを行うことができる。
透光カバー220は、照明部材100の光を透光する透光部材であり、有底円筒状に形成されている。透光カバー220は、透光性を有する樹脂材料又はガラス材料によって構成されている。本実施の形態において、透光カバー220は、透過する照明部材100の光を散乱して拡散させる拡散カバーであり、例えば乳白色の樹脂で形成されている。
透光カバー220は、天井4の開口孔4a及び器具本体2の開口部2aを覆うように配置されている。また、透光カバー220は、装飾パネル210に着脱自在に取り付けられている。透光カバー220を水平方向に回転させることで、透光カバー220を装飾パネル210に取り付けたり、装飾パネル210から透光カバー220を取り外したりできる。
なお、透光カバー220に装飾を施して透光カバー220を装飾カバーとして用いてもよい。例えば、透光カバー220に模様を付したり形状を変えたりすることで、シャンデリアタイプ等の様々な種類の装飾カバーを実現できる。
図1に示すように、収納ケース230は、装飾パネル210の上面に配置されている。つまり、収納ケース230は、装飾パネル210と天井4との間に配置されており、室内側からは装飾パネル210で隠されている。
収納ケース230は、装飾パネル210に着脱自在に取り付けられている。本実施の形態において、収納ケース230は、装飾パネル210の中心軸に対して略対称な位置に一対配置されている。
図3に示すように、一対の収納ケース230の各々は、円弧状に延びる収納部231と、収納部231の一端部に設けられた略台形枠状の取出部232とを有する。
収納部231の内部には、収納部231の円弧に沿ってコイルバネ233が配置されている。コイルバネ233の一端は、収納部231の内部に固定されている。一方、コイルバネ233の他端部は、吊下部材300の下端部に連結されている。コイルバネ233に連結された吊下部材300は、取出部232の取出口232aから収納ケース230の外部に引き出されている。
一対の収納ケース230に配置された一対のコイルバネ233は、一対の吊下部材300に引っ張られることによって収納ケース230の内部で伸びることができる。照明ユニット3を天井4に固定された器具本体2に取り付けるときに、一対の吊下部材300は、収納ケース230から引き出されるように引っ張られる。これにより、一対のコイルバネ233が伸びて、室内側の天井面に配置された装飾部材200は、吊下部材300で引っ張られるようにして天井4に押さえ付けられる。
[吊下部材]
吊下部材300は、装飾部材200と回動部材400とを連結し、回動部材400から装飾部材200を吊り下げている。本実施の形態において、吊下部材300は、金属製のワイヤ(吊り下げワイヤ)であり、一対設けられている。一対の吊下部材300は、器具本体2の中心軸を中心として対向する位置に配置されている。具体的に、図1に示すように、一対の吊下部材300は、装飾部材200の器具本体2の中心軸に対して傾斜するように架張されている。
図1〜図3に示すように、一対の吊下部材300の各々の上端部は、回動部材400に接続されている。具体的には、各吊下部材300の上端部は、回動部材400のスライド本体420に連結されている。一方、一対の吊下部材300の各々の下端部は、装飾部材200の収納ケース230に収納されたコイルバネ233に連結されている。
[回動部材]
回動部材400は、照明部材100に対して回動自在の状態で照明部材100に取り付けられる。つまり、回動部材400は、回動部材400及び照明部材100が互いに自由に回動できる状態で照明部材100に保持されている。具体的には、回動部材400と照明部材100とは互いに規制されることなく摺動しながら無限に回転することができる。これにより、照明部材100を回転させて口金110をソケット2cに取り付けたりソケット2cから取り外したりする際に、照明部材100の回転に伴って装飾部材200及び吊下部材300も回転してしまうことを抑制できる。
また、回動部材400は、装飾部材200の水平方向の位置を調整可能とする位置調整機構を有する。具体的には、位置調整機構は、回動部材400に連結された吊下部材300で吊り下げられた装飾部材200の水平方向を水平方向に移動することで、装飾部材200を水平方向の位置を調整する機能を有する。
ここで、回動部材400の構成について、図1〜図3を参照しつつ、図4〜図7を用いて詳細に説明する。図4及び図5は、回動部材400から照明部材100を外したときの回動部材400及び照明部材100の斜視図であり、図4は斜め上方から見たときの図、図5は斜め下方から見たときの図を示している。図6は、回動部材400の分解斜視図であり、図7は、回動部材400の断面図である。
