JP6720650B2 - 薄膜製造方法および薄膜製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)による薄膜製造方法および薄膜製造装置に関するものである。
ALDプロセスによる薄膜の製造においては、2種類以上の原料で構成された薄膜である混合膜の形成が課題である。これについて、例えば特許文献1では、2種類の前駆体を同時に供給し、各前駆体の供給量を制御することにより薄膜を構成する成分の含有比率を制御し、混合膜を形成する方法が提案されている。
特開2011−35247号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、2つの原料の供給量を精密に制御する必要があるため、混合膜の形成が困難である。
本発明は上記点に鑑みて、混合膜を容易に形成できる薄膜製造方法および薄膜製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、原子層堆積法による薄膜製造方法であって、基材(202)を用意すること(S101)と、基材の表面を所定の範囲に含まれる温度とすること(S102)と、基材が配置された空間に、所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が所定の値よりも小さい原料を含む第1ガスを供給すること(S105)と、第1ガスを供給することの後、空間に、所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が所定の値以上である原料を含む第2ガスを供給すること(S107)と、第2ガスを供給することの後、空間に酸化剤を供給すること(S109)と、を備え、第1ガスを供給することでは、基材の表面に未結合手が残るように第1ガスを供給し、第2ガスを供給することでは、第2ガスの原料が残った該未結合手と結合するように、第1ガスに含まれる原料と同一の官能基を持つ原料を含む第2ガスを供給する。
これによれば、第1ガスの原料は、基材の表面の温度における成膜速度が所定の値よりも小さいので、第1ガスの供給により、基材の表面の結合手の一部のみが第1ガスの原料と結合する。また、第2ガスの原料は、基材の表面の温度における成膜速度が所定の値以上であるので、第1ガスの供給の後に第2ガスを供給することにより、基材の表面に残った未結合手が第2ガスの原料と結合する。そのため、2つの原料の供給量を精密に制御する必要がなく、混合膜を容易に形成することができる。
また、請求項4に記載の発明では、原子層堆積法により薄膜を製造する薄膜製造装置(100)であって、基材(202)の表面を所定の範囲に含まれる温度とする温度制御部(80)と、基材が配置された空間に、所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が所定の値よりも小さい原料を含む第1ガスを供給する第1供給部(10)と、空間に、所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が所定の値以上である原料を含む第2ガスを供給する第2供給部(20)と、空間に酸化剤を供給する第3供給部(30)と、を備え、第1供給部は、温度制御部が基材の表面を所定の範囲に含まれる温度とした後、基材の表面に未結合手が残るように空間に第1ガスを供給し、第2供給部は、第1供給部が空間に第1ガスを供給した後、第2ガスの原料が残った該未結合手と結合するように空間に第2ガスを供給し、第3供給部は、第2供給部が空間に第2ガスを供給した後、空間に酸化剤を供給する。
これによれば、基材が配置された空間に、基材の表面の温度における成膜速度が所定の値よりも小さい原料を含む第1ガスを供給し、その後、基材の表面の温度における成膜速度が所定の値以上である原料を含む第2ガスを供給することが可能となる。したがって、請求項1に記載の発明と同様に、混合膜を容易に形成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかる薄膜製造装置の構成を示す図である。 四塩化チタン(TiCl)のALDウィンドウである。 三塩化アルミニウム(AlCl)のALDウィンドウである。 図1に示される薄膜製造装置を用いた薄膜の製造方法の流れを示すフロー図である。 第2実施形態にかかる薄膜製造装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、図1に示す薄膜製造装置100を用いて、熱交換器200の内部に腐食を抑制するための薄膜を製造する方法について説明する。熱交換器200は、車両の内燃機関に環流させる排気ガスを冷却するEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)用の熱交換器であり、熱交換対象物と、熱交換器200の内部を流れる冷媒との熱交換により、熱交換対象物が冷却される。
