JP6718621B2 - トローリング船操船システム - Google Patents

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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H25/00Steering; Slowing-down otherwise than by use of propulsive elements; Dynamic anchoring, i.e. positioning vessels by means of main or auxiliary propulsive elements
    • B63H25/50Slowing-down means not otherwise provided for

Description

本発明はトローリング船操船システムに関し、トローリング時に行う操船技術に係るものである。
従来、トローリングにおいて自動操船を行う技術としては、GPSの位置情報を利用して自動で自船位置を保持するものや、同じくGPS信号を使用して、横風や潮流などによる船の方向のずれを計測し、設定した方角方向に船を直線的に沿わせるものや、自船の航行軌跡を保存し、保存した航行軌跡を繰り返しトレースするものがある。
また、トローリングに使用する漁具である巻き上げ装置(リール)には、例えば、図7に示すものがある。これは、ライン(釣り糸)を巻き取るスプール1をモータ(図示省略)で回転させるものであり、手動用の巻き上げハンドル2や、ラインの巻き上げ速度を調整するスピードコントルールノブ3などを備えている。
その他のリール装置としては、特許文献1に記載するものがある。これは、釣機本体と、該釣機本体に設けた中間軸受に支承され回転自在かつ軸方向に往復動自在の主軸と、該主軸に固着された回転ドラムとからなるもので、該回転ドラムにより釣糸を昇降せしめる漁業用自動釣機である。そして、中間軸受は釣機本体に固着される固定部と、釣糸が回転ドラムより外れて主軸に巻き付き異常状態となると釣機本体側に移動する可動部と、該可動部を主軸の軸方向に沿って進退自在とするばねとからなり、さらに上記可動部が作動するとこれを検出し上記回転ドラムの回転を停止させる非常停止用検出手段を設けている。
また、船舶の操舵制御装置としては、特許文献2に記載するものがある。これは、一基の推進プロペラの後方に推進プロペラ軸心に対して対称の位置に一対の舵を設けた二枚舵システムを有する船舶の操舵制御装置である。この装置は、操舵命令系統がオートパイロット装置とジョイスティック・パネルとから構成され、オートパイロット装置は針路設定装置とジャイロコンパスとからなり、ジョイスティック・パネルはテールインボード設定装置とジョイスティックレバーと舵角設定装置と緊急停止押釦とからなる。制御装置系統が自動演算装置とテールインボード対応操舵量調整器とジョイスティック・ユニットと舵角設定器と緊急停止制御ユニットとから構成される。
自動操舵モードによる航行時は、設定針路復帰のための当て舵において、偏差角に対して二枚の舵を、操舵量調整器により演算された舵角に対応した転舵パターンで転舵させ、操縦モードによる出入港又は狭水路航行時は、自動演算装置とジョイスティック・ユニットと緊急停止制御ユニットとにより、二枚の舵のそれぞれの舵角の組合せによる船の複数の操縦パターンと緊急停止とができるようにしたものである。
特許第2946482 特許第5213729
ところで、トローリングでは、ルアーを曳くスピードすなわち船速は大変大事なことで、釣果に大きな影響を与える。ルアーを曳くスピードが魚種に合っていないと極端に釣果が落ちてしまう。しかし、全部の魚に共通するスピードではなく、魚種によって船速を変えなければならない。例えば、太刀魚・ヒラメは3ノット〜4ノット、ツバス・ワカシは4ノット〜6ノット、ハマチ・イナダ・メジロ・ワラサ・ブリ・カンパチは4ノット〜6ノット、ビンチョウマグロ(トンボ)は4ノット〜5ノット、サゴシ・サワラは6ノット〜8ノット、カツオ・マグロ・カジキは6ノット〜8ノットなどである。
