JP6716382B2 - ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材 - Google Patents

ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材 Download PDF

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Description

本発明は、液体中のヨウ素酸及び/又はアンチモンを吸着する吸着材、該吸着材の製造方法、該吸着材を具備する装置、該吸着材の分散体に関する。
原子力設備において、原子炉格納容器や圧力容器から排出される廃水には、放射性ヨウ素酸や放射性アンチモンなどの放射性物質が含有されている。そのため、これらの廃水をそのまま原子力設備外に排出することはできず、廃水中の放射性物質を規制値以下に低下させる必要がある。特に、福島原発においては事故の影響で多量の放射性物質を含む廃水が排出され続けている。放射性物質は、それぞれの放射性元素に適した吸着材をタンクに充填して廃水を通液することで吸着除去している。
以下の特許文献1には、ゼオライト、アルミナ、シリカ、チタニアなどの無機酸化物を担体として、Pdをイオン交換法、浸漬法等で含有させたヨウ素酸捕捉材を水槽内に充填配置してヨウ素酸イオンを含む廃水からヨウ素酸を除去する方法が開示されている。
特開2013−104727号公報 国際公開第2011/062277号明細書 国際公開第2005/056175号明細書
しかしながら、特許文献1に開示されるヨウ素酸捕捉材では、イオン吸着体の担持量が少ないため、吸着処理に供する際、吸着処理液量が少ない段階からヨウ素酸が吸着されずに吸着処理液中に漏れ出す現象いわゆる破過現象が認めら、また、担体として無機酸化物を使用するため細孔径が小さく、ヨウ素酸が捕捉材の内部にまで到達しにくい。高い通液速度での吸着処理に供する場合、すなわち液体とヨウ素酸捕捉材との接触時間が短い吸着処理に供する場合には、ヨウ素酸捕捉材の表面近傍しか吸着処理に寄与しないため、吸着処理液量が少ない段階から破過現象が認められ、ヨウ素酸捕捉材の交換頻度が高くなることで廃棄物となる捕捉材の量が多くなるという問題点もある。
本発明が解決しようとする課題は、ヨウ素酸及び/又はアンチモンを含有する液体から、高速で通液しても長期間破過することなくヨウ素酸及び/又はアンチモンを吸着除去することができるヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、無機イオン吸着体と有機高分子樹脂を含有する多孔性粒状成形体の形態にある吸着材であって、該多孔性粒状成形体の、ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径が0.08〜0.70μmであるものを、液体処理用のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材として用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]無機イオン吸着体と有機高分子樹脂を含有する多孔性粒状成形体の形態にあるヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材であって、該多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径が0.08〜0.70μmであり、かつ、該多孔性粒状成形体の外表面開口率が5%以上30%未満であることを特徴とする、前記ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
]前記多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径とメディアン径の比(最頻細孔径/メディアン径)が0.80〜1.30である、前記[1]に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
]前記多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した比表面積が10〜100m2/cm3である、前記[1]又は[2]に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
]前記多孔性粒状成形体は、平均粒径が100〜2500μmの球状粒子の形態にある、前記[1]〜[]のいずれかに記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
]前記無機イオン吸着体が、下記式(I):
MNxn・mH2O・・・・・・(I)
{式中、xは0〜3の数であり、nは1〜4の数であり、mは0〜6の数であり、M及びNは、互いに独立に、Ti、Zr、Sn、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Si、Cr、Co、Ga、Fe、Mn、Ni、V、Ge、Nb及びTaからなる群から選ばれる金属元素である。}で表される少なくとも一種の金属酸化物を含有する、前記[1]〜[]のいずれかに記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
]前記金属酸化物が、下記(a)〜(c):
(a)水和酸化チタン、水和酸化ジルコニウム、水和酸化スズ、水和酸化セリウム、水和酸化ランタン及び水和酸化イットリウム、
(b)チタン、ジルコニウム、スズ、セリウム、ランタン及びイットリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素と、アルミニウム、珪素及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素との複合金属酸化物、
(c)活性アルミナ、
のいずれかの群から選ばれる、前記[]に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
]前記有機高分子樹脂が、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、前記[1]〜[]のいずれかに記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
]以下の工程:
(1)有機高分子樹脂の良溶媒と無機イオン吸着体を粉砕・混合してスラリーを得る工程、
(2)工程(1)で得られたスラリーに有機高分子樹脂及び水溶性高分子を溶解して混合スラリーを得る工程、
(3)工程(2)で得られた混合スラリーを成形して成形品を得る工程、
(4)工程(3)で得られた成形品を、該成形品が接触する空間部の温度と相対湿度を、それぞれ、30〜90℃と65〜100%に制御して凝固を促進させる工程、及び
(5)工程(4)において凝固を促進させた成形品を、前記有機高分子樹脂の貧溶媒中で凝固させて多孔性成形体を得る工程、
を含む、前記[1]〜[]のいずれかに記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材の製造方法。
