JP4455388B2 - 乾式分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乾式分離装置に係り、より詳しくは、粉体に気体を吹き付けてこの粉体を流動化させて流動層を形成させ、この流動層に被分離対象物を投入し、この被分離対象物のうち、前記流動層の見掛け密度より密度の小さい物体を浮揚させ、前記流動層の見掛け密度より密度の大きい物体を沈降させて、両物体を分離する流動層での比重分離法に使用される乾式分離装置に関する。
家電製品のリサイクルの際に生じるシュレッダー中の塩化ビニルと非塩化物とを分離する技術、プラスチックと金属とを分離する技術、建築廃材中の木質材、モルタルや石を分離する技術として、従来湿式による分離が主流であったが、この分離方法では、分離後に乾燥工程が必要となり、大なるコストを要するので、乾式による分離が望まれている。
家電製品のリサイクルの際に生じるシュレッダー中の塩化ビニルと非塩化物との比重の差は極僅か(塩化ビニル:〜1.4,PS・ABS:〜1.2)であり、このためにこれら両者を分離することは容易ではない。また、作業効率の観点から、前記分離工程は、好ましくは連続式である方が良い。比重差(密度差)が小さいものを連続的に分離するようにした技術として、例えば液体を用いずに石炭の比重選別を行なう乾式石炭分離方法および乾式石炭分離装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記乾式石炭分離方法の場合には、粉体流動化媒体の下から気体を供給することにより、この粉体を流動化させて流動層を形成させ、この流動層に石炭粒子を投入し、流動層の見掛け密度より小さい密度の石炭粒子を浮揚させ、密度の大きい石炭粒子を沈降させるというものである。上記粉体流動化媒体としては、ガラスビーズや、炭酸カルシウム、珪砂等が例示されている。
上記乾式石炭分離装置は、底面に多孔性分散板を設けた分離槽と、この分離槽内に少なくとも一部が入り込むようにして傾斜して配置された回転自在の円筒状収集ロータよりなり、このロータには、多孔性リング状底板と、このリング状底板に半径方向に固定された複数の仕切板によって区画された複数の収集室と、リング状底板の外周縁に立てられた側板が設けられ、分離槽の底面の分散板から吹き込んだ気体によって分離槽内に流動化媒体の流動層を形成し、沈降した石炭粒子を前記ロータの下位にある収集室で収集してロータの回転と共に掻き上げ、上位にある収集室からリング状底板の内周縁を通じて排出するようにしたものである。
また、固気流動層での比重分離法による自動車シュレッダーダストの素材分離に関する研究論文がある(例えば、非特許文献1参照。)。
この研究論文には、「固気流動層での比重分離法を利用して、ダスト中のプラスチックとゴム、配線の3成分の分離を試みた。粉体を下部からの送風で流動化させた固気流動層は液体に類似した性質を持つために、流動化状態でのかさ密度よりも軽い物体は層内で浮揚し、重い物体は沈降する。これまでに、著者らは、本手法により石炭の高品位化や密度差約250kg/m3の珪石とロウ石の分離を可能にしている。流動化媒体として、ユニビーズ、ジルコンサンドおよびガラスビーズを用い、様々な密度を持つ球の浮沈により流動化状態でのかさ密度とそのばらつきを求めた。3成分の密度の大きさは、プラスチック<ゴム<配線の順であり、ユニビーズとジルコンサンドにより配線のみを沈降分離し、ガラスビーズによりプラスチックを浮揚させゴムを沈降させて分離することを試みた。各成分の密度差は小さく、物体の浮沈が層内の粒子や気泡の流れの影響を大きく受けるために、各成分の分離は困難なことが予想される。従って、高い分離効率を得るために、空塔速度を様々に変化させて分離実験を行なった。」と記載されている。そして、「上記試験の結果、3成分を分離することができ、それぞれの回収率は高かった。」と記載されている。
前記特許文献1に記載された流動層は、上記非特許文献1に記載された固気流動層と同義のものである。すなわち、前記特許文献1に記載された分離方法は、上記非特許文献1に記載された分離法とは、被分離対象物は相違するが、これらは基本的には同一の分離法であり、いずれも固気流動層での比重分離法を利用するものである。
