JP6718296B2 - 流動層燃焼炉 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、炉内に設けられた流動媒体(流動材)及び固形燃料(都市ごみ)を含む混合層に、下方から流動化用のガスを噴出することにより流動層を形成し、該流動層にて燃焼対象物を燃焼する流動層燃焼装置が記載されている。
炉底部においてクリンカが形成されると、炉底部から流動層に吹き込まれる流動化ガスの流れが乱されて流動層の流動状態が悪化し、粗大粒子の偏在が助長され、ホットスポットが形成されやすくなり、クリンカの発生リスクがさらに高まる。
流動材及び固形燃料が流動化された流動層部と、
前記流動層部の上方に位置するフリーボード部と、を備え、
前記流動層部は、前記流動層部と前記フリーボード部との境界位置である第1位置よりも下方の第2位置において、前記第1位置における前記流動層部の第1断面積A1よりも大きい第2断面積A2を有する。
また、流動層部において、加熱による揮発成分の揮発や燃焼反応が進むに従い、固形燃料粒子において細孔が形成され、細孔部分を考慮した固形燃料粒子の密度が減少する。
このため、固形燃料粒子の沈降中における燃焼反応の進行に伴って形成される細孔部分を考慮した固形燃料粒子の密度が、第2位置における流動材粒子のかさ密度に比べて小さくなりやすい。よって、固形燃料粒子が第2位置付近の流動材粒子の層を通過して炉底部へ到達しにくくなり、炉底部におけるクリンカの生成を抑制することができる。
上記(3)の構成によれば、流動層部内において、第1位置よりも下方の第2位置においてかさ密度が比較的大きい粒子濃厚層が形成されるので、比較的密度が小さい固形燃料粒子が、少なくとも第2位置に形成された粒子濃厚層を通過しにくくなり、固形燃料粒子の炉底部への到達を阻害することができる。よって、炉底部におけるクリンカの生成を抑制することができる。
前記流動層部の下部に導入されて上方に向かう流動化ガスの前記第2位置における流速Vが、前記流動層部における流動化が開始する最低ガス流速をV*とし、前記流動材の非流動状態における粒子かさ密度の50%以上のかさ密度を有する領域である前記流動層部内の粒子濃厚層のかさ密度が500kg/m3以上となるガス流速をVthとしたとき、3V*≦V<Vthを満たす。
よって、上記(6)の構成によれば、固形燃料の密度が減少しやすくなるとともに、流動層部の最下部よりも上方において固形燃料粒子が下降しながら燃焼する領域をできるだけ大きく確保できるため、炉底部におけるクリンカの生成を効果的に抑制することができる。
前記流動層部は、前記第1位置よりも下方において段差部を含み、
前記流動層部は、前記段差部の上方領域における断面積よりも、前記段差部の下方領域における断面積の方が大きい。
前記流動層部は、前記第1位置から前記段差部の位置までの高さ範囲において断面積が前記第1断面積A1で一定であり、前記段差部の位置から前記流動層部の最下部の位置までの高さ範囲において断面積が前記第2断面積A2で一定である。
また、段差部よりも下方の高さ範囲では、比較的大きい流動層部の第2断面積A2を確保できるため、炉底部側において流動材粒子のかさ密度が大きい領域を積極的に形成することができる。こうして、固形燃料の粗大粒子の炉底部への到達を効果的に阻害することができる。
前記流動層部は、前記第1位置から該第1位置よりも下方の第3位置までの高さ範囲において断面積が前記第1断面積A1で一定であり、前記第3位置から前記流動層部の最下部の位置までの高さ範囲において前記テーパ部を有する。
前記流動層部は、前記第1位置から該第1位置よりも下方の第4位置までの高さ範囲において断面積が下方に向かうにつれて前記第1断面積A1から徐々に増加する前記テーパ部を有し、前記第4位置から前記流動層部の最下部の位置までの高さ範囲において断面積が一定である。
また、上記(11)の構成によれば、第1位置よりも下方の第4位置から流動層部の最下部の位置までの高さ範囲において断面積が一定であるので、比較的施工が容易である。
幾つかの実施形態において、流動材7は、砂又は石灰石を含んでいてもよい。
すなわち、流動層燃焼炉1は、流動材7及び固形燃料6が流動化された流動層部9と、流動層部9の上方に位置するフリーボード部21とを備える。
