JP6721231B2 - 電源回路 - Google Patents

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Description

本発明は半導体装置に係り、特に外部から入力する電源電圧を所定の低電圧に変換して出力する電源回路に関する。
近年の半導体装置は、高い電源電圧耐性が求められると同時に、多機能、低消費電力、小型化が要求されている。このような半導体装置においては、低い電源電圧で動作可能なロジック回路やアナログ回路等の低耐圧内部回路は、小さな低耐圧素子を用いて構成される。そして、その低耐圧内部回路は、外部供給される電源電圧を低電圧に変換する電源回路から電力の供給を受けるように構成されている。
<第1従来例>
図6(a)に第1従来例の電源回路20Aを示す。この電源回路20Aは、外部入力する電圧VDDの電源端子21にドレインが接続されるNMOSトランジスタMN21、一端が電源VDDに接続され他端がトランジスタMN21のゲートに接続される電流源I21、及びカソードがその電流源I21の他端とトランジスタMN21のゲートの共通接続点に接続されアノードが接地GNDに接続されるツェナーダイオードZD21を備え、トランジスタMN21のソースが出力端子23に接続される降圧回路22からなり、出力端子23から出力する出力電圧VREGが低耐圧内部回路30に供給される。
この電源回路20Aでは、図6(b)に示すように、トランジスタMN21と電流源I21が動作する電圧Vcに電源電圧VDDが立ち上がった後は、電源電圧VDDがツェナーダイオードZD21のツェナー電圧VZD21(=Vd)に達するまでは、出力電圧VREGは電源電圧VDDからトランジスタMN21のゲート・ソース間電圧VGS(MN21)だけ低い電圧、つまりVREG=VDD−VGS(MN21)となる。そして、電源電圧VDDがツェナー電圧VZD21に達した後は、VREG=VZD21−VGS(MN21)になる。
この電源回路20Aはソースフォロアからなる無帰還方式の電源回路であり、低耐圧内部回路30に出力する出力電圧VREGの電圧精度は高くないものの、回路面積が非常に小さく、かつ発振しない特徴がある。
<第2従来例>
図7(a)に第2従来例の電源回路20Bを示す。この電源回路20Bは、前記した降圧回路22に加えて、VDD検出回路24と降圧回路25を備える。VDD検出回路24は、電源端子21の電圧VDDを分圧する分圧抵抗R21,R22、その分圧抵抗R21,R22で分圧された電圧V21を基準電圧VREF21と比較するコンパレータCP21、及びそのコンパレータCP21の出力電圧によって動作するNMOSトランジスタMN22を備える。降圧回路25は、ソースが電源端子21に接続されドレインが出力端子23に接続されるPMOSトランジスタMP21、及び一端が電源端子21に接続され他端がトランジスタMP21のゲートに接続される電流源I22を備える。そして、VDD検出回路24のトランジスタMN22のドレインがトランジスタMP21のゲートに接続されている。
この電源回路20Bでは、図7(b)に示すように、トランジスタMN21と電流源I21が動作する電圧Vcに電源電圧VDDが立ち上がった後は、出力電圧VREGは電源電圧VDDからトランジスタMN21のゲート・ソース間電圧VGS(MN21)だけ低い電圧、つまりVREG=VDD−VGS(MN21)となる。この後、電源電圧VDDがコンパレータCP21が動作可能な電圧Veになると、このときは分圧電圧V21が基準電圧VREF21より低いので、コンパレータCP21の出力が“H”になってトランジスタMN22がONし、降圧回路25のトランジスタMP21をONにさせる。このため、出力電圧VREGは降圧回路25から出力する電圧が支配的となり、VREG=VDDとなる。そして、電源電圧VDDがVdにまで高くなって分圧電圧V21が基準電圧VREF21より高くなると、コンパレータCP22の出力が“L”になってトランジスタMN22はOFFとなり、降圧回路25も動作しなくなる。このときは、降圧回路22によって、図6(a)の電源回路20Aと同様に、VREG=VDD−VGS(MN21)になる。
このように、電源回路20Bでは、電源電圧VDDがコンパレータCP21が動作可能な電圧Veを超えた後は、VREG=VDDとなり、図6(a)で説明した電源回路20Aと比較し、トランジスタMN21のゲート・ソース間電圧VGS(MN21)の電圧降下が無いため、高い電圧VREGを出力できる。
<第3従来例>
