JP6566563B2 - 嫌気処理装置 - Google Patents

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本発明は、食品工場等の排水や下水等の有機性排水を嫌気性微生物により生物学的に処理するための嫌気処理装置に関するものである。
食品工場等の排水や下水等の有機性排水を処理する方法として、嫌気性微生物による生物処理が知られている。嫌気性微生物による生物処理は、メタンガスを回収することが可能であるため、広く産業排水の処理方法として普及している。
嫌気性微生物による嫌気処理装置では、嫌気的生物処理を行う嫌気処理槽から流出した汚泥を回収するために、嫌気処理槽の後段に固液分離槽を設けた構成が知られている。
例えば、特許文献1には、嫌気処理槽の後段に、凝集剤を添加して沈降分離処理する凝集沈殿槽を備えた嫌気性生物処理装置が記載されている。更に、この凝集沈殿槽には、凝集沈殿槽で分離された汚泥を嫌気処理槽へ返送する汚泥返送ラインが設けられており、生物処理の立ち上げ時等、原水変動等によって処理水に流出した汚泥を回収して、嫌気処理槽へ戻すことができる。
特開2011−11171号公報
嫌気性微生物による嫌気処理装置は、生物処理に多大な時間を要するため、高濃度の汚泥による高負荷処理が求められている。しかし、凝集沈殿槽等の沈降濃縮による固液分離では、濃縮汚泥の濃度が低いため、これを反応槽に返送しても汚泥濃度を高めることが困難であった。
そこで、本発明では、反応槽内の汚泥濃度を高濃度化するために、反応槽の後段に設けた固液分離槽の濃縮性を高めることを課題とする。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、固液分離槽で濃縮された濃縮汚泥を嫌気処理槽に返送する際に、濃縮汚泥の一部を凝集剤添加部に返送することにより、汚泥の造粒・重質化が促進され、固液分離槽における濃縮性が高まることを見出して、本発明を完成した。
具体的には、以下の嫌気処理装置又は嫌気処理方法である。
上記課題を解決するための本願発明の嫌気処理装置とは、被処理水を嫌気性微生物で処理する嫌気処理装置において、被処理水が導入され、嫌気性処理を行う嫌気性処理部と、前記嫌気性処理部で処理された第一の処理水へ凝集剤を添加する凝集剤添加部と、前記凝集剤添加部で凝集剤が添加された第二の処理水に含まれる固形分を濃縮する固液分離部と、前記固液分離部で濃縮された濃縮汚泥を前記嫌気性処理部へ返送する第一の返送ラインと、前記固液分離部で濃縮された濃縮汚泥を前記凝集剤添加部へ返送する第二の返送ラインと、を備え、前記第一の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量に対する前記第二の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量の比は、0.7〜3.3であることを特徴とする。
この嫌気処理装置によると、凝集剤添加部に返送された濃縮汚泥が核となり、汚泥の造粒、重質化を促進する。そして、得られた凝集物は優れた沈降性や濾過分離性を有し、固液分離部における濃縮汚泥の濃度を高めることができる。
また、この嫌気処理装置では、第一の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量に対する第二の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量の比が0.7〜3.3に調整されていることにより、嫌気処理部に返送する濃縮汚泥の量と、汚泥の造粒、重質化のために凝集剤添加部に返送される濃縮汚泥の量がバランスよく調整され、嫌気処理部における汚泥濃度を安定的に高く維持することができる。
更に本発明は、凝集剤添加部が、無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加部と、高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤添加部と、を備え、無機凝集剤添加部は、高分子凝集剤添加部の前段に設けられ、第二の返送ラインが無機凝集剤添加部に接続されているという特徴を有する。