なお、第2位置24が上下方向における範囲にわたって存在する場合、第2位置24における第2断面積A2は、上下方向の該範囲において一定であってもよいし、変化するようになっていてもよい。
における第1断面積A1よりも小さい第2断面積A2を有する。すなわち、A1及びA2は、A1>A2を満たす。また、流動層部9の断面積は、第1位置22から下方の炉底部26に近づくに従い減少し、炉底部26(流動層部9の最下部)において最小となっている。
また、流動層部9において、加熱による揮発成分の揮発や燃焼反応が進むに従い、固形燃料粒子において細孔が形成され、細孔部分を考慮した固形燃料粒子の密度が減少する。
このため、固形燃料粒子の沈降中における燃焼反応の進行に伴って形成される細孔部分を考慮した固形燃料粒子の密度が、第2位置24における流動材粒子のかさ密度に比べて小さくなりやすい。よって、固形燃料粒子が第2位置24付近の流動材粒子の層を通過して炉底部26へ到達しにくくなり、炉底部26におけるクリンカの生成を抑制することができる。
流動層部9内において、第1位置22よりも下方の第2位置24においてかさ密度が比較的大きい粒子濃厚層が形成されるので、比較的密度が小さい固形燃料粒子が、少なくとも第2位置24に形成された粒子濃厚層を通過しにくくなり、固形燃料粒子の炉底部26への到達を阻害することができる。よって、炉底部26におけるクリンカの生成を抑制することができる。
ここで、第2位置24における流動化ガスの流速Vは、第2位置24における流動化ガスの流量を、第2位置における流動層部9の断面積で除した値、すなわち第2位置24における流動化ガスの平均流速のことである。
よって、流動化ガスの第2位置24における流速Vを上述の範囲内とすることで、流動層を十分に流動化しながら、炉底部26におけるクリンカの生成を抑制することができる。
図6のグラフに示すように、流動化ガスの流速と流動材かさ密度とは相関関係があり、ガス流速が大きいほど流動材かさ密度は小さい傾向がある。よって、例えば上述した粒子濃厚層のように、所定値以上の流動材かさ密度を得たい場合には、図6のグラフに示すような相関関係に基づいて、当該流動材かさ密度に対応するガス流速以下のガス流速で流動化ガスを流通させる。
また、本発明者らの鋭意検討の結果、典型的な燃焼装置においては、流動層部9において、固形燃料粒子の沈降速度と燃焼速度を両立させるのに適した流動材かさ密度は、概ね500kg/m3であることが見出された。
よって、上述の流動化ガスの流速Vの上限を規定する流速値として、流動材かさ密度が500kg/m3であるときのガス流速Vth(図6参照)を採用している。
例えば、ある所定範囲内の流動層部9の高さ(炉底部26に対する第1位置22の高さ)を有する流動層燃焼炉1において、第2断面積A2の第1断面積A1に対する比A2/A1を上述の範囲内に調節することにより、上述の効果が得られる。
よって、固形燃料6の密度が減少しやすくなるとともに、流動層部9の最下部(炉底部26)よりも上方において固形燃料粒子が下降しながら燃焼する領域をできるだけ大きく確保できるため、炉底部26におけるクリンカの生成を効果的に抑制することができる。
また、段差部32よりも下方の高さ範囲(下方領域38)では、比較的大きい流動層部9の第2断面積A2を確保できるため、炉底部26側において流動材粒子のかさ密度が大きい領域を積極的に形成することができる。こうして、固形燃料6の粗大粒子の炉底部26への到達を効果的に阻害することができる。
また、この場合、第1位置22よりも下方の第4位置29から流動層部9の最下部(炉底部26)の位置までの高さ範囲33において断面積が一定であるので、比較的施工が容易である。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 細孔
3 多孔板
4 風箱
5 燃焼部
6 固形燃料
7 流動材
8 燃焼用空気
9 流動層部
10 抜き出し管
11a バルブ
11b バルブ
12 ホッパ
17 流動燃料供給管
19 搬送用空気
20 流動燃料
21 フリーボード部
22 第1位置
23 上方領域
24 第2位置
25 第3位置