図1に示すように、熱交換器200は、内部に空洞が形成された枠体201と、枠体201の内部に配置された波形状のフィン202とを備えている。枠体201の両端部には、枠体201の内部の空洞と外部とを連結する流入口203および流出口204が形成されており、枠体201の内部には、流入口203から流出口204に至る流路が形成されている。この流路は、複数のフィン202と、隣り合う2つのフィン202の間に配置された図示しないチューブとによって、複数の細流路に分けられている。
熱交換器200が駆動されると、このチューブを通る熱交換対象物と、このチューブの外側を通る冷媒との熱交換により、熱交換対象物が冷却される。このとき、冷媒は、流入口203から枠体201の内部に流入し、フィン202等によって形成された細流路を通り、流出口204から流出する。本実施形態では、後述する第1ガス、第2ガス、第3ガス、およびパージガスが同様の経路を流れることにより、フィン202の表面に薄膜が形成される。フィン202は基材に相当し、枠体201の内部は基材が置かれた空間に相当する。
図1に示すように、薄膜製造装置100は、第1供給部10と、第2供給部20と、第3供給部30と、第4供給部40と、不活性ガス供給部50と、圧力計60と、減圧部70と、温度制御部80とを備えている。
第1供給部10は、熱交換器200に原料ガスとしての第1ガスを供給するものであり、図1に示すように、第1配管11と、第1タンク12と、第1バルブ13とを備えている。第1配管11の両端部はそれぞれ流入口203、後述する分岐部51aに接続されている。また、第1配管11の途中には、第1タンク12、第1バルブ13が配置されている。第1バルブ13は、第1タンク12と流入口203との間に配置されている。
第1ガスは、フィン202の表面に形成される薄膜の構成成分となるガスと、後述するキャリアガスとが混合されたガスであり、第1タンク12には、第1ガスのうち薄膜の構成成分となるガスの原料が、固体もしくは液体状態にて貯留されている。そして、第1バルブ13の開閉により、第1配管11を通した第1ガスの供給の実行および停止が行われる。第1バルブ13は、例えば電気式の開閉バルブで構成され、図示しない電気回路により開閉制御される。
本実施形態では、薄膜の構成成分となるガスとしてTiClが用いられ、第1タンク12には、TiClの液体が貯留される。図2に、十分な供給量でALD成長させた場合のTiClのALDウィンドウを示す。なお、図2、および、後述する図3のグラフにおいて、Tは基材の温度であり、tは、十分な供給量でのALD成長のサイクルを所定数繰り返した場合に形成される薄膜の厚みである。図2に示すように、ALDプロセスにおけるTiClの成膜速度、つまり、複数サイクルのALD成長により形成された薄膜の1サイクルあたりの厚みは、300℃以下の温度では所定の値以上となり、300℃より高い温度では、所定の値よりも小さくなる。
第2供給部20は、熱交換器200に原料ガスとしての第2ガスを供給するものであり、図1に示すように、第2配管21と、第2タンク22と、第2バルブ23とを備えている。第2配管21の両端部はそれぞれ流入口203、後述する分岐部51aに接続されている。また、第2配管21の途中には、第2タンク22、第2バルブ23が配置されている。第2バルブ23は、第2タンク22と流入口203との間に配置されている。
第2ガスは、フィン202の表面に形成される薄膜の構成成分となるガスと、後述するキャリアガスとが混合されたガスであり、第2タンク22には、第2ガスのうち薄膜の構成成分となるガスの原料が、固体もしくは液体状態にて貯留されている。そして、第2バルブ23の開閉により、第2配管21を通した第2ガスの供給の実行および停止が行われる。第2バルブ23は、例えば電気式の開閉バルブで構成され、図示しない電気回路により開閉制御される。
第2ガスのうち薄膜の構成成分となるガスは、第1ガスのうち薄膜の構成成分となるガスの原料と同一の官能基を持つ原料で構成されている。本実施形態では、薄膜の構成成分となるガスとして、第1ガスに含まれるTiClと同様にクロロ基を持つAlClが用いられ、第2タンク22には、AlClの固体が貯留される。
図3に、十分な供給量でALD成長させた場合のAlClのALDウィンドウを示す。図3に示すように、ALDにおけるAlClの成膜速度は、250℃以上700℃以下の温度では所定の値以上となり、250℃より低い温度、および、700℃より高い温度では、所定の値よりも小さくなる。
つまり、300℃以上700℃以下の温度では、TiClの成膜速度が所定の値よりも小さくなり、AlClの成膜速度が所定の値以上となる。
