JP6716289B2 - 排水処理能向上剤及びその製造方法並びに排水処理方法及び排水処理装置 - Google Patents

排水処理能向上剤及びその製造方法並びに排水処理方法及び排水処理装置 Download PDF

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Description

本開示は、排水処理能向上剤及びその製造方法並びに排水処理方法及び排水処理装置に関する。
排水処理において、活性汚泥を用いた生物処理を行うことにより排水の浄化を行う場合がある。
例えば、特許文献1には、プラント設備から排出される洗濯排水を生物処理槽に導入し、該生物処理槽にて洗濯排水を活性汚泥と曝気混合することによって洗濯排水を処理することが開示されている。
また、特許文献2には、洗濯排水を処理する活性汚泥の生物処理能力が低下した場合に、該生物処理能力を回復するために、馴致済み活性汚泥を凍結乾燥して得られる凍結乾燥化汚泥を活性汚泥に添加することが開示されている。
特開2002−210486号公報 国際公開第2015/145866号
特許文献2に記載の凍結乾燥化汚泥を用いると、洗濯排水を処理する活性汚泥の生物処理能力が低下した場合に、該生物処理能力を回復させることができる。
しかし本発明者らの知見によれば、特許文献2に記載の凍結乾燥化汚泥を用いた場合、該凍結乾燥化汚泥が生物処理を行う生物処理槽から流出しやすく、安定した生物処理が難しくなる場合があることがわかった。
そこで、活性汚泥による排水の生物処理をより安定して行うことが望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、活性汚泥を用いた排水処理において、より安定した処理を可能とする排水処理能向上剤を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る排水処理能向上剤は、
汚泥の排水処理性能を向上させるための排水処理能向上剤であって、
馴致汚泥を含む凍結乾燥汚泥と、
前記凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン系凝集剤と、
を備える。
本発明者らの鋭意検討の結果、カチオン系凝集剤を含まない凍結乾燥汚泥を生物処理槽で用いた場合、生物処理槽にて凍結乾燥汚泥が十分に沈降しないことがあり、例えば連続通水する場合等に、凍結乾燥汚泥が生物処理槽の外部に流出してしまう場合があることがわかった。これは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、汚泥は一般的にマイナスに帯電している。ここで、マイナス帯電の汚泥フロックに対してマイナス帯電の凍結乾燥汚泥を添加すると、両者は電気的に反発し合うため、凍結乾燥汚泥は汚泥フロックと結合しにくい。このため、粒径が比較的小さい凍結乾燥汚泥は、処理対象の排水とともに流れやすい。
上述のように生物処理槽の外部に流出した凍結乾燥汚泥は、生物処理槽での生物処理に寄与し得ないため、凍結乾燥汚泥が生物処理槽の外部に流出すると、生物処理槽における活性汚泥による生物処理性能は低下する。
この点、上記(1)の排水処理能向上剤は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック)と電気的に結合しやすい。よって、上記(1)の排水処理能向上剤によれば、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで生物処理槽内に留まりやすくなる。このため、生物処理槽にて処理対象の排水をより安定的に処理することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記カチオン系凝集剤は、カチオン性ポリマーを含む。
(3)また、幾つかの実施形態では、前記カチオン性ポリマーは、ポリジシアンジアミド系ポリマーを含む。
上記(2)又は(3)の構成によれば、カチオン性ポリマーを含む排水処理能向上剤により、生物処理槽における排水の処理を効果的に行うことができる。
(4)本発明の少なくとも一実施形態に係る排水処理能向上剤の製造方法は、
汚泥を馴致して馴致汚泥を得るステップと、
前記馴致汚泥とカチオン系凝集剤とを混合して混合物を得るステップと、
前記混合物を凍結乾燥して排水処理能向上剤を得るステップと、
を備える。
上記(4)の方法により得られる排水処理能向上剤は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック)と電気的に結合しやすい。よって、該排水処理能向上剤によれば、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで生物処理槽内に留まりやすくなる。すなわち、上記(4)の方法によれば、生物処理槽にて処理対象の排水をより安定的に処理することが可能な排水処理能向上剤を得ることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、