図1〜図7に示すように、回動部材400は、保持体410と、位置調整機構としてスライド本体420とを有する。
図1〜図3に示すように、保持体410は、照明部材100の光軸を回転軸として照明部材100が回転自在となるように照明部材100を保持する。
図4〜図7に示すように、保持体410は、1本の金属線からなる金属フレーム(ワイヤフレーム)である。つまり、保持体410は、1本の金属線を折り曲げ加工することによって形成されている。保持体410を構成する金属線は、例えばステンレス線であるが、これに限らない。
金属線からなる保持体410は、各々が照明部材100の外周部を囲んで照明部材100を保持する略円弧状の第1保持部411及び第2保持部412と、第1保持部411及び第2保持部412の略円弧状の円弧端同士を連結し且つ平行に延在する2本のレール部413とを有する。
スライド本体420は、照明部材100の光軸方向にスライド移動可能に保持体410に取り付けられている。スライド本体420は、2本のレール部413に対してスライド移動可能に2本のレール部413に保持されている。スライド本体420をスライド移動させることで、吊下部材300とともに装飾部材200の水平方向の位置を調整することができる。
具体的には、スライド本体420は、図6及び図7に示すように、2本のレール部413をなす2本の金属線が挿通される挿通孔を有する第1スライド体421と、第1スライド体421を挟持する第2スライド体422とを有する。
第1スライド体421は、樹脂製であり、一対の第1樹脂部品421a及び第2樹脂部品421bによって構成されている。2本のレール部413をなす2本の金属線は、第1樹脂部品421aと第2樹脂部品421bとによって挟持されている。第1樹脂部品421a及び第2樹脂部品421bは、例えばポリブチレンテレフタレートによって構成されているが、これに限らない。
第2スライド体422は、金属製であり、一対の第1金属部品422a及び第2金属部品422bによって構成されている。第2スライド体422は、第1金属部品422aと第2金属部品422bとによって挟持されている。第1金属部品422a及び第2金属部品422bは、例えばアルミダイカスト製であるが、これに限らない。
一対の第1樹脂部品421a及び第2樹脂部品421bと第1金属部品422a及び第2金属部品422bとは、2本のレール部413をなす2本の金属線を挟んだ状態でネジ431及び432によって共締めされている。
また、スライド本体420には、照明部材100を囲むように湾曲する長尺状の金属板材であるワイヤ接続体440が設けられている。ワイヤ接続体440は、例えば長尺状のステンレス板であるが、これに限らない。ワイヤ接続体440は、ネジ431によってスライド本体420に固定されている。これにより、スライド本体420の移動に合わせてワイヤ接続体440も移動する。
一対の吊下部材300の一方の上端部は、ワイヤ接続体440の長手方向の一方の端部に取り付けられている。また、一対の吊下部材300の他方の上端部は、ワイヤ接続体440の長手方向の他方の端部に取り付けられている。これにより、スライド本体420の移動に合わせて吊下部材300も移動する。つまり、吊下部材300に吊り下げられた装飾部材200もスライド本体420の移動に合わせて移動する。
また、図6に示すように、保持体410には、保持体410から照明部材100が脱落することを防止するための折曲部414が設けられている。折曲部414は、保持体410を構成する金属線の一部を、照明部材100のグローブ130の頂部に向けて折り曲げることで形成されている。
本実施の形態において、折曲部414は、保持体410を構成する1本の金属線の開放端部同士が連結された部分である。このため、折曲部414における金属線は、金属パイプ450に挿入されている。つまり、折曲部414における金属線の開放端部は、金属パイプ450内で向き合うように配置されている。
さらに、金属パイプ450は、ストッパ460によって保持されている。ストッパ460は、樹脂製の樹脂部品であり、折曲部414の金属線が挿入された金属パイプ450を保持している。ストッパ460は、回動部材400が照明部材100に取り付けられたときに、照明部材100のグローブ130の頂部付近に当接する。ストッパ460がグローブ130に当接することによって、照明部材100が保持体410から抜け落ちることを防止することができる。
