JP6716186B1 - 揚水ポンプの速度制御装置 - Google Patents

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Abstract

実施形態によれば、圧延する第1の被圧延材に対して設定され、前記第1の被圧延材の先端に注水する冷却水の流量を設定する第1データおよび前記第1の被圧延材に設定された前記第1の被圧延材の搬送速度のパターンを含む第2データを収集するデータ収集部と、前記第1データおよび前記第2データにもとづいて、前記第1の被圧延材に注水される冷却水の予想値である第1予測注水量を計算する第1計算部と、前記第1予測注水量と、前記揚水ポンプがくみ上げることができる流量に対する前記揚水ポンプの速度の特性データと、にもとづいて、前記揚水ポンプを駆動するインバータ装置に供給する速度指令値を計算する第2計算部と、を備えた揚水ポンプの速度制御装置が提供される。

Description

本発明の実施形態は、圧延ラインに冷却水を供給する揚水ポンプの速度制御装置に関する。
圧延ラインは、ランアウトテーブルを有している。ランアウトテーブルは、材料を所定の製品厚まで圧延した後、所望の製品品質を満たすように被圧延材を冷却する設備である。ランアウトテーブルは、ヘッドタンクを有し、ヘッドタンクは、圧延ラインの上方に設けられている。被圧延材は、ヘッドタンクからの冷却水の注水によって冷却される。被圧延材の冷却パターンは、ヘッドタンクから供給される冷却水を噴出する複数のスプレーノズルの開閉状態を適宜設定することによって制御される。
揚水ポンプは、ヘッドタンクに冷却水を供給するため、地下のウォーターピットから冷却水をくみ上げて、ヘッドタンクに供給する。ヘッドタンクの容量を超えて水がくみ上げられると、ヘッドタンクはオーバーフローする。オーバーフローした冷却水は、冷却に使用された水とともに水処理装置に送られる。冷却水は、水処理装置によって所定の浄化処理等を行った後、クーリングタワーで冷却されて、再度ウォーターピットに集められる。
被圧延材に注水される冷却水の流量は、被圧延材の最終製品の品質に影響を及ぼし得る。被圧延材に注水される冷却水の流量は、あらかじめ設定されたモデルを用いて計算される。冷却水の水圧は、ヘッドタンクに貯水された冷却水の水位とスプレーノズルの設置高さとの差によって生み出される。冷却水の注水量は、バルブの開閉によって設定される。必要な冷却量を実現するために、揚水ポンプは、常に十分な冷却水をくみ上げて、ヘッドタンクのオーバーフロー状態またはオーバーフローに近い水位を維持するように設定されている。
従来、揚水ポンプは、商用電源を直結することによって駆動され、常時ヘッドタンクに一定量の冷却水を揚水している。一方で、ランアウトテーブルにおける被圧延材への注水量は、圧延状態や被圧延材の材種に応じて変化する。被圧延材がランアウトテーブル上を流れている場合も流れていない場合も、揚水ポンプを駆動して揚水すると揚水流量が過大となり、揚水ポンプの駆動電力が無駄となる。
また、被圧延材によっては、求められる注水量が少ない場合もある。このような場合に、注水量にかかわらず揚水ポンプを駆動して揚水すると、揚水流量が過大となり、揚水ポンプの駆動電力が無駄となる。
国際公開第2011/092851号公報
特許文献1には、冷却水の使用状況を予測し、揚水ポンプでくみ上げる冷却水の流量を制御することによって、揚水ポンプの消費電力を抑制する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1の技術では、ヘッドタンクの水位は、冷却水の使用状況を予測する予測サイクルの期間で、上限値と下限値との間を推移する。そのため、ヘッドタンクの水位は常に変動する。したがって、予測サイクルでは、被圧延材を冷却する冷却水の圧力は変化する。
本発明の実施形態は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ヘッドタンクの水位をオーバーフロー状態に維持しつつ、不要な冷却水のくみ上げを抑制して圧延ラインを省エネルギー化する揚水ポンプの速度制御装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、複数の圧延機を通過した被圧延材に噴出する冷却水を前記被圧延材よりも上方に設けられたヘッドタンクにくみ上げる揚水ポンプの速度を制御する速度制御装置が提供される。この速度制御装置は、圧延する第1の被圧延材に対して設定され、前記第1の被圧延材の単位長さの材である切り板に注水する冷却水の流量を設定する第1データおよび前記第1の被圧延材に設定された前記第1の被圧延材の搬送速度のパターンを含む第2データを収集するデータ収集部と、前記第1データおよび前記第2データにもとづいて、前記第1の被圧延材に注水される冷却水の予想値である第1予測注水量を計算する第1計算部と、前記第1予測注水量および前記揚水ポンプの吐出流量に対する前記揚水ポンプの速度の特性データにもとづいて、前記揚水ポンプを駆動するインバータ装置に供給する速度指令値を計算する第2計算部と、を備える。前記第1計算部は、前記第2データの大きさに応じて、前記第1予測注水量を増加するように設定する。前記第2計算部は、前記第1予測注水量の増加に応じて、前記速度指令値を大きい値に設定する。
本発明の実施形態によれば、ヘッドタンクの水位をオーバーフロー状態に維持しつつ、不要な冷却水のくみ上げを抑制して圧延ラインを省エネルギー化する揚水ポンプの速度制御装置が実現される。
熱間圧延ラインを例示する模式的な構成図である。 ランアウトテーブルの冷却水の循環システムを例示する模式的な構成図である。 実施形態に係る揚水ポンプの速度制御装置を例示するブロック図である。 揚水ポンプの速度対流量特性を模式的に示すグラフである。 実施形態の揚水ポンプの速度制御装置の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。 実施形態の揚水ポンプの速度制御装置の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。 実施形態の揚水ポンプの速度制御装置の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。 実施形態の揚水ポンプの速度制御装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。 実施形態の変形例の揚水ポンプの速度制御装置において、被圧延材が連続して搬送される場合の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。 実施形態の変形例の揚水ポンプの速度制御装置において、被圧延材が連続して搬送される場合の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。 実施形態の変形例の揚水ポンプの速度制御装置において、被圧延材が連続して搬送される場合の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下では、主として、熱間圧延ラインの場合について説明するが、本発明の実施形態は、熱間圧延ラインに限らず、厚板圧延ライン等の材に直接水をかけて冷却する設備があるすべての圧延プロセスに適用できる。