]前記[1]〜[]のいずれかに記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材が充填された、処理水導入口と導出口を有するカラムと、該導出口より得られた処理水中のヨウ素酸及び/又はアンチモンを検出する検出器とを具備する、ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着装置。
10]前記[1]〜[]のいずれかに記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材が、水に分散している、ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材の分散体。
本発明に係るヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材を使用すれば、ヨウ素酸及び/又はアンチモンを含有する液体を高速で通液しても長期間破過することなくヨウ素酸及び/又はアンチモンを吸着除去することができる。
実施例1で得られた多孔性粒状成形体の外表面を示す電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)である。 実施例1で得られた多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した細孔直径に対する対数微分細孔容積と積算細孔容積をプロットした細孔分布図である。 実施例1並びに比較例1、2及び3で得られた多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した細孔直径に対する対数微分細孔容積をプロットした細孔分布図である。 本実施形態における多孔性粒状成形体の製造装置の概略図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について以下詳細に説明する。尚、本発明は実施形態に限定されるものでなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(液体処理用ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材)
本実施形態の液体処理用ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材は、無機イオン吸着体と有機高分子樹脂を含有する多孔性粒状成形体の形態にあるヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材であって、該多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径が0.08〜0.70μmであることを特徴とする、前記ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材である。該多孔性粒状成形体は、連通孔を有し多孔質な構造を有する。
本実施形態のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材は、ヨウ素酸及び/又はアンチモンを含有する液体を高速で通液しても長期間破過することなくヨウ素酸及び/又はアンチモンを吸着除去することができる。
本実施形態における多孔性粒状成形体は、水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径が0.08〜0.70μmであり、0.10〜0.60μmであることが好ましく、0.20〜0.50μmであることがより好ましい。
図3に示すように、本実施形態において、最頻細孔径(モード径)とは、水銀ポロシメーターで測定した細孔直径に対して対数微分細孔容積(dV/d(logD)、ここでVは水銀圧入容積、Dは細孔直径を示す。)をプロットした図上において、対数微分細孔容積の値が最大となる細孔直径を意味し、体積基準である。
水銀ポロシメーターは、水銀圧入法によって多孔性材料の細孔の大きさを評価する装置であり、ガス吸着法(BET法)では測定ができないような比較的大きな細孔分布(メソポア(数nm)〜マクロポア(数百μm))の測定に適している。
本実施形態おいては、水銀ポロシメーターで最頻細孔径を測定することにより、多孔性粒状成形体の多孔構造(骨格構造)を詳細に特徴付け、また、水銀ポロシメーターでメディアン径及び比表面積を測定することにより、多孔性粒状成形体の多孔構造(骨格構造)を詳細に特徴付けることができる。
最頻細孔径が0.08μm以上であれば、ヨウ素酸やアンチモン等の吸着対象物質が多孔性成形体内部へ拡散するための連通孔の孔径として十分であり、拡散速度が速くなる。他方、最頻細孔径が0.70μm以下であれば、多孔性粒状成形体の空隙が小さくなり、単位体積中に占める無機イオン吸着体の存在量が密になるため、高速通水処理時に多くのイオンを吸着することができる。
多孔性粒状成形体の外表面開口率は、5%以上30%未満であることが好ましく、7%以上28%以下であることがより好ましく、10%以上25%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、外表面開口率とは、走査型電子顕微鏡で多孔性粒状成形体の外表面を観察した視野の面積中に占める全ての孔の開口面積の和の割合を意味する。
外表面開口率が5%以上であれば、ヨウ素酸やアンチモン等の吸着対象物質の多孔性成形体内部への拡散速度が速くなり、他方、外表面開口率が30%未満であれば、多孔性粒状成形体の外表面の無機イオン吸着体の存在量が多いため、高速で通液処理しても水中のイオンを確実に吸着することができる。
本実施形態においては、10,000倍で多孔性粒状成形体の外表面を観察して外表面開口率を実測する。具体的には、実施例に記載の方法により、外表面開口率を測定することができる。
本実施形態における多孔性粒状成形体は、水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径とメディアン径の比(最頻細孔径/メディアン径)が0.80〜1.30であることが好ましく、0.85〜1.25であることがより好ましく、0.90〜1.20であることがさらに好ましい。
本実施形態において、メディアン径とは、積算細孔容積分布における積算細孔容積の最大値と最小値の範囲の中央値に対する細孔直径を意味し、体積基準である。
最頻細孔径/メディアン径の比が1.0に近いと多孔性粒状成形体の細孔径分布が均一であり、高速通水処理に適している。
多孔性粒状成形体の外表面付近に孔径が小さいち密層(スキン層)が存在する場合、スキン層の内側(成形体の内部方向)には大きな空隙(最大孔径層)が形成しやすい。最頻細孔径/メディアン径の比が0.80〜1.30であることは、多孔性粒状成形体にスキン層が存在していないことを意味する。
本実施形態における多孔性粒状成形体は、水銀ポロシメーターで測定した比表面積が10〜100m/cmであることが好ましく、11〜90m/cmであることがより好ましく、12〜50m/cmであることがさらに好ましい。
比表面積が10m/cm以上であれば、無機イオン吸着体の担持量が多くかつ細孔表面積が大きいため、高速通水時の十分な吸着性能が得られ、他方、比表面積が100m/cm以下であれば、無機イオン吸着体が強固に担持されるため多孔性粒状成形体の強度が高い。