図8(a)に第3従来例の電源回路20Cを示す。この電源回路20Cは、前記した降圧回路22は使用せず、もう一方の降圧回路25を使用するものであり、この降圧回路25を出力電圧VREGに応じて動作するLDO(ロードロップアウト)型の帰還制御回路26によって制御するようにしたものである。帰還制御回路26は、基準電圧VREF22が設定されたオペアンプOP21、そのオペアンプOP21の出力によって制御されるNMOSトランジスタMN23、出力端子23の出力電圧VREGを検出する分圧抵抗R23,R24、及びキャパシタC21を備える。
この電源回路20Cでは、図8(b)に示すように、電源電圧VDDが帰還制御回路26が動作する電圧Vfに達すると、このときは分圧抵抗R23,R24で出力電圧VREGを分圧した電圧V21が基準電圧VREF22より低いので、オペアンプOP21によってトランジスタMN23が動作して、降圧回路25のトランジスタMP21をONさせる。このため、VREG=VDDに制御される。この後、出力電圧VREGを分圧抵抗R23,R24で分圧した電圧V22が基準電圧VREF22を超える(V22>VREF22)と、オペアンプOP21によってトランジスタMN23のON抵抗が制御されることで、トランジスタMP21のON抵抗が制御される。結局、電源電圧VDDが電圧Vg以上になると、V21=VREF22となるようにトランジスタMP21のON抵抗が制御され、出力電圧VREGは一定値に制御される。
この電源回路20Cでは、図7(a)で説明した電源回路20Bに比べ、電源電圧VDDを分圧する高抵抗の分圧抵抗R21,R22が不要であるため、小型、低消費電力を実現できる。
<第4従来例>
図9に第4従来例の電源回路20D(特許文献1参照)を示す。この電源回路20Dは、低耐圧内部回路30に出力する出力電圧VREGをオペアンプOP22によって基準電圧VREF23と比較した結果に応じて、デプレッション型のNMOSトランジスタMN24のゲートを制御することで、VREG=VREF23に制御するものである。そして、トランジスタMN24の基板電圧を基板電圧制御回路27によって調整することで、トランジスタMN24のゲート・ソース間電圧VGS(MN24)が大きくならないようにしている。また、トランジスタMN24がデプレッション型であるので、そのトランジスタMN24はVGS(MN24)=0Vであっても動作するところから、特定の場合に、パワーダウン端子28に“H”のパワーダウン信号PDを入力させることによって、トランジスタMN24の電源端子21の側に直列接続されたPMOSトランジスタMP22をOFFさせ、電源回路20Dへの電源供給を停止できるようになっている。
特開2012−003678号公報
ところが、図6(a)で説明した電源回路20Aは、ツェナーダイオードZD21のツェナー電圧VZD21によって出力電圧VREGが決定されるが、図6(b)に示すように、その出力電圧VREGは、トランジスタMN21のゲート・ソース間電圧VGS(MN21)だけ電源電圧VDDよりも低下してしまう。このため、トランジスタMN21として一般的なエンハンスメント型を用いた場合、VGS(MN21)≒1Vであるため、例えばVDD=3Vのときには出力VREGは2Vに低下してしまう。これは、低いVDD電圧での動作対応を実現する際、大きな障害となる。
また、図7(a)で説明した電源回路20Bは、VDD検出回路24が機能できる電圧に電源電圧VDDが達していないとき(VDD<Ve)は、降圧回路25のトランジスタMP21が動作できず、超低電圧動作を実現できない。
また、図8(a)で説明した電源回路20Cは、図7(a)の電源回路20Bと同じく、帰還制御回路26が機能できる電圧に電源電圧VDDが達していないとき(VDD<Vf)は、VREG=0Vとなってしまい、超低電圧動作を実現出来ない。さらに、帰還制御回路26がLDOレギュレータ構成であるため、発振の恐れがある。つまり、PMOSトランジスタMP21を出力素子とする本構成は、負荷によってゲインと位相が変化するため、ロバスト性を十分考慮したうえで、位相補償を最適化しなければならず、設計コストの上昇にもつながる。
さらに、図9で説明した電源回路20Dは、デプレッション型のNMOSトランジスタMN2を形成するために、ウェハ製造工程数が増加するため、コストが上昇する。また、高耐圧のデプレッション型のNMOSトランジスタを形成する必要があり、特別な製造工程を用意する必要がある。また、トランジスタMN24にトランジスタMP22が直列に接続されているため、2つのトランジスタMN24,MP22のON抵抗が電源端子21と出力端子23の間に存在することになるので、電源電圧VDDが低下したとき、出力電圧VREGを出来るだけ高くするためには、トランジスタMN24の素子サイズを大きくする必要があり、回路面積の拡大を招く。また、デプレッション型のトランジスタMN24のゲート・ソース間電圧VGS(MN24)を可能な限り小さくするために、特別に基板電位発生回路27が必要となっている。さらに、電源電圧VDDが極めて低く、トランジスタMN24のゲート・ソース間電圧VGS(MN24)が小さくなってしまうと、トランジスタMN24がデプレッション型であっても電流の出力が不足し、出力電圧VREGが降下する場合がある。