前記特許文献1に記載された分離装置は、前記特許文献1に記載された乾式石炭分離方法に適用するものであり、被分離対象物が石炭であるが、石炭以外のものである場合にも適用可能であると考えられ、粉体流動化媒体として適切なものを選定し使用することによって目的物質を分離することが可能であると考えられる。
前記特許文献1に記載された分離装置においては、流動層(固気流動層)で沈降した物体(沈降物)を連続的に取り出す機構として、傾斜して配置された回転自在の円筒状収集ロータであって複数の収集室を有するものを有しているので、流動層で沈降し、前記収集室に入った沈降物は連続的に取り出すことができる。
しかし、流動層で沈降し、収集室に入らなかった沈降物は分離槽の底面(多孔性分散板)の上に落ち、上記収集ロータでは取り出すことができない。この沈降物を取り出さなければ、沈降物の回収率(回収した沈降物の沈降物全体に対する割合)が低くなる。沈降物の回収率を向上させるため、この沈降物の取り出しをしようとする場合には、分離装置の運転を停止する必要があり、連続分離運転ができなくなり、ひいては、分離効率(単位時間当たりの分離量、すなわち、単位時間当たりの沈降物および浮揚物の回収量)が低下する。
特開2000−61398号公報 押谷潤、梶原朋子、清島浩司、田中善之助:粉体工学会誌、Vol.38、702−709(2001)
本発明は、上記のような事情に着目してなされてたものであって、その目的は、固気流動層での比重分離法、すなわち、粉体の下から気体を供給してこの粉体を流動化させて流動層を形成させ、この流動層に被分離対象物を投入し、この被分離対象物のうち、前記流動層の見掛け密度より密度の小さい物体を浮揚させ、この流動層の見掛け密度より密度の大きい物体を沈降させて、両物体を分離する流動層での比重分離法に適用する乾式分離装置であって、連続分離運転ができ、連続的に沈降物および浮揚物を取り出すことができ、かつ、沈降物および浮揚物を高回収率で回収することができる乾式分離装置を提供しようとするものである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
粉体の下から気体を供給して前記粉体を流動化させることにより流動層を形成させ、前記流動層に被分離対象物を投入し、前記被分離対象物のうち、前記流動層の見掛け密度より密度の小さい物体を浮揚させ、前記流動層の見掛け密度より密度の大きい物体を沈降させて、両物体を分離する前記流動層での比重分離法に使用される乾式分離装置であって、分離槽と、前記分離槽内に前記流動層を形成するために前記粉体を供給する粉体供給手段と、前記粉体の供給される位置より離れるにつれて低くなるように配置され、前記分離槽の底面をなす通気性板と、前記通気性板の下方から前記通気性板を通して前記分離槽内へ気体を供給する粉体流動化気体供給手段と、前記分離槽内に前記被分離対象物が滞留するのを抑制する被分離対象物滞留抑制手段と、を備える。
これにより、前記流動層中で滞留する前記被分離対象物を取り出す等の作業が不要になるので、前記乾式分離装置を停止させることなく連続運転できる。さらには、前記被分離対象物の滞留を抑制できるので、前記流動層の見掛け密度が常に均一に保たれるので、分離効率を向上できる。
前記被分離対象物滞留抑制手段は、複数の孔を有し、前記通気性板よりも傾斜して前記分離槽内に設けられる多孔板であり、前記多孔板の有する孔の径は、前記粉体の径よりも大であることが好ましい。
これにより、前記流動層内での前記粉体の移動速度が不十分である領域、すなわち、前記分離槽の底部へ前記沈降物が沈降するのを抑制できるので、前記沈降物の滞留を抑制できる。
また、前記多孔板の構成が簡単なので、前記沈降物の滞留を抑制する機能を既存の乾式分離装置に容易に追加できる。
前記被分離対象物滞留抑制手段は、複数の孔を有し、下端が前記通気性板に接続された状態で前記分離槽の側面よりも内側に設けられる多孔板であり、前記多孔板の有する孔の径は、前記粉体の径よりも大であることが好ましい。
これにより、前記流動層内での前記粉体の移動速度が不十分である領域、すなわち、前記分離槽の側面部(近傍)へ前記被分離対象物が移動するのを抑制できるので、前記被分離対象物の滞留を抑制できる。