本実施形態において、比表面積は、次式で定義される。
比表面積(m/cm)=S(Hg)(m/g)×かさ比重(g/cm
ここで、S(Hg)は、多孔性粒状成形体の単位重量あたりの細孔表面積(m/g)を意味する。細孔表面積の測定方法は、多孔性粒状成形体を室温で真空乾燥した後、水銀ポロシメーターを用いて測定する。具体的には、実施例に記載の方法により、細孔表面積を測定することができる。
かさ比重の測定方法は、以下のとおりである。
多孔性粒状成形体が、球状、円柱状、中空円柱状等であり、その形状が短いものは、湿潤状態の多孔性粒状成形体を、メスシリンダー等を用いて、1mLを1cmとしてみかけの体積を測定する。その後、室温で真空乾燥して重量を求め、重量/体積として、かさ比重を算出する。
多孔性成形体が、糸状、中空糸状、シート状等であり、その形状が長いものは、湿潤時の断面積と長さを測定して、両者の積から体積を算出する。その後、室温で真空乾燥して重量を求め、重量/体積として、かさ比重を算出する。
本実施形態における多孔性粒状成形体は、実質的に球状であり、平均粒径が100〜2500μmであることが好ましく、平均粒径は150〜2000μmであることがより好ましく、200〜1500μmであることがさらに好ましい。
本実施形態における多孔性粒状成形体は、球状粒子であることが好ましく、球状粒子として、真球状のみならず、楕円球状であってもよい。
平均粒径が100μm以上であれば、多孔性粒状成形体をカラムやタンク等へ充填した際に圧カ損失が小さいため高速通水処理に適しており、他方、平均粒径が2500μm以下であれば、多孔性成形体をカラムやタンクに充填したときの表面積を大きくすることができ、高速で通液処理してもイオンを確実に吸着することができる。
本実施形態において、平均粒径は、多孔性粒状成形体を球状とみなして、レーザー光による回折の散乱光強度の角度分布から求めた球相当径のメディアン径を意味する。
(有機高分子樹脂)
本実施形態における多孔性粒状成形体を構成する有機高分子樹脂は、特に限定されないが、湿式相分離による多孔化手法が可能な樹脂であることが好ましい。
有機高分子樹脂としては、例えば、ポリスルホン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、アクリロニトリル系ポリマー、ポリメタクリル酸メチル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、セルロース系ポリマー、エチレンビニルアルコール共重合体系ポリマー及び多種類等が挙げられる。
中でも、水中での非膨潤性と耐生分解性、さらに製造の容易さから、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。
ポリエーテルスルホンは、末端に水酸基を有しているものが好ましい。末端基として水酸基を有していることによって、本実施形態の多孔性粒状成形体において、優れた無機イオン吸着体の担持性能が発揮できる。加えて、疎水性が高い有機高分子樹脂が、末端に水酸基を有しているため親水性が向上し、多孔性粒状成形体にファウリングが発生しにくい。
(無機イオン吸着体)
本実施形態における多孔性粒状成形体に含有される無機イオン吸着体とは、イオン吸着現象又はイオン交換現象を示す無機物質を意味する。
天然物系の無機イオン吸着体としては、例えば、ゼオライト及びモンモリロナイト等の各種の鉱物性物質等が挙げられる。
各種の鉱物性物質の具体例としては、アルミノケイ酸塩で単一層格子をもつカオリン鉱物、2層格子構造の白雲母、海緑石、鹿沼土、パイロフィライト、タルク、3次元骨組み構造の長石、ゼオライト及びモンモリロナイト等が挙げられる。
合成物系の無機イオン吸着体としては、例えば、金属酸化物、多価金属の塩及び不溶性の含水酸化物等が挙げられる。金属酸化物としては、複合金属酸化物、複合金属水酸化物及び金属の含水酸化物等が挙げられる。
無機イオン吸着体は、吸着対象物、中でも、リンの吸着性能の観点から、下記式(I):
MN・mHO ・・・(I)
で表される金属酸化物であることが好ましい。
上記式(I)中、は0〜3の数であり、は1〜4の数であり、mは0〜6の数であり、M及びNは、互いに独立して、Ti、Zr、Sn、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Si、Cr、Co、Ga、Fe、Mn、Ni、V、Ge、Nb及びTaからなる群から選ばれる金属元素であることができる。
金属酸化物は、上記式(I)中のmが0である未含水(未水和)の金属酸化物であっても、mが0以外の数値である金属の含水酸化物(水和金属酸化物)であってもよい。
上記式(I)中のが0以外の整数である場合の金属酸化物は、含有される各金属元素が規則性を持って酸化物全体に均一に分布し、金属酸化物に含有される各金属元素の組成比が一定に定まった化学式で表される複合金属酸化物である。
具体的には、ペロブスカイト構造、スピネル構造等を形成するもの、ニッケルフェライト(NiFe)、ジルコニウムの含水亜鉄酸塩(Zr・Fe・mHO、ここで、mは0.5〜6である。)等が挙げられる。
無機イオン吸着体は、上記式(I)で表される金属酸化物を複数種含有していてもよい。
無機イオン吸着体は、ヨウ素酸、アンチモン、リン、ホウ素、フッ素及び/又はヒ素の吸着性能に優れているという観点から、下記(a)〜(c)のいずれかの群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
(a)水和酸化チタン、水和酸化ジルコニウム、水和酸化スズ、水和酸化セリウム、水和酸化ランタン及び水和酸化イットリウム、
(b)チタン、ジルコニウム、スズ、セリウム、ランタン及びイットリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素と、アルミニウム、珪素及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素との複合金属酸化物、
(c)活性アルミナ。
(a)〜(c)群のいずれかの群から選択される材料であってもよく、(a)〜(c)群のいずれかの群から選択される材料を組み合わせて用いてもよく、(a)〜(c)群のそれぞれにおける材料を組み合わせて用いてもよい。組み合わせて用いる場合には、(a)〜(c)群のいずれかの群から選ばれる2種以上の材料の混合物であってもよく、(a)〜(c)群の2つ以上の群から選ばれる2種以上の材料の混合物であってもよい。
無機イオン吸着体は、安価で吸着性が高いという観点から、硫酸アルミニウム添着活性アルミナを含有してもよい。
無機イオン吸着体としては、上記式(I)で表される金属酸化物に加え、上記M及びN以外の金属元素がさらに固溶したものが、無機イオンの吸着性や製造コストの観点から、より好ましい。
例えば、ZrO・mHO(mが0以外の数値である。)で表される水和酸化ジルコニウムに、鉄が固溶したものが挙げられる。
多価金属の塩としては、例えば、下記式(II):
2+ (1−p)3+ (OH(2+p−q)(An−q/r ・・・(II)
で表されるハイドロタルサイト系化合物が挙げられる。
上記式(II)中、M2+は、Mg2+、Ni2+、Zn2+、Fe2+、Ca2+及びCu2+からなる群から選ばれる少なくとも一種の二価の金属イオンである。