第二の返送ラインを無機凝集剤添加部に接続することにより、濃縮汚泥中の凝集物と、嫌気処理部から流入した微生物等の小さな粒子が混在する。そして、大きな粒子と小さい粒子は付着し易いため、本発明の汚泥の造粒効果を高めることができる。
更に、無機凝集剤は、微生物等の小さい粒子を凝集する作用に優れており、無機凝集剤の添加により、小さい粒子が大きな粒子に付着する作用を促進することができる。
また、高分子凝集剤は、無機凝集剤により凝集した凝集物同士を更に凝集させて、大きなフロックを形成する作用を有する。そのため、高分子凝集剤添加部では、無機凝集剤添加部により造粒された粒子を、更に造粒、重質化して、固液分離部における沈降性や濾過分離性をより一層高めることができる。
更に本発明は、凝集剤添加部が、固液分離部の内部に設置されるという特徴を有する。
この構成によれば、凝集剤添加部を設置するスペースを省略することができるため、嫌気処理装置の長大化を抑制することができる。
また、上記課題を解決するための本願発明の嫌気処理装置とは、被処理水を嫌気性微生物で処理する嫌気処理方法において、被処理水の嫌気処理を行う嫌気処理工程と、前記嫌気処理工程で処理された第一の処理水へ凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、前記凝集剤添加工程で凝集剤が添加された第二の処理水に含まれる固形分を濃縮する固液分離工程と、前記固液分離工程で濃縮された濃縮汚泥を前記嫌気処理工程へ返送する第一の返送工程と、前記固液分離工程で濃縮された濃縮汚泥を前記凝集剤添加工程へ返送する第二の返送工程と、を備え、前記第一の返送工程における濃縮汚泥の返送量に対する前記第二の返送工程における濃縮汚泥の返送量の比は、0.7〜3.3であることを特徴とする。
この嫌気処理方法によると、上記嫌気処理装置と同様、凝集剤添加部に返送された濃縮汚泥が核となり、汚泥の造粒、重質化を促進し、固液分離部における濃縮汚泥の濃度を高めることができる。
また、第一の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量に対する第二の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量の比が0.7〜3.3に調整されていることにより、嫌気処理部における汚泥濃度を安定的に高く維持することができる。
本願発明の嫌気処理装置及び嫌気処理方法によると、固液分離部において優れた濃縮性を有するため、嫌気処理部における汚泥濃度を高めることができる。
本発明の第1の実施態様の嫌気処理装置1aの構造を示す概略説明図である。 本発明の第2の実施態様の嫌気処理装置1bの構造を示す概略説明図である。 本発明の第3の実施態様の嫌気処理装置1cの構造を示す概略説明図である。 本発明の第4の実施態様の嫌気処理装置1dの構造を示す概略説明図である。
以下に、本発明の嫌気処理装置及び嫌気処理方法について説明する。
本発明の嫌気処理装置は、有機物を含む被処理水を嫌気性処理して、処理水として排出する装置である。
ここで、本発明の被処理水としては、食品工場等から排出される産業排水、生活排水、下水等の有機物を含有する有機性排水が挙げられる。なお、本発明の嫌気性処理装置は、高負荷処理に適していることから、有機物を多く含む食品工場廃水の処理に特に適している。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施態様]
図1は、本発明の第1の実施態様の嫌気処理装置1aを示す概略説明図である。
本発明の第1の実施態様の嫌気処理装置1aは、嫌気性微生物による生物処理が施される嫌気処理部2、嫌気性処理部2により処理された第一の処理水W1に凝集剤を添加する凝集剤添加部3、第一の処理水W1と凝集剤が混合された第二の処理水W2から固形分を濃縮する固液分離部4、固液分離部4で濃縮された濃縮汚泥を嫌気処理部2に返送する第一の返送ラインL1、固液分離部4で濃縮された濃縮汚泥を凝集剤添加部3に返送する第二の返送ラインL2を備えている。