このように構成される回動部材400は、図8の(a)に示すように、照明部材100に取り付けられる。例えば、図5に示される状態から、照明部材100を回動部材400の保持体410に向けて押し込むことで、図8の(a)に示すように、照明部材100を第1保持部411及び第2保持部412で保持させることができる。
そして、図8の(b)に示すように、回動部材400において、スライド本体420は、保持体410のレール部413に沿ってスライド移動させることができる。つまり、スライド本体420は、照明部材100の光軸に沿ってスライド移動する。
これにより、図9の(a)に示すように、回動部材400で保持された照明部材100をソケット2cに取り付けたときに、回動部材400に連結された吊下部材300で吊り下げられた装飾部材200の水平方向の位置が器具本体2に対してずれている場合、図9の(b)に示すように、スライド本体420をスライド移動させることで、装飾部材200の水平方向の位置ずれをなくすことができる。
具体的には、スライド本体420を保持体410のレール部413に沿ってスライド移動させることで、スライド本体420のワイヤ接続体440に連結された一対の吊下部材300が移動し、これに伴って、吊下部材300に吊り下げられた装飾部材200(装飾パネル210)が水平方向に移動する。つまり、スライド本体420のスライド移動に連動して、装飾部材200(装飾パネル210)が天井面(水平面)に沿って水平方向にスライド移動する。これにより、装飾部材200(装飾パネル210)の水平方向の位置を調整することができる。
なお、本実施の形態では、装飾パネル210の開口部から手を挿入してスライド本体420を操作するので、スライド本体420をスライド移動させる際は、装飾部材200の透光カバー220を外している。
[照明ユニットの取付手順]
次に、図10A〜図10Dを用いて、照明ユニット3を器具本体2に取り付ける手順について説明する。図10Aは、器具本体2から既存のランプを取り外す様子を示す図である。図10Bは、実施の形態に係る照明ユニット3を器具本体2に取り付けるときの様子を示す図である。図10Cは、装飾パネル210の位置を調整するときの様子を示す図である。図10Dは、透光カバー220を装飾パネル210に取り付けるときの様子を示す図である。
図10Aに示すように、器具本体2のソケット2cに取り付けられた既存のLED電球100Aをソケット2cから取り外す。
次に、図10Bに示すように、照明ユニット3の照明部材100を器具本体2のソケット2cに取り付ける。具体的には、吊下部材300によって装飾パネル210と連結した回動部材400を照明部材100に装着しておき、この状態で照明部材100を持ち上げてソケット2cに取り付ける。このとき、予め装飾パネル210から透光カバー220を取り外しておくことにより、ユーザは、装飾パネル210の開口部に手を挿入して照明部材100を手で掴むことができる。これにより、装飾パネル210の開口部から手を挿入して照明部材100を掴んだ状態で照明部材100を持ち上げて照明部材100を回転させることで、口金110をソケット2cにねじ込むことができる。
照明部材100を回転させてソケット2cにねじ込む際、照明部材100は回動部材400に回動自在に保持されているので、回動部材400を回動させることなく照明部材100のみを回転させてソケット2cに取り付けることができる。つまり、回動部材400から吊り下げられた装飾部材200(装飾パネル210)が照明部材100と伴回りすることなく、照明部材100をソケット2cに取り付けることができる。
このように、照明部材100が器具本体2のソケット2cに取り付けられると、図10Cに示すように、装飾パネル210は、吊下部材300によって吊り下げられた状態で、器具本体2の開口部2aを囲むように配置される。このとき、上述の図1に示すように、吊下部材300によって吊り下げられた装飾パネル210が天井4に引っ掛かるようにして照明部材100が引き上げられるので、収納ケース230に収納されたコイルバネが吊下部材300によって引っ張られて伸びることになる。これにより、装飾パネル210は、コイルバネ233のバネ弾性力(バネ復元力)によって天井面に向かって付勢されて保持される。このように、コイルバネ233が伸びることで、回動部材400から装飾パネル210までの吊下部材300の長さが自動で調節される。
ここで、上記の図9の(a)に示すように、装飾パネル210の水平方向の位置が器具本体2に対してずれている場合、図10Cに示すように、回動部材400による位置調整機構によって、装飾パネル210の水平方向の位置ずれがなくなるように、装飾パネル210を水平移動させることができる。