3+は、Al3+及びFe3+からなる群から選ばれる少なくとも一種の三価の金属イオンである。
n−は、n価のアニオンである。
0.1≦p≦0.5であり、0.1≦q≦0.5であり、rは1又は2である。
上記式(II)で表されるハイドロタルサイト系化合物は、無機イオン吸着体として原料が安価であり、吸着性が高いことから好ましい。
不溶性の含水酸化物としては、例えば、不溶性のヘテロポリ酸塩及び不溶性ヘキサシアノ鉄酸塩等が挙げられる。
本実施形態における多孔性粒状成形体に含有される無機イオン吸着体は、その製造方法等に起因して混入する不純物元素を、本実施形態の多孔性粒状成形体の機能を阻害しない範囲で含有していてもよい。混入する可能性がある不純物元素としては、例えば、窒素(硝酸態、亜硝酸態、アンモニウム態)、ナトリウム、マグネシウム、イオウ、塩素、カリウム、カルシウム、銅、亜鉛、臭素、バリウム及びハフニウム等が挙げられる。
本実施形態の液体処理用ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材は、水銀ポロシメーターで測定した前記多孔性粒状成形体の最頻細孔径が0.08〜0.70μmであることにより、外表面の無機イオン吸着体の存在量が多い多孔性粒状成形体となるため、高速で通液処理してもヨウ素酸及び/又はアンチモンを確実に吸着でき、またヨウ素酸及び/又はアンチモンの多孔性成形体内部への浸透拡散吸着性にも優れるものとなる。
本実施形態のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材を適当なカラム等に充填した物を、他のイオン種を吸着処理する吸着材を充填したカラムや除去システムの前後に直列又は並列に繋いで使用することができる。本実施形態のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材は、カラム等に充填してヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着用カラムとして用いることができ、空間速度が速い状態でもヨウ素酸及び/又はアンチモンの選択性と吸着性能に優れる。
〔多孔性成形体の製造方法〕
本実施形態における多孔性粒状成形体の製造方法は、(1)有機高分子樹脂の良溶媒と無機イオン吸着体を粉砕・混合してスラリーを得る工程、(2)工程(1)で得られたスラリーに有機高分子樹脂及び水溶性高分子を溶解する工程、(3)工程(2)で得られたスラリーを成形する工程、(4)工程(3)で得られた成形品を、該成形品が接触する空間部の温度と湿度を制御して凝固を促進させる工程、及び(5)工程(4)で得られた凝固が促進された成形品を、前記有機高分子樹脂の貧溶媒中で凝固させる工程を含む。
(工程(1):粉砕・混合工程)
工程(1)において、有機高分子樹脂の良溶媒と無機イオン吸着体を、粉砕・混合してスラリーを得る。
無機イオン吸着体を有機高分子樹脂の良溶媒中で湿式粉砕することにより、無機イオン吸着体を微粒子化できる。その結果、成形後の多孔性粒状成形体に担持される無機イオン吸着体は、二次凝集物が少ないものとなる。
<有機高分子樹脂の良溶媒>
工程(1)における有機高分子樹脂の良溶媒としては、多孔性粒状成形体の製造条件において有機高分子樹脂を安定に1質量%を超えて溶解するものであれば、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
良溶媒としては、例えば、N−メチル−2ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。
良溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<粉砕・混合手段>
工程(1)において、スラリーを得るために用いられる粉砕・混合手段は、無機イオン吸着体及び有機高分子樹脂の良溶媒を合わせて粉砕・混合できるものであれば、特に限定されるものではない。
粉砕・混合手段として、例えば、加圧型破壊、機械的磨砕、超音波処理等の物理的破砕方法に用いられる手段を用いることができる。
粉砕・混合手段の具体例としては、ジェネレーターシャフト型ホモジナイザー、ワーリングブレンダー等のブレンダー、サンドミル、ボールミル、アトライタ及びビーズミル等の媒体撹拌型ミル、ジェットミル、乳鉢と乳棒、らいかい器、超音波処理器等が挙げられる。
中でも、粉砕効率が高く、粘度の高いものまで粉砕できることから、媒体撹拌型ミルが好ましい。
媒体撹拌型ミルに使用するボール径は、特に限定されるものではないが、0.1〜10mmであることが好ましい。ボール径が0.1mm以上であれば、ボール質量が充分あるので粉砕力があり粉砕効率が高く、他方、ボール径が10mm以下であれば、微粉砕する能力に優れる。
媒体攪拌型ミルに使用するボールの材質は、特に限定されるものではないが、鉄やステンレス等の金属、アルミナやジルコニア等の酸化物類、窒化ケイ素や炭化ケイ素等の非酸化物類の各種セラミック等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れ、製品へのコンタミネーション(摩耗物の混入)が少ない点で、ジルコニアが優れている。
<分散剤>
工程(1)においては、多孔性粒状成形体の構造に影響しない範囲で、粉砕・混合する際、無機イオン吸着体を混合した有機高分子樹脂の良溶媒中に界面活性剤等の公知の分散剤を添加してもよい。
(工程(2):溶解工程)
工程(2)においては、工程(1)により得られたスラリーに、有機高分子樹脂及び水溶性高分子を溶解させて、成形用(混合)スラリーを得る。
有機高分子樹脂の添加量は、有機高分子樹脂/(有機高分子樹脂+水溶性高分子+有機高分子樹脂の良溶媒)の割合が、3〜40質量%となるようにすることが好ましく、4〜30質量%であることがより好ましい。有機高分子樹脂の含有率が3質量%以上であれば、強度の高い多孔性粒状成形体が得られ、他方、40質量%以下であれば、空孔率の高い多孔性粒状成形体が得られる。
<水溶性高分子>
工程(2)における水溶性高分子は、有機高分子樹脂の良溶媒と有機高分子樹脂とに対して相溶性のあるものであれば、特に限定されるものではない。
水溶性高分子としては、天然高分子、半合成高分子及び合成高分子のいずれも使用できる。
天然高分子としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラーギナン、アラビアゴム、トラガント、ペクチン、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン及びコラーゲン等が挙げられる。
半合成高分子としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルデンプン及びメチルデンプン等が挙げられる。
合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム並びにテトラエチレングリコール及びトリエチレングリコール等のポリエチレングリコール類等が挙げられる。
中でも、無機イオン吸着体の担持性を高める点から、合成高分子が好ましく、多孔性が向上する点から、ポリビニルピロリドン及びポリエチレングリコール類がより好ましい。
