JP6716422B2 - バーナ装置、バーナ装置の冷却管破損検出方法、およびバーナ装置の冷却媒体制御方法 - Google Patents
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Description
燃焼炉の炉壁から炉内に突出される突出部を有するバーナ本体と、
前記突出部の外周面を取り囲むように設けられた、前記バーナ本体を冷却するための冷却媒体が流通する冷却管と、
前記冷却管の内部の光を検出するための光検出手段と、を備える。
前記光検出手段は、
前記冷却管の内部に設置される、光を伝送するための光伝送部材と、
前記光伝送部材によって伝送された前記冷却管内からの光を検出する光検出器と、を有する。
上記(2)の構成によれば、冷却管の内部の光は光伝送部材によって光検出器に伝送されると共に、光検出器によって冷却管の内部の光が検出されることにより、燃焼炉の運転時における冷却管の破損(穴)の監視、検出がなされる。これによって、炉内の高温環境に光検出器を設置することなく、光検出手段によって冷却管の内部の光を適切に検出することができ、燃焼炉の運転時において冷却管の破損(穴)を適切に検出することができる。
前記光伝送部材は光ファイバである。
上記(3)の構成によれば、燃焼炉の高温環境に耐えることが可能な光ファイバを炉内に設置することによって、冷却管内の光を光検出器に適切に伝送することができる。
前記光ファイバは、複数の光ファイバからなり、
前複数の光ファイバの各々の先端は、前記冷却管における相互に異なる位置にそれぞれ配置されている。
上記(4)の構成によれば、冷却管における相互に異なる複数の位置での破損(穴)の発生の有無を、複数の光ファイバの各々によってそれぞれ監視することができ、冷却管の破損(穴)の発生により生じる光の変化をより感度良く検出することができる。
前記冷却管は、
前記炉内突出部の外周面の先端部を含む先端側領域を取り囲むように設けられた、前記バーナ本体を冷却するための冷却媒体が流通する先端側冷却管と、
前記炉内突出部の外周面の基端部と前記先端側領域との間の基端側領域を取り囲むように設けられた、前記冷却媒体が流通する基端側冷却管と、を含み、
前記光伝送部材は、前記先端側冷却管の内部に設置される。
上記(5)の構成によれば、炉内突出部の先端側領域を取り囲む先端側冷却管の内部に光伝送部材(例えば光ファイバ)が設置される。これによって、冷却管の破損を、より破損の可能性が高い箇所に絞って監視することができるので、燃焼炉の運転時における冷却管の破損を効率的に早期に検出することができる。なお、先端側冷却管および基端側冷却管は相互に接続された冷却管であっても良いし、互いに独立した冷却管であっても良い。
前記バーナ装置は、さらに、
前記先端側冷却管に前記冷却媒体を供給するための第1冷却媒体供給管と、
前記基端側冷却管に前記冷却媒体を供給するための第2冷却媒体供給管と、を備える。
上記(6)の構成によれば、バーナ本体の炉内突出部には、その先端側領域を冷却するための冷却系統(先端側冷却管および第1冷却媒体供給管)、および、基端側領域を冷却するための冷却系統(基端側冷却管および第2冷却媒体供給管)の2つの冷却系統が設けられている。これによって、先端側冷却管のみ交換等をすることができるので、メンテナンス作業を効率的に行うことができ、バーナ装置のメンテナンスによる燃焼炉の稼働率の低下をさらに抑制することができる。
上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のバーナ装置の冷却管の破損を検出するバーナ装置の冷却管破損検出方法であって、
前記冷却管に前記冷却媒体を供給するバーナ本体冷却ステップと、
前記光検出手段により、前記冷却管の内部の光を監視する冷却管内部光監視ステップと、
前記冷却管内部光監視ステップによる監視結果に基づいて、前記冷却管に破損が生じたか否かを判定する破損判定ステップと、を備える。
上記(6)に記載のバーナ装置の冷却管に対する冷却媒体の供給を制御するバーナ装置の冷却媒体制御方法であって、