第3供給部30は、熱交換器200に酸化剤としての第3ガスを供給するものであり、図1に示すように、第3配管31と、第3タンク32と、第3バルブ33とを備えている。第3配管31の両端部はそれぞれ流入口203、後述する分岐部51aに接続されている。また、第3配管31の途中には、第3タンク32、第3バルブ33が配置されている。第3バルブ33は、第3タンク32と流入口203との間に配置されている。
第3ガスは、フィン202の表面に形成される薄膜の構成成分となるガスと、後述するキャリアガスとが混合されたガスであり、第3タンク32には、第3ガスのうち薄膜の構成成分となるガスの原料が、固体もしくは液体状態にて貯留されている。そして、第3バルブ33の開閉により、第3配管31を通した第3ガスの供給の実行および停止が行われる。第3バルブ33は、例えば電気式の開閉バルブで構成され、図示しない電気回路により開閉制御される。
本実施形態では、薄膜の構成成分となるガスとしてHOが用いられ、第3タンク32には、HOの液体が貯留される。
第4供給部40は、熱交換器200にパージガスを供給するものであり、図1に示すように、配管41と、第4バルブ42とを備えている。第4配管41の両端部はそれぞれ流入口203、後述する分岐部51aに接続されている。また、第4配管41の途中には、第4バルブ42が配置されている。第4バルブ42の開閉により、第4配管41を通したパージガスの供給の実行および停止が行われる。第4バルブ42は、例えば電気式の開閉バルブで構成され、図示しない電気回路により開閉制御される。
不活性ガス供給部50は、第1供給部10、第2供給部20、第3供給部30、第4供給部40に不活性ガスを供給するものであり、第5配管51と、ボンベ52とを備えている。
第5配管51の一端は、ボンベ52に接続されており、他端は、第1配管11、第2配管21、第3配管31、第4配管41に接続されている。第5配管51と、第1配管11、第2配管21、第3配管31、第4配管41との接続点を、分岐部51aとする。
ボンベ52は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが充填されたボンベである。ボンベ52に充填された不活性ガスは、第5配管51を通った後、分岐部51aで分流して、第1供給部10、第2供給部20、第3供給部30、第4供給部40に供給される。そして、第1配管11、第2配管21、第3配管31に流れる不活性ガスは、キャリアガスとしての役目を果たし、第4配管41に流れる不活性ガスは、パージガスとしての役目を果たす。
図1に示すように、第5配管51の途中には、圧力計60が配置されている。圧力計60は、第5配管51を流れる不活性ガスの圧力を検出するものである。本実施形態では、熱交換器200に十分な量の第1ガス、第2ガス、第3ガス、パージガスを供給するために、圧力計60によって検出された圧力が所定の値以上となるように不活性ガスの供給量が制御される。
熱交換器200の流出口204には、減圧部70が接続されている。減圧部70は、枠体201の内部を減圧して、枠体201の内部の圧力を所定の値よりも小さくするものであり、真空ポンプ等で構成されている。
熱交換器200の外側には、温度制御部80が配置されている。温度制御部80は、フィン202の表面の温度を所定の温度に制御するものであり、ヒータ81を備えている。
本実施形態においてフィン202の表面に薄膜を製造する方法について説明する。薄膜製造装置100は、図4に示す処理を実行し、ALDによりフィン202の表面に薄膜を形成する。なお、本実施形態では、薄膜製造装置100が後述するステップS102〜S111の処理を行っている間、第4バルブ42は常に開けられており、パージガスが第4配管41から流入口203へ流れ込んでいる。
まず、ステップS101では、基材としてのフィン202を備える熱交換器200が用意される。そして、流入口203が第1配管11、第2配管21、第3配管31、および第4配管41と接続され、流出口204が減圧部70に接続される。
ステップS101の後、ステップS102では、フィン202の表面が温度制御部80によって所定の範囲に含まれる温度とされる。具体的には、第1ガスの原料であるTiClの成膜速度が所定の値よりも小さく、第2ガスの原料であるAlClの成膜速度が所定の値以上となるように、フィン202の表面の温度が設定される。本実施形態では、フィン202の表面の温度は500℃とされる。また、ステップS102では、減圧部70により枠体201の内部が減圧され、真空に近い状態とされている。
ステップS102の後、ステップS103では、薄膜製造装置100は、変数iに1を代入し、ステップS104に進む。ステップS104では、変数iがN以下であるか否かの判定が行われる。なお、Nは混合膜の積層数、すなわち、後述するステップS105〜S110のサイクルが繰り返される回数である。変数iがN以下であると判定した場合、薄膜製造装置100は、ステップS105に進む。