ポリビニルピロリドンとポリエチレングリコール類の質量平均分子量は、400〜35,000,000であることが好ましく、1,000〜1,000,000であることがより好ましく、2,000〜100,000であることがさらに好ましい。
質量平均分子量が2,000以上であれば、表面開口性の高い多孔性粒状成形体が得られ、他方、1,000,000以下であれば、成形する時のスラリーの粘度が低いので成形が容易になる傾向がある。
水溶性高分子の質量平均分子量は、水溶性高分子を所定の溶媒に溶解し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により測定できる。
水溶性高分子の添加量は、水溶性高分子/(水溶性高分子+有機高分子樹脂+有機高分子樹脂の良溶媒)の割合が、0.1〜40質量%となるようにすることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。
水溶性高分子の添加量が0.1質量%以上であれば、多孔性粒状成形体の外表面及び内部に三次元的に連続した網目構造を形成する繊維状の構造体を含む多孔性粒状成形体が均一に得られ、他方、水溶性高分子の添加量が40質量%以下であれば、外表面開口率が適当であり、多孔性粒状成形体の外表面の無機イオン吸着体の存在量が多いため、高速で通液処理してもイオンを確実に吸着できる吸着材が得られる。
(工程(3):成形工程)
工程(3)においては、工程(2)により得られたスラリー(成形用(混合)スラリー)を成形する。成形用スラリーは、有機高分子樹脂と、有機高分子樹脂の良溶媒と、無機イオン吸着体と、水溶性高分子の混合スラリーである。
本実施形態の多孔性粒状成形体の形態は、成形用スラリーを成形する方法によって、球状、糸状、シート状、中空糸状、円柱状、中空円柱状等の任意の形態を採ることができる。
粒子状の形態に成形する方法としては、特に限定されないが、例えば、回転する容器の側面に設けたノズルから、容器中に収納されている成形用スラリーを飛散させて、液滴を形成させる回転ノズル法等が挙げられる。回転ノズル法により、粒度分布が揃った粒子状の形態に成形することができる。
具体的には、1流体ノズルや2流体ノズルから、成形用スラリーを噴霧して凝固浴中で凝固する方法が挙げられる。
ノズルの径は、0.1〜10mmであることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましい。ノズルの径が0.1mm以上であれば、液滴が飛散しやすく、他方、10mm以下であれば、粒度分布を均一にすることができる。
遠心力は、遠心加速度で表され、5〜1500Gであることが好ましく、10〜1000Gであることがより好ましく、10〜800Gであることがさらに好ましい。
遠心加速度が5G以上であれば、液滴の形成と飛散が容易であり、他方、1500G以下であえば、成形用スラリーが糸状にならずに吐出し、粒度分布が広くなるのを抑えることができる。粒度分布が狭いことにより、カラムに多孔性粒状成形体を充填した時に水の流路が均一になるため、超高速通水処理に用いても通水初期からイオン(吸着対象物)が漏れ出す(破過する)ことが無いという利点を有している。
糸状又はシート状の形態に成形する方法としては、該当する形状の紡口、ダイスから成形用スラリーを押し出し、貧溶媒中で凝固させる方法が挙げられる。
中空糸状の多孔性粒状成形体を成形する方法としては、環状オリフィスからなる紡口を用いることで、糸状やシート状の多孔性粒状成形体を成形する方法と同様にして成形できる。
円柱状又は中空円柱状の多孔性粒状成形体を成形する方法としては、紡口から成形用スラリーを押し出す際、切断しながら貧溶媒中で凝固させてもよいし、糸状に凝固させてから後に切断しても構わない。
(工程(4):凝固促進工程)
工程(4)においては、工程(3)により得られた成形品を貧溶媒中で凝固させるまでの間、成形品が接触する空間部の温度と湿度を制御して凝固を促進させる。
工程(4)により、水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径や外表面開口率を調整することができ、無機イオン吸着体の存在量が高い成形体が得られるため、被処理水中のイオン、中でも、リンイオンを超高速除去でき、かつ吸着容量が大きい多孔性粒状成形体を提供することができる。
図4に示すように、空間部の温度と湿度は、貧溶媒が貯留される凝固槽と回転容器との空間をカバーで覆い、貧溶媒の温度を調整して制御する。
空間部の温度は20〜90℃であることが好ましく、25〜85℃であることがより好ましく、30〜80℃であることがさらに好ましい。
空間部の温度が20℃以上であれば、多孔性成形体の外表面開口率が高くなり、他方、90℃以下であれば、回転容器に開けたノズルがスラリーで詰まり難く、長時間安定して多孔性粒状成形体を製造することができる。
空間部の湿度は、温度に対する相対湿度で65〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましく、75〜100%であることがさらに好ましい。
相対湿度が65%以上であれば、多孔性粒状成形体の外表面開口率が高くなり、他方、100%以下であれば、回転容器に開けたノズルがスラリーで詰まり難く、長時間安定して成形体を製造することができる。
(工程(5):凝固工程)
工程(5)においては、工程(4)で得られた凝固が促進された成形品を貧溶媒中で凝固させて、多孔性粒状成形体を得る。
<貧溶媒>
工程(5)における貧溶媒としては、工程(5)の条件において有機高分子樹脂の溶解度が1質量%以下の溶媒を使用することができ、例えば、水、メタノール及びエタノール等のアルコール類、エーテル類並びにn−ヘキサン及びn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。中でも、貧溶媒としては、水が好ましい。
工程(5)では、先行する工程から良溶媒が持ち込まれ、良溶媒の濃度が、凝固工程開始時と終点で、変化してしまう。そのため、あらかじめ良溶媒を加えた貧溶媒としてもよく、初期の濃度を維持するように水等を別途加えながら濃度を管理して凝固工程を行うことが好ましい。
良溶媒の濃度を調整することで、多孔性粒状成形体の構造(外表面開口率及び粒子形状)を制御することができる。
貧溶媒が水又は有機高分子樹脂の良溶媒と水の混合物の場合、凝固工程において、有機高分子樹脂の良溶媒の含有率は、0〜80質量%であることが好ましく、0〜60質量%であることがより好ましい。
有機高分子樹脂の良溶媒の含有量が80質量%以下であれば、多孔性粒状成形体の形状が良好になる効果が得られる。
凝固液の温度は、工程(4)の空間部の温度と湿度を制御する観点から、40〜100℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましく、60〜100℃であることがさらに好ましい。
(多孔性粒状成形体の製造装置)
図4に例示するように、本実施形態における多孔性粒状成形体の製造装置は、液滴を遠心力で飛散させる回転容器(5)と、凝固液を貯留する凝固槽(4)とを備え、回転容器と凝固槽の間の空間部分を覆う空間部カバー(3)を具備し、空間部の温度と湿度を制御する制御手段を備える。