また、前記多孔板の構成が簡単なので、前記被分離対象物の滞留を抑制する機能を既存の乾式分離装置に容易に追加できる。
前記被分離対象物滞留抑制手段は、複数の孔を有し、前記通気性板よりも傾斜して前記分離槽内に設けられる第1多孔板と、複数の孔を有し、下端が前記第1多孔板に接続された状態で前記分離槽の側面よりも内側に設けられる第2多孔板とからなり、前記それぞれの多孔板の有する孔の径は、前記粉体の径よりも大であることが好ましい。
これにより、流動層内での前記粉体の移動速度が不十分である領域、すなわち、前記分離槽の底部や側面部(近傍)へ前記被分離対象物が移動(沈降を含む)するのを抑制できるので、前記被分離対象物の滞留を抑制できる。
また、前記多孔板の構成が簡単なので、前記被分離対象物の滞留を抑制する機能を既存の乾式分離装置に容易に追加できる。
また、前記流動層において、前記粉体の移動速度が十分な領域のみを選択的に利用できるので、分離効率を向上できる。
以下、図1及び図2を参照しつつ、本発明に係る乾式分離装置の第1の実施の形態に関して説明する。
ここでは、本発明に係る乾式分離装置が、塩化ビニルと非塩化物とを分離する例に関して説明する。なお、前記乾式分離装置は、これに限らず種々の被分離対象物を対象とした比重分離法に適用し得る。
図1は本発明の第1実施形態に係る乾式分離装置の模式図である。
図2は本発明の第1実施形態に係る乾式分離装置の分離槽の部分斜視図である。
本実施形態に係る乾式分離装置100は、流動層10を収納する箱型容器である分離槽1を備えている。流動層10は適宜の粉体により構成されている。
分離槽1の一端上方には、分離槽1内に流動層10を形成するために前記粉体を適宜供給する粉体供給ホッパー2(粉体供給手段)が設けられている。
分離槽1の一端上方であって粉体供給ホッパー2の近傍には、分離槽1へ被分離対象物Wを供給(投入)する被分離対象物供給ホッパー3(被分離対象物供給手段)が設けられている。
ここで、本実施形態における被分離対象物Wは、塩化ビニルと非塩化物等とからなる。流動層10を形成する前記粉体の見掛け密度(詳しくは後述する)に比して、前者の密度は大であり、後者の密度は小である。
箱型容器である分離槽1の底面は、空気を通過させ、前記粉体を通過させない性質を有する通気性板1aで構成されている。通気性板1aは、粉体供給ホッパー2による粉体の供給位置である分離槽1の一端から離れる(一端から他端へ向かう)につれて、低くなるように傾斜して設けられている。
分離槽1の底面をなす通気性板1aの下側には、複数枚の仕切板により区画されてなる複数の風箱5(粉体流動化気体供給手段)が設けられており、通気性板1aを通して分離槽1内へ気体である空気が供給される。これにより、前記粉体は流動化され、流動層10が形成される。前述の見掛け密度とは、前記粉体が流動化されている状態における単位体積あたりの質量のことである。
風箱5に供給される空気の供給量は、それぞれ独立した空気供給手段(不図示)によって調整されるように構成されている。
なお、本実施形態では、図1に示すように5個の風箱5が設けられているが、風箱5の個数はこれに限定されるものではない。さらには、箱型容器である分離槽1の上方は、上面板材で閉塞されていても良いし、上面板材を備えずに開放されていても良く、外部環境に応じて適宜選択することができる。
分離槽1の他端の底部には、下方に突出する円筒状の沈降物排出口1b(沈降物排出手段)が設けられており、流動層10中で沈降した沈降物Wsと前記粉体は、この分離槽1外の下方に設けられた沈降物搬送コンベヤ30sの搬送ベルトの一端上に排出されるように構成されている。
以上のように、分離槽1の一端上方に設けられた粉体供給ホッパー2より前記粉体が供給され、分離槽1の他端の底部に設けられた沈降物排出口1bより前記粉体(および沈降物Ws)が排出されることで、流動層10は分離槽1の一端から他端へ向かって緩やかに移動することとなる。
分離槽1の他端側壁面1cは、分離槽1の内側へ向かって傾斜している。これにより、分離槽1内を一端より他端へ向かって移動する前記粉体は、他端側壁面1c近傍で滞留することがなく、沈降物排出口1bへ誘導される。したがって、流動層10の移動が円滑となる。