<圧延ラインの構成>
図1は、熱間圧延ラインを例示する模式的な構成図である。
図1に示すように、熱間圧延ライン100は、加熱炉1と、粗圧延前スケール除去装置(Hydraulic Scale Breaker、HSB)2と、粗圧延機3と、仕上圧延前スケール除去装置(Finishing Scale Breaker、FSB)4と、仕上圧延機5と、ランアウトテーブル(Run Out Table、ROT)6と、ダウンコイラ7と、を含む。被圧延材200a〜200cは、加熱炉1からダウンコイラ7に向かって搬送される。図1では、被圧延材200a〜200cは、左から右に搬送される。後述する図2も同様である。
加熱炉1から抽出された被圧延材200aは、HSB2を通過する。被圧延材200aの表面に形成された酸化被膜は、HSB2の高圧水によって取り除かれる。被圧延材200aは、粗圧延機3によって数パスにわたって圧延される。粗圧延機3によってある程度の厚みまで圧延された被圧延材200bは、FSB4を通過する。被圧延材200bの表面に形成された酸化被膜は、FSB4の高圧水によって、再度取り除かれる。
その後、被圧延材200bは、仕上圧延機5に搬送される。仕上圧延機5は、複数段の圧延スタンド5a〜5gを含んでおり、被圧延材200bは、各圧延スタンド5a〜5gを通過することによって、所望の製品厚まで圧延される。この例では、7段の圧延スタンドの場合を示しているが、たとえば、6段の圧延スタンドでも同様に圧延される。
ROT6は、ヘッドタンク6aと、スプレーバルブ6b,6cと、テーブルロール6dと、を含む。ROT6のうち少なくともスプレーバルブ6b,6cおよびテーブルロール6dは、仕上圧延機5の最終段の圧延スタンド5gとダウンコイラ7との間に設けられている。
ヘッドタンク6aは、テーブルロール6d上を搬送されている被圧延材200cよりも高い位置に設けられている。所望の厚みに圧延された被圧延材200cは、ROT6によって、所望の製品品質を有するように冷却水で冷却される。冷却された被圧延材200cは、ダウンコイラ7によって巻き取られる。
<ランアウトテーブル(ROT)の構成>
ROT6の設備構成について説明する。
図2は、ランアウトテーブルの冷却水の循環システムを例示する模式的な構成図である。
ヘッドタンク6aは、被圧延材200cを冷却するための冷却水を貯水する。スプレーバルブ6b,6cは、いずれもヘッドタンク6aよりも下方に設けられている。スプレーバルブ6b,6cは、上方に設けられたヘッドタンク6aとの高さの差による圧力で、冷却水を噴出する。
スプレーバルブ6b,6cは、被圧延材200cの搬送方向に沿ってそれぞれ複数個設けられている。被圧延材200cの搬送方向に直交する方向(被圧延材200cの幅方向)に沿ってそれぞれ複数個設けられている。
スプレーバルブ6bは、被圧延材200cの上方で噴出口を下方に向けて設けられている。スプレーバルブ6bは、被圧延材200cの上面に冷却水を噴出する。スプレーバルブ6cは、被圧延材200cの下方で噴出口を上方に向けて設けられている。スプレーバルブ6cは、被圧延材200cの下面に冷却水を噴出する。
複数のスプレーバルブ6b,6cのそれぞれは、後述する巻線温度制御装置によって設定された流量となるように、プログラマブルコントローラによって、その開閉が設定される。
テーブルロール6dは、搬送される被圧延材200cの搬送面であるパスラインを形成するように配置されている。テーブルロール6dの回転軸は、パスラインを含む平面に平行で、被圧延材200cの搬送される方向にほぼ垂直な方向に伸びる回転軸を有している。テーブルロール6dは、搬送方向に沿って、それぞれの回転軸がほぼ平行になるように複数個配置されている。テーブルロール6dが回転することによって、被圧延材200cは、圧延スタンド5gの出側からダウンコイラ7に向かって搬送される。
冷却水は、揚水ポンプ9によって、ウォーターピット8からヘッドタンク6aにくみ上げられる。ウォーターピット8は、たとえば熱間圧延ライン100が設置されているプラントの地下に設けられている。揚水ポンプ9は、電動機10によって駆動される。後述するインバータ装置は、電動機10を介して揚水ポンプ9を速度制御することによって、揚水ポンプ9がくみ上げる冷却水の流量を制御する。本実施形態の揚水ポンプの速度制御装置は、揚水ポンプ9および電動機10を速度制御するインバータ装置に速度指令値をインタフェースして、揚水ポンプ9の速度および流量を制御する。
ROT6で使用された冷却水は、被圧延材の鉄粉等が混じっている上、被圧延材との接触により温度が上昇している。高温となった冷却水は、水処理装置11で浄化処理され、図示しないクーリングタワーによる冷却プロセスを経て、ウォーターピット8に戻される。冷却水の循環のために、循環ポンプ12および電動機13が用いられる。水処理装置11は、ROT6の冷却水だけでなく、熱間圧延ライン100を含む他の設備、たとえばロール冷却に使用された水などの循環にも、共通の水処理の設備として用いられる。したがって、水処理装置11の容量は十分に大きく、ウォーターピット8には常に十分な冷却水が溜められている。
揚水ポンプ9は、複数台設置されていてもよく、その場合には、それぞれの揚水ポンプ9の吐出側で共通配管に接続される。揚水ポンプ9を複数台設置される場合には、たとえば、故障に備えて冗長運転する場合や、冷却水の流量を増大するために並列運転する場合等がある。冗長運転の場合には、複数台の揚水ポンプ9のうち、1台ないし複数台をスタンバイとし、停止ポンプと稼働ポンプを一定周期で切り替えて運転する。冷却水の流量をインバータの速度制御により増減させる場合には、並列運転する揚水ポンプ9は、それぞれのポンプの吐出圧がすべて同じになるような速度で制御される。
ヘッドタンク6aには、冷却水が揚水ポンプ9から送られてくる配管14が接続されている。ヘッドタンク6aは、その容量以上に冷却水がくみ上げられた場合には、冷却水がオーバーフローする構造を有する。ヘッドタンク6aからオーバーフローした冷却水は、冷却に使用された水と同様に水処理装置11に回収され、上述と同様にウォーターピット8に戻る。ヘッドタンク6aの内部には、たとえば水位計が設置されている。水位計は、ヘッドタンクの水位を常時監視するものや、設定値以下の水位となるとアラームを出力するもの等がある。
<揚水ポンプ制御装置の構成>
図3は、実施形態に係る揚水ポンプの速度制御装置を例示するブロック図である。
図3には、速度制御装置20のほか、揚水ポンプ9および電動機10の速度を制御するための他の要素も合わせて示されている。
図3に示すように、速度制御装置20は、巻取温度制御装置(Coiling Temperature Controller、CTC)30、仕上圧延設定計算装置40、プログラマブルコントローラ(Programmable Logic Controller、PLC)50およびインバータ装置60に接続されている。速度制御装置20、CTC30、仕上圧延設定計算装置40、PLC50およびインバータ装置60は、たとえば図示しない制御系ネットワークに接続され、互いにデータを送受信することができる。
