JP6718791B2 - 原子炉格納容器 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電プラントに用いられる原子炉格納容器に関する。
原子力発電プラントでは、原子炉の停止後も炉心で崩壊熱が発生し、その熱で蒸気(水蒸気)が発生する。沸騰水型軽水炉(以下、「BWR」と称す)では、炉心が格納されている原子炉圧力容器(以下、「RPV」と称す)が原子炉格納容器(以下、「PCV」と称す)の内部に設置されている。PCVは、RPVや主要な配管などが設置されているドライウェル(以下、「D/W」と称す)という空間と、内部にサプレッションプール(以下、「S/P」と称す)を持つウェットウェル(以下、「W/W」と称す)という空間に区分されている。D/WとW/Wは、ベント管と呼ばれる配管で接続されている。ベント管は、上部がD/Wに開口しており、下部がS/P内に開口している。
原子炉で配管破断事故(一般的に「LOCA」の名称で知られる)などが発生し、原子炉の内部で発生した蒸気がPCV内に放出(蒸気の放出は、配管が設置されているD/Wで発生する)されると、D/Wの圧力がW/Wの圧力よりも高くなるため、放出された蒸気は、D/WとW/Wの圧力差を駆動力として、ベント管を介してW/W内のS/Pに流入し、S/Pで冷却される(凝縮する)。また、ベント管と同様な冷却機能を持つシステムとして、D/WとW/Wの圧力差を駆動力として、D/W内の蒸気を含むガスを熱交換器を通して冷却してW/Wに排出する静的格納容器冷却系(以下、「PCCS」と称す、「PCC」と呼ばれることもある)も提案されている。このような機構を持つことで、BWRでは、比較的小さなPCVでも、崩壊熱により発生した蒸気を効率良く除去(凝縮)し、PCVの圧力の上昇を緩和して過度の圧力上昇を抑制することができる。
一方、事象の進展によっては、一時的にW/Wの圧力がD/Wの圧力より高くなることも有り得る。この場合、D/WからW/Wに蒸気が流れなくなる。このような場合のために、W/WとD/Wの間には真空破壊弁(「バキュームブレーカ」と呼ばれることもある)が設置されており、W/Wの圧力がD/Wの圧力より高くなった場合には、W/W内部のガスをD/Wに放出することで、W/Wの圧力を下げることができる。
上記のような機能について、例えば特開平4−301795号公報、特開平7−72280号公報、特開平9−166687号公報、及び特開2009−145342号公報などの文献では、真空破壊弁が開いた状態で固着して閉じなくなる現象(以下、この現象を「開固着」と称し、開固着が起こることを「開固着する」と称す)が起きたり真空破壊弁に漏洩が発生したりした場合に、PCVの冷却が十分にできなくなり、その結果、PCVの圧力が高くなる可能性が指摘されている。これらの文献では、この問題を回避するため、真空破壊弁を水の水頭圧を用いた封水機能で代替または封水機能を多重化する構成(特開平4−301795号公報、特開2009−145342号公報)、W/Wの気相部を分割する構成(特開平9−166687号公報)、及びW/W内部の壁面を熱容量の大きな固体材料で覆って冷却機能を増加する構成(特開平7−72280号公報)などの対策を提案している。
特開平4−301795号公報 特開平7−72280号公報 特開平9−166687号公報 特開2009−145342号公報
上述したように、真空破壊弁に開固着や漏洩が発生すると、PCVの冷却が十分にできなくなる。特開平7−72280号公報に記載の発明では、熱容量の大きな固体材料でPCVの冷却機能を増加しているが、一般的に水はコストと熱容量の観点で非常に優れた冷媒であり、水による除熱機能を固体材料で代替するには多大なコストがかかる可能性がある。特開平9−166687号公報に記載の発明では、W/Wの気相部を分割し、一部の気相部で真空破壊弁が開固着しても、他の気相部ではW/Wの機能を維持している。しかし、この発明で維持されるのはPCCSの機能のみであり、真空破壊弁が開固着したW/W部分から真空破壊弁が健全なW/W部分にS/Pの水が移動して、ベント管にかかる水頭圧が増加するため、通常のBWRに設置されているベント管の機能については維持できないと考える。特開平4−301795号公報と特開2009−145342号公報では、水頭圧を用いた封水機能で真空破壊弁の機能を代替または多重化している。この構成は有効と考えるが、一時的にD/Wの圧力が急激に高くなったときには、封水に用いている水がW/Wに流れる可能性があり、それ以降は封水機能を維持できない可能性がある。