液滴を遠心力で飛散させる回転容器は、成形用スラリーを球状の液滴にして遠心力で飛散する機能があれば、特定の構造からなるものに限定されず、例えば、周知の回転ディスク及び回転ノズル等が挙げられる。
回転ディスクは、成形用スラリーが回転するディスクの中心に供給され、回転するディスクの表面に沿って成形用スラリーが均一な厚みでフィルム状に展開し、ディスクの周縁から遠心力で滴状に分裂して微小液滴を飛散させるものである。
回転ノズルは、中空円盤型の回転容器の周壁に多数の貫通孔を形成するか、または周壁に貫通させてノズルを取付け、回転容器内に成形用スラリーを供給すると共に回転容器を回転させ、その際に貫通孔又はノズルから遠心力により成形用スラリーを吐出させて液滴を形成するものである。
凝固液を貯留する凝固槽は、凝固液を貯留できる機能があれば、特定の構造からなるものに限定されず、例えば、周知の上面開口の凝固槽や、回転容器を囲むように配置した筒体の内面に沿って凝固液を重力により自然流下させる構造の凝固槽等が挙げられる。
上面開口の凝固槽は、回転容器から水平方向に飛散した液滴を自然落下させ、上面が開口した凝固槽に貯留した凝固液の水面で液滴を捕捉する装置である。
回転容器を囲むように配置した筒体の内面に沿って凝固液を重力により自然流下させる構造の凝固槽は、凝固液を筒体の内面に沿わせて周方向にほぼ均等な流量で流出させ、内面に沿って自然流下する凝固液流中に液滴を捕捉して凝固させる装置である。
多孔性粒状成形体の製造装置は、回転容器と凝固槽の間の空間部を覆う空間部カバーを具備し、空間部の温度と湿度の制御手段は、かかる空間部の温度と湿度を制御する手段である。
空間部を覆う空間部カバーは、空間部を外部の環境から隔離して、空間部の温度及び湿度を現実的に制御し易くする機能があれば、特定の構造からなるものに限定されず、例えば、箱状、筒状及び傘状の形状とすることができる。
カバーの材質は、例えば、金属のステンレス鋼やプラスチック等が挙げられる。外部環境と隔離する点で、公知の断熱材で覆うこともできる。カバーには、一部開口部を設けて、温度及び湿度を調整してもよい。
空間部の温度及び湿度の制御手段は、空間部の温度と湿度を制御する機能があればよく、特定の手段に限定されず、例えば、電気ヒーター及びスチームヒーター等の加熱器並びに超音波式加湿器及び加熱式加湿器等の加湿器が挙げられる。
構造が簡便であるという点で、凝固槽に貯留した凝固液を加温して、凝固液から発生する蒸気を利用して空間部の温度と湿度を制御する手段が好ましい。
(ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着装置)
本実施形態のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着装置は、前記ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材が充填された、処理水導入口と導出口を有するカラムと、該導出口より得られた処理水中のヨウ素酸及び/又はアンチモンを検出する検出器とを具備する。
上記の製造条件で得られたヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材は、処理水を導入する導入口と導出する導出口を有するカラムに充填した状態で使用する。
ここで、カラムの形状は、導入口及び導出口を有する限りにおいて特に制限はなく、円筒状、直方体状等、の形状を取ることが可能である。そして、カラムの材質については、用いる処理水に含まれる溶媒に対して耐久性があれば特に制限はなく、炭素鋼、ステンレス、チタン、ハステロイ、ジルコニウム、鋳鉄等の金属及び金属をガラスライニングしたもの、金属を耐薬品性樹脂ライニングしたもの、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂、不飽和ポリエステルやビニルエステル等の樹脂をガラス繊維等で強化した繊維強化プラスチック等を利用することができる。
そして、本実施形態では、上記カラムと、上記導出口を経て得られた処理水中のヨウ素酸及び/又はアンチモンを検出する検出器とを組み合わせることで、ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着装置を構成することができる。
(ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材の分散体)
前記ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材は、乾燥固体のままでカラムに充填して使用してもよいし、製造過程で乾燥固体とすることなく溶媒中に分散した分散体とした状態でカラムに充填することも可能である。したがって、本実施形態の1つは、前記ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材が、水に分散している、ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材の分散体であることができる。
分散体である方が吸着材の擦れによる粉落ちを防ぎやすくなり、搬送も行いやすくなる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、多孔性粒状成形体の物性は、以下の方法により測定した。
〔走査型電子顕微鏡による多孔性粒状成形体の観察〕
走査型電子顕微鏡(SEM)による多孔性成形体の観察は、多孔性粒状成形体を室温で真空乾燥した後、目立製作所製のSU−70型走査型電子顕微鏡で行った。
多孔性粒状成形体試料をカーボン粘着テープ/アルミナ試料台に保持し、導電処理としてオスミウム(Os)コーティングして外表面SEM観察試料とした。
〔多孔性粒状成形体の最頻細孔径及びメディアン径〕
多孔性粒状成形体を室温で真空乾燥した後、水銀ポロシメーター((株)島津製作所製、島津オートポアIV9500型)で測定した。
〔外表面開口率〕
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した多孔性粒状成形体の外表面の画像を、画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング(株)製、A像くん(商品名))を用いて解析して求めた。さらに詳しく説明すると、得られたSEM像を濃淡画像として認識し、色が濃い部分を開口部、色が薄い部分を多孔構造(骨格構造)となるように、しきい値を手動で調整し、開口部分と骨格部分に分割して、その面積比を求めた。しきい値決定の誤差を少なくするため、10枚の画像で同じ測定を行い、平均値を算出した。
〔多孔性粒状成形体の比表面積、かさ比重〕
多孔性成形体を室温で真空乾燥した後、水銀ポロシメーター((株)島津製作所製、島津オートポアIV9500型)を用い、多孔性粒状成形体の単位質量あたりの細孔表面積S(Hg)(m/g)を求めた。
次に、水で湿潤状態の多孔性粒状成形体を、メスシリンダーを用いて、タッピングを行って、みかけの体積V(cm)を測定した。その後、室温で真空乾燥して、多孔性粒状成形体の乾燥質量W(g)を求めた。
多孔性粒状成形体の比表面積は、次式から求めた。
比表面積(m/cm)=S(Hg)(m/g)×かさ比重(g/cm
かさ比重(g/cm)=W/V