前記第1冷却媒体供給管から前記先端側冷却管に前記冷却媒体を供給する先端側領域冷却ステップと、
前記第2冷却媒体供給管から前記基端側冷却管に前記冷却媒体を供給する基端側領域冷却ステップと、
前記光検出手段により、前記冷却管の内部の光を監視する冷却管内部光監視ステップと、
前記光監視ステップによる監視結果に基づいて、前記先端側冷却管に破損が生じたか否かを判定する破損判定ステップと、
前記破損判定ステップによって前記先端側冷却管に破損が生じたと判定した場合に、前記先端側冷却管への前記冷却媒体の供給のみを停止する先端側領域冷却停止ステップと、を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図2Aは、図1の燃焼炉における1本の冷却管を備えたバーナ装置1の設置位置を拡大した概略図であり、バーナ装置1は窪み部73から突出している。図2Bは、図2Aのaa断面を示す図である。図3Aは、図1の燃焼炉7における複数本の冷却管3を備えるバーナ装置1の設置位置を拡大した概略図であり、バーナ装置は窪み部73から突出している。図3Bは、図3Aのaa断面を示す図である。図4は、本発明の一実施形態に係るバーナ装置1の設置位置を拡大した概略図であり、バーナ装置1は窪み部73ではない炉壁71から突出している。図5Aは、本発明の一実施形態に係るバーナ装置1の設置位置を拡大した概略図であり、冷却管3は円筒状の流路を形成している。図5Bは、図5Aを矢印Aの方向から見た図である。図5Cは、図5Aのaa断面を示す図である。また、図5Dは、図5Aのbb断面を示す図である。
以下、バーナ装置1が備える上記の各々を説明する。なお、以下の説明では、上述した微粉炭バーナ12を例としてバーナ装置1を説明するが、他の幾つかの実施形態では、バーナ装置1は、冷却管3を備えるものであれば、燃焼炉7に用いられる微粉炭バーナ12やチャーバーナ14、ガス化バーナ16などのバーナであっても良い。
他の幾つかの実施形態では、図3A〜図5Dに示されるように、冷却管3は、上記の先端側冷却管31と、上記の基端側領域R2を取り囲むように設けられた基端側冷却管32の2つの管からなっている。この場合には、先端側冷却管31および基端側冷却管32は互いに独立した異なる管となっており、互いに独立した冷却系統で冷却媒体Wを流通させるよう構成される。つまり、先端側冷却管31および基端側冷却管32の各々は、冷却媒体Wの入口および出口をそれぞれ有しており、例えば、先端側冷却管31の出口31eと基端側冷却管32の入口32iとが直接連結されていないし、基端側冷却管32の出口32eと先端側冷却管31の入口31iとが直接連結されてもいない。
なお、図2A〜図5Dに示される実施形態では、基端側冷却管32は、炉内突出部22の基端側領域R2のみならず、燃焼炉7の炉壁71の開口部に位置するバーナ本体2の部分も共に取り囲むように構成されている。
幾つかの実施形態では、図2A〜図2Bに示されるように、1本の冷却媒体供給管4が、冷却管3の入口31i(先端側冷却管31の入口31i)に接続されており、冷却媒体供給管4を流れてきた冷却媒体Wが上記の入口31iから冷却管3(先端側冷却管31)に供給される。そして、冷却管3に供給された冷却媒体Wは、先端側冷却管31の部分および基端側冷却管32の部分をこの順で通過した後に、管外への排出口となる出口3e(基端側冷却管32の出口32e)に接続される冷却媒体排出管5を通って、例えば炉外に排出される。
他方、第2冷却媒体供給管42は、基端側冷却管32に冷却媒体Wを供給するための冷却媒体供給管4であり、基端側冷却管32に接続されることにより、その入口32i側から基端側冷却管32に冷却媒体Wを供給するよう構成される。そして、基端側冷却管32に供給された冷却媒体Wは、基端側冷却管32を通過した後に、その出口32eに接続される第2冷却媒体排出管52を通って、例えば炉外に排出される。