速度制御装置20は、CTC30、仕上圧延設定計算装置40およびPLC50から所定のデータを受信して、これらのデータにもとづいて、速度指令値を生成してインバータ装置60に供給する。インバータ装置60は、供給された速度指令値にもとづいて、揚水ポンプ9および電動機10を駆動する。
速度制御装置20は、データ収集部21と、予測注水量の計算部22と、揚水ポンプ9の速度の計算部23と、を備える。
データ収集部21は、CTC30から初期流量設定情報のデータAを取得する。データ収集部21は、仕上圧延設定計算装置40から圧延速度設定値のデータVを取得する。データ収集部21は、PLC50から冷却水使用実績のデータb、圧延速度実績のデータv、およびヘッドタンク水位実績のデータcを取得する。データ収集部21は、これらのデータを、速度制御装置20の他の部分に配信する。
データ収集部21は、データA,Vを、被圧延材への注水が開始されるまでの適切なタイミングで取得して、予測注水量の計算部22に供給する。
データ収集部21は、データb,v,cを、たとえば制御系ネットワークで設定された定周期でリアルタイムで逐次取得する。データb,v,cは、後に詳述する水位の監視機能のために用いられる。
予測注水量の計算部(第1計算部)22は、データA,Vにもとづいて、被圧延材への注水量のデータEを計算する。データAは、その被圧延材の切り板のうち最初の切り板に注水される冷却水の注水量の設定値である。ここで、切り板とは、単位長さごとの被圧延材をいい、1本の被圧延材には複数の切り板が含まれる。切り板は、被圧延材の製造仕様のための仮想的な単位であり、実際に切断された材を表すものではない。
データVは、被圧延材ごとに設定された圧延速度パターンの情報を含んでいる。ここでは、圧延速度パターンは、仕上圧延機5の出側の被圧延材の圧延速度で設定されている。圧延速度パターンは、先端通板速度、最大圧延速度、尾端通板速度を含み、先端通板速度と最大圧延速度との間で複数の加速率が設定されることもある。
切り板への注水量を、被圧延材の搬送速度によらず一定とするために、計算部22は、データA,Vの積に比例するようにデータEを計算する。つまり、計算部22は、データAが一定値であり、Vが被圧延材の速度パターンに応じて変化する場合には、被圧延材の速度に比例した注水量を計算する。このように、速度制御装置20では、最初の切り板に対する初期流量設定情報および圧延速度を用いて、その被圧延材に対するすべての注水量を予測する。
揚水ポンプ速度の計算部(第2計算部)23は、計算部22によって計算された注水量のデータEをもとに、揚水ポンプ9の吐出流量Qを計算する。吐出流量Qは、揚水ポンプ9がくみ上げる冷却水の流量である。計算部23は、揚水ポンプ9の速度対流量特性を用いて、所望の吐出流量Qに対応する揚水ポンプ9の速度sを抽出する。計算部23は、抽出した速度sにもとづいて、揚水ポンプ9および電動機10を駆動するためのインバータ装置60に対する速度指令値の目標値Goprを決定する。決定された目標値Goprは、後述する監視部24によって修正されない場合には、そのままインバータ装置60に供給される。
計算部23は、速度指令値の最小値Gminから目標値Goprに到達するまでの加速時間Taを計算する。計算部23は、速度指令値の目標値Goprから速度指令値の最小値Gminまで減速する減速時間Tdを計算する。後述するように、計算部23は、Ta,Tdを計算する場合には、圧延速度パターンのデータVのほか、ROT6の設備長を用いる。
速度制御装置20は、揚水ポンプ9の加速を開始すべきとする信号を、たとえばPLC50から受信すると、加速時間Taをかけて、最小値Gminから目標値Goprに変化させて速度指令値をインバータ装置60に供給する。加速時間Taにおける加速率は、一定である。
速度制御装置20は、揚水ポンプ9の減速を開始すべきとする信号を、たとえばPLC50から受信すると、減速時間Tdをかけて、目標値Goprから最小値に変化させて速度指令値をインバータ装置60に供給する。減速時間にTdにおける減速率は、一定である。
加速を開始すべきとする信号および減速を開始すべきとする信号は、適切なものを任意に選定することができ、たとえば既存のCTCによる圧延ラインで用いられる信号を用いることができる。加速を開始すべきとする信号は、被圧延材の先端がROT6に入るタイミングよりも十分に前のタイミングで生成される信号であればよい。たとえば、そのタイミングは、被圧延材が最初の圧延スタンド5aに噛み込んだタイミングとすることができる。減速を開始すべきとする信号は、被圧延材がROT6から抜け始めるタイミングで生成される信号であればよい。たとえば、その信号は、被圧延材の尾端が最終の圧延スタンド5gを抜けた信号とすることができる。圧延スタンドの荷重に関する信号は、PLC50から受け取ることができる。
図4は、揚水ポンプの速度対流量特性を模式的に示すグラフである。
図4には、揚水ポンプ9の速度sを横軸に、揚水ポンプ9の吐出流量Qを縦軸にとったグラフが描かれている。
図4に示すように、揚水ポンプ9の速度sは、揚水ポンプ9の吐出流量Qに応じて決定される。吐出流量Qは、揚水ポンプ9の吐出側から流出する冷却水の流量を表しており、ヘッドタンク6aへの流入量に等しい。揚水ポンプ9の速度対流量特性は、たとえば、テーブル形式や特性の近似曲線を表す関数で計算部23に格納されている。あるいは、この速度対流量特性は、図示しない記憶部や記憶装置に格納されていてもよい。計算部23は、都度、速度対流量特性を参照して、吐出流量Qに対応する速度sを抽出し、速度sにもとづいて速度指令値Gを計算する。
ウォーターピット8からヘッドタンク6aまでの揚程が高いので、揚水ポンプ9の最低速度sminは、揚水ポンプ9の吐出圧が実揚程を必ず上回る程度にとどめる必要がある。この最低速度sminの設定は、ポンプの特性等に依存し、最大速度の60%〜70%程度とされる場合が多い。ポンプの吐出圧が実揚程を下回る速度で駆動された場合には、揚水ポンプ9は冷却水をくみ上げることができず、過熱により、揚水ポンプ9自体を破損するおそれがある。そのため、以下説明する動作においても、揚水ポンプ9および電動機10のための速度指令値Gは、揚水ポンプ9の最低速度に対応する速度指令値の最小値Gmin以上となるように設定される。揚水ポンプ9の最大速度smaxは、揚水ポンプ9の最大定格等の仕様に応じて設定される。
吐出流量Qは、予測注水量のデータE以上の値となるように、上述した計算部23において計算される。後に詳述するが、吐出流量Qは、調整パラメータα1を用いて、(1+α1)をデータEに乗じて計算される。吐出流量Qが予測注水量を上回ることによって、ヘッドタンク6aの貯水量を所定値に維持することができる。調整パラメータα1は、0<α1<1である。
図3に戻って説明を続ける。速度制御装置20は、監視部24と、速度修正部25と、をさらに備える。監視部24は、計算部23によって予測された注水量のデータEが実際の注水量を下回らないように、冷却水の使用実績およびヘッドタンク6aの水位実績を監視する。監視部24は、データ収集部21および計算部23から必要なデータを取得して、吐出流量Qの修正値を求める。速度修正部25は、吐出流量Qの修正値にもとづいて、修正された速度指令値G’を計算する。計算された速度指令値G’は、インバータ装置60に供給される。