前記式中、S(Hg)は多孔性成形体の単位質量あたりの表面積(m/g)であり、そしてWは多孔性粒状成形体の乾燥質量(g)、Vはそのみかけの体積(cm)である。
〔多孔性粒状成形体の平均粒径及び無機イオン吸着体の平均粒径〕
多孔性粒状成形体の平均粒径及び無機イオン吸着体の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製のLA−950(商品名))で測定した。分散媒体は水を用いた。無機イオン吸着体に水和酸化セリウムを使用したサンプルの測定時は、屈折率に酸化セリウムの値を使用して測定した。同様に、無機イオン吸着体に水和酸化ジルコニウムを使用したサンプルを測定する時は、屈折率に酸化ジルコニウムの値を使用して測定した。
〔実施例1〕
N−メチル−2ピロリドン(NMP、三菱化学(株))220gと、平均粒径30μmの水和酸化セリウム粉末(岩谷産業(株))200gを、直径5mmφのステンレス製ボール1.5kgを充填した容積1Lのステンレス製ボールミルポットに投入し、75rpmの回転数で150分間粉砕・混合処理を行い黄色のスラリーを得た。得られたスラリーに、ポリビニルピロリドン(PVP、BASFジャパン(株)、Luvitec K30 Powder(商品名))4gと、アクリロニトリル91.5質量%、アクリル酸メチル8.0質量%、メタリルスルホン酸ソーダ0.5質量%からなる極限粘度[η]=1.2の共重合体(有機高分子樹脂、PAN)10gを加えて、溶解槽中にて、60℃に加温して撹拌羽根を用いて撹拌・溶解し、均一な成形用スラリー溶液を得た。
得られた成形用スラリー溶液を60℃に加温し、側面に直径4mmのノズルを開けた円筒状回転容器の内部に供給し、この容器を回転させ、遠心力(15G)によりノズルから液滴を形成させた。続いて、回転容器と凝固槽の間の空間部をポリプロピレン製のカバーで覆って空間部の温度を50℃、相対湿度を100%に制御した空間部を飛行させ、水に対するNMPの含有量が50質量%の凝固液を80℃に加温して貯留した、上面開口の凝固槽中に着水させ、成形用スラリーを凝固させた。
さらに、洗浄、分級を行い、平均粒径370μmの球状の多孔性成形体を得た。
図1に、得られた多孔性粒状成形体の表面を示す電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)を示す。
(ヨウ素酸通液吸着試験)
得られた粒状成形体20mLを内径15mmの円筒形のカラム内に充填した。人工海水(大阪薬研(株)、マリンアートSF−1(商品名))を純水で3倍に希釈した3倍希釈人工海水にヨウ素酸ナトリウムを溶解して作製したヨウ素濃度10mg/Lの原水を作製し、この原水をカラムに通液速度(SV Space Velocity)10h−1の下降流で通液した。そしてカラム下部から流出する吸着処理水中のヨウ素濃度をICP発光分析法で測定した。処理水中に1mg/Lのヨウ素が検出された時点の吸着材量に対する通液倍率を、ヨウ素酸10%破過通液倍率とし、以下の表1に示す。
(アンチモン通液吸着試験)
得られた粒状成形体20mLを内径15mmの円筒形のカラム内に充填した。人工海水(大阪薬研(株)、マリンアートSF−1(商品名))を純水で3倍に希釈した3倍希釈人工海水に塩化アンチモン(III)を溶解して作製したアンチモン濃度5mg/Lの原水を作製し、この原水をカラムに通液速度(SV Space Velocity)10h−1の下降流で通液した。そしてカラム下部から流出する吸着処理水中のアンチモン濃度をICP発光分析法で測定した。処理水中に0.5mg/Lのアンチモンが検出された時点の吸着材量に対する通液倍率を、アンチモン10%破過通液倍率とし、以下の表1に示す。
〔実施例2〕
凝固液の温度を60℃とし、空間部の温度を37℃、相対湿度を100%に制御したこと以外は実施例1に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表1に示す。
〔実施例3〕
水和酸化セリウム粉末の仕込み量を200gから300gへ増量したこと以外は実施例1に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表1に示す。
〔実施例4〕
水和酸化セリウム粉末の仕込み量を200gから150gへ減量したこと以外は実施例1に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表1に示す。
〔実施例5〕
円筒状回転容器の側面に備えたノズルの直径を4mmから3mmに細くしたノズルを用いて多孔性成形体を成形すること以外は実施例3に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表1に示す。
〔実施例6〕
円筒状回転容器の側面に備えたノズルの直径を4mmから5mmに太くしたノズルを用いて多孔性成形体を成形すること以外は実施例3に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表1に示す。
〔実施例7〕
有機高分子樹脂の良溶媒をジメチルスルホキシド(DMSO、関東化学(株))160g、有機高分子樹脂をエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH、日本合成化学工業(株)、ソアノールE3803(商品名))20g、水和酸化セリウム粉末の仕込み量を250gとし、さらに凝固液を水、ノズル直径を5mmとしたこと以外は実施例1に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表1に示す。
〔実施例8〕
有機高分子樹脂をポリエーテルスルホン(住友化学(株)、スミカエクセル5003PS(商品名)、OH末端グレード、末端水酸基組成90(モル%))30g、水溶性高分子をポリエチレングリコール(PEG35,000、メルク(株))4g、水和酸化セリウム粉末の仕込み量を100gとし、さらに凝固液を水、ノズル直径を5mmとしたこと以外は実施例1に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表1に示す。
〔実施例9〕
無機イオン吸着体として、水和酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素(株)、R水酸化ジルコニウム(商品名))を70℃の乾燥機中で恒量乾燥したものを使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表2に示す。
〔実施例10〕
無機イオン吸着体として、水和酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素(株)、R水酸化ジルコニウム(商品名))を70℃の乾燥機中で恒量乾燥したものを使用し、さらにノズル直径を4mmにしたこと以外は、実施例7に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表2に示す。
〔実施例11〕
無機イオン吸着体として、水和酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素(株)、R水酸化ジルコニウム(商品名))を70℃の乾燥機中で恒量乾燥したものを使用し、さらにノズル直径を4mmにしたこと以外は、実施例8に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表2に示す。