前記混合物を脱水して脱水ケーキを得るステップをさらに備え、
前記排水処理能向上剤を得るステップでは、前記脱水ケーキを凍結乾燥する。
上記(5)の方法では、馴致汚泥とカチオン系凝集剤との混合物において、マイナス帯電の馴致汚泥とカチオン系凝集剤との電気的な作用により混合物の凝集が促進されて、凝集物のサイズが大きくなる。このため、混合物を脱水する工程において、濾材(例えば濾布)が閉塞されにくくなり、脱水効率が良好となる。よって、上記(5)の方法によれば、排水処理能向上剤を効率よく製造できる。
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係る排水処理方法は、
上記(1)〜(3)の何れかに記載の排水処理能向上剤を汚泥に添加するステップと、
前記排水処理能向上剤が添加された前記汚泥を用いて前記排水を生物処理するステップと、
を備える。
上記(1)〜(3)に記載の排水処理能向上剤は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック)と電気的に結合しやすい。よって、上記(6)の方法によれば、上述の排水処理能向上剤を用いるので、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで生物処理槽内に留まりやすくなる。このため、生物処理槽にて処理対象の排水をより安定的に処理することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の方法において、前記排水処理能向上剤が添加された前記汚泥を馴致するステップをさらに備える。
上記(7)の方法によれば、凍結乾燥汚泥を含む汚泥を馴致するので、凍結乾燥汚泥を含まない汚泥を馴致する場合に比べて、短期間で馴致を行うことができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(6)又は(7)の方法において、前記排水処理能向上剤を添加するステップでは、前記汚泥による前記排水の処理性能の低下時、前記汚泥に前記排水処理能向上剤を添加する。
上記(8)の方法によれば、汚泥による排水の処理性能の低下時に、汚泥に排水処理能向上剤を添加するので、汚泥による排水の処理性能を回復することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(6)〜(8)の何れかの方法において、前記汚泥の量に対する前記汚泥への前記排水処理能向上剤の添加量の比(前記排水処理能向上剤の添加量/前記汚泥の量)は、MLSS換算で1/19以上1/1以下である。
上記(9)の方法では、汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤の添加量の比をMLSS換算で1/19以上としたので、汚泥の排水処理性能を効果的に向上させることができる。また、上記(9)の方法では、汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤の添加量の比をMLSS換算で1/1以下としたので、凍結乾燥汚泥の流出をより効果的に抑制することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(6)〜(9)の何れかの方法において、前記生物処理された前記排水を膜分離によりろ過するステップをさらに含む。
活性汚泥により生物処理された排水を膜分離によりろ過することで、排水中に含まれる汚泥の流出を抑制することがある。
この点、上記(10)の方法では、排水の生物処理において排水処理能向上剤が添加された汚泥を用いるため、マイナス帯電の汚泥とプラス帯電の凍結乾燥汚泥との電気的な作用により、汚泥の凝集が促進されて、凝集物のサイズが大きくなる。このため、生物処理された排水を膜分離によりろ過する工程において、膜分離に用いるフィルタが閉塞されにくくなり、フィルタを通過する処理排水の流量が低下しにくい。よって、上記(10)の方法によれば、処理対象の排水をより効率的に処理することができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る排水処理装置は、
処理対象の排水を貯留するための排水タンクと、
前記排水タンクからの前記排水を、上記(1)〜(3)の何れかに記載の排水処理能向上剤が添加された活性汚泥と曝気混合し生物処理するための生物処理槽と、
前記生物処理槽で処理された処理排水を貯留するための処理水タンクと、
を備える。
上記(1)〜(3)に記載の排水処理能向上剤は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック)と電気的に結合しやすい。よって、上記(11)の構成によれば、処理対象の排水を前述の排水処理能向上剤が添加された活性汚泥と曝気混合し生物処理するので、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで生物処理槽内に留まりやすくなる。このため、生物処理槽にて処理対象の排水をより安定的に処理することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記処理排水をろ過するための分離膜をさらに備え、