本発明は、上記の課題を考慮し、真空破壊弁の機能を長期にわたって高い信頼性で代替可能な装置を備える原子炉格納容器を提供することを目的とする。
本発明による原子炉格納容器は、原子炉の炉心を格納する原子炉圧力容器が設置されているドライウェルと、水を溜めているサプレッションプールを内部に備えるウェットウェルと、前記ウェットウェルの内部に備えられ、垂直方向に延伸し、上部が前記ドライウェルに開口するベント管と、水平方向に延伸し、一端が前記ベント管に接続され、他端が前記サプレッションプールの水中に開口する水平ベント管と、前記ウェットウェルの気相部と連通するための開口部を上部に備える封水保持容器と、少なくとも鉛直方向に延伸し、上端が前記封水保持容器の下端に接続された封水管と、水を溜めており、内部が前記ドライウェルに連通し、前記封水管の下端が水中で開口している貯水部とを備える。前記封水保持容器の下端と前記封水管の下端との高さの差Htは、前記原子炉の通常運転時の前記サプレッションプールの最高水面と前記水平ベント管の上端との高さの差Hvよりも大きい。
本発明によれば、真空破壊弁の機能を長期にわたって高い信頼性で代替可能な装置を備える原子炉格納容器を提供することができる。
本発明の実施例1による原子炉格納容器の構成図。 従来の原子炉格納容器の構成例を示す図。 本発明の実施例1による原子炉格納容器の構成の第1変形例を示す図。 本発明の実施例1による原子炉格納容器の構成の第1変形例を示す図(W/W連結管を備えない点が図5Aと異なる)。 本発明の実施例1による原子炉格納容器の構成の第2変形例を示す図。 本発明の実施例2による原子炉格納容器の構成図。 本発明の実施例2による原子炉格納容器の構成図(封水容器が図5Aと異なる)。 本発明の実施例2による原子炉格納容器の構成の第1変形例を示す図。 本発明の実施例2による原子炉格納容器の構成の第2変形例を示す図。 本発明の実施例2による原子炉格納容器の構成の第3変形例を示す図。 本発明の実施例3による原子炉格納容器の構成図。
発明者らは、真空破壊弁が開固着したために起こる過度なPCVの冷却不全や圧力上昇を回避するには、真空破壊弁の機能を封水を用いた装置で代替すれば良いことと、さらに、この装置を長期にわたって高い信頼性で動作させるためには、この装置の上部に封水保持容器を設置すれば良いことという新たな知見を見出した。
本発明による原子炉格納容器は、少なくとも、W/Wの気相部と連通する封水保持容器と、封水保持容器の下端に接続され封水保持容器から鉛直方向下方に延びる封水管と、水を溜めており封水管の下端が水中で開口しており内部がD/Wに連通する封水プール(貯水部)とからなる装置を備える。原子炉の通常運転時では、封水保持容器の下端と封水管の下端との高さの差Htは、W/WのS/Pの最高水面とベント管のS/P中の開口部の上端との高さの差Hvより大きい。上記の装置は、長期にわたって使用しても、真空破壊弁の開固着のような、弁としての機能を失う現象が起きる可能性が低い。本発明によるPCVは、上記の装置により、真空破壊弁の機能を長期にわたって高い信頼性で代替することができ、過度なPCVの冷却不全や圧力上昇を回避することができる。
封水プールには、D/Wの下部に設置されており、D/W内の水を溜めて排水するサンプピットを用いてもよく、内部に水を溜めており、内部の気相部がD/Wに連通する容器を用いてもよい。
また、封水保持容器は、W/WとD/Wとの間に設置された真空破壊弁のD/W側に接続し、真空破壊弁を介してW/Wの気相部と連通するようにしてもよい。
ここで、従来のPCVについて説明する。
図2は、従来のPCVの構成例を示す図である。図2には、一例として、改良型BWR(以下、「ABWR」と称す)のPCVを示している。PCV1内には、原子炉の炉心2を格納するRPV3が設置されている。RPV3には、RPV3内で発生した蒸気をタービン(図示せず)に送る主蒸気管4が接続されている。主蒸気管4は、PCV1内のD/W5と呼ばれる領域を通っている。PCV1内には、W/W6と呼ばれる領域もある。W/W6は、S/P7と呼ばれる水を溜めている領域(プール)と、S/P7の水面71より上方の気相部を内部に備える。なお、ABWRのPCV1内には通常、窒素ガスが存在する(空気を窒素ガスで置換している)。