また、冷却管3からの冷却媒体Wの漏出量が過大になると燃焼炉7の運転を停止せざるを得なくなるが、冷却管3に破損(穴)が生じたことを早期に検出することによって、この検出から燃焼炉7の運転停止に至るまでの猶予期間を作ることが可能となる。このため、この猶予期間において、交換品の準備や、点検すべき部位の特定といったメンテナンス作業の準備をすることにより、燃焼炉7の停止後にメンテナンス作業の準備および実際のメンテナンス作業をする場合よりも、燃焼炉7の停止時間を短縮することが可能となる。したがって、バーナ本体2が損傷する前に燃焼炉7を停止することによりバーナ本体2の損傷を回避しつつ、バーナ装置1のメンテナンスによる燃焼炉7の稼働率の低下を抑制することができる。
他の幾つかの実施形態では、図4に示されるように、燃焼炉7の炉壁71は上述した窪み部73は形成されておらず、炉内突出部22は、重力の方向に沿って平坦状に形成された炉壁71から突出されていても良い。
幾つかの実施形態では、図2A〜図5Dに示されるように、光検出手段6は、冷却管3の内部に設置される、光を伝送するための光伝送部材61と、光伝送部材61によって伝送された冷却管3内からの光を検出する光検出器64と、を有する。図2A〜図5Dに示される実施形態では、光伝送部材61は光ファイバ62である。光ファイバ62は、冷却管3の内部に光ファイバ62の先端62t(つまり、光伝送部材61の先端62t)が位置するように設置されると共に、その他端は、光検出器64に接続されている。つまり、光ファイバ62は、光ファイバ62の先端62tから内部へ入射した光を光検出器64に伝送(伝搬)するように構成されている。このように、燃焼炉7の高温環境に耐えることが可能な光ファイバ62を炉内に設置することによって、冷却管3内の光を光検出器64に適切に伝送することができる。ただし、本実施形態に限定されず、他の幾つかの実施形態では、光伝送部材61は光ファイバ62ではない、他の光伝送部材61によって構成されても良い。
幾つかの実施形態では、図2A〜図4に示されるように、基端側冷却管32は、炉内突出部22の外周面に巻回されている。換言すれば、管状の基端側冷却管32が、炉内突出部22の基端側領域R2において螺旋状に複数回巻き回されている。一方、先端側冷却管31は、図2A〜図4に示される実施形態では、管状の基端側冷却管32が一周分だけ巻かれることによって先端側領域R1をカバーしている。ただし、本実施形態に限定されず、他の幾つかの実施形態では、先端側冷却管31が複数回巻かれることによって先端側領域R1をカバーしても良い。このようにして、基端側冷却管32をバーナ本体2に設置することができる。
例えば、上述した実施形態では燃焼炉7をガス化炉として説明したが、燃焼炉7は、ガス化溶融炉、産業廃棄物の溶融プラントに設置される溶融炉など、溶融スラグを内部に収容する湿式炉であっても良い。また、上述した実施形態では、バーナ装置1は、石炭燃料をガス化するガス化炉に備えられているものを例に説明したが、バーナ装置1は、バイオマス燃料などの他の燃料をガス化するためのガス化炉(燃焼炉7)が備えるものであっても良い。
12 微粉炭バーナ
14 チャーバーナ
16 ガス化バーナ
2 バーナ本体
22 炉内突出部
22b 基端部
22t 先端部
24 燃料供給路
25 酸化剤供給路
26 燃料供給管部
3 冷却管
3i 冷却管の入口
3e 冷却管の出口
31 先端側冷却管
31i 先端側冷却管の入口
31e 先端側冷却管の出口
32 基端側冷却管
32i 基端側冷却管の入口
32e 基端側冷却管の出口
31s 隔壁
33 内部壁
4 冷却媒体供給管
41 第1冷却媒体供給管
42 第2冷却媒体供給管
46 外周管
47 領域境界隔壁
48 連通路
49 封止壁
5 冷却媒体排出管
51 第1冷却媒体排出管
52 第2冷却媒体排出管
6 光検出手段
61 光伝送部材
62 光ファイバ
62a 第1光ファイバ
62b 第2光ファイバ
62t 先端
64 光検出器
7 燃焼炉
7c コンバスタ部
7r リダクタ部
71 炉壁
72 排出口
73 窪み部
73b 窪み部の底部
75 耐火材
81 微粉炭供給経路