前記処理水タンクは、前記分離膜によりろ過された前記処理排水を貯留するように構成される。
上記(12)の構成では、排水の生物処理において排水処理能向上剤が添加された汚泥を用いるため、マイナス帯電の汚泥とプラス帯電の凍結乾燥汚泥との電気的な作用により、汚泥の凝集が促進されて、凝集物のサイズが大きくなる。このため、生物処理された排水をろ過するための分離膜(フィルタ)が閉塞されにくくなり、分離膜(フィルタ)を通過する処理排水の流量が低下しにくい。よって、上記(12)の構成によれば、処理対象の排水をより効率的に処理することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(11)又は(12)の構成において、
前記生物処理槽における排水の処理性能を検出するための検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記生物処理槽にさらに前記排水処理能向上剤を添加するように構成された供給部と、
をさらに備える。
上記(13)の構成によれば、生物処理槽における排水の処理性能の検出結果に基づいて排水処理能向上剤を添加するので、汚泥による排水の処理性能を効果的に回復することができる。例えば、汚泥による排水の処理性能の低下時に汚泥に排水処理能向上剤を添加することにより、汚泥による排水の処理性能を適切に回復することができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)の構成において、前記検出部は、前記生物処理槽における前記排水のCOD(化学的酸素要求量)を計測するためのCOD計測部を含む。
上記(14)の構成によれば、生物処理槽における排水のCODの計測結果に基づいて、必要に応じて適切に排水処理能向上剤を添加することができる。よって、排水処理能向上剤の添加量を抑制しながら、汚泥による排水の処理性能を回復することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、活性汚泥を用いた排水処理において、より安定した処理を可能とする排水処理能向上剤が提供される。
一実施形態に係る排水処理装置の概略構成図である。 一実施形態に係る排水処理能向上剤が添加された汚泥の模式図である。 従来の排水処理能向上剤が添加された汚泥の模式図である。 一実施形態に係る排水処理能向上剤の製造方法のフローチャートである。 一実施形態に係る排水処理方法のフローチャートである。 一実施形態に係る排水処理方法のフローチャートである。 試験例で用いた排水処理試験の試験装置の構成を示す図である。 試験例において排水処理試験を行った結果を示すグラフである。 試験例において排水処理試験を行った結果を示すグラフである。 試験例における経過時間とCOD濃度の関係を示すグラフである。 試験例における経過時間とCOD濃度の関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず、幾つかの実施形態に係る排水処理能向上剤が適用される排水処理装置の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る排水処理装置の概略構成図である。図1に示すように、一実施形態に係る排水処理装置1は、洗濯排水8を処理するための装置であって、排水タンク10と、生物処理槽12と、処理水タンク16と、を備える。
排水タンク10には、処理対象の排水が貯留される。排水タンク10に貯留された排水は、生物処理槽12に送られて、生物処理槽12にて活性汚泥と曝気混合されて、生物処理される。生物処理槽12で処理された処理排水は、処理水タンク16に送られる。
なお、排水処理装置1の構成について、より詳細には後で説明する。
ここで、排水処理装置1による処理対象の排水は、例えば、衣服等を洗濯した際に排出される洗濯排水であってもよい。この洗濯排水は、例えば、プラント設備の作業員の作業服を洗濯した際に排出される洗濯排水であってもよい。この場合、洗濯排水には、例えば、洗剤、布繊維、脂肪分又は炭水化物等の有機物質や、あるいは、極微量の放射性物質等が含まれる。排水処理装置1では、これらの物質の濃度を低下させるために、生物処理槽12において処理対象の排水の生物処理を行う。
生物処理槽12における生物処理では、処理対象の排水は、一実施形態に係る排水処理能向上剤が添加された活性汚泥と曝気混合される。
次に、幾つかの実施形態に係る排水処理能向上剤及びその製造方法について説明する。
一実施形態に係る排水処理能向上剤は、馴致汚泥を含む凍結乾燥汚泥と、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン系凝集剤と、を備える。
該排水処理能向上剤は、汚泥により排水を生物処理する際に、汚泥の排水処理性能を向上させるために用いることができる。