(嫌気処理部)
本発明の嫌気処理部2は、被処理水W0が導入され、被処理水W0に嫌気性微生物を用いた嫌気性処理を施すための構成である。
嫌気性処理には、嫌気条件下で生物処理を行うことができれば、どのような微生物を利用してもよい。例えば、有機物を分解してメタンを生成するメタン生成菌や、硝酸・亜硝酸等を窒素に還元する脱窒菌、硫酸等を還元する硫酸還元菌、水素イオンの還元を行う水素生成菌等が挙げられる。メタンを燃料等に再利用できることから、メタン生成菌による生物処理が好ましい。
嫌気処理部2における嫌気性処理では、被処理水W0と種汚泥が導入され、嫌気性微生物の成育条件等に応じて温度やpH等が適宜設定される。嫌気性処理の方法は特に限定されず、固定床担体、流動床担体等のように担体を使用する方法や、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket:上向流嫌気性スラッジブランケット)法、EGSB(Expanded Granule Sludge Blanket)法等のようにグラニュール汚泥を使用する方法でもよい。
(凝集剤添加部)
凝集剤添加部3は、嫌気処理部2から排出される第一の処理水W1に凝集剤を添加するための構成である。第一の処理水には、嫌気性微生物等の微細粒子が含まれており、凝集剤を添加することにより微細粒子のフロックを形成する。
凝集剤としては、微細粒子を凝集させることができれば、どのような物質でもよい。例えば、カチオン系、ノニオン系、アニオン系、両生系の凝集剤が挙げられ、処理条件に応じて適宜選択される。凝集剤は、単独で使用しても、二種以上を併用して使用してもよい。二種以上用いる場合には、混合して使用しても、複数の凝集剤を順に作用させて使用してもよい。
微細粒子は、多くの場合、負に帯電しているため、カチオン系凝集剤を使用することが好ましい。
カチオン系凝集剤としては、例えば、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリシリカ鉄、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤、ポリアミノアルキルメタクリレート、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリジアリルアンモニウム、キトサン、尿素−ホルマリン樹脂等の高分子凝集剤が挙げられる。
ノニオン系凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
アニオン系凝集剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメチル化ポリアクリルアミド、ポリ(2−アクリルアミド)−2−メチルプロパン硫酸塩等が挙げられる。
両性系凝集剤としては、例えば、アクリルアミドとアミノアルキルメタクリレートとアクリル酸ナトリウムの共重合体等が挙げられる。
本発明における凝集剤添加部としては、無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加部と、高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤添加部を設け、第一の処理水W1を無機凝集剤添加部、高分子凝集剤添加部の順に流通することが好ましい。この構成により、重質で良好なフロックが形成されるため、固液分離部4において優れた濃縮性を得ることができる。
更に好ましくは、無機凝集剤としてカチオン系凝集剤を用い、高分子凝集剤としてアニオン系凝集剤を併用する方法である。これらの凝集剤の組合せにより、凝集効果をより高めることができる。
(固液分離部)
固液分離部は、凝集剤が添加された第二の処理水W2に含まれる固形分を濃縮するための構成である。固液分離部の構成としては、特に制限されないが、例えば、沈降濃縮による沈降濃縮部や、膜等を使用した濾過分離部、脱水機、遠心分離機等が挙げられる。
沈降濃縮では、高濃度に濃縮するために多大な時間を要するため、固液分離部として沈降濃縮部を使用すると、本発明の効果が特に発揮される。また、沈降濃縮では、濾過分離における膜交換等の作業がないため、作業効率に優れた嫌気処理方法を提供することもできる。