具体的には、図10Cに示すように、回動部材400のスライド本体420(位置調整機構)をスライド移動させることで、上記の図9の(c)に示すように、吊下部材300が移動するとともに吊下部材300に吊り下げられた装飾パネル210が移動する。これにより、装飾パネル210の水平方向の位置を調整して、装飾パネル210の水平方向の位置ずれをなくすことができる。すなわち、照明器具1の中心軸と装飾パネル200の中心軸とを一致させることができる。
次に、図10Dに示すように、透光カバー220を装飾パネル210に取り付ける。これにより、器具本体2の開口部2aを覆うように装飾部材200が配置されて(図1参照)、器具本体2が装飾部材200により装飾される。このようにして、照明器具1のデザインを変更することができる。
[効果等]
次に、本実施の形態における照明器具1の効果について、本発明の一態様に至った経緯も含めて説明する。
照明器具を天井等に設置した後に照明器具のデザインを変更したい場合、ユーザは、施工業者に再度依頼して照明器具を取り替えてもらう必要がある。
そこで、器具本体のソケットに装着される照明部材(LED電球等)に対して回動自在に取り付けられた回動部材と、吊り下げワイヤ(吊下部材)によって回動部材から吊り下げた装飾部材とからなる照明ユニットを用いることで、照明器具のデザインを変更することが検討されている。
しかしながら、本実施の形態における器具本体2のように、LED電球等の照明部材が横向きの姿勢でソケットに取り付けられるような照明器具では、器具本体の深さ、又は、器具本体における照明部材の光源中心が、器具本体の機種及び取り付ける照明部材のマッチングによって多様であるため、上記の照明ユニットでは対応することが難しいという課題がある。
特に、器具本体のソケットへの挿入方向における照明部材(光源)の位置が器具本体の機種及び照明部材によって異なるので、回動部材から吊り下げられる装飾部材が水平方向にずれて配置されるという課題がある。この結果、例えば、装飾部材の中心と器具本体の中心とがずれてしまう。
そこで、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3では、天井4の開口孔4aを塞ぐように天井面側に配置される装飾部材200と、装飾部材200の水平方向の位置を調整可能とする位置調整機構を有し且つ照明部材100に対して回動自在の状態で照明部材100に取り付けられる回動部材400と、装飾部材200と回動部材400とを連結し且つ回動部材400から装飾部材200を吊り下げる吊下部材300とを備えている。
これにより、照明部材100が横向きの姿勢で取り付けられる器具本体2であっても、装飾部材200を天井面の所定の位置に配置することができる。
具体的には、照明部材100に取り付けられた回動部材400から吊下部材300によって吊り下げられた装飾部材200によって器具本体2の開口部2cが覆われる。これにより、器具本体2が装飾部材200によって装飾される。したがって、照明部材100を器具本体2に取り付けるという比較的簡単な作業を行うことにより、器具本体2を取り替える工事を行うことなく、照明器具1のデザインを容易に変更することができる。
しかも、装飾部材200は、照明部材100に対して回動自在の状態で照明部材100に取り付けられた回動部材400から吊り下げられているので、照明部材100を器具本体2に取り付ける際に、回動部材400から吊り下げられた装飾部材200が照明部材100の回転で照明部材100と伴回りすることなく照明部材100をソケット2cにねじ込むことができる。
さらに、回動部材400は、装飾部材200の水平方向の位置を調整可能とする位置調整機構を有しているので、照明部材100から吊り下げられる装飾部材200の水平方向の位置を微調整して、装飾部材200の水平方向の位置ずれをなくすことができる。具体的には、装飾部材200の中心と器具本体2の中心とを容易に一致させることができる。
以上、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3によれば、幅広い機種の照明器具に対してデザインを容易に変更することができる。
また、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3において、回動部材400は、照明部材100の光軸を回転軸として照明部材100が回転自在となるように照明部材100を保持する保持体410と、位置調整機構として、照明部材100の光軸方向にスライド移動可能に保持体410に取り付けられたスライド本体420とを有する。