本発明の目的は、上記した問題点を解決して、VDD電圧が低いときであってもそのVDD電圧に応じた電圧を出力することができ、また分圧抵抗やコンパレータ、基板電位発生回路等が必要なく小さな面積で実現でき、さらに高い発振耐性をもつ電源回路を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、第1電源端子にソースが接続された第1導電型の第2トランジスタ、前記第1電源端子にドレインが接続され前記第1導電型の第2のトランジスタのドレインがゲートに接続されソースが出力端子に接続された第2導電型の第1トランジスタ、及び前記第2導電型の第1トランジスタのゲートと前記第1導電型の第2トランジスタのドレインの共通接続点と第2電源端子との間に接続されたツェナーダイオードを有する第1降圧回路と、前記第1電源端子にソースが接続されドレインが前記出力端子に接続された第1導電型の第3トランジスタ、及び前記第1電源端子と前記第1導電型の第3トランジスタのゲートとの間に接続された第2電流源を有する第2降圧回路と、前記第1電源端子の電圧が低いときに前記第1導電型の第2トランジスタが線形動作することを検出する線形動作検出回路と、該線形動作検出回路が前記第1導電型の第2トランジスタの線形動作を検出したとき前記第1導電型の前記第3トランジスタをONさせ、前記第1導電型の第2トランジスタの線形動作を検出しないとき前記第1導電型の前記第3トランジスタをOFFさせる電圧制御回路と、を備えることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の電源回路において、ソースが前記第1電源端子に接続されドレインとゲートが前記第1導電型の第2トランジスタのゲートに接続された第1導電型の第1トランジスタと、該第1導電型の第1トランジスタのドレイン及びゲートと前記第2電源端子の間に接続された第1電流源を備え、前記線形動作検出回路は、ゲートが前記第1導電型の第1及び第2トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第1導電型の第2トランジスタのドレインに接続された第1導電型の第4トランジスタで構成され、前記電圧制御回路は、前記第1導電型の第4トランジスタのドレイン電流をミラーして前記第1導電型の第3トランジスタを制御するカレントミラー回路で構成されている、ことを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の電源回路において、前記ツェナーダイオードに代えて、前記出力端子の電圧と基準電圧との比較結果によって前記第2導電型の第1トランジスタのゲートを制御する帰還制御回路を備えることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の電源回路において、前記帰還制御回路は、ドレインが前記第2導電型の第1トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第2電源端子に接続された第2導電型の第4トランジスタと、前記第1電源端子の電圧と前記第2電源端子の電圧で動作し、前記出力端子と前記第2電源端子の間の電圧に対応した電圧と基準電圧を比較した結果によって前記第2導電型の第4トランジスタを制御するオペアンプとを備えることを特徴とする。
請求項1にかかる発明によれば、電源電圧が低いときであってもその電源電圧とほぼ同じ電圧を出力でき、電源電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧に達するとそのツェナー電圧に対応した安定な電圧を出力することができ、このとき基板電位発生回路は必要なく、小さな面積で実現できる。
請求項2にかかる発明によれば、線形動作検出回路は1個のトランジスタで、電圧制御回路は2個のトランジスタによるカレントミラー回路で構成でき、小さな面積で実現できる。