他端側壁面1cは、その上端が他の壁面の上端よりも低くなるよう設けられており、該上端と流動層10の上層表面とは略一致する。流動層10で分離され浮遊する浮揚物Wfは、流動層10の移動にともない、他端側壁面1cの上端を乗り越えて分離槽1から排出される(浮揚物排出手段)。
なお、本実施形態において、他端側壁面1cの上端は、分離槽1の外側へ向かって傾斜する上端傾斜部1dを形成している。流動層10で浮揚する浮揚物Wfは、上端傾斜部1dに乗り上げるように分離槽1から排出される。上端傾斜部1dの水平に対する傾斜角度は、好ましくは5〜45度程度であるが、これに限らず適宜選択することができる。
他端側壁面1cの上端より前記粉体と共に排出された浮揚物Wfは、好適な傾斜面等を介して浮揚物搬送コンベヤ30fの搬送ベルトの一端上に排出されるよう構成されている。
浮揚物搬送コンベヤ30fおよび沈降物搬送コンベヤ30sの各々の他端には、個別の振動ふるい(不図示)が設けられている。これにより、浮揚物Wfあるいは沈降物Wsと共に搬送ベルト上に排出された前記粉体を分離・回収できるよう構成されている。
また、前記振動ふるいで回収された粉体を再度粉体供給ホッパー2へ搬送する粉体搬送コンベア(不図示)が設けられている。
また、分離槽1内の一端から他端(沈降物排出口1bは除く)にかけて、複数の孔を有する多孔板20a(第1多孔板)が、通気性板1aと同方向に傾斜して埋設されている。
多孔板20aの傾斜角は、大きく設定されることが好ましく、少なくとも通気性板1aの傾斜角よりも大とする。ただし、被分離対象物供給ホッパー3から供給される被分離対象物Wを供給直後から流動層10によくなじませるために、被分離対象物Wの供給地点において多孔板20aが、少なくとも流動層10から露出されないよう、好ましくは流動層10の上面からある程度離隔されるよう、留意して前記傾斜角は設定される。
多孔板20aの分離槽1内への取り付け方法は、特に限定されず、溶接やボルト締結等、自由に選択することができる。多孔板20aは流動層10内に埋設されるので、好ましくはメンテナンスフリーな固定方法が好ましい。
多孔板20aの材質は、流動層10内でその形状を維持できるものであれば任意に選択することができる。例えば、鉄・アルミ・ステンレス・銅などの金属類や、FRPなどのプラスチックでも良い。
ここで、通気性板1aの有する孔の大きさは、通気性が確保され、かつ前記粉体を通過させない程度に決められている。一方、多孔板20aの有する孔の大きさは、流動層10の流動性を妨げない程度に決められており、少なくとも前記粉体よりも大であって、被分離対象物Wよりも小であれば良い。すなわち孔の大きさは上述の範囲であれば特に限定されないが、孔径が3mmから10mmの範囲内が好適に利用できる。
多孔板20aの有する孔の形状は、円形でも十字形でも矩形でも菱形でも三角形でもよく、自由に選択することができる。
また、流動層10の流動性の観点から、多孔板20a全体に対して該孔の占める割合である有孔率は、なるべく大きい方がよく、前記割合が20%以上であることが好ましい。
また、箱型容器である分離槽1の側面であって、流動層10の移動方向と平行をなす側面の内側近傍には、該側面と平行であって、多孔板20a同様、複数の孔を有する多孔板20b(第2多孔板)が垂直に設けられている。
この多孔板20bの有する孔の大きさや形状、および材質などは多孔板20aと同様に選択される。多孔板20aの厚みは、好ましくは10ミリ以下が良い。また、多孔板20bと該側面との距離は2cm以上有ればよいが、流動状態が中心部とほぼ同じ状態となる4cm以上で有ればなおさら良い。また、前記距離があまり長くなると分離槽1の有効利用幅が小さくなることから、前記距離は分離槽全幅の10%以内であることが望ましいが、これに限らず適宜選択することができる。
次に、図1及び図2に基づいて、本実施形態に係る乾式分離装置100の作動について説明する。
分離槽1内には、あらかじめ好適な粉体が収納されている。前記粉体は、風箱5より所定の風速で空気が供給されることで流動化され、見掛け密度が均一となる。所定の風速(Uo)とは、例えば最小流動化速度(Umf)の約120%であり(Uo/Umf=1.2)、最小流動化速度とは、前記粉体が流動化状態となるのに要する風速の下限である。以上のようにして、分離槽1内には、前記粉体よりなる流動層10が形成されている。