さらに、向かい潮と追い潮でも誤差があり、荒れ模様の日と凪の日でも船速を変えなければならない。
ルアーの仕掛は、船速を上げると海中の深度は上がり、仕掛全体が上がる。逆に船速を落とすと仕掛の深度は深くなる。また、ボートを直進させてルアーを曳いているときに、何かの出来事で急旋回する場合には、そのまま旋回しては道糸がたるんで仕掛けが沈んで岩礁などに引っかかるので、船速を急加速させながら旋回する必要がある。
仕掛けに魚がヒットした場合には、エンジンの回転数をアイドリング等まで落として減速し、道糸の巻き上げを容易にするとともに、魚が仕掛けから外れない程度のスピードを維持する。そして、魚が船体に近づいたときにエンジンを中立としてプロペラを止め、魚を引き上げる。また、魚を釣り上げた場合には、この周辺に必ず他の群れがいると予想し、その同じ場所を何回もトレースして曳き回して追い食いをさせる。
しかし、スポーツフィッシングでは、操船者および釣り人は専業の漁師とは違って毎日操船や巻き上げ装置の操作を行っておらず、上述したような操船を魚のヒットに合わせて十分に行うことができなかった。
本発明は上記した課題を解決するものであり、操船に不慣れな者でも魚のヒットに合わせて迅速にかつ最適な船速に制御することができるトローリング船操船システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のトローリング船操船システムは、釣り糸を巻き上げる巻き上げ装置と、1基1軸のプロペラからなるプロペラ推進器と、プロペラの後方に配置した2枚の高揚力舵と、各高揚力舵毎に設けたロータリーベーン舵取機と、各ロータリーベーン舵取機で操作する各高揚力舵の舵角を制御する操舵制御装置を備え、巻き上げ装置は、釣り糸の仕掛けに魚がかかったヒット状態を検知して、ヒット状態を操舵制御装置に通知するヒット検知部を有し、操舵制御装置は、トローリング時操船部を有し、トローリング時操船部は、プロペラを前進方向に一定回転数で回転させて船速を第1船速に制御し、ヒット検知部からヒット状態の通知を受けて、プロペラが前進方向に一定回転数で回転する状態で、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて、プロペラ後流の推力を船首方向に転向させて、釣り糸の巻き上げに適した第2船速に減速制御することを特徴とする。
本発明のトローリング船操船システムにおいて、トローリング時操船部は、プロペラを前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて船速を制御し、船速を第2船速に維持することを特徴とする。
本発明のトローリング船操船システムにおいて、巻き上げ装置は、釣り糸の巻き上げ速度もしくは釣り糸の繰り出し速度を操舵制御装置に通知する糸速度検知部を有し、トローリング時操船部は、プロペラを前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて船速を制御し、糸速度通知部から通知された巻き上げ速度もしくは繰り出し速度を指標として船速を加減制御し、巻き上げ速度の増加に伴って船速を増加させ、巻き上げ速度の減少に伴って船速を減少させ、繰り出し速度の増加に伴って船速を減少させ、繰り出し速度の減少に伴って船速を増加させることを特徴とする。
本発明のトローリング船操船システムにおいて、トローリング時操船部は、操舵制御装置に設けた魚種選択スイッチの操作を受けて、第1船速を魚種に応じた船速に設定することを特徴とする。
本発明のトローリング船操船システムにおいて、操舵制御装置は、ジョイスティック操船部と、操縦モード切替部を有し、ジョイスティック操船部は、両舷の高揚力舵の舵角をそれぞれジョイスティックレバーの傾倒方向に応じて設定した舵角に制御し、かつ両舷の高揚力舵の舵角を組合せることで、プロペラ後流の推力を目的方向に向けて変向し、操縦モード切替部は、操舵制御装置に設けた操舵切替押釦の操作を受けて、ジョイスティック操船部の操縦モードからトローリング時操船部の操縦モードへ切り替えることを特徴とする。