W/W6の内部には、ベント管8と呼ばれる垂直方向に延伸する管が設置されている。ベント管8は、上部がD/W5に開口しており、下部(S/P7の水面71より下方)に水平ベント管81が接続されている。水平ベント管81は、通常は上下方向に複数段設置され、一端がベント管8に接続され、水平方向に延伸し、他端がS/P7の水中に開口する。
D/W5は、場所によって呼び方を分け、W/W6の上方にあるD/W5の部分を上部D/W51と呼び、W/W6の横にあるRPV3の下部が含まれるD/W5の部分を下部D/W52と呼ぶこともある。
W/W6とD/W5の間には、W/W6の気相部とD/W5を接続する真空破壊弁9が複数設置されている。真空破壊弁9の役割について、以下で説明する。
PCV1内のD/W5で例えば配管が破断して、RPV3内から蒸気が放出されるような事象を考える。蒸気の放出により、D/W5の圧力が上昇する。D/W5の圧力がW/W6の圧力よりも高くなることで、ベント管8内の水位が押し下げられる。ベント管8内の水位が水平ベント管81の位置まで下がると、D/W5内の蒸気を含むガス(主に窒素と蒸気の混合ガス)は、水平ベント管81を通してS/P7の水中に放出され、冷却されて凝縮する。このようにして、D/W5の圧力の上昇が抑制される。
しかし、事象の進展によっては、W/W6の圧力がD/W5の圧力より高くなる場合も有り得る。例えば、D/W5にD/Wスプレイ(図示せず)が設置されており、PCV1内の温度を下げるためにD/Wスプレイから水を噴霧することがある。この場合、D/W5内の蒸気がスプレイ水により凝縮し、D/W5の圧力が減少する。D/W5とW/W6の間で大きな圧力差が生じると、PCV1の構造材に負荷がかかるため、W/W6からD/W5にガスを放出して均圧化を図る必要がある。真空破壊弁9は、このような状況で動作し、W/W6の圧力がD/W5の圧力よりも高くなったときに開き、W/W6内のガスをD/W5に放出する働きをする。
その後、D/W5の圧力がW/W6の圧力よりも高くなった場合には、真空破壊弁9は自動的に閉じる。これは、真空破壊弁9が開いたままであると、D/W5内の蒸気を含むガスは、真空破壊弁9を通してW/W6の気相部に流入し、ベント管8を通してS/P7の水中に放出されず、蒸気がS/P7内で冷却(凝縮)しないためである。このため、真空破壊弁9に開固着や漏洩が発生した場合には、PCV1の冷却が十分にできなくなり、PCV1の圧力が高くなる可能性がある。
本発明による原子炉格納容器は、真空破壊弁9の機能を代替可能であって開固着や漏洩の可能性が低い装置を備える。以下、本発明の実施例による原子炉格納容器を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一の又は対応する要素には同一の符号を付け、これらの要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の実施例1によるPCVの構成図である。本実施例によるPCV1は、図2に示した従来のPCV1とほぼ同様の構成を備えるが、W/W6の気相部とD/W5を接続する真空破壊弁9を備えない。本実施例によるPCV1は、真空破壊弁9の替わりに、W/W連結管10と、封水保持容器11と、封水管12と、封水プール(貯水部)であるサンプピット13とを備える装置(真空破壊弁代替装置)を備える。
W/W連結管10は、一端がW/W6の気相部に開口し、他端が封水保持容器11に接続されている管状部材である。
封水保持容器11は、上部に開口部を備え、この開口部にW/W連結管10が接続されており、下端が封水管12に接続されている。封水保持容器11は、水平方向の内部の断面積(内部の空間の断面積)が封水管12の水平方向の内部の断面積より大きく、W/W連結管10によりW/W6の気相部と連通している。
封水管12は、鉛直方向に延伸しており、上端が封水保持容器11の下端に接続され、下端がD/W5の内部に設置されたサンプピット13の水中で開口している。