また、分離槽1の一端上方に設けられた粉体供給ホッパー2より、粉体が一定の流量で供給されている。
一方、分離槽1の他端の底部に設けられた沈降物排出口1bより、前記粉体が沈降物搬送コンベヤ30sの搬送ベルト上に排出されている。
また、分離槽1の上端傾斜部1dより、前記粉体が浮揚物搬送コンベヤ30fの搬送ベルト上に排出されている。
このように分離槽1から排出されて、沈降物搬送コンベヤ30sと浮揚物搬送コンベヤ30fにより搬送される粒子は、適宜設けられた個別の振動ふるい(不図示)により混在する異物等(被分離対象物W等)が取り除かれ、適宜設けられた搬送コンベヤ(不図示)により粉体供給ホッパー2へ供給される。このとき、飛散等により失われた粉体の量に応じて、適宜設けられた粉体補充ホッパー(不図示)により粉体が補充されてもよい。
以上の工程を連続的に行なうことにより、流動層10は分離槽1の一端から他端へ向かって緩やかに移動する。より詳しくいえば、流動層10の上層部は上端傾斜部1dへ向かって流れ、それ以外の中層部および下層部は沈降物排出口1bへ向かって流れる。この際、他端側壁面1cが分離槽1の内側へ向かって傾斜しているので、特に前記中層部の沈降物排出口1bへの流れが円滑とできるので、滞留の発生が抑制されることとなる。
以上のように形成された分離槽1内の流動層10へ、被分離対象物供給ホッパー3より、塩化ビニルと非塩化物等とからなる被分離対象物Wが供給される。被分離対象物Wは、あらかじめ適宜の大きさに粉砕されている。
すると、前記流動層10が流動化しているので、流動層10の見掛け密度より密度の大きい塩化ビニルは分離槽1の底面である通気性板1aに向かって沈降し始める。流動層10内には、あらかじめ傾斜角度の大きい多孔板20aが設けられているので、沈降物Ws(塩化ビニル)は、多孔板20a上に滞留することなく、沈降物排出口1bへ向かって流動層10と共に流される(運ばれる)。そして、沈降物Wsは、粉体と共に、沈降物排出口1bを介して、沈降物搬送コンベヤ30sの搬送ベルト上に排出される。
一方、流動層10の見掛け密度より密度の小さい非塩化物等は浮揚することとなる。浮揚した浮揚物Wf(非塩化物等)は、粉体と共に、上端傾斜部1dを乗り越えて、浮揚物搬送コンベヤ30fの搬送ベルト上に排出される。ここで、上端傾斜部1dは、分離槽1の外側へ向くように傾斜しているので、流動層10の上層部や該上層部に浮揚している非塩化物等が他端側壁面1cを乗り越えられずに滞留するのを抑制できるよう構成されている。
ここで、一般的に流体と壁面との境界近傍には、壁面効果、すなわち流れを抑制しようとする抗力が流体に対して作用する。この壁面効果は、壁面より所定の領域にまで影響を及ぼし、その領域における前記流体の流速は著しく低下する。
前述の壁面効果は、乾式分離装置においても同様のことが言える。
この点、本実施形態に係る乾式分離装置100の分離槽1においては、被分離対象物Wの移動範囲は、前述の多孔板20aのみならず、多孔板20bによっても制限されている。
これにより、流動層10内での前記粉体の移動速度が不十分である領域、すなわち、分離槽1の底部および側面部(近傍)へ被分離対象物Wが移動(沈降を含む)するのを抑制できるので、壁面効果等に起因して起こる被分離対象物Wの滞留を抑制できる。
また、これら多孔板20aや多孔板20bの構成が簡単なので、前記被分離対象物の滞留を抑制する機能を既存の乾式分離装置に容易に追加することができる。
また、前記流動層10において、前記粉体の移動速度が十分な領域のみを選択的に利用できるので、分離効率を向上できる。
さらには、設けられる多孔板20bが肉薄なので、通気性板1aからの空気の流れを妨げず、流動層10の流動状態が損なわれることがない。
なお、本実施形態における多孔板20bは、分離槽1の側面と平行にであって垂直に設けられるとしたが、これに限らず、前述したように、分離槽1の側面部の近傍へ被分離対象物Wが移動するのを抑制できさえすればよく、例えば多孔板20bが傾斜されて設けられてもよいし、分離槽1の側面を覆うように設けられていてもよい。