請求項3にかかる発明によれば、出力インピーダンスの低いソースホロワ接続の出力段を用いた第1降圧回路に帰還制御回路を組み合わせるため、その帰還制御回路が発振しずらく、且つ、電源電圧が低いときであってもその電源電圧とほぼ同じ電圧を出力することができる。また、請求項1、2におけるツェナーダイオードに代えて帰還制御回路を使用するので、内部基準電圧対応した正確な出力電圧を出力することができる。
請求項4にかかる発明によれば、帰還制御回路はオペアンプ、基準電圧、1個のトランジスタ、および分圧抵抗で実現できるとともに、その帰還制御回路は低電圧で動作する必要がないため、回路の工夫やデプレッション型や低閾値電圧などの素子を使用する必要がなく、小さな面積で実現できる。
本発明の第1実施例の電源回路の回路図である。 図1の電源回路の動作波形図である。 本発明の第2実施例の電源回路の回路図である。 図3の電源回路の動作波形図である。 本発明の第3実施例の電源回路の回路図である。 (a)は第1従来例の電源回路の回路図、(b)はその動作波形図である。 (a)は第2従来例の電源回路の回路図、(b)はその動作波形図である。 (a)は第3従来例の電源回路の回路図、(b)はその動作波形図である。 第4従来例の電源回路の回路図である。
<第1実施例>
図1に本発明の第1実施例の電源回路10Aを示す。図1において、11は電圧VDDが入力する電源端子、12は第1降圧回路、13は第2降圧回路、14は線形動作検出回路、15は電圧制御回路である。また、30は低耐圧内部回路であり、電源回路10Aによって出力端子16に出力する出力電圧VREGが入力する。
第1降圧回路12は、電流源としてのPMOSトランジスタMP2、NMOSトランジスタMN1、及びツェナーダイオードZD1により構成されている。トランジスタMP2はPMOSトランジスタMP1とカレントミラー接続され、そのトランジスタMP1のドレインに接続された電流源I1の電流がトランジスタMP2のドレインにミラーされるようになっている。ツェナーダイオードZD1は、トランジスタMP2のドレインとトランジスタMN1のゲートの共通接続点とGNDとの間に接続されている。第2降圧回路13は、PMOSトランジスタMP3と電流源I2により構成されている。そして、トランジスタMN1のソースとトランジスタMP3のドレインが、出力端子16に接続されている。
線形動作検出回路14は、トランジスタMP2が線形動作を行っているとき検出信号VS1をイネーブルにして電圧制御回路15に出力する。電圧制御回路15は、線形動作検出回路14の検出信号VS1に応じて、トランジスタMP3を制御する制御信号VS2を出力する。
本実施例の電源回路10Aは、電源電圧VDDがGND電位から徐々に上昇し、(図2(a))に示すように、VDD=VaとなることでトランジスタMP1と電流源I1が活性化すると、そのトランジスタMP1とカレントミラー接続されたトランジスタMP2がドレイン電流を流そうとするが、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1を超えるまでは電流パスが無く、トランジスタMP2のドレイン電圧VD(MP2)は電源電圧VDDとほぼ等価になる。このときは、トランジスタMP2は線形領域に入って、そのドレイン電圧VD(MP2)とソース電圧VS(MP2)は、VD(MP2)≒VS(MP2)=VDDの関係を維持する。
これによって、線形動作検出回路14がトランジスタMP2が線形動作していることを検出して検出信号VS1が“H”に設定され(図2(b))、このため電圧制御回路15の出力電圧VS2が“L”に制御される(図2(c))。よって、トランジスタMP3のゲート電位が下げられ、トランジスタMP3がONする(図2(d))。このようにして、トランジスタMP2が線形動作している間は、第2降圧回路13が動作して、VREG=VDDになるような制御が行われる(図2(e))。
この後、電源電圧VDDがツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1(=Vb)を超えると、トランジスタMP2が飽和領域に遷移し、線形動作検出回路14の検出信号VS1が“L”に反転し、電圧制御回路15の出力信号VS2が“H”に反転して、トランジスタMP3がOFFする。また、トランジスタMP2のドレイン電圧VD(MP2)がツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1になり、トランジスタMN1のドレインから「VZD1−VGS(MN1)」の電圧が出力端子16に出力電圧VREGとして印加する。このように、電源電圧VDDが上昇しツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1(=Vb)を超えると、第2降圧回路13に代わって、第1降圧回路12が安定した出力電圧VREG(=VZD1−VGS(MN1))を出力する。