これにより、保持体410に取り付けられたスライド本体420をスライド移動させることで、回動部材400から吊り下げられた装飾部材200を水平方向に移動させることができる。したがって、簡単な操作で装飾部材200の水平方向の位置ずれをなくすことができる。
また、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3において、保持体410は、1本の金属線からなる金属フレームであって、各々が照明部材100の外周部を囲んで照明部材100を保持する略円弧状の第1保持部411及び第2保持部412と、第1保持部411及び第2保持部412の略円弧状の円弧端同士を連結し且つ平行に延在する2本のレール部413とを有しており、さらに、スライド本体420は、2本のレール部413に対してスライド移動可能に2本のレール部413に保持されている。
これにより、スライド本体420を容易にスライド移動させることができる。また、保持体410を金属線からなる金属フレームにすることで、照明部材100を遮光する部分を極力少なくすることができるので、照明器具1としての光束の低下を抑制することもできる。
また、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3において、スライド本体420は、2本のレール部413をなす2本の金属線が挿通される挿通孔を有する樹脂製の第1スライド体421と、第1スライド体421を挟持する金属製の第2スライド体422とを有する。
このように、金属線と摺動する第1スライド体421を樹脂製にすることで、スライド本体420のスライド性能の向上とスライド本体420の摩擦による保持力向上との両立を図ることができる。つまり、スライド本体420の保持体410への保持力を維持しつつも、スライド本体420を容易にスライドさせることができる。
しかも、第1スライド体421を金属製の第2スライド体422で挟持することで、樹脂製のみでスライド本体420を構成する場合と比べて、スライド本体420の剛性を大きくすることができる。これにより、スライド本体420を介して装飾部材200が吊り下げられていても、スライド本体420の劣化による装飾部材200の落下等の不具合を抑制することができる。
また、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3において、吊下部材300は、一対のワイヤであり、スライド本体420には、照明部材100を囲むように湾曲する長尺状の金属板材であるワイヤ接続体440が設けられている。そして、吊下部材300の一対のワイヤの一方は、ワイヤ接続体440の長手方向の一方の端部に取り付けられ、吊下部材300の一対のワイヤの他方は、ワイヤ接続体440の長手方向の他方の端部に取り付けられている。
これにより、一対の吊下部材300(ワイヤ)によって、装飾部材200を安定して吊り下げることができる。
また、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3において、装飾部材200は、天井4の開口孔4aを囲む装飾パネル210と、装飾パネル210に着脱自在に取り付けられ、天井4の開口孔4aを覆う透光カバー220とを有する。
これにより、装飾パネル210を別の種類の装飾パネル210に交換したり、透光カバー220を装飾カバー等として別のタイプの透光カバー220に交換したりすることによって、照明器具1のデザインを容易に変更することができる。
また、本実施の形態における照明器具1及び照明ユニット3において、照明部材100は、T形のグローブを有するランプである。
これにより、照明部材100をソケット2cに横向きの姿勢で取り付ける場合であっても、照明部材100を用意にソケット2cに取り付けることができる。
(変形例)
以下、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3の変形例について、図面を用いて説明する。なお、以下の変形例で用いる図面についても、説明の都合上、器具本体2及び天井4の一部を切り欠いて図示している。
(変形例1)
図11は、変形例1に係る照明器具1A及び照明ユニット3Aの全体構成を示す斜視図である。
本変形例に係る照明器具1A及び照明ユニット3Aは、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と回動部材の構造が異なる。