例えば、一実施形態に係る排水処理能向上剤が添加された汚泥を馴致して得られる活性汚泥を、上述した排水処理装置1での生物処理において用いることができる。この場合、汚泥の馴致に要する時間を短縮することができる。
あるいは、上述した排水処理装置1による排水処理性能が低下した際に、一実施形態に係る排水処理能向上剤を生物処理槽12の汚泥に添加することができる。この場合、排水処理装置1による排水処理性能を回復させることができる。
ここで、図2A及び図2Bを参照して、実施形態に係る排水処理能向上剤の作用及び効果について説明する。図2Aは、一実施形態に係る排水処理能向上剤が添加された汚泥の模式図であり、図2Bは、従来の排水処理能向上剤が添加された汚泥の模式図である。
なお、従来の排水処理能向上剤は、例えば、馴致済み活性汚泥を凍結乾燥して得られる凍結乾燥汚泥であり、カチオン系凝集剤を含まない凍結乾燥汚泥である。
本発明者らの鋭意検討の結果、例えば上述した排水処理装置1において、カチオン系凝集剤を含まない従来の排水処理能向上剤(凍結乾燥汚泥4)(図2B参照)を生物処理槽12で用いた場合、生物処理槽12にて凍結乾燥汚泥4が十分に沈降しないことがあり、例えば連続通水する場合等に、凍結乾燥汚泥4が生物処理槽12の外部に流出してしまう場合があることがわかった。これは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、汚泥(乾燥凍結汚泥も含む)は一般的にマイナスに帯電している。ここで、図2Bに示すように、マイナス帯電の汚泥フロック2に対してマイナス帯電の凍結乾燥汚泥4(従来の排水処理能向上剤)を添加すると、両者は電気的に反発し合うため、凍結乾燥汚泥4は汚泥フロック2と結合しにくい。このため、粒径が比較的小さい凍結乾燥汚泥4は、処理対象の排水とともに流れやすい。
上述のように生物処理槽12の外部に流出した凍結乾燥汚泥4は、生物処理槽12での生物処理に寄与し得ないため、凍結乾燥汚泥4が生物処理槽12の外部に流出すると、生物処理槽12における活性汚泥による生物処理性能は低下する。
この点、図2Aに示すように、一実施形態に係る排水処理能向上剤5は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック2)と電気的に結合しやすい。よって、排水処理能向上剤5によれば、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック2)に電気的に結合することで生物処理槽12内に留まりやすくなる。このため、生物処理槽12にて処理対象の排水をより安定的に処理することができる。
一実施形態では、排水処理能向上剤5を構成するカチオン性凝集剤は、カチオン性ポリマーを含む凝集剤であってもよい。このようなカチオン性ポリマーは、例えば、ポリジシアンジアミド系ポリマーであってもよい。
あるいは、一実施形態では、排水処理能向上剤5を構成するカチオン性凝集剤は、ポリマー以外のカチオン性物質であってもよく、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、又は鉄等であってもよい。
図3は、一実施形態に係る排水処理能向上剤5の製造方法のフローチャートである。図3に示すように、一実施形態に係る排水処理能向上剤5の製造方法では、まず、汚泥を馴致して馴致汚泥を得る(S12)。次に、ステップS12で得られた馴致汚泥とカチオン系凝集剤とを混合して、馴致汚泥とカチオン系凝集剤との混合物を得る(S14)。次に、ステップS14で得られた混合物を脱水して脱水ケーキを得る(S16)。そして、ステップS16で得られた混合物の脱水ケーキを凍結乾燥し、排水処理能向上剤5を得る。このようにして得られた排水処理能向上剤5は、馴致汚泥を含む凍結乾燥汚泥と、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン系凝集剤とを備える。
上述の製造方法により得られる排水処理能向上剤5は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック)と電気的に結合しやすい。よって、該排水処理能向上剤5によれば、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで生物処理槽12(図1参照)内に留まりやすくなる。すなわち、上述の製造方法によれば、生物処理槽12にて処理対象の排水をより安定的に処理することが可能な排水処理能向上剤5を得ることができる。
また、上述の製造方法では、馴致汚泥とカチオン系凝集剤との混合物において、マイナス帯電の馴致汚泥とカチオン系凝集剤との電気的な作用により混合物の凝集が促進されて、凝集物のサイズが大きくなる。このため、混合物を脱水するステップS16において、濾材(例えば濾布)が閉塞されにくくなり、脱水効率が良好となる。よって、上述の製造方法によれば、排水処理能向上剤5を効率よく製造できる。
次に、幾つかの実施形態に係る排水処理装置及び排水処理方法について説明する。