監視部24は、冷却水使用実績監視部241と、ヘッドタンク水位監視部242と、を含む。冷却水使用実績監視部241は、冷却水使用実績のデータb、揚水ポンプ9の吐出流量Q、圧延速度実績のデータvおよび圧延速度設定値のデータVを入力する。冷却水使用実績監視部241は、データb,Q,v,Vにもとづいて、吐出流量Qを修正して、修正された吐出流量Q’を速度修正部25に供給する。速度修正部25は、修正された吐出流量Q’に応じた速度s’を抽出し、速度s’に対応する速度指令値G’を生成する。
より具体的には、冷却水使用実績監視部241は、冷却水使用実績のデータbが揚水ポンプ9の吐出流量Qを上回ったときに、修正された吐出流量Q’を計算する。吐出流量Q’は、たとえば、調整パラメータα1にさらに修正用の調整パラメータα2を加算することにより計算される。調整パラメータα2は、0<α2<1であり、あらかじめ設定されている。
冷却水使用実績監視部241は、圧延速度実績のデータvが、圧延速度設定値のデータVを上回ったときにも、吐出流量Qを修正する。速度修正部25は、修正された流量にもとづいて修正された速度指令値G’を生成して、揚水ポンプ9の速度を増加させる。冷却水の使用流量は、圧延速度に応じて変化するので、冷却水使用実績監視部241の監視対象をデータbまたはデータvのいずれか一方としてもよい。
速度修正部25は、図4の速度対流量特性のデータを参照して、吐出流量Q’に対応する速度s’を抽出する。速度修正部25は、抽出された速度s’にもとづいて、修正された速度指令値G’を計算する。
冷却水使用実績監視部241において、データbが吐出流量Qを下回ったとき、あるいは、データvがデータVを下回ったときには、揚水ポンプ9の速度を下限値以上の範囲、たとえば修正前の速度sに減ずるようにしてもよい。
ヘッドタンク水位監視部242は、ヘッドタンク水位実績のデータcを取得して、データcにもとづいて、修正された吐出流量Q’を計算する。修正された吐出流量Q’は、速度修正部25に入力される。
より具体的には、ヘッドタンク水位監視部242では、ヘッドタンク6aに貯水される冷却水の水位の下限であるヘッドタンク減速可能水位Cthがあらかじめ設定されている。データcがヘッドタンク減速可能水位Cthよりも小さい場合には、ヘッドタンク水位監視部242は、元の吐出流量Qを増大させるように修正された吐出流量Q’を生成する。
ヘッドタンク6aの水位の減少は、冷却水の圧力の減少につながり、ひいては、製品の品質低下につながるおそれがある。そのため、ヘッドタンク水位監視部242は、データcがヘッドタンク減速可能水位Cthよりも低下した場合には、吐出流量Q,Q’の計算を経ることなく、最大の吐出流量に設定し、速度指令値の最大値Gmaxを出力するようにしてもよい。
さらに、修正前の速度指令値Gがすでに最大値に設定されている場合には、ヘッドタンク6aの水位がヘッドタンク減速可能水位Cthを再度超えたことを検出した後、速度指令値Gを低下させて、揚水ポンプ9を減速させるようにしてもよい。
<速度制御装置の周辺のシステムの構成>
CTC30は、各被圧延材の鋼種や厚み、求められる製品品質を上位計算機システムから取得して、これらに合わせて、被圧延材200cの単位長さごとに冷却水の注水量を決定する。つまり、CTC30は、切り板ごとに冷却水の注水量を決定する。CTC30で決定された切り板ごとの注水量は、CTC30の下位に設けられた、スプレーバルブ制御用のPLC(図示せず)によって、スプレーバルブ6b,6cの開閉パターンに変換される。
CTC30は、注水が開始された場合には、仕上圧延機5の出側の被圧延材の温度(Finishing mill Delivery Temperature、FDT)および巻取時における被圧延材の温度(Coiling Temperature、CT)をフィードバックして、図示しないPLCを介してスプレーバルブ6b,6cの開閉パターンを制御し、注水量を変化させる。
CTC30は、被圧延材ごとに初期流量設定情報のデータAを設定する。データAは、被圧延材の最初の切り板に注水される注水量であり、適切なタイミングで速度制御装置20に送信される。データAは、設備等に応じて設定され、たとえば粗圧延工程の最終パスを終了した時点で設定され、速度制御装置20に送信される。
仕上圧延設定計算装置40は、仕上圧延機5における被圧延材200bの各種パラメータの設定のための計算を行う。各種パラメータは、圧延速度パターンを含んでおり、圧延速度パターンは、被圧延材200bの先端通板速度V1、尾端退出速度V2、圧延時最大速度Vr、一次加速率a1、および二次加速率a2を含んでいる。先端通板速度V1、尾端退出速度V2、圧延時最大速度Vr、一次加速率a1、および二次加速率a2をまとめて、圧延速度設定値のデータVと呼ぶ。これらデータVの設定計算は、被圧延材が加熱炉1から抽出された後、圧延状況により数回実施され、都度修正される。修正された圧延速度設定値のデータVは、速度制御装置20に送信される。
CTC30および仕上圧延設定計算装置40は、たとえば、制御系ネットワークに接続することができるサーバやエンジニアリングワークステーション等である。CTC30および仕上圧延設定計算装置40は、それぞれ異なるサーバ等で実現されてもよいし、同じサーバ等にインストールされたプログラム等によって実現されてもよい。
PLC50は、熱間圧延ライン100中に配置されたセンサ等によって、各種データをたとえば定周期で収集する。各種データは、冷却水使用実績のデータb、圧延速度実績のデータv、およびヘッドタンク水位実績のデータcを含んでいる。なお、データb,v,cは、同一のPLCにインタフェースされていてもよいし、別々のPLCにインタフェースされそれぞれから収集されるようにしてもよい。
PLC50は、上位計算機システムで計算した結果をもとにリファレンスを作成し、仕上圧延機5のドライブ装置やスプレーバルブ6b,6cのアクチュエータ等へ指令を出す。また、PLC50は、ドライブ装置やアクチュエータ等から、実際の速度やスプレーバルブ6b,6cの開閉設定といったフィードバック情報を受け取る。
データbは、各スプレーバルブ6b,6cの開閉情報および各バルブの定格流量から、PLC50内で計算される。スプレーバルブ6b,6cの開閉情報は、時間とともに設定が変化するので、冷却水使用実績のデータbは、時系列の使用流量として計算される。
圧延速度実績のデータvは、ROT6上の被圧延材200cの搬送速度に最終の圧延スタンド5gの先進率を乗じたもの、またはROT6に設けられたテーブルロール6dによって検出されるテーブル搬送速度である。ここで、ROT6上の被圧延材200cの搬送速度は、最終の圧延スタンド5gの圧延速度である。
ヘッドタンク水位実績のデータcは、ヘッドタンク6aの現時点における水位を表している。データcは、ヘッドタンク6aに設置されている水位計の出力信号として提供される。なお、ヘッドタンク6aに水位計が設置されていない場合には、ヘッドタンク水位実績は、あらかじめ決められた計算式にもとづいて算出されてもよい。この計算式は、ヘッドタンク6aへの冷却水の流入量、すなわち揚水ポンプ9の吐出流量Qおよび実際の注水量のデータbをもとに、ヘッドタンクの形状、タンク容量を考慮して設定される。
<速度制御装置20の動作>
本実施形態の速度制御装置20の動作について説明する。