ステップS105では、第1バルブ13が開けられて、第1ガスが第1配管11から流入口203へ流れ込み、枠体201の内部へ供給される。具体的には、キャリアガスとしての不活性ガスが、不活性ガス供給部50の第5配管51から第1配管11へ供給されている。また、第1タンク12は、図示しないヒータ等によって、例えば30℃に加熱されており、これにより、第1バルブ13が開けられたとき、第1タンク12中のTiClが気化する。そして、気化したTiClと第1配管11内の不活性ガスとが混合されて第1ガスを形成し、第1配管11および第1バルブ13を通って流入口203へ流入する。
第5配管51を流れる不活性ガスの圧力は、枠体201の内部に十分な量の第1ガスが供給されるように、所定の値よりも大きくされている。しかし、フィン202の表面の温度が500℃とされており、上述したように、この温度ではTiClの成膜速度は所定の値よりも小さい。そのため、下地であるフィン202の表面の結合手のうち一部のみがTiと結合し、フィン202の表面には未結合手が残る。
ステップS105の後、ステップS106では、第1バルブ13が閉められ、第1ガスの供給が停止される。上述したように、ステップS102〜S111の処理が行われている間、第4バルブ42は常に開かれており、枠体201の内部にパージガスが流入している。そして、パージガスは、フィン202によって形成された細流路を通り、流出口204から枠体201の外部へ流出する。これにより、第1ガスの構成成分のうち、フィン202の表面に付着せず、不要となった分が、枠体201の内部から除去される。
ステップS106の後、ステップS107では、第2バルブ23が開けられて、第2ガスが第2配管21から流入口203へ流れ込み、枠体201の内部へ供給される。具体的には、キャリアガスとしての不活性ガスが、不活性ガス供給部50の第5配管51から第2配管21へ供給されている。また、第2タンク22は、図示しないヒータ等によって、例えば130℃に加熱されており、これにより、第2バルブ23が開けられたとき、第2タンク22中のAlClが気化する。そして、気化したAlClと第2配管21内の不活性ガスとが混合されて第2ガスを形成し、第2配管21および第2バルブ23を通って流入口203へ流入する。
第5配管51を流れる不活性ガスの圧力は、枠体201の内部に十分な量の第2ガスが供給されるように、所定の値よりも大きくされている。そして、フィン202の表面の温度が500℃とされており、上述したように、この温度ではAlClの成膜速度は所定の値以上である。そのため、フィン202の表面に残るほぼすべての未結合手がAlと結合する。これにより、フィン202の表面には、TiとAlとが混合された薄膜が形成される。
ステップS107の後、ステップS108では、第2バルブ23が閉められ、第2ガスの供給が停止される。そして、第4配管41から供給されるパージガスによって、枠体201の内部から第2ガスが除去される。
ステップS108の後、ステップS109では、第3バルブ33が開けられて、第3ガスが第3配管31から流入口203へ流れ込み、枠体201の内部へ供給される。具体的には、キャリアガスとしての不活性ガスが、不活性ガス供給部50の第5配管51から第3配管31へ供給されている。また、第3タンク32は、図示しないヒータ等によって、例えば40℃に加熱されており、これにより、第3バルブ33が開けられたとき、第3タンク32中のHOが気化する。そして、気化したHOと第3配管31内の不活性ガスとが混合されて第3ガスを形成し、第3配管31および第3バルブ33を通って流入口203へ流入する。
これにより、第3ガスに含まれる酸素がフィン202の表面に付着したTiおよびAlと結合し、フィン202の表面に、Tiの酸化物であるTiOとAlの酸化物であるAlとの混合膜が形成される。
ステップS109の後、ステップS110では、第3バルブが閉められ、第3ガスの供給が停止される。そして、第4配管41から供給されるパージガスによって、枠体201の内部から第3ガスが除去される。
ステップS110の後、ステップS111では、薄膜製造装置100は、変数iに1を加算し、ステップS104に進む。N≧2の場合、2度目のステップS104においても、薄膜製造装置100は、変数iがN以下であると判定し、ステップS105に進む。2度目以降のステップS105〜S110では、フィン202の表面に形成された混合膜を下地として、この下地の表面にTiおよびAlが付着し、これらの酸化物で構成される混合膜が形成される。ステップS104において、変数iがN以下でないと判定した場合、薄膜製造装置100は、薄膜の形成の処理を終了する。以上の工程により、フィン202の表面に混合膜が形成される。