上述したように、一実施形態に係る排水処理装置1(図1参照)は、洗濯排水8を処理するための排水処理装置であって、排水タンク10と、生物処理槽12と、処理水タンク16と、を備える。生物処理槽12では、排水タンク10からの洗濯排水8を、上述した排水処理能向上剤5が添加された活性汚泥と曝気混合し生物処理するようになっている。
また、図1に示すように、排水処理装置1は、生物処理槽12にて生物処理された処理排水をろ過するための分離膜14をさらに備えている。そして、分離膜14によってろ過された処理排水が処理水タンク16に貯留されるようになっている。
分離膜14は、生物処理槽12の内部に設けられていてもよい。あるいは、分離膜14は、生物処理槽12と処理水タンク16との間に設けられていてもよい。
また、図1に示すように、排水処理装置1は、生物処理槽12における活性汚泥による洗濯排水8の処理性能を検出するための検出部として、生物処理槽12における排水のCOD(化学的酸素要求量)を計測するためのCOD計測部13をさらに備える。また、排水処理装置1は、COD計測部13の計測結果に基づいて排水処理能向上剤5を生物処理槽12に添加するように構成された供給部18をさらに備える。
幾つかの実施形態に係る排水処理方法は、上述した排水処理装置1により実施することができ、上述した排水処理能向上剤5を汚泥に添加するステップ(S2)と、生物処理槽12にて、排水処理能向上剤5が添加された汚泥を用いて排水を生物処理するステップ(S4)と、を含む。
ここで、図4及び図5は、それぞれ、一実施形態に係る排水処理方法のフローチャートである。
図4のフローチャートに示す排水処理方法では、まず、汚泥に排水処理能向上剤5を添加し(S22(上述のS2に相当))、ステップS22にて排水処理能向上剤5が添加された汚泥を馴致する(S24)。そして、ステップS24にて馴致された汚泥(排水処理能向上剤5が添加された汚泥)を用いて排水の生物処理を行う(S26(上述のS4に相当))。
馴致する汚泥に添加される排水処理能向上剤5は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック)と電気的に結合しやすい。
上述の排水処理方法では、このような排水処理能向上剤5が添加された汚泥を馴致するので、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで、凍結乾燥汚泥が馴致培養槽から流出しにくくなる。このため、汚泥の馴致を比較的短期間で行うことができる。
また、上述の排水処理方法では、排水処理能向上剤5が添加された汚泥を馴致して得られた活性汚泥を用いて生物処理を行うので、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで生物処理槽内に留まりやすくなる。このため、生物処理槽にて処理対象の排水をより安定的に処理することができる。
上述の排水処理方法において、ステップS22において、汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤5の添加量の比(排水処理能向上剤5の添加量/汚泥の量)は、MLSS換算で1/19以上1/1以下であってもよい。
汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤の添加量の比をMLSS換算で1/19以上とすることで、汚泥の排水処理性能を効果的に向上させることができる。また、汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤の添加量の比をMLSS換算で1/1以下とすることで、凍結乾燥汚泥の流出をより効果的に抑制することができる。
図5のフローチャートに示す排水処理方法では、排水処理能向上剤5が添加された汚泥を用いて、生物処理槽12にて排水を生物処理する(S32(上述のS4に相当))。そして、生物処理槽12における汚泥による排水の処理性能を計測し(S34)、この計測結果により、汚泥による排水の処理性能の低下が検出されたときには(S36のYes)、生物処理槽12の汚泥に排水処理能向上剤5を添加する(S38(上述のS2に相当))。
生物処理槽12にて生物処理に用いられる汚泥に添加された排水処理能向上剤5は、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン性凝集剤を含むので、凍結乾燥汚泥がプラスに帯電するため、マイナス帯電の汚泥(汚泥フロック)と電気的に結合しやすい。
上述の排水処理方法では、このような排水処理能向上剤5が添加された汚泥を排水処理に用いるので、凍結乾燥汚泥が、粒径の比較的大きな汚泥(汚泥フロック)に電気的に結合することで生物処理槽12内に留まりやすくなる。このため、生物処理槽12にて処理対象の排水をより安定的に処理することができる。
また、上述の排水処理方法では、汚泥による排水の処理性能の低下時に、汚泥に排水処理能向上剤5を添加するので、汚泥による排水の処理性能を回復することができる。