さて、粉体と共に個別に回収された沈降物Wsと浮揚物Wfは、前記振動ふるいにより粉体と分別されて個別に回収される。
以上説明した如く、第1実施形態に係る乾式分離装置100は、その分離槽1内に傾斜角度の大なる多孔板20aを備え、また、分離槽1の側面の内側に肉薄の多孔板20bを備えるよう構成されている。これにより、分離槽1の底部や側面部で滞留する被分離対象物Wを取り出す等の作業が不要になるので、乾式分離装置100を停止させることなく連続運転可能とできる。さらには、被分離対象物Wの滞留を抑制できるので、流動層10の見掛け密度が均一に保たれ、分離効率を向上できる。
次に、図3に基づいて、本発明に係る乾式分離装置の第2の実施の形態に関して説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る乾式分離装置の分離槽の部分斜視図である。なお、第1実施形態と同一の形状もしくは機能を備える構成要素には、同一の符号を付してある。
ここでは、第2の実施形態と第1の実施形態との相違点のみを説明することとする。
本実施形態における分離槽1sには、図3に示すように、多孔板20bが取り付けられておらず、多孔板20aのみが設けられている。ただし、本実施形態において、多孔板20aは、流動層10を鉛直方向に隙間なく分割するよう構成されている。
これにより、流動層10での前記粉体の移動速度が不十分である領域、すなわち、前記分離槽1sの底部へ沈降物Wsが沈降するのを抑制できるので、沈降物Wsの滞留を抑制できる。
また、前記多孔板20aの構成が簡単なので、沈降物Wsが前記分離槽1sの底部で滞留するのを抑制する機能を既存の乾式分離装置に容易に追加できる。
次に、図4に基づいて、本発明に係る乾式分離装置の第3の実施の形態に関して説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係る乾式分離装置の分離槽の部分斜視図である。なお、第1実施形態と同一の形状もしくは機能を備える構成要素には、同一の符号を付してある。
ここでは、第3の実施形態と第1の実施形態との相違点のみを説明することとする。
本実施形態における分離槽1tには、図4に示すように、多孔板20aが取り付けられておらず、多孔板20bのみが設けられている。ただし、本実施形態において、多孔板20bは、流動層10の進行方向の中央からみて、分離槽1の前記進行方向に平行な該側面を隙間なく覆うよう、その下端が通気性板1aに接続されている。
これにより、流動層10での前記粉体の移動速度が不十分である領域、すなわち、前記分離槽1tの側面部(近傍)へ被分離対象物Wが移動するのを抑制できるので、被分離対象物Wの滞留を抑制できる。
また、前記多孔板20bの構成が簡単なので、被分離対象物Wが前記分離槽1tの側面部(近傍)で滞留するのを抑制する機能を既存の乾式分離装置に容易に追加できる。
以下、図2に示されるように、分離槽1s内に多孔板20aのみが設けられている第2実施形態に基づいて実施された分離試験(以下、実施例H)と、多孔板20aおよび多孔板20bの双方とも設けられていない乾式分離装置100u(図5参照)において実施された分離試験(以下、実施例L)と、に関して説明する。
図5は、他の乾式分離装置の模式図である。なお、図5においては、第1実施形態に係る乾式分離装置100と共通する構成要素に対して同一の符号が付されている。
具体的には、40mmX20mmX2mmの大きさのポリエチレン(密度:1.0g/cm3)、ポリプロピレン(密度:0.9g/cm3)、ナイロン(密度:1.1g/cm3)、および塩化ビニル(密度:1.4g/cm3)のそれぞれ4枚ずつ(表1参照)を、実施例Hに係る分離槽1sおよび実施例Lに係る分離槽1uにそれぞれ投入し、10分間ずつ分離試験を行なった。
本分離試験においては、流動層10の粉体として、見掛け密度が1.21g/cm3である珪砂を用いた。また、流動層10の流動化条件(Uo/Umf)を1.2とした。浮揚物搬送コンベヤ30f等を経て回収された上部回収物と、沈降物搬送コンベヤ30s等を経て回収された下部回収物と、いずれにおいても回収されなかった流動層内滞留物と、の重量(粉体を除く)を計測し、その結果を表2に示す。また、上部回収物の中に占める塩化ビニルの重量から換算された塩素濃度(上部回収物中塩素濃度)も表2に示す。