本変形例における回動部材400Aは、上記実施の形態における回動部材400と同様に、照明部材100を回動自在で保持する保持体410Aと、位置調整機構として保持体410Aに対してスライド移動するスライド本体420Aとを有するが、本変形例における保持体410A及びスライド本体420Aは、上記実施の形態における保持体410及びスライド本体420と構造が異なる。
具体的には、上記実施の形態における保持体410は、金属ワイヤからなるワイヤフレームであったが、本変形例における保持体410Aは、樹脂材料によって構成された樹脂フレームである。保持体410Aの樹脂材料としては、例えばポリブチレンテレフタレートを用いることができる。さらに、保持体410Aのスライド本体420Aとの連結部分には、照明部材100の光軸に沿って波打つ複数の波型凹凸部が形成されている。なお、本変形例における保持体410Aも、照明部材100の光軸を回転軸として照明部材100が回転自在となるように照明部材100を保持している。
また、上記実施の形態におけるスライド本体420は、金属ワイヤからなるワイヤフレームに摺動するようにスライド移動していたが、本変形例におけるスライド本体420Aは、保持体410Aに形成された波型凹凸部に従って照明部材100の光軸に沿って段階的にスライド移動する。つまり、スライド本体420Aは、多段階でスライド移動する。
また、本変形例における回動部材400Aは、照明部材100の脱落を防止するストッパ460Aとしてリング状のキャップ部材を有する。キャップ部材であるストッパ460Aは、保持体410Aにおける照明部材100のグローブ130の開口端部に取り付けられている。ストッパ460Aをリング状にすることで、照明部材100の光束の低下を抑制できる。
以上、本変形例における照明器具1A及び照明ユニット3Aによれば、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と同様の作用及び効果を奏する。具体的には、幅広い機種の照明器具に対してデザインを容易に変更できる等の効果を奏する。
(変形例2)
図12は、変形例2に係る照明器具1B及び照明ユニット3Bの全体構成を示す斜視図である。
本変形例に係る照明器具1B及び照明ユニット3Bは、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と回動部材の構造が異なる。
本変形例における回動部材400Bは、上記実施の形態における回動部材400と同様に、照明部材100を回動自在で保持する保持体410Bと、位置調整機構として保持体410Bに対してスライド移動するスライド本体420Bとを有するが、本変形例における保持体410B及びスライド本体420Bは、上記実施の形態における保持体410及びスライド本体420と構造が異なる。
具体的には、上記実施の形態における保持体410は、金属ワイヤからなるワイヤフレームであったが、本変形例における保持体410Bは、変形例1と同様に、樹脂材料によって構成された樹脂フレームである。
また、本変形例におけるスライド本体420Bは、金属棒等の棒状部材である。棒状部材であるスライド本体420Bは、例えばボールネジの原理で照明部材100の光軸に沿ってスライド移動する。例えば、スライド本体420Bの先端に設けられたつまみを回すことによって、スライド本体420Bと吊下部材300との連結部分をスライド移動させることができる。
以上、本変形例における照明器具1B及び照明ユニット3Bでも、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と同様の作用及び効果を奏する。具体的には、幅広い機種の照明器具に対してデザインを容易に変更できる等の効果を奏する。
(変形例3)
図13は、変形例3に係る照明器具1C及び照明ユニット3Cの全体構成を示す斜視図である。
本変形例に係る照明器具1C及び照明ユニット3Cは、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と回動部材の構造が異なる。
本変形例における回動部材400Cは、上記実施の形態における回動部材400と同様に、照明部材100を回動自在で保持する保持体410Cを有するが、回動部材400Cは、位置調整機構として、引っ掛け部420Cを有する。
本変形例において、吊下部材300は、回動部材400Cとの連結部分にフック310Cを有しており、引っ掛け部420Cは、照明部材100の光軸方向に沿ってフック310Cを引っ掛けることができるように構成されている。具体的には、引っ掛け部420Cは、照明部材100の光軸方向に沿って延在する棒状部材であり、例えば金属棒である。