なお、上述の排水処理方法において、ステップS34にて生物処理槽12における汚泥による排水の処理性能を計測した結果、ステップS36にて汚泥による排水の処理性能の低下が検出されないときには(S36のNo)、生物処理槽12における汚泥による排水の生物処理(S32)及び生物処理槽12における汚泥の処理性能の計測(S34)を継続する。
一実施形態では、ステップS34ではCOD計測部13により、生物処理槽12における排水のCOD(化学的酸素要求量)が計測される。そして、ステップS36では、COD計測部13により計測されたCODの低下速度が閾値以下である場合に、汚泥による排水の処理性能が低下していると判断(S36のYes)されるようになっていてもよい。
このように、生物処理槽12における排水のCODの計測結果に基づいて、必要に応じて適切に排水処理能向上剤5を添加することで、排水処理能向上剤5の添加量を抑制しながら、汚泥による排水の処理性能を回復することができる。
上述の排水処理方法において、ステップS38において、汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤5の添加量の比(排水処理能向上剤5の添加量/汚泥の量)は、MLSS換算で1/19以上1/1以下であってもよい。
汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤の添加量の比をMLSS換算で1/19以上とすることで、汚泥の排水処理性能を効果的に向上させることができる。また、汚泥の量に対する汚泥への排水処理能向上剤の添加量の比をMLSS換算で1/1以下とすることで、凍結乾燥汚泥の流出をより効果的に抑制することができる。
一実施形態では、排水処理方法は、ステップS4にて排水処理能向上剤5が添加された汚泥を用いて生物処理された処理排水を、膜分離によりろ過するステップをさらに行ってもよい。
例えば、図4又は図5のフローチャートに示す排水処理方法において、排水処理能向上剤5が添加された汚泥を用いて生物処理槽12にて排水を生物処理するステップS4(図4におけるステップS26又は図5におけるステップS32)で生物処理された処理排水を、分離膜(フィルタ)14(図1参照)を用いて膜分離によりろ過するようになっていてもよい。
この場合、排水の生物処理において排水処理能向上剤5が添加された汚泥を用いるため、マイナス帯電の汚泥とプラス帯電の凍結乾燥汚泥との電気的な作用により、汚泥の凝集が促進されて、凝集物のサイズが大きくなる。このため、生物処理された排水を膜分離によりろ過する工程において、膜分離に用いるフィルタが閉塞されにくくなり、フィルタを通過する処理排水の流量が低下しにくい。よって、処理対象の排水をより効率的に処理することができる。
次に、一実施形態に係る排水処理能向上剤の製造例及び製造した排水処理能向上剤を用いて効果を確認した試験例について説明する。
(排水処理能向上剤の製造例)
原料汚泥を洗濯排水で馴致して得られたMLSSが約10000ppmの馴致汚泥約3.5mと、カチオン系凝集剤として、ポリジシアンジアミド(原料汚泥に対して1%(v/v))とを混合して、馴致汚泥とポリジシアンジアミドの混合物を得た。
次に、上述の混合物を濾布を用いて脱水し、約223kgの脱水ケーキを得た。この脱水ケーキの水分含有量は約80%であった。
得られた脱水ケーキを冷凍庫で凍結させた後、減圧乾燥機にて減圧乾燥し、凍結乾燥汚泥と、凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン系凝集剤とを備える排水処理能向上剤を得た。排水処理能向上剤の収量は約37kgであった。
(試験例1)
上述の製造例にて得られた排水処理能向上剤を用いて、排水処理試験を実施した。
図6は、本試験例で用いた排水処理試験の試験装置の構成を示す図である。
図6に示すように、排水処理試験装置50は、底部に曝気部52を備える曝気槽54と、曝気槽54と上部において連通管55を介して連通する沈降槽56と、模擬排水(模擬洗濯排水)20を曝気槽54に供給するための排水供給部51と、を含む。
排水供給部51からは、模擬洗濯排水20が所定量供給されるようになっている。曝気槽54には活性汚泥22が入れられており、底部の曝気部52から酸素(O)が供給されて、排水供給部51から供給される模擬洗濯排水と活性汚泥22とが曝気混合されるようになっている。曝気槽54にて曝気混合された活性汚泥22は、連通管55を介して沈降槽56に移動し、沈降する。一方、曝気槽54にて曝気混合された模擬洗濯排水20は、生物処理された処理排水24となって、沈降槽56の上部から排出される。
模擬洗濯排水20としては、N成分としてのNHCl、P成分としてのKHPO、及び、洗濯洗剤を配合したものを用いた。
図7及び図8は、上述の排水処理試験装置50を用いて排水処理試験を行った結果を示すグラフである。図7は、活性汚泥22として、下水汚泥に上述の製造例で得られた排水処理向上剤を、MLSS換算で1:9の比で混合したものを用いた場合における試験結果である。一方、図8は、活性汚泥22として、上述の製造例で得られた排水処理向上剤のみを用いた場合における試験結果である。