以上説明したように、本実施形態の薄膜製造装置100は、フィン202の表面の温度における第1ガスの原料と第2ガスの原料との成膜速度の差を利用して、フィン202の表面に混合膜を形成する。そのため、原料ガスおよび不活性ガスの供給量、供給時間、供給回数を精密に制御する必要がなく、十分な量の原料ガスおよび不活性ガスを供給することにより、混合膜を安定して形成することができる。これにより、混合膜を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、原料の選定およびフィン202の表面の温度の設定により混合膜の組成を変更することが可能であり、混合膜の組成を変更するために原料ガスの供給量等を制御する必要がない。そのため、混合膜の組成の変更が容易である。
また、本実施形態では、第1ガスの供給の後、続けて第2ガスが供給され、第1ガスの供給と第2ガスの供給との間に、酸化剤である第3ガスの供給が行われない。そのため、第1ガスの供給の後、第2ガスの供給の前に第3ガスを供給する場合に比べて、第3バルブ33の開閉回数を約1/2に減らすことが可能となり、成膜時間を3/4以下に短縮することが可能となる。
また、チャンバの内部に置かれた複数の基材に成膜するバッチ処理や、コンダクタンス、すなわち、ガスの流れやすさが場所によって異なる基材への成膜においては、場所によって原料の濃度が変化する。この場合、特許文献1に記載の方法では、所望の組成の混合膜を形成するための原料の供給量の制御が困難であり、原料の濃度の差によって、例えばガスの流れの上流と下流とで、膜組成に大きな差異が発生する。
これに対し本実施形態では、原料ガスおよび不活性ガスの供給量を精密に制御する必要がなく、十分な量の原料ガスおよび不活性ガスが枠体201の内部に供給される。そのため、枠体201内のコンダクタンスの影響を軽減し、フィン202の表面の膜組成に、場所により大きな差異が発生することを抑制し、所望の膜組成の混合膜を形成することができる。
また、本実施形態では、第2ガスに含まれる原料が、第1ガスに含まれる原料と同一の官能基を持っており、これらの原料と酸化剤との反応による生成物が同一のものとなるので、パージガスによって枠体201から除去された成分の処理が容易である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して温度制御部80の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施形態の温度制御部80は、複数のヒータ81を備えている。そして、複数のヒータ81の一部は、残りのヒータ81に比べて、発熱量が小さくされている。具体的には、ヒータ81は、流入口203の付近、および、流出口204の付近にそれぞれ配置されており、流入口203の付近に配置されたヒータ81は、流出口204の付近に配置されたヒータ81に比べて、発熱量が小さくされている。
また、本実施形態では、フィン202は、熱伝導率が27W/(m・K)以下とされている。具体的には、フィン202は、熱伝導率が26W/(m・K)であるステンレス鋼で構成されている。
このような構成の本実施形態では、ステップS102において、枠体201のうち流入口203側の端部の温度が、流出口204側の端部の温度よりも低くなる。これにより、フィン202の表面に、所定の範囲に含まれる温度であって、互いに異なる温度とされた複数の領域が形成される。ここでは、フィン202の表面に、温度が300℃、500℃、600℃の領域R1、R2、R3が形成される。
図2に示すように、第1ガスに含まれるTiClの500℃における成膜速度は、300℃における成膜速度よりも小さく、600℃における成膜速度よりも大きい。そのため、ステップS105において、領域R1では、領域R2に比べて付着するTiの密度が高くなり、領域R3では、領域R2に比べて付着するTiの密度が低くなる。したがって、領域R1では、領域R2に比べて残された未結合手の密度が低くなり、領域R3では、領域R2に比べて残された未結合手の密度が高くなる。
これにより、ステップS107において、領域R1では、領域R2に比べて付着するAlの密度が低くなり、領域R3では、領域R2に比べて付着するAlの密度が高くなる。そして、S109により領域R1、R2、R3に形成される混合膜の組成が互いに異なるものとなる。例えば、領域R1におけるTiの含有比率は、領域R2におけるTiの含有比率の1.2倍となり、領域R3におけるTiの含有比率は、領域R2におけるTiの含有比率の0.8倍となる。
このように、ステップS102において、基材であるフィン202の表面に互いに温度が異なる複数の領域を形成することにより、同一の成膜シーケンスで、場所によって混合率が異なる混合膜を形成することができる。
また、Tiの含有比率が低い領域では、Tiの含有比率が高い領域に比べて混合膜の膜応力が小さい。また、混合膜の表面には、Tiで構成された部分とAlで構成された部分との厚みの差により凹凸が形成されており、混合膜が複数積層された場合、この凹凸により腐食等の進行を抑制することができる。そして、Tiの含有比率が高い領域では、Tiの含有比率が低い領域に比べて、気体による腐食が進行しにくい。