なお、本発明の汚泥の造粒、重質化の効果は、膜分離における濾過性も高めることができるため、固液分離部として濾過分離部を使用しても優れた嫌気処理装置を提供することができる。
第1の実施態様の固液分離部4は、凝集した固形分を沈降濃縮する沈降濃縮部の例である。固液分離部4は、円筒体の槽に、逆さ截頭円錐体の底部を備えた形状を有している。底部の逆さ截頭円錐体の頂部には、濃縮汚泥を排出する濃縮汚泥排出口が形成されており、円筒体の上部側面には、固形分が分離した上澄水を溢流によって排出する上澄水排出口(図示しない)が形成されている。上澄水排出口から排出された上澄水は、放流されるか、又は、更なる処理に供される。また、濃縮汚泥排出口より排出された濃縮汚泥は、後述する返送ラインにより、嫌気処理部2や凝集剤添加部3に返送される他、余剰汚泥として、余剰汚泥排出ライン(図示しない)からも排出される。
固液分離部4の形状は、特に限定されず、第二の処理水W2に含まれる固形分を沈降させて、上澄水と分離できればどのような形状でもよい。底部の形状は、沈降した固形分を収集できるように、濃縮汚泥排出口に向けて傾斜した形状であることが好ましい。
第二の処理水W2を固液分離部4への流入する際、固液分離部4内に乱流が生じないように、ディストリビュータを用いることが好ましい。ディストリビュータは、複数の供給孔を有する空洞部材からなる供給装置である。ディストリビュータの作用については、第3の実施態様で詳述する。
また、固液分離部4の内部には、凝集剤添加部を設けることが好ましい。凝集剤添加部を固液分離部4の内部に設けることにより、装置の長大化を抑制することができる。なお、この構成の詳細については、第3の実施態様にて説明する。
(返送ライン)
底部から排出された濃縮汚泥は、第一の返送ラインL1を通って、嫌気処理部2に返送される(以下、「第一の濃縮汚泥S1」という場合もある。)。また、底部から排出された濃縮汚泥の一部は、第一の返送ラインから分岐した第二の返送ラインL2を通って、凝集剤添加部3に返送される(以下、「第二の濃縮汚泥S2」という場合もある。)。
凝集剤添加部3に返送された第二の濃縮汚泥S2は、凝集過程において、核として機能し、汚泥の造粒、重質化を促進することができる。そのため、汚泥の沈降速度が高まり、固液分離部4の濃縮性において優れた効果が発揮される。そして、高濃度化された濃縮汚泥は、第一の濃縮汚泥S1として嫌気処理部2に流れ込み、嫌気処理部2の汚泥濃度を高めることができる。
なお、凝集剤添加部が無機凝集剤添加部と高分子凝集剤添加部により構成される場合には、第二の返送ラインは、無機凝集剤添加部に連結されることが好ましい。この構成の効果については、第2の実施態様で詳述する。
また、本発明の嫌気処理装置では、第一の濃縮汚泥S1の返送量に対する第二の濃縮汚泥S2の返送量の比を、0.7〜3.3に調整する。0.7未満の場合には、第二の濃縮汚泥S2の返送量が少ないため、汚泥の造粒、重質化が不十分となり、固液分離部4における濃縮汚泥の濃度が低下する。また、3.3を超える場合には、第一の濃縮汚泥S1の返送量が少なくなるため、高濃度の濃縮汚泥を返送しても嫌気処理部2の汚泥濃度が高くならない。このように、本発明の嫌気処理装置では、第一の濃縮汚泥S1の返送量と第二の濃縮汚泥S2の返送量の比を調整することにより、嫌気処理部2における汚泥濃度を安定的に高く維持することができる。
なお、第一の濃縮汚泥S1の返送量に対する第二の濃縮汚泥S2の返送量の比とは、第一の濃縮汚泥S1に含まれる固形分量と、第二の濃縮汚泥S2に含まれる固形分量が0.7〜3.3に調整されればよく、別に調製した濃縮汚泥をS1又はS1のいずれかに添加して固形分量を調整してもよい。
(嫌気処理方法)