上記した構成により、釣り人や操船者の技量にかかわらず、操船に不慣れな者でも、プロペラ回転数を制御することなく、魚のヒットに合わせて第1船速から迅速に第2船速に減速制御して第2船速を維持することができ、道糸の巻き上げを容易にするとともに、魚が仕掛けから外れることを防止できる。
ルアーを曳き流す第1船速を魚種に合わせて設定可能とすることで、操船に不慣れな者でも魚種に応じた最適な船速を実現できる。
プロペラ回転数を制御することなく、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて船速を制御することで、操船に不慣れな者でも糸速度通知部から通知された巻き上げ速度もしくは繰り出し速度を指標として船速を加減制御することができ、釣り人の技量不足を操船で補うことができる。
本発明の実施の形態における操船スタンドの構成を示す模式図 同実施の形態における船舶操縦装置の構成を示す模式図であり、プロペラ推進器101を省略した図 同実施の形態における推進器および高揚力舵を示す平面図であり、推力システム100の船尾部の構成を示す図 同実施の形態におけるジョイスティックを示す正面図 舵の組み合せ舵角と旋回方向を示す模式図であり、推力システム100の船尾部の構成を示す図 二枚舵の斜視図 従来の巻き上げ装置を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態における二枚舵操舵システムは、図1から図4に示すように、推力システム100と推力システム100を制御する操船システム(操舵制御装置)200からなる。
推力システム100は、船体110の船尾に配置した1基1軸のプロペラからなるプロペラ推進器101と、プロペラの後方に配置した2枚の高揚力舵102、103を配したもので、ここではベクツイン舵と称する。
ベクツイン舵は、各舵がそれぞれ、アウトボード(外舷側)へ105°、インボード(内舷側)へ35゜転舵可能に構成されており、1基1軸の推進器(プロペラ)をプロペラ前進回転のままで、1対2枚の高揚力舵をそれぞれ独立して種々の角度に作動させ、両舷の舵の舵角の組合せを変えることによって、プロペラ後流を目的とする望ましい方向に分配し、それぞれの方向の推力を自在に変えることができ、従ってそれぞれの方向の推力の合成推力を自在に変えることができ、プロペラ後流を制御して船尾回りの推力を360゜全方向にわたって制御し、船の前後進、停止、前進旋回、後進旋回等の操船を行わせ、船の運動を自由に制御することができる。
さらに、推力システム100は、高揚力舵102、103を駆動するロータリーベーン舵取機104、105と、ロータリーベーン舵取機104、105を制御する舵制御装置(サーボアンプ)106、107と、船体110の船首側に配置した船首スラスター108および船首スラスター108を制御するスラスター制御装置109を有している。
また、ロータリーベーン舵取機104、105のそれぞれには、ポンプユニット151、152と舵角発信器153、154とフィードバックユニット155、156が接続しており、フィードバックユニット155、156が舵制御装置106、107に接続している。
操船システム(操舵制御装置)200は、操船スタンド250に格納されており、ジャイロコンパス251のジャイロ方位を表示するジャイロ方位表示部252と、GPSコンパスを用いたオートパイロットによる操縦モードで操船するオート操船部253と、ジョイスティックレバー254による操縦モードで操船するジョイスティック操船部255と、手動操舵輪256による操縦モードで操船する手動操船部257と、ノンフォローアップ操舵レバー258による操縦モードで操船するノンフォローアップ操船部259と、モード切替スイッチ260により各操船部の切替を行うモード切替部261と、画面にタッチパネルを配したモニター262と、モニター262に映す画像を制御する画像制御部263と、緊急停船押釦264を操作することにより全ての操縦モードに優先して船舶を緊急に停船させる操縦モードで操船する緊急停船部265と、トローリング時操船部301と、ジョイスティック操船部255の操縦モードからトローリング時操船部301の操縦モードへ切り替える操縦モード切替部302と、操縦モード切替部302に操縦モードの切り替えを指示する操舵切替押釦303と、トローリング時操船部301に魚種を選択指示する魚種選択スイッチ304とをスタンド筺体305に一体的に備えている。