図7及び図8のグラフにおいて、横軸は経過時間を示し、左側縦軸は模擬洗濯排水20のCOD容積負荷及び処理排水24のCOD濃度を示し、右側縦軸はCOD除去率(処理率)を示す。
図7及び図8に示すように、排水処理試験装置50において、排水供給部51から曝気槽54に、模擬排水(100ppm)をバッチで添加した(図7のA1及び図8のa1)。
模擬排水のバッチ添加後、処理排水のCOD濃度の低下がみられ(図7のB1及び図8のb1)、各試験において上述の製造例にて製造された排水処理能向上剤が排水処理能力を有することが確認できたので、模擬排水の連続添加(2.2L/日)を開始した(図7のB2及び図8のb2)。各試験において、処理排水(処理水)COD濃度の変化及びCOD除去率の変化は、以下のようになった。
活性汚泥として、下水汚泥と上述の製造例に係る排水処理能向上剤を混合して用いた場合、図7に示すように、模擬排水の連続添加開始(B2)後、処理排水CODが低下し続け(B1〜C1)、模擬排水の連続添加開始(B2)から約4日後にCOD除去率が90%以上となった(C3)。ここで、排水処理能向上剤のさらなる処理能力を確認するために、模擬排水の処理負荷を増大させた。すなわち、模擬排水のN成分、P成分及び洗濯洗剤成分を増加させて曝気槽54に添加した(D2)。模擬排水の処理負荷を増大させたにもかかわらず、処理排水COD濃度はほとんど増加せず(D1)、COD除去率も90%以上で維持された。そこで、模擬排水の処理負荷をさらに増大させたところ(E2)、やはり処理排水COD濃度はほとんど増加せず、COD除去率も90%以上で維持された。なお、E2の時点から添加される模擬排水の処理負荷は、実際の洗濯排水の負荷に相当する程度のものである。
一方、活性汚泥として、上述の製造例に係る排水処理能向上剤のみを用いた場合、図8に示すように、模擬排水の連続添加開始(b2)後、処理排水COD濃度は徐々に上昇し、模擬排水の連続添加開始(b2)から約4日後から低下し始めた。しかしながら、模擬排水の連続添加開始(b2)から約16日経過しても、COD除去率の上昇は約60%までにとどまった(d3)。
すなわち、活性汚泥として上述の製造例に係る排水処理能向上剤のみを用いた試験では、試験期間中、排水の処理負荷を増大させるに至らず、実際の洗濯排水の負荷よりも低い負荷の処理排水でさえ十分な処理を行うことができなかった。
上述の結果から、活性汚泥として上述の製造例に係る排水処理能向上剤のみを用いた場合、図8に示すように、16日程度の期間では、十分なCOD除去率を得ることができなかった。これは、上述の製造例に係る排水処理能向上剤はプラスに帯電しているため、排水処理能向上剤同士が電気的に反発し合あうために凝集し難いため、曝気槽54に滞留しにくく、処理排水とともに曝気槽54から沈降槽56及び排水処理試験装置50の外部へ流出しやすいためであると考えられる。
一方、下水汚泥と上述の製造例に係る排水処理能向上剤を混合して用いた場合、図7に示すように、比較的短時間で排水処理率(COD除去率)が得られるとともに、処理負荷の大きな模擬排水(N成分、P成分及び洗剤成分の濃度の高い模擬排水)に対しても、優れた処理能力を発揮できている。これは、マイナス帯電の下水汚泥とプラス帯電の排水処理能向上剤とが電気的に結合して、曝気槽54内に滞留しやすくなり、このため、連続通水においても、模擬排水を安定的に処理できたためと考えられる。
よって、下水汚泥に製造例に係る排水処理能向上剤を添加して活性汚泥とすることで、比較的短期間で汚泥の馴致をすることができること、及び、優れた排水処理性能が得られることが示された。
(試験例2)
活性汚泥として、下水汚泥に上述の製造例で得られた排水処理向上剤を、MLSS換算で、それぞれ、1:1、1:3及び1:9の比で混合して得られた活性汚泥A、活性汚泥B及び活性汚泥Cを用いて、汚泥に対する排水処理能向上剤の添加量の比の違いによる、排水処理性能の違いについて確認した。
馴致装置(不図示)を用い、それぞれの活性汚泥(活性汚泥A〜C)に対して、COD濃度が50ppm増加するように模擬洗濯排水を投入し、COD濃度を計測した。模擬洗濯排水投入からの経過時間とCOD濃度との関係を図9のグラフに示す。
図9に示すように、模擬洗濯排水を投入後、COD濃度が一時的に上昇した後に低下しているため、活性汚泥A〜Cのそれぞれにおいて、排水処理能力が発揮されていることが確認できた。
また、模擬洗濯排水を投入後、COD濃度が一時的に上昇してから低下開始した付近における時間範囲T1でのCOD濃度減少速度は、活性汚泥C(混合比1:9)のほうが、活性汚泥A(混合比1:1)に対して58%程度大きく、活性汚泥B(混合比1:3)に対して36%程度大きい。よって、活性汚泥A及び活性汚泥Bに比べて、活性汚泥Cのほうが、良好な排水処理性能を発揮する可能性があることが確認された。
(試験例3)
活性汚泥として、下水汚泥に上述の製造例で得られた排水処理向上剤を、MLSS換算で、1:9の比で混合して得られた活性汚泥Dと、1:19の比で混合して得られた活性汚泥Eと、を用いて、汚泥に対する排水処理能向上剤の添加量の比の違いによる、排水処理性能の違いについて確認した。