図5〜図7は、本実施形態の速度制御装置の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。
図5には、監視部24が動作しない場合のタイミングチャートの例が示されている。
図6および図7には、監視部24が動作した場合のタイミングチャートの例が示されている。
図5〜図7のチャートは、すべて同一の軸に関して示されている。チャートの横軸は、時間軸である。チャートの縦軸は、冷却水使用実績のデータb、圧延速度実績のデータv、揚水ポンプの速度指令値Gおよびヘッドタンク水位実績のデータcであり、目盛りは任意とされている。
図5および図6では、ヘッドタンク水位実績のデータcは、常にヘッドタンク減速可能水位Cth以上となっている。
圧延速度設定値のデータVのうち、先端通板速度V1に対応する実測データをv1、圧延時最大速度Vrに対応する実測データをvr、尾端退出速度V2に対応する実測データをv2とする。
まず、監視部24が動作しない場合の動作について説明する。
図5の破線で表されている圧延速度実績値のデータvについて説明する。
図5に示すように、被圧延材は、時刻t1において、先端通板速度v1で最初の圧延スタンド5aに噛み込まれる。被圧延材は、時刻t2において先端通板速度v1で最後の圧延スタンド5gに噛み込まれる。
被圧延材は、時刻t2において、最終段の圧延スタンド5gに先端が噛み込まれるタイミングで、一次加速が開始される。時刻t3において、被圧延材の先端がダウンコイラ7に到達し、一次加速が完了するとともに、二次加速が開始される。時刻t5において、被圧延材は、設定された最大通板速度vrに到達し、その速度が維持される。
被圧延材の尾端が最終段の圧延スタンド5gに近づくと、減速が開始される。そのときの時刻はt6である。被圧延材の尾端が最終段の圧延スタンド5gを抜けるタイミングに合わせて尾端退出速度v2まで減速する。そのときの時刻はt7である。
被圧延材は、尾端退出速度v2でダウンコイラ7に巻き取られ、時刻t9において巻取が完了する。その後、ROT6のテーブルロール6dが減速して停止する。
次に、一点鎖線で表されている冷却水使用実績のデータbの時間変化について説明する。
冷却水使用実績のデータbは、CTC30によってフィードバック制御される実際の注水量に等しいので、図の曲線は、実際の注水量とみることができる。被圧延材への注水は、CTC30によるスプレーバルブ6b,6cの開閉設定の完了と、実際の注水の開始にはタイムラグがあるので、被圧延材が最後の圧延スタンド5gに被圧延材200bが噛み込まれる前に開始される。スプレーバルブ6b,6cは、PLC50からバルブの開閉指令が送信されてから実際に注水が開始されるまでのタイムラグを考慮してプリセットにより開閉の設定がされる。
CTC30は、時刻t1〜t4にわたって、被圧延材の速度が増大するため被圧延材の温度フィードバックによって注水量を増大させる。時刻t4以降、時刻t6まで、設定された最大の注水量が維持される。
CTC30は、被圧延材が減速するので被圧延材の温度フィードバックによって、注水量を減少させる。時刻t6〜時刻t7では、被圧延材が最大通板速度vrから尾端退出速度v2まで減速するのに応じて、注水量を減少させる。
実線で示されている揚水ポンプ9の速度指令値の時間変化について説明する。
揚水ポンプ9に対する速度指令値Gは、時刻t1では、最小値Gminに設定されており、以降後述する加速率にしたがって増大する。揚水ポンプ9の加速開始のタイミングは、被圧延材の先端がROT6に入る前のタイミングである。この例では、時刻t1は、最初の圧延スタンド5aに被圧延材が噛み込むタイミングとしている。たとえば、このとき、スプレーバルブ6b,6cの開閉指令が出力され、注水が開始される。揚水ポンプ9は、時刻t1から加速時間Taが経過するまで加速し、予測注水量によって求められた吐出流量Qに応じた一定の速度sで運転され、速度制御装置20は、速度指令値の目標値Goprを出力する。
揚水ポンプ9の加速時間Taは、圧延速度設定値のデータV(V1,Vr,V2,a1,a2)およびランアウトテーブル6の設備長dを用いて、計算することができる。ランアウトテーブル6の設備長dは、以下の式(1)のように表すことができる。
Figure 0006716186

ここで、T1は、一次加速率a1によって被圧延材が加速している期間である。この期間を一次加速時間という。一次加速時間T1は、T1=t3−t2である。一次加速率a1は一定値である。
式(1)より、一次加速時間T1は、以下の式(2)のように求められる。
Figure 0006716186
二次加速率a2によって被圧延材が二次加速している二次加速時間T2は、以下の式(3)のように求めることができる。二次加速率a2は一定値である。
Figure 0006716186
加速時間Taは、以下の式(4)のように、一次加速時間T1と二次加速時間T2の和として求めることができる。
Ta=T1+T2 (4)
揚水ポンプ9の速度指令値Gは、加速時間Taを経過した後、動作速度の目標値Goprに設定される。
計算部22は、初期流量設定情報のデータAおよび圧延速度設定値のデータVを用いて、予測注水量のデータEを計算する。予測注水量の最大値は、最大注水量=A×Vr/V1のように求められる。
揚水ポンプ9の吐出流量Qは、予測注水量に対して余裕をもって設定される。調整パラメータα1は、予測注水量に対して、揚水ポンプ9がくみ上げる吐出流量Qの余裕を表す係数である。吐出流量Qは、(1+α1)×Eとなるように設定される。
第2計算部23では、揚水ポンプ9の速度対流量特性にしたがって、Q=(1+α1)×Eのときの揚水ポンプ9の速度sを求める。速度制御装置20がインバータ装置60に供給する速度指令値Gは、揚水ポンプ9の速度sに等しくなるように設定される。調整パラメータα1は、適切な任意の値を設定することができ、たとえば、計算部22で推定される流量の計算誤差や、揚水ポンプの速度対流量特性の誤差等を見込んで設定される。
揚水ポンプ9の減速は、ヘッドタンク6aへの十分な揚水を確保する観点から、被圧延材が減速を開始するタイミングよりも遅いタイミングとするのが好ましい。この場合には、注水量を減少させるタイミングよりも遅いタイミングとなる。この例では、揚水ポンプ9の減速を開始するタイミングは、時刻t8としている。時刻t8は、最終段の圧延スタンド5gが被圧延材の尾端を排出するタイミングである。
揚水ポンプ9の減速時間Tdは、たとえば、以下の式(5)のように、ROT設備長dを尾端退出速度V2で割ったものとすることができる。
Figure 0006716186

この場合には、以下の式(6)のように、減速率adは、減速開始速度と加減速度の差分を、減速時間Tdで割ったものとなる。
Figure 0006716186

減速開始のタイミングは、被圧延材がROT6を抜け始めるタイミングよりも遅ければよく、減速開始のタイミングおよび減速時間Tdは、尾端通板速度や適切な値を任意に設定することができる。この例では、揚水ポンプ9の減速が完了する時刻t10は、時刻t8および減速時間Tdによって設定される。
t10=t8+Td
次に、監視部24のうち、冷却水使用実績監視部241が動作する場合について説明する。