サンプピット13は、下部D/W52の床面に設置され、D/W5内で生じた水滴を集めて排水するための設備であり、水が溜まっていて、原子炉の通常運転時も一定以上の水位を維持している。サンプピット13は、上部が開放されており、内部がD/W5と連通している。
本実施例によるPCV1が備える真空破壊弁代替装置の動作原理を以下に説明する。
まず、W/W6の圧力がD/W5の圧力よりも高くなった場合(図2に示した従来のPCV1において真空破壊弁9が開く場合)における、真空破壊弁代替装置の動作について説明する。W/W6の圧力がD/W5の圧力よりも高くなると、W/W6の気相部に溜まったガス(主に窒素と蒸気の混合ガス)は、W/W6とD/W5との圧力差によって、W/W連結管10、封水保持容器11、及び封水管12をこの順に流れる。封水管12の内部には、原子炉の通常運転時は、サンプピット13の水面とほぼ同じ位置に水面が形成されている。封水管12の内部の水面が封水管12の内部を流れてきたガスにより押し下げられ封水管12の下端に達すると、封水管12の内部のガスは、封水管12の下端からサンプピット13に放出される。この結果、W/W6からD/W5にガスが放出されることになり、本実施例のPCV1の真空破壊弁代替装置によって、従来のPCV1で真空破壊弁9が開くのと同じ機能を実現できる。
次に、D/W5の圧力がW/W6の圧力よりも高くなった場合における、真空破壊弁代替装置の動作について説明する。D/W5の圧力が高くなると、サンプピット13の内部の水が押し下げられ、押し下げられた水は封水管12の内部を上昇する。封水管12の内部の水面が上昇すると、封水管12内の水の重さによって、封水管12内の水を押し下げようとする力が働き、この力(水頭)がD/W5の圧力とW/W6の圧力の差とバランスした位置で、封水管12の内部の水面は安定する。サンプピット13の、封水管12の下端よりも上部にある水量が、封水管12の内部に溜まる水量に対して十分に大きければ、サンプピット13内の水位は封水管12の下端まで下がることはなく、封水管12の内部をD/W5のガスが通過してW/W6の気相部に流入することは無い。
上記のようなD/W5の圧力がW/W6の圧力よりも高いという条件下では、D/W5のガスは、ベント管8と水平ベント管81を通してW/W6の内部のS/P7の水中に流入させるのが好ましい。このため、封水管12の鉛直方向の長さ(封水保持容器11の下端と封水管12の下端との高さの差)Htは、S/P7の水面71と水平ベント管81との鉛直方向の距離(高さの差)Hvよりも大きくする必要がある。ここで、Hvは、原子炉の通常運転時のS/P7の最高水面(水位が管理範囲の上限に達したときの水面)71と最上段の水平ベント管81(S/P7の水面71に最も近い水平ベント管81)の上端との高さの差と定義する。Ht>Hvであれば、D/W5のガスは、封水管12を通ってW/W6の気相部に流入せず、ベント管8を通ってW/W6のS/P7の水中に流入する。
注意すべきは、管内の水の力(水頭)によってD/W5のガスがW/W6の気相部に流入しないようにするという機能は、原子炉で事故などが発生したときに、それが収束するまでの間、継続して維持されなければならないということである。例えば、原子炉で配管が破断してRPV3内から蒸気が放出されるような事象が発生した場合には、D/W5の圧力は、一時的に急激に増加して、W/W6の圧力よりも非常に高くなる可能性がある。このような場合、サンプピット13の内部の水面が急激に押し下げられて、封水管12の内部の水面が急激に一気に上昇することがある。
封水保持容器11を備えず、封水管12がW/W6の気相部に直接開口していると、D/W5とW/W6との圧力差が、封水管12内の水面が封水管12の上端に達したときの封水管12内の水の重さによる力(水頭)より大きくなった場合には、封水管12内の水が封水管12の上端からW/W6の気相部に流出し、封水管12を封止するための十分な水が喪失する懸念がある。封水管12を封止するための十分な水が喪失すると、D/W5のガスが封水管12の内部を通過してW/W6の気相部に流入し、従来のPCV1で真空破壊弁9が開固着した場合と同じ現象が起きる。