そこで、基材のうち、変形しやすい部分では表面温度を高くしてTiの含有比率を低くし、腐食が生じやすい環境に置かれる部分では表面温度を低くしてTiの含有比率を高くすることにより、基材の変形や腐食の進行を抑制することができる。このように、本実施形態では、基材の形状等に応じて混合膜の組成を制御することができる。
なお、フィン202の表面に互いに異なる温度とされた複数の領域を容易に形成するためには、フィン202の熱伝導率がある程度低いことが好ましい。例えば、フィン202の熱伝導率が27W/(m・K)以下であることが好ましい。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、フィン202の表面を、第1ガスに含まれる原料のALDウィンドウの高温側の温度としたが、ALDウィンドウの低温側において成膜速度が小さくなる原料を第1ガスに用い、フィン202の表面を、第1ガスに含まれる原料のALDウィンドウの低温側の温度として混合膜を成膜してもよい。
また、上記第1実施形態では、ステップS102〜S111の処理が行われている間、常に第4バルブ42を開状態とし、パージガスの供給を行ったが、第1〜第3供給部それぞれにパージガスの供給用の配管およびバルブを設置し、ステップS106とステップS107との間、ステップS108とステップS109との間、ステップS110とステップS111との間にのみパージガスを供給してもよい。
また、第2ガスに含まれる原料が、第1ガスに含まれる原料と異なる官能基を持っていてもよい。例えば、第1ガスおよび第2ガスのうち、一方の原料がクロロ基を持っており、他方の原料がメチル基を持っていてもよい。
100 薄膜製造装置
10 第1供給部
20 第2供給部
30 第3供給部
80 温度制御部
202 フィン

Claims (4)

  1. 原子層堆積法による薄膜製造方法であって、
    基材(202)を用意すること(S101)と、
    前記基材の表面を所定の範囲に含まれる温度とすること(S102)と、
    前記基材が配置された空間に、前記所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が所定の値よりも小さい原料を含む第1ガスを供給すること(S105)と、
    前記第1ガスを供給することの後、前記空間に、前記所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が前記所定の値以上である原料を含む第2ガスを供給すること(S107)と、
    前記第2ガスを供給することの後、前記空間に酸化剤を供給すること(S109)と、を備え、
    前記第1ガスを供給することでは、前記基材の表面に未結合手が残るように前記第1ガスを供給し、
    前記第2ガスを供給することでは、前記第2ガスの原料が残った該未結合手と結合するように、前記第1ガスに含まれる原料と同一の官能基を持つ原料を含む前記第2ガスを供給する薄膜製造方法。
  2. 前記所定の範囲に含まれる温度とすることでは、前記基材の表面に、前記所定の範囲に含まれる温度であって、互いに異なる温度とされた複数の領域(R1、R2、R3)を形成する請求項1に記載の薄膜製造方法。
  3. 前記基材を用意することでは、前記基材として熱伝導率が27W/(m・K)以下のものを用いる請求項1または2に記載の薄膜製造方法。
  4. 原子層堆積法により薄膜を製造する薄膜製造装置(100)であって、
    基材(202)の表面を所定の範囲に含まれる温度とする温度制御部(80)と、
    前記基材が配置された空間に、前記所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が所定の値よりも小さい原料を含む第1ガスを供給する第1供給部(10)と、
    前記空間に、前記所定の範囲に含まれる温度における成膜速度が前記所定の値以上である原料を含む第2ガスを供給する第2供給部(20)と、
    前記空間に酸化剤を供給する第3供給部(30)と、を備え、
    前記第1供給部は、前記温度制御部が前記基材の表面を前記所定の範囲に含まれる温度とした後、前記基材の表面に未結合手が残るように前記空間に前記第1ガスを供給し、
    前記第2供給部は、前記第1供給部が前記空間に前記第1ガスを供給した後、前記第2ガスの原料が残った該未結合手と結合するように前記空間に前記第2ガスを供給し、
    前記第3供給部は、前記第2供給部が前記空間に前記第2ガスを供給した後、前記空間に前記酸化剤を供給する薄膜製造装置。
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