馴致装置(不図示)を用い、それぞれの活性汚泥(活性汚泥D及び活性汚泥E)に対して、初期COD濃度が100ppmとなるように模擬洗濯排水を投入し、COD濃度を計測した。模擬洗濯排水投入からの経過時間とCOD濃度との関係を図10のグラフに示す。
図10に示すように、模擬洗濯排水を投入後、COD濃度が低下しているため、活性汚泥D及び活性汚泥Eの両方において、排水処理能力が発揮されていることが確認できた。
また、模擬洗濯排水を投入後、COD濃度が低下開始した付近における時間範囲T2でのCOD濃度減少速度は、活性汚泥D(混合比1:9)のほうが、活性汚泥E(混合比1:19)に対して170%程度大きい。よって、活性汚泥Eに比べて、活性汚泥Dのほうが、良好な排水処理性能を発揮する可能性があることが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 排水処理装置
2 汚泥フロック
4 凍結乾燥汚泥
5 排水処理能向上剤
8 洗濯排水
10 排水タンク
12 生物処理槽
13 COD計測部
14 分離膜
16 処理水タンク
18 供給部
20 模擬洗濯排水
22 活性汚泥
24 処理排水
50 排水処理試験装置
51 排水供給部
52 曝気部
54 曝気槽
55 連通管
56 沈降槽

Claims (15)

  1. 汚泥の排水処理性能を向上させるための排水処理能向上剤であって、
    馴致汚泥を含む凍結乾燥汚泥と、
    前記凍結乾燥汚泥に担持されたカチオン系凝集剤と、
    を備えることを特徴とする排水処理能向上剤。
  2. 前記カチオン系凝集剤は、カチオン性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の排水処理能向上剤。
  3. 前記カチオン性ポリマーは、ポリジシアンジアミド系ポリマーを含むことを特徴とする請求項2に記載の排水処理能向上剤。
  4. 前記カチオン系凝集剤は、前記凍結乾燥汚泥の正味の電荷がプラスとなるように前記凍結乾燥汚泥に担持された請求項1乃至3の何れか一項に記載の排水処理能向上剤。
  5. 汚泥を馴致して馴致汚泥を得るステップと、
    前記馴致汚泥とカチオン系凝集剤とを混合して混合物を得るステップと、
    前記混合物を凍結乾燥して排水処理能向上剤を得るステップと、
    を備えることを特徴とする排水処理能向上剤の製造方法。
  6. 前記混合物を脱水して脱水ケーキを得るステップをさらに備え、
    前記排水処理能向上剤を得るステップでは、前記脱水ケーキを凍結乾燥する
    ことを特徴とする請求項に記載の排水処理能向上剤の製造方法。
  7. 請求項1乃至の何れか一項に記載の排水処理能向上剤を汚泥に添加するステップと、
    前記排水処理能向上剤が添加された前記汚泥を用いて排水を生物処理するステップと、
    を備えることを特徴とする排水処理方法。
  8. 前記排水処理能向上剤が添加された前記汚泥を馴致するステップをさらに備えることを特徴とする請求項に記載の排水処理方法。
  9. 前記排水処理能向上剤を添加するステップでは、前記汚泥による前記排水の処理性能の低下時、前記汚泥に前記排水処理能向上剤を添加することを特徴とする請求項7又は8に記載の排水処理方法。
  10. 前記汚泥の量に対する前記汚泥への前記排水処理能向上剤の添加量の比(前記排水処理能向上剤の添加量/前記汚泥の量)は、MLSS換算で1/19以上1/1以下であることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の排水処理方法。
  11. 前記生物処理された前記排水を膜分離によりろ過するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の排水処理方法。
  12. 処理対象の排水を貯留するための排水タンクと、
    前記排水タンクからの前記排水を、請求項1乃至の何れか一項に記載の排水処理能向上剤が添加された活性汚泥と曝気混合し生物処理するための生物処理槽と、
    前記生物処理槽で処理された処理排水を貯留するための処理水タンクと、
    を備えることを特徴とする排水処理装置。
  13. 前記処理排水をろ過するための分離膜をさらに備え、
    前記処理水タンクは、前記分離膜によりろ過された前記処理排水を貯留するように構成された
    ことを特徴とする請求項12に記載の排水処理装置。
  14. 前記生物処理槽における排水の処理性能を検出するための検出部と、
    前記検出部による検出結果に基づいて、前記生物処理槽にさらに前記排水処理能向上剤を添加するように構成された供給部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項12又は13に記載の排水処理装置。
  15. 前記検出部は、前記生物処理槽における前記排水のCODを計測するためのCOD計測部を含むことを特徴とする請求項14に記載の排水処理装置。
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