本発明では、封水管12の上部に封水保持容器11を設置することで、この問題を回避している。本発明での構成では、D/W5の圧力が一時的に急激に増加して封水管12内の水面が急激に一気に上昇しても、封水管12内を押し上げられた水は封水保持容器11の中に入って水平方向に拡がり封水保持容器11の中に溜まるので、封水管12内の水がW/W6に流出するのを防止できる。さらに、封水保持容器11に溜まった水で、D/W5のガスが封水管12を通ってW/W6の気相部に流入するのを防止できる。D/W5の一時的な圧力の急増が収まった後は、封水保持容器11の中に溜まった水が、封水管12を通してサンプピット13に戻り、サンプピット13内の水面が封水管12の下端より上に位置するため、真空破壊弁代替装置の封水機能を維持することができる。
封水保持容器11の容積(正確には、封水保持容器11の上部の開口部より下部の容積)は、原子炉の通常運転時のサンプピット13内に溜まった水の、封水管12の下端より上部の体積以上である。封水保持容器11がこのような容積を持てば、サンプピット13から封水管12に流れて上昇する水を封水保持容器11に溜めることができるので、サンプピット13の水がW/W6に流出するのを防止できる。
図1に示した例では、封水管12の下端が開口する封水プール(貯水部)としてサンプピット13を用いた。本発明の目的を達成するには、一定以上の水量(D/W5のガスが封水管12を通ってW/W6の気相部に流入しないような水量)がある封水プールの水中に封水管12の下端が開口していればよく、封水プールはサンプピット13に限定されない。
また、図1に示した例ではPCV1としてABWRのものを示した。PCV1は、ABWRのものに限らず、D/W5とW/W6を備えるPCV、又はそれらと同等な空間、すなわちプールを内部に含む空間(W/W6に相当)とそれ以外の空間(D/W5に相当)とを備えるPCVであればよい。
また、図1に示した例では真空破壊弁代替装置を1つだけ備えるPCV1を示したが、PCV1は、複数の真空破壊弁代替装置を備えてもよい。また、W/W連結管10や封水管12に弁を設置してもよい。
図3Aと図3Bは、本発明の実施例1によるPCV1の構成の第1変形例を示す図である。図3Aと図3Bに示すPCV1は、封水保持容器11をW/W6の内部に備える点が、図1に示したPCV1と異なる。封水管12は、鉛直方向と水平方向に延伸し、W/W6の内部を通り、W/W6の側壁を貫通し、D/W5に設置されたサンプピット13に下端が開口する。
図3Aに示す構成では、封水保持容器11にW/W連結管10が接続されており、W/W連結管10を介して封水保持容器11の内部とW/W6の気相部とが連通する。図3Bに示す構成では、封水保持容器11にW/W連結管10が接続されてなく、封水保持容器11の上部に備える開口部16を介して封水保持容器11の内部とW/W6の気相部とが連通する。図3Bに示す構成は、図3Aに示す構成と変わらない効果を奏する。
一般的に、RPV3の周囲及び下部の空間(下部D/W52)はあまり広く無いが、図3Aと図3Bのような構成とすることで、封水保持容器11の設置場所の自由度が向上する。また、非常に厳しい事故が発生してRPV3の周囲の温度が非常に高くなった場合でも、封水保持容器11を比較的低い温度に保つことができるので、封水保持容器11中の水が加熱されて蒸発することを防止でき、真空破壊弁代替装置の長期にわたる信頼性をさらに向上できる。
図4は、本発明の実施例1によるPCV1の構成の第2変形例を示す図である。図4に示すPCV1は、封水保持容器11をPCV1の外部に備える点が、図1に示したPCV1と異なる。図4に示す構成では、W/W連結管10の一部と封水保持容器11と封水管12の一部がPCV1の外部に配置される。このため、これらのメンテナンスが容易になるとともに、封水管12にガス流量計を設置すればW/W6とD/W5との間のガスの流れ方向及び流量を計測することが可能になり、真空破壊弁代替装置が想定通りに動作しているか、監視することができる。
なお、図4に示す構成では封水管12の一部がW/W6の内部を通っているが、封水管12は、W/W6の内部を通らなくてもよい。例えば、封水管12は、W/W6の床面より下のコンクリート部や、アクセストンネルなどのW/W6を貫通する部分を通ってもよい。また、W/W連結管10や封水管12に隔離弁を設置する必要がある場合には、W/W連結管10や封水管12に隔離弁(図示せず)を設置してもよい。