本実施例によれば、電源電圧VDDが低いときの出力電圧VREGの低下を緩和することが出来、電源電圧VDDが低くても低耐圧内部回路30を動作させることができる。また、基準電圧源、オペアンプ、分圧抵抗等が不要となるため、回路面積が小さくなり消費電流も低減することができる。さらに、デプレッショントランジスタや基板電圧発生回路を用いる必要もない。
<第2実施例>
図3に本発明の第2実施例の電源回路10Bを示す。本実施例は、図1で説明した電源回路10Aを具体化したものである。ここでは、線形動作検出回路14を、ゲートがトランジスタMP1,MP2のゲートに接続され、ソースがトランジスタMP2のドレインに接続されたPMOSトランジスタMP4で構成する。また、電圧制御回路15を、カレントミラー接続されたNMOSトランジスタMN2,MN3で構成している。トランジスタMN2のゲートとドレインはトランジスタMP4のドレインに接続され、トランジスタMN3のゲートはトランジスタMN2のゲートに接続されている。
電源電圧VDDがGND電位から徐々に上昇し、(図4(a))に示すように、VDD=VaとなることでトランジスタMP1と電流源I1が活性化する。そして、トランジスタMP1とカレントミラー接続されたトランジスタMP2がドレイン電流を流そうとするが、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1を超えるまでは電流パスが無く、トランジスタMP2のドレイン電圧VD(MP2)は電源電圧VDDとほぼ等価になり、トランジスタMP2は線形領域に入る。このとき、そのドレイン電圧VD(MP2)も電源電圧VDDとほぼ等価になる。また、トランジスタMP4のソース電圧VS(MP4)もほぼ電源電圧VDDと等しくなる。このため、トランジスタMP2のゲート・ソース間電圧VGS(MP2)とトランジスタMP4のゲート・ソース間電圧VGS(MP4)が、VGS(MP2)≒VGS(MP4)となり、トランジスタMP4がONしてドレイン電流ID(MP4)を流す(図4(b))。このときの電流ID(MP4)は、電流源I1の電流I1とほぼ同じであり、トランジスタMN2,MN3によってミラーされ、トランジスタMP3のゲート電圧を引き下げる。よって、そのトランジスタMP3がONし、VDD=VREGとなる(図4(c))。
電源電圧VDDがツェナーダイオードのツェナー電圧VZD1を超えると、PMOSトランジスタMP2が飽和領域に遷移し、トランジスタMP4のゲート・ソース間電圧VGS(MP4)が小さくなってそのトランジスタMP4がOFFする。また、トランジスタMP2のドレイン電圧がツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1になるので、VREG=VDD−VGS(MN1)となる。
<第3実施例>
図5に本発明の第3実施例の電源回路10Cを示す。本実施例は、図2で説明した電源回路10Bにおいて、ツェナーダイオードZD1に代えて帰還制御回路17を設け、ソースホロワ接続のトランジスタMN1を出力段とするシリーズレギュレータを構成したものである。帰還制御回路17は、基準電圧VREF1が設定されたオペアンプOP1、そのオペアンプOP1の出力電圧に応じて制御されるNMOSトランジスタMN4、及び出力端子16の出力電圧VREGを検出する分圧抵抗R1,R2を備える。トランジスタMN4のドレインはトランジスタMP2のドレインとトランジスタMN1のゲートに接続されている。
電源電圧VDDが、トランジスタMP1と電流源I1が動作可能な電圧に達しても、帰還制御回路17が動作可能な電圧に達しないときは、トランジスタMN4がOFFされる。このため、トランジスタMP2によりトランジスタMN1のゲート電位が電源電圧VDDまで引き上げられるが、そのトランジスタMN1のドレインはVDD−VGS(MN1)以上の電圧を出力できない。
しかし、トランジスタMP2が線形動作していることをトランジスタMP4が検出すると、PMOSトランジスタMP4はドレイン電流ID(MP4)を流す。この電流はトランジスタMN2,MN3によりミラーされるので、トランジスタMP3のゲート電圧が引き下げられて、そのトランジスタMP3がONし、出力端子16の電圧VREGがVREG=VDDとなる(図4(c)と同じ)。