図6では、時刻t1〜時刻t5での動作は、上述の場合と同じであり、時刻t5において、圧延速度および注水量がそれぞれ一定値となった後、時刻t18でこれらの実績値が設定値を上回った状態が示されている。
図6に示すように、時刻t18〜時刻t19の期間では、何らかの原因で、圧延速度実績のデータvは、仕上圧延設定計算装置40から供給される圧延速度設定値のデータV(図示せず)を上回っている。これによって、被圧延材の温度(FDT,CT)が変化し、CTC30では、これに対応するため注水量を増大させる。
冷却水使用実績監視部241は、圧延速度実績のデータvが圧延速度設定値のデータVを上回ったこと、および、冷却水使用実績のデータb(≒注水量の実績)が吐出流量Qを上回ったことを検出する。この例では、冷却水使用実績監視部241は、調整パラメータα1にさらに修正用の調整パラメータα2を加算して、予測注水量のデータEに乗じて、吐出流量の修正値を計算する。つまり、修正された吐出流量Q’は、以下の式(7)のように表される。
Q’=(1+α1+α2)×E (7)
ここで、α2は、0<α2<1であり、あらかじめ適切な値が設定されている。
修正された吐出流量Q’は速度修正部25に入力され、速度修正部25は、揚水ポンプ9の速度対流量特性を参照して、修正された吐出流量Q’に対応する速度s’を抽出する。速度修正部25は、速度s’にもとづいて、修正された速度指令値G’を生成して、インバータ装置60に供給する。
図6では、時刻t18以降に揚水ポンプ9の速度指令値G’がそれよりも前の目標値Gopr1よりも大きい目標値Gopr2に設定されていることが示されている。
時刻t20において、速度制御装置20は、最終段の圧延スタンド5gから被圧延材が排出されたことを検出し、時刻t20以降で、揚水ポンプ9を減速させる。揚水ポンプ9の減速期間等は、上述と同様に設定され、速度指令値G’は、被圧延材の巻き取りが完了した時刻t21の後、時刻t22において最小値Gminに達するよう設定される。
次に、監視部24のうち、ヘッドタンク水位監視部242が動作する場合について説明する。
図7では、時刻t1〜時刻t5までの圧延速度実績の時間変化は、上述の場合と同じであるが、この例では、注水量の実績値が上述の場合よりも大きくなっている。このように、被圧延材の材種によっては、より多くの冷却水を注水する場合がある。そのため、この例では、揚水ポンプ9の速度指令値の目標値Goprは、速度の最大値G100%とされている。したがって、揚水ポンプ9の速度を上げて、揚水ポンプ9の吐出流量をこれ以上大きくすることができない。
図7に示すように、時刻t3から時刻t36で、注水量が大幅に増大し、その結果、時刻t37において、ヘッドタンク水位実績のデータcがヘッドタンク減速可能水位Cthを下回っている。
ここで、ヘッドタンク水位監視部242は、ヘッドタンク水位実績のデータcがヘッドタンク減速可能水位Cthを下回ったことを検出し、速度指令値の修正値を計算するが、現在の速度が最大値G100%であるため、修正値の算出をしても、最大値を超えて速度指令値を設定することができない。
ヘッドタンク水位実績のデータcは、時刻t38以降の注水量の減少により上昇に転ずる。上述の図5や図6の場合には、被圧延材が最終段の圧延スタンド5gを排出された時点(図5の場合の時刻t8、図6の場合の時刻t20)で揚水ポンプ9の減速を開始する。しかし、この例においては、この時点で揚水ポンプ9の減速を開始すると、ヘッドタンク6aの水位をヘッドタンク減速可能水位Cthまで回復できないおそれがある。ヘッドタンク6aの水位がヘッドタンク減速可能水位Cthよりも下回った状態で、ROT6の運転を継続すると、噴出する冷却水の圧力が不足し、製品の品質に影響を生ずるおそれがある。
そこで、ヘッドタンク水位監視部242および速度修正部25は、被圧延材の尾端が最終の圧延スタンド5gを抜けたことを表す信号を受信しても、揚水ポンプ9の減速を開始することを中止する。ヘッドタンク水位監視部242は、揚水ポンプ9の速度を維持したまま、ヘッドタンク水位実績のデータcの監視を継続する。ヘッドタンク水位監視部242および速度修正部25は、時刻t40において、データcがヘッドタンク減速可能水位Cthを上回ったことを検出した後、揚水ポンプ9を減速するように速度指令値を生成する。
その後、時刻t41において、被圧延材の巻き取りが完了し、時刻t42において、速度指令値Gは最小値Gminに達する。
なお、ヘッドタンク水位監視部242は、揚水ポンプ9の到達速度が最大速度から余裕がある場合には、冷却水使用実績監視部241の場合と同様に、調整パラメータα2を用いて、吐出流量を計算し、速度指令値G’を設定してもよい。
実施形態の速度制御装置20の一連の動作についてフローチャートを用いて説明する。
図8は、実施形態の揚水ポンプの速度制御装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。
図8に示すように、ステップS1において、データ収集部21は、初期流量設定情報、圧延速度設定値、冷却水使用実績、圧延速度実績、およびヘッドタンク水位実績の各データA,V,b,v,cを収集する。データ収集部21は、制御系ネットワークを介して、これらのデータをCTC30、仕上圧延設定計算装置40、およびPLC50から収集する。
ステップS2において、予測注水量の計算部22は、初期流量設定情報のデータAおよび圧延速度設定値Vにもとづいて、予測注水量のデータEを計算する。
ステップS3において、揚水ポンプ速度の計算部23は、式(1)〜(6)を用いて、加速時間Taおよび減速時間Tdを計算する。
計算部23は、予測注水量のデータEおよび調整パラメータα1を用いて、揚水ポンプ9がくみ上げる冷却水の吐出流量Qを計算する。計算部23は、あらかじめ設定された揚水ポンプ9の速度対流量特性から吐出流量Qに対応する速度sを抽出する。計算部23は、速度sに応じた速度指令値の目標値Goprを設定する。
計算部23は、最初の圧延スタンド5aに被圧延材が噛み込んだタイミングをPLC50から受信して、速度指令値Gを最小値Gminから加速を開始する。計算部23は、Goprまで加速時間Taをかけて直線的に増大させて、インバータ装置60に供給する。
ステップS4において、冷却水使用実績監視部241は、冷却水使用実績のデータbおよび吐出流量Qを入力して、これらの大小関係を比較する。冷却水使用実績監視部241は、圧延速度実績のデータvおよび圧延速度設定値のデータVを入力して、これらの大小関係を比較する。
冷却水使用実績監視部241は、実績のデータbが計算された吐出流量Qよりも大きい場合、または、実績のデータvが設定値のデータVよりも大きい場合には、処理をステップS5に遷移させる。冷却水使用実績監視部241は、実績のデータbが吐出流量Q以下の場合、かつ、実績のデータvが設定値のデータ以下の場合には、処理をステップS6に遷移させる。なお、ステップS5では、データv,Vの比較を行わず、データbおよび吐出流量Qの比較によって判定してもよいし、データb,Qの比較結果とデータv,Vの比較結果との論理積をとるようにしてもよい。
ステップS5において、冷却水使用実績監視部241は、修正された吐出流量Q’を計算する。吐出流量Q’は、式(7)を用いて計算される。速度修正部25は、速度体流量特性を参照して、修正された吐出流量Q’に対応する速度s’を抽出し、新たな速度指令値G’を生成する。