次に、第1の実施態様の嫌気処理装置1aにおける嫌気処理方法について説明する。この嫌気処理方法では、(a)被処理水W0を嫌気処理部2に導入する工程、(b)被処理水W0の嫌気処理を行う嫌気処理工程と、(c)嫌気処理工程で処理された第一の処理水W1へ凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、(d)第一の処理水W1に含まれる微細粒子が凝集剤の作用によりフロックを形成する工程、(e)凝集剤添加工程で凝集剤が添加された第二の処理水に含まれる固形分を沈降濃縮する沈降濃縮工程と、(f1)沈降濃縮工程で濃縮された濃縮汚泥を嫌気処理工程へ返送する第一の返送工程と、(f2)沈降濃縮工程で濃縮された濃縮汚泥を凝集剤添加工程へ返送する第二の返送工程、(g)第一の返送工程における濃縮汚泥の返送量に対する第二の返送工程における濃縮汚泥の返送量の比を0.7〜3.3に調整する工程と、を備えている。
この嫌気処理方法によると、(f2)第二の返送工程により、凝集剤添加工程へ返送された濃縮汚泥が、(d)微細フロックを形成する工程において、核として機能し、汚泥の造粒、重質化を促進することができる。そのため、(e)沈降濃縮工程の濃縮性に優れた効果が発揮される。そして、高濃度に濃縮された濃縮汚泥は、(f1)第一の返送工程によって嫌気処理工程へ返送され、嫌気処理工程の汚泥濃度を高濃度化することができる。
更に、(g)第一の返送工程における濃縮汚泥の返送量に対する第二の返送工程における濃縮汚泥の返送量の比を0.7〜3.3に調整する工程により、嫌気処理工程における汚泥濃度を安定的に高く維持することができる。
また、(a)被処理水W0の供給量100容量部に対する(f1)第一の返送工程の返送量は、30〜70容量部であり、(f2)第二の返送工程の返送量は、50〜100容量部であることが好ましい。この量比とすることにより、被処理水W0を安定的に高負荷処理することができる。
[第2の実施態様]
図2は、本発明の第2の実施態様の嫌気処理装置1bを示す概略説明図である。
第2の実施態様は、凝集剤添加部として、カチオン性の無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加部3aと、高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤添加部3bを備えた構成である。なお、無機凝集剤添加部3aは、高分子凝集剤添加部3bの前段に設置され、第二の返送ラインL2は、無機凝集剤添加部3aに連結されている。
この構成によると、無機凝集剤添加部3aにおいて、負に帯電した微細粒子がカチオン性の無機凝集剤と結合して小さな凝固フロックを形成し、次いで、高分子凝集剤添加部3bにおいて、この凝固フロックが高分子凝集剤に吸着して粗大フロックを形成する。粗大フロックは、沈降性に優れ、固液分離部4における分離性能に優れている。
また、第二の返送ラインL2を無機凝集剤添加部3aに連結することにより、濃縮汚泥に含まれる粗大フロックは、第一の処理水W1に含まれる微細粒子と混在する。大きさの異なる粒子が混在すると、小さな粒子は大きな粒子の周囲に付着しやすく、造粒が促進されるという作用がある。この作用は、粒子径の差が大きい程、強く働くため、第二の返送ラインL2を無機凝集剤添加部3aに連結した場合には、高分子凝集剤添加部3bに連結した場合より造粒及び重質化が更に促進されるという効果がある。
[第3の実施態様]
図3は、本発明の第3の実施態様の嫌気処理装置1cを示す概略説明図である。
第3の実施態様は、凝集剤添加部3cが固液分離部4aの内部に設置された構成である。これにより、凝集剤添加部の設置スペースを省略することができるため、凝集剤添加部を備えた本発明の嫌気処理装置をコンパクト化することができる。
凝集剤添加部3cは、固液分離部4aの略中心に立設された円筒部材により構成されており、内部に撹拌機6を備えている。なお、凝集剤添加部の形状は、特に限定されず、どのような形状でもよい。また、設置位置も、固液分離部4aの内部のどの位置に設置してもよい。
また、第3の実施態様における凝集剤添加部3cは、固液分離部4aに第二の処理水W2を供給するための構成として、ディストリビュータ5を備えている。ディストリビュータ5は、複数の孔を有する円筒部材であり、片端が凝集剤添加部3cの内部と連通するように設置されている。