図5Aと図5Bは、本発明の実施例2によるPCVの構成図である。本実施例によるPCV1は、封水プール(貯水部)として封水容器14を用いる点が、実施例1によるPCV1と異なる。封水容器14は、D/W5の内部に設置され、内部に水を溜めており、内部の気相部がD/W5に連通する容器であり、水平方向の内部の断面積(内部の空間の断面積)が封水管12の水平方向の内部の断面積より大きい。封水管12の下端は、封水容器14内の水中で開口する。図5Aに示す構成と図5Bに示す構成では、封水容器14の構成が異なる。
封水容器14が内部に溜めている水の量は、次のように定める。すなわち、封水容器14の内部の水の、封水管12の下端より上部の体積が、封水管12の管内の体積(封水管12の容積)よりも大きくなるように、封水容器14の内部の水量を定める。封水容器14がこのような量の水を内部に溜めていると、封水管12の下端が封水容器14内の水中で開口するので、D/W5のガスが封水管12の内部を通過してW/W6の気相部に流入するのを防ぐことができる。
図5Aに示す構成では、封水容器14は、内部に溜めた水の水面より上部に開口部を備え、この開口部にD/W連結管15が接続されており、内部の気相部がD/W連結管15によりD/W5に連通する。D/W連結管15は、一端がD/W5に開口し、他端が封水容器14の開口部に接続されている管状部材である。封水容器14は、D/W連結管15が接続されてなく、内部の気相部が開口部から直接D/W5に連通してもよい。
図5Bに示す構成では、封水容器14は、サンプピット13と同様に上部が開放されており、内部の気相部がD/W5に連通している。
本実施例によるPCV1には、封水保持容器11や封水容器14を含めた真空破壊弁代替装置の設置場所を、サンプピット13の位置によらず、自由に選定できるという利点がある。
図6は、本発明の実施例2によるPCV1の構成の第1変形例を示す図である。図6に示すPCV1は、W/W連結管10、封水保持容器11、封水管12、封水容器14、及びD/W連結管15からなる真空破壊弁代替装置をW/W6の内部に備える点が、図5Aに示したPCV1と異なる。封水容器14は、S/P7の水中に位置する。D/W連結管15は、封水容器14に接続しない一端がD/W5の内部に開口している。真空破壊弁代替装置をW/W6の内部に備えることで、上方からの落下物により真空破壊弁代替装置が損傷する可能性を低減できるとともに、封水容器14中の水が周囲のS/P7の水によって冷却されるため、封水容器14中の水が加熱されて蒸発することを防止でき、真空破壊弁代替装置の長期にわたる信頼性をさらに向上できる。
図7は、本発明の実施例2によるPCV1の構成の第2変形例を示す図である。図7に示すPCV1は、真空破壊弁代替装置を比較的広い空間がある(すなわち、設置可能場所が多い)上部D/W51に備える点が、図5Aに示したPCV1と異なる。W/W連結管10は、封水保持容器11に接続しない一端がW/W6の気相部に開口している。
図8は、本発明の実施例2によるPCV1の構成の第3変形例を示す図である。図8に示すPCV1は、真空破壊弁代替装置をPCV1の外部に備える点が、図5Aに示したPCV1と異なる。D/W連結管15は、封水容器14に接続しない一端がD/W5の内部に開口しており、W/W連結管10は、封水保持容器11に接続しない一端がW/W6の気相部に開口している。
このように、本実施例によるPCV1には、真空破壊弁代替装置の設置可能場所が多いという利点がある。なお、図8に示す構成では、W/W連結管10やD/W連結管15に隔離弁を設置する必要がある場合には、W/W連結管10やD/W連結管15に隔離弁(図示せず)を設置してもよい。
図9は、本発明の実施例3によるPCVの構成図である。本実施例によるPCV1は、W/W6とD/W5の間に真空破壊弁9を備え、真空破壊弁9にW/W連結管10が接続されている点が、実施例1によるPCV1と異なる。真空破壊弁9は、従来のPCVが備えるものと同じものであり、W/W6の気相部とD/W5を接続する。W/W連結管10は、封水保持容器11に接続しない一端が真空破壊弁9のD/W5側に接続されている。封水保持容器11は、真空破壊弁9のD/W5側に接続し、真空破壊弁9を介してW/W6の気相部と連通する。