〔実施例12〕
凝固液の温度を50℃とし、さらに空間部の温度を31℃、相対湿度を80%に制御したこと以外は実施例1に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表2に示す。
〔比較例1〕
回転容器と凝固槽の間の空間部をポリプロピレン製のカバーで覆ないこと以外は実施例2に記載の方法と同様にして、多孔性粒状成形体を得た。この時の空間部の温度は26℃、相対湿度は63%だった。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表2に示す。
〔比較例2〕
特許文献2(国際公開第2011/062277号明細書)の実施例1を参考にして多孔性成形体を得た。
回転容器と凝固槽の間の空間部をポリプロピレン製のカバーで覆わず、さらに凝固液の温度を60℃にしたこと以外は実施例8に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。この時の空間部の温度は26℃、相対湿度は63%だった。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表2に示す。
〔比較例3〕
特許文献3(国際公開第2005/056175号明細書)の実施例2を参考にして多孔性成形体を得た。
回転容器と凝固槽の間の空間部をポリプロピレン製のカバーで覆わず、さらに凝固液の温度を60℃にしたこと以外は実施例7に記載の方法と同様にして、球状の多孔性成形体を得た。この時の空間部の温度は26℃、相対湿度は63%だった。実施例1と同様に、ヨウ素酸通液吸着試験、アンチモン通液吸着試験を実施した。結果を、以下の表2に示す。
本発明に係るヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材を使用すれば、ヨウ素酸及び/又はアンチモンを含有する液体を高速で通液しても長期間破過することなくヨウ素酸及び/又はアンチモンを吸着除去することができるため、ヨウ素酸及び/又はアンチモン処理法等において好適に利用可能である。
1 タンク
2 ポンプ
3 空間部カバー
4 凝固槽
5 回転容器
6 回転軸
7 ホース
8 ヒーター
a 成形用スラリー
b 開口部
c 空間部
d 凝固液

Claims (10)

  1. 無機イオン吸着体と有機高分子樹脂を含有する多孔性粒状成形体の形態にあるヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材であって、該多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径が0.08〜0.70μmであり、かつ、該多孔性粒状成形体の外表面開口率が5%以上30%未満であることを特徴とする、前記ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
  2. 前記多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した最頻細孔径とメディアン径の比(最頻細孔径/メディアン径)が0.80〜1.30である、請求項1に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
  3. 前記多孔性粒状成形体の水銀ポロシメーターで測定した比表面積が10〜100m2/cm3である、請求項1又は2に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
  4. 前記多孔性粒状成形体は、平均粒径が100〜2500μmの球状粒子の形態にある、請求項1〜のいずれか一項に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
  5. 前記無機イオン吸着体が、下記式(I):
    MNxn・mH2O・・・・・・(I)
    {式中、xは0〜3の数であり、nは1〜4の数であり、mは0〜6の数であり、M及びNは、互いに独立に、Ti、Zr、Sn、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Si、Cr、Co、Ga、Fe、Mn、Ni、V、Ge、Nb及びTaからなる群から選ばれる金属元素である。}で表される少なくとも一種の金属酸化物を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
  6. 前記金属酸化物が、下記(a)〜(c):
    (a)水和酸化チタン、水和酸化ジルコニウム、水和酸化スズ、水和酸化セリウム、水和酸化ランタン及び水和酸化イットリウム、
    (b)チタン、ジルコニウム、スズ、セリウム、ランタン及びイットリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素と、アルミニウム、珪素及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素との複合金属酸化物、
    (c)活性アルミナ、
    のいずれかの群から選ばれる、請求項に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
  7. 前記有機高分子樹脂が、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜のいずれか一項に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材。
  8. 以下の工程:
    (1)有機高分子樹脂の良溶媒と無機イオン吸着体を粉砕・混合してスラリーを得る工程、
    (2)工程(1)で得られたスラリーに有機高分子樹脂及び水溶性高分子を溶解して混合スラリーを得る工程、
    (3)工程(2)で得られた混合スラリーを成形して成形品を得る工程、
    (4)工程(3)で得られた成形品を、該成形品が接触する空間部の温度と相対湿度を、それぞれ、30〜90℃と65〜100%に制御して凝固を促進させる工程、及び
    (5)工程(4)において凝固を促進させた成形品を、前記有機高分子樹脂の貧溶媒中で凝固さて、多孔性成形体を得る工程、
    を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材が充填された、処理水導入口と導出口を有するカラムと、該導出口より得られた処理水中のヨウ素酸及び/又はアンチモンを検出する検出器とを具備する、ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着装置。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載のヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材が、水に分散している、ヨウ素酸及び/又はアンチモン吸着材の分散体。
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