82 酸化剤供給経路
83 チャー供給流路
9 冷却媒体供給装置
91 貯水タンク
92 ポンプ
94 流量制御弁
95 流量制御弁
R1 先端側領域
R2 基端側領域
W 冷却媒体
h 燃料供給路の中心を通る水平線
Claims (9)
- 燃焼炉の炉壁から炉内に突出される炉内突出部を有するバーナ本体と、
前記炉内突出部の外周面を取り囲むように設けられた、前記バーナ本体を冷却するための冷却媒体が流通する冷却管と、
前記冷却管の内部の光を検出するための光検出手段であって、
前記冷却管の内部に設置される、光を伝送するための光伝送部材である光ファイバと、
前記光伝送部材によって伝送された前記冷却管内からの光を検出する光検出器と、を有する光検出手段と、を備え、
前記光ファイバの先端が、前記冷却管における前記炉内突出部の外周面を取り囲むように設けられた部分の内部に設置されることを特徴とするバーナ装置。 - 前記光ファイバは、複数の光ファイバからなり、
前記複数の光ファイバの各々の先端は、前記冷却管における相互に異なる位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバーナ装置。 - 前記冷却管は、
前記炉内突出部の外周面の先端部を含む先端側領域を取り囲むように設けられた、前記バーナ本体を冷却するための冷却媒体が流通する先端側冷却管と、
前記炉内突出部の外周面の基端部と前記先端側領域との間の基端側領域を取り囲むように設けられた、前記冷却媒体が流通する基端側冷却管と、を含み、
前記光伝送部材は、前記先端側冷却管の内部に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載のバーナ装置。 - 前記バーナ装置は、さらに、
前記先端側冷却管に前記冷却媒体を供給するための第1冷却媒体供給管と、
前記基端側冷却管に前記冷却媒体を供給するための第2冷却媒体供給管と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のバーナ装置。 - 前記光ファイバは、前記光ファイバのコアが露出するように、前記コアを覆うクラッドを部分的に取り除いた部分を複数有することを特徴とする請求項1に記載のバーナ装置。
- 前記冷却管は、前記炉内突出部において螺旋状に複数回巻き回されていることを特徴とする請求項2または5に記載のバーナ装置。
- 前記燃焼炉は燃料をガス化するガス化炉であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバーナ装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバーナ装置の冷却管の破損を検出するバーナ装置の冷却管破損検出方法であって、
前記冷却管に前記冷却媒体を供給するバーナ本体冷却ステップと、
前記光検出手段により、前記冷却管の内部の光を監視する冷却管内部光監視ステップと、
前記冷却管内部光監視ステップによる監視結果に基づいて、前記冷却管に破損が生じたか否かを判定する破損判定ステップと、を備えることを特徴とするバーナ装置の冷却管破損検出方法。 - 請求項8に記載のバーナ装置の冷却管に対する冷却媒体の供給を制御するバーナ装置の冷却媒体制御方法であって、
第1冷却媒体供給管から先端側冷却管に前記冷却媒体を供給する先端側領域冷却ステップと、
第2冷却媒体供給管から基端側冷却管に前記冷却媒体を供給する基端側領域冷却ステップと、
前記光検出手段により、前記冷却管の内部の光を監視する冷却管内部光監視ステップと、
前記光監視ステップによる監視結果に基づいて、前記先端側冷却管に破損が生じたか否かを判定する破損判定ステップと、
前記破損判定ステップによって前記先端側冷却管に破損が生じたと判定した場合に、前記先端側冷却管への前記冷却媒体の供給のみを停止する先端側領域冷却停止ステップと、を備えることを特徴とするバーナ装置の冷却媒体制御方法。
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