これにより、吊下部材300に取り付けられたフック310Cを引っ掛け部420Cの任意の位置に引っ掛けることで、照明部材100から吊り下げられる装飾部材200の水平方向の位置を微調整して、装飾部材200の水平方向の位置ずれをなくすことができる。つまり、本変形例では、引っ掛け部420Cだけではなく、フック310Cも位置調整機構として機能している。
なお、本変形例における保持体410Cは、変形例1、2と同様に、樹脂材料によって構成された樹脂フレームである。
以上、本変形例における照明器具1C及び照明ユニット3Cによれば、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と同様の作用及び効果を奏する。具体的には、幅広い機種の照明器具に対してデザインを容易に変更できる等の効果を奏する。
なお、本変形例において、ストッパ460Cは、変形例1におけるストッパ460Aと同様に、キャップ部材として回動部材400のグローブ130側に設けたが、これに限らない。例えば、図14に示されるように、回動部材400の口金110側にストッパ460Dを設けてもよい。ストッパ460Dは、回動部材400に対して照明部材100が口金110側に移動することを規制する固定リング部材である。ストッパ460Dは、例えば樹脂製であり、照明部材100の筐体120に接着剤等で固定されている。
また、図13に示すように、本変形例において、吊下部材300のフック310Cは、棒状部材の引っ掛け部420Cの任意の位置に引っ掛けられる構成としたが、これに限らない。例えば、図15に示されるように、フック310Cを引っ掛ける位置を、引っ掛け部420Cに予め設定された所定の複数個所としてもよい。具体的には、図15に示される保持体410Eに複数の凸部が形成されている。この複数の凸部は、照明部材100の光軸方向に沿って並ぶように形成され、かつ、引っ掛け部420Cに接触するように引っ掛け部420Cに向かって突出している。これにより、引っ掛け部420Cにおけるフック310Cの引っ掛け箇所を複数に区分することができる。
(変形例4)
図16は、変形例4に係る照明器具1F及び照明ユニット3Fの全体構成を示す斜視図である。
本変形例に係る照明器具1F及び照明ユニット3Fは、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と回動部材の構造が異なる。
本変形例における回動部材400Fは、上記実施の形態における回動部材400と同様に、照明部材100を回動自在で保持する保持体410Fを有するが、回動部材400Fは、位置調整機構として、引っ掛け部420Fを有する。
本変形例において、吊下部材300は、回動部材400Fとの連結部分にフック310Fを有しており、引っ掛け部420Fは、照明部材100の光軸方向に沿ってフック310Fを複数箇所に引っ掛けることができるように構成されている。具体的には、引っ掛け部420Fは、照明部材100の光軸方向に沿って並んで回動部材400の保持体410Fに設けられた複数の突起である。
これにより、吊下部材300に取り付けられたフック310Fを引っ掛け部420Fの任意の突起に引っ掛けることで、照明部材100から吊り下げられる装飾部材200の水平方向の位置を調整して、装飾部材200の水平方向の位置ずれをなくすことができる。つまり、本変形例でもフック310CFは位置調整機構として機能している。
なお、本変形例における保持体410Fは、変形例1〜3と同様に、樹脂材料によって構成された樹脂フレームである。また、保持体410Fには、ストッパ460Fとして照明部材100のグローブ130の頂部に当接するバーが形成されている。
以上、本変形例における照明器具1F及び照明ユニット3Fによれば、上記実施の形態に係る照明器具1及び照明ユニット3と同様の作用及び効果を奏する。具体的には、幅広い機種の照明器具に対してデザインを容易に変更できる等の効果を奏する。
(その他の変形例)
以上、本発明に係る照明器具及び照明ユニットについて、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、照明部材100は、LEDランプとしたが、これに限らない。照明部材100としては、既存の蛍光ランプ又は白熱電球等であってもよい。
また、上記実施の形態及び変形例における照明ユニットは、ソケットが器具本体の頂部(底部)に設けられた場合にも適用できる。つまり、照明部材が縦向きの姿勢(グローブが直下を向いている姿勢)で挿入されるソケットを有する器具本体に対しても適用することができる。
その他に、上記各実施の形態及び変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。