更に、凝集剤添加部3cは、低速で回転することが可能であり、ディストリビュータ5は、固液分離部4aの内部を周回するように構成されている。
凝集剤添加部3cとディストリビュータ5の作用について説明すると、凝集剤添加部3cに導入された第一の処理水W1と凝集剤は、攪拌機6により撹拌され、第一の処理水W1に含まれる微細粒子がフロックを形成する。次いで、フロック化した汚泥を含む第二の処理水W2がディストリビュータの孔から固液分離部4内に供給され、フロック化した汚泥は、上澄水と分離される。
ディストリビュータ5により、第二の処理水W2の供給の際に生じる乱流が抑制されるため、良好な沈降分離を行うことができる。
なお、凝集剤添加部を、無機凝集剤添加部と高分子凝集剤添加部により構成し、高分子凝集剤添加部を固液分離部内に設置してもよい。
更に、第3の実施態様では、第一の処理水W1と凝集剤添加部3cを連結するラインに、第二の返送ラインL2が連結されている。この構成により、第二の返送ラインL2を固液分離部4a内に設置された凝集剤添加部3cに直接連結する必要がないため、本発明の嫌気処理装置1cを簡素化することができるという効果がある。
[第4の実施態様]
図4は、本発明の第4の実施態様の嫌気処理装置1dを示す概略説明図である。
第4の実施態様では、固液分離部4bとしてベルトプレス脱水機を利用した構成であり、その他の構成は、第1の実施態様と同様である。この嫌気処理装置1dでは、本発明の汚泥の造粒、重質化の効果によって膜分離における濾過性が高まるため、濃縮汚泥として十分に脱水された脱水ケーキを得ることができる。
固液分離部4bとして利用されるベルトプレス脱水機は、重力濾過により第二の処理水W2に含まれる固形分を濃縮する濾過部7、及び、濾過部7で濃縮された第二の処理水W2を加圧により強制脱水する加圧脱水部8を備えている。
濾過部7は、濾布で形成された無端ベルトにより構成されている。凝集剤添加部3で凝集剤が添加された第二の処理水W2は、濾過部7の無端ベルト上に供給され、無端ベルトで移送される間に重力濾過により濃縮される。
加圧脱水部8は、上部濾布81と下部濾布82からなる二枚の濾布と、複数の加圧ローラ83(図中、斜線を付したローラ)を有しており、上部濾布81は、加圧ローラ83及び上部支持ローラ86(図中、白抜きで示したローラ)により支持され、無端ベルトを形成している。下部濾布82も同様に、加圧ローラ83及び下部支持ローラ87(図中、白抜きで示したローラ)により無端ベルトを形成している。
そして、上部濾布81と下部濾布82は、複数の加圧ローラ83に蛇行するように巻き付けられて張り合わされている。
なお、図中において、濾過部7の無端ベルトは、加圧脱水部8の無端ベルトとは独立した構成として図示されているが、加圧脱水部8の上部又は下部の無端ベルトの一部を濾過部として形成してもよい。
上記濾過部7により濃縮された第二の処理水W2は、加圧脱水部8において、上部濾布81と下部濾布82の間に供給され、二枚の濾布に挟まれた状態で複数の加圧ローラ83の周囲を通過する。その間に、複数の加圧ローラ83により濾布に圧力及びせん断力が加えられ、第二の処理水W2が濾液と脱水ケーキに分離される。濾液はベルトプレス脱水機内の底部に収集されて、濾過部7で発生した濾液と共に排出される。脱水ケーキは、スクレーパにより濾布から剥がされて機外に排出され、回収槽9に回収される。
回収槽9により回収された脱水ケーキの一部は、第1の実施態様の濃縮汚泥と同様、第一の返送ラインL1及び第二の返送ラインL2を通って、それぞれ嫌気処理部2及び凝集剤添加部3に返送される。
また、固液分離部としてベルトプレス脱水機を利用した本発明の嫌気処理装置の別の態様としては、濾過部7で濃縮された第二の処理水W2の一部を回収して、第一の濃縮汚泥S1及び第二の濃縮汚泥S2として嫌気処理部2及び凝集剤添加部3に返送してもよい。
本発明の嫌気処理装置及び嫌気処理方法は、嫌気性処理を行う排水処理に利用される。例えば、食品工場等の産業排水や、家庭などから排出される汚水、下水等の有機性排水の排水処理に好適に利用することができる。