ステップS6において、ヘッドタンク水位監視部242は、実績のデータcおよびヘッドタンク減速可能水位Cthを比較する。ヘッドタンク水位監視部242は、実績のデータcがヘッドタンク減速可能水位Cthよりも低下した場合には、処理をステップS7に遷移させる。ヘッドタンク水位監視部242は、データcがヘッドタンク減速可能水位Cth以上の場合には、処理をステップS8に遷移させる。
ステップS7において、ヘッドタンク水位監視部242および速度修正部25は、修正された吐出流量および速度指令値を計算する。この例では、修正された吐出流量および速度指令値は最大値に設定されている。ヘッドタンク水位監視部242および速度修正部25は、吐出流量および速度指令値がすでに最大値に設定されている場合には、ヘッドタンク水位監視部242および速度修正部25は、吐出流量および速度指令値を最大値に維持する。
ステップS8において、ヘッドタンク水位監視部242は、再度、ヘッドタンク水位実績のデータcおよびヘッドタンク減速可能水位Cthを比較する。データcがヘッドタンク減速可能水位Cth以上の場合には、処理をステップS9に遷移させる。ヘッドタンク水位監視部242は、データcがヘッドタンク減速可能水位Cthよりも低い場合には、処理をステップS10に遷移させる。
ステップS9において、ヘッドタンク水位監視部242は、揚水ポンプ9の減速を許可する減速許可信号を計算部23に供給する。計算部23は、最終の圧延スタンド5gから被圧延材が抜けた信号をPLC50から受信して、揚水ポンプ9の減速を開始し、計算された減速時間Tdで最小値Gminまで減速する。
ステップS10において、ヘッドタンク水位監視部242は、揚水ポンプ9の速度の減速を禁止する減速禁止信号を計算部23に供給する。ヘッドタンク水位監視部242は、処理を、ステップS6に戻す。
このようにして、実施形態の速度制御装置20は、動作することができる。
揚水ポンプ9の速度制御装置20は、たとえば、サーバ等のコンピュータ装置であり、プログラムを実行することによって動作するCPUやMPU等の演算装置を含んでもよい。このような演算装置は、読み込んだプログラムを実行することによって、上述の各ブロックの機能あるいは各ステップの動作の一部または全部を実現する。
実施形態の速度制御装置20の効果について説明する。
実施形態の速度制御装置20では、CTC30および仕上圧延設定計算装置40から初期流量設定情報のデータAおよび圧延速度設定値のデータVを取得して、これらにもとづいて、CTCの使用流量を予測することができる。そのため、予測計算された注水量のデータEに応じて、揚水する冷却水の流量を決定することができ、注水量が少ないときに、揚水ポンプ9の速度を抑えることができる。したがって、揚水ポンプ9の駆動電力を抑制することができ、圧延ラインの省エネルギー化が可能になる。
データA,Vは、冷却水の使用実績や、圧延速度の実績のフィードバックを得ることができるタイミングよりも前に受信することができ、また、ROT6の設備長dを用いることによって、必要な加速時間を計算することができる。そのため、フィードバック制御のような制御遅れを生じることなく、揚水ポンプを加速させ、必要な加速時間で所望の吐出流量を実現することができる。
揚水ポンプの減速時間も、ROT6の設備長およびデータVを用いることによってあらかじめ計算されることができ、速度制御装置20は、被圧延材の尾端が最終の圧延スタンド5gを抜けるタイミング等の適切なタイミングで減速を開始することができる。そのため、ヘッドタンク6aの貯水量を減少させることなく、適切に揚水ポンプ9は停止される。
実施形態の速度制御装置20は、監視部24をさらに備えている。監視部24は、PLC50を介して冷却水の使用実績および圧延速度実績の各データをリアルタイムで取得することができる。したがって、これらの実績データが設定値を上回った場合であっても、迅速に揚水ポンプ9の速度を修正することができ、安定した品質を有する製品を製造することができる。
監視部24は、ヘッドタンク6aの水位を監視し、ヘッドタンクの水位が所定値よりも低下した場合であっても、迅速に揚水ポンプ9の速度を修正することができる。さらに、監視部24は、揚水ポンプ9の速度修正では不足する流量分については、所定値以上の水位が確保されるまで、揚水ポンプ9の減速を禁止する。そのため、ヘッドタンク6aの水位が不足した状態で行われる注水を最低期間内に収めることができる。
(変形例)
上述のように、実施形態の速度制御装置20は、被圧延材への予測注水量に応じて、揚水ポンプ9を加速し、減速することによって、圧延ラインにおける省エネルギー化を実現するものである。ここで、被圧延材は1本ごとに圧延され、コイルに巻き取られるが、被圧延材は連続して順次圧延され、コイルに巻き取られる場合が多い。順次圧延プロセスに投入される被圧延材は、近接して工程を通す方が製品のスループットの観点から好ましいことが多い。
一方、順次流れてくる被圧延材の加速、減速に合わせて揚水ポンプ9の加減速を設定すると、揚水ポンプ9を頻繁に加減速することとなり、揚水ポンプ9の機械系の疲労が著しくなり、圧延ライン全体のパフォーマンスが必ずしも高まらないこともある。
本変形例では、順次送られてくる被圧延材の間隔に応じて、揚水ポンプ9の減速動作をキャンセルする。具体的には、速度制御装置20が受信する次材の初期流量設定情報のデータAの生成タイミングに応じて、先行材の減速動作を中止する。データAが生成されるタイミングは、たとえば、粗圧延機3の出側に設けられたパイロメータ等のセンサの信号に応じて、CTC30等では次材の設定計算が開始され、その結果が出力されるタイミングである。
次材のデータA取得のタイミングは、上述に限らず、圧延ラインの設定等に応じて、適切かつ任意に設定することができる。たとえば、最初の圧延スタンド5aの噛み込み時の信号でもよいし、2段目や3段目の圧延スタンドの噛み込み時の信号等でもよい。
図9〜図11は、実施形態の変形例の揚水ポンプの速度制御装置において、被圧延材が連続して搬送される場合の動作を説明するための模式的なタイミングチャートである。
図9〜図11では、揚水ポンプの速度指令値の時間変化が示されている。
図9〜図11の横軸は時間軸であり、縦軸は速度指令値を示している。
図9には、先行材が減速を開始する前、すなわち先行材の尾端が最終段の圧延スタンド5gから排出される前に、次材の初期流量設定情報のデータAが受信された場合について示されている。この例では、先行材GAの動作速度GoprAは、次材GBの動作速度GoprBよりも大きく設定されている。
図9に示すように、先行材GAは、時刻t51において初期流量設定情報のデータAによって、揚水ポンプ9の加速を開始する。その後、揚水ポンプ9は、一定の動作速度GoprAに対応する速度で動作し、時刻t53において、先行材GAの尾端が最終段の圧延スタンド5gから排出されるため減速を開始する。
この例では、時刻t53よりも前の時刻t52において、速度制御装置20は、次材GBの初期流量設定情報のデータAを受信する。時刻t53で、先行材GAをこのまま減速させると、減速が終了してすぐに次材GBの加速をすることとなる。そのため、揚水ポンプ9および電動機10の機械的ストレスが大きくなるおそれがある。
そこで、本変形例では、時刻t53で先行材が減速を開始した後、時刻t54で次材GBの動作速度GoprBに達したところで、動作速度GoprBを維持して、次材GBのROT6への進入に備える。
図10には、先行材GAの尾端が最終段の圧延スタンド5gから排出される前に、次材GBの初期流量設定情報のデータAを受信し、次材GBの動作速度GoprBが、先行材GAの動作速度GoprAよりも大きい場合が示されている。
図10に示すように、先行材GAは、時刻t61において揚水ポンプ9の加速を開始する。その後、一定の動作速度GoprAで推移し、時刻t63において、先行材GAの尾端が最終段の圧延スタンド5gから排出される。
この例では、時刻t63よりも前の時刻t62において、次材GBの初期流量設定情報のデータAを受信している。このまま先行材GAを減速させると、減速が終了した後、速度制御装置20は、すぐに次材GBのための加速を開始することとなる。
そこで、次材GBのデータAの受信によって、先行材GAのための揚水ポンプ9の減速を中止し、動作速度GoprAを維持する。その後、時刻t64で次材の加速時間の速度とし、動作速度GoprBに達するようにして、次材GBのROT6への進入に備える。
図11には、先行材の減速時間中に、速度制御装置20が次材の初期流量設定情報のデータAを受信した場合が示されている。
図11に示すように、時刻t71において、先行材GAに応じて揚水ポンプ9の加速を開始し、一定の動作速度GoprAを維持した後、時刻t72において、速度制御装置20は、揚水ポンプ9の減速を開始させる。
先行材GAが減速している期間内の時刻t73において、速度制御装置20は、次材GBのデータAを受信する。速度制御装置20は、データAを受信した時刻t73で、揚水ポンプ9の減速を停止し、そのときの速度を維持する。その後、時刻t74で次材GBの加速完了速度まで加速させるタイミングに合わせて、ポンプを加速させる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。たとえば、各制御装置や計算装置などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した速度制御装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得るすべての速度制御装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (8)

  1. 複数の圧延機を通過した被圧延材に噴出する冷却水を前記被圧延材よりも上方に設けられたヘッドタンクにくみ上げる揚水ポンプの速度を制御する速度制御装置であって、
    第1の被圧延材に対して設定され、前記第1の被圧延材の単位長さの材である切り板に注水する冷却水の流量を設定する第1データおよび前記第1圧延材に設定された前記第1の被圧延材の搬送速度のパターンを含む第2データを収集するデータ収集部と、
    前記第1データおよび前記第2データにもとづいて、前記第1の被圧延材に注水される冷却水の予測値である第1予測注水量を計算する第1計算部と、
    前記第1予測注水量および前記揚水ポンプの吐出流量に対する前記揚水ポンプの速度の特性データにもとづいて、前記揚水ポンプを駆動するインバータ装置に供給する速度指令値を計算する第2計算部と、
    を備え、
    前記第1計算部は、前記第2データの大きさに応じて、前記第1予測注水量を増加するように設定し、
    前記第2計算部は、前記第1予測注水量の増加に応じて、前記速度指令値を大きい値に設定する揚水ポンプの速度制御装置。
  2. 前記第1計算部は、前記第1の被圧延材が、前記複数の圧延機のうち最後の圧延スタンドに噛み込まれる前に、前記第1予測注水量を増加させるように設定し、
    前記第2計算部は、前記第1予測注水量とともに増加するように設定する請求項1記載の揚水ポンプの速度制御装置。
  3. 前記第2計算部は、前記第2データに設定された最大の速度に対応した値に到達し、前記第1の被圧延材が、前記最後の圧延スタンドから排出された後に、前記速度指令値を減少させるように設定する請求項2記載の揚水ポンプの速度制御装置。
  4. 実際に使用された冷却水が、前記第1予測注水量よりも多い場合に、前記速度指令値を修正する第1修正値を生成する第1監視部と、
    前記第1修正値にもとづいて、新たな速度指令値を生成する速度修正部と、
    をさらに備えた請求項1記載の揚水ポンプの速度制御装置。
  5. 前記ヘッドタンクの水位であって、前記圧力を維持することができる水位である水位しきい値と実際の水位とを比較し、前記実際の水位が前記水位しきい値を下回った場合に、前記速度指令値を修正する第2修正値を生成する第2監視部と、
    前記第2修正値にもとづいて、新たな速度指令値を生成する速度修正部と、
    をさらに備えた請求項1記載の揚水ポンプの速度制御装置。
  6. 前記第2監視部は、前記実際の水位が、前記水位しきい値を下回った後再度前記水位しきい値に到達するまでは、前記速度指令値を小さくすることを禁止する請求項5記載の揚水ポンプの速度制御装置。
  7. 前記データ収集部は、
    前記第1の被圧延材に続いて圧延される第2の被圧延材に対して設定され、
    前記第2の被圧延材の先端に注水する冷却水の流量を設定する第3データおよび前記第2の被圧延材に設定された搬送速度のパターンを含む第4データを収集し、
    前記第1計算部は、
    前記第3データおよび前記第4データにもとづいて、前記第2の被圧延材に注水される冷却水の予想値である第2予測注水量を計算し、
    前記第2計算部は、
    前記第2予測注水量と、前記特性データと、にもとづいて、前記インバータ装置に対する第2速度指令値を計算し、
    前記第2計算部は、
    前記第1の被圧延材が、前記最後の圧延スタンドから排出されるよりも前に前記第2の被圧延材が前記複数の圧延機の最初の圧延スタンドに噛み込まれた場合には、前記速度指令値の減少を中止する請求項3記載の揚水ポンプの速度制御装置。
  8. 前記データ収集部は、
    前記第1の被圧延材に続いて圧延される第2の被圧延材に対して設定され、
    前記第2の被圧延材の先端に注水する冷却水の流量を設定する第3データおよび前記第2の被圧延材に設定された搬送速度のパターンを含む第4データを収集し、
    前記第1計算部は、
    前記第3データおよび前記第4データにもとづいて、前記第2の被圧延材に注水される冷却水の予想値である第2予測注水量を計算し、
    前記第2計算部は、
    前記第2予測注水量と、前記特性データと、にもとづいて、前記インバータ装置に対する第2速度指令値を計算し、
    前記第2計算部は、
    前記第1の被圧延材が、前記最後の圧延スタンドから排出され、前記第1速度指令値があらかじめ設定された最低速度に対応する値に達するよりも前に前記第2の被圧延材が前記複数の圧延機の最初の圧延スタンドに噛み込まれた場合には、前記第1速度指令値の減少を中止する請求項3記載の揚水ポンプの速度制御装置。
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