本実施例によるPCV1は、製造や運用のコストが増加するものの、W/W6とD/W5との間の圧力の差やガスの流通を、真空破壊弁9と真空破壊弁代替装置との両方で制御できるので、真空破壊弁9の機能をさらに長期にわたってより高い信頼性で確保することができる。
なお、本実施例では、実施例1によるPCV1に真空破壊弁9が設けられている構成を示したが、実施例1の変形例によるPCV1や、実施例2及び実施例2の変形例によるPCV1に真空破壊弁9が設けられてもよい。本実施例と同様に、これらの真空破壊弁9にもW/W連結管10を接続することができる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
1…原子炉格納容器(PCV)、2…炉心、3…原子炉圧力容器(RPV)、4…主蒸気管、5…ドライウェル(D/W)、6…ウェットウェル(W/W)、7…サプレッションプール(S/P)、8…ベント管、9…真空破壊弁、10…W/W連結管、11…封水保持容器、12…封水管、13…サンプピット、14…封水容器、15…D/W連結管、16…封水保持容器の開口部、51…上部ドライウェル(上部D/W)、52…下部ドライウェル(下部D/W)、71…サプレッションプールの水面、81…水平ベント管。

Claims (9)

  1. 原子炉の炉心を格納する原子炉圧力容器が設置されているドライウェルと、
    水を溜めているサプレッションプールを内部に備えるウェットウェルと、
    前記ウェットウェルの内部に備えられ、垂直方向に延伸し、上部が前記ドライウェルに開口するベント管と、
    水平方向に延伸し、一端が前記ベント管に接続され、他端が前記サプレッションプールの水中に開口する水平ベント管と、
    前記ウェットウェルの気相部と連通するための開口部を上部に備える封水保持容器と、
    少なくとも鉛直方向に延伸し、上端が前記封水保持容器の下端に接続された封水管と、
    水を溜めており、内部が前記ドライウェルに連通し、前記封水管の下端が水中で開口している貯水部と、
    を備え、
    前記封水保持容器の下端と前記封水管の下端との高さの差Htは、前記原子炉の通常運転時の前記サプレッションプールの最高水面と前記水平ベント管の上端との高さの差Hvよりも大きい、
    ことを特徴とする原子炉格納容器。
  2. 前記封水保持容器の、前記開口部より下部の容積は、前記原子炉の通常運転時の前記貯水部に溜まった水の、前記封水管の下端より上部の体積以上である、
    請求項1に記載の原子炉格納容器。
  3. 一端が前記ウェットウェルの気相部に開口し、他端が前記封水保持容器の前記開口部に接続されているウェットウェル連結管をさらに備え、
    前記封水保持容器は、前記ウェットウェル連結管により前記ウェットウェルの気相部と連通する、
    請求項1に記載の原子炉格納容器。
  4. 前記貯水部は、前記ドライウェルの床面に設置されたサンプピットである、
    請求項1に記載の原子炉格納容器。
  5. 前記貯水部は、前記ドライウェルの内部に設置され、内部に水を溜めており、内部の気相部が前記ドライウェルに連通する封水容器である、
    請求項1に記載の原子炉格納容器。
  6. 前記封水容器の内部の水の、前記封水管の下端より上部の体積は、前記封水管の容積よりも大きい、
    請求項5に記載の原子炉格納容器。
  7. 前記封水保持容器と前記封水管の少なくとも一部とを前記ウェットウェルの内部に備える、
    請求項1に記載の原子炉格納容器。
  8. 前記封水保持容器と前記封水管と前記封水容器とを前記ウェットウェルの内部に備え、
    一端が前記ドライウェルに開口しているドライウェル連結管をさらに備え、
    前記封水容器は、上部に開口部を備え、前記開口部に前記ドライウェル連結管の他端が接続され、内部の気相部が前記ドライウェル連結管により前記ドライウェルに連通する、
    請求項5に記載の原子炉格納容器。
  9. 前記ウェットウェルと前記ドライウェルとの間に設置され、前記ウェットウェルの気相部と前記ドライウェルとを接続する真空破壊弁をさらに備え、
    前記ウェットウェル連結管の前記一端は、前記真空破壊弁のドライウェル側に接続されている、
    請求項3に記載の原子炉格納容器。
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