Figure 0004455388
Figure 0004455388
表2に示すように、図5に示す実施例Lでは、上部回収物のサンプル全体に対する重量割合は64%であり、そのうち塩素濃度は0.22%であった。また、流動層10の通気性板1aに沈降したまま排出されなかった流動層内滞留物のサンプル全体に対する重量割合は21%であった。
それに対し、図1に示す実施例Hでは、上部回収物のサンプル全体に対する重量割合は66%であり、そのうち塩素濃度は0.21%であった。また、流動層10の通気性板1aに沈降したまま排出されなかった流動層内滞留物のサンプル全体に対する重量割合は2%であった。
このように、多孔板20aを備える実施例Hと、多孔板20aを備えていない実施例Lとを比較した場合、上部回収物の前記重量割合と、その塩素濃度はほぼ同等でありながら、実施例Lで確認された流動層10内における被分離対象物Wの滞留が、実施例Hにおいて顕著に改善された。
本発明の第1実施形態に係る乾式分離装置の模式図。 本発明の第1実施形態に係る乾式分離装置の分離槽の部分斜視図。 本発明の第2実施形態に係る乾式分離装置の分離槽の部分斜視図。 本発明の第3実施形態に係る乾式分離装置の分離槽の部分斜視図。 他の乾式分離装置の模式図。
符号の説明
1 分離槽
1a 通気性板
10 流動層
20a 多孔板
20b 多孔板
100 乾式分離装置

Claims (2)

  1. 粉体の下から気体を供給して前記粉体を流動化させることにより流動層を形成させ、
    前記流動層に被分離対象物を投入し、
    前記被分離対象物のうち、
    前記流動層の見掛け密度より密度の小さい物体を浮揚させ、
    前記流動層の見掛け密度より密度の大きい物体を沈降させて、
    両物体を分離する前記流動層での比重分離法に使用される乾式分離装置であって、
    分離槽と、
    前記分離槽内に前記流動層を形成するために前記粉体を供給する粉体供給手段と、
    前記粉体の供給される位置より離れるにつれて低くなるように配置され、前記分離槽の底面をなす通気性板と、
    前記通気性板の下方から前記通気性板を通して前記分離槽内へ気体を供給する粉体流動化気体供給手段と、
    前記分離槽内に前記被分離対象物が滞留するのを抑制する被分離対象物滞留抑制手段と、を備え
    前記被分離対象物滞留抑制手段は、
    複数の孔を有し、下端が前記通気性板に接続された状態で前記分離槽の側面よりも内側に設けられる多孔板であり、
    前記多孔板の有する孔の径は、前記粉体の径よりも大であることを特徴とする、乾式分離装置。
  2. 粉体の下から気体を供給して前記粉体を流動化させることにより流動層を形成させ、
    前記流動層に被分離対象物を投入し、
    前記被分離対象物のうち、
    前記流動層の見掛け密度より密度の小さい物体を浮揚させ、
    前記流動層の見掛け密度より密度の大きい物体を沈降させて、
    両物体を分離する前記流動層での比重分離法に使用される乾式分離装置であって、
    分離槽と、
    前記分離槽内に前記流動層を形成するために前記粉体を供給する粉体供給手段と、
    前記粉体の供給される位置より離れるにつれて低くなるように配置され、前記分離槽の底面をなす通気性板と、
    前記通気性板の下方から前記通気性板を通して前記分離槽内へ気体を供給する粉体流動化気体供給手段と、
    前記分離槽内に前記被分離対象物が滞留するのを抑制する被分離対象物滞留抑制手段と、を備え
    前記被分離対象物滞留抑制手段は、
    複数の孔を有し、前記通気性板よりも傾斜して前記分離槽内に設けられる第1多孔板と、
    複数の孔を有し、下端が前記第1多孔板に接続された状態で前記分離槽の側面よりも内側に設けられる第2多孔板とからなり、
    前記それぞれの多孔板の有する孔の径は、前記粉体の径よりも大であることを特徴とする、乾式分離装置。
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