本発明の嫌気処理装置は、嫌気性微生物による生物処理を行う排水処理であれば、どのような排水処理にも利用することができる。嫌気処理部の濃度を安定的に高く維持することができるため、特に高負荷処理に適している。
1a,1b,1c,1d 嫌気処理装置、2 嫌気処理部、3,3a,3b,3c 凝集剤添加部、4,4a,4b 固液分離部、5 ディストリビュータ、6 攪拌機、7 濾過部、8 加圧脱水部、81 上部濾布、82 下部濾布、83 加圧ローラ、86 上部支持ローラ、87 下部支持ローラ、9 回収槽、L1 第一の返送ライン、L2 第二の返送ライン、P ポンプ、M モータ、W0 被処理水、W1 第一の処理水、W2 第二の処理水、S1 第一の濃縮汚泥、S2 第二の濃縮汚泥

Claims (4)

  1. 被処理水を嫌気性微生物で処理する嫌気処理装置において、
    被処理水が導入され、嫌気性処理を行う嫌気性処理部と、
    前記嫌気性処理部で処理された第一の処理水へ凝集剤を添加する凝集剤添加部と、
    前記凝集剤添加部で凝集剤が添加された第二の処理水に含まれる固形分を濃縮する固液分離部と、
    前記固液分離部で濃縮された濃縮汚泥を前記嫌気性処理部へ返送する第一の返送ラインと、
    前記固液分離部で濃縮された濃縮汚泥を前記凝集剤添加部へ返送する第二の返送ラインと、を備え、
    前記第一の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量に対する前記第二の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量の比は、0.7〜3.3であることを特徴とする嫌気処理装置。
  2. 被処理水を嫌気性微生物で処理する嫌気処理装置において、
    被処理水が導入され、嫌気性処理を行う嫌気性処理部と、
    前記嫌気性処理部で処理された第一の処理水へ凝集剤を添加する凝集剤添加部と、
    前記凝集剤添加部で凝集剤が添加された第二の処理水に含まれる固形分を濃縮する固液分離部と、
    前記固液分離部で濃縮された濃縮汚泥を前記嫌気性処理部へ返送する第一の返送ラインと、
    前記固液分離部で濃縮された濃縮汚泥を前記凝集剤添加部へ返送する第二の返送ラインと、を備え、
    前記第一の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量に対する前記第二の返送ラインにおける濃縮汚泥の返送量の比は、0.7〜3.3であることを特徴とし、
    前記凝集剤添加部は、
    無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加部と、
    高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤添加部と、を備え、
    前記無機凝集剤添加部は、前記高分子凝集剤添加部の前段に設けられ、
    前記第二の返送ラインは前記無機凝集剤添加部に接続されていることを特徴とする気処理装置。
  3. 前記凝集剤添加部は、前記固液分離部の内部に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の嫌気処理装置。
  4. 被処理水を嫌気性微生物で処理する嫌気処理方法において、
    被処理水の嫌気処理を行う嫌気処理工程と、
    前記嫌気処理工程で処理された第一の処理水へ凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、
    前記凝集剤添加工程で凝集剤が添加された第二の処理水に含まれる固形分を濃縮する固液分離工程と、
    前記固液分離工程で濃縮された濃縮汚泥を前記嫌気処理工程へ返送する第一の返送工程と、
    前記固液分離工程で濃縮された濃縮汚泥を前記凝集剤添加工程へ返送する第二の返送工程と、を備え、
    前記第一の返送工程における濃縮汚泥の返送量に対する前記第二の返送工程における濃縮汚泥の返送量の比は、0.7〜3.3であることを特徴とする嫌気処理方法。
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