巻き上げ装置351は、釣り糸(道糸)を自動的に巻き上げるものであり、釣り糸の仕掛けに魚がかかったヒット状態を検知して、ヒット状態を操船システム(操舵制御装置)200に通知するヒット検知部352と、釣り糸の巻き上げ速度もしくは釣り糸の繰り出し速度を操船システム(操舵制御装置)200に通知する糸速度検知部353を有している。
画像制御部263は、ジャイロ方位を映すジャイロ方位表示画像267と、ジャイロ方位表示部252をモニター画面上でタッチ操作するための方位表示部操作画像268と、オート操船部253をモニター画面上でタッチ操作するためのオート操船操作画像269を選択的に表示し、あるいは同時に表示する。
ジョイスティック操作部255は、ジョイスティックレバー254がX−Y方向の何れの方向へも操作可能に構成されており、ジョイスティックレバー254の傾倒方向で船体の指令運動方向を制御し、傾倒方向における傾倒角度で船首尾方向指令速度および船体横方向指令速度を制御するものである。
ジョイスティック操船部255は、両舷の高揚力舵102、103の舵角をそれぞれジョイスティックレバー254の傾倒方向に応じて設定した舵角に制御し、かつ両舷の高揚力舵102、103の舵角を組合せることで、プロペラ後流の推力を目的方向に向けて変向し、双方のロータリーベーン舵取機104、105により両舷の高揚力舵102、103のそれぞれの舵角を外舷側へ105°、内舷側へ35°の範囲で制御する。
オート操船部253は、GPSコンパス、電子海図システムにより自船の現在位置情報、誘導経路情報、停船保持位置情報に基づいて自船を予め定めた設定針路に誘導制御するものである。
緊急停船部265は、緊急時に緊急停止押釦264を押すと、ジョイスティックレバー254でいかなる操船状態を指示していようとも、あるいは他の操縦モードで操船していても、現在の操船に係る舵角をキャンセルして、左舷舵103を取舵方向(上から見て時計回りの方向)に、右舷舵102を面舵方向(上から見て反時計回りの方向)に、それぞれハードオーバー(舵いっぱい)まで転舵させ、船に制動力を与えて停止させる。
手動操船部257は、手動操舵輪256の回転操作により二枚の高揚力舵102、103の舵角を制御して操船するものである。
ノンフォローアップ操船部259は、ノンフォローアップ操舵レバー258を左右に操作している時間に応じて右舷もしくは左舷に舵を切る。
トローリング時操船部301は、プロペラ101を前進方向に一定回転数で回転させて船速をルアーの曳き流しに適した第1船速に制御する。この船速の制御は、高揚力舵102、103を中立状態に保持し、プロペラ101の回転数を加減調整して行っても良く、プロペラ101を前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵102、103の舵角を組合せて船速を制御しても良い。
この第1船速は魚種選択スイッチ304の操作による指示を受けて魚種に応じた船速に設定される。例えば、太刀魚・ヒラメは3ノット〜4ノット、ツバス・ワカシは4ノット〜6ノット、ハマチ・イナダ・メジロ・ワラサ・ブリ・カンパチは4ノット〜6ノット、ビンチョウマグロ(トンボ)は4ノット〜5ノット、サゴシ・サワラは6ノット〜8ノット、カツオ・マグロ・カジキは6ノット〜8ノットなどである。
さらに、トローリング時操船部301は、ヒット検知部352からヒット状態の通知を受けて、プロペラ101が前進方向に一定回転数で回転する状態で、両舷の高揚力舵102、103の舵角を組合せて、例えば、左舷舵103を取舵方向に105°、右舷舵102を面舵方向に105°まで転舵させることで、プロペラ後流の推力を船首方向に転向させて船に制動力を与える。この制動によって釣り糸の巻き上げに適した第2船速に減速制御する。
操縦モード切替部302は、操舵切替押釦303の操作を受けて、ジョイスティック操船部255の操縦モードからトローリング時操船部301の操縦モードへ切り替える。
以下、上記構成における作用を説明する。
1.ジョイスティックによる操縦モード
モード切替スイッチ260を操作してジョイスティックによる操縦モードを選択する。ジョイスティックレバー254によって船体の指令運動方向、船首尾方向指令推力、船体横方向指令推力を指令する。この操船においては、プロペラ推進器101をプロペラ前進回転のままで、それぞれの高揚力舵102、103をそれぞれ独立に種々の角度に作動させてプロペラ後流を制御し、船尾回りの推力を360゜全方向にわたって制御する。この制御によって船の前後進、停止、前進旋回、後進旋回等を行わせることにより操船における機動性を向上させることができる。
高揚力舵102、103の基本的な舵角の組合せ、およびジョイスティックレバー254の状態と、その呼称及びプロペラ後流線と運動方向を、図6において説明する。
図6中で、舵は水平断面で示してあり、その横あるいは下方に各々の舵の舵角を示している。舵角は右に取るのが正(+)、左に取るのが負(−)として表示し、これらの舵角の組み合わせに対する呼称を掲げている。プロペラ後流は、細い矢印線で、又、それによる船の推進方向を太い中抜き矢印線で画いている。
ちなみに、「TURN TO PORT」(前進左旋回)は左舷舵−35°、右舷舵−35°であり、「ROTATE TO PORT」(船首左回頭)は左舷舵−70°、右舷舵−35°であり、「STERN TO PORT」(船尾左旋回)は左舷舵−105°、右舷舵+45°から+75°であり、「ASTERN TO PORT」(後進左旋回)は左舷舵−105°、右舷舵+75°から+105°であり、「AHEAD」(前進)は左舷舵0°、右舷舵0°であり、「HOVERING」(その場停止)は左舷舵−75°、右舷舵+75°であり、「ASTERN」(後進)は左舷舵−105°、右舷舵+105°であり、「TURN TO STARBOARD」(前進右旋回)は左舷舵+25°、右舷舵+35°であり、「ROTATE TO STARBOARD」(船首右回頭)は左舷舵+25°、右舷舵+70°であり、「STERN TO STARBOARD」(船尾右旋回)は左舷舵−45°から−75°、右舷舵+105°であり、「ASTERN TO STARBOARD」(後進右旋回)は左舷舵−75°から−105°、右舷舵+105°である。
このように、両舷の舵の舵角の組合せを変えることによって、プロペラ後流を目的とする望ましい方向に向けてその方向に推力を変えることができる。ここに挙げた舵角の組み合わせは一例であり、目的とする推進方向及び推力を得るように、舵角の組み合わせを任意に変えることができる。
このように、操船においては推進器推力の反転(プロペラ逆転)が不要であり、主機関は常に前進回転のままであらゆる操船制御が行え、主機関の回転数を加減せずとも、両舵の舵角を加減して、そのときのプロペラ回転数に対応した前進最大速度から後進最大速度まで無段階にきめ細かく船速を制御することができる。
2.緊急停船部による操縦モード
緊急停船押釦264を押すことの一挙動で、緊急停船部265を起動し、全ての操縦モードに優先して船舶を緊急に停船させることができる。すなわち、ジョイスティックレバー254の操舵モードにかかわらず、あるいは他の操縦モードにかかわらず、緊急停船部265によってクラッシュアスターンモード(左舷舵は左般105°、右舷舵は右舷105゜に舵を取る)に切換えて、両舵により非常に大きな制動力と後進力を発生させるので、プロペラ逆転による操船よりもはるかに短い時間、短い距離で船体を停止させることができる。
また、クラッシュアスターンにおいても、主機関を止めて後進再始動をする必要がないため、操船中にいわゆる無制御状態となることがないので、航行における事態ヘのすばやい対応が可能である。
尚、緊急停船部265による操船中に、船の特性、外乱等により旋回を起した場合や、または必要によって船首方位を含めて進行力向を変えたい場合には、そのままジョイスティツクレバー254を操作すれば通常のジョイスティック操作と同様に、ジョイスティックレバー254によって自在に操船して避行航行することができる。
3.オートパイロットによる操縦モード
通常航行操船では、モード切替スイッチ260を操作してオートパイロットによる操縦モードを選択する。
モニター262のモニター画面上にオート操船操作画像269を表示し、モニター画面上のタッチ操作によりオート操船部253に自船の位置、進みたい方位、到達したい位置ないし船首尾線方位を入力し、設定した針路で船を自動誘導操船する。オート操船部253は、自船の現在位置情報、誘導経路情報、停船保持位置情報に基づいて適宜に舵角を制御する。
4.手動による操縦モード
モード切替スイッチ260を操作して手動操舵輪256による操縦モードを選択する。この操縦モードでは、手動操舵輪256の回転操作により二枚の高揚力舵102、103の舵角を手動操船部257に指示し、二枚の高揚力舵102、103の舵角を制御して操船する。
5.ノンフォローアップの操縦モード
モード切替スイッチ260を操作してノンフォローアップ操縦レバー258による操縦モードを選択する。この操縦モードでは、ノンフォローアップ操船部259により、ノンフォローアップ操舵レバー258を左右に操作している時間に応じて右舷もしくは左舷に舵を切る。
6.トローリング時の操縦モード
操舵切替押釦303を操作して操縦モード切替部302によりジョイスティック操船部255の操縦モードからトローリング時操船部301の操縦モードへ切り替える。
トローリング時操船部301は、プロペラ101を前進方向に一定回転数で回転させて船速をルアーの曳き流しに適した第1船速に制御する。上述したように、本実施の形態における操船システム(操舵制御装置)200では、舵角を組み合わせることにより、目的とする推進方向及び推力を得ることができる。
第1船速は、魚種選択スイッチ304の操作によって魚種に応じた船速に設定する。ここでは、例えば、カツオ・マグロ・カジキの6ノット〜8ノットに設定する。
この状態で、巻き上げ装置351から釣り糸(道糸)を適当な長さまで繰り出してルアーを曳き流す。
トローリング時操船部301は、ヒット検知部352からヒット状態の通知を受けると、プロペラ101が前進方向に一定回転数で回転する状態で、両舷の高揚力舵102、103の舵角を組合せてプロペラ後流の推力を船首方向に転向させて船に制動力を与える。この制動によって釣り糸の巻き上げに適した第2船速、例えば2ノットに減速制御する。
両舷の高揚力舵102、103の舵角の組合せは、例えば、左舷舵103を取舵方向に105°、右舷舵102を面舵方向に105°である。しかし、第1船速に応じて制動力を調整する場合には、両舷の高揚力舵102、103の舵角の組合せを変更する。
そして、トローリング時操船部301は、プロペラ101を前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて船速を制御し、船速を第2船速に維持する。
巻き上げ装置351は魚の挙動に応じて自動的に釣り糸を巻き上げ、あるいは繰り出しながら、徐々に魚を手繰り寄せる。このとき、巻き上げ装置351の糸速度検知部353が、釣り糸の巻き上げ速度もしくは釣り糸の繰り出し速度を操船システム(操舵制御装置)200に通知する。
トローリング時操船部301は、プロペラ101を前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵102、103の舵角を組合せて船速を制御し、糸速度通知部353から通知された巻き上げ速度もしくは繰り出し速度を指標として船速を加減制御する。巻き上げ速度が増加すると船速を増加させ、巻き上げ速度が減少すると船速を減少させ、繰り出し速度が増加すると船速を減少させ、繰り出し速度が減少すると船速を増加させる。
巻き上げ装置351は、最初に繰り出した距離に等しいだけ釣り糸を巻き上げた時に停止する。トローリング時操船部301は、巻き上げ装置351からの停止の通知を受けて船を停止させる。プロペラ101を前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵102、103の舵角を組合せて、左舷舵−75°、右舷舵+75°とし、その場停止する。
100 推力システム
110 船体
101 プロペラ推進器
102、103 高揚力舵
104、105 舵取機
106、107 舵制御装置
108 船首スラスター
109 スラスター制御装置
151、152 ポンプユニット
153、154 舵角発信器
155、156 フィードバックユニット
200 操船システム
250 操船スタンド
251 ジャイロコンパス
252 ジャイロ方位表示部
253 オート操船部
254 ジョイスティックレバー
255 ジョイスティック操船部
256 手動操舵輪
257 手動操船部
258 ノンフォローアップ操舵レバー
259 ノンフォローアップ操船部
260 モード切替スイッチ
261 モード切替部
262 モニター
263 画像制御部
264 緊急停船押釦
265 緊急停船部
267 ジャイロ方位表示画像
268 方位表示部操作画像
269 オート操船操作画像
301 トローリング時操船部
302 操縦モード切替部
303 操舵切替押釦
304 魚種選択スイッチ
305 スタンド筺体
351 巻き上げ装置
352 ヒット検知部
353 糸速度検知部

Claims (5)

  1. 釣り糸を巻き上げる巻き上げ装置と、1基1軸のプロペラからなるプロペラ推進器と、プロペラの後方に配置した2枚の高揚力舵と、各高揚力舵毎に設けたロータリーベーン舵取機と、各ロータリーベーン舵取機で操作する各高揚力舵の舵角を制御する操舵制御装置を備え、
    巻き上げ装置は、釣り糸の仕掛けに魚がかかったヒット状態を検知して、ヒット状態を操舵制御装置に通知するヒット検知部を有し、
    操舵制御装置は、トローリング時操船部を有し、
    トローリング時操船部は、プロペラを前進方向に一定回転数で回転させて船速を第1船速に制御し、ヒット検知部からヒット状態の通知を受けて、プロペラが前進方向に一定回転数で回転する状態で、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて、プロペラ後流の推力を船首方向に転向させて、釣り糸の巻き上げに適した第2船速に減速制御することを特徴とするトローリング船操船システム。
  2. トローリング時操船部は、プロペラを前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて船速を制御し、船速を第2船速に維持することを特徴とする請求項1に記載のトローリング船操船システム。
  3. 巻き上げ装置は、釣り糸の巻き上げ速度もしくは釣り糸の繰り出し速度を操舵制御装置に通知する糸速度検知部を有し、
    トローリング時操船部は、プロペラを前進方向に一定回転数で回転させる状態で、両舷の高揚力舵の舵角を組合せて船速を制御し、糸速度通知部から通知された巻き上げ速度もしくは繰り出し速度を指標として船速を加減制御し、巻き上げ速度の増加に伴って船速を増加させ、巻き上げ速度の減少に伴って船速を減少させ、繰り出し速度の増加に伴って船速を減少させ、繰り出し速度の減少に伴って船速を増加させすることを特徴とする請求項1に記載のトローリング船操船システム。
  4. トローリング時操船部は、操舵制御装置に設けた魚種選択スイッチの操作を受けて、第1船速を魚種に応じた船速に設定することを特徴とする請求項1に記載のトローリング船操船システム。
  5. 操舵制御装置は、ジョイスティック操船部と、操縦モード切替部を有し、
    ジョイスティック操船部は、両舷の高揚力舵の舵角をそれぞれジョイスティックレバーの傾倒方向に応じて設定した舵角に制御し、かつ両舷の高揚力舵の舵角を組合せることで、プロペラ後流の推力を目的方向に向けて変向し、
    操縦モード切替部は、操舵制御装置に設けた操舵切替押釦の操作を受けて、ジョイスティック操船部の操縦モードからトローリング時操船部の操縦モードへ切り替えることを特徴とする請求項1に記載のトローリング船操船システム。
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