この後、電源電圧VDDが上昇して帰還制御回路17が動作可能な電圧に達し、出力電圧VREGを分圧抵抗R1,R2で分圧した電圧V1が帰還制御回路17の基準電圧VREF1を上回る(V1>VREF1)と、トランジスタMN4がONしてトランジスタMP2は飽和領域に遷移し、線形動作検出回路14のトランジスタMP4がOFFするので、電圧制御回路15のトランジスタMN2,MN3がOFFして、第2降圧回路13のトランジスタMP3がOFFする。
そして、この後は、分圧抵抗R1,R2で検出した電圧V1が基準電圧VREF1になるようにトランジスタMN4,MN1,MP2が帰還制御され、出力電圧VREGが基準電圧VREF2に対応した電圧になるよう制御される。
本実施例では、帰還制御回路17によってNMOSのトランジスタMN1のゲートを制御するので、発振の可能性が低くなる。また、出力端子16の負荷電流量に対してゲインと位相の変化が小さくなるため、位相補償が簡単となり、図示しない位相補償キャパシタを接続する場合はその容量を小さくすることができ、回路面積を小さくできる。また、線形動作検出回路14のトランジスタMP4と電圧制御回路15のトランジスタMN2,MN3が活性化すればVREG=VDDにすることができるので、電源電圧VDDが帰還制御回路17が動作できない低電圧であっても、電圧VREGを低耐圧内部回路30に対して出力することができる。
10A,10B,10C:本発明の電源回路
11:電源端子、12:第1降圧回路、13:第2降圧回路、14:線形動作検出回路、15:電圧制御回路、16:出力端子、17:帰還制御回路
20A,20B,20C,20D:従来の電源回路
21:電源端子、22:降圧回路、23:出力端子、24:VDD検出回路、25:降圧回路、26:帰還制御回路、27:基板電位発生回路、28:パワーダウン端子
30:低耐圧内部回路

Claims (4)

  1. 第1電源端子にソースが接続された第1導電型の第2トランジスタ、前記第1電源端子にドレインが接続され前記第1導電型の第2のトランジスタのドレインがゲートに接続されソースが出力端子に接続された第2導電型の第1トランジスタ、及び前記第2導電型の第1トランジスタのゲートと前記第1導電型の第2トランジスタのドレインの共通接続点と第2電源端子との間に接続されたツェナーダイオードを有する第1降圧回路と、
    前記第1電源端子にソースが接続されドレインが前記出力端子に接続された第1導電型の第3トランジスタ、及び前記第1電源端子と前記第1導電型の第3トランジスタのゲートとの間に接続された第2電流源を有する第2降圧回路と、
    前記第1電源端子の電圧が低いときに前記第1導電型の第2トランジスタが線形動作することを検出する線形動作検出回路と、
    該線形動作検出回路が前記第1導電型の第2トランジスタの線形動作を検出したとき前記第1導電型の前記第3トランジスタをONさせ、前記第1導電型の第2トランジスタの線形動作を検出しないとき前記第1導電型の前記第3トランジスタをOFFさせる電圧制御回路と、
    を備えることを特徴とする電源回路。
  2. 請求項1に記載の電源回路において、
    ソースが前記第1電源端子に接続されドレインとゲートが前記第1導電型の第2トランジスタのゲートに接続された第1導電型の第1トランジスタと、該第1導電型の第1トランジスタのドレイン及びゲートと前記第2電源端子の間に接続された第1電流源を備え、
    前記線形動作検出回路は、ゲートが前記第1導電型の第1及び第2トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第1導電型の第2トランジスタのドレインに接続された第1導電型の第4トランジスタで構成され、
    前記電圧制御回路は、前記第1導電型の第4トランジスタのドレイン電流をミラーして前記第1導電型の第3トランジスタを制御するカレントミラー回路で構成されている、
    ことを特徴とする電源回路。
  3. 請求項1又は2に記載の電源回路において、
    前記ツェナーダイオードに代えて、前記出力端子の電圧と基準電圧との比較結果によって前記第2導電型の第1トランジスタのゲートを制御する帰還制御回路を備えることを特徴とする電源回路。
  4. 請求項3に記載の電源回路において、
    前記帰還制御回路は、ドレインが前記第2導電型の第1トランジスタのゲートに接続され、ソースが前記第2電源端子に接続された第2導電型の第4トランジスタと、前記第1電源端子の電圧と前記第2電源端子の電圧で動作し、前記出力端子と前記第2電源端子の間の電圧に対応した電圧と基準電圧を比較した結果によって前記第2導電型の第4トランジスタを制御するオペアンプとを備えることを特徴とする電源回路。

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