26 炉底部
27 高さ範囲
28 高さ範囲
29 第4位置
32 段差部
33 高さ範囲
34 テーパ部
38 下方領域
100 燃焼設備
101 流動層燃焼炉
A1 第1断面積
A2 第2断面積
H 流動層高さ
θ 傾斜角
Claims (12)
- 流動材及び固形燃料が流動化された流動層部と、
前記流動層部の上方に位置するフリーボード部と、を備え、
前記流動層部は、前記流動層部と前記フリーボード部との境界位置である第1位置よりも下方の第2位置において、前記第1位置における前記流動層部の第1断面積A1よりも大きい第2断面積A2を有し、
前記流動層部は、前記第1位置よりも下方において段差部を含み、
前記流動層部は、前記段差部の上方領域における断面積よりも、前記段差部の下方領域における断面積の方が大きく、
前記流動層部の下部に導入されて上方に向かう流動化ガスの前記第2位置における流速Vが、前記流動層部における流動化が開始する最低ガス流速をV * とし、前記流動材の非流動状態における粒子かさ密度の50%以上のかさ密度を有する領域である前記流動層部内の粒子濃厚層のかさ密度が500kg/m 3 以上となるガス流速をV th としたとき、3V * ≦V<V th を満たすことを特徴とする流動層燃焼炉。 - 前記流動層部は、1.09≦A2/A1≦1.74を満たすことを特徴とする請求項1に記載の流動層燃焼炉。
- 前記流動層部内において、少なくとも前記第2位置において、前記流動材の非流動状態における粒子かさ密度の50%以上のかさ密度を有する領域である粒子濃厚層が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の流動層燃焼炉。
- 前記第2位置としての前記流動層部の最下部における前記第2断面積A2が前記第1断面積A1よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の流動層燃焼炉。
- 前記流動層部の断面積は、前記第1位置において最小となり、前記流動層部の最下部において最大となることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の流動層燃焼炉。
- 前記流動層部は、前記第1位置から前記段差部の位置までの高さ範囲において断面積が前記第1断面積A1で一定であり、前記段差部の位置から前記流動層部の最下部の位置までの高さ範囲において断面積が前記第2断面積A2で一定であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の流動層燃焼炉。
- 前記流動層部は、下方に向かうにつれて断面積が徐々に増加するテーパ部を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の流動層燃焼炉。
- 前記流動層部は、前記第1位置から該第1位置よりも下方の第3位置までの高さ範囲において断面積が前記第1断面積A1で一定であり、前記第3位置から前記流動層部の最下部の位置までの高さ範囲において前記テーパ部を有することを特徴とする請求項7に記載の流動層燃焼炉。
- 前記流動層部は、前記第1位置から該第1位置よりも下方の第4位置までの高さ範囲において断面積が下方に向かうにつれて前記第1断面積A1から徐々に増加する前記テーパ部を有し、前記第4位置から前記流動層部の最下部の位置までの高さ範囲において断面積が一定であることを特徴とする請求項7に記載の流動層燃焼炉。
- 前記テーパ部は、水平方向に対する傾斜角θ[°]が40≦θ≦80を満たすことを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の流動層燃焼炉。
- 前記流動層部は、1m以上の流動層高を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の流動層燃焼炉。
- 前記固形燃料は、バイオマスを含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の流